JP2675030B2 - 超電導回転子 - Google Patents

超電導回転子

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JP2675030B2 JP62318865A JP31886587A JP2675030B2 JP 2675030 B2 JP2675030 B2 JP 2675030B2 JP 62318865 A JP62318865 A JP 62318865A JP 31886587 A JP31886587 A JP 31886587A JP 2675030 B2 JP2675030 B2 JP 2675030B2
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  • Superconductive Dynamoelectric Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超電導巻線を用いた回転子に係り、特に自然
循環冷却に好適な回転子構造に関する。 〔従来の技術〕 従来、超電導回転子には冷媒を分配するための工夫が
各種なされている。例えば、特公昭56−46706号公報に
記載のように軸方向溝と貫通孔とによつて冷媒を分配
し、気化ガスを捕集する。 又、特公昭60−12858号公報の記載のように、冷媒の
自然循環を促進するために、冷媒流路を遠心力方向に対
して傾斜させる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、前者は、冷媒が強制的に循環させられ
る方式に適用できるもので、回転直径が大きいもので
は、遠心力による断熱圧縮効果が冷媒温度を上昇させて
しまう。したがつて、近年では回転軸上の圧力を下げて
温度上昇の低減がはかれる自然循環方式が用いられるよ
うになつてきた。この場合、上記方式は適用できない。 又、後者の方式は自然循環に適用することを考えてな
されたものであるが、冷媒流路を超電導巻線と一体に形
成しようというものであるため、超電導巻線を支持筒の
溝(スロツト)に入れた大形回転機には適用できない。
特に冷媒の周方向流れの向きに関しては実際的でない。 本発明の目的は、スロツト入り超電導巻線の冷却に適
した冷媒流路を構成し、自然循環作用を確保することに
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、スロツトの外側に軸方向もしくは周方向
に沿つた冷媒流路を形成するスペーサを設けることによ
つて達成される。 また、スロツトの外側のスペーサの外周側に形成した
冷媒流路の内壁と回転軸間の距離を、冷媒を巻線外周部
に導入する開孔の部分より反回転方向に徐々に短くした
ことによつて達成される。 更に上記スペーサに加えこの開孔の取付位置を巻線の
断面対称位置から回軸方向よりにずらせることによつて
効果を高められる。 また、上記スペーサを設け、回転子中に導入された冷
媒供給管の先端を上記開孔に一部挿入することによつて
も効果が高められる。 或いは上記開孔を断熱材で被覆してもよい。 又、上記スペーサを設け、さらに巻線支持筒の軸端部
には独立した周方向冷媒流路を形成して達成される。 〔作用〕 巻線支持筒の内径側に形成される円筒体には、冷媒が
蓄えられているが、この冷媒は、巻線支持筒に設けた複
数個の開孔を経て、巻線を収納するスロツト部の外側に
設けられたスペーサの外周部に導かれ、スペーサに設け
た冷媒流路により各スロツト部に分配され、自然循環が
定められた経路に生ずる。 開孔から外周部に導かれた冷媒は、反回転方向に流入
し、さらに、スペーサの外周側に設け冷媒流路が遠心力
場に対して傾斜しているため、流れの方向が規定され
る。 開孔の位置を非対称とすることで、冷媒の分配路がス
ロツトの設けていない部分に形成され、冷媒の分配が均
等化される。 また、上記開孔中に、外部から導入される冷媒供給管
の先端を挿入することにより、特に初期冷却時の冷媒循
環を促進する。開孔を断熱すれば、冷媒が冷たいまま巻
線の外周に導入できるので、同様に冷媒循環を促進す
る。 巻線支持筒の軸端部には、トルクチユーブが連結さ
れ、このトルクチユーブからかなり大きな熱の流入が伴
う。軸端部に取り付けられた独立した周方向冷媒流路
は、巻線冷却に干渉せず、独立した自然循環路を形成す
