JP2678167B2 - セメント系パネル - Google Patents
セメント系パネルInfo
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- JP2678167B2 JP2678167B2 JP18863993A JP18863993A JP2678167B2 JP 2678167 B2 JP2678167 B2 JP 2678167B2 JP 18863993 A JP18863993 A JP 18863993A JP 18863993 A JP18863993 A JP 18863993A JP 2678167 B2 JP2678167 B2 JP 2678167B2
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- JP
- Japan
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- reinforcing material
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- tensile
- kgf
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- Panels For Use In Building Construction (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に土木、建築材料と
して、防音壁、防風壁、外壁、内壁、床、屋根、パラペ
ット等の用途に用いられるセメント系パネルに関する。
して、防音壁、防風壁、外壁、内壁、床、屋根、パラペ
ット等の用途に用いられるセメント系パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】セメント系材料をマトリックスとし、引
張強度が100kgf/mm2 以上の高強度材料(例えば連続
状炭素繊維、超高強度鋼線材など)を補強材として用い
た複合材料では、高強度が得られる反面、その破壊性状
が脆性的であるという欠点を有している。これは、高強
度補強材である炭素繊維、超高強度鋼線材が引張力によ
って突然破断し、一般の鉄筋のように破断する前に降伏
状態を生じないためである。これを避けるためには、例
えば次の3つの方法が良く知られている。第1は、補強
材が破断する前、セメント系マトリックス側が破壊する
ように釣り合い補強材比以上の多量の補強材で補強する
方法(「国内初の炭素繊維PC橋」、橋梁、第24〜2
7頁、1988年10月)、第2は、補強材に繊維強化
プラスチック材料を用い、含有する繊維に弾性率の異な
る繊維を混ぜることで順次繊維を破断させ、補強材に疑
似降伏挙動を生じさせる方法(「連続繊維を用いたコン
クリート補強用材料の現状と将来」、建築雑誌、第10
4巻、第1292号、第60〜61頁、1989年11
月)、第3は、強度の異なる補強材を異なる高さに配列
させて、中立軸から遠い方より順次破断させ、部材の全
体として疑似降伏挙動を生じさせる方法である。
張強度が100kgf/mm2 以上の高強度材料(例えば連続
状炭素繊維、超高強度鋼線材など)を補強材として用い
た複合材料では、高強度が得られる反面、その破壊性状
が脆性的であるという欠点を有している。これは、高強
度補強材である炭素繊維、超高強度鋼線材が引張力によ
って突然破断し、一般の鉄筋のように破断する前に降伏
状態を生じないためである。これを避けるためには、例
えば次の3つの方法が良く知られている。第1は、補強
材が破断する前、セメント系マトリックス側が破壊する
ように釣り合い補強材比以上の多量の補強材で補強する
方法(「国内初の炭素繊維PC橋」、橋梁、第24〜2
7頁、1988年10月)、第2は、補強材に繊維強化
プラスチック材料を用い、含有する繊維に弾性率の異な
る繊維を混ぜることで順次繊維を破断させ、補強材に疑
似降伏挙動を生じさせる方法(「連続繊維を用いたコン
クリート補強用材料の現状と将来」、建築雑誌、第10
4巻、第1292号、第60〜61頁、1989年11
月)、第3は、強度の異なる補強材を異なる高さに配列
させて、中立軸から遠い方より順次破断させ、部材の全
体として疑似降伏挙動を生じさせる方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実用に供する
には、これらの3つの方法は、特に経済性において問題
がある。第1の方法は、釣り合い補強材比以上の補強材
を混入したときに初めて可能となる方法であるため、高
価な補強材を多量に用いる必要があり、非常に不経済で
ある。又、セメント系マトリックス側が圧縮破壊するの
は、必ずしも安全な破壊モードではない。さらに第2、
第3の方法は、補強繊維又は補強材を順次破断させると
いうことであり、目標の強度を出す以上の余分の補強材
を要するため、非常に不経済である。本発明は、セメン
ト系マトリックスと補強材の物性値および補強量を規定
