JP2692537B2 - 油井管ねじカップリングの締付け方法 - Google Patents

油井管ねじカップリングの締付け方法

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JP2692537B2
JP2692537B2 JP5197781A JP19778193A JP2692537B2 JP 2692537 B2 JP2692537 B2 JP 2692537B2 JP 5197781 A JP5197781 A JP 5197781A JP 19778193 A JP19778193 A JP 19778193A JP 2692537 B2 JP2692537 B2 JP 2692537B2
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弘佳 炭家
利彦 久次米
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油井管端部のねじ接
合部にサブシールとメタルシールを有するするねじカッ
プリングを油井管の端部にねじ込んで締付ける方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】石油、天然ガス等の試掘、生産用の井戸
に用いられる油井管は、その現場における接続を容易と
するため、一方の端部にねじカップリングが接続された
状態で取引きされている。このため、油井管の製造に際
しては、油井管の一方の端部に締付け長さおよび締付け
トルクが規格範囲内となるように、ねじカップリングを
締付ける必要がある。工場におけるねじカップリングの
締付には、一般に横型の自動締付機が使用される。
【0003】一方、最近の油井は、益々深くなり、油井
管の特殊化および厳しい環境下での使用が増加してお
り、API規格のねじカップリング以上にジョイントス
トレングスおよび気密性が要求されている。そのため、
図4に示すとおり、油井管51とカップリング52間の
ショルダー部からなるサブシール53とメタルシール5
4を有するプレミアムジョイントが広く使用されてお
り、締付けトルクの管理が厳しくなる方向にある。
【0004】従来の油井管へのねじカップリングの締付
け方法は、締付機による自動締付けの前工程で油井管に
ねじカップリングをハンドタイト状態に締付け、ついで
図5に示すとおり、締付機の管軸方向に摺動自在のパイ
プチャック61により油井管62を保持させ、カップリ
ングチャック63にねじカップリング64を保持させた
のち、ねじ込みモーター65を駆動して締付けトルクが
所定のトルクとなるよう制御して自動締付けを行ってい
たが、油井管62やねじカップリング64のねじ許容値
の寸法差等により、締付け後のカップリングの締付け長
さに大きなバラツキが生じ、締付け長さ不良が発生し、
また、締付けトルクのバラツキも生じていた。なお、カ
ップリング締付機の制御は、低トルク領域では高速回
転、高トルク領域では低速回転の2段階切替えを行って
おり、領域内での回転速度は一定であった。また、低ト
ルク領域あるいは高トルク領域が細分化されても、同様
に領域内の回転数を一定であるという考え方であった。
【0005】上記問題点を解消する方法としては、予め
ハンドタイトに装入された油井管とバットレスねじカッ
プリングの締込み量を自動的に測定し、その測定値より
バットレスねじカップリング端面と、油井管表面に刻印
されたトライアングルマークを基準とし、API規格等
に定められた所定の位置との距離を演算することによっ
て、バットレスねじカップリング端面を前記所定の位置
まで自動的に締込むと同時に、その位置での締付けトル
クが所定値のものかどうかを表示する方法(特開昭58
−73690号公報)、ハンドタイト時の締付け長さ
が、ハンドタイト状態判定用の設定値に到達していると
きにねじ込みを開始する手段と、締付け長さまたは締付
けトルクが目標範囲より手前に設定された締付け状態判
定用の設定値に到達したことを検出する手段と、前記締
付け状態判定用設定値に到達した時の締付け長さおよび
締付けトルク値から、そのままで前記目標範囲に入ると
判定される時は、そのままでのねじ込み速度を維持する
手段と、そのままでは前記目標範囲に入らないと判定さ
れる時は、締付け長さおよび締付けトルクが前記目標範
囲に入るよう、ねじ込み速度を変更する手段と、締付け
長さおよび締付けトルクが前記目標範囲に入った時は、
ねじ込みを停止する手段と、を含む締付け方法(特開昭
60−141441号公報)等の提案が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭58−73
690号公報に開示の方法は、締付け状態に拘らず常に
ねじ込み速度が一定とされているため、締付けトルク不
良の発生自体を減少させることは困難で、また、断面が
略正弦波状のラウンドねじを有するラウンドねじカップ
リングを油井管の端部に自動的にねじ込んで締付けるに
際しては、バットレスねじカップリングの場合のような
トライアングルマークが存在しないため、そのまま適用
できないという欠点がある。
【0007】また、特開昭60−141441号公報に
開示の方法は、目標締付け長さに到達させるため、締付
