JP2689196B2 - 光導波路素子 - Google Patents

光導波路素子

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JP2689196B2 JP639392A JP639392A JP2689196B2 JP 2689196 B2 JP2689196 B2 JP 2689196B2 JP 639392 A JP639392 A JP 639392A JP 639392 A JP639392 A JP 639392A JP 2689196 B2 JP2689196 B2 JP 2689196B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光導波路素子、特に詳細
には光導波路に回折格子を備え、導波光をこの回折格子
によって回折させて光導波路外へ出射させるようにした
光導波路素子に関するものである。
【0002】また本発明は、光導波路に回折格子を備
え、外部光をこの回折格子によって回折させて光導波路
内に入射させるようにした光導波路素子に関するもので
ある。
【0003】
【従来の技術】従来より、基板上に光導波路を形成し、
この光導波路において光を導波モードで伝搬させるよう
にした光導波路素子が種々提供されている。この種の光
導波路素子においては、導波光を光導波路外へ出射させ
るため、あるいは外部光を光導波路内に入射させるため
に、光導波路の表面に形成した回折格子(グレーティン
グカプラ)を利用することが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この回折格子は、入出
力するビームの品質を劣化させることが少い、光の入出
力を安定して行なえるという長所を有する半面、入出力
効率が低いという問題や、この効率が格子の寸法誤差
(具体的にはピッチ対線幅比の誤差)に応じて敏感に変
動してしまうという問題が認められている。
【0005】そこで、光入出力効率を高めるため、回折
格子における結合ビーム本数を実効的に少なくする提案
が従来より種々なされている。例えば、文献Journal
ofthe Optical Society of America(ジャーナ
ル・オブ・ジ・オプティカル・ソサイアティ・オブ・ア
メリカ)のVol.63,No.11 p1419〜1431には、透明基
板上の光導波路の表面(基板側表面)に回折格子を形成
し、この回折格子において、導波光を空気側および基板
側に回折させ、基板側に回折した−1次回折光を基板表
面の反射層で反射させて、この光と空気側の−1次回折
光とを互いに強め合うように干渉させる構造が示されて
いる。この構造においては、本来の意味では2ビーム結
合であるが、実効的には空気側のみに光が出射するの
で、基板側と空気側にパワーが分配されず、高い結合効
率が実現される。
【0006】しかしこの構造においては、極めて高い結
合効率を得るためには厳密な2ビーム結合条件が必要と
なるので、サブミクロン以下の細さの回折格子が必要に
なり、また回折格子のアスペクト比の制御が厳しくな
る。そのため、回折格子の作成は非常に困難となる。
【0007】また上記文献では、−1次回折光とともに
−2次回折光が基板および空気側に回折するような場合
についても述べられている。すなわち、基板側に回折し
た−1次回折光を基板表面の反射層で反射させて、この
光と空気側の−1次回折光とを強め合うように干渉させ
るともに、基板側に回折した−2次回折光を基板表面の
反射層で反射させて、この光と空気側の−2次回折光と
を弱め合うように干渉させる構造が示されている。この
構造では、もし反射層が無ければ4ビーム結合で効率は
低いが、反射層が有ればそれにより実効的に空気側の−
1次回折光に高いパワーが分配されるので、高い結合効
率が実現される。
【0008】しかしこの構造においても、回折格子周期
の細かさは緩和されるものの1μm以下であり、回折格
子の作成は困難である。またこの構造においても、回折
格子のアスペクト比の厳密な制御は難しく、そのために
回折格子と光導波路の結合長の制御が困難になるという
問題、すなわち、出射ビーム径や入力効率のバラツキを
引き起こすという問題がある。
