JP2703623B2 - バレル仕上方法 - Google Patents

バレル仕上方法

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JP2703623B2 JP10681089A JP10681089A JP2703623B2 JP 2703623 B2 JP2703623 B2 JP 2703623B2 JP 10681089 A JP10681089 A JP 10681089A JP 10681089 A JP10681089 A JP 10681089A JP 2703623 B2 JP2703623 B2 JP 2703623B2
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久峰 小林
直樹 原田
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、凹凸のある装飾品に光沢仕上を施すバレ
ル仕上方法に関するものである。
(従来の技術) 従来光沢仕上としてバレル仕上を施すときは、平滑仕
上を施した後、光沢仕上を施していた。
(発明により解決すべき課題) しかし上記光沢仕上として有機質メディアを用いて凹
凸のある装飾品の光沢仕上を行った場合、バレル仕上時
に凹凸のある装飾品の凹部(以下単に凹部と称す)に有
機質メディアが入り込まないため凹部の光沢仕上ができ
なかった。またバレル仕上時に有機質メディアが凹部に
入り込むよう小さな有機質メディアを用いた場合は、有
機質メディアの絶体質量が小さいため仕上部に対する圧
接力が小さいので、所望の光沢を得ることはできなかっ
た。また上述した問題点を解決するために通常スチール
ピンと呼ばれる棒状金属メディアを用いた場合には、ス
チールピンの圧接力が強いため凹部に所望の光沢を得る
ことはできたが、凹凸のある装飾品の凸部(以下単に凸
部と称する)に打痕や圧痕がつき凸部表面にウネリが生
じ凹凸のある装飾品の全体に所望の光沢を得ることはで
きなかった。また凸部に打痕や圧痕を生じさせないよう
な小さなスチールピンを用いた場合は、凸部にウネリは
生じなかったものの、凹部に所望の光沢を得ることがで
きなかった。
(課題を解決するための手段) 然るにこの発明は、最初に凹部に光沢仕上を施し、次
いで凸部の平滑仕上を行い、最後に凸部の光沢仕上を行
う事により前記従来の問題点を解決したのである。
即ちこの発明は、凹凸のある装飾品に光沢仕上を施す
バレル仕上方法において、前記装飾品に第一工程として
凹部の光沢仕上に有効なメディアを用いバレル仕上を施
し、第二工程として前記装飾品を用いてバレル仕上を施
し、第三工程として凸部の光沢仕上に有効なメディアを
用い前記装飾品にバレル仕上を施すバレル仕上方法であ
る。
前記凹部の光沢仕上に有効なメディアとして棒状金属
メディアを用いるのが好ましいが、バレル仕上時に凹部
によく入り込み且つ光沢仕上が可能ならば他のメディア
を用いても差し支えない。
前記凹部に影響を与えず凸部の平滑仕上に有効なメデ
ィアとして合成樹脂メディアを用いるのが好ましいが、
凹部に入り込まず凸部の平滑地仕上が可能であり凹部表
面に変形を生じさせにくいほかのメディアを用いても差
し支えない。
また前記凸部の光沢仕上に有効なメディアとして有機
質メディアを用いるのが好ましいが、凸部の表面に光沢
仕上が可能ならば他のメディアを用いても差し支えな
い。
バレル仕上機の種類、メディアの材質・大きさ・装入
量などの光沢、設定は、通常のバレル仕上と同様に行え
ばよい。
(作用) 本発明による仕上法は、第1工程において凹部の光沢
仕上を行い、第2工程においては凹部に対しては変形等
の影響を与えることなく凸部に対する平滑仕上を行い、
第3工程において第2工程によって平滑にされた凸部の
光沢仕上を行うようにしたので、凹凸のある装飾品の全
面に光沢仕上を行うことが可能となった。
(実施例) 本発明を実施するに当たっては、バレル仕上機は回転
式、遠心流動式、振動式、レシプロ式、ジャイロ式及び
これらの組み合わせ等いずれのバレル仕上機であっても
差し支えないが、特に回転式、遠心流動式、振動式のバ
レル仕上機において有効である。
メディアにおいては、凹部の光沢仕上に有効なもの、
凸部の平滑仕上に有効なもの、凸部の光沢仕上に有効な
ものと最低3種のメディアを必要とするが、それらはい
ずれも成型メディア、天然メディア、金属メディア、合
成樹脂メディア、有機質メディア等、どのようなもので
あっても構わないが、凹部光沢用とし凹部によく入り込
み且つ光沢仕上効果のある棒状金属メディア、凸部平滑
用とし軽量であり且つ切削力が高く、凸部表面に変形を
生じさせにくい合成樹脂メディア、凸部光沢用とし平面
の光沢仕上に適する有機質メディアもしくは球状金属メ
ディア(スチールボール等)を用いるのが好ましい。ま
た使用するメディアの選択においては、1種類のメディ
アだけを選択してもよいが、状況に応じて2種類以上の
メディアを混合したものを選択してもよい。装飾品とし
ては、通常のバレル仕上法では全面に光沢仕上を施すこ
とが困難な比較的深い穴を持つ凹凸のある装飾品、たと
