JP2676464B2 - 自動棒材供給機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動棒材供給機に関する
ものであり、より詳細には、複数の棒材を保持する材料
保持手段と、棒材の給送方向に延びる棒材の案内手段
と、前記材料保持手段から前記案内手段に棒材を補給す
る棒材補給装置と、前記案内部材に沿って移動し、前記
案内部材の棒材を前記棒材加工機に給送する棒材送り部
材とを有する自動棒材供給機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＮＣ旋盤などの棒材加工機に棒材を自動
的に供給するように構成された自動棒材供給機が広く実
用に供されている。かかる自動棒材供給機は一般に、複
数の棒材を載置する材料棚、加工すべき棒材の後端を棒
材加工機に向かって押圧する棒材送り部材、棒材送り部
材を駆動するための駆動機構、及びこれらの機構の作動
を制御するための制御装置などを備えている。

【０００３】この種の棒材供給機において、棒材及び棒
材送り部材を棒材加工機の加工中心軸線に沿って案内す
るための案内手段を備えたものが知られている。案内手
段は一般に、棒材と、棒材送り部材、例えば、送り矢又
は押し矢とを受入れる溝、チャンネル又は中空部を備え
たガイドパイプ又はガイドレールとして構成され、ガイ
ドパイプ又はガイドレールは、棒材加工機の加工軸線に
沿って、棒材供給機のフレーム上に固定されている（例
えば、特開平２−９５５０１号公報）。

【０００４】また、この形式の案内手段において、溝外
への棒材の飛び出しを防止すべく、開閉可能なシャッタ
ーをガイドレールの上部に備えたものが提案されている
（本出願人による特開平４−６５８１２号）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の棒材供給機は、棒材加工機が一本の棒材に対する加工
を完了すると、送り矢又は押し矢を後退させ、材料棚か
らガイドレール又はガイドパイプ内に棒材（新材）を投
入し、しかる後、新材を棒材加工機に給送するように構
成されており、かかる送り部材の後退動作及び新材の投
入動作の間、棒材加工機は、切削又は旋削作業を中断せ
ざるを得ない。

【０００６】しかも、ＮＣ旋盤のコレットチャックに残
される残材を棒材供給機に持帰って排出するように構成
された棒材供給機にあっては、棒材供給機における残材
の排出動作に伴う時間が、ＮＣ旋盤の作業中断時間を更
に延長させてしまう。本発明はかかる点に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、棒材送り部材
の後退動作及び新材の投入動作の間に生じる棒材加工機
の作業中断時間を短縮し、製品の生産効率を改善するこ
とができる自動棒材供給機を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
目的を達成するために、棒材加工機に供給すべき棒材
を、棒材送り部材によって、棒材加工機に向かって真っ
直ぐに延びる案内手段に沿って給送する自動棒材供給機
において、前記案内手段は、棒材の給送方向に対して側
方に互いに間隔を隔てて並設された第１案内部材と第２
案内部材とを有し、該第１案内部材及び第２案内部材の
それぞれに、前記棒材送り部材が設けられ、更に、前記
第１案内部材及び第２案内部材を交互に、前記給送方向
に対して側方に、棒材加工機への棒材の給送位置と、該
給送位置から外れた退避位置との間で移動させる駆動装
置と、該駆動装置の作動を制御する作動制御装置とが設
けられたことを特徴とする自動棒材供給機を提供する。

【０００８】本発明の上記構成においては、第１案内部
材及び第２案内部材を、駆動装置によって交互に、棒材
加工機に整列した棒材の給送位置と、該給送位置から外
れた退避位置との間で移動させる。従って、一方の案内
部材を用いて棒材を棒材加工機に給送する間に、他方の
案内部材において、棒材送り部材の後退動作及び新材の
投入動作を実行することができる。従って、上記構成の
棒材供給機によれば、棒材送り部材の後退動作及び新材
の投入動作の間に生じる棒材加工機の作業中断時間を短
縮できる。