【0009】また特開昭60-189709 号公報には、透明基
板上の光導波路の表面(空気側表面)に回折格子を形成
するとともに、この回折格子の上にクラッド層(バッフ
ァ層)を形成し、さらにこのクラッド層の上に反射層を
形成し、回折格子において基板側に回折した回折光と、
クラッド層側に回折してから該クラッド層と反射層の界
面で反射した回折光とを、互いに強め合うように干渉さ
せて基板側に取り出す構造が提案されている。
【0010】しかしこの構造は、導波光と結合するビー
ムの本数や、利用する回折光の次数を明確に特定するも
のではないので、必ずしも高効率化が達成できるとは限
らないものであった。
【0011】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、導波光と外部光との結合効率が十分に高
く、回折格子の線幅誤差によりこの結合効率が大きく変
化することがなく、そして作成も容易な光導波路素子を
提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の光導
波路素子は、光導波路内を伝搬する導波光を光導波路外
に出射させるためのものであり、前述したように透明基
板上の光導波路に、該光導波路内を伝搬する導波光を回
折させて光導波路外に取り出す回折格子が形成されると
ともに、この回折格子の上にクラッド層が形成された導
波路素子において、光導波路、クラッド層、および回折
格子が、−1次回折光が基板側のみに回折するととも
に、それよりも次数の絶対値が大きい高次回折光が基板
側およびクラッド層側に回折し、かつ、クラッド層側に
回折して該クラッド層の光導波路と反対側の界面で反射
した少なくとも1つの高次回折光と、それと同次の基板
側に出射した高次回折光とが互いに弱め合うように構成
されていることを特徴とするものである。
【0013】本発明による第2の光導波路素子は、外部
光を光導波路内に入射させるためのものであり、上述し
た第1の光導波路素子が、上記基板側のみに回折した−
1次回折光が辿る光路を外部光が逆向きに辿るように配
置され、この外部光を上記回折格子で回折させて該光導
波路内に入射させるように用いられていることを特徴と
するものである。
【0014】
【作用および発明の効果】上記構成の本発明の第1の光
導波路素子においては、最もパワー分配比が高い−1次
回折光が1方向のみ、つまり基板側のみに取り出される
上、不要な高次回折光が同次のものどうしで互いに弱め
合って抑圧されるから、結合ビーム本数が実効的に少な
くなり、上記−1次回折光のパワー分配比が著しく高め
られて、高効率化が実現される。また、上記の通りであ
るから、電磁場の相反定理により、第2の光導波路素子
においても高効率化が実現されることは自明である。
【0015】なお上記高次回折光すなわち−2次、−3
次、−4次、……の回折光のうちで、特にパワー分配比
が高いのは−2次回折光と−3次回折光であるから、上
述した高効率化の効果をより顕著に得るためには、クラ
ッド層側および基板側に回折した−2次回折光どうし、
および/または同様の−3次回折光どうしが(勿論、最
も望ましくは双方である)互いに弱め合うようにするの
が望ましい。
【0016】また、前述したように外部光と導波光との
結合効率が回折格子のピッチ対線幅比に対して敏感に上
下してしまうという問題は、このピッチ対線幅比が設計
値から外れると、その誤差増大にともなって−2次や−
4次の偶数次の高次回折光の回折効率が増大し、そのた
めに−1次回折光の回折効率が低下することに起因して
いる。そこで本発明の光導波路素子を、これら偶数次の
高次回折光が抑圧されるように形成しておけば、−1次
回折光の回折効率がこれら偶数次の高次回折光の回折効
率によって左右される程度が基本的に低くなる。したが
って、回折格子のピッチ対線幅比が設計値から外れて
も、その際の−1次回折光の回折効率低下は比較的小さ
く抑えられるようになる。
【0017】そして上記第1の光導波路素子は、実際の
構成は多ビーム結合を果たすように形成されているから
回折格子周期が粗く、そのため、2ビーム結合を果たす
場合ほど厳密なビーム結合条件が必要とはならず、回折
格子は比較的容易に作成され得る。それによりこの光導
