JP2714634B2 - ガスバーナー装置とその運転方法 - Google Patents

ガスバーナー装置とその運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、バーナーに係り、詳しくは窒素酸化物の発
生量を低減させることができるバーナーに関するもので
ある。
本発明は、煙道なしの対流式でガスを燃料とする暖房
器用に使用するために開発されたものであり、このよう
な特殊な用途に関連して説明するが、本発明はこのよう
な特殊な利用分野に限定されるものではない。
[従来の技術] 換気しないでガスを燃料とするバーナーは、住宅その
他の建物内で暖房器として広く使用されている。バーナ
ーの熱効率は、空気の浸透率を低下させることができる
ことによるが、バーナーは、特にNO2を形成するNOxの量
に関して室内の汚染源となる。
NOxは「窒素酸化物」の複合、とくにNO、N2O、NO2・N
Oを記述する用語であり、例えば、NO2は戸外の環境、特
に酸性雨、オゾンおよび光化学スモッグとの関係におい
て懸念されている。そして、NO2は肺の機能に影響する
ことから、とりわけ医療機関において関心が高い。
1980年代の医療の研究では、NO2はかなり低い量で
も、従来考えられていたよりも肺の機能を冒すことが提
唱されている。最近までは、例えば、ニューサウスウェ
ールスでは、NO2の8時間当り3ppmの上限は安全と考え
られ、米国では、その数字は8時間当り5ppmであった。
しかしながら、キャンベラの国立健康医療研究評議会の
公衆健康委員会は、新しい医学の資料をすべて検討した
結果、0.3ppm以上の量は考慮すべきであると決定し、WH
Oもいまや、0.21ppm(毎月当り1時間を超える時間を超
過しない量)の目標を設定している。
さらに、戸外の環境における一般の関心は、大気中に
おけるNOxの量について高まっており、世界中の各種機
関が、燃焼生成物の発生を制御する規制を導入してい
る。
一般に、ガスバーナーには、「青焔バーナー」と、
「表面燃焼(放射)バーナー」との2種類がある。対流
式暖房にもっとも普通に使用されるのは青焔バーナーで
あり、青焔バーナーは表面燃焼バーナーよりも低い温度
で作動し、学校や家庭で使用するのにより安全である。
しかしながら、青焔バーナーが一般に15ないし30ng/ジ
ュールのNO2を発生するということは定説になってお
り、このことにはNOxを減少させる可能性があるとは考
えられていない。このような理由で、低NOxのバーナー
を生産する研究は主として、表面燃焼バーナーについて
集中して行われている。
過去20年には、NOxの発生量がより低いバーナーの製
造の研究は、単独に、または第2段階の燃焼を採り入れ
てた、過剰の空気の使用に集中されている。その結果、
これらのバーナーは、設計や運転操作の両方に非常に複
雑なものになった。
[発明が解決すべき課題] 例えば、今日最も成功したものは、各種の金属表面の
成形、セラミックの表面またはアフターバーナー等にお
いて、加圧して予め混合した空気/ガスの混合体を使用
することに集中されている。これらはすべて高過剰空気
と高燃焼負荷に依存していた。加圧装置、アフターバー
ナーおよび高燃焼負荷等が条件として要求されるので、
バーナーが嵩ばり、複雑になり、運転の融通性に劣るこ
とになる等の不具合があった。
そればかりでなく、旧式のバーナーに比べればNOxの
発生が削減されるものの、これまでは、望ましいと思わ
れる目標水準に近づくことさえもできなかった。
従って、本発明の目的は、構造が簡潔で運転に融通性
があり、従来技術の上述の欠点を克服し、大幅に改善す
ることができる低NOxのバーナーを提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] かかる課題を解決するために本願発明が採用して技術
的手段は、熱伝導性の耐熱材料で形成された燃焼表面を
有するプレナム室と、燃料供給源と、前記プレナム室内
