JP2711040B2 - 光環境解析方法と光環境解析装置 - Google Patents

光環境解析方法と光環境解析装置

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JP2711040B2
JP2711040B2 JP4015816A JP1581692A JP2711040B2 JP 2711040 B2 JP2711040 B2 JP 2711040B2 JP 4015816 A JP4015816 A JP 4015816A JP 1581692 A JP1581692 A JP 1581692A JP 2711040 B2 JP2711040 B2 JP 2711040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、照明や採光などによる
室内の輝度や照度の分布をコンピュータ・シミュレート
する光環境解析方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、コンピュータ・シミュレーション
による光環境解析方法とその装置が種々検討されてい
る。照明や採光による室内の光環境を設計するに当たっ
て、設計中の照明や採光による室の照度の分布を定量的
に計算することが望まれている。
【0003】そして、その方法には、照明や採光からの
直接光の光線だけではなく、壁面、床、天井、家具、什
器等からの複数回の反射光の光線を含めて、その軌跡を
追跡して、壁面、床、天井、家具、什器等の照度を求め
ることができるコンピュータ・シミュレーションが適し
ている。このコンピュータ・シミュレーションの場合に
は、多様な条件を入力してシミュレーションできるだけ
ではなく、入力した条件を種々変更し、シミュレーショ
ン結果を比較することができるので、更に精度が向上
し、演算時間が短縮して、広く実用化できれば、室内の
光環境設計に非常に有効である。
【0004】コンピュータ・シミュレーションによる光
環境解析方法と光環境解析装置の従来例を図5〜図7に
基づいて説明する。
【0005】図6は、従来例の工程を示すフローチャー
トである。
【0006】ステップ#1は追跡用ブロック・メッシュ
座標入力工程で、コンピュータが室内空間内で相互反射
する光線の軌跡を追跡するために、解析対象の光環境空
間を形成する全内表面を、壁、床、天井、家具、什器等
の各物体毎に分割する多数のX−Y、Y−Z、Z−X平
面を追跡用ブロック・メッシュ座標入力手段1(図7)
に座標入力して、全空間を追跡用ブロック(図5の20
に示す。但し、図5はその一部を示している。)に分割
し、且つ、前記全内表面を形成する前記各物体の各表面
を前記多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面で細かく分割
して任意形状の追跡用メッシュ(図5の21に示す。但
し、図5はその一部のみを示す。)を作り、この追跡用
ブロック20と追跡用メッシュ21とを記憶手段2(図
7)に記憶させ、ステップ#2に進む。
【0007】ステップ#2は物性入力工程で、ステップ
#1の追跡用メッシュ21毎に、その追跡用メッシュ2
1を有する物体の受光・反射に関する物性を、前記記憶
手段2(図7)に入力・記憶させ、ステップ#3に進
む。
【0008】ステップ#3は反射最大光量面探索工程
で、反射最大光量面探索手段3(図7)が、ステップ#
1の追跡用メッシュ21の中で、反射光量が最大の追跡
用メッシュ21を探索する。勿論、初期状態では光源で
あり、相互反射の段階では、総合受光量と反射係数との
積がもっとも大きな追跡用メッシュ21である。探索が
終わると、ステップ#4に進む。
【0009】ステップ#4は光線発射角度決定工程で、
光線発射角度決定手段4(図7)が、ステップ#3の反
射最大光量追跡用メッシュ21からその光量に対応して
発射される複数の光線の発射角度を、その追跡用メッシ
ュ21が光源の場合には、所定の方向別発射強度分布基
準(正面方向が最も強く、側面に移るに従って弱くな
る。)に基づいて、その追跡用メッシュ21が反射光源
の場合には、様々な方向に均一に反射されるように角度
を決定し、ステップ#5に進む。
【0010】ステップ#5は発射強度算出工程で、発射
強度算出手段5(図7)が、反射光量が最大の追跡用メ
ッシュ21が光源の場合には、所定の方向別発射強度分
布基準に基づいて、その追跡用メッシュ21が反射光源
の場合には、反射角度がLambertの余弦則に基づ