波路素子は、作成が容易なものとなる。この点は、第2
の光導波路素子に関しても同様である。
【0018】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。図1は本発明の一実施例による光導波
路素子を示すものであり、図2はその光出射用回折格子
の部分を拡大して示している。この光導波路素子は一例
として、EO(電気光学)スイッチを構成するものであ
り、LiNbO3 からなる基板10上にプロトン交換によ
る薄膜光導波路11が形成され、この光導波路11の上に光
入射用の線状回折格子(Linear Grating Coupler:
以下LGCと称する)12と、光出射用LGC13とが形成
され、光入射用LGC12上にはクラッド層14が、光出射
用LGC13上にはクラッド層15が形成されてなる。そし
てLGC12とLGC13との間において光導波路11の上に
は、導波光の光路を切り換えてLGC13からの出射を制
御するEOグレーティング16が配設されている。
【0019】上記LGC12とLGC13は、電子ビーム描
画により形成したレジストパターン上にRFスパッター
法によりZnSeを製膜し、次いでリフトオフして作成
されたものである。またクラッド層14とクラッド層15
は、それぞれLGC12とLGC13の上にRFスパッター
法によりHfO2 (酸化ハフニウム)を所定の厚さに製
膜して作成されたものである。一方基板10の一端面10a
は外部光であるHe−Neレーザ光20を入射させるた
め、そして基板10の他端面10bは光出射用LGC13で回
折した光を基板10外に出射させるため、各々65゜の角度
で斜めに研磨されている。
【0020】端面10aを通して基板10内に入射し、光導
波路11越しにLGC12の部分に入射した外部光20は、こ
のLGC12において回折し、光導波路11内に入射して導
波光20’となる。なおLGC12については後に詳述す
る。
【0021】導波モードで図中右方向に伝搬する導波光
20’は、光出射用LGC13において基板10側およびクラ
ッド層15側に回折する。本実施例では、光出射用LGC
13において−1次回折光21が基板10側のみに回折すると
ともに、それよりも次数の絶対値が大きい高次回折光す
なわち−2次、−3次、−4次、……の回折光は基板10
側およびクラッド層15側に回折するように光導波路11の
実効屈折率N、クラッド層15の屈折率nc 、およびLG
C13の周期Λが設定されている。なお図1では−1次回
折光21のみを示し、図2では−1次回折光21、−2次回
折光22a、22bおよび−3次回折光23a、23bのみを示
してある。
【0022】ここで、導波光20’を上述のように回折さ
せるための条件を示す。導波光20’の波長(真空中のも
の)をλとすると、−1次回折光21が基板10側のみに回
折するための条件は、nc <N−λ/Λであり、−2次
回折光が基板10側およびクラッド層15側に回折するため
の条件は、N−2λ/Λ<nc である。この後者の条件
が満たされれば、−3次、−4次、……の高次回折光も
すべて−2次回折光と同様に基板10側およびクラッド層
15側に回折するから、結局、導波光20’を上述のように
回折させるための条件は、 N−2λ/Λ<nc <N−λ/Λ ………(1) となる。
【0023】光出射用LGC13によりクラッド層15側に
回折した−2次回折光22aは、このクラッド層15と空気
との界面15aで全反射する。本実施例の光導波路素子に
おいては、こうして基板10側に折り返した−2次回折光
22aと、光出射用LGC13により直接基板10側に回折し
た−2次回折光22bとが互いに弱め合うように干渉す
る。同様に、クラッド層15側に回折して界面15aで全反
射した−3次回折光23aと、直接基板10側に回折した−
3次回折光23bも互いに弱め合うように干渉する。以
下、このようにして−2次回折光および−3次回折光を
抑圧するための条件を説明する。
【0024】まず、−2次回折光に関して説明する。な
お以下では、導波光20’が光導波路11をTEモードで導
波するものとする。クラッド層側−2次回折光22aの回
折角をθc2、基板側−2次回折光22bの回折角をθs2