に延在する空気/燃料混合兼送達装置とを有する自然吸
気ガスバーナー装置において、 前記燃焼表面は所定の面積を有すると共に、空気/燃
料混合物を通過させる多数の孔を全体にわたって実質的
に均一に有し、 前記送達装置は、理論的な完全燃焼に必要な量より10
%ないし60%の過剰の空気成分を有する空気/燃料混合
物をプレナム室に供給し、前記燃焼表面から排出させ、
燃焼表面あるいは燃焼表面付近で燃焼させるように寸法
を決定し選択され、 前記燃焼表面に対する前記多数の孔の占める割合およ
び前記空気/燃料混合兼送達装置を選択することで、前
記多数の孔を通過する空気/燃料混合物の流率を決定
し、燃焼表面におけるバーナー負荷を200ないし650MJ/m
2・時とすると共に、燃焼表面における燃焼温度を760℃
から850℃の範囲とし、 もって、燃焼生成物内の窒素酸化物の形成を、約5ng/
ジュールまたはそれ以下に減少させるようにしたことを
特徴とする。
燃焼表面は、一層または多層の網状材料で形成される
のが望ましい。より好ましくは、この表面は、しっかり
と固定され、燃焼表面全体面積に対する有孔度が32%
で、30×32×0.014インチの3層のニッケルを基材とし
た鋼製の網の層を包含している。
一連の実験の結果、過剰空気の供給と、低燃焼負荷
と、低温度と、所定のバーナーの取入口(炎孔)の低負
荷によって示される燃焼過程の遅延化との組合わせを有
するバーナーを提供することによって、本発明が前記し
た障害を克服できることがわかった。この組合わせによ
れば、完全燃焼が行われるものと思われ、その結果、温
度の水準をNOの形成を阻止する範囲内に維持するもので
ありながら、COの発生率が低く、すなわち、CO/CO2が0.
002であり、換気をしない室内での使用に適するバーナ
ーを提供する。ある条件でNO2に転換するNOの生成を抑
制することは、すべての窒素酸化物を従来は達成できな
いと思われていた水準にまで減少させるのに役立つもの
と信じられる。
普通の表面燃焼バーナーは、通常化学量(100%)の
空気/燃料の比で運転されるように設計されていた。そ
れは一般に最も有効に熱を転換することができ、最高の
運転温度を得られるからである。これと同じ理由で、こ
のことはまた、NOxの発生量を減少させようとする必要
があるときには、バーナーの運転にとって最悪の条件と
考えられてきた。
従って、以下に説明するバーナーが、燃焼温度水準を
抑制するのに、過剰の空気を使用するものであるにもか
かわらず、このバーナーが化学量的条件で運転され、な
おかつ非常に低い量のNOxしか発生しないことが実験で
示されたことを見ると、それは驚くべきことであること
が分かる。しかしながら、この形式のバーナーは、過剰
の空気の量で運転されるときに比べると、MJ/m2・時に
関してコンパクトではない。
さらに興味のあることとして、多量の過剰空気を使用
しながらある種の空気ポンプを使用しない低圧力のバー
ナーは、フラッシュバックが経験される問題によって、
以前には受け入れられるものとは考えられなかった。
実験の結果によれば、燃焼生成物からの発生水準を十
分低くし、0.1ppmの室内の空気品質に適合するように、
表面燃焼バーナーを製造することができることが分かっ
た。
[実施例] 本発明の二つの好ましい実施例を、例示のみとして、
添付の図面を参照して説明する。
図において、バーナー1は、全体を2で示し実質的に
筒形のプレナム室を包含し、このプレナム室2は一端
に、全体を3で示す空気の混合ならびに送達装置を有し
ている。プレナム室2は、実質的に円筒形のアルミ引抜
き成型体4で形成され、成型体4は複数の長手方向に延
びる冷却フィン5を有し、このフィン5は、その表面の
長手方向の半分の面から外方に放射状に突出している。
円筒の直径方向に対向する側面には、2本の溝6が同じ
く長手方向に設けられ、それぞれに内面を鋸歯状にした
変形可能のリップ7を有している。フィン5を有しない
円筒4の部分は、円筒の各端部に1個所ずつ、2つの短
い長さ部分8を除いて切り取られており、他の部品を取
