JP2695280B2 - 照明装置 - Google Patents

照明装置

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JP2695280B2
JP2695280B2 JP2247707A JP24770790A JP2695280B2 JP 2695280 B2 JP2695280 B2 JP 2695280B2 JP 2247707 A JP2247707 A JP 2247707A JP 24770790 A JP24770790 A JP 24770790A JP 2695280 B2 JP2695280 B2 JP 2695280B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、昼光に対応した“自然な”変動特性を有す
る照明装置に関する。
従来の技術 従来からの照明装置は、たとえ調光機能を有するもの
であっても、いったん調光レベルを設定した後は、光源
から放射する光量が時間的に変動するものではなかっ
た。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、自然光においては昼夜の交代による明
暗をはじめとして、雲の動きや大気の揺動などの影響に
より、時間的に変動している。このため、光量が一定で
ある人工照明光に対して、“不自然”であるという印象
を持つようになり、かえって落ちつかない感じをうけ
る。このことが人工照明された休憩施設や飲食施設など
の空間における「快適さ」を決定する要因のひとつとし
て挙げることができる。
課題を解決するための手段 本発明は、視感度補正した受光部と演算部と調光部と
光源部を少なくとも有し、前記受光部を屋外に配置して
101Hzから10-2Hzの間の周波数でサンプリングした信号
を前記演算部に出力し、前記演算部では予め求めておい
た前記調光部への入力信号と前記光源部から放射する光
量との関数関係をもとに前記光源部から屋内に放射する
光量を変化させることを特徴とする。
また、以上の構成要素以外に、データ書込装置とデー
タ読出装置とをさらに有し、受光部および前記データ書
込装置とそれ以外の構成要素とが分離されており、屋外
に配置した前記受光部からの信号を前記データ書込装置
によって記憶した記憶媒体を予め作っておき、前記記憶
媒体を前記データ読出装置で再生した信号を演算部に出
力することを特徴とする。
さらに、信号発生部と演算部と調光部と光源部を少な
くとも有し、前記信号発生部は、101Hzから10-2Hzの間
のサンプリング周波数で、最低周波数が10-5Hzから10-3
Hzの範囲にあり、最高周波数が10-2Hzから100Hzの範囲
にあり、振幅の大きさが周波数の逆数に比例する信号を
前記演算部に出力し、前記演算部で予め求めておいた前
記調光部への入力信号と前記光源部から放射する光量と
の関数関係をもとに前記光源部から屋内に放射する光量
を変化させることを特徴とする。
作用 上記のような構成とすることにより、昼夜の交代によ
る明暗ばかりでなく雲の動きや大気の揺動などの影響も
含んだ自然に近く、かつ“テンカン”を誘発したり不快
なチラツキを生じる有害な周波数成分の変動のない良質
な照明光を放射することができる。
実施例 以下本発明の実施例について説明するが、3つの実施
例において共通の要素には同一番号付して説明する。本
発明による第1の実施例の照明装置のブロック構成図を
第1図に示す。第1図において、1は受光部、2は演算
部、3は調光部、4は光源部である。
受光部1はあらかじめ視感度補正し、屋外に配置す
る。受光部1からはあるサンプリング周波数で受光面に
おける光量に対応する信号を演算部2に出力する。この
サンプリング周波数に関して、人間の視覚的特性から周
波数101Hz以上の光の変動に対しては、“テンカン”な
どを誘発したり、ちらつきを感じたりして不快であるこ
とが一般に知られている。また、周期10-2Hz以上の変動
に対しては、変化がなさすぎるため“自然な”感じは得
られない。したがって、サンプリング周波数は101Hzか
ら10-2Hzの間とする。なお、このサンプリング周波数は
必ずしも常に一定である必要はなく、屋外の天候に応じ
て前記周波数範囲内で変化させてもかまわない。たとえ
ば、曇天空のように光の時間的変動が小さい場合は比較
的低いサンプリング周波数でも変動をとらえることがで
きるし、雲が激しく動いている晴天空のように光の時間
的変動が大きい場合は高いサンプリング周波数が必要で
ある。
演算部2では受光部1からの信号をもとに演算して得
た制御信号を調光部3に出力し、調光部3はその制御信
号に応じて光源部4から放射する光量を制御する。演算
部2における演算は、第2図に示すような演算部3から
の制御信号に対する光源部4から放射する光量の関数関
係をもとにしている。この関数関係は、あらかじめ求め
ておいたものであり、演算部2では光源部4から放射さ
れる光量Aが、受光部1からの信号の大きさと対応する
ような制御信号の値Bを演算する。
上記のように構成することにより、光源部4から放射
する光量が、屋外に設置した受光部1の受光面における
