JP2683192B2 - 像増強装置 - Google Patents

像増強装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波変調が可能な像
増強装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速動作が可能な像増強装置として、近
接型のイメージインテンシファイア(II)では、入射
面板の内面側に透明導電膜と透明誘電体板と光電面とを
順次形成し、入射面板に接して形成された透明導電膜と
光電面の引出し電極とを同電位に保つことにより、光電
面からの光電子を均一に加速して高周波特性を改善する
ものが存在する(特開昭61−239550)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
近接型のイメージインテンシファイアIIでは、透過率
の関係上透明導電膜を厚くすることができず、透明導電
膜が比較的高い抵抗値を有することになるので、光電面
に印加される電圧をその面内で十分均質にできないとい
った問題や、透明導電膜、光電面等に多くのジュール熱
が発生して長時間の使用に耐えないという問題があっ
た。また、光電面と光電子を増倍するマイクロチャンネ
ルプレート(MCP)との間隔が比較的狭いので、印加
される周波数の増加にともなって光電面とMCPとの間
のインピーダンスが減少し、駆動アンプに大出力を必要
とするという問題もあった。
【0004】そこで、本発明は、効率的な高周波変調動
作が可能で、かつ、長時間の使用が可能な像増強装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る像増強装置は、(a)透明平行平板の
一方の表面側に形成された光電面と、(b)透明平行平
板の他方の表面側に形成された金属製メッシュ電極と、
(c)光電面から発生した光電子を光電面に垂直な方向
の電界によって加速するとともに、加速された光電子を
2次元的に増倍する光電子増倍手段と、(d)光電面と
光電子増倍手段との間に光電面に垂直な方向の磁界を形
成する磁界形成手段とを備えることとしている。
【0006】
【作用】上記像増強装置においては、透明平行平板の他
方の表面側に金属製メッシュ電極を形成しているので、
金属製メッシュ電極の高い導電性によって光電面の電位
を均一なものとすることができ、ジュール熱の発生を十
分抑制することができる。この場合、金属製メッシュ電
極の影の影響を防止するため透明平行平板を所定以上に
厚くし、さらに光電面から光電子増倍手段までの間隔を
十分に広げる必要が生じるが、これにより、光電面と光
電子増倍手段との間の静電容量が減少し、光電面の高周
波駆動に大出力を必要としなくなる。なお、光電面と光
電子増倍手段とを離すことによって解像度が劣化するこ
とは、磁界形成手段によって防止することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0008】図1に、実施例の近接型イメージインテン
シファイア(II)の断面構造を示す。ガラス製の面板
2の外側には、金属製のメッシュ電極3が形成され、面
板2の内側には、光電面4が形成されている。メッシュ
電極3の太さd3 は1〜10μmで、そのメッシュピッ
チは100μmであった。誘電体としての面板2の比誘
電率は約5で、その厚さd1 は2.5mmであった。こ
のようにd1 >>d3 であるので、メッシュ電極3の影
のパターンは光電面4上に形成されない。これらメッシ
ュ電極3および光電面4は、光電面電極5にそれぞれ接
続されている。この光電面4の下側には、これに対向し
かつ近接してMCP6が配置されている。光電面4とM
CP6の入力面との間隔d2 は、2.0mmで、通常の
近接型IIよりも十分に広く(10倍以上に)なってい
る。この結果、メッシュ電極3および光電面4間の容量
1 は、光電面4およびMCP6間の容量C2 よりも十
分大きなものとなり、光電面4の実効的な高周波インピ
ーダンスを小さくできる。MCP6は、セラミック製の
側管8によって固定され、その入出力面は、MCP入出
力電極10、11にそれぞれ接続されている。MCP6
の下側には、これに対向して蛍光面12が配置されてい
る。この蛍光面12は出力用のファイバープレート14
の入力端面に形成されている。
【0009】図示のように、光電面4(およびメッシュ
電極3)とMCP6の入力面との間には、変調電圧VM
を発生する変調電圧源とバイアス電圧VB を発生するバ
イアス電圧源とが直列に接続されている。また、MCP
6の入力面と出力面との間には、MCP電圧VCPを発生
するMCP用電源が接続されている。さらに、MCP6
の出力面と蛍光面12との間には、蛍光面電圧VS を発
生する蛍光面用電源が接続されている。
【0010】既に述べたように、光電面4とMCP6と