【０００９】本発明の好ましい実施態様によれば、前記
第１案内部材に隣接して、該第１案内部材に供給すべき
複数の棒材を保持するための第１材料保持手段と、該第
１材料保持手段から前記第１案内部材に棒材を補給する
ための第１棒材補給装置とが設けられ、また、前記第２
案内部材に隣接して、該第２案内部材に供給すべき複数
の棒材を保持するための第２材料保持手段と、該第２材
料保持手段から前記第２案内部材に棒材を補給するため
の第２棒材補給装置とが設けられ、前記第１案内部材、
第１材料保持手段及び第１棒材補給装置は、第１棒材給
送ユニットを構成し、前記第２案内部材、第２材料保持
手段及び第２棒材補給装置は、第２棒材給送ユニットを
構成し、前記第１棒材給送ユニット及び前記第２棒材給
送ユニットが、前記駆動装置によって、前記給送方向に
対して側方に移動される。

【００１０】かかる構成によれば、棒材供給機は、案内
部材、材料保持手段及び棒材補給装置を含む棒材給送ユ
ニットを少なくとも２組備える。従って、新材の保有量
が増大し、材料棚等の材料保持手段に対する新材の補給
作業回数を大きく低減することが可能となる。本発明の
或る実施態様では、前記棒材送り部材の前端部に、棒材
の後端部を把持するとともに、棒材加工機の残材を棒材
供給機に持帰るフィンガーチャックが設けられる。かか
る棒材供給機では、棒材送り部材の後退動作及び新材の
投入動作に伴う棒材加工機の作業中断時間のみのなら
ず、残材の排出動作に伴う棒材加工機の作業中断時間を
更に短縮できる。

【００１１】好ましくは、前記作動制御装置は、前記案
内手段の前端部に配置された残材検知センサ及び材料検
知センサを備え、前記残材検知センサは、前記棒材送り
部材による残材の持帰りの有無を検出し、前記材料検知
センサは、前記案内手段の前端からの棒材又は残材の突
出を検出する。棒材送り部材がＮＣ旋盤のコレットチャ
ック等に残材を残したまま後退した場合、引き続く新材
の給送を行うと支障が生じ得るが、上記構成の棒材供給
機によれば、残材の持帰り不良を残材検知センサによっ
て検出できる。また、案内部材の前端から残材又は棒材
が突出した状態で案内部材の側方移動を実行すると、該
突出部分が円滑な側方移動を妨げ得るが、上記構成の棒
材供給機によれば、かかる異常状態を材料検知センサに
よって検出できるので、これを未然に防止できる。

【００１２】

【実施例】本発明の実施例を説明する前に、従来の自動
棒材供給機の概略構成及び作動態様について簡単に説明
する。図６乃至図８は、従来の自動棒材供給機の作動を
示す概略平面図である。図６に示す如く、自動棒材供給
機１００（以下、棒材供給機１００という）は、棒材Ｗ
の給送方向に延びる主フレーム１０１と、主フレーム１
０１上に一体的に固定されたガイドパイプＧとを備えて
いる。ガイドパイプＧは、ＮＣ旋盤の主軸９０の加工中
心軸線Ｘ─Ｘに整列している。棒材供給機１００は更
に、複数の棒材（新材）Ｗが載置される材料棚１０２
と、ガイドパイプＧによって給送方向に案内される送り
矢Ｆと、送り矢Ｆを前進又は後退させる送り矢駆動装置
（図示せず）とを備えている。

【００１３】図６において、送り矢Ｆは、実質的に最前
端位置まで前進している。送り矢Ｆの前端部に設けられ
たフィンガーチャックｆが、主軸９０のスピンドル９２
内に挿入されており、廃棄すべき残材ＲＷが主軸９０の
コレットチャック９１に把持されている。コレットチャ
ック９１は開放され、送り矢Ｆは、図７に示す如く、フ
ィンガーチャックｆにて残材ＲＷを担持したまま、後退
される。

【００１４】次いで、残材排出機構（図示せず）によっ
て、フィンガーチャックｆから残材ＲＷが取外され、残
材ＲＷは、廃棄される。しかる後、図８に示す如く、送
り矢Ｆが更に後退され、材料棚１０２の棒材（新材）Ｗ
が、送り矢Ｆの前方のガイドパイプＧ内に投入される。
引き続き、送り矢Ｆは前進され、フィンガーチャックｆ
は、ガイドパイプＧ内の棒材（新材）Ｗの後端部を把持
し、かくして、棒材供給機１００は、棒材Ｗの給送を開
始し得る状態となる。

