JP2682194B2

JP2682194B2 - 平板パッチアンテナ

Info

Publication number: JP2682194B2
Application number: JP7773990A
Authority: JP
Inventors: 誠則斉藤; 元幹平野; 厳水野
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1990-03-27
Filing date: 1990-03-27
Publication date: 1997-11-26
Anticipated expiration: 2012-11-26
Also published as: JPH03276902A

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の利用分野〕本発明は、平板パッチアンテナに関し、特に給電部の
構造に関する。

〔従来技術〕

従来公知の平板パッチアンテナとしては、例えば「電
子情報通信学会技術研究報告1987年Vol.53号第21〜24
頁金田、後藤、他、“軸対称モード円環パッチアンテナ
とその給電法”」に記載されているものがある。

また、本出願人は給電軸をテーパ形状にすることによ
って帯域幅を拡大した平板パッチアンテナを既に出願し
ている（特願平１−90681号（特開平２−270405
号））。

第３図は、上記平板のパッチアンテナの平面図および
断面図である。

第３図において、１はアース板となる導電体の地板、
２はアンテナエレメントである導電体のパッチ、３はパ
ッチ２に送信電力を供給する給電軸、４はパッチ２と地
板１とを短絡するためのショートピンである。なお、給
電軸は例えば円錐形状をしており、同軸ケーブルの中心
導体（心線）に接続される。また、該同軸ケーブルの外
部導体（網状の接地線）が地板１に接続される。

また、第４図は、給電部付近の拡大断面図であり、
（ａ）はOSMレセクタブルコネクタを流用したもの、
（ｂ）は金属バンドと同軸ケーブルによるものである。

第４図において、10はOSMレセクタブルコネクタ、11
は該コネクタの止めねじ、12は同軸ケーブル、13は同軸
ケーブルの外被導通用の金属バンド、14は金属バンド13
を止める止めねじである。その他、第３図と同符号は同
じ部分を示す。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記のような従来の平板パッチアンテ
ナにおいては、次のごとき問題がある。

まず、既存のOSMレセクタブルコネクタを流用したも
のにおいては、給電状態の安定性、耐久性は優れている
が、第４図（ａ）からも判るように、地板１の下側に垂
直に取り付ける必要があるため、アンテナ全高が高くな
る。そのため車両に後付けした場合に、ケースデザイン
や取り付け方法の自由度が小さくなるという問題があ
る。また、OSMレセクタブルコネクタの単価が非常に高
い（７〜８百円程度）のでコスト高になるという問題も
ある。

また、金属バンドと同軸ケーブルを用いるものにおい
ては、同軸ケーブルを地板の下側に設けているのでアン
テナ全高が高くなるという問題がある。また、同軸ケー
ブルの芯線とテーパ状給電軸３との接続が難しいという
問題もある。例えばこの部分をはんだ付けした場合に
は、熱でテーパ状給電軸が変形して特製が変化する畏れ
があり、かつ、組立て工数が増加するので、量産に適し
ていない。

本発明は、上記のごとき従来技術の問題を解決するた
めになされたものであり、給電部の取付けによってアン
テナの全高が高くなることがなく、かつ、量産性に優れ
た平板パッチアンテナを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本発明においては、特許
請求の範囲に記載するように構成している。

すなわち、本発明においては、芯線に第１の圧着端子
を接続し、外被に第２の圧着端子を接続した同軸ケーブ
ルをパッチと地板との間に配置し、地板、第２の圧着端
子、絶縁用の樹脂板、第１の圧着端子、テーパ状給電軸
の端部の順序に積層し、それらを樹脂製のボルトとナッ
トで固定するように構成したものである。

上記のように構成したことにより、本発明において
は、同軸ケーブルがパッチと地板との間に配置され、か
つ、地板の下部にはボルトの頭が出る（埋め込みにすれ
ば全く平らにすることも出来る）だけなので、給電部の
取付けによってアンテナの全高が高くなることがなくな
る。また、各部品を所定の順序で積層してボルト止めす
るだけなので、組立てが極めて簡単であると共に、常に
同じ状態に組み立てることが出来るので、特性の均一
性、安定性も優れており、量産に適している。また、構
造的に堅牢なので耐久性にも優れている。

〔発明の実施例〕

第１図は本発明の一実施例図であり、給電部の拡大断
面図を示す。

第１図において、１は地板、２はパッチ、３はテーパ
状給電軸、５は同軸ケーブル、５′は同軸ケーブル５の
芯線、６は同軸ケーブル５の芯線に接続された圧着端
子、７は同軸ケーブル５の外被に接続された圧着端子、
８は樹脂製のボルト、９は樹脂板（例えばテフロン登録
商標板）、10は接着剤、11は六角ナットである。また、
他板１、テーパ状給電軸３の端部および樹脂板９にはボ
ルト孔が設けられている。