付ける枠体の役目をしている。
プレナム室2の他の半分は、円周方向の耐熱の網状材
料9を3層重ねて形成してある。網状材料9は十分圧縮
されて成型体4に対応する形状をし、内側向きに折上げ
リップ7によって溝6内に取付けられている。鋸歯状部
は網材9を掴み、成型体4との接続部に大きな強度を与
えている。この接続部をシールすることは、漏洩があっ
ても炎の先端を通過するときに消滅するので不必要であ
る。
空気混合装置3は、ブラケット11によってベンチュリ
12に取付けたガス注入ノズル10を包含している。注入器
10とは反対側のベンチュリ12の末端には、アルミ体4の
壁体に固定されて、実質的に半円形のバッフル13が若干
の角度を設けて取付けられている。
半円形のバッフル13のすぐ後方からプレナム室2の端
部まで、長手方向にテーパー付きで、山形断面に折曲し
た、拡散バッフル14が延在している。このバッフル14
は、空気/ガスの混合物をバーナーに沿って実質的に一
定の圧力水準で、均等に分配する役目をしており、混合
物がバーナー1の長さに沿って均等に燃焼するようにし
ている。
使用に際しては、ガスがベンチュリの入口に注入さ
れ、吸い込みと周囲の空気との混合によって、各種の空
気/ガスの混合物ができ、網状材料9の層を通って混合
物の燃焼が起こる。
「ホットスポット」ができるのを防止し、燃焼温度を
低く一様に保持するために、網の層がしっかりと確保さ
れていることを確認する必要がある。網材の反り返り
は、交差部分の網材を切断し、すべての網材の線片をほ
ぼ一様の長さになるようにし、それによって個別差の伸
長を防止することによって、最小にすることができるこ
とが分かった。
重要なことは、網材料9の各層は、好ましくは、相互
に各層の開口部が整列せず、隣接層の開口部と合致しな
いように位置付けされることである。言い替えれば、網
の層9の燃焼表面外側と、プレナム室2との間の開口部
を通して、直接の通路がないことである。この点におい
て、連続する網の層は放射エネルギー(加熱の対象から
の)の反射波に対して障壁として作用し、反射エネルギ
ーがプレナム室に入ってバーナーを過熱するのを防止し
ている。
また、バーナー1の燃焼表面は、燃焼表面外側とプレ
ナム室2との間に直接の通路がないよう迷路を形成し
て、反射した赤外線のエネルギーが、近在する対象物か
らバーナーのプレナムに戻されるのを防止するような次
元を有する貫通開口部からなる網の単一層または、他の
材料で形成することができる。
この第1の実施例の寸法と、定格は下記のとおりであ
る。
仕様 バーナーのエネルギー定格 19,900 Btu 室の寸法 直径 内径 5cm 有効長さ 47cm 網状材料 インコネル線 径0.036cm 平方インチ当り横方向の 線の網目 30×32 有効網面積 (47×8.30) 390.1cm2 過剰空気 28% バッフル角度 ブラケット付き80度 バッフル位置 ベンチュリ出口から2.7cm ベンチュリ のど部径 2.6cm 入口径 7.62cm のど部から出口の長さ 15.6cm (4度の角度含む) 平均燃焼温度 850℃ 発生量 NO2 1.8ng/ジュール CO/CO2比 0.001〜0.003 この設計は実質的には、各種のエネルギー定格のバー
ナーを製造するのにスケール変更が可能である。
試験開始後、同じエネルギー定格を有し、同じ燃焼表
面積を有する一般仕様のバーナーの第2の実施例を造る
ことを決定したが、今回は、凸面を有する実施例の運転
と比較するために、実質的に平面あるいはな扁平形の燃
焼表面を有するものとした。
下記の試験結果が得られたが、これは説明に役立てる
ものであり、本発明を限定するものではない。
バーナーのこれらの実施例は、標準的なバーナーにと
って普通であると考えられる量よりは十分低い二酸化窒
素の発生量とすることが可能であることを示した。市販
のガス暖房器に現在使用されている標準の青焔バーナー
は、15〜20ng/ジュールのオーダーの二酸化窒素量を発
生するが、本発明の低NOxバーナーは、わずか1ng/ジュ