【００１５】しかしながら、このような従来の棒材供給
機１００では、送り矢Ｆが後退を開始した後、新材Ｗの
給送を開始するまで、ＮＣ旋盤は、製品の加工を比較的
長期間中断し、待機しなければならない。以下、添付図
面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。
図１は本発明の実施例に係る自動棒材供給機を示す縦断
面図であり、図２は、図１に示す自動棒材供給機の概略
全体平面図である。

【００１６】図１に示す如く、自動棒材供給機１（以
下、棒材供給機１という）は、上下方向に伸縮可能な前
後のスタンド２（一方のスタンドのみ図示されている）
と、各スタンド２に支持され、棒材Ｗの給送方向と直交
する方向に延びる前後の横架フレーム３（前側のフレー
ム３のみ図示されている）と、フレーム３の上面に固定
され、フレーム３と平行に延びる案内レール４とを備え
ている。案内レール４上には、対をなす棒材給送ユニッ
ト１０、１０の各スライドブロック１１が夫々、案内レ
ール４に沿って摺動可能に支持されている。

【００１７】棒材給送ユニット１０、１０は、スライド
ブロック１１、１１を介して案内レール４に支持されて
いる。各棒材給送ユニット１０は、棒材Ｗの給送方向に
延びる水平な主フレーム１２と、主フレーム１２の上面
に固定された基部１３と、基部１３を介して主フレーム
１２の上面に支持されたガイドパイプＧと、ガイドパイ
プＧの側方に配置された材料棚１５とを備えている。ガ
イドパイプＧは案内手段を構成し、材料棚１５は、材料
保持手段を構成する。また、上記案内レール４は、案内
手段を支持する支持手段を構成する。

【００１８】材料棚１５の棒材案内路１６は、ガイドパ
イプＧに向かって下方に傾斜しており、棒材案内路１６
には、複数の棒材Ｗが載置される。ガイドパイプＧの側
に位置する棒材案内路１６の下端部は、棒材補給装置を
構成する材料割出板１７の保持溝１８と対向しており、
ガイドパイプＧに補給すべき棒材（新材）Ｗが、保持溝
１８に収容されている。材料割出板１７は、棒材（新
材）Ｗの補給時に、所定の角度、矢印で示す方向に回転
されるように構成されており、材料棚１５の円弧状案内
面１９と協働して棒材ＷをガイドパイプＧ上まで移動さ
せ、棒材ＷをガイドパイプＧ内に投入する。

【００１９】一対の棒材給送ユニット１０は、左右対称
の構造を備えており、主フレーム１２、１２同志は、連
結部材２０によって一体的に連結されている。図１にお
いて左側に示す棒材給送ユニット１０（以下、第１棒材
給送ユニット１０Ｌという）の左側部には、動力伝達部
材２１の上端部が連結されている。動力伝達部材２１の
下端部は、駆動装置を構成する流体圧作動型シリンダ装
置３０のピストンロッド３１に固定され、ピストンロッ
ド３１の先端部から上方に延びている。シリンダ装置３
０は、横架フレーム３に支持され、横架フレーム３と平
行に配向されている。シリンダ装置３０の給排ポート３
２、３３は、流体制御回路（図示せず）を介して作動流
体源、例えば作動エアー源（図示せず）に接続されてい
る。

【００２０】図１において右側に示す棒材給送ユニット
１０（以下、第２棒材給送ユニット１０Ｒという）の右
側部は、ストッパ２２に当接している。ストッパ２２
は、本例では、主フレーム１２の側面に当接するヘッド
部を備えたボルトからなり、垂直な支持部材２３に対し
て、突出量を調節可能に取付けられている。支持部材２
３は、下端部分が横架フレーム３の一端に固定されてい
る。横架フレーム３の他端にも又、同様な支持部材２３
が固定され、該支持部材２３の上端部分には、同様なス
トッパ２２が、突出量を調節可能に取付けられている。