図示のごとく、本実施例においては、同軸ケーブル５
を地板１とパッチ２との間に配置し、芯線５′と給電軸
３とは圧着端子６を介して接触させ、また、同軸ケーブ
ル５の外被と地板１とは圧着端子７を介して接触させ
る。また、圧着端子６と圧着端子７との接触を避けるた
め、圧着端子６と圧着端子７との間に樹脂板９を設けて
いる。

そして地板１に設けたボルト孔から上記パッチ２側へ
樹脂製のボルト８を挿入し、地板１、圧着端子７、樹脂
板９、圧着端子６、テーパ状給電軸３の順序に積層し、
ボルト８の端部を六角ナット11で固定している。

また、上記の各部品を安定に固定させるために、ボル
ト８と六角ナット11の締め付け部分を接着材10を用いて
固定している。

また上記の各部品の寸法の一例を示すと、例えば、パ
ッチ２の直径が162mm、地板１とパッチ２との間隔が14m
m、圧着端子７の厚さが0.6mm、樹脂板９の厚さが0.5m
m、圧着端子６の厚さが0.5mm程度の値であり、このよう
な給電部を地板とパッチとの間に設けることは寸法上も
容易である。

上記のように、本実施例においては、各部品を所定の
順序で積層してボルト止めするだけなので、組立てが極
めて簡単であると共に、常に同じ状態に組み立てること
が出来るので、特性の安定化にも優れており、量産に適
している。また、構造的に堅牢なので耐久性にも優れて
いる。また、使用部品は汎用品なので、従来のOSMレセ
クタブルコネクタに比して大幅に安価になる。

また、同軸ケーブルがパッチと地板との間に配置さ
れ、かつ、地板の下部にはボルトの頭が出る（埋め込み
にするか、平頭ボルトを用いれば全く平らにすることも
出来る）だけなので、給電部の取付けによってアンテナ
の全高が高くなることがなくなる。

また、樹脂板９の厚さを変え、ボルト８と六角ナット
11とで締め付けることによってアンテナの高さを多少変
えることが出来るので、それによってアンテナ特性を調
節することも出来る。

例えば、第２図はパッチの直径162mm、高さ14mmのア
ンテナのリターンロス特性図であり、実線Ａは従来のOS
Mレセクタブルコネクタを用いた場合、一点鎖線Ｂは第
１図の実施例で樹脂板９の厚さが1.0mmの場合、破線Ｃ
は樹脂板９の厚さが0.5mmの場合における特性を示す。

第２図において、リターンロス−11.7dBにおける比帯
域幅を求めると、従来の比帯域幅が15.7％であったのに
対し、厚さ0.5mmの場合では比帯域幅が22.2％に広がっ
ている。

〔発明の効果〕

以上説明したごとく、本発明においては、給電部の取
付けによってアンテナの全高が高くなることがなく、ケ
ースデザインや取り付け方法の自由度が大きくなる。ま
た、従来のOSMレセクタブルコネクタを用いる場合に比
して大幅に安価になり、また、各部品を所定の順序で積
層してボルト止めするだけなので、アンテナや高周波の
知識のない人にも簡単に組み立てることが出来、かつ特
性が安定しているの、量産に適している、等の多くの効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の断面図、第２図は樹脂板の
厚さとリターンロス特性との関係を示す特性図、第３図
はテーパ状給電軸を有する平板パッチアンテナの断面
図、第４図は従来の給電部の一例を示す断面図である。＜符号の説明＞１……地板、２……パッチ３……テーパ状給電軸、４……ショートピン５……同軸ケーブル５′……同軸ケーブルの芯線６……同軸ケーブルの芯線に接続された圧着端子７……同軸ケーブルの外被に接続された圧着端子８……樹脂製のボルト９……樹脂板（例えばテフロン（登録商標）板） 10……接着剤、11……六角ナット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭59−97204（ＪＰ，Ａ) 特開平２−162804（ＪＰ，Ａ) 特開平２−270405（ＪＰ，Ａ) 実開昭56−111039（ＪＰ，Ｕ) 実開昭56−1371（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】アンテナエレメントである平板状のパッチ
と、該パッチと平行に配設されたアース板である地板
と、上記パッチに給電するテーパ状給電軸と、上記パッ
チと地板を導通させるショートピンとを備えた平板パッ
チアンテナにおいて、上記パッチと地板との間に配設された同軸ケーブルと、上記同軸ケーブルの芯線に接続された第１の圧着端子
と、上記同軸ケーブルの外被に接続された第２の圧着端子
と、ボルト孔の開いた樹脂板と、樹脂製のボルトと、ナットと、を備え、かつ、上記地板と上記テーパ状給電軸の端部とにボルト
孔を設け、上記地板のボルト孔から上記パッチ側へ上記ボルトを挿
入し、地板、第２の圧着端子、樹脂板、第１の圧着端
子、テーパ状給電軸の端部の順序に積層し、上記ボルト
の端部を上記ナットで固定した構造を有することを特徴
とする平板パッチアンテナ。