することで、従来のように余分な補強材を用いることな
く、経済的に降伏性状を持たせ、安全な曲げ破壊性状を
呈する複合材料を得ることを目的としている。
には、これらの3つの方法は、特に経済性において問題
がある。第1の方法は、釣り合い補強材比以上の補強材
を混入したときに初めて可能となる方法であるため、高
価な補強材を多量に用いる必要があり、非常に不経済で
ある。又、セメント系マトリックス側が圧縮破壊するの
は、必ずしも安全な破壊モードではない。さらに第2、
第3の方法は、補強繊維又は補強材を順次破断させると
いうことであり、目標の強度を出す以上の余分の補強材
を要するため、非常に不経済である。本発明は、セメン
ト系マトリックスと補強材の物性値および補強量を規定
することで、従来のように余分な補強材を用いることな
く、経済的に降伏性状を持たせ、安全な曲げ破壊性状を
呈する複合材料を得ることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、セメント系マ
トリックス単独の曲げ強度が100kgf/cm2 以上であ
り、補強に用いる連続状補強材の引張強度が100kgf/
mm2 以上で、補強材の長さ10cmあたりの付着強度に対
する引張強度の比が3.0以下で、かつ引張補強材比が
全断面積の0.06%以上、0.5%以下であることを
特徴とするセメント系パネルである。本発明に用いる補
強材は、超高強度鋼線材、炭素繊維強化プラスチック材
料などの高強度材料である。超高強度鋼線材は、圧延さ
れた鋼線材を引き抜き加工、焼き入れ加工などの処理を
経て所定の強度、寸法に仕上げられたものであって、通
常、PC鋼線、ばね鋼線、ピアノ線、長大吊橋用の鋼線
材として利用されるものである。尚、これらの鋼線材の
表面に、何らかの異形処理を施して、付着強度を高めた
ものが望ましい。また炭素繊維強化プラスチック材料
は、連続状炭素繊維をプリプレグ法又はプルトルージョ
ン法によって熱可塑性又は熱硬化性樹脂で含浸、収束
し、硬化させたものである。使用する炭素繊維として
は、引張強度、弾性率の高い高性能炭素繊維であり、P
AN系、ピッチ系いずれでもよい。又、炭素繊維強化プ
ラスチック材料の表面を加工し、異形鉄筋状に凹凸を付
けたもの、他の繊維を巻き付けたもの、織布、不織布を
巻き付けたもの、砂等の粉粒体を付けたものなどマトリ
ックスとの付着性を改善する措置を講じたものが望まし
い。
トリックス単独の曲げ強度が100kgf/cm2 以上であ
り、補強に用いる連続状補強材の引張強度が100kgf/
mm2 以上で、補強材の長さ10cmあたりの付着強度に対
する引張強度の比が3.0以下で、かつ引張補強材比が
全断面積の0.06%以上、0.5%以下であることを
特徴とするセメント系パネルである。本発明に用いる補
強材は、超高強度鋼線材、炭素繊維強化プラスチック材
料などの高強度材料である。超高強度鋼線材は、圧延さ
れた鋼線材を引き抜き加工、焼き入れ加工などの処理を
経て所定の強度、寸法に仕上げられたものであって、通
常、PC鋼線、ばね鋼線、ピアノ線、長大吊橋用の鋼線
材として利用されるものである。尚、これらの鋼線材の
表面に、何らかの異形処理を施して、付着強度を高めた
ものが望ましい。また炭素繊維強化プラスチック材料
は、連続状炭素繊維をプリプレグ法又はプルトルージョ
ン法によって熱可塑性又は熱硬化性樹脂で含浸、収束
し、硬化させたものである。使用する炭素繊維として
は、引張強度、弾性率の高い高性能炭素繊維であり、P
AN系、ピッチ系いずれでもよい。又、炭素繊維強化プ
ラスチック材料の表面を加工し、異形鉄筋状に凹凸を付
けたもの、他の繊維を巻き付けたもの、織布、不織布を
巻き付けたもの、砂等の粉粒体を付けたものなどマトリ
ックスとの付着性を改善する措置を講じたものが望まし
い。
【0005】本発明におけるセメント系マトリックス
は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、高炉セメント、アルミナセメントを結合材として
用い、これに珪砂、粉末珪砂、天然又は人工の軽量骨
材、フライアッシュ、シリカフューム等を混ぜ、水を加
えて水和反応により硬化させたものである。又、強度、
靱性の要求度合いや成形方法によっては、マイカ、ポリ
プロピレン繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、炭素繊維
などの繊維成分やメチルセルローズなどの増粘剤を適宜
加えることができる。これらの材料をもとにセメント系
パネルを成形するにあたり、通常用いるのは流し込み成
形法であるが、押出成形法、プレス成形法、圧延成形法
などの新しい成形法も適用できる。又、養生方法は通
常、水中養生であるが、湿空養生、蒸気養生、高温高圧
蒸気養生等が適用できる。その養生温度は、補強材のプ
ラスチックおよび表面加工の耐熱温度とセメントマトリ
ックスの強度発現の要求に依存するものである。本発明
におけるセメント系パネルは、中空、または中実、リブ
付きで中実などの外観を示す平板状の部材であって、厚
さ、幅、長さ等は成形法と用途により適宜決められるも