【００２１】図１では、右側の第２棒材給送ユニット１
０Ｒは、棒材供給機１の右方に移動され、右側のストッ
パ２２によって更なる右方の移動を規制されている。他
方、左側の第１棒材給送ユニット１０Ｌは、棒材供給機
１の中心部に位置し、第１棒材給送ユニット１０Ｌのガ
イドパイプＧは、ＮＣ旋盤の主軸９０（図２）と整列し
ている。シリンダ装置３０がピストンロッド３１を伸長
すると、第１棒材給送ユニット１０Ｌは、案内レール４
に沿って、図１にて左方に移動され、仮想線で示す如
く、左側のストッパ２２のヘッド部と当接し、更なる左
方の移動を阻止される。このとき、第２棒材給送ユニッ
ト１０Ｒは、棒材供給機１の中心部に位置し、第１棒材
給送ユニット１０ＬのガイドパイプＧは、ＮＣ旋盤の主
軸９０（図２）と整列する。

【００２２】ガイドパイプＧ内には、ガイドパイプＧ内
の棒材ＷをＮＣ旋盤の主軸９０に向かって押圧する棒材
送り部材、即ち、送り矢Ｆが、ガイドパイプＧの軸線方
向に移動可能に配置される。送り矢Ｆの前端部には、Ｎ
Ｃ旋盤に供給すべき棒材Ｗの後端部を把持するフィンガ
ーチャックが設けられ、また、送り矢１４の後端部に
は、所謂羽根（図示せず）が設けられ、羽根は、送り矢
駆動装置（図示せず）の動力伝導部材、例えば、回転駆
動される無端チェーン（図示せず）に連結される。

【００２３】図２には、上記棒材供給機１がＮＣ旋盤と
整列して配置された状態が示されている。ＮＣ旋盤は、
図を簡略化するために、主軸９０を構成するコレットチ
ャック９１及びスピンドル９２のみが図示されている。
図１と同様に、第１棒材給送ユニット１０Ｌが主軸９０
の加工中心軸線Ｘ─Ｘに整列した位置に位置決めされ、
他方、第２棒材給送ユニット１０Ｒは、加工中心軸線Ｘ
─Ｘの側方に退避している。

【００２４】図２に示す如く、ガイドパイプＧは、前端
部分のみが環状又は円筒状の所謂管を構成しているが、
前端部分を除き、上半部が除去され、上方に開口してい
る。従って、ガイドパイプＧは、上記材料割出板１７に
よって材料棚１５から投入される棒材（新材）Ｗを円滑
に受入れることができる。図２において、第１棒材給送
ユニット１０Ｌの送り矢Ｆは、実質的に最前進位置まで
前進しており、送り矢Ｆのフィンガーチャックｆは、主
軸９０内に位置している。フィンガーチャックｆに把持
された棒材Ｗは、ＮＣ旋盤のバイト（図示せず）によっ
て最終加工が施され、既に、廃棄すべき残材ＲＷとして
コレットチャック９１に把持されている。他方、第２棒
材給送ユニット１０ＲのガイドパイプＧには、棒材（新
材）Ｗが収容され、棒材Ｗの後端部は、送り矢Ｆのフィ
ンガーチャックｆにて把持されている。

【００２５】棒材供給機１は更に、第１及び第２棒材給
送ユニット１０Ｌ、１０Ｒの作動を制御するために、ガ
イドパイプＧの前端部に配置された残材検知センサ４０
及び材料検知センサ５０と、ガイドパイプＧの中間部に
配置された一時停止検知センサ６０（図２にのみ示す）
とを備えている。残材検知センサ４０は、送り矢Ｆが残
材ＲＷを持帰ったか否かを検出するためものであり、図
１に示すように、ガイドパイプＧの管状前端部分の管壁
に取付けられた駆動部４１と、ガイドパイプＧの管壁を
貫通し、駆動部４１からガイドパイプＧ内に突出する水
平変位可能なロッド部４２とを有する。残材検知センサ
４０は、ロッド部４２をガイドパイプＧ内に向かって付
勢し、ロッド部４２がガイドパイプＧ内の残材ＲＷに当
接せず、従って、ロッド部４２が全ストローク伸長して
しまった場合、送り矢Ｗによる残材ＲＷの持帰り不良を
検出する。