し、これら両−2次回折光22a、22b間の位相進行量の
差を求める。クラッド層15側に回折し界面15aで全反射
した後基板10側へ出射する−2次回折光22aの位相進行
量φA は、クラッド層15の屈折率と厚さをそれぞれ
c 、tc 、光導波路11の屈折率と厚さをそれぞれ
f 、tf 、全反射して折り返す−2次回折光22aのL
GC13における回折角をθf2とし、またk=2π/λ、
界面15aで全反射したときのグースヘンシェンシフトを
φg とすると、 φA =2nc ktc / cosθc2+nf ktf / cosθf2−2φg ただし、
【0025】
【数1】
【0026】となる。一方、直接基板10側へ回折した−
2次回折光22bの位相進行量φB は、 φB =2nc ktc sin2 θc2/ cosθc2+nf ktf / cosθf2 で与えられる。全反射した後基板10側へ出射した−2次
回折光22aと、−2次回折光22bの位相差を(2m+
1)πとすればそれらが抑圧されるから、 とすればよく、したがって求める条件は、 2nc ktc cosθc2−2φg =(2m+1)π ……(2) となる。
【0027】次に、−3次回折光を抑圧するための条件
は、−2次回折光の場合と同様にして、 2nc ktc cosθc3−2φg ’=(2m’+1)π ……(3) となる。ただし、φg ’は−3次回折光のグースヘンシ
ェンシフトであり、
【0028】
【数2】
【0029】である。またm’は整数、そしてθc3はク
ラッド層側−3次回折光23aの回折角である。
【0030】外部光20の波長λに対して、以上説明した
(1) 、(2) および(3) の条件を満足するように光導波路
11の実効屈折率N、クラッド層15の屈折率nc と厚さt
c 、およびLGC13の周期Λを設定すれば、−2次回折
光と−3次回折光が抑圧され、したがって−1次回折光
21のパワー分配比すなわち回折効率が高くなる。
【0031】次に具体的な数値例について説明する。ま
ず、本実施例では、
【0032】
【表1】
【0033】とされている。ただし光導波路の屈折率分
布は、ステップ型に近似した。また前記(1) 式より、 λ/(N−nc )< Λ <2λ/(N−nc ) ………(4) そして−3次回折光23aが界面15aで全反射する(その
とき当然−2次回折光22aも全反射する)条件から、 3λ/(N−1)<Λ ………(5) である。上記(表1)に示したパラメータでの式(4) お
よび(5) の条件を図3に示す。この条件から、クラッド
層屈折率nc が大きいほど強結合になることを考慮し
て、 の範囲で高効率条件式(2) 、(3) を満たすLGC周期
Λ、クラッド層屈折率nc、およびクラッド層厚さtc
を求める。その結果を図4に示す。ここで、タイプAは
式(2) 、(3) で各々m=1、m’=2としたときの高効
率条件であり、一方タイプBは同じく式(2) 、(3) で各
々m=0、m’=1としたときの高効率条件である。こ
れらタイプA、Bの高効率条件におけるLGC周期Λと
クラッド層屈折率nc との関係は、図3に示す通り、式
(4) および(5) の条件を満たす範囲内に存在している。
【0034】このように定まるクラッド層屈折率nc
範囲に基づいて、本実施例ではクラッド層15として前述
の通りHfO2 スパッター膜(λ=632.8 nmに対する
c=1.91)が選択されている。この場合の高効率条件
は、以下の通りである。
【0035】
【表2】
【0036】次に、上記構成のうちタイプAの作用、効
果について説明する。まずコンピュータによるシミュレ
ーション結果を示す。解析はフロッケの定理に基づく空
間高調波展開法を用い、−1次回折効率P1 、−2次回
折効率P2 および−3次回折効率P3 と、放射損失係数
αとを求めた。
【0037】(a) クラッド厚さへの依存性 −1次回折効率P1 、−2次回折効率P2 および−3次
回折効率P3 と放射損失係数αの、クラッド層厚さtc
への依存性をシミュレーションした結果を図5に示す。
タイプAにおけるクラッド層厚さtc = 0.73 μmのと
き、−2次回折効率P2 および−3次回折効率P3 が極
端に低下し、−1次回折効率P1 がほぼ99%にもなるこ