くように方向別発射強度を算出し、ステップ#6に進
む。
【0011】ステップ#6は各追跡用メッシュ21のF
ORM・FACTOR演算工程で、FORM・FACT
OR演算手段6(図7)が、ステップ#3の反射光量が
最大の追跡用メッシュ21から、ステップ#4の光線発
射角度とステップ#5の発射強度の複数本の光線を発射
した場合に、各光線がステップ#1の追跡用ブロック2
0を順次通過して到達する相手側の各追跡用メッシュ2
1と、その到着光量とを求め、各追跡用メッシュ21毎
への到着光量の和と各追跡用メッシュ21への到着光量
の総和との比を、各追跡用メッシュ21のFORM・F
ACTORとして演算して、ステップ#7に進む。
【0012】ステップ#7は各追跡用メッシュ21の受
光量演算工程で、受光量演算手段7(図7)が、反射光
量最大の追跡用メッシュ21の反射光量とステップ#6
で演算された各追跡用メッシュ21のFORM・FAC
TORより、各追跡用メッシュ21の受光量を演算し、
ステップ#8に進む。
【0013】ステップ#8は各追跡用メッシュ21の受
光量の累積加算工程で、受光量累積加算手段8(図7)
が、ステップ#7で求められた各追跡用メッシュ21の
受光量を累積加算し、ステップ#9に進む。
【0014】ステップ#9は各追跡用メッシュ21の反
射光量演算工程で、反射光量演算手段9(図7)が、各
追跡用メッシュ21の累積された受光量と反射係数から
各追跡用メッシュの反射光量を演算し、ステップ#10
に進む。
【0015】ステップ#10は判断工程で、比較手段1
0(図7)が、その時点での全追跡用メッシュ21の反
射光量の総和と規定光量(通常は、光源の総光量の5%
程度)とを比較し、この総和が規定光量以上であればス
テップ#3に戻り、未満であれば計算を終了する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例
の構成では、ステップ#1の追跡用ブロック・メッシュ
座標入力工程で、コンピュータが室内空間内で相互反射
する光線の軌跡を追跡するために、解析対象の光環境空
間を形成する全内表面を、前記各物体毎に分割する多数
のX−Y、Y−Z、Z−X平面で、全空間を追跡用ブロ
ック20に分割し、且つ、前記全内表面を形成する前記
各物体の各表面を前記多数のX−Y、Y−Z、Z−X平
面で細かく分割して任意形状の追跡用メッシュ21を作
っているので、図5に示すように、小さな追跡用メッシ
ュは不要で、一旦、大きな追跡用メッシュに分割した壁
面が、家具の小さな追跡用メッシュを構成する多数のX
−Y、Y−Z、Z−X平面で分割されるので、壁面の追
跡用メッシュ21は、家具の形に影響されて、小さい追
跡用メッシュ21になるか、縦横比が大きな偏平形状の
追跡用メッシュ21になる。
【0017】そして、この小さい追跡用メッシュ21を
使用すると、光線の軌跡、反射光量、受光量の演算に長
時間を要し、実用性に欠けるという問題点がある。
【0018】縦横比が大きな偏平形状の追跡用メッシュ
21で反射光を演算する場合、コンピュータは、追跡用
メッシュ21からの反射光演算をその形状とは無関係に
点光源として扱うので、その演算結果は縦横比が1の追
跡用メッシュ21を光源として配置した場合のものにな
り、誤差が発生する。
【0019】又、縦横比が大きな偏平形状の追跡用メッ
シュ21の受光量を演算する場合、コンピュータの演算
方法では、誤差が発生する。
【0020】従って、縦横比が大きな偏平形状の追跡用
メッシュ21があると誤差が大きくなるという問題点が
ある。
【0021】本発明は、上記の問題点を解決し、誤差が
より少なく、シミュレーション時間が短い光環境解析方
法と光環境解析装置とを提供することを課題としてい
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の光環境解析方法
は、上記の課題を解決するために、光源、採光面、壁、
床、天井、家具、什器の各物体が存在する解析対象の光
環境空間について、光源や採光面からの直接光だけでは
なく相互反射光も含めて光線の軌跡を追跡し、コンピュ
ータ・シミュレーションする光環境解析方法において、
コンピュータが室内空間内で相互反射する光線の軌跡を
追跡するために、解析対象の光環境空間を形成する全内
表面を、前記各物体毎に分割する多数のX−Y、Y−
Z、Z−X平面をコンピュータに座標入力して、全空間
を追跡用ブロックに分割し、且つ、前記全内表面を形成
する前記各物体の各表面を前記多数のX−Y、Y−Z、
Z−X平面で細かく分割して任意形状の追跡用メッシュ
