JP2706617B2 - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2706617B2
JP2706617B2 JP6035353A JP3535394A JP2706617B2 JP 2706617 B2 JP2706617 B2 JP 2706617B2 JP 6035353 A JP6035353 A JP 6035353A JP 3535394 A JP3535394 A JP 3535394A JP 2706617 B2 JP2706617 B2 JP 2706617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気や薬液等を流体と
して、弁の開閉によりその流体の制御を行う電磁弁に関
し、特に、閉弁時の弁口における流体の漏れをより少な
くすることができる電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、流体の流量や圧力を制御するもの
として、次に示すような電磁弁が一般的に使用されてき
た。図5は、その電磁弁の構造を示す断面図である。以
下、この電磁弁について構成及び作用について説明す
る。電磁弁は、上半分のソレノイド部30と下半分の弁
部40とで構成されている。ソレノイド部30の中心に
は、両端部にフランジを有する中空円筒状のコイルボビ
ン31の胴部に銅線が巻かれたコイル32があり、その
コイル32の外周は磁気枠33によって囲まれている。
コイルボビン31の円筒内には、非磁性体金属材料から
成るガイドパイプ34が下から挿入固定されている。ま
た、コイルボビン31の円筒内には、固定鉄心35が上
からコイル32のほぼ中央付近まで挿入され固定されて
いる。ガイドパイプ34の内側には、プランジャ36が
上下方向に移動可能に嵌合され保持されている。そし
て、ソレノイド部は樹脂37により全体が一体化するよ
うにモールド固定されている。
【0003】次に、電磁弁の構成要素である弁部40に
ついて説明する。弁部40には、弁本体に穿設された2
つのポート41,42と、プランジャ36の下端部を収
納する弁室43、弁室43内にあって両ポート41,4
2とを連通させる弁座44とが設けられている。一方、
プランジャ36の弁座44に当接する部分には、ゴムで
作られた弁体45が埋め込まれている。そして、プラン
ジャ36の下端部は外側にフランジ39を有しており、
そのフランジ39の上面に当接して、プランジャ36を
下向きに付勢するための復帰バネ46がある。その復帰
バネ46の他端は、ガイドパイプ34のフランジ部の下
面に当接している。
【0004】次に、上記構成を有する電磁弁の動作につ
いて説明する。図5は、コイル32に電流が流されてい
ない状態を示している。プランジャ36は、復帰バネ4
6により下向きに付勢され、弁体45が弁座44に当接
している。これにより、2つのポート41,42とは連
通していない。図6は、コイル32に電流が流されてい
る状態を示している。コイル32に電流が流されると、
固定鉄心35の上下方向に磁界が発生し、固定鉄心35
は電磁石となってプランジャ36を吸引する。この吸引
力は、復帰バネ46のバネ力よりも強いので、プランジ
ャ36は、固定鉄心35に当接する位置まで移動する。
これにより、弁体45が弁座44から離れ、弁室43を
介して2つのポート41,42が連通する。
【0005】ところで、上記した電磁弁では、閉弁時に
流体の漏れをなくすよう、弁体45にはゴムが使用され
ている。これは、弁座44との当接部において、弁座の
形状に沿って弁体が変形することによって高い気密性を
得るためである。また、同じゴムによって形成されたも
のが、公昭56−37173号公報に掲載されてい
る。これは、差圧方式を利用するダイアフラム電磁弁
で、1次側パイロット液体流入口が小さいため、閉弁の
直前に弁が急速に閉じて水激を生じるのを防止すること
を目的とするものである。図7にその断面図を示す。
【0006】これは、液圧用ダイアフラム弁が使用され