とが示されており、先に述べたようにして導出された高
効率条件が正しいことが確認された。
【0038】(b) LGCピッチ対線幅比への依存性 −1次回折効率P1 と放射損失係数αの、LGCピッチ
対線幅比Rへの依存性をシミュレーションした結果を図
6に示す。なおLGCピッチ=線幅+間隔である。図示
されているように、ピッチ対線幅比Rが3.5 〜6.5 程度
の範囲で変動しても、高い−1次回折効率P1 が確保さ
れ得る。これは、先に説明した通り、偶数次の−2次回
折光が抑圧されることにより得られる効果である。した
がってこの光導波路素子は、回折格子の作成精度が大巾
に緩和され、容易に形成され得るものとなる。
【0039】(c) LGC高さへの依存性 −1次回折効率P1 と放射損失係数αの、LGC13の高
さtg への依存性をシミュレーションした結果を図7に
示す。この場合、クラッド層15が無いものについても調
べた。図示されている通りクラッド層15があるものは、
クラッド層15が無いものと比べて放射損失係数αが約3
倍程度まで高くなり、強結合化が実現されることが判
る。
【0040】さらに、クラッド層15が無い場合は、強結
合化のためにLGC13をあまりに高くすると−1次回折
効率P1 が低下するが、クラッド層15が有る場合は、L
GC13を高くしてもこのような効率低下を招かないこと
が判る。こうして効率低下が防止されれば、特願平2-14
8397号明細書に示されるようなLGC13の高さtg の制
御による入出力光のガウスビーム化が、効率を犠牲にせ
ずに実現可能となる。
【0041】次に、図1および図2に示した実際の光導
波路素子について、−1次回折効率P1 を測定した結果
を説明する。
【0042】(a) クラッド厚さへの依存性 −1次回折効率P1 とクラッド層厚さtc との関係を測
定した結果を図8に示す。図示の通り、最適クラッド層
厚さtc =0.73μmにて−1次回折効率P1 =94%が得
られている。
【0043】(b) LGCピッチ対線幅比への依存性 −1次回折効率P1 とLGCピッチ対線幅比Rとの関係
を測定した結果を図9に示す。図示の通り、クラッド層
厚さtc を最適値の0.73μmに設定すると、LGCピッ
チ対線幅比Rが3.5 〜6.5 程度の範囲で変動しても高い
−1次回折効率P1 が確保され得る。これは前述のシミ
ュレーション結果と整合している。一方、クラッド層15
を設けない場合は、LGCピッチ対線幅比Rが変動する
と−1次回折効率P1 が大きく変動することも示されて
いる。
【0044】次に、光入射用LGC12について説明す
る。この光入射用LGC12およびクラッド層14は、以上
説明した光出射用LGC13およびクラッド層15と全く同
様に形成されたものである。そして光導波路素子は、図
1に示されるのと反対方向に導波光20’を伝搬させてL
GC12から基板10側に−1次回折光を取り出したときに
該−1次回折光が辿る光路を、外部光20が逆向きに辿る
ように配置されている。こうすることにより、LGC12
による光入力においても高効率化が実現され得ること
は、電磁場の相反定理により自明である。
【0045】以上、導波光20’がTEモードで導波する
場合について説明したが、導波光20’がTMモードで導
波する場合は、(数1)式を
【0046】
【数3】
【0047】と変え、(数2)式を
【0048】
【数4】
【0049】と変えればよい。
【0050】また上記実施例ではクラッド層15の空気と
の界面15aで高次回折光を全反射させるようにしている
が、この界面15aで高い反射率が確保されるならば、特
に全反射させる必要はない。なおこのようにして高次回
折光を全反射させない場合、−2次回折光22aが界面15
aで反射する際の位相シフト量はグースヘンシェンシフ
トφg ではなく、TEモード導波ならば0(ゼロ)、T
Mモード導波ならば−πとなる。さらに、界面15aの外
側の空気の代りに金属や誘電体多層膜等を存在させて、
そこで高次回折光を反射させても構わない。
【0051】さらに上記実施例では、光導波路11の表面
に凸形のLGC13を設けているが、このLGC13は図1
0に示すように凹形のものとされてもよいし、図11に
示すように光導波路11の基板10側に形成されてもよい