光量に対応して変化し、自然光における昼夜の交代によ
る明暗をはじめとして、雲の動きや大気の揺動などの影
響による時間的な変動を忠実に再現した照明光が得られ
る。このため、光量が一定である従来からの人工照明光
に対して、“不自然”であるという印象は解消され、照
明される視環境における「快適さ」は高まる。本発明
は、一般建造物の休憩施設、飲食施設のみならず、大深
度地下や深海における建造物内のように地上の天候など
が不明なまま、人工照明に頼らざるを得ない閉空間にお
ける照明装置として、実用性は高い。
前記実施例では、常に屋外と連動して照明光を制御し
ている。しかしながら、天候のなかには、たとえば台風
や雷雨など、人によっては必ずしも快適とはいえない天
候状態もある。これらの天候状態のデータを除き、好み
の天候状態における自然光の変動に連動した照明光が常
に実現できれば、さらに在室者にとっては快適性は高ま
る。
本発明の第2の実施例のブロック構成図を第3図に示
す。第3図において、5はデータ書き込み装置、6は記
憶媒体、7はデータ読みだし装置である。
第1の実施例と異なる点は、データ書き込み装置とデ
ータ読みだし装置とを備えたことと、受光部1およびデ
ータ書き込み装置5と、データ読みだし装置7、演算部
2、調光部3および光源部4とはそれぞれ分離して配置
したことである。
以下、本発明の第2の実施例の動作について説明す
る。まず屋外に設置した受光部1からの信号をデータ書
き込み装置5によって記憶した記憶媒体6をあらかじめ
つくっておく。その記憶媒体6をデータ読みだし装置7
のある場所に移動させ、データ読みだし装置7で再生し
た信号を演算部2に入力する。
上記のように構成することにより、光源部4から放射
する光量が、ある期間において屋外に設置した受光部1
の受光面における光量に対応して変化し、自然光におけ
る時間的変動を忠実に再現した照明光が得られる。ま
た、記憶媒体6のなかにあらかじめ様々な天候で得られ
たデータを記憶しておき、照明装置の使用者の好みに応
じてデータを切り替えることにより、在室者にとってよ
り「快適さ」の大きい照明環境とすることができる。本
発明は、第1の実施例と同様に、一般建造物の休憩施
設、飲食施設のみならず、大深度地下や深海における建
造物内のように地上の天候などが不明なまま、人工照明
に頼らざるを得ない閉空間における照明装置として、実
用性は高い。また、在室者にとってのメモリアルデーの
天候を再現したり、台風や雷雨の天候状態を人工的に作
り出して遊興目的にも使用できることはいうまでもな
い。
第1および第2の実施例では、実際に屋外の光を受光
したデータをつくっている。このため、第1の実施例で
は受光部1と演算部2とを結ぶ配線が必要でシステムと
しては大きくなるという問題があり、第2の実施例では
記憶媒体6を取り替える手間がかかるという問題があ
る。したがって、光源部4に近いところで疑似的に自然
光の変動をシミュレートする装置があれば、システムと
して小型で取り扱いの簡便な照明装置とすることができ
る。
本発明による第3の実施例のブロック構成図を第4図
に示す。第4図において、8は信号発生部である。第1
の実施例と異なる点は、屋外に配置した受光部1のかわ
りに、光源部4の近くに信号発生部8を備えたことであ
る。信号発生部8で自然光の変動をシミュレートした信
号を、101Hzから10-2Hzの間の周波数で演算部2に出力
する。
以下、信号発生部8の動作原理を示す。自然光の変動
の要因は、昼夜の交代をはじめとし、雲の動きや大気の
揺動などの影響などがあり、それらが複雑に交絡してい
る。このような自然現象において、複雑な要因をもつこ
とにより時間軸に対しては規則性をもたないように思わ
れるものであっても周波数解析することによりある規則
性が見いだされることがある。発明者は、様々な天候に
おける屋外光の変動を計測した。その一例を第5図に示
す。第5図において、横軸は計測開始からの経過時間、
縦軸は屋外に設置した受光器からの出力の相対値であ
る。第5図は雲が存在する晴天空に対するものであり、
包絡線は雲などの影響のない場合の光量の変化を示して
いると考えられる。第5図のデータを周波数解析した結
果を第6図に示す。第6図において、横軸は周波数の対
数、縦軸は振幅変調度の対数である。第5図に示したデ
ータを離散的高速フーリエ変換手法に基づいて計算した
結果を点で示す。実線は補助線であり、周波数成分の振
幅変調度が周波数の逆数に比例していること(1/f特
性)を示す。第6図から、データ点は低周波数を除いて
補助線に近いことから、ほぼ1/f特性にあることを示し
ている。様々な天候における屋外光の変動の計測・解析
結果をもとに、自然光の変動の周波数特性は下記の特徴
があることを見いだした。
(1)周波数帯域は主として10-5Hzから100Hzである (2)周波数成分の振幅変調度は周波数の逆数に比例す
る(1/f特性) 以上のことから、任意の時刻tにおいて信号発生部8
から出力する信号I(t)は次のような関数を用いれば
よい。
ただし、A、Aoは定数であり、φは位相である。
φは乱数によって決定する。A、Aoの値はI(t)
が表現しようとする天候状態によって異なる。たとえば
