JP2717290B2 - 疲労特性に優れた圧縮を受けるねじ - Google Patents

疲労特性に優れた圧縮を受けるねじ

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、荷重変動の激しいところに使用される圧
縮荷重を受けるねじ関するもので、特に、固定用、不特
定位置固定用及び移動用として広い範囲で用いられる疲
労特性の優れた圧縮を受けるねじに関するものである。
従来の技術 例えば、流体機器としてのアキュムレータは、容器本
体の内部をブラダにより気体室と液体室に仕切り、その
両端部を側板で閉鎖すると共に液体回路の液圧変動に応
じてブラダを伸縮させ、脈動吸収作用やショックアブソ
ーバ作用等を行わしめているが、この容器本体と側板と
の固定手段として平行ねじが用いられている。
発明が解決しようとする課題 ところで、アキュムレータ内の圧力が上昇し側板が外
方に押圧されると、ねじには軸方向及び周方向の荷重、
所謂変動荷重が最小荷重から最大荷重の範囲にわたり繰
り返し加わるが、この荷重は、各ねじ山が均一に分担す
るものではなく引張力方向に大きく偏する。
そのため、大きな引張荷重を受けるめねじ先端部の谷
底に応力集中が生じ、そこから破壊してしまう。
そこで、この問題を解決するために、既に特許されて
いる「先細状のおねじを用いた疲れ特性のすぐれたネジ
継手」(米国特許4189975号、日本国特公昭56−53651号
参照)を利用することが考えられる。
本発明者は、第5図に示す様に容器本体1のめねじ2
と側板3のおねじ4とを60度三角ねじM106.8×2で形成
し、このおねじ4を前記特許に従い、ねじ山m7〜m1の山
高さhを漸減せしめた試験用アキュムレータを製作する
と共に、前記三角ねじを標準状態で用いた従来型アキュ
ムレータを製作し、そして、シール径d=104mm、内圧
p=0〜318kg/cm2、周波数2.5HZの条件下で各アキュム
レータの各ねじ山の荷重分担率や疲労寿命を調査した。
その結果、荷重分担率は、試験用アキュムレータの方
が、従来型アキュムレータより平均化していたが、疲労
寿命は、試験用アキュムレータの方が従来型アキュムレ
ータより短かった。
因に、荷重分担率が最も大きいねじ山は、試験用アキ
ュムレータでは、先端部2mから2番目のねじ山m2で、そ
の率は、18.5%、従来型アキュムレータでは、先端部か
ら1番目のねじ山で、その率は、21%であり、又、疲労
寿命は、従来型アキュムレータでは560.000回、試験用
アキュムレータでは、380.000回であった。
ねじ山の荷重分担率が低下すると、ねじ疲労寿命が伸
びるのが通常であるが、上記試験用アキュムレータで
は、これに反し、疲労寿命が短かくなったのである。
そこで、その原因を調べたところ、各めねじ谷底fに
加わる最大曲げモーメント中、めねじ先端部2eの2番目
のめねじ谷底f2にピーク曲げモーメントが加わり、曲げ
モーメント振幅も最大となり、そこから破壊しているこ
とがわかった。即ち、おねじ4が矢印P方向に荷重がか
かると、めねじの各ねじ山fmは、下面に分担荷重を受け
る片持梁の状態となり、めねじ山fmの山高さfhは、曲げ
モーメントの大きさに影響するスパンとみることができ
る。
そのため、山高さfhが均一化されている場合には、各
ねじ山の分担荷重が均一化されていないと、分担荷重が
大きいほどピーク曲げモーメントが大きくなり、また、
曲げモーメント振幅も最大となり、破壊しやすくなるの
である。
そこで、従来型アキュムレータと試験用アキュムレー
タのめねじ谷底に生じる単位当たりの最大曲げモーメン
トを、下記計算式により計算してみた。
Pn=Hn×Wn/Sn ただし、この式において、Pn=引っ張りを受けるN山目
のねじ谷底にかかる単位当り最大曲げモーメント、Hn=
引っ張りを受けるN山目のねじの平均引っかかり高さ、
Wn=N山目の分担荷重、Sn=引っ張りを受けるN山目の
ねじの接触幅の中点から谷底までの長さ、である。
その結果は、第3図に示す通りであった。
この図において、Aは、従来型アキュムレータ、Bは、
試験用アキュムレータを示すが、試験用アキュムレータ
Bの先端部ねじ2eから2番目のめねじ谷底f2に13.5kg m
m/mmの単位当たりピーク曲げモーメントPBが生じ、しか
もそのモーメントPBは、従来型アキュムレータAの単位
当たりピーク曲げモーメントPA=11.4kg mm/mmより大き