の間隔d2 は2mmである。このように間隔d2 を2m
m以上とすることにより、面板2を厚くしてメッシュ電
極3の影を防止した場合にも光電面4のインピーダンス
を低下させてこの光電面4に効率よく高周波電圧を印加
することができるという利点がある。また、光電面4と
MCP6の入力面との間の静電容量が減少し、光電面4
の高周波駆動に大出力を必要としなくなるという利点も
ある。しかしながら、光電面4とMCP6との間隔d2
を単に2mm以上とした場合、光電面4から出射した光
電子のMCP6への入射領域が広がってしまい近接型I
Iの解像度が劣化するという問題が生じる。この様な問
題を、本体周囲に設けた磁界発生用のコイル16によっ
て防止している。このコイル16は、光電面4とMCP
6との間の空間に100ガウス以上の平行磁界を形成す
る。
【0011】図2に、光電面4とMCP6との間の空間
を拡大した断面を示す。図2(a)に示すようにコイル
16からの平行磁界が形成されていない場合、光電面4
の一点から出射した光電子がMCP6の入力面6aへ入
射する可能性のある領域が広がってしまい、MCP6か
ら出力される電子像はぼやけたものとなる。このため、
IIの解像度が劣化してしまう。一方、図2(b)に示
すようにコイル16からの平行磁界が形成されている場
合、光電面4から出射した光電子は、サイクロトロン半
径よりも広がることがない。よって、MCP6の入力面
6aへの光電子の入射領域を極めて狭くすることがで
き、IIの解像度を十分に維持することができる。
【0012】以下、図1の近接型IIの具体的動作につ
いて説明する。面板2の外側から画像光が入射すると、
光電面4からこの強度に対応した光電子が放出される。
この光電子は、対向して配置されたMCP6で増倍され
て、その下の蛍光面12に入射する。これにより、光電
子の量の分布に対応した蛍光像が発生し、この蛍光像は
ファイバープレート14を介して外部に出力される。こ
の際、光電面4に印加される変調電圧VM を制御すれ
ば、画像光の増強度を任意に調節することができ、ゲー
ト動作その他を含む各種の高周波変調動作(10MHz
〜1GHz)が可能になる。しかも、面板2の外側に設
けられたメッシュ電極3の存在によって、光電面4の高
周波インピーダンスを下げることができ、光電面4に印
加される変調電圧VM の低下や不均一を防止することが
でき、ジュール熱による発熱を低くすることができる。
さらに、光電面4とMCP6の入力面との間隔を広げた
ことにより、変調電圧VM に対する静電容量が減少する
ので光電面4の高周波駆動に大電力を必要としなくな
り、この観点からも発熱を防止できる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る像増
強装置によれば、透明平行平板の他方の表面側に金属製
メッシュ電極を形成しているので、金属製メッシュ電極
の高い導電性によって光電面の電位を均一なものとする
ことができ、ジュール熱の発生を十分抑制することがで
きる。よって、像増強装置の寿命を大幅に延ばすことが
できる。この場合、金属製メッシュ電極の影の影響を防
止するため透明平行平板を所定以上に厚くし、さらに光
電面から光電子増倍手段までの間隔を十分に広げる必要
が生じるが、これにより、光電面と光電子増倍手段との
間の静電容量が減少し、光電面の高周波駆動に大出力を
必要としなくなる。なお、光電面と光電子増倍手段とを
離すことによって解像度が劣化することは、磁界形成手
段によって防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の像増強装置の構造を示した断面図。
【図2】光電面とMCPの間の空間の部分拡大図。
【符号の説明】
2…透明平行平板(面板)、3…金属製メッシュ電極、
4…光電面、6…MCP、16…磁界形成手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明平行平板の一方の表面側に形成され
    た光電面と、 前記透明平行平板の他方の表面側に形成された金属製メ
    ッシュ電極と、 前記光電面から発生した光電子を該光電面に垂直な方向
    の電界によって加速するとともに、該加速された光電子
    を2次元的に増倍する光電子増倍手段と、 前記光電面と前記光電子増倍手段との間に前記光電面に
    垂直な方向の磁界を形成する磁界形成手段と、を備える
    像増強装置。
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DE4217630C1 (ja) * 1992-05-28 1993-09-23 Mercedes-Benz Aktiengesellschaft, 70327 Stuttgart, De
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