のである。
は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、高炉セメント、アルミナセメントを結合材として
用い、これに珪砂、粉末珪砂、天然又は人工の軽量骨
材、フライアッシュ、シリカフューム等を混ぜ、水を加
えて水和反応により硬化させたものである。又、強度、
靱性の要求度合いや成形方法によっては、マイカ、ポリ
プロピレン繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、炭素繊維
などの繊維成分やメチルセルローズなどの増粘剤を適宜
加えることができる。これらの材料をもとにセメント系
パネルを成形するにあたり、通常用いるのは流し込み成
形法であるが、押出成形法、プレス成形法、圧延成形法
などの新しい成形法も適用できる。又、養生方法は通
常、水中養生であるが、湿空養生、蒸気養生、高温高圧
蒸気養生等が適用できる。その養生温度は、補強材のプ
ラスチックおよび表面加工の耐熱温度とセメントマトリ
ックスの強度発現の要求に依存するものである。本発明
におけるセメント系パネルは、中空、または中実、リブ
付きで中実などの外観を示す平板状の部材であって、厚
さ、幅、長さ等は成形法と用途により適宜決められるも
のである。
【0006】本発明者らは鋭意研究の結果、従来のよう
に必要以上の補強材を用いる必要がなく、むしろ補強材
の量が少ない領域で、降伏挙動が明確に現われる補強材
とマトリックスとの組み合わせを見いだした。つまり、
本発明では、従来のようにマトリックスを破壊させたり
補強材を部分的に破壊させるような手段に頼ることな
く、マトリックスにスムーズにかつ多数のクラックを分
散して発生させ、降伏挙動を現出するものである。この
ことを図1によって説明する。図1は曲げ挙動を説明す
るために、荷重とたわみの関係を示したものである。こ
こでO−Aで示すのは補強材のないパネルの曲げ挙動
で、A点でクラックが入り破壊する。通常の補強材入り
パネルでは、A点でマトリックスに最初のクラックが入
って荷重が低下してD点になり、引張側のマトリックス
は引張力を分担せず、引張側の補強材だけが曲げ荷重に
よる引張力を分担して荷重を上昇させ、マトリックスに
は、わずかのクラックが発生するだけで、最終的にO−
A−D−Cという経路をたどり、C点で補強材が破断し
て破壊する。この場合、D点での荷重低下が大きく、降
伏挙動とはいえない状態である。
に必要以上の補強材を用いる必要がなく、むしろ補強材
の量が少ない領域で、降伏挙動が明確に現われる補強材
とマトリックスとの組み合わせを見いだした。つまり、
本発明では、従来のようにマトリックスを破壊させたり
補強材を部分的に破壊させるような手段に頼ることな
く、マトリックスにスムーズにかつ多数のクラックを分
散して発生させ、降伏挙動を現出するものである。この
ことを図1によって説明する。図1は曲げ挙動を説明す
るために、荷重とたわみの関係を示したものである。こ
こでO−Aで示すのは補強材のないパネルの曲げ挙動
で、A点でクラックが入り破壊する。通常の補強材入り
パネルでは、A点でマトリックスに最初のクラックが入
って荷重が低下してD点になり、引張側のマトリックス
は引張力を分担せず、引張側の補強材だけが曲げ荷重に
よる引張力を分担して荷重を上昇させ、マトリックスに
は、わずかのクラックが発生するだけで、最終的にO−
A−D−Cという経路をたどり、C点で補強材が破断し
て破壊する。この場合、D点での荷重低下が大きく、降
伏挙動とはいえない状態である。
【0007】しかるに、上述の3点を満足する組み合わ
せの場合には、A点での荷重低下が少なく、ほとんど無
視できる程度であり、最終的にO−A−B−Cという経
路をたどる。ここでA−B間は、引張側のマトリックス
が曲げによる引張力の一部を分担し、マトリックスの局
部的な低強度部分から順次クラックを発生させて、補強
材に引張力を移行させる状態である。これは荷重の上昇
はないままたわみが進展する、降伏棚と言える状態であ
り、破壊の前の警告として認識できる優れた性能であ
る。更に優れているのは、B点でクラック分散が終了し
た後は荷重を上昇させることで、破壊の前の最後の余分
として安全に大きく寄与するものである。ここでC点の
荷重値とB点の荷重値との比は、一般に鉄鋼で安全性の
目安としている降伏比を示している。
せの場合には、A点での荷重低下が少なく、ほとんど無
視できる程度であり、最終的にO−A−B−Cという経
路をたどる。ここでA−B間は、引張側のマトリックス
が曲げによる引張力の一部を分担し、マトリックスの局
部的な低強度部分から順次クラックを発生させて、補強
材に引張力を移行させる状態である。これは荷重の上昇
はないままたわみが進展する、降伏棚と言える状態であ
り、破壊の前の警告として認識できる優れた性能であ
る。更に優れているのは、B点でクラック分散が終了し
た後は荷重を上昇させることで、破壊の前の最後の余分
として安全に大きく寄与するものである。ここでC点の
荷重値とB点の荷重値との比は、一般に鉄鋼で安全性の