を作る追跡用ブロック・メッシュ座標入力工程と、前記
各物体毎に、前記追跡用メッシュの中の小さいもの及び
偏平形状のものを合成及び/又は分割して縦横比が1に
より近く、より大きい形状の反射光源用メッシュに再構
成する反射光源用メッシュ構成工程と、前記追跡用メッ
シュと前記反射光源用メッシュとを光源とし各追跡用メ
ッシュを相互反射面として、コンピュータが前記追跡用
ブロックを使用して室内空間内で相互反射する光線の軌
跡を追跡して、各追跡用メッシュの受光量を演算する受
光量演算工程と、各追跡用メッシュの受光量に基づいて
各追跡用メッシュ及び前記各光源用メッシュが反射する
光量を演算する反射光量演算工程とを有することを特徴
とする。
【0023】又、本発明の光環境解析装置は、上記の課
題を解決するために、光源、採光面、壁、床、天井、家
具、什器の各物体が存在する解析対象の光環境空間につ
いて、光源や採光面からの直接光だけではなく相互反射
光も含めて光線の軌跡を追跡し、コンピュータ・シミュ
レーションする光環境解析装置において、コンピュータ
が室内空間内で相互反射する光線の軌跡を追跡するため
に、解析対象の光環境空間を形成する全内表面を、前記
各物体毎に分割する多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面
をコンピュータに座標入力して、全空間を追跡用ブロッ
クに分割し、且つ、前記全内表面を形成する前記各物体
の各表面を前記多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面で細
かく分割して任意形状の追跡用メッシュを作る追跡用ブ
ロック・メッシュ座標入力手段と、前記各物体毎に、前
記追跡用メッシュの中の小さいもの及び偏平形状のもの
を合成及び/又は分割して縦横比が1により近く、より
大きい形状の反射光源用メッシュに再構成する反射光源
用メッシュ構成手段と、前記追跡用メッシュと前記反射
光源用メッシュとを光源とし各追跡用メッシュを相互反
射面として、コンピュータが前記追跡用ブロックを使用
して室内空間内で相互反射する光線の軌跡を追跡して、
各追跡用メッシュの受光量を演算する受光量演算手段
と、各追跡用メッシュの受光量に基づいて各追跡用メッ
シュ及び前記各光源用メッシュが反射する光量を演算す
る反射光量演算手段とを有することを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明の光環境解析方法を利用する光環境解析
装置は、光源、採光面、壁、床、天井、家具、什器等が
存在して内表面を構成する室内の光環境を、光源や採光
面からの直接光だけではなく相互反射光も含めて光線の
軌跡を追跡し、コンピュータ・シミュレーションを行う
従来の光環境解析方法を使用する光環境解析装置におい
て、追跡用ブロック・メッシュ座標入力手段が、解析対
象の光環境空間を形成する全内表面を、前記各物体毎に
分割する多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面を座標入力
して、全空間を追跡用ブロックに分割し、且つ、前記全
内表面を形成する前記各物体の各表面を前記多数のX−
Y、Y−Z、Z−X平面で細かく分割して任意形状の追
跡用メッシュを作り、反射光源用メッシュ構成手段が、
前記各物体毎に、前記追跡用メッシュの中の小さいもの
及び偏平形状のものを合成及び/又は分割して縦横比が
1により近く、より大きい形状の反射光源用メッシュに
再構成し、受光量演算手段が、前記追跡用メッシュと前
記反射光源用メッシュとを光源とし各追跡用メッシュを
相互反射面として、前記追跡用ブロックを使用して室内
空間内で相互反射する光線の軌跡を追跡して、各追跡用
メッシュの受光量を演算し、反射光量演算手段が、各追
跡用メッシュの受光量に基づいて各追跡用メッシュ及び
前記光源用メッシュが反射する光量を演算することによ
って、従来の光環境解析方法を使用する光環境解析装置
が演算時間が長くて実用性に欠ける原因である多数の小
さな追跡用メッシュを、より大きく、縦横比が1により
近い形状に再構成して、追跡用メッシュの数を減少させ
るので、その分だけ、シミュレーションに要する時間を
短縮できる。
【0025】又、本発明の光環境解析方法を使用する光
環境解析装置は、従来の光環境解析方法を使用する光環
境解析装置の誤差の原因である偏平形状の追跡用メッシ
ュ(前述のように、縦横比が大きな偏平形状の追跡用メ
ッシュで反射光を演算する場合、コンピュータは、追跡