る。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を第5図に示した超電導回転子
の全体図により説明する。51は超電導巻線で、巻線支持
筒52の外周部に彫られたスロツト内に収納されている。
53はスペーサで、巻線51の外側を覆い、冷媒の分配路が
形成されている。巻線支持筒52の内側に円筒室54が設け
られ、冷媒55が貯蔵されている。冷媒55としては、超電
導巻線の材料によつて液体ヘリウム,液体水素,液体ネ
オン,液体窒素,液化フロンなどが適宜選択される。巻
線51の材料としては、ニオビウム−チタニウム系合金
や、ニオビウム−錫系の化合物や、イツトリウム−バリ
ウム−銅の酸化物に代表されるペロブスカイト型セラミ
ツクスなどを主体とした線材が使用できる。円筒室54に
は、静止した外部冷却系56で製造された冷媒が静止系と
回転系を連結する冷媒給排機57を経て、冷媒供給管58よ
り導入される。巻線支持筒52は軸端部でトルクチユーブ
59に連結され、室温下の軸受60により支持される。駆動
側の軸61は図示していないが発電機の場合、タービンに
連結される。最も温度の低い巻線部分の外を囲むように
輻射シールド62とダンパーシールド63が取り付けられ、
内部空間64は真空に保たれている。65は電流リードで、
スリツプリング66を経て図示していない外部電源につな
がるいつぽう、電流リード65冷却ガスは外部冷却系へと
戻される。67は放圧配管で、通常その先端は密閉されて
いる。68はガス排出管で、トルクチユーブ59及び輻射シ
ールド62を冷却して、冷媒給排紙57を経由して外部冷却
系56に戻る。 以下、この回転子の冷却作用について述べる。回転子
が回転すると大きな遠心力が生じ、流体は半径方向に圧
縮又は膨張作用を受ける。ガス排出管68では冷媒が冷た
い状態で半径方向に圧縮され、トルクチユーブ59を冷却
して暖められ、再び半径方向流路に入り膨張して軸心か
ら外部へ出される。両半径方向流路の流体温度が著しく
異なり、従つて大きな密度差が生じ、これは圧力差を発
生する。一種のポンプ効果により、外部冷却系56へ戻る
ガスの圧力を大気圧近傍とすると円筒室54内は大気圧よ
り低くなる。その結果、冷媒55の温度は供給管58の供給
冷媒の温度よりも低くなる。 一方、冷媒55は半径方向に圧縮され、径方向温度分布
を有するが、軸心部の温度が低いため、外側の温度上昇
もあまり問題にならない。 巻線51は強度保持の為、図示していないが巻線支持筒
52に彫られたスロツトの中に収納され、冷媒55は巻線支
持筒52に設けた開口69やスロツト底部に開けられた小孔
70を通して自然循環される。 巻線51の電気抵抗は零であるから、通常、巻線51から
の発熱は無く、冷却すべきは、低温の部分に室温部から
流入する熱である。この流入熱は、トルクチユーブ59か
らの伝導熱、電流リード65からの伝導熱,輻剤シールド
62からの輻射熱が主である。このうち、電流リード65か
らの熱は円筒室54中の冷媒55で除去するので問題ない。
トルクチユーブ59からの伝導熱及び輻射シールド62から
の輻射熱は巻線支持筒52の外側で処理する必要がある。 巻線51では発熱しないのであるから、円筒室54の冷媒
55を先ず巻線51に導き、その後、巻線51の外側で輻射熱
を吸収して、開孔69から再び円筒室54に戻せばいいとも
考えられる。しかし、巻線51には、三相突発短絡などの
異常事態には、巻線電流が変動し、それに伴い発熱する
ことを想定しておかなければならず、この発熱は輻射熱
以上となることもありうる。巻線51はスロツト中にあ
り、しかもより軸心に近いので、強い遠心力場では、発
熱に伴い温度の上つた冷媒は直ちに軸心に向つて流れよ
うとする。そのためには、通常時から、巻線51中では軸
心に向う方向への流れを形成しておく方が、異常時の熱
除去に好都合である。したがつて、輻射熱で温められた
冷媒は、巻線51中に流入させるべく、スペーサ53に流路
を形成するとよい。これにより、本実施例のような、開
孔69からスペーサ53部分を経てスロツトに入り、小孔70
を通つて円筒室54に入る自然循環路を形成できる。そし
て、この自然循環は、巻線51での発熱の有無にかかわら
ず、常に誘起されるもので、外部冷却系56から供給する
冷媒流量よりもはるかに大きい循環流量が期待できる。 いつぽう、トルクチユーブ59からの伝導熱は軸端部に