ールしか発生させない。
本試験の目的は、予め定めた二酸化窒素の発生を実現
すべく低NOxバーナーの運転条件を確立する手段を作り
出すことにある。
バーナーの出力に対する形式における器具からの発生
物を測定するのには、オーストラリアガス協会の手法を
使用した。すべてのNOxの量は、Monitor Labs社の窒素
酸化物分析器モデル8840を使用して測定し、従って、そ
のような計器の精度と固有の制約に従うことになる。二
酸化窒素の量はナノグラム/ジュール(ng/J)の単位で
表現することができ、従って、室の大きさに関係する。
この値は、煙道が付いていない装置が運転されている室
の中のNO2の量を間接に制御する。故に、任意の与えら
れた室の中で測定された量は、室の大きさ、換気、室内
の収容物、周壁内への二酸化窒素の吸収、およびNO2
バックグラウンドの量等で変化する。従って、この変化
可能性が原因で、所定の室の中のNO2の量を正確に記述
するには、かなり複雑な模型が必要である。
発生量を評価するために、バーナーは集気フードの下
に置いた台枠の上にのせた。二酸化窒素と二酸化炭素の
バックグラウンドの量を計り、後にバーナーからのサン
プルの量から差し引いた。
下記は、使用した公式と、後記する結果を測定するた
めに設けた仮定の概要である。
ここに、 Y1=取入空気中のNO2をppmで示す濃度(容積比) Y2=排出ガス中のNO2をppmで示す濃度(容積比) C =完全燃焼時のガスの単位容積当りに発生するCO
2の容積を、ガスとCO2との両者をメートル法標準条件
(MSC)で測定した値 X1=取入空気中のCO2を%で示す濃度(容積比) X2=排出ガス中のCO2を%で示す濃度(容積比) H =MSCのMJ/m3(乾燥時)で示すガスの全体の加熱
ここに、 天然ガスの化学量的空気/ガス比=9.44(容積比) 故に、 温度の測定はNi−Al型の表面プローブを使用して行っ
た。プローブの先端は網の表面に接触するようにあてが
った。通常の運転の間のバーナーの網の上方の炎の高さ
は約1.5−2.0mmであり、Ni−Al型の表面プローブは、直
径1/16″(1587mm)のワイヤである。この基準によっ
て、試験中に得られる温度は網/炎の平均温度であると
いう仮定を定めた。
ある場合には、バーナーを意図的に過負荷にした。そ
のような場合には、火焔が網の表面から切れて、第2段
階の燃焼が起こった。この火焔の温度をもう一度表面プ
ローブで測定して、900℃のオーダーであることが分か
った。
ここで、バーナーの負荷は次のように定めた。
ここに、ガス測定率はMJ/時で測定し、 Pi=注入器の圧力(kPa) A =網の表面積(m2) 前述のように、バーナーの網は約60%のニッケルを含
むインコネルの材料であって、網目の仕様は30×32×.0
14インチである。バーナーの構成には3層の網を使用
し、これらの層は層間の空隙を最小にするために圧縮し
てある。
この低NOxバーナーを下記に示すようないくつかの運
転条件に設定し、各条件ごとに発生物のサンプルを採取
した。
[試験結果] 試験は、2.45mmの注入ノズルを有する前記の30MJ標準
円筒形バーナーについて始めた。この第1の試験の狙い
は、温度が各種の汚染物の発生量に与える影響を測定す
ることであった。注入器に対するガスの圧力を増加させ
ることによって、バーナーの負荷が上昇できるようにし
て、温度を変化させた。その結果を下記の表1に示し、
この表から温度の上昇につれてNOxの発生も上昇してい
るが、それにもかかわらず、試験の間中非常に低い値で
あったことが分かる。限定制限要素は、最小の負荷にあ
ったと思われ、それでもなお優れた燃焼が行われてい
る。
ついで、この試験を同一のバーナーについて繰り返し
た。ただし、データを精密にするために、増加圧力の増
分をより小さくしてある。結果を以下に示す。
なお、同一の基本のバーナーを使用し、注入器を3.00
mmの太いノズルのものと入れ替え、もう一度ガスの圧力
を変化させて、温度に関する影響の測定を行い、そのと