く、そのため、曲げモーメント振幅も大きく、ねじが疲
労破壊し易い事が明らかとなった。
この発明は、上記事情に鑑み、圧縮荷重を受けるねじ
の疲れ特性を向上させることを目的とする。
課題を解決するための手段 この発明は、同一ピッチで形成され、同一中心軸を有
する螺合されたおねじとめねじとからなり、かつ、変動
荷重を受けるねじにおいて;前記中心軸と両ねじの各ね
じ谷底との距離が一定であり、前記両ねじのねじ山が標
準高さであり、圧縮荷重を受ける側のねじが該ねじ端部
の各ねじ谷底付近の接触面の一部を圧縮荷重方向に次第
に小さく欠如せしめて該ねじの各ねじ山の接触面の下端
同志を結ぶ線をテーパ状にし、その上端同志を結ぶ線を
前記中心軸と平行にし該ねじと螺合する引っ張り荷重を
受けるねじとの接触面積を漸増させるとともに、前記接
触面を対向する他方のねじのねじ山に常時当接せしめた
ことを特徴とする疲労特性に優れた圧縮を受けるねじ、
である。
作用 おねじと螺合するめねじが、例えば、引っ張り荷重を
受けるおねじに圧縮荷重が加わるが、各おねじ山高さが
同じでも、接触幅が圧縮荷重方向に漸増しているので、
それにつれ接触面積も漸増する。そのため、圧縮荷重を
受ける第1山目のおねじは、分担すべき伝達荷重に対し
て該ねじ接触面積が小さいと該ねじは、塑性変形と限度
内変形を起こし、弾性限度内変形分だけ荷重を受け持
ち、それ以外の荷重は、次のねじ山に移される。
また、分担すべき伝達荷重に対して該ねじ接触面積が
大きいと該ねじは、弾性限度内変形を起こし弾性限度内
変形分だけ荷重を受け持ち、それ以外の荷重は、次のね
じ山に移される。
このようにして、各めねじの接触面積を調整すれば各
めねじの分担荷重は均一化される。
そのため、各ねじ谷底の単位当たり最大曲モーメント
を平均化できるので、ねじ端部に片寄った単位当たりピ
ーク曲げモーメントは、大きく低減し、曲げモーメント
振幅も小さくなるので疲労破壊が起こらない範囲の強度
を保つ。
実施例 この発明の実施例を添付図面により説明するが、同一
図面符号はその名称も機能も同一である。
第2図は、アキュムレータAccの縦断面図であり、容器
本体10の内部は、ブラダ11により気体室12と液体室13に
仕切られ、又、この本体10の両端部14、15は、側板16、
17により閉鎖されている。
この本体10の両端部14、15と側板16、17は螺着されて
いるが、そのねじ部Sは、第1図に示すごとく形成され
ている。
即ち、容器本体10の端部14の内側には、側板16のおね
じ19と螺合するめねじ20が形成されている。
このおねじ19は、10個のおねじ山FSを備えているが、
各ねじ山高さは標準高さに形成されている。ピッチPの
側板16のおねじ山FS1からおねじ山FS10にかけて、ピッ
チPより大きなピッチP1で再加工し、各おねじ谷底F1
10側のめねじ山MSとの接触面CFの一部を漸減切り欠く。
このようにして、側板16を再加工すると、欠くおねじ
山FS110の接触面CFの上端同志を結ぶ線21は中心線C
と平行になり、また、その下端同志を結ぶ線22はテーパ
状となり、この線21と線22の交角はγとなるが、この交
角γは、10度以内が好適である。
このように加工されたおねじ山FS110の接触幅FWは圧
縮荷重方向A2に次第に増大し、それに伴いめねじMSとの
接触面積も漸増する。このときのピッチPと再加工ピッ
チP1との関係は、詳細な説明を省略するが、次のような
計算式で表すことが出来る。
P1=Pcosγ{cosγ+sinγ}tan(α−γ) 但し、この式においてαは、線21と接触面CFとの交角を
示す。
この計算式を用いると、再加工ピッチP1は簡単に、し
かも正確に計算することが出来る。その一例を示すと、
ピッチP=2、γ=3° α=60°の場合は再加工ピッ
チP1=2.062となる。
めねじ20の各ねじ高さMLは、標準高さに形成されてい
る。なお、25は、必要以上のねじ込みを防止するための
C型ストッパである。
次に、この実施例の作動について説明する。液圧回路
30の液圧が変動し、給排口23からアキュムレータACC内
に液体が圧入されるとブラダ11が圧縮され気体室12内の
圧力が上昇して側板16を矢印A2方向に圧縮する。
このため、螺合している各ねじには分担荷重W110がか
かる。
しかし、この分担荷重Wが大きすぎると、そのねじ山
が弾性限度内変形と塑性変形を起こしねじのピッチが変
化すると共に、各ねじ山の現実に受け止める荷重は、弾
性限度内変形の力の範囲分だけであり、それ以外の荷重