設けた独立した円筒方向流路で熱除去を行い、巻線51部
分とは干渉しないようになつている。 以下、この冷媒分配の具体例について第1図から第4
図及び第6図に示す実施例によつて説明する。 第1図は、第5図に示す断面CC′を表す。1は巻線支
持筒(第6図の52)、2は巻線支持筒1に彫られた複数
列のスロツトで、このスロツトの中に、超電導線からな
る巻線3(第5図の51)が収納されている。巻線3は、
巻線支持筒1の外周側に鞍形に巻かれ、BB′面に対し対
称に配置されている。巻線支持筒1の内側は円筒室4
(第5図の54)で、液体状の冷媒5(第5図の55)が貯
えられている。中心の管6は駆動側からのガス戻り管7
を貫通させるためのものである。8は冷媒5を円筒室4
へ外部から供給するための配管(第5図の58)で、9が
巻線支持筒1に設けられ、円筒室4と、巻線支持筒2の
外周とを連通する開孔(第5図の69)である。10は冷媒
流路11を有するスペーサ(第5図の53)である。12は冷
媒5を密閉する外壁で、巻線支持筒1とともに一体にな
つて13の方向に回転する。スペーサ10は円周上の冷媒流
路11を支切り14で2分割している。15は開孔9の内壁に
内張りした断熱材で、繊維強化プラスチツクなどの低熱
伝導体を用いる。 次に、この実施例における冷媒の流動状況について述
べる。まず、配管8より供給された冷媒5は配管8の半
径方向分岐部に設けた側孔16より円筒室4内に入る。17
は冷媒5の液面位置を示す。次に、第5図の実施例の作
用で述べたように、冷媒5は開孔9へ自然に導入され
る。開孔9から外周部の冷媒流路11に流出すると、冷媒
5は回転方向13と逆方向18に流れようとする。このこと
はモデル実験により確認された。そのため、開孔9の流
出口の一部19を斜めに設けることは、流動抵抗を減らす
のに効果がある。 冷媒流路11の内壁と回転軸との距離は反回転方向に開
孔9から遠ざかるほど短くなるように形成されている。
重力場で例えば、冷媒流路が水平に対し傾斜しているこ
とに相当する。外壁12の全表面にわたり、ほぼ均等に入
つてくる侵入熱20により、冷媒が温められ、その結果、
密度の低下した流体には回転軸心へ向う体積力が加わ
る。したがつて、第1図の矢印21の方向へ冷媒が流れる
ことになる。もし、スペーサ10が無く、巻線支持筒1が
同一半径であつたとすれば、侵入熱20によつて駆動され
る冷媒流の向きは特定できない。 冷媒流路11中の冷媒は、スペーサ10に開けた孔22、及
びスペーサ10の内周側に設けられ、スロツト溝に沿つて
長く連続した流路23より、スロツト中の流路に入る。ス
ロツト2内は、巻線3を側面スペーサ24、上面スペーサ
25、下面スペーサ26が囲むようにして、ウエツジ27で固
定してある。冷媒はウエツジ27に設けられた小孔を通
り、スペーサ類25,24,26に設けられた流路を経て、スロ
ツト3の底に設けられた小孔28より円筒室4へ還流す
る。円筒室4内の軸方向に設けられた仕切り板29は、冷
媒5の供給側と戻り側を分離し、自然循環を効果的に進
めるのに役立つ。液面17は仕切り板29の高さよりも内側
に設定し、仕切り板29を越えて循環を行うことができ
る。なお、侵入熱20は、冷媒5の顕熱として輸送され、
液面17で蒸発の潜熱により放出される。巻線3中で発熱
があるときは、己に定常的流れが確立しているため、迅
速な熱伝達が可能であるとともに、自然循環をいつそう
促進する結果、巻線の冷却特性を向上することができ
る。 第2図は、第1図の外壁12を除いて、スペーサ10の部
分を平面に展開して、冷媒流路を示したもので、軸方向
に対しては軸端部aと、コイルエンド部bとコイル直線
部dの一部を示してある。スペーサ10は各部分ごとく複
数個に分割されていてもよく、また、外層と内層という
ように張り合わされていてもよい。コイル直線部dは、
巻線3すなわちスロツト2が回転軸と平行な部分であ
る。開孔9は、コイルの対称面AAよりも回転方向13より
に偏在し、巻線の無い部分30で複数の冷媒流路31に分配
される。巻線部では円周方向の流路21が形成され、下面
の軸方向流路23とは孔22により連通している。軸方向流
路23は巻線3と相対していて、スロツト2中のウエツジ
27に設けられた小孔に連通している。 コイルエンド部bでは、巻線3が一部、周方向をとる