きの汚染の発生物の濃度を監視することにした。1kPaの
ガス供給率におけるバーナーの出力はかなり高く、ほと
んど48MJであったことが分かる。その結果、全体に温度
が上昇したが、在来のバーナーに比較すると、NOxの発
生濃度はなお驚くべきほどに低い。
ついでバーナーの注入器を標準の2.45mmのノズルに戻
した。圧力の増分を変化させて、試験を繰り返したが、
今度は空気の混合物を各段階ごとに調節し、試験の間
中、この混合物が化学量的に保持されるようにし、一
方、温度を変化させた。下記に示す結果から、内在する
過剰空気による冷却効果がないために、全体として温度
が高めであるが、ここでもまた、発生物の濃度は驚くべ
きほどに低いことが明らかである。
従って、次の試験では、一定水準のガス圧力を維持し
ながら空気の成分の百分比の影響を測定することに決定
した。試験は2.45mmの注入ノズルを有する標準のバーナ
ーで行った。結果を下記に示す。
ついで、上記の試験を、今度は温度を820℃に一定に
保持し、再び空気の供給の百分比を変化させながらもう
一度繰返した。その結果を下記の表6に示す。
次に、より小型の2.1mmジェットを使用することによ
って、バーナーの出力を減少させ、1kPaにおける出力
が、約23MJになるようにして、上記の空気混合試験を繰
り返した。結果を下記の表7に示す。
この試験を一層小型の1.85mmノズルに交換してもう一
度繰返し、1kPaのガス圧力におけるバーナーの出力が、
約18MJになるようにした。その結果を下記に示す。
この段階で、網が燃焼温度を低下させるのに重要な役
目を果たしていることが明らかになったので、網の層の
厚さまたは層の数を変更してみることにした。使用でき
る網が2枚だけのこれまでの試験は、火焔の先端で「吹
き戻り」が見られたことによって、不成功であった。し
かしながら、網線の太さの違うもの、または網目のちが
うものを使用すれば、この問題を解決することができる
と考えられたが、この段階ではそれ以上の試験は時間の
制約があった。
従って、実施した次の試験では、以前に使用した網を
4層で使用した。第1の試験は3mmノズルを使用した標
準バーナーで行い、圧力は、表3に関して説明したのと
同様の方法で上昇させた。結果を下記に示す。
つぎに、ノズルを2.45mmの標準の注入器に戻し、上記
の試験を繰り返した。結果を表10に示す。
より大きい3.5mmのノズルを使用して、試験をもう一
度繰返し、その結果を以下に示す。
つぎに、網を5層にしたときの効果を試験することに
した。3mmのノズルを使用して第1の試験を再び始め、
その結果を下記に示す。
つぎに、注入器を標準の2.45mmのノズルに戻し、試験
を繰り返した。結果を表12に示す。
NOxの減少は、なんらか、網の「ニッケル」成分に関
係があるという考えを振り払うために、標準的なステン
レス鋼で、近似の網目と太さのものを使用して試験をも
う一度繰り返した。下記の結果は「インコネル」網を使
用して得られたものと著しく変ることはなかった。
この時点で、全等の扁平型バーナーの原形を建造し、
試験をすることに決定した。試験の結果に表にしたもの
を以下に示す。両試験において、温度に対応する変化を
起こさせるために、直接変化させたのはガスの圧力だけ
である。表14の結果は扁平型のバーナーに関し、表15と
16の結果は丸型バーナーに関するものである。表14と16
の結果は天然ガスを使用して得られたものであり、表15
の結果は液化ガスを使用して得られたものである。
次に、開示された表示のデータと、このデータに基づ
いて作成した第5図以下の諸グラフをを使用して、本発
明の作用を説明すると共に、試験結果の解釈の便に供
し、これらのデータが将来のバーナーの開発に使用でき
るようにした。
全グラフを通じて、各曲線は、データを引き出した表
の番号に対応する参照番号によって一致させてあり、T1
で示された曲線は表1で説明された結果に対応するよう
にしてある。データを取り出した表の縦の列は、グラフ