は、次のねじ山に回される。
この様に、現実の各ねじ山の分担荷重は、ねじの接触
面積により規制されており、従って、めねじの平均引っ
かかり高さ、即ち、接触幅FWの中点H110が引っ張り荷
重を受ける方向、即ち、矢印A1方向に向かって次第に低
くなっていると、前記接触面積も同方向に向かって漸減
するので、各ねじ山が受ける分担荷重は平均化する。
又、前述のように接触高さMLが矢印A1方向に向かって
次第に低くなっているため、曲げモーメントの大きさに
影響するスパン(平均引っかかり高さH110)の長さも
同一方向に向かって次第に小さくなる。
従って、めねじの先端部E1のねじ谷底に生じる単位当
りのピーク曲げモーメント、即ち、各めねじ谷底E110
に加わる単位当り曲げモーメント中の最大なものも低減
するので各めねじ谷底E110の単位当り最大曲げモーメ
ントが平均化する。
そのため、各ねじ谷底に加わる曲げモーメント振幅も
平均化するので、疲労特性に優れた圧縮を受けるねじと
なる。
因に、本発明によるねじを用いたアキュムレータを製
作し、前記実験と同じ条件下でめねじ谷底f110に生じ
る単位当り最大曲げモーメントとねじの疲労寿命を調査
したところ、単位当り最大曲げモーメントは、第3図の
曲線Cに示す通りとなり、その単位当たりピーク曲げモ
ーメントPCは5.7kg.mm/mmとなり、また、疲労寿命は、1
0,000,000回以上であり、従来型アキュムレータの20倍
以上となった。
上記実施例では、めねじについて説明したが、この発
明は、色々な種類のねじ、例えば、角ねじ、丸ねじ、台
形ねじ等にも適用できることは言うまでもない。
また、めねじが圧縮荷重を受ける側の寝字、例えば、ナ
ット、である場合には、第4図に示すように、ナット50
端部の各めねじ谷底e付近の接触面CFの一部を圧縮荷重
方向、即ち、矢印A2方向に、次第に小さく欠如させて該
ナット50と螺合するボルト51との接触面積を漸増させ
る。
この場合には、該ナット50はボルト51との螺合位置いか
んにかかわらす、常時、接触幅、換言すると、接触面
積、が荷重方向に漸増するので分担荷重は常に平均化す
ることになり、優れた疲労特性を示すようになる。
第4図において、52は固定具を示す。
発明の効果 この発明は、以上の様に構成したので、各ねじの分担
荷重が平均すると共に各ねじ谷底の単位当たり最大曲げ
モーメントも平均化する。
従って、ねじ端部に生じる単位当たりピーク曲げモー
メント及び曲げモーメント振幅が従来例に比べ低減する
ので疲労特性が向上し、疲労寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例を示す図で、第2図のねじ
部拡大断面図、第2図はアキュムレータの縦断面図、第
3図は、各ねじ谷底と単位当たり最大曲げモーメントの
関係を示す図、第4図は、他の実施例を示す縦断面図、
第5図は従来例の拡大断面図の一部を示す図である。 19……おねじ 20……めねじ CF……接触面 FW……接触幅 E1……めねじの先端部 A2……圧縮荷重方向

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一ピッチで形成され、同一中心軸を有す
    る螺合されたおねじとめねじとからなり、かつ、変動荷
    重を受けるねじにおいて; 前記中心軸と両ねじの各ねじ谷底との距離が一定であ
    り、 前記両ねじのねじ山が標準高さであり、 圧縮荷重を受ける側のねじが該ねじ端部の各ねじ谷底付
    近の接触面の一部を圧縮荷重方向に次第に小さく欠如せ
    しめて該ねじの各ねじ山の接触面の下端同志を結ぶ線を
    テーパ状にし、その上端同志を結ぶ線を前記中心軸と平
    行にし、該ねじと螺合する引っ張り荷重を受けるねじと
    の接触面積を漸増させるとともに、 前記接触面を対向する他方のねじのねじ山に常時当接せ
    しめたことを特徴とする疲労特性に優れた圧縮を受ける
    ねじ。
  2. 【請求項2】圧縮荷重を受ける側のねじが、めねじであ
    ることを特徴とする請求項1記載の疲労特性に優れた圧
    縮を受けるねじ。
  3. 【請求項3】圧縮荷重を受ける側のねじが、おねじであ
    ることを特徴とする請求項1記載の疲労特性に優れた圧
    縮を受けるねじ。
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