ており、弁座面に対し当り面が直角方向に移動するダイ
アフラム弁体61に弁孔62中に係合する厚肉部63を
設けると共に、弁座64と弁孔内周面65との接続部が
凸曲面66によって形成されている。ダイヤフラム弁体
61には弁座64に当接する当り面67と厚肉部63と
の接続部が弁座64と弁孔内周面65との接続部の曲面
より曲率半径の大きい凹曲面69となるように形成され
ている。また、ダイヤフラム弁体61の厚肉部63外周
面68間の環状の間隔が次第に小さくなるように形成さ
れている。
【0007】このような構成により、閉弁時には厚肉部
63が弁孔62中に挿入されて、弁孔62の凸曲面66
と厚肉部63の外周面68とで流路が絞られ、凹曲面6
9の外側の当り面67等に流体による揚力が開弁方向に
働き、ダイヤフラム弁体61の閉弁速度が減少させられ
て、閉弁完了時の衝撃を緩和して水激を防止する。そし
て、ダイヤフラム弁体61の当り面67や凹曲面69に
弁座64が当接して流路を遮断する。このとき、凹曲面
69の方が凸曲面66より大きいので、閉弁時にはダイ
ヤフラム弁体61に潰し代ができ、加わる内力が分散さ
れてダイヤフラム弁体61の耐久性を向上させる。
【0008】しかし、以上説明したような弁構造を有す
る電磁弁を使用した場合には、つぎに示すような不都合
が生じることとなる。つまり、ゴム等の弾性体を使用し
た弁体の電磁弁では、蒸気や薬液等を流体としてその圧
力及び流量等の制御を行うとした場合に、蒸気では温度
が180℃位に高温となり、また、薬液では使用される
ものの性質により、それぞれ耐熱性及び耐食性の面から
弁体の腐食等による劣化の問題が生じることである。
【0009】即ち、弾性体によって形成されたその気密
性が高いものであっても、このように劣化の生じる弁体
では、流体の漏れにより正確に制御を行うことができな
い。また、弁体が劣化する度にそれを交換していたので
は、非常に不経済なものとなってしまう。そこで、弾性
体を劣化させやすい蒸気や薬液等のようなものを流体と
した場合には、そのような流体に対して耐熱性、耐食性
を有するPTFE等のフッ素系樹脂によるものを弁体に
用いる。例えば、このPTFEでは、耐熱性として20
0℃位までの温度には使用が可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来フッ素系
樹脂は、耐熱性、耐食性を有するがゴム等のように弾力
性がない。そのため、弾力性がないPTFE等では、複
数回の電磁弁の開閉動作により、その度弁体が弁座に当
って衝突による凹み(以下、「へたり」という)が形成
される。一方、図5に示すように、弁体45が埋め込ま
れたプランジャ36とガイドパイプ34との間には、プ
ランジャ36が発生させる磁界に対し正確に上下に移動
できるようにクリアランス38が設けられている。その
ためプランジャ36は常に垂直に移動するわけではな
く、バランスが崩れて多少の傾きをもって上下に移動す
ることにもなる。
【0011】従って、弁体45が、異なる位置で弁座4
4に当たることとなるため、例えば図9に示すように、
弁座44によって弁体45の下面にできる異なる環状の
へたりの跡が形成される。即ち、弁座44の中心位置が
ずれるため、弁体45に形成されるへたりの跡も例えば
A,Bで表すようにずれることとなる。そのため、弁体
45と弁座44が当たった時に、弁座が当たらないへた
り部分が隙間となってしまい、このような従来のフッ素
系樹脂では流体の漏れに対する信頼性が低くなる。
【0012】そこで気密性をよくするために、以下に示
すような構造のものが使用されている。図8は、この電
磁弁の弁体及び弁座部分を示した図である。具体的に
は、図5,6で示した電磁弁と同様の構成の電磁弁であ
り、同様に弁体が上下に移動することにより、その弁体
が弁座と当接することによって弁の開閉を行う。そのた
め、電磁弁全体の構成を示す図は省略してある。そし
て、上記電磁弁と異なる部分の弁体及び弁座は、弁体及
び弁座を同じ角度でテーパ状に形成した弁構造をしてい
る。このようなテーパ状に形成された弁構造の電磁弁に