の各座標軸に指定された変数から明らかである。すべて
のグラフについて、単位は表に示されたものに対応して
いる。
第5図は、温度(x軸)とNO2(y軸)との関係を、
表1ないし4、第1の円筒形の実施例についての表15お
よび16と、第2の扁平表面型の実施例についての表14と
表17から得られたデータに従って説明している。
同様に、第6図は、バーナーの同一の形状についての
バーナー負荷(x軸)とNO2(y軸)との関係を示して
いる。
これらの結果から、運転条件に関係なく、バーナーが
本来的にNO2の低い発生量を示していることが明らかで
ある。また、バーナーが設計負荷で運転されると最良の
結果が得られることも明らかである。バーナーを過負荷
にするとNO2の発生量を増加させるような段階的変化が
示される。しかしながら、曲線T4は、バーナーの空気/
ガス比が大略化学量的に維持されれば、円筒形のバーナ
ーについて、少なくとも約500MJ/m2・時の明らかな、最
適の最小のバーナー負荷があることを明示し、それ以上
では、NO2の発生の増加率が促進される。
第7図は、NO2の量(y軸)に関する過剰の空気(x
軸)の影響を、表5ないし8を通して示された結果に従
って説明している。さらに解釈すればより有益である
が、空気成分の増加につれてNO2の量が減少し、20%を
超えるとそれ以上元の空気を加えても、目立った影響を
示さないことを明らかに示している。
要約すれば、上記の試験結果は、このバーナーは、一
層低いNO2の発生量と考えられる化学量的に運転するこ
とができることを示している。さらに、過剰の空気は、
バーナーを超低NO2の条件で運転することを可能にし、
このとき空気は燃焼反応に付加の冷却効果を与える。前
述したように、このバーナーはまた、火焔が燃焼面外に
届くような過負荷の条件で運転することができる。この
条件では、二酸化窒素の量は、NO2の量が普通は15ない
し20ng/Jであるような標準青焔バーナーに比べて、なお
非常に望ましい。
第8図は、CO/CO2比で説明されるバーナーの燃焼効率
とこのような燃焼水準を達成するのに必要なバーナー負
荷との関係を測定する手段を与えるように作図されてい
る。必要とされるCO/CO2の水準は、地域毎の規制や換気
の必要性によって異なっているために、このバーナーは
広いスペクトラムにわたって、運転することができる。
このグラフは、対応する所要の燃焼水準に対する最小の
バーナー負荷(従ってより低いNOx)を測定するのに容
易さを与える。
第9図は、バーナーの燃焼表面の変化が、NOx生成物
の変化に関係があるかどうかを測定するために、ある予
備的調査を行った結果を示している。バーナーの組立て
には、ステンレス鋼の網、4層のインコネル、および5
層のインコネルの網を使用した。
ステンレス鋼の網は、標準の3層のインコネルに相当
するような結果を示した。4層、5層の方式は、結果に
矛盾を示し、予期した以上の量の二酸化窒素を生成し
た。層の数を増やすことは、燃焼反応が起こるために要
する時間の増加を生ずるものと期待され、従って、バー
ナーはより低温でもなお効果的な燃焼を維持し、より低
い運転温度はより低いNOxを生じさせるものと考えられ
ていた。
4層方式は3層よりも多くのNOxを発生した。しか
し、5層のバーナーは4層よりもNOxが低い結果を示し
た。
上述の第5ないし9図に描かれた結果をプールするこ
とによって、NOxの低いバーナーの製造のための重要な
変数の間の一般的関係を示す他の一連のグラフを作成す
ることができる。従って、第11ないし14図を総括する
と、バーナーの負荷、燃焼CO/CO2比、所要の過剰空気お
よび達成されるNO2量を決定するのに使用することがで
きる。尚、これらのグラフは、得られる発生物量をさら
に平均25%も減少させた第2の実施例の扁平型で得られ
た結果を示すのに時間の制約があったことによって、最
新のものではなくなっている。
試験は、特定の寸法、網目の網を使用する制限を受け
たけれども、燃焼表面の伝導率および空気/燃料混合物