し、さらには図12に示すように、光導波路11中に周期
的な屈折率変化を与えて形成されてもよい。これは光入
射用LGC12についても同様である。
【0052】また、前述したような方法でクラッド層15
を作成すると、その界面15aは平滑にはならず、LGC
13の凹凸に対応した凹凸を有することが多い。そのよう
な凹凸が形成されてしまっても、−1次回折光21の回折
効率は2%程度低下するだけであり、実用上はさほど問
題とならない。
【0053】また本実施例の光導波路素子においては、
クラッド層15の端部が外側に向かって次第に低くなる形
状とされているので、導波光20’がこのクラッド層端部
(具体的には図2中で左側のもの)近傍の光導波路11の
部分を通過する際に散乱してしまうことが防止され、よ
って導波光20’の伝搬損失が低く抑えられるようにな
る。
【0054】なお、以上の説明では、2次元(スラブ)
光導波路について述べたが、本発明は3次元光導波路に
対しても適用可能であり、その場合も同様に光入出力の
高効率化が実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による光導波路素子の概略側
面図
【図2】図1の光導波路素子の要部を拡大して示す側面
【図3】本発明の光導波路素子における高効率条件の範
囲例を示すグラフ
【図4】クラッド層屈折率nc に対する、回折格子周期
Λおよびクラッド層厚さtc の関係の一例を示すグラフ
【図5】クラッド層屈折率nc に対する、−1次回折効
率P1 および放射損失係数αの関係の一例を示すグラフ
【図6】回折格子のピッチ対線幅比Rに対する、−1次
回折効率P1 および放射損失係数αの関係の一例を示す
グラフ
【図7】回折格子の高さtg に対する、−1次回折効率
P1 および放射損失係数αの関係の一例を示すグラフ
【図8】クラッド層高さtc と−1次回折効率P1 との
関係の一例を、回折格子のピッチ対線幅比R毎に示すグ
ラフ
【図9】回折格子のピッチ対線幅比Rと−1次回折効率
P1 との関係の一例を、クラッド層高さtc 毎に示すグ
ラフ
【図10】本発明の光導波路素子における回折格子の別
の例を示す概略側面図
【図11】本発明の光導波路素子における回折格子のさ
らに別の例を示す概略側面図
【図12】本発明の光導波路素子における回折格子のさ
らに別の例を示す概略側面図
【符号の説明】
10 基板 11 光導波路 12 光入射用LGC 13 光出射用LGC 14、15 クラッド層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上の光導波路に、該光導波路内
    を伝搬する導波光を回折させて光導波路外に取り出す回
    折格子が形成されるとともに、この回折格子の上にクラ
    ッド層が形成された導波路素子において、 前記光導波路、クラッド層、および回折格子が、 −1次回折光が基板側のみに回折するとともに、それよ
    りも次数の絶対値が大きい高次回折光が基板側およびク
    ラッド層側に回折し、かつ、 クラッド層側に回折して該クラッド層の光導波路と反対
    側の界面で反射した少なくとも1つの高次回折光と、そ
    れと同次の基板側に出射した高次回折光とが互いに弱め
    合うように構成されていることを特徴とする光導波路素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光導波路素子が、前記基
    板側のみに回折した−1次回折光が辿る光路を外部光が
    逆向きに辿るように配置され、この外部光を前記回折格
    子で回折させて該光導波路内に入射させるように用いら
    れていることを特徴とする光導波路素子。
  3. 【請求項3】 前記弱め合う高次回折光が、−2次およ
    び/または−3次回折光であることを特徴とする請求項
    1または2記載の光導波路素子。
  4. 【請求項4】 前記弱め合う高次回折光に、偶数次の高
    次回折光が含まれることを特徴とする請求項1から3い
    ずれか1項記載の光導波路素子。
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