よれば、弁体51の側面の傾斜面が弁座52の傾斜にな
らって滑り落ち、弁体51と弁座52が常に同じ位置で
シールされる。また、弁体51と弁座52とが同一の角
度によってその傾斜面が形成されているので、閉弁時に
は面で接することとなる。そのため、へたりによる漏れ
を心配する必要はない。
【0013】しかし、このような構造の電磁弁において
も次のような欠点がある。即ち、弁体及び弁座をテーパ
形状にした場合には、開弁時の流路が小さくなってしま
う。そのため、図5に示した電磁弁と同様の流量を得る
ためには、プランジャのストロークを長くする必要があ
るため、作動特性の面で不利なものとなる。具体的に
は、コイルを大きくしなければならず、開弁させるため
にプランジャを吸引するのに、電流を大量に流さなけれ
ばならない。
【0014】ここで実際にどれくらい流体の流量に差が
生じるかを示すと、例えば、仮に、テーパの角度をθ=
60゜、ストロークをS=1とするとx1=1/2とな
る。従って、図5に示すものはS=x=1なので、テー
パ形状の電磁弁の流路の実断面積は半分になる。これ
は、テーパの角度θを大きくすれば、それに比例して流
路の実断面積も大きくなり流量も増えるが、弁体の弁座
へのならい方が悪くなり、最悪の場合には片当りとなっ
て、この構造による電磁弁の最大の利点である漏れの信
頼性が低下することとなってしまう。
【0015】そこで、本発明では、弁体と弁座の気密性
の向上させ、流体の漏れに対する信頼性を向上し、ま
た、弁を通過する流体の流量を維持する作動特性の良い
電磁弁を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁弁は、中空
のコイルと、そのコイルの中空部に摺動可能に嵌合され
たプランジャと、流入ポートと流出ポートとを連通する
弁座と、その弁座と当接または離間して流入ポートと流
出ポートとを連通または遮断するプランジャの先端部に
配設された弁体とを有する電磁弁において、前記プラン
ジャが、ボディに当接してその移動を制限するフランジ
部を有し、前記弁体が、フッ素系樹脂によって形成され
ると共に、前記プランジャに対し摺動可能に嵌合され、
付勢部材によって弁座方向に付勢されるものである。ま
た、本発明の電磁弁は、前記弁体が、端面中央上に所定
厚さの断面台形状の凸部を設け、その凸部下端が所定の
曲率半径を有する曲面によって弁体端面に連続して構成
され、前記弁座が、前記弁体の凸部と係合する突起形状
の環状部をなし、その先端が前記弁体の凸部下端の曲面
と同一又は同等の曲率半径を有する曲面で構成されるも
のである。
【0017】
【作用】このような構成による本発明の電磁弁は以下の
ように作用する。プランジャの回りに設けられたコイル
が通電されると、プランジャが励磁されて上下に移動す
る。そのためプランジャの先端部に設けられた弁体と、
その弁体に係合するように設けられた弁座との間で弁の
開閉が行われ、2つのポートが連通あるいは遮断されて
流体の流れが制御される。このとき弾力性がないフッ素
系樹脂によって形成された弁体は、弁座との複数回の衝
突によって生じるへたりを減少させる。また、このよう
に弁の開閉が行われる際、電磁弁が閉じるときには、プ
ランジャに形成されたフランジがボディに当接するの
で、プランジャと弁座との位置関係を常に一定に保つ。
一方弁体は、当接部にへたりが生じたとしても、プラン
ジャ内の付勢手段によって弁座方向に付勢されているの
で、常に弁座に対して所定の圧力で当接して弁の遮断を
行う。
【0018】また、本発明の電磁弁によれば、この電磁
弁が閉じるときには、弁体の凸部の傾斜した側面が弁座
の先端にならって下降し、弁体の凸部下端のその弁体下
面に連続して構成された曲面と、弁座の先端の曲面同士
が隙間なく係合する。
【0019】
【実施例】次に、本発明の電磁弁の一実施例を図面を示
して説明する。図1,図2は、本発明の電磁弁の一実施
例の断面を示した図であり、図1に閉弁時、図2に開弁
時の状態を示した。ここで、従来の電磁弁と共通する構
成部品には同符号を付して、その説明の詳細は省略す