【００２６】また、材料検知センサ５０は、ガイドパイ
プＧの前端面から突出する棒材Ｗ又は残材ＲＷの有無を
検出するためのものであり、ガイドパイプＧの前端面に
隣接してガイドパイプＧの上方に配置された駆動部５１
と、駆動部５１から垂下する上下変位可能なロッド部５
２と、ロッド部５２の下端に取付けられたゲート部５３
とを有する。材料検知センサ５０は、ロッド部５２を下
方に付勢し、図１の第１棒材給送ユニット１０Ｌにおい
て示す如く、ゲート部５３がガイドパイプＧの前端面を
塞ぐ位置まで降下した場合、ガイドパイプＧ内への棒材
Ｗ又は残材ＲＷの完全な引込みを検出する。他方、ゲー
ト部５３が棒材Ｗ又は残材ＲＷに当接し、降下を阻止さ
れた場合、材料検知センサ５０は、ガイドパイプＧの前
端面からの棒材Ｗ又は残材ＲＷの突出を検出する。

【００２７】更に、一時停止検知センサ６０は、残材Ｒ
Ｗをフィンガーチャックｆにて把持した送り矢Ｆがガイ
ドパイプＧ内に引込んだ状態を検出するためのものであ
り、所定の位置で送り矢Ｆの後端部の後退を検出する。
一時停止検知センサ６０は、例えば、接触型又は非接触
型のリミットスイッチからなり、一時停止検知センサ６
０の位置は、フィンガーチャックｆに把持された残材Ｒ
ＷがガイドパイプＧの管状前端部分に完全に引込んだ時
点の送り矢Ｆの位置を検出するように設定される。

【００２８】これらセンサの検出結果は、棒材供給機１
のコントロールユニット（図示せず）に入力され、コン
トロールユニットは、一時停止検知センサ６０が送り矢
Ｆの後退を検出したとき、送り矢Ｆを停止させ、次い
で、残材検知センサ４０及び材料検知センサ５０を作動
させ、異常状態、即ち、残材ＲＷの持帰り不良及びガイ
ドパイプＧの前端面からの残材ＲＷの突出を検出する。

【００２９】図３乃至図５は、図２に示す状態以降の棒
材供給機１の動作を示す概略全体平面図である。図２に
示す如く実質的に最前端位置まで前進した第１棒材給送
ユニット１０Ｌの送り矢Ｆは、コレットチャック９１の
開放後、送り矢駆動装置（図示せず）によって後退さ
れ、一時停止検知センサ６０が送り矢Ｆの後退を検出す
ることにより、図３に示すように、所定の位置で停止さ
れる。コントロールユニットは、残材検知センサ４０及
び材料検知センサ５０により、正常な送り矢Ｆ及び残材
ＲＷの後退と、ガイドパイプＧ内への両者の完全な引込
みとを検出すると、シリンダ装置３０の流体制御回路を
作動させ、シリンダ装置３０のピストンロッド３１を伸
長させる。ピストンロッド３１は、動力伝達部材２１を
介して、第１棒材給送ユニット１０Ｌを、図１で見て左
方に移動させるとともに、第１棒材給送ユニット１０Ｌ
及び連結部材２０を介して、第２棒材給送ユニット１０
Ｒを、図１で見て左方に移動させる。第１棒材給送ユニ
ット１０Ｌが、左側のストッパ２２に衝合して静止した
とき、第２棒材給送ユニット１０Ｒは、棒材供給機１の
中心部に位置決めされ、図４に示す如く、加工中心軸線
Ｘ─Ｘに整列する。

【００３０】第２棒材給送ユニット１０Ｒは、ＮＣ旋盤
の作動に相応して、送り矢Ｆを前進させ、棒材Ｗを順
次、主軸９０に供給する。ＮＣ旋盤は、棒材Ｗの前端部
分を切削又は旋削し、所望の製品を突切る。棒材Ｗは、
図５に示す如く、送り矢Ｆによる棒材Ｗの加工送りにつ
れて、短縮する。かかる第２棒材給送ユニット１０Ｒの
作動中に、第１棒材給送ユニット１０Ｌは、残材ＲＷと
ともに、送り矢Ｆを更に後退させ（図４）、残材排出機
構によって残材ＲＷを排出し、次いで、上記材料割出板
１７（図１）の回転により、棒材（新材）Ｗをガイドパ
イプＧ内に投入する（図５）。第１棒材給送ユニット１
０Ｌは更に、送り矢Ｆを前進させ、フィンガーチャック
ｆによってガイドパイプＧ内の棒材（新材）Ｗの後端部
を把持し、棒材Ｗの給送を即座に行い得る状態にて、待
機する。

