JP2666509B2 - 固体レーザ装置 - Google Patents

固体レーザ装置

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JP2666509B2 JP2041968A JP4196890A JP2666509B2 JP 2666509 B2 JP2666509 B2 JP 2666509B2 JP 2041968 A JP2041968 A JP 2041968A JP 4196890 A JP4196890 A JP 4196890A JP 2666509 B2 JP2666509 B2 JP 2666509B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体装置で発光された励起光により固体
のレーザ媒質中の活性物質を励起する固体レーザ装置に
関する。
〔従来の技術〕
Nd等のレーザ活性物を含むYAG等の光学結晶やガラス
をロッドやスラブに形成したレーザ媒質を用いる固体レ
ーザ装置は、周知のように一般に光励起される。励起光
源としてはタングステンハロゲンランプやクリプトン放
電灯がふつう用いられるが、これらのランプの紫外から
近赤外領域に亘る広い発光スペクトル中でレーザ媒質に
よって吸収されレーザ発振に寄与するのはごく狭い波長
領域に限られるので、固体レーザ全体の発振効率が低下
するだけでなく、励起に貢献しない成分光がレーザ媒質
内で熱に変わるので、温度上昇に伴う屈折率変化に基づ
く熱レンズ効果によりレーザビームの平行性が低下した
り、固体レーザ媒質が熱破壊したりする問題が発生しや
すい。
これに対し、半導体発光装置は発光スペクトルが非常
に狭く、例えばGaAlAs系レーザダイオードはNdをレーザ
活性物質とするYAGの励起に有利な810nm付近の発光波長
をもち、かつAlの混晶比を変えてこの波長を微調整でき
る。
このため半導体発光装置は従来から固体レーザ媒質に
有利な励起光源として注目されており、以下これを用い
た固体レーザ装置の若干例を第5図以降を参照して説明
する。
第5図はレーザ媒質10をその端面11の側から光励起す
る例である。図の半導体発光装置40はふつう単一のレー
ザダイオードであって、それからのレーザ光がコリメー
タレンズと集光レンズを含む投光手段44を介し励起光EL
としてレーザ媒質10内にその一方の端面11から注入され
る。この端面11には、励起光ELの波長に対しては無反射
性であるが、固体レーザの例えば1.06μmの波長をもつ
発振レーザ光Lに対しては高反射性の選択性コーティン
グである発振レーザ光Lに対する全反射鏡20が設けられ
る。通例のように、全反射鏡20はレーザ媒質10の他方の
端面12の側に配設された反射率が0.95程度の部分反射鏡
30と対向し、両者間の距離の微調整によって発振レーザ
光Lに対するレーザ共振系が構成される。もちろん、出
力レーザ光Loは部分反射鏡30の側から取り出される。
この端面励起形の利点は、励起光をレーザ媒質内の小
領域に集中できるため発振しきい値が低くて発振効率が
高いほか、TEMooモードと呼ばれる基本モードで発振が
可能で出力レーザビームの品質に優れる点にあるが、単
一のレーザダイオードによる励起ではレーザ出力に限界
がある。
第6図は、このレーザ出力を上げるためレーザダイオ
ードを複数個並べた同図(a)の発光アレイ41によって
レーザ媒質10を側面励起する例を示す。レーザダイオー
ドの半導体チップは1mm立方程度のごく小さなもので、
ふつうウエハ状態からレーザダイオードが1列に並んだ
いわゆるバーの状態に一旦した上で個別チップに分離す
るので、バーの状態をそのまま図のアレイ41に利用す
る。この半導体発光アレイ41は例えば同図(b)に示す
ようなロッド状のレーザ媒質10の側方に配置され、励起
光ELをレーザ媒質10内にその周面から注入する。なお、
この例でのレーザ共振系は同図(a)のように平面の全
反射鏡23と凹面の部分反射鏡30とにより構成されてい
る。
この側面励起形ではレーザ媒質10に沿い複数個のレー
ザダイオードを配列できるため高出力化が容易になる反
面、励起光の注入密度が必ずしも高くなく、また基本モ
ードだけを励起するのが容易でないため、発振効率やビ
ーム品質の点では端面励起形に及ばない。
第7図はかかる端面励起形や側面励起形の欠点を解決
し得る固体レーザ装置であって、この例ではレーザ媒質
10に偏平な方形断面をもついわゆるスラブ形が用いられ
る。このレーザ媒質10の図の上下の面積の大な側面15に
高反射性コーティングが施されており、レーザ光Lは両
側面15で反射されながらレーザ媒質10内を図のようにジ
グザグ状に進行し、レーザ共振系を構成するこの例では
いずれも凹な全反射鏡22と部分反射鏡30にそれぞれ対向
する斜面16から出入する。励起光ELは、図示しない半導
体発光装置から光ファイバ42を介して導かれ、かつセル
フォックレンズ46により集光されて、図のように側面15
のレーザ光Lの反射点からレーザ媒質10内に注入され
る。
この第7図の従来例では、複数個の注入点にそれぞれ
レーザダイオード等からの励起光ELを注入できるので高
出力化が容易で、しかも各反射点でレーザ光Lに対し集
光された励起光ELを高密度で注入できるため発振効率が
高く基本モード発振が可能な利点が得られる。しかし、
セルフォックスレンズ46が複数個必要で全体構成が複雑
化するのは避けられず、かつその位置や角度をレーザ光
Lの反射点や反射角度に合わせて一々調整するのが非常
に厄介でかつ狂いやすく、原理的には優れていても実用
性はあまり高くない。