る。本実施の電磁弁も、上半分のソレノイド部30と下
半分の弁部40とより構成されている。ソレノイド部3
0は、中空円筒状のコイルボビン31の胴部に銅線が巻
かれたコイル32があり、その外周を囲んで磁気枠33
が形成されている。コイルボビン31の円筒内には、ガ
イドパイプ34が挿入固定され、固定鉄心35が上から
コイル32のほぼ中央付近まで挿入され固定されてい
る。また、ガイドパイプ34の内側には、プランジャ1
が上下方向に移動可能に嵌合され保持されている。そし
て、ソレノイド部30の外面は樹脂37により全体が一
体化するようにモールド固定されている。
【0020】次に、電磁弁の構成要素である弁部40
は、2つのポート41,42と、プランジャ1の下端部
を収納する弁室43、弁室43内にあって両ポート4
1,42とを連通させる弁座2とが設けられている。そ
してプランジャ1には、弁座2に当接する部分に、弾力
性がないフッ素系樹脂によって形成された弁体3が埋め
込まれている。プランジャ1の下端部は外側にフランジ
7が形成されており、閉弁時にはそのフランジ7がボデ
ィ8に当接するように、ボディ8には当接部8aが設け
られている。 また、フランジ7の上面に当接して、プ
ランジャ1を下向きに付勢するための復帰バネ46があ
る。その復帰バネ46の他端は、ガイドパイプ34のフ
ランジ部の下面に当接している。プランジャ1には、そ
の中心に3段の通孔4が形成されており、一端の最も広
い部分には上記した弁体3がはめ込まれており、中間の
部分にはインナーバネ5が挿入されて、弁体3をプラン
ジャ1から押し出す方向に付勢している。しかし、この
弁体3をインナーバネ5の付勢力に対して係止するよう
に、ストッパ6がプランジャ1の端部に設けられてい
る。
【0021】また、本実施例の電磁弁の弁座2及び弁体
3をさらに詳細に説明する。図3は、弁座2と弁体3を
拡大した図である。これによると弁座2は、弁体3に向
かって山形の凸形状をなし、その中心には2つにのポー
トを連通する連通孔11が垂直に形成され、さらに外周
部12は傾斜面により形成されている。そして、連通孔
11を形成する内周面11aと外周面12とが連続する
先端部13は、曲面によって形成されている。一方、弁
体3は、弁座2と係合する先端面14に断面が台形で、
円形の挿入部15が形成され、先端面14との連続面1
6は曲面によって形成されている。この連続面16の曲
面は、上記弁座2の先端部13の曲面と同一又は同等の
曲率半径Rで形成されている。
【0022】更に上記弁座2の先端部13と、弁体3の
先端面14に形成された挿入部15との連続面16の拡
大断面図を図4に示す。これからも分かるように、先端
部13の内周面11a側の曲面と連続面16との曲率半
径Rが同一又は同等に設計されているため、両面は密に
接合している。なお、本実施例では、弁体3の先端面1
4に設けられた挿入部15の厚さMを0.6mmに、曲
率半径Rを0.2mmに設定している。また、挿入部1
5の側部17の傾斜面は、先端部14の垂直方向に対し
θ1=30゜の角度を有している。
【0023】ここで、挿入部15の厚さMを0.6mm
としたのは、弁体3が確実に弁座2にならって係合し、
かつ突起部を有してもなお連通孔11を通過する流体の
流量を所定量に維持するためである。また、曲率半径R
を0.2mmとしたのは、弁座2の弁体3に当接する先
端部13に曲面を設けながらも、その先端部13と弁座
2との接触圧力を高めるためである。更に、側部17の
傾斜面をθ1=30゜としたのは、プランジャが傾いて
挿入部15がずれたとしても、弁座2の先端部13が傾
斜面にならうようにしたためであり、それ以下の角度を
採用した場合には、プランジャが傾いた場合に、挿入部
15先端面が弁座2の先端部13に当たってしまうおそ
れがあり、それ以上では、片当りを生じるおそれがある
ためである。
【0024】ところで、本実施例の電磁弁の弁体3に
は、耐熱性、耐薬品性に優れた材料である硬質なフッ素
系樹脂を使用した。例えば、パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体(PFA)を使用している。これ