用メッシュからの反射光演算をその形状とは無関係に点
光源として扱うので、その演算結果は縦横比が1の追跡
用メッシュを光源として配置した場合のものになり、誤
差が発生する。又、縦横比が大きな偏平形状の追跡用メ
ッシュの受光量を演算する場合、コンピュータの演算方
法では、誤差が発生する。)を、縦横比が1により近い
形状に再構成して演算処理しているので、誤差が少ない
光環境解析ができる。
【0026】
【実施例】本発明の光環境解析方法を使用する光環境解
析装置の一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
【0027】図1は、本発明の追跡用ブロック30の斜
視図、図2は、本発明の追跡用ブロック30と追跡用メ
ッシュ31と反射光源用メッシュ32との斜視図、図3
は、本実施例の工程を示すフローチャート、図4は本実
施例の構成図である。
【0028】本実施例の図3のフローチャートが、従来
例の図6のフローチャートと異なるのは、図3のステッ
プ#40の反射光源用メッシュ構成工程が、図6のステ
ップ#1とステップ#2との間に挿入されていること
と、図3のステップ#50の各反射光源用メッシュの反
射光量演算工程が、図6のステップ#9に並列に挿入さ
れていることとである。
【0029】又、本実施例の図4の構成図が、従来例の
図7の構成図と異なるのは、図4の反射光源用メッシュ
構成手段40と、各反射光源用メッシュの反射光量演算
手段50とが、図7に追加されていることである。
【0030】図3において、ステップ#1は追跡用ブロ
ック・メッシュ座標入力工程で、コンピュータが室内空
間内で相互反射する光線の軌跡を追跡するために、解析
対象の光環境空間を形成する全内表面を、前記各物体毎
に分割する多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面を追跡用
ブロック・メッシュ座標入力手段1(図4)に座標入力
して、全空間を追跡用ブロック(図1、図2の30に示
す。但し、図1、図2はその一部のみを示す。)に分割
し、且つ、前記全内表面を形成する前記各物体の各表面
を前記多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面で細かく分割
して任意形状の追跡用メッシュ(図2の31に示す。但
し、図2はその一部のみを示す。)を作り、この追跡用
ブロック30と追跡用メッシュ31とを記憶手段2(図
4)に記憶させ、ステップ#40に進む。
【0031】ステップ#40は反射光源用メッシュ構成
工程で、図4の反射光源用メッシュ構成手段40が、前
記壁、床、天井、家具、什器の各物体毎に、ステップ#
1の追跡用メッシュ31の中の小さいもの及び偏平形状
のものを合成及び/又は分割して縦横比が1により近
く、より大きい形状の反射光源用メッシュに(図2の3
2に示す。但し、図2はその一部のみを示す。)に再構
成し、この反射光源用メッシュ32を記憶手段41(図
4)に記憶させ、ステップ#2に進む。
【0032】ステップ#2は物性入力工程で、ステップ
#1の追跡用メッシュ31毎、及び、ステップ#40の
反射光源用メッシュ32毎に、その追跡用メッシュ31
または反射光源用メッシュ32を有する物体の受光・反
射に関する物性を、前記記憶手段2(図4)と前記記憶
手段41(図4)に入力・記憶させ、ステップ#3に進
む。
【0033】ステップ#3は反射最大光量面探索工程
で、反射最大光量面探索手段3(図4)が、ステップ#
1の追跡用メッシュ31または反射光源用メッシュ32
の中で、反射光量が最大の追跡用メッシュ31または反
射光源用メッシュ32を探索する。勿論、初期状態では
光源であり、相互反射の段階では、総合受光量と反射係
数の積がもっとも大きな追跡用メッシュ31または反射
光源用メッシュ32である。探索が終わると、ステップ
#4に進む。
【0034】ステップ#4は光線発射角度決定工程で、
光線発射角度決定手段4(図4)が、ステップ#3の反
射最大光量追跡用メッシュ31または反射最大光量反射
光源用メッシュ32からその光量に対応して発射される
複数の光線の発射角度を、その追跡用メッシュが光源の
場合には、所定の方向別発射強度分布基準(基本的には
正面方向が最も強く、側面に移るに従って弱くなる。)
に基づいて、その追跡用メッシュ31または反射光源用
メッシュ32が光源でない場合には、様々な方向に均一
に発射されるように角度を決定し、ステップ#5に進
む。
【0035】ステップ#5は発射強度算出工程で、発射
強度算出手段5(図4)が、反射光量が最大の追跡用メ