目安としている降伏比を示している。
【0008】本発明のセメント系パネルは、以上のよう
な挙動を示すものであるが、これは下記の3条件を全部
満足することによって初めて得られるものであり、複合
材の組み合わせの妙と言うべきものである。その第1
は、曲げ強度が100kgf/cm2 以上の高強度マトリック
スを用いることが必要である。これは、図1に示すA点
を十分高くしなければ、A−Bの降伏棚の状態が短くな
ってしまうためと、補強材とマトリックスとの付着強度
を高めるためには一定以上の曲げ強度が必要なためであ
る。しかし、マトリックスの曲げ強度を高強度化する
と、混練水を減少させる必要から一般に成形困難とな
り、おのずと上限がある。このため、本発明では180
kgf/cm2 〜350kgf/cm2 の曲げ強度のマトリックスを
使用することが望ましい。ここで曲げ強度は、一般に用
いられる40mm×40mm×160mmの試験体でなく、厚
さ(H)20mm×幅(W)40mm×支点間距離(L)3
00mmの条件で、中央集中1点載荷をしたときの結果で
ある。
な挙動を示すものであるが、これは下記の3条件を全部
満足することによって初めて得られるものであり、複合
材の組み合わせの妙と言うべきものである。その第1
は、曲げ強度が100kgf/cm2 以上の高強度マトリック
スを用いることが必要である。これは、図1に示すA点
を十分高くしなければ、A−Bの降伏棚の状態が短くな
ってしまうためと、補強材とマトリックスとの付着強度
を高めるためには一定以上の曲げ強度が必要なためであ
る。しかし、マトリックスの曲げ強度を高強度化する
と、混練水を減少させる必要から一般に成形困難とな
り、おのずと上限がある。このため、本発明では180
kgf/cm2 〜350kgf/cm2 の曲げ強度のマトリックスを
使用することが望ましい。ここで曲げ強度は、一般に用
いられる40mm×40mm×160mmの試験体でなく、厚
さ(H)20mm×幅(W)40mm×支点間距離(L)3
00mmの条件で、中央集中1点載荷をしたときの結果で
ある。
【0009】その第2は、補強材を細くして引張強度に
対する付着強度を十分に大きくすることが必要で、長さ
10cmあたりの付着強度に対する引張強度の比が3.0
以下であることが条件である。この比がこれ以上に大き
ければ付着面積が足りず、図1に示すA点での荷重低下
が大きい。しかし、この比を小さくすることは細い補強
筋を多数混入することであり、不経済である。このた
め、本発明で、この比は0.6〜1.25の比率で使用
することが望ましい。尚、ここで付着強度は、JCI−
SF7に準じてブリケット型の試験体を用い、評価側2
0mm、定着側30mmの条件で、引き抜き試験をして求め
たものとする。又、補強材の引張強度を100kgf/mm2
以上としたのは、脆性的な破壊をする補強材を対象とし
たためである。この強度が高いほど本発明の特長が生き
るが、高価となり、本発明では300kgf/mm2 を上限に
使用するのが望ましい。
対する付着強度を十分に大きくすることが必要で、長さ
10cmあたりの付着強度に対する引張強度の比が3.0
以下であることが条件である。この比がこれ以上に大き
ければ付着面積が足りず、図1に示すA点での荷重低下
が大きい。しかし、この比を小さくすることは細い補強
筋を多数混入することであり、不経済である。このた
め、本発明で、この比は0.6〜1.25の比率で使用
することが望ましい。尚、ここで付着強度は、JCI−
SF7に準じてブリケット型の試験体を用い、評価側2
0mm、定着側30mmの条件で、引き抜き試験をして求め
たものとする。又、補強材の引張強度を100kgf/mm2
以上としたのは、脆性的な破壊をする補強材を対象とし
たためである。この強度が高いほど本発明の特長が生き
るが、高価となり、本発明では300kgf/mm2 を上限に
使用するのが望ましい。
【0010】その第3は一定範囲量の補強材を用いるこ
とが必要で、引張補強材比がパネル成形体全断面積の
0.06%以上、0.5%以下であることが条件であ
る。補強材の量が少なければ、図1に示すC点がA点よ
りも下回り、補強してない材料との差がなくなる。反対
に、多ければ図1に示すO−Cの傾きが大きくなり、結
果的に降伏棚の長さを示すA−Bの間隔が小さくなる
か、あるいは釣り合い補強材比よりも大きくなり、マト
リックスの圧縮破壊モードとなって不経済である。更
に、この補強材の量を加減することで降伏比、つまりB
点以降の荷重の上昇量を加減することができる。ここで
引張補強材比とは、引張側補強材の断面積と、中空部を
含んだパネル全断面積との比を言い、その定義を図2に
示す。図2に示すWはパネルの幅、Dはパネルの厚さ、
dt は引張側補強材のかぶり厚さ、Ts は引張側補強材
の断面積の合計、Ha は中空部の断面積の合計、Hs は
中空部を除いたパネルの全断面積(マトリックス部断面
積合計)、Aはパネルの全断面積である。これらを使用
して、引張補強材比(Pt)は下式(1)、(2)で計
算される。 パネルの全断面積 A=W×D=Ha +Hs …(1) 引張補強材比