【００３１】第２棒材給送ユニット１０Ｒの送り矢Ｆが
最前端位置まで前進し、棒材Ｗが残材ＲＷとしてコレッ
トチャック９１に残されたとき、第２棒材給送ユニット
１０Ｒは、上述の第１棒材給送ユニット１０Ｌの動作と
同様に、一時停止検知センサが送り矢Ｆの後退を検出す
るまで、送り矢Ｆを後退させる。コントロールユニット
は、残材検知センサ４０及び材料検知センサ５０によ
り、ガイドパイプＧ内への送り矢Ｆ及び残材ＲＷの完全
な引込みを検出すると、シリンダ装置３０のピストンロ
ッド３１が引込むように、流体制御回路を制御し、動力
伝達部材２１及び連結部材２０を介して、第１及び第２
棒材給送ユニット１０Ｌ、１０Ｒを、図１で見て右方に
移動させ、第１棒材給送ユニット１０Ｌを加工中心軸線
Ｘ─Ｘに整列させる。かくして、第２棒材給送ユニット
１０ＲがＮＣ旋盤の主軸９０と再び整列され、第２棒材
給送ユニット１０Ｒによる棒材Ｗの加工送りがなされ
る。

【００３２】このように、上記実施例では、第１棒材給
送ユニット１０Ｌと第２棒材給送ユニット１０Ｒとは、
交互に加工中心軸線Ｘ─Ｘ上に移動され、交互にＮＣ旋
盤の主軸９０と整列する。一方の棒材給送ユニット１０
が主軸９０に対して棒材Ｗを給送している間に、他方の
棒材給送ユニット１０は、残材ＲＷの排出動作及びガイ
ドパイプＧ内への棒材（新材）Ｗの投入動作を実行し、
前者の棒材給送ユニット１０が棒材Ｗの給送を完了した
時点で、後者の棒材給送ユニット１０は、棒材Ｗの加工
送りを即座に実行可能な状態で待機している。

【００３３】従って、ＮＣ旋盤は、残材排出動作及び新
材投入動作の間、切削又は旋削作業を中断することな
く、棒材Ｗの加工、即ち、製品の切削又は旋削を実行す
ることができるので、全体的な製造時間を短縮し、製品
の生産効率を大幅に改善することができる。また、上記
棒材供給機１における各棒材給送ユニット１０は夫々、
材料棚１５を備えており、棒材Ｗの保有量が倍増してい
る。従って、上記棒材供給機１によれば、材料棚１５へ
の棒材Ｗの補給作業の回数を半減することができる。

【００３４】なお、上記実施例では、案内手段としてガ
イドパイプを使用しているが、ガイドレールを用いても
良い。また、開閉可能なシャッターをガイドレールに設
けても良い。更に、上記棒材供給機１は、２組の棒材給
送ユニットのみを備えているが、更に多数の棒材給送ユ
ニット、例えば、３乃至４組の棒材給送ユニットを棒材
供給機に設けることも可能である。

【００３５】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明の自動棒材供
給機によれば、一方の案内部材を用いて棒材を棒材加工
機に給送する間に、他方の案内部材において、棒材送り
部材の後退動作及び新材の投入動作を実行することがで
きるので、棒材送り部材の後退動作及び新材の投入動作
の間に生じる棒材加工機の作業中断時間を短縮し、製品
の生産効率を改善することが可能となる。

【００３６】また、少なくとも２組の棒材給送ユニット
を備えた本発明の構成によれば、新材の保有量が増大す
るので、材料棚等に対する新材の補給作業回数を大きく
低減することが可能となる。更に、フィンガーチャック
が棒材送り部材に設けられた本発明の構成によれば、上
記後退動作及び投入動作に伴う棒材加工機の作業中断時
間のみのならず、残材の排出動作に伴う棒材加工機の作
業中断時間を更に短縮できる。