け状態判定用設定値より加速または減速させる場合があ
る。この場合は、ハンドタイト時の締付け長さを判定し
て目標締付け長さに到達させるための手段であり、事前
の測定が必要である。しかも、このような手段を用いた
場合、最終締付けトルクがバラツキ、トルク管理範囲が
狭いものには適用が難しい。特にねじ接合部にサブシー
ルとメタルシールを有するプレミアムジョイントの締付
けにおいては、トルクと回転数(ターン)の関係をチャ
ートで見ると、図6に示すとおり、ショルダー部に接触
後急激に締付けトルクが上昇するショルダートルクと呼
ばれる変曲点があり、このショルダートルクを所定範囲
内に収める必要がある。しかしながら、正常なねじであ
るにもかかわらず締付けトルクによっては、前述のショ
ルダートルクが高く外れる場合があった。一方、実際に
油井管が使用される井戸でのスタッビング作業では、通
常縦型の締付機が使用されており、このようなショルダ
ートルクは高く外れる現象が見られず、工場内でのねじ
カップリングの締付け管理が問題となっていた。
【0008】この発明の目的は、ねじ接合部にサブシー
ルとメタルシールを有するプレミアムジョイントの締付
けにおいて、ショルダートルクを所定範囲に管理できる
油井管ねじカップリングの締付け方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験検討を行った。その結果、横型締
付機による油井管へのプレミアムジョイントの締付けに
おいて、ショルダートルクが高くなる原因は、パイプチ
ャックの摺動抵抗が高いためで、このパイプチャックの
摺動抵抗をキャンセルすれば、プレミアムジョイントの
締付け時におけるショルダートルクが適切な値となるこ
とを確認し、この発明に到達した。
【0010】すなわちこの発明は、ねじ接合部にサブシ
ールとメタルシールを有するねじカップリングを油井管
の端部にねじ込んで自動締付けする方法において、パイ
プチャックをカップリングチャック方向に移動させるパ
イプチャック駆動機構を設け、締付け開始から締付け終
了までのカップリングチャックの回転数に対応してパイ
プチャック駆動機構によりパイプチャックをカップリン
グチャック方向に移動させ、パイプチャックの摺動抵抗
をキャンセルさせることを特徴とする油井管ねじカップ
リングの締付け方法である。
【0011】
【作用】この発明においては、パイプチャックをカップ
リングチャック方向に移動させるパイプチャック駆動機
構を設け、締付け開始から締付け終了までのカップリン
グチャックの回転数に対応してパイプチャック駆動機構
によりパイプチャックをカップリングチャック方向に
させ、パイプチャックの摺動抵抗キャンセルさせる
から、プレミアムジョイントの締付け時におけるショル
ダートルクが適切な値となる。
【0012】この発明におけるパイプチャック駆動機構
としては、カップリングチャックの回転数に対応してパ
イプチャックをカップリングチャック方向に移動させ、
パイプチャックの移動に伴う抵抗を皆無とできるもので
あればよく、特に限定されないが、パイプチャックにサ
ーボモータまたは油圧シリンダーを取付け、カップリン
グチャックの回転数に対応してパイプチャックをカップ
リングチャック方向に移動させるのが適している。な
お、上記においては、カップリングチャックの回転数に
対応してパイプチャックをカップリングチャック方向に
移動させたが、パイプチャックを固定とし、カップリン
グチャックの回転数に対応してカップリングチャックを
パイプチャック方向に移動させても同様の効果を得るこ
とができる。
【0013】
【実施例】
実施例1 以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1ないし図
3に基づいて説明する。図1はパイプチャック駆動機構
としてパイプチャックにサーボモータを取付けた締付機
の概略側面図、図2はパイプチャック駆動機構としてパ
イプチャックの後に油圧シリンダを取付けた締付機の概
略側面図、図3はパイプチャック駆動機構としてパイプ
チャックの前に油圧シリンダを取付けた締付機の概略側
面図である。
【0014】図1において、1は締付機のベースフレー
ム、2はベースフレーム1の一端にスライドベース3を
介して摺動自在に設けた油井管4を保持するパイプチャ
ックで、5はベースフレーム1の他端に固定したカップ
リングチャックで、油井管4の一端にハンドタイト状態
に締付けたねじカップリング6を保持する。7はカップ
リングチャック5を介してねじカップリング6をその軸
線回りに回転駆動するねじ込みモーター、8はねじ込み
モーター7の回転数を検出するパルスジェネレータ、9
はパイプチャック2のスライドベース3に設けたサーボ
モータで、サーボモータ9を起動すればパイプチャック
2を油井管4の管軸方向に往復動できる。
【0015】10はパイプチャック2の図示しないトル
クフレームに加わるねじカップリング6の締付けトルク
Tを検出するロードセル、11は締付制御部で、パルス
ジェネレータ8から入力されるねじ込みモーター7の回
転数と別途入力設定されているねじ込みモーター7の回
転数に対応するパイプチャック2の移動距離との関係に
基づいてサーボモータ9を制御し、パイプチャック2を