は、フッ素系樹脂の中でも耐熱性があり、成形性もよ
い。なお、更に他のフッ素系樹脂、例えば、PTFEや
成形が可能な四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体(FEP)、機械的性質に優れているテトラフル
オロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)や三フッ
化塩化エチレン樹脂(PCTFE)等を使用しても良
い。
【0025】次に、上記構成を有する本実施例の電磁弁
の動作について説明する。先ず、開弁状態を示す図2の
ように、コイル32に電流が流されると、固定鉄心35
の上下方向に磁界が発生し、固定鉄心35は電磁石とな
ってプランジャ1を吸引する。この吸引力は、復帰バネ
46のバネ力よりも強いので、プランジャ1は、固定鉄
心35に当接する位置まで移動する。これにより、弁体
3が弁座2から離れ、弁室43を介して2つのポート4
1,42が連通する。
【0026】そして、図2に示したような開弁状態から
図1に示すような閉弁状態に移る場合は、以下のようで
ある。電磁弁への通電を止めると、コイル32に電流が
流されなくなり、プランジャ1は復帰バネ46により下
向きに付勢される。そして、プランジャ1の下降に伴っ
て弁体3も下降し、その弁体3の先端面14に形成され
た挿入部15が弁座2の連通孔11に挿入される。この
とき、クリアランス38により弁体3が傾いても、挿入
部15の側部17が傾斜面を形成しているので、弁体3
は、先端部14に摺接する側部17の傾斜面にならって
移動する。そして、弁座2の先端部13が弁体3の連続
面16と常に同じ位置で接合する。
【0027】一方、復帰バネ46によって下向きに付勢
されたプランジャ1は、フランジ7がボディ8の当接部
8aに当たるまで下降する。そのとき、上記したように
弁体3が弁座2に接合されることになるが、弁体3は、
インナーバネ5によって下向きに付勢され、ストッパ6
によて所定位置に配設されている。このインナーバネ5
は、復帰バネ46に比べて荷重が小さいため、弁体3が
弁座2に嵌合する際の衝撃によって圧縮されて、弁体3
にかかる衝撃力を緩和させる。そして、弁体3が弁座2
に当接して、2つのポート41,42を遮断する。
【0028】ここで、上記したフッ素系樹脂によって形
成された弁体と従来のものとの関係において、作動回数
と漏れ量の推移の比較結果を表したグラフを図10に示
す。しかし、この漏れ量は、サンプル間及び作動の都度
バラツキが生じるので、一定の数値で表すことができな
い。よって、グラフに示した結果も参考程度としてしか
とらえることはできないが、明確にその差が表されてい
る。このときの測定基準は、蒸気圧3〜4kgf/cm
2 にて作動させ、漏れ量は空気圧5kgf/cm2 にて
測定し、そして、その漏れ量は5回の測定結果の平均値
をとった。
【0029】以上、説明したような構成による本実施例
の電磁弁によれば、次に示すような効果を得ることがで
きた。弁体3に設けた挿入部15の側部17が傾斜面に
よて形成されているので、弁体3は下降に際し、その傾
斜面にならって弁座2と摺接するため、常に同じ位置で
弁体3と弁座2とが接合することができる。これは、弁
体3に生じるへたりが一ヶ所にのみ形成されるので、閉
弁時に隙間が発生するのを防止することができる。ま
た、プランジャ1内で弁体3を下方に付勢することとし
たため、弁座2との当接時の衝撃を緩和することができ
るので、へたりの発生を防止するため、その点でも漏れ
に対する信頼性が向上した。更に、プランジャ1に形成
されたフランジ7が閉弁時にボディ8の当接部8aに当
たるようにしたため、プランジャ1が移動するストロー
クが常に一定となり、安定した作動特性が得られる。
【0030】弁座2と弁体3が接合する弁座2の先端部
13の曲面と弁体3の連続面16の曲面の極率半径が同
一であるため、密に接合するので漏れに対する信頼性が
向上した。また、挿入部15の形状が小さいため、図1
