JP2683194B2 - 撮像管 - Google Patents

撮像管

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JP2683194B2
JP2683194B2 JP33440092A JP33440092A JP2683194B2 JP 2683194 B2 JP2683194 B2 JP 2683194B2 JP 33440092 A JP33440092 A JP 33440092A JP 33440092 A JP33440092 A JP 33440092A JP 2683194 B2 JP2683194 B2 JP 2683194B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学像を電気信号に変
換する撮像管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、バイアスライトで光導電面を
照射することにより、光導電型撮像管の光応答特性を改
善し、残像の低減を図ることができることが知られてい
る。一般には、バイアスライトとして用いる光源7の配
置としては次のようなものがある。まず、従来例1は、
図4(a)に示すように円筒バルブ11の外側の側面で
あって、光導電膜21付近に光源7を配置するものであ
る。これによって、円筒バルブ11を構成するガラス材
を介して光導電膜21に光を照射することができる。次
に、従来例2は、図4(b)に示すように円筒バルブ1
1内の底面付近に光源7を設け、さらに、円筒バルブ1
1の内周面に光を反射する塗料(例えば、白色の塗装
等)を塗布するものである。これによっては、光源7か
ら直接、および円筒バルブ11の内周面からの光の反射
を介して光導電膜21に光を照射することができる。し
かし、これら従来例1および従来例2ではともに光導電
膜21に光を均一に入射させることができない。このた
め、撮像管の暗時(Dark時)に、画像シェーデイグがで
きてしまい、このことで撮像の際のS/N比を劣化させ
てしまっていた。このため、金属性のメッシュ電極5に
蛍光塗料を塗布し、メッシュ電極5の蛍光塗料が塗布さ
れた面を発光させることでバイアスライトとして用いる
技術(以下、従来例3という)が開示されている(特開
昭56-73835)。この従来例3は、光導電膜21に光を均
一に入射さて、従来例1および従来例2の上述した欠点
を解消することを目的としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来例3はメ
ッシュ電極5として金属板を用いているため、撮像管の
製造中に金属板にたるみが生じてしまうことがある。こ
のため、金属板上に塗布した蛍光塗料が剥がれ落ちてし
まうことがあった。さらに、蛍光塗料からの発光量全体
のうち、60%たらずの光量しか光導電膜に照射され
ず、照射効率に欠けるという欠点があった。これは、金
属板の電子銃3側の表面に蛍光塗料を塗布していること
から、メッシュ電極5本体である金属板によって多くの
光が遮られてしまうことによるものである。
【0004】そこで、本発明は上記の問題点を解決する
撮像管のメッシュ電極5を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子ビームを
出射する電子銃と、この電子ビームが走査されるターゲ
ット部と、このターゲット部と電子銃との間に設けられ
たメッシュ電極とを備えて構成される撮像管において、
メッシュ電極は、網目状に配列された複数の貫通孔を含
む透明ガラスと、透明ガラス表面のうち、電子銃と対向
する面に塗布された蛍光体と、蛍光体の塗布された透明
ガラスの全体を被覆する透明導電膜とを有することを特
徴とする。また、透明ガラスは、キャピラリープレート
であることが望ましい。
【0006】
【作用】上記の構成によれば、本発明に係る撮像管は、
メッシュ電極として、透明ガラスの表面のうち電子銃と
対向する面に蛍光体を塗布し、さらに全体を透明導電膜
で被覆したものである。従って、電子銃で放出した電子
が蛍光体を発光させ、この発光した光は、メッシュ電極
を構成する部材(例えば、従来技術における金属板に相
当する部材)によって遮られることがなく、光導電膜を
照射することができる。さらに、蛍光体は透明ガラスに
塗布されていることから、光導電膜の照射に際して均一
に照射される。
【0007】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。なお、図面の説明において同一要素に
は同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】図1に基づいて、本発明に係る実施例につ
いて説明する。本実施例に係る撮像装置は、中空円筒形
のガラスバルブ1と、ガラスバルブ1の先端に設けられ
入射光を光電変換して蓄積するターゲット部2と、ター
ゲット部2に対向する他端に設けられ読取り用の電子ビ
ームを発射する電子銃部3と、この電子ビームを光導電
膜21上の面に集束してこの面上を走査する集束偏向部
4とから構成されている。
【0009】ターゲット部2は、光像が結像される光導
電膜21と、この光導電膜21上に固着されて設けられ
たネサ膜22と、さらにこのネサ膜22上に固着されて
設けられたガラス面板23とから構成されている。光導
電膜21はPbO/PbSを材質として形成されてい
る。また、ネサ膜22はSnO2 やITOを用いた透明
導電膜である。これら一体化されたターゲット部2は、
光導電膜21がガラスバルブ1内になるように信号電極
6および図示しないインジウム金属によってガラスバル
ブ1に封着され、ガラスバルブ1内は真空状態に保たれ
ている。また、インジウム金属はネサ膜22と電気的に
接触しており、ネサ膜22に生じた撮像信号は信号電極
6によって取り出され、外部の図示しない信号増幅回路
に出力される。
【0010】電子銃部3は、電子を放出する図示しない
カソード電極と、このカソード電極を加熱する図示しな
いヒータと、放出された電子の進行方向を制御する図示
しないビーム制御電極とを有する本体31、および電子
ビームを加速する加速電極32とから構成されている。
また、電子銃部3への電力供給は、ガラスバルブ1の底
面に設けられたステムピン33から行われる。この電子