とが必要で、引張補強材比がパネル成形体全断面積の
0.06%以上、0.5%以下であることが条件であ
る。補強材の量が少なければ、図1に示すC点がA点よ
りも下回り、補強してない材料との差がなくなる。反対
に、多ければ図1に示すO−Cの傾きが大きくなり、結
果的に降伏棚の長さを示すA−Bの間隔が小さくなる
か、あるいは釣り合い補強材比よりも大きくなり、マト
リックスの圧縮破壊モードとなって不経済である。更
に、この補強材の量を加減することで降伏比、つまりB
点以降の荷重の上昇量を加減することができる。ここで
引張補強材比とは、引張側補強材の断面積と、中空部を
含んだパネル全断面積との比を言い、その定義を図2に
示す。図2に示すWはパネルの幅、Dはパネルの厚さ、
dt は引張側補強材のかぶり厚さ、Ts は引張側補強材
の断面積の合計、Ha は中空部の断面積の合計、Hs は
中空部を除いたパネルの全断面積(マトリックス部断面
積合計)、Aはパネルの全断面積である。これらを使用
して、引張補強材比(Pt)は下式(1)、(2)で計
算される。 パネルの全断面積 A=W×D=Ha +Hs …(1) 引張補強材比
【0011】
実施例1 補強材としてピッチ系炭素繊維を使用したロッドを用い
て、下記のようなCFRPロッド強化モルタルパネルを
作成し、3等分点載荷曲げ試験を行ない、荷重と載荷点
直下のたわみを連続的に測定して荷重−たわみ曲線を得
た。試験体寸法は、100mm(H)×300mm(W)×
4000mm(L)で支点間距離3600mm、荷重間距離
1200mmである。補強材の芯材は、ピッチ系炭素繊維
の連続繊維(新日本製鐵製、NT35、引張強度370
kgf/mm2 、引張弾性率35t/mm2)をプルトルージョン法
によりエポキシ樹脂で含浸し、60000フィラメント
収束したものである。この芯材の外層には合成繊維の加
工糸を、ブレーダー機により編組して、芯材(炭素繊
維)と一体化するようにしてある。最終的にこの補強材
の外径は3.1mm、引張強度は1本あたり1345kgf
、モルタルとの付着強度はJCI−SF7に準じて測
定したところ、115kgf/cm2 、長さ10cmあたりの付
着強度に対する引張強度の比は、下式(3)で計算して
1.20であった。 引張強度の比=1本あたりの引張強度/(付着強度×補
強材の外径×補強材の長さ×円周率) =1345/(115×0.31×10×3.14)=1.20 …(3) モルタル配合は下記のとおりである。 普通ポルトランドセメント 52重量部 骨 材 48重量部 繊 維 3重量部 成形助剤 1重量部 水 28重量部 以上の材料をアイリッヒミキサー、ニーダーを用いて混
練し、脱気および圧縮プロセスを伴う成形をして、6時
間の70℃蒸気養生の後、180℃で6時間高温高圧蒸
気養生をして試験体とした。この材料の曲げ強度は、2
15kgf/cm2 であった。試験体に含まれている補強材
は、圧縮側6本、引張側6本で、かぶり厚さは6mm、引
張補強材比(Pt)は図2に準じて計算すると0.151
%であった。得られた荷重−たわみ曲線を図3に示す。
ここで初亀裂強度は623kgf で、以後降伏挙動を示
し、降伏挙動終了は、たわみが110mm、補強材の破断
による破壊は1251kgf(168mm)であった。図3に
示すように明確な降伏挙動を示した。
て、下記のようなCFRPロッド強化モルタルパネルを
作成し、3等分点載荷曲げ試験を行ない、荷重と載荷点
直下のたわみを連続的に測定して荷重−たわみ曲線を得
た。試験体寸法は、100mm(H)×300mm(W)×
4000mm(L)で支点間距離3600mm、荷重間距離
1200mmである。補強材の芯材は、ピッチ系炭素繊維
の連続繊維(新日本製鐵製、NT35、引張強度370
kgf/mm2 、引張弾性率35t/mm2)をプルトルージョン法
によりエポキシ樹脂で含浸し、60000フィラメント
収束したものである。この芯材の外層には合成繊維の加
工糸を、ブレーダー機により編組して、芯材(炭素繊
維)と一体化するようにしてある。最終的にこの補強材
の外径は3.1mm、引張強度は1本あたり1345kgf
、モルタルとの付着強度はJCI−SF7に準じて測
定したところ、115kgf/cm2 、長さ10cmあたりの付
着強度に対する引張強度の比は、下式(3)で計算して
1.20であった。 引張強度の比=1本あたりの引張強度/(付着強度×補
強材の外径×補強材の長さ×円周率) =1345/(115×0.31×10×3.14)=1.20 …(3) モルタル配合は下記のとおりである。 普通ポルトランドセメント 52重量部 骨 材 48重量部 繊 維 3重量部 成形助剤 1重量部 水 28重量部 以上の材料をアイリッヒミキサー、ニーダーを用いて混
練し、脱気および圧縮プロセスを伴う成形をして、6時
間の70℃蒸気養生の後、180℃で6時間高温高圧蒸
気養生をして試験体とした。この材料の曲げ強度は、2
15kgf/cm2 であった。試験体に含まれている補強材
は、圧縮側6本、引張側6本で、かぶり厚さは6mm、引
張補強材比(Pt)は図2に準じて計算すると0.151