ッシュ31が光源の場合には、所定の方向別発射強度分
布基準に基づいて、その追跡用メッシュ31または反射
光源用メッシュ32が光源でない場合には、反射角度が
Lambertの余弦則に基づくように方向別発射強度
を算出し、ステップ#6に進む。
【0036】ステップ#6は各追跡用メッシュ31また
は反射光源用メッシュ32のFORM・FACTOR演
算工程で、FORM・FACTOR演算手段6(図4)
が、ステップ#3の反射光量が最大の追跡用メッシュ3
1または反射光源用メッシュ32から、ステップ#4の
光線発射角度とステップ#5の発射強度の複数本の光線
を発射した場合に、各光線がステップ#1の追跡用ブロ
ック30を順次通過して到達する相手側の各追跡用メッ
シュ31または反射光源用メッシュ32と、その到着光
量とを求め、各追跡用メッシュ31または各反射光源用
メッシュ32毎への到着光量の和と各追跡用メッシュ3
1及び各反射光源用メッシュ32への到着光量の総和と
の比を、各追跡用メッシュ31または各反射光源用メッ
シュ32のFORM・FACTORとして演算して、ス
テップ#7に進む。この場合、反射光源用メッシュ32
への到達光は、その反射光源用メッシュ32を構成する
追跡用メッシュ31への到達光量として演算される。
【0037】ステップ#7は各追跡用メッシュ31また
は反射光源用メッシュ32の受光量演算工程で、受光量
演算手段7(図4)が、ステップ#3で求められた反射
光量最大の各追跡用メッシュ31または各反射光源用メ
ッシュ32の反射光量と各追跡用メッシュ31または各
反射光源用メッシュ32のFORM・FACTORよ
り、各追跡用メッシュ31または各反射光源用メッシュ
32の受光量を演算し、ステップ#8に進む。
【0038】ステップ#8は各追跡用メッシュ31また
は反射光源用メッシュ32の受光量の累積加算工程で、
受光量累積加算手段8(図4)が、ステップ#7で求め
られた各追跡用メッシュ31または反射光源用メッシュ
32の受光量を累積加算し、ステップ#9およびステッ
プ#50に進む。
【0039】ステップ#9は各追跡用メッシュ31の反
射光量演算工程で、反射光量演算手段9(図4)が、各
追跡用メッシュ31の累積された受光量と反射係数から
各追跡用メッシュ31の反射光量を演算し、ステップ#
10に進む。
【0040】ステップ#50は各反射光源用メッシュ3
2の反射光量演算工程で、図4の反射光量演算手段50
が、各反射光源用メッシュ32の累積された受光量と反
射係数から各反射光源用メッシュ32の反射光量を演算
し、ステップ#10に進む。
【0041】ステップ#10は判断工程で、比較手段1
0が、その時点での全追跡用メッシュ31及び全反射光
源用メッシュ32の反射光量の総和と、規定光量(通常
は光源の総光量の5%程度)とを比較し、この総和が規
定光量以上であればステップ#3に戻り、未満であれば
計算を終了する。
【0042】本発明の光環境解析方法と光環境解析装置
は、上記の実施例に限らず種々の態様が可能である。例
えば、実施例の工程や手段の構成は、全構成を説明する
ための一例に過ぎず、これらの構成は実施例に限らな
い。即ち、追跡用メッシュの中の小さいもの及び偏平形
状のものを合成及び/又は分割して縦横比が1により近
く、より大きい形状の反射光源用メッシュに再構成し、
この反射光源用メッシュを使用することができれば、方
法と装置の設計は自由である。
【0043】
【発明の効果】従来の光環境解析方法と光環境解析装置
では、小さい追跡用メッシュが存在するので演算に長時
間を要して実用性に欠け、縦横比が大きな偏平形状の追
跡用メッシュが存在するので演算誤差が大きいという問
題点が在ったが、本発明の光環境解析方法と光環境解析
装置は、追跡用メッシュの中の小さいもの及び偏平形状
のものを合成及び/又は分割して縦横比が1により近
く、より大きい形状の反射光源用メッシュに再構成し
て、メッシュの数を減少し、メッシュの形状を修正する
ことによって、次の効果を奏する。
【0044】(1)メッシュの数が減少するので、演算
時間が短縮し、従来技術よりも実用し易くなる。
【0045】(2)メッシュの形状を修正するので、反
射光の演算、受光量の演算共に誤差が無くなり、光環境
解析をより高精度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の追跡用ブロックの斜視図である。
【図2】本発明の追跡用ブロックと追跡用メッシュと反
射光源用メッシュとの斜視図である。