【００３７】また、残材検知センサ及び材料検知センサ
を備えた本発明の構成によれば、残材の持帰り不良や、
残材又は棒材の突出を検出し、円滑な案内部材の側方移
動を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る自動棒材供給機を示す縦
断面図である。

【図２】図１に示す自動棒材供給機の概略全体平面図で
ある。

【図３】図２に示す状態以降の自動棒材供給機の動作を
示す概略全体平面図である。

【図４】図３に示す状態以降の自動棒材供給機の動作を
示す概略全体平面図である。

【図５】図４に示す状態以降の自動棒材供給機の動作を
示す概略全体平面図である。

【図６】従来の自動棒材供給機の動作を示す概略全体平
面図である。

【図７】従来の自動棒材供給機の動作を示す概略全体平
面図である。

【図８】従来の自動棒材供給機の動作を示す概略全体平
面図である。

【符号の説明】

１ 自動棒材供給機 ４ 案内レール １０ 棒材給送ユニット １０Ｌ 第１棒材給送ユニット １０Ｒ 第２棒材給送ユニット １２ 主フレーム １５ 材料棚 １７ 材料割出板 ２０ 連結部材 ２１ 動力伝達部材 ２２ ストッパ ３０ 流体圧作動型シリンダ装置 ３１ ピストンロッド ４０ 残材検知センサ ５０ 材料検知センサ ６０ 一時停止検知センサ Ｗ 棒材 Ｇ ガイドパイプ Ｆ 送り矢 ｆ フィンガーチャック

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−91079（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−38802（ＪＰ，Ａ) 実公 平３−40487（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 棒材加工機に供給すべき棒材を、棒材送
   り部材によって、棒材加工機に向かって真っ直ぐに延び
   る案内手段に沿って給送する自動棒材供給機において、 前記案内手段は、棒材の給送方向に対して側方に互いに
   間隔を隔てて並設された第１案内部材と第２案内部材と
   を有し、該第１案内部材及び第２案内部材のそれぞれ
   に、前記棒材送り部材が設けられ、 更に、前記第１案内部材及び第２案内部材を交互に、前
   記給送方向に対して側方に、棒材加工機への棒材の給送
   位置と、該給送位置から外れた退避位置との間で移動さ
   せる駆動装置と、該駆動装置の作動を制御する作動制御
   装置とが設けられたことを特徴とする自動棒材供給機。
2. 【請求項２】 前記第１案内部材に隣接して、該第１案
   内部材に供給すべき複数の棒材を保持するための第１材
   料保持手段と、該第１材料保持手段から前記第１案内部
   材に棒材を補給するための第１棒材補給装置とが設けら
   れ、 また、前記第２案内部材に隣接して、該第２案内部材に
   供給すべき複数の棒材を保持するための第２材料保持手
   段と、該第２材料保持手段から前記第２案内部材に棒材
   を補給するための第２棒材補給装置とが設けられ、 前記第１案内部材、第１材料保持手段及び第１棒材補給
   装置は、第１棒材給送ユニットを構成し、前記第２案内
   部材、第２材料保持手段及び第２棒材補給装置は、第２
   棒材給送ユニットを構成し、前記第１棒材給送ユニット
   及び前記第２棒材給送ユニットが、前記駆動装置によっ
   て、前記給送方向に対して側方に移動される、ことを特
   徴とする請求項１に記載の自動棒材供給機。
3. 【請求項３】 前記棒材送り部材の前端部に、棒材の後
   端部を把持するとともに、棒材加工機の残材を棒材供給
   機に持帰るフィンガーチャックが設けられていることを
   特徴とする請求項１又は２に記載の自動棒材供給機。
4. 【請求項４】 前記作動制御装置は、前記案内手段の前
   端部に配置された残材検知センサ及び材料検知センサを
   備え、前記残材検知センサは、前記棒材送り部材による
   残材の持帰りの有無を検出し、前記材料検知センサは、
   前記案内手段の前端からの棒材又は残材の突出を検出す
   ることを特徴とする請求項３に記載の自動棒材供給機。