%であった。得られた荷重−たわみ曲線を図3に示す。
ここで初亀裂強度は623kgf で、以後降伏挙動を示
し、降伏挙動終了は、たわみが110mm、補強材の破断
による破壊は1251kgf(168mm)であった。図3に
示すように明確な降伏挙動を示した。
【0012】実施例2 実施例1と比べW他は同じであるが、補強材だけ変えて
試験した。補強材には同じ炭素繊維、同じ外層を用いた
が、補強材の芯材は60000フィラメントでなく12
0000フィラメント収束して太径の補強材とした。こ
の補強材の外径は4.4mm、引張強度は1本あたり24
9kgf 、モルタルとの付着強度はJCI−SF7に準じ
て測定したところ108kgf/cm2 、長さ10cmあたりの
付着強度に対する引張強度の比は、式(3)と同様に計
算して1.67であった。試験体に含む補強材は圧縮側
6本、引張側6本で、かぶり厚さは5mm、引張補強材比
(Pt)は図2に準じて計算すると0.302%であっ
た。得られた荷重−たわみ曲線を図3に示す。ここで初
亀裂強度は623kgf で、以後降伏挙動を示し、降伏挙
動終了はたわみが55mm、補強材の破断による破壊は1
865kgf(158mm)であった。図3に示すように明確
な降伏挙動を示した。
試験した。補強材には同じ炭素繊維、同じ外層を用いた
が、補強材の芯材は60000フィラメントでなく12
0000フィラメント収束して太径の補強材とした。こ
の補強材の外径は4.4mm、引張強度は1本あたり24
9kgf 、モルタルとの付着強度はJCI−SF7に準じ
て測定したところ108kgf/cm2 、長さ10cmあたりの
付着強度に対する引張強度の比は、式(3)と同様に計
算して1.67であった。試験体に含む補強材は圧縮側
6本、引張側6本で、かぶり厚さは5mm、引張補強材比
(Pt)は図2に準じて計算すると0.302%であっ
た。得られた荷重−たわみ曲線を図3に示す。ここで初
亀裂強度は623kgf で、以後降伏挙動を示し、降伏挙
動終了はたわみが55mm、補強材の破断による破壊は1
865kgf(158mm)であった。図3に示すように明確
な降伏挙動を示した。
【0013】実施例3 実施例1と比べ他は同じであるが、補強材だけ変えて試
験した。補強材は同じ外層を用いたが、補強材の芯材
は、ピッチ系炭素繊維の連続繊維(新日本製鐵製、NT
50、引張強度380kgf/mm2 、引張弾性率50t/mm2)
をプルトルージョン法によりエポキシ樹脂で含浸し、6
0000フィラメント収束したものである。この補強材
の外径は3.1mm、引張強度は1本あたり1256kgf
、モルタルとの付着強度はJCI−SF7に準じて測
定したところ112kgf/cm2 、長さ10cmあたりの付着
強度に対する引張強度の比は、式(3)と同様な計算し
て1.67であった。試験体に含む補強材は圧縮側6本、
引張側6本で、かぶり厚さは6mm、引張補強材比(P
t)は図2に準じて計算すると0.151%であった。得
られた荷重−たわみ曲線を図3に示す。ここで初亀裂強
度は693kgf で、以後降伏挙動を示し、降伏挙動終了
はたわみが68mm、補強材の破断による破壊は1142
kgf(111mm)であった。図3に示すように明確な降伏
挙動を示した。
験した。補強材は同じ外層を用いたが、補強材の芯材
は、ピッチ系炭素繊維の連続繊維(新日本製鐵製、NT
50、引張強度380kgf/mm2 、引張弾性率50t/mm2)
をプルトルージョン法によりエポキシ樹脂で含浸し、6
0000フィラメント収束したものである。この補強材
の外径は3.1mm、引張強度は1本あたり1256kgf
、モルタルとの付着強度はJCI−SF7に準じて測
定したところ112kgf/cm2 、長さ10cmあたりの付着
強度に対する引張強度の比は、式(3)と同様な計算し
て1.67であった。試験体に含む補強材は圧縮側6本、
引張側6本で、かぶり厚さは6mm、引張補強材比(P
t)は図2に準じて計算すると0.151%であった。得
られた荷重−たわみ曲線を図3に示す。ここで初亀裂強
度は693kgf で、以後降伏挙動を示し、降伏挙動終了
はたわみが68mm、補強材の破断による破壊は1142
kgf(111mm)であった。図3に示すように明確な降伏
挙動を示した。
【0014】実施例4 実施例1と比べて他は同じであるが、補強材だけを変え
て試験した。補強材は異形加工した超高強度鋼線材(新
日本製鐵製、引張強度200kgf/mm2 、引張弾性率20
t/mm2)を用いた。この補強材の外径は1.75mm、引張
強度は1本あたり455kgf 、モルタルとの付着強度は
JCI−SF7に準じて測定したところ、89kgf/c
m2 、長さ10cmあたりの付着強度に対する引張強度の
比は、式(3)と同様に計算して0.93であった。試
験体に含む補強材は圧縮側20本、引張側20本で、か
ぶり厚さは6.5mm、引張補強材比(Pt)は図2に準
じて計算すると0.16%であった。得られた荷重−たわ
み曲線を図3に示す。ここで初亀裂強度は643kgf
で、以後降伏挙動を示し、降伏挙動終了はたわみが10