を通過させる多孔が燃焼表面全体に占める割合(多孔
度)を変化させることにより、バーナーの取入口負荷
(炎孔負荷)を変化させて、同一の運転温度を達成する
必要があるものと思われる。同様に、網の連続層以外の
材料、例えば、同様の圧力低下、多孔度、伝導率特性を
有する焼結金属材料のようなものも、おそらく同様な結
果を達成できると思われる。
また、この低NOxのバーナーが過負荷になった場合に
は、入力によっては、火焔が網の面から15cmないし20cm
もの高さに上がることが認められた。最も驚くべき展開
は、そのような条件でも、二酸化窒素の発生は、表10に
示すように、なお5ng/J以下のオーダーであったことで
ある。このことは装飾丸太の暖炉やガスストーブの設計
に明らかに有利である。
試験の大部分は円筒形のバーナーの第1の実施例に集
中されたが、形状は達成された低水準には寄与していな
いことが明白になった。扁平型のバーナーで得られた限
られたデータは、実際にはより一様な燃焼が得られてい
て、バーナーを一層低いNOx量で運転することができる
ことを示した。解析によれば、円筒形のバーナーは、所
定の出力に対して一層コンパクトで有りうる一方、網の
曲率の理由から、燃焼表面にわたって一様な温度を得る
ことはできないことも分かった。従って、優れた一様な
燃焼を維持するためには、もう少し高い温度で運転する
必要がある。故に、扁平型のバーナーをさらに試験を
し、開発すれば、NOxの発生を一層低下させることがで
きると信じられる。
前記のすべては本発明の実施例を2つだけ説明したも
のであることと、論述したように、本発明の範囲を逸脱
することなく、他の用途のためのバーナーを製造するた
めに、これらに変更を加えることが可能であることは、
当業者であれば理解できることである。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明のガスバーナーの実施例を
示し、第1図は対流式暖房器に使用するのに適した、本
発明のガスバーナーの第1の実施例の概略分解図、第2
図は第1図に示されたガスバーナーを組立てたときの長
手方向の断面側面図、第3図は第2図の線3−3に沿う
バーナーの横方向の断面端面図、第4図は、第2図の線
4−4に沿う横方向の断面端面図であり、第5図ないし
第14図は各種試験の結果から得れたデータを、それぞれ
の座標にプロットしたものであり、第5図は各種の条件
のもとでかつ各種の変更をもって運転された本発明の第
1、第2の実施例についての温度と二酸化窒素発生量と
の関係を示すグラフ、第6図は第1の実施例のバーナー
の各種の形状に対するバーナーの負荷と二酸化窒素発生
量との関係を示すグラフ、第7図は第1の実施例のバー
ナーの各種の形状と運転条件に対して二酸化窒素発生量
への過剰の空気を使用する効果を示すグラフ、第8図は
試験した全形状に対するCO/CO2比とバーナーの負荷との
関係を説明するグラフ、第9図は第1の実施例のバーナ
ーの各種の形状に対して二酸化窒素発生量に対する温度
のグラフ、第10図は過負荷条件で運転された第1の実施
例のバーナーに対して二酸化窒素発生量に対するバーナ
ーの負荷を示すグラフ、第11図は実施した試験からのデ
ータを貯蔵することによって得られたバーナーの負荷と
二酸化窒素発生量との平均化した一般関係を描くグラ
フ、第12図はCO/CO2比とバーナーの負荷との平均化した
一般関係を描くグラフ、第13図は温度と二酸化窒素との
平均化した一般関係を描くグラフ、第14図は燃料/空気
の中の空気の百分比の二酸化窒素発生量との平均化した
一般関係を描くグラフである。 1……ガスバーナー、2……プレナム室、3……混合兼
送達装置、4……成型体、5……フィン、6……溝、7
……リップ、8……短い部分、9……網状材料、10……
注入ノズル、11……ブラケット、12……ベンチュリ、13
……半円バッフル、14……拡散バッフル。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱伝導性の耐熱材料で形成された燃焼表面