雲のない晴天空に対応する信号を発生しようとする場合
はAoは大きく、Aは小さい値を設定すればよいし、雲
の多い晴天空に対応する信号を発生しようとする場合は
Ao、Aともに大きい値を設定すればよい。また、曇天
空に対応する信号を発生しようとする場合はAo、A
もに小さい値を設定すればよい。
周波数fnの範囲もまたシミュレートしようとする天候
状態によって異なる。たとえば、雲の散在する晴天空に
対応する信号を発生しようとする場合は高い周波数帯域
まで計算が必要であり、曇天空に対応する信号を発生し
ようとする場合は低い周波数帯域で計算を打ち切ってよ
い。屋外光の計測データをもとに範囲を測定すれば、そ
の最低周波数が10-5Hzから10-3Hzの範囲、最高周波数が
10-2Hzから100Hzの範囲とすることにより、いかなる天
候状態における屋外光の変動を忠実にシミュレートした
信号とすることができる。このようにして作成した、信
号発生部8からの出力信号の一例を第7図に示す。第7
図において、横軸は時間、縦軸は信号の強度の相対値で
ある。第7図に示す人工的に作成した屋外光の変動に対
応する信号は、第5図に示す屋外光の変動の実測データ
と似ていることから、上記方法によって屋外光をシミュ
レートすることの妥当性があるといえる。
本発明は、一般建造物の休憩施設、飲食施設のみなら
ず、大深度地下や深海における建造物内のように地下の
天候などが不明なまま、人工照明に頼らざるを得ない閉
空間における、システムとして小型で取り扱いの簡便な
照明装置であり、その実用性は高い。
発明の効果 以上のように本発明によれば、昼夜の交代による明暗
ばかりでなく雲の動きや大気の揺動などの影響も含んだ
自然に近く、かつ“テンカン”を誘発したり不快なチラ
ツキを生じる有害な周波数成分の変動のない良質な特性
を有する照明光を放射することができるため、照明され
た空間における「快適さ」が高まる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の第1の実施例の照明装置のブロツク構
成図、第2図は調光部3からの制御信号に対する光源部
4から放射する光量の関数関係図、第3図は本発明の第
2の実施例のブロック構成図、第4図は本発明の第3の
実施例のブロック構成図、第5図は屋外光の変動を計測
した特性図、第6図は第5図に示したデータの周波数解
析図、第7図は信号発生部からの出力信号の特性図であ
る。 1……受光部、2……演算部、3……調光部、4……光
源部、5……データ書き込み装置、6……記憶媒体、7
……データ読出装置、8……信号発生部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−44669(JP,A) 特開 平2−44693(JP,A) 実開 昭60−98295(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】視感度補正した受光部と演算部と調光部と
    光源部を少なくとも有し、前記受光部を屋外に配置して
    101Hzから10-2Hzの間の周波数でサンプリングした信号
    を前記演算部に出力し、前記演算部では予め求めておい
    た前記調光部への入力信号と前記光源部から放射する光
    量との関数関係をもとに前記光源部から屋内に放射する
    光量を変化させることを特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】データ書込装置とデータ読出装置とをさら
    に有し、受光部および前記データ書込装置とそれ以外の
    構成要素とが分離されており、屋外に配置した前記受光
    部からの信号を前記データ書込装置によって記憶した記
    憶媒体を予め作っておき、前記記憶媒体を前記データ読
    出装置で再生した信号を演算部に出力することを特徴と
    する請求項1記載の照明装置。
  3. 【請求項3】信号発生部と演算部と調光部と光源部を少
    なくとも有し、前記信号発生部は、101Hzから10-2Hzの
    間のサンプリング周波数で、最低周波数が10-5Hzから10
    -3Hzの範囲にあり、最高周波数が10-2Hzから100Hzの範
    囲にあり、振幅の大きさが周波数の逆数に比例する信号
    を前記演算部に出力し、前記演算部では予め求めておい
    た前記調光部への入力信号と前記光源部から放射する光
    量との関数関係をもとに前記光源部から屋内に放射する
    光量を変化させることを特徴とする照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5044669A (ja) * 1973-08-23 1975-04-22
JPS6098295U (ja) * 1983-12-13 1985-07-04 日本電気ホームエレクトロニクス株式会社 窓形照明装置
JP2858009B2 (ja) * 1988-08-02 1999-02-17 利光 武者 ゆらぎ照明装置

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