銃部3から出射された電子ビームは集束偏向部4によっ
てその進路が偏向される。偏向された電子ビームは、集
束偏向部4の終端部に設けられたメッシュ電極5を通過
することによって速度が急激に低下し、光導電膜21に
低速度で一様に到達する。
【0011】メッシュ電極5は、図2および図3に示す
ように、キャピラリープレート51の表面に蛍光塗料5
2を塗布し、その全体を透明導電膜53で被覆したもの
である。このキャピラリープレート51は、貫通した複
数の貫通孔54が穿設されており、これらの貫通孔54
が網目状に配列されたものである。蛍光塗料52として
は、S7 2 にEu2 3 を1〜15mol%程度添加
した物質を用いている。透明導電膜53は上述したネサ
膜22と同様に、SnO2 やITOを用いている。な
お、このとき、透明導電膜53はキャピラリープレート
51の貫通孔54の内周面にも塗布されて被覆される
が、貫通孔54が透明導電膜53によって埋め込まれる
ことはない。
【0012】次に、本実施例に係る撮像管の動作につい
て説明する。ガラス面板23に入射した光像は、ネサ膜
22を通過して光導電膜21に結像する。透明導電膜5
3には、陰極に対して数十Vの正電位が印加される。こ
のため、裏面は電子ビームの走査後、陰電極に近い状態
になる。光導電膜21に光像が結像されると、光導電効
果により裏面の電位は光量に応じて上昇し、各画素ごと
に、次の走査ビームがくるまで、正の電荷が裏面に蓄積
されていく。この電荷が電子銃から照射された電子ビー
ムによって中和されて放電電流が流れ、この放電電流が
透明電極、次いでインジウム、そして信号取出電極へと
伝えられ信号電圧となって外部に取り出される。
【0013】また一方で、メッシュ電極5には陰極に対
して数Vの陰電荷が印加される。このため、電子ビーム
はメッシュ電極5を通過することによって速度が急激に
低下し、光導電膜21に低速度で一様に到達することに
なる。このとき通過する電子ビームの一部はメッシュ電
極5を構成するキャピラリープレート51に塗布された
蛍光塗料52に照射される。電子ビームが照射された蛍
光塗料52は発光し、発光した光は透明体であるキャピ
ラリープレート51を介して光導電膜21に照射され
る。このときの照射量は、従来技術のようにメッシュ電
極5に金属板を用いた場合が蛍光体の全発光量の60%
であるのに対し、本発明では全発光量の100%であ
る。この結果、本発明に用いたメッシュ電極5によれ
ば、非常に効率よく光電膜に光を照射することができる
ことが分かった。また、上述のように蛍光塗料52は透
明体であるキャピラリープレート51に塗布されている
ことから、光導電膜21を照射する際に偏りがなく全体
を均一に照射することができる。また、メッシュ電極5
に印加される電位を調整することで、蛍光塗料52に照
射される電子ビームを調整できるため、この結果、発光
量を調整することができる。すなわち、バイアスライト
としてのメッシュ電極5の光量を自在に変化させること
も可能である。さらに上述した蛍光塗料52と異なる物
質を蛍光体として選択することで発光する光の波長を変
えることができ、バイアスライトとして様々な波長を選
択できる。
【0014】なお、撮像管の製造過程においては加熱作
業を伴うが、この場合においても、本発明のようにメッ
シュ電極5としてキャピラリープレート51をメッシュ
電極5として用ていれば、金属を用いたときのような熱
にってメッシュ電極5が弛んでしまうという問題も生じ
ない。従って、メッシュ電極5の弛みによって蛍光体が
剥がれ落ちることもない。
【0015】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる撮像管には、メッシュ電極として透明ガラスの表面
のうち電子銃と対向する面に蛍光体を塗布し、さらに全
体を透明導電膜で被覆したものを用いている。従って、
電子銃で放出した電子が蛍光体を発光させて、放射した
光は、メッシュ電極を構成する部材(例えば、従来技術
における金属板に相当する部材)によって遮られること
がなく、光導電膜を照射することができる。このため、
蛍光体からの発光した光を効率よく光導電膜に照射させ
ることができる。さらに、蛍光体は透明ガラスに塗布さ
れていることから、光導電膜の照射に際して均一に照射
される。すなわち、光導電膜上には斑なく光を照射する
ことができる。
【0016】なお、撮像管の製造過程においては加熱作
業を伴うが、この場合においても、本発明のようにメッ
シュ電極としてキャピラリープレートをメッシュ電極と
して用ていれば、金属を用いたときのような熱にってメ
ッシュ電極が弛んでしまうという問題も生じない。従っ
て、メッシュ電極の弛みによって蛍光体が剥がれ落ちる
こともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る撮像管の概略構造を示す断面斜
視図である。
【図2】本実施例に係る撮像管に用いるメッシュ電極の
斜視図である。
【図3】本実施例に係る撮像管に用いるメッシュ電極の
一部を示した斜視図である。
【図4】従来例に係る撮像管の概略構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1…ガラスバルブ、2…ターゲット部、3…電子銃部、
4…集束偏向部、5…メッシュ電極、51…キャピラリ
ープレート、52…蛍光塗料、53…透明導電膜、54
…貫通孔、6…信号電極。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを出射する電子銃と、前記電
    子ビームが走査されるターゲット部と、前記ターゲット
    部と前記電子銃との間に設けられたメッシュ電極とを備
    えて構成される撮像管において、 前記メッシュ電極は、網目状に配列された複数の貫通孔
    を含む透明ガラスと、 前記透明ガラス表面のうち、前記電子銃と対向する面に
    塗布された蛍光体と、 前記蛍光体の塗布された前記透明ガラスの全体を被覆す
    る透明導電膜と、を有することを特徴とする撮像管。
  2. 【請求項2】 前記透明ガラスは、キャピラリープレー
    トであることを特徴とする請求項1に記載の撮像管。
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