    を有するプレナム室と、燃料供給源と、前記プレナム室
    内に延在する空気/燃料混合兼送達装置とを有する自然
    吸気ガスバーナー装置において、 前記燃焼表面は所定の面積を有すると共に、空気/燃料
    混合物を通過させる多数の孔を全体にわたって実質的に
    均一に有し、 前記送達装置は、理論的な完全燃焼に必要な量より10%
    ないし60%の過剰の空気成分を有する空気/燃料混合物
    をプレナム室に供給し、前記燃焼表面から排出させ、燃
    焼表面あるいは燃焼表面付近で燃焼させるように寸法を
    決定し選択され、 前記燃焼表面に対する前記多数の孔の占める割合および
    前記空気/燃料混合兼送達装置を選択することで、前記
    多数の孔を通過する空気/燃料混合物の流率を決定し、
    燃焼表面におけるバーナー負荷を200ないし650MJ/m2
    時とすると共に、燃焼表面における燃焼温度を760℃か
    ら850℃の範囲とし、 もって、燃焼生成物内の窒素酸化物の形成を、約5ng/ジ
    ュールまたはそれ以下に減少させるようにしたことを特
    徴とするガスバーナー装置。
  2. 【請求項2】前記空気/燃料混合物を通過させる多数の
    孔は、燃焼表面全体面積の20%ないし60%を占めること
    を特徴とする請求項1に記載のガスバーナー装置。
  3. 【請求項3】熱伝導性で空気/燃料混合体を通過させる
    多数の孔を有する耐熱材料は、一層または多層の金属性
    網状材料で形成されていることを特徴とする請求項1な
    いし2いずれかに記載のガスバーナー装置。
  4. 【請求項4】燃焼表面は、30×32×0.014インチのニッ
    ケルを基材とした鋼製の網目からなる3層であり、空気
    /燃料混合体を通過させる多数の孔は、燃焼表面全体面
    積の32%を占めることを特徴とする請求項3記載のガス
    バーナー装置。
  5. 【請求項5】燃焼表面は、空気/燃料混合体を通過させ
    る多数の孔が燃焼表面全体面積の20%ないし60%を占め
    る30×32×0.014インチの鋼製の網目からなる3層の燃
    焼表面と同等の空気/燃料混合体の通過性及び圧力降下
    を有することを特徴とする請求項1ないし4いずれかに
    記載のガスバーナー装置。
  6. 【請求項6】熱伝導性の耐熱材料で形成され、空気/燃
    料混合体を通過させる多数の孔を全体に均一に有する燃
    焼表面を有するプレナム室と、燃料供給源と、前記プレ
    ナム室に延在し、理論的な完全燃焼に必要な量より10%
    ないし60%の過剰の空気成分を有する空気/燃料の混合
    物を供給できるよう寸法を決定し選択された空気/燃料
    混合兼送達装置とを有する自然吸気ガスバーナーの運転
    方法であって、 理論的な完全燃焼に必要な量より10%ないし60%の過剰
    の空気成分を有する空気/燃料の混合物を、前記プレナ
    ム室に供給し、前記燃焼表面から排出させて、燃焼表面
    あるいは燃焼表面付近で燃焼させ、 前記燃焼表面における前記多数の孔の占める割合および
    前記空気/燃料混合兼送達装置を選択することにより、
    燃焼表面におけるバーナー負荷を200ないし650MJ/m2
    時とすると共に、燃焼表面における燃焼温度を760℃か
    ら850℃の範囲とし、もって、燃焼生成物内の窒素酸化
    物の形成を、約5ng/ジュールまたはそれ以下に減少させ
    ることを特徴とするガスバーナーの運転方法。
  7. 【請求項7】前記空気/燃料混合体を通過させる孔を、
    燃焼表面の全体面積の20%ないし60%を占めるように選
    択することを特徴とする請求項6に記載のガスバーナー
    の運転方法。
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