ため、スペーサ10中の冷媒流路も上面及び下面とも周方
向流路34とする。冷媒の導入は、巻線のない部分に設け
た開孔35より分配され、流れの混合が起こらないよう、
仕切り36を設けている。コイルエンド部のスペーサ10と
しては、巻線を保持するリテーニングリングと兼用して
もよい。 軸端部aは巻線部とは仕切り37で隔離し、冷媒導入の
ための開孔38と周方向流路39と冷媒排出のための開孔40
と仕切り41とで冷媒流路を構成する。この部分は、スペ
ーサ10を挿入せず、巻線支持筒1に直接加工して形成し
てもよい。 第3図及び第4図は、スロツト2内の冷媒流路を分解
して説明したものである。ウエツジ27には孔42が開けて
ある。43はウエツジ27挿入時の敷金である。敷金43には
孔42に合わされる長円の孔44が開けてある。上面スペー
サ25は繊維強化樹脂等からなり、全方向流路45が貫通孔
46とともに形成されている。側面スペーサ24はくさび状
に挿入され、半径方向流路47が形成されている。層間ス
ペーサ48も同様である。下面スペーサ26にも上面スペー
サ25と同様な流路が形成されている。49はスロツト2の
内張りである。 第4図は、巻線3の間に挿入されたスペーサ48の配置
状況であり、巻線3が冷媒によつてすみずみまで冷却さ
れる状態を示す。巻線3は通常全面被覆して電気絶縁さ
れているが、裸の線にテープ状の絶縁材をらせん状に、
露出面を残して巻いてもよい。 第6図はスロツト2内の他の実施例を示す。巻線3は
密に巻かれ、エポキシ樹脂などで相互に固着されてい
る。側面スペーサ80は固定用のくさびであり、冷媒流路
はない。中央に主スペーサ81が挿入され、冷媒流路が第
4図の層間スペーサと同様に形成されている。 第6図の実施例では、巻線3のゆるみを少なくするこ
とに重点を置き、ゆるみに基づく線材の動きをおさえ、
超電導特性の不安定要因を除き、冷却特性の劣化をカバ
ーしている。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば巻線支持筒の外
側に設けたスペーサにより、冷媒の循環路を決定するこ
とが可能となり、以つて超電導回転子の安定した冷却を
可能にし得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例に係る超電導回転子の横断面
図でありかつ第5図のC−C′断面図、第2図は第5図
におけるスペーサ部(53)の展開図、第3図は第1図に
おけるスロツト部(2)の分解斜視図、第4図は同じく
スロツト部(2)の要部斜視図、第5図は第1図の例に
係る超電導回転子の全体構造を示す部分側断面図、第6
図は本発明の他の実施例に係る超電導回転子の部分断面
図である。 1……巻線支持筒、2……スロツト、3……巻線、9…
…開孔、10……スペーサ、21,23……冷媒流路。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.巻線支持筒の内側に設けられた円筒室と、この円筒
    室に冷媒を供給し排出する手段と、前記巻線支持筒の周
    方向から回転軸中心方向に形成された複数のスロット
    と、このスロットに収納された超電導巻線と、このスロ
    ットが形成された前記巻線支持筒の外周面を覆うように
    設けられたスペーサと、このスペーサの外周に設けられ
    た外壁と、この外壁と前記スペーサとの間であって円周
    方向に設けられた複数の冷媒流路と、これら冷媒流路と
    前記円筒室とを連通する連通孔と、前記冷媒流路と前記
    スロットの外周側端部とを連通するスペーサ孔と、この
    スロットの回転軸中心側端部と前記円筒室とを連通する
    巻線支持筒孔とを備え、前記連通孔が存在する位置にお
    ける前記冷媒流路と前記回転軸中心との距離よりも反回
    転方向における距離を短くした超電導回転子。 2.前記円筒室内に冷媒を供給する配管の先端が前記連
    通孔に少なくとも一部分挿入され、かつこの配管に側孔
    が設けられている特許請求の範囲第1項記載の超電導回
    転子。 3.前記連通孔は断熱材で被覆されているものである特
    許請求の範囲第1項記載の超電導回転子。
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