5mmの時であり、最終的に付着破壊した。このときの最
大荷重は1052kgf(176mm)であった。図3に示す
ように明確な降伏挙動を示した。
て試験した。補強材は異形加工した超高強度鋼線材(新
日本製鐵製、引張強度200kgf/mm2 、引張弾性率20
t/mm2)を用いた。この補強材の外径は1.75mm、引張
強度は1本あたり455kgf 、モルタルとの付着強度は
JCI−SF7に準じて測定したところ、89kgf/c
m2 、長さ10cmあたりの付着強度に対する引張強度の
比は、式(3)と同様に計算して0.93であった。試
験体に含む補強材は圧縮側20本、引張側20本で、か
ぶり厚さは6.5mm、引張補強材比(Pt)は図2に準
じて計算すると0.16%であった。得られた荷重−たわ
み曲線を図3に示す。ここで初亀裂強度は643kgf
で、以後降伏挙動を示し、降伏挙動終了はたわみが10
5mmの時であり、最終的に付着破壊した。このときの最
大荷重は1052kgf(176mm)であった。図3に示す
ように明確な降伏挙動を示した。
【0015】比較例1 実施例1と比べて他は同じであるが、補強材の本数だけ
を変えて試験した。試験体に含む補強材は圧縮側2本、
引張側2本で、かぶり厚さは6mm、引張補強材比(P
t)は図2に準じて計算すると0.05%であった。得ら
れた荷重−たわみ曲線を図4に示す。ここで初亀裂強度
は654kgf で、補強材はほぼ同時に破断した。図4に
示すように降伏挙動を示さず脆性的な破壊挙動を示し
た。
を変えて試験した。試験体に含む補強材は圧縮側2本、
引張側2本で、かぶり厚さは6mm、引張補強材比(P
t)は図2に準じて計算すると0.05%であった。得ら
れた荷重−たわみ曲線を図4に示す。ここで初亀裂強度
は654kgf で、補強材はほぼ同時に破断した。図4に
示すように降伏挙動を示さず脆性的な破壊挙動を示し
た。
【0016】比較例2 実施例2と比べて他は同じであるが、補強材の本数だけ
変えて試験した。試験体に含む補強材は圧縮側12本、
引張側12本で、かぶり厚さは6mm、引張補強材比(P
t)は図2に準じて計算すると0.61%であった。得
られた荷重−たわみ曲線を図4に示す。ここで初亀裂強
度は472kgf で、以後降伏挙動を示さず荷重は上昇を
続け、最大強度2065kgf(112mm)で補強材は破断
せず、マトリックスの圧縮破壊によって試験体が破壊し
た。圧縮破壊ではあるが、脆性的な破壊挙動を示した。
変えて試験した。試験体に含む補強材は圧縮側12本、
引張側12本で、かぶり厚さは6mm、引張補強材比(P
t)は図2に準じて計算すると0.61%であった。得
られた荷重−たわみ曲線を図4に示す。ここで初亀裂強
度は472kgf で、以後降伏挙動を示さず荷重は上昇を
続け、最大強度2065kgf(112mm)で補強材は破断
せず、マトリックスの圧縮破壊によって試験体が破壊し
た。圧縮破壊ではあるが、脆性的な破壊挙動を示した。
【0017】比較例3 実施例1と比べて他は同じであるが、補強材の外層にな
にも処理をせず、芯材をむき出しのままのものを補強材
として試験した。付着強度を同様に測定した結果、35
kgf/cm2 であった。試験体の引張補強材比(Pt)は、
実施例1と同じ0.151%であるが、長さ10cmあた
りの付着強度に対する引張強度の比は、式(3)と同様
に計算して3.95となった。得られた荷重−たわみ曲
線を図4に示す。ここで初亀裂強度は548kgf で、初
亀裂後荷重は254kgf に低下し、以後、初亀裂強度を
越えることなく荷重はだらだらと伸び、最終的に剪断破
壊した。これは、初亀裂と同時に破壊した状況と大差な
く、危険な破壊挙動である。
にも処理をせず、芯材をむき出しのままのものを補強材
として試験した。付着強度を同様に測定した結果、35
kgf/cm2 であった。試験体の引張補強材比(Pt)は、
実施例1と同じ0.151%であるが、長さ10cmあた
りの付着強度に対する引張強度の比は、式(3)と同様
に計算して3.95となった。得られた荷重−たわみ曲
線を図4に示す。ここで初亀裂強度は548kgf で、初
亀裂後荷重は254kgf に低下し、以後、初亀裂強度を
越えることなく荷重はだらだらと伸び、最終的に剪断破
壊した。これは、初亀裂と同時に破壊した状況と大差な
く、危険な破壊挙動である。
【0018】比較例4 実施例1と比べて他は同じであるが、モルタルを変えて
試験した。モルタル配合は下記のとおりである。 普通ポルトランドセメント 52重量部 骨 材 48重量部 繊 維 3重量部 成形助剤 1重量部 水 35重量部 これら材料をアイリッヒミキサー、ニーダーを用いて混
練し、脱気および圧縮プロセスを伴う成形をして、6時
間の70℃蒸気養生の後、1週間水中養生をして試験体
とした。この材料の曲げ強度は、85kgf/cm2 であっ
た。又、付着強度は同様に測定した結果、55kgf/cm2
であった。試験体の引張補強材比(Pt)は、実施例1
と同じ0.151%で、長さ10cmあたりの付着強度に
対する引張強度の比は、式(3)と同様に計算して2.