カップリングチャック5方向に所定距離移動させるよう
構成する。なお、図2、図3においては、図1のサーボ
モータ9がパイプチャック2を押す油圧シリンダー15
またはパイプチャック2を引張る油圧シリンダー16に
替わった以外は、図1と同様であるので、説明は省略す
る。
【0016】上記のとおり構成したことによって、締付
制御部11は、ねじカップリング6の締付けが開始され
ると、パルスジェネレータ8から入力されるねじ込みモ
ーター7の回転数に応じて、別途入力設定されているね
じ込みモーター7の回転数に対応するパイプチャック2
の移動距離との関係に基づいてパイプチャック2の移動
距離を演算し、該演算結果に基づいてサーボモータ9を
制御し、パイプチャック2をカップリングチャック5方
向に所定距離移動させるから、パイプチャック2のスラ
イド抵抗がキャンセルされ、パイプチャック2のロード
セル10で検出される締付けトルクのスライド抵抗によ
るショルダートルクの上昇が防止されるから、ショルダ
ートルクが適切な値となる。
【0017】実施例2 7インチの油井管端部にプレミアムジョイントを締付機
によって自動締付けし、締付機のねじ込みモーターの回
転数に対応してパイプチャックをカップリングチャック
方向に所定距離移動させる本発明法と、従来法のそれぞ
れについて、締付け開始から締付け終了までの間の締付
けトルクを測定し、ショルダートルクの平均値を測定し
た。その結果、従来法の場合640kgf・mであった
が、この発明法の場合は、450kgf・mと大幅に低
減し、特にショルダートルクが管理範囲を超えて高くな
ることはなかった。
【0018】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、プレミアムジョイントの油井管への締付けにおい
て、実際のショルダートルクが正常であるにもかかわら
ず、ショルダートルクが管理範囲を超えて高くなること
が防止され、締付け管理の問題点を解消することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】パイプチャック駆動機構としてパイプチャック
にサーボモータを取付けた締付機の概略側面図である。
【図2】パイプチャック駆動機構としてパイプチャック
の後に油圧シリンダを取付けた締付機の概略側面図であ
る。
【図3】パイプチャック駆動機構としてパイプチャック
の前に油圧シリンダを取付けた締付機の概略側面図であ
る。
【図4】プレミアムジョイントの断面説明図である。
【図5】従来の締付機の概略側面図である。
【図6】プレミアムジョイントの締付けにおける締付け
トルクと回転数(ターン)の関係を示すチャートの一例
である。
【符号の説明】
1 ベースフレーム 2、61 パイプチャック 3 スライドベース 4、51、62 油井管 5、63 カップリングチャック 6、64 ねじカップリング 7、65 ねじ込みモーター 8 パルスジェネレータ 9 サーボモータ 10 ロードセル 11 締付制御部 15、16 油圧シリンダー 52 カップリング 53 サブシール 54 メタルシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−117049(JP,A) 特開 昭61−79798(JP,A) 実開 昭62−127738(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ接合部にサブシールとメタルシール
    を有するねじカップリングを油井管の端部にねじ込んで
    自動締付けする方法において、パイプチャックをカップ
    リングチャック方向に移動させるパイプチャック駆動機
    構を設け、締付け開始から締付け終了までのカップリン
    グチャックの回転数に対応してパイプチャック駆動機構
    によりパイプチャックをカップリングチャック方向に移
    動させ、パイプチャックの摺動抵抗をキャンセルさせ
    ことを特徴とする油井管ねじカップリングの締付け方
    法。
JP5197781A 1993-07-14 1993-07-14 油井管ねじカップリングの締付け方法 Expired - Lifetime JP2692537B2 (ja)

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JPH0724670A JPH0724670A (ja) 1995-01-27
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KR101476974B1 (ko) * 2013-09-12 2014-12-29 주식회사 부원생활가전 핸드믹서기용 회전대 가공기의 회전대 조립장치

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JPS61117049A (ja) * 1984-11-13 1986-06-04 Amada Co Ltd 同期送り方法
JPS62127738U (ja) * 1986-02-06 1987-08-13

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