JP2673234B2 - 麦等の焙焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は小麦や大豆等の穀物、ちりめんじゃこ、いり
こ等の魚介類、茶葉等の食品原料を連続的に焙焼するた
めの装置に関する。 〈従来の技術〉 上記のような食品原料を焙焼するための装置として
は、従来、横型ドラムを回転させながら下部より直火に
て加熱する構造のロータリーキルンタイプと、多孔板上
の原料に熱風を送るバッチタイプのもの、更には傾斜多
孔板とし内部に仕切板を設けて多室化した連続タイプの
ものが使用されている。 〈発明が解決しようとする問題点〉 従来のこれら構造によると、バッチ式で処理能率が上
らなかったり、焙焼むらが生じたり、焙焼時の温度コン
トロールが容易でないといった解決すべき問題点を有し
ていた。 〈問題点を解決するための手段〉 そこで、本発明者は熱風通過炉（１）中に、底部が平
面かつ多孔な固定式床（16）上で、上下面のみを開口し
た複数の収容マス（５）を形成する略垂直な隔壁（17）
を連続回転させる回転焙焼床（２）を設け、回転移動す
る該収容マス（５）へ向けて原料を投入する原料投入口
（３）を前記収容マス（５）の開口した上面に近接して
設け、該収容マス（５）がほぼ一回転してその内部で焙
焼された製品を排出する製品排出口（４）を固定式床
（16）の一部を開口して設けた構造の麦等の焙焼装置を
開発したのである。 〈作用〉 このような構造であると、移動する各収容マス（５）
に適当量宛分画された麦等の原料は、熱風が通過してい
る焙焼炉中を定速で連続移動しながら、収容マス（５）
底部の孔を通過する熱風により各マス内のみで上下に流
動攪拌され、麦等の個々の粒子が熱的にも時間的にも均
等化され、全体として均一な焙焼を受ける。 〈実施例〉 以下図面によって本発明の実施例を詳細に説明する。 第１図及び第２図は本発明の第１実施例を示すもの
で、第１図は装置の部分破断図であり、第２図は第１図
中Ａ−Ａ断面図である。 本実施例の装置は燃焼筒（13）、送風機（６）、熱風
通過炉（１）、サイクロン（７）間をダクトで連通させ
た熱風循環系が形成されている。燃焼筒（13）にはガス
バーナー（８）が設けられており、焙焼可能温度にまで
空気を熱する。 熱風通過炉（１）中に本発明の最も特徴とする回転焙
焼床（２）を設けている。回転焙焼床（２）はこの例で
は環状であって、内外周の壁面間を半径方向の放射状隔
壁（17）により等間隔で画して上下面を開口した収容マ
ス（５）を複数形成してなり、中心部の軸（９）とその
下端部に設けられたベベルギヤ（10）及びそれに連結し
たモータ（11）によって隔壁（17）を定速で回転させ、
収容マス（５）を水平面内で360度連続移動させてい
る。回転焙焼床（２）の開口した下面は、平面かつ多孔
な固定式床（16）で塞がれている。本例では、収容マス
（５）へ向けて原料を投入する原料投入口（３）を前記
移動の開始端に位置する収容マス（５）の開口した上面
に近接させ、原料を確実に各収容マス（５）に投入でき
るようにし、収容マス（５）内で焙焼された製品を排出
する製品排出口（４）を前記移動の終了端に位置する固
定式床（16）の一部を開口して連続して、熱風の影響を
受けず、確実に製品を収容マス（５）から排出できるよ
うにしている。原料投入口（３）は上部の原料チャージ
タンク（14）とダンパー（15）を介して接続されてい
る。本実施例は、ドーナツ状のパンチングプレートの一
部が開口して製品排出口（４）となった固定式床（16）
の上を放射状に仕切った収容マス（５）のみが回転する
ように構成した回転焙焼床（２）である。 本装置では、熱風通過炉（１）中を、上下面のみを開
口した収容マス（５）が下面を多孔な固定式床（16）に
遮られた状態で回転するため、原料投入口（３）から各
収容マス（５）に順次所定量宛入れられた麦等の原料
は、ほぼ320度回転する迄に熱風の作用で攪拌と焙焼を
受けて、製品排出口（４）から排出される。 内壁（17）で画された収容マス（５）は、回転焙焼床
（２）として見れば連続的な原料の収容空間である。こ
のため、収容マス（５）を連続的に回転させながら原料
を連続投入できる。また、収容マス（５）は、別体で原
料の収容容器を配設するよりも収容効率が高いため、前
記原料の連続投入と相俟って、単位時間当たりの処理量
を高めることができる。こうして各収容マス（５）に割
り当てられたほぼ等量の原料は、各収容マス（５）内で
熱風による流動層を形成し、良好に焙焼される。 本装置を醸造原料である小麦の焙焼に用いた例では、
その時の焙焼熱風温度は290〜310℃の範囲内が好まし
く、焙焼時間は40〜90秒間に設定することによって、適
度な膨化と、従来より高度なα化及び殺菌がなされ、焙
焼むらの無い好結果が得られた。 〈発明の効果〉 本発明の麦等の焙焼装置は以上のような構造であるか
ら、砂等の熱媒体を用いないので衛生的であり、連続焙
焼処理が出来て高能率、かつ製造工程上ラインを組み易
い。また、温度コントロールが容易で、焙焼むらが無
い。

【図面の簡単な説明】 第１図及び第２図は本発明の実施例を示すもので、第１
図は装置の部分破断図であり、第２図は第１図中Ａ−Ａ
断面図である。 （１）熱風通過炉、（２）回転焙焼床 （３）原料投入口、（４）製品排出口 （５）収容マス、（６）送風機 （７）サイクロン、（８）ガスバーナー （９）軸、（10）ベベルギヤ （11）モータ、（13）燃焼筒 （14）チャージタンク、（15）ダンパー （16）固定式床、（17）隔壁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−91191（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−130497（ＪＰ，Ａ) 特開 昭47−3721（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−131194（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．熱風通過炉（１）中に、底部が平面かつ多孔な固定
   式床（16）上で、上下面のみを開口した複数の収容マス
   （５）を形成する略垂直な隔壁（17）を連続回転させる
   回転焙焼床（２）を設け、回転移動する該収容マス
   （５）へ向けて原料を投入する原料投入口（３）を前記
   収容マス（５）の開口した上面に近接して設け、該収容
   マス（５）がほぼ一回転してその内部で焙焼された製品
   を排出する製品排出口（４）を固定式床（16）の一部を
   開口して設けたことを特徴とする麦等の焙焼装置。