51である。得られた荷重−たわみ曲線を図4に示す。
ここで初亀裂強度は248kgf で、初亀裂後荷重はだら
だらと伸び、最大荷重935kgf(158mm)の状態で最
終的に剪断破壊した。実施例1と比較すると、明確な降
伏挙動を示さず、たわみは大きく、最大荷重は75%程
度に低下し、補強材の強度を有効に利用していない。
試験した。モルタル配合は下記のとおりである。 普通ポルトランドセメント 52重量部 骨 材 48重量部 繊 維 3重量部 成形助剤 1重量部 水 35重量部 これら材料をアイリッヒミキサー、ニーダーを用いて混
練し、脱気および圧縮プロセスを伴う成形をして、6時
間の70℃蒸気養生の後、1週間水中養生をして試験体
とした。この材料の曲げ強度は、85kgf/cm2 であっ
た。又、付着強度は同様に測定した結果、55kgf/cm2
であった。試験体の引張補強材比(Pt)は、実施例1
と同じ0.151%で、長さ10cmあたりの付着強度に
対する引張強度の比は、式(3)と同様に計算して2.
51である。得られた荷重−たわみ曲線を図4に示す。
ここで初亀裂強度は248kgf で、初亀裂後荷重はだら
だらと伸び、最大荷重935kgf(158mm)の状態で最
終的に剪断破壊した。実施例1と比較すると、明確な降
伏挙動を示さず、たわみは大きく、最大荷重は75%程
度に低下し、補強材の強度を有効に利用していない。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、クラックを多数発生さ
せることで、明確な降伏挙動をもたせることができ、安
全性が格段に向上する。しかも、安全性を確保するため
に、従来行なわれてきた方法、つまり圧縮破壊させるよ
うに必要以上に引張補強材比を大きくして釣り合い補強
材比以上にする方法、補強材に強度、弾性率の異なった
繊維を混ぜて段階的に繊維を破断させるような方法、補
強材のかぶりを段階的に変えて順次破断させることで急
激な荷重低下を避ける方法、などの不経済な方法は取る
必要がない。
せることで、明確な降伏挙動をもたせることができ、安
全性が格段に向上する。しかも、安全性を確保するため
に、従来行なわれてきた方法、つまり圧縮破壊させるよ
うに必要以上に引張補強材比を大きくして釣り合い補強
材比以上にする方法、補強材に強度、弾性率の異なった
繊維を混ぜて段階的に繊維を破断させるような方法、補
強材のかぶりを段階的に変えて順次破断させることで急
激な荷重低下を避ける方法、などの不経済な方法は取る
必要がない。
【図1】降伏性能を説明する図である。
【図2】本発明で規定する引張補強材比の定義を示す図
である。
である。
【図3】実施例1から実施例4を示す図である。
【図4】比較例1から比較例4を示す図である。
W パネルの幅 D パネルの厚さ dt 引張補強材のかぶり厚さ Ts 引張側補強材の断面積 Ha 中空部断面積合計 Hs マトリックス部断面積合計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 裕章 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 審査官 板橋 一隆
Claims (1)
- 【請求項1】 セメント系マトリックス単独の曲げ強度
が100kgf/cm2 以上であり、補強に用いる連続状補強
材の引張強度が100kgf/mm2 以上で、補強材の長さ1
0cmあたりの付着強度に対する引張強度の比が3.0以
下で、かつ引張補強材比が全断面積の0.06%以上、
0.5%以下であることを特徴とするセメント系パネ
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18863993A JP2678167B2 (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | セメント系パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18863993A JP2678167B2 (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | セメント系パネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0717754A JPH0717754A (ja) | 1995-01-20 |
JP2678167B2 true JP2678167B2 (ja) | 1997-11-17 |
Family
ID=16227235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18863993A Expired - Fee Related JP2678167B2 (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | セメント系パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2678167B2 (ja) |
-
1993
- 1993-07-02 JP JP18863993A patent/JP2678167B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0717754A (ja) | 1995-01-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19970401 |
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S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
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S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
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R350 | Written notification of registration of transfer |
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