えば指輪、ネックレス等に適する。
以上説明した各種バレル仕上機、メディア、装飾品に
おいての実験として、株式会社チップトン製各種バレル
仕上機、同メディア、同コンパウンド、装飾品として18
金及びプラチナ製の指輪を使用した結果を第1図乃至第
6図に基づいて説明する。
第1図(a)及び(b)は本実施例で使用した装飾品
1の図であり、装飾品1は、凹凸部2を有する。第2図
は、凹凸部2の表面を拡大した模式図であり、凸部を2
a、凹部を2bとする。第3図乃至第6図は、それぞれ下
記に述べる条件1乃至条件4の各工程後の凹凸部2の表
面を拡大した模式図であり、各図において(a)は第一
工程後、(b)は第二工程後、第三工程をもつ条件にお
いて(c)は第三工程後の前記模式図である。表1は、
それぞれ条件1乃至条件4の詳細を表わす。表中「HS−
1−4V」は、遠心流動式バレル仕上機であり、「FH−1
5」は、回転式バレル仕上機である。「FC−10」は合成
樹脂メディアであり、「AWT−5」は成型メディアであ
る。「FC−10」及び「AWT−5」は、ともに平滑仕上用
メディアであるが、「FC−10」は、「AWT−5」と比べ
被仕上物に対し平滑能力には優れるが、面粗度について
は粗くなる特徴がある。「スチールピン」は棒状金属メ
ディアであり、「SMB−12」は有機質メディアであり、
ともに光沢仕上用メディアとして用いられる。「LC−N
Z」(主成分:高級脂肪酸アマイド)は光沢仕上用のコ
ンパウンドである。
条件1の従来のバレル仕上法では、第一工程において
平滑仕上を行い、第2工程で光沢仕上を行った結果、第
3図(b)に示すよう、凸部2aに関しては所望の光沢を
得られたが、バレル仕上時に凹部2bにSMB−12が入り込
まないため凹部2bに所望の光沢を得ることはできなかっ
た。
条件2の従来のバレル仕上法では、第二工程にて凹部
に光沢仕上用のメディアが入り込むよう、光沢仕上用メ
ディアとしてスチールピンを用い、スチールピンの圧接
によって生じる凸部のウネリを除去するためAWT−5を
混合させた結果、第4図(b)に示すよう凹部に所望の
光沢を得ることはできたものの、凸部に所望の光沢を得
るには至らなかった。
条件3の従来のバレル仕上法では、条件2にて凸部に
所望の光沢を得ることができなかったため、凸部光沢仕
上用にSMB−12を用いた第三工程を設けた。その結果第
5図(c)に示すよう凹部凸部の両方に光沢を得ること
はできたが、第2工程においてスチールピンによって生
じた凸部表面のうねりが、完全に除去されておらず装飾
品として価値のある仕上面とはならなかった。
条件4の本発明のバレル仕上法では、第一工程でスチ
ールピンにより凹部の光沢仕上を行い、第二工程で第一
工程によって光沢仕上された凹部に影響を与えず凸部の
平滑仕上を行い、第三工程で凸部の光沢仕上を行った結
果、第6図(c)に示すよう凹部凸部の両方に所望の光
沢を得ることができた。
(発明の効果) 以上のように本発明よれば、これまで困難とされてい
た、バレル仕上による凹凸のある装飾品の全面の光沢仕
上を可能としたので、凹凸のある装飾品の全面の光沢仕
上を短時間に高品質且つ均一に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例に使用した装飾品1の図であり、
第2図は前記装飾品1の凹凸部2の表面を拡大した模式
図である。第3図乃至第6図は、条件1乃至条件4の各
工程後の凹凸部2の表面を拡大した模式図である。 1……装飾品、2……凹凸部 2a……凸部、2b……凹部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹凸のある装飾品に光沢仕上を施すバレル
    仕上方法において、第1工程として前記装飾品の凹部の
    光沢仕上に有効なメディアを用いてバレル仕上を施し、
    第2工程として前記装飾品の凹部に対してほぼ無効であ
    るが前記凸部に対する平滑仕上に有効なメディアを用い
    てバレル仕上を施し、第3工程として凸部の光沢仕上に
    有効なバレル仕上を施すことを特徴とするバレル仕上方
    法。
  2. 【請求項2】前記第1工程に使用されるメディアは、そ
    の一部が凹部に侵入可能な棒状金属メディアであること
    を特徴とする請求項1記載のバレル仕上方法。
  3. 【請求項3】第2工程に使用されるメディアは、凹部に
    は侵入不能でバレル仕上時に前記凸部表面に変形を生じ
    させない程度の軽量な合成樹脂メディアであることを特
    徴とする請求項1または2記載のバレル仕上方法。
  4. 【請求項4】第3工程に使用されるメディアは、有機質
    メディアであることを特徴とする請求項1〜3の何れか
    に記載のバレル仕上方法。
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JPH02284859A JPH02284859A (ja) 1990-11-22
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