1に示すように弁体をテーパ状にした図8のものと比べ
てほぼ倍の流量を得ることができる。
【0031】以上、本発明の電磁弁の一実施例について
説明したが、本発明はこのようなものに限定されるわけ
ではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可
能である。例えば、インナーバネに付勢される弁体を係
止するストッパーを各種サイズのものに取り替え可能と
することにより、弁体のへたりに対して弁座の先端が常
に適切に接合できるようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の電磁弁は、プランジャの先端に設けられた弁体
が、プランジャ内部でバネによって先端方向に付勢され
ているので、弁体に加わる衝撃が緩和され、へたりの発
生を効果的に防止した電磁弁を提供することが可能とな
った。また、弁体と弁座が当接する位置を基準にしてプ
ランジャがボディに当接するようにフランジが形成され
るので、プランジャが移動するストロークが常に一定と
なり、安定した作動特性の電磁弁を提供することが可能
となった。
【0033】また、本発明の電磁弁は、弁体が、下面中
央に所定厚さの断面台形状の凸部を設け、その凸部が所
定の曲率半径を有する曲面によって弁体下面に連続して
構成され、一方弁座が、環状の突起形状をなす前記弁体
の凸部と係合する先端が、前記弁体の凸部の曲面と同一
又は同等の曲率半径を有する曲面で構成されるものであ
るので、弁体が常に同じ位置でシールされ、気密性の向
上による漏れに対する信頼性が高くなり、弁を通過する
流体の流量を所定量に維持した電磁弁を提供することが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電磁弁の閉弁時の断面を示
す図である。
【図2】本発明の一実施例の電磁弁の開弁時の断面を示
す図である。
【図3】本発明の一実施例の電磁弁の弁座と弁体を拡大
した図である。
【図4】本発明の一実施例の電磁弁の弁座の先端部と、
弁体の先端面に形成された挿入部との連続面の拡大断面
図である。
【図5】従来の電磁弁の閉弁時の断面を示す図である。
【図6】従来の電磁弁の開弁時の断面を示す図である。
【図7】ダイヤフラム弁体の断面を示す図である。
【図8】弁体及び弁座を同じ角度でテーパ状に形成した
従来の電磁弁の拡大図である。
【図9】弁座の当りによって弁体の下面にできる環状の
へたりの跡を示した図である。
【図10】作動回数と漏れ量の推移の比較結果を表した
グラフ示した図である。
【図11】流路の実断面積の比較結果を表したグラフ示
した図である。
【符号の説明】
1 プランジャ 2 弁座 3 弁体 4 通孔 5 インナーバネ 6 ストッパ 7 フランジ 8 ボディ 8a 当接部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空のコイルと、そのコイルの中空部に
    摺動可能に嵌合されたプランジャと、流入ポートと流出
    ポートとを連通する弁座と、その弁座と当接または離間
    して流入ポートと流出ポートとを連通または遮断するプ
    ランジャの先端部に配設された弁体とを有する電磁弁に
    おいて、 前記プランジャが、ボディに当接してその移動を制限す
    るフランジ部を有し、 前記弁体が、フッ素系樹脂によって形成されると共に、
    前記プランジャに対し摺動可能に嵌合され、付勢部材に
    よって弁座方向に付勢されると共に、端面中央上に所定
    厚さの断面台形状の凸部を設け、その凸部下端が所定の
    曲率半径を有する曲面によって弁体端面に連続して構成
    され、 前記弁座が、前記弁体の凸部と係合する突起形状の環状
    部をなし、その先端が前記弁体の凸部下端の曲面と同一
    又は同等の曲率半径を有する曲面で構成される ことを特
    徴とする電磁弁。
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