【図3】本発明の光環境解析方法のフローチャートであ
る。
【図4】本発明の光環境解析装置の構成図である。
【図5】従来例の追跡用ブロックと追跡用メッシュとの
斜視図である。
【図6】従来例の光環境解析方法のフローチャートであ
る。
【図7】従来例の光環境解析装置の構成図である。
【符号の説明】
1 追跡用ブロック・メッシュ座標入力手段 2 記憶手段 3 反射最大光量面探索手段 4 光線発射角度決定手段 5 発射強度算出手段 6 受光量演算手段 7 受光量の累積加算手段 8 反射光量演算手段 9 比較手段 10 FORM・FACTOR演算手段 30 追跡用ブロック 31 追跡用メッシュ 32 反射光源用メッシュ 40 反射光源用メッシュ構成手段 41 記憶手段 50 反射光量演算手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源、採光面、壁、床、天井、家具、什
    器の各物体が存在する解析対象の光環境空間について、
    光源や採光面からの直接光だけではなく相互反射光も含
    めて光線の軌跡を追跡し、コンピュータ・シミュレーシ
    ョンする光環境解析方法において、コンピュータが室内
    空間内で相互反射する光線の軌跡を追跡するために、解
    析対象の光環境空間を形成する全内表面を、前記各物体
    毎に分割する多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面をコン
    ピュータに座標入力して、全空間を追跡用ブロックに分
    割し、且つ、前記全内表面を形成する前記各物体の各表
    面を前記多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面で細かく分
    割して任意形状の追跡用メッシュを作る追跡用ブロック
    ・メッシュ座標入力工程と、前記各物体毎に、前記追跡
    用メッシュの中の小さいもの及び偏平形状のものを合成
    及び/又は分割して縦横比が1により近く、より大きい
    形状の反射光源用メッシュに再構成する反射光源用メッ
    シュ構成工程と、前記追跡用メッシュと前記反射光源用
    メッシュとを光源とし各追跡用メッシュを相互反射面と
    して、コンピュータが前記追跡用ブロックを使用して室
    内空間内で相互反射する光線の軌跡を追跡して、各追跡
    用メッシュの受光量を演算する受光量演算工程と、各追
    跡用メッシュの受光量に基づいて各追跡用メッシュ及び
    前記各光源用メッシュが反射する光量を演算する反射光
    量演算工程とを有することを特徴とする光環境解析方
    法。
  2. 【請求項2】 光源、採光面、壁、床、天井、家具、什
    器の各物体が存在する解析対象の光環境空間について、
    光源や採光面からの直接光だけではなく相互反射光も含
    めて光線の軌跡を追跡し、コンピュータ・シミュレーシ
    ョンする光環境解析装置において、コンピュータが室内
    空間内で相互反射する光線の軌跡を追跡するために、解
    析対象の光環境空間を形成する全内表面を、前記各物体
    毎に分割する多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面をコン
    ピュータに座標入力して、全空間を追跡用ブロックに分
    割し、且つ、前記全内表面を形成する前記各物体の各表
    面を前記多数のX−Y、Y−Z、Z−X平面で細かく分
    割して任意形状の追跡用メッシュを作る追跡用ブロック
    ・メッシュ座標入力手段と、前記各物体毎に、前記追跡
    用メッシュの中の小さいもの及び偏平形状のものを合成
    及び/又は分割して縦横比が1により近く、より大きい
    形状の反射光源用メッシュに再構成する反射光源用メッ
    シュ構成手段と、前記追跡用メッシュと前記反射光源用
    メッシュとを光源とし各追跡用メッシュを相互反射面と
    して、コンピュータが前記追跡用ブロックを使用して室
    内空間内で相互反射する光線の軌跡を追跡して、各追跡
    用メッシュの受光量を演算する受光量演算手段と、各追
    跡用メッシュの受光量に基づいて各追跡用メッシュ及び
    前記各光源用メッシュが反射する光量を演算する反射光
    量演算手段とを有することを特徴とする光環境解析装
    置。
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