第8図の従来例はこの第7図の固体レーザ装置の構造
を簡単化して実用性を高めたものである。図のように、
スラブ形のレーザ媒質10内でレーザ光Lが前より鋭角に
反射するジグザグ状の経路に沿って進むよう全反射鏡22
と部分反射鏡30が配置され、レーザ媒質10の側面のレー
ザ光Lの反射点に半導体発光アレイ41内の各レーザダイ
オードから励起光ELがシリンドリカルレンズ45により集
光されて注入される。
この第8図の固体レーザ装置は上例より簡単な構造で
高出力化できる利点があり、レーザ光Lに対する励起光
ELの注入密度も上例ほどではないが高め得るので、発振
効率がかなり高く基本モード発振も可能である。しかし
図からわかるように、レーザ媒質10の上側の側面のレー
ザ光Lが反射する部分には高反射コーティングを,レー
ザ光Lが出入する部分には低反射コーティングを施さね
ばならない厄介さがある。また、第7図と第8図の従来
例のいずれもレーザ光Lの反射点数が多く、レーザ媒質
の側面に高品質の高反射コーティングを施しても、レー
ザ光が反射点ごとに順次減衰して行きやすい問題があ
る。
ところで、以上のいずれの固体レーザ装置において
も、レーザ共振系内のレーザビームの広がりを極力抑え
る必要があるため、図からわかるようにレーザ共振系を
構成する全反射鏡と部分反射鏡の少なくとも一方に凹面
鏡が用いられ、このため基本モードのレーザ光Lはふつ
うは200μm径程度の非常に細いビームになる。
従って、かかる固体レーザの基本モードのみを効率よ
く発振させようとすると、励起光ELをこの細いレーザビ
ームに対応する非常に狭い範囲内に絞り込む必要があ
り、それだけ励起光を集光する光学系に精密さが要求さ
れ、とくに高出力用では複数個の励起光注入点の調整が
厄介になり運転中に狂いも生じやすくなる。しかし、な
んらかの手段でレーザ媒質内を通過する基本モードのレ
ーザビームを拡大できれば、励起光を狭い範囲に絞り込
まなくても高効率で基本モード発振が可能になるはずで
ある。
第9図の固体レーザ装置は、かかるねらいに沿う最も
簡単な手段として望遠鏡をレーザ共振系内に組み込ん
で、基本モードのレーザビームを拡大するものである。
この従来例では、図示のようにレーザ共振系を構成する
全反射鏡23には平面鏡,部分反射鏡30には凹面鏡がそれ
ぞれ用いられており、レーザ媒質10と部分反射鏡30の間
に長焦点の凸レンズ71と短焦点の凹レンズ72を組み合わ
せた望遠鏡70が組み込まれる。
図からわかるように、この望遠鏡70により非常に細い
基本モードのレーザビームBがロッド状のレーザ媒質10
にほぼ等しい断面のレーザビームBeに拡大される。従っ
て、半導体発光アレイ41からの励起光ELを集光手段を介
さずにこの拡大レーザビームBeが通過するレーザ媒質10
に注入しても、高効率で基本モード発振が可能になる。
第9図の例がロッド状のレーザ媒質に適するのに対
し、第10図の例はスラブ形のレーザ媒質に適する。この
従来例では、望遠鏡のかわりにアナモルフィクプリズム
81と82からなるプリズム対80をレーザ媒質10と第9図と
同構成のレーザ共振系の部分反射鏡30の間に絞り90とと
もに組み込む。図からわかるように、プリズム対80によ
って細い方形断面のレーザビームBが偏平に広がった拡
大レーザビームBoに変換された後にレーザ媒質10を通過
するので、スラブ形レーザ媒質10の広い面積の側面15に
図示しない半導体発光アレイから集光なしで励起光を注
入しても、高効率で基本モード発振をさせることができ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上説明した従来技術はそれぞれ固有の利点を備える
が、高出力で高品質のレーザビームを安定に得る上では
いずれも若干の問題を抱える。
すなわち、前述のように高出力化には第5図の端面励
起形は不利で、第6図以降の側面励起形が有利になる
が、第6図の従来例はビームの品質と発振効率の点で,
第7図の例は構成が複雑になるので安定性と実用性の点
で,第8図の例はレーザ媒質の側面に対するコーティン
グが厄介になる点でそれぞれ問題があり、さらにこれら
の第6図〜第8図のいずれの従来例も、基本モードのレ
ーザビームを高効率で発振させるには励起光をレーザ媒
質内の微小範囲内に集光する必要があるため、励起光用
の光学系が相当高級になって固体レーザ装置が高価につ
くほか、光学系の調整が厄介でかつ狂いが生じやすい問
題を抱える。これら諸点は第9図および第10図の従来例
によってほぼ解決できるが、なお次の未解決の問題が残
る。
第9図の望遠鏡70を利用する例では、望遠鏡を構成す
るレンズによってレーザ光の波面が乱されやすいのでレ
ンズの曲面を非常に精密に仕上げねばならない。また、
ビームの拡大倍率を上げるために凸レンズ71の焦点距離
を伸ばさねばならないので望遠鏡70が長くなり、従って
固体レーザ装置が大形化するので半導体発光装置で励起
することにより小形化できるその非常に有利な特徴の一
つが損なわれてしまう。
また、第10図のプリズム対80でレーザビームを拡大す
る例では、プリズム面によるレーザ光波面の乱れないし
歪みは第9図の場合よりずっと少ないが、ビームの拡大
倍率を充分に上げようとするとプリズム対を複数対設け
る必要が生じ、従ってこの従来例においても固体レーザ
装置が大形化しやすい問題がある。
さらに、第9図と第10図の例のいずれについても、周
囲温度等の運転条件が変化した際にレーザ共振状態が当
初の設定状態からずれて来ることがあり、とくに基本モ
ード発振動作について安定性がまだ充分でない問題があ
る。
本発明の目的は、従来技術がもつかかる問題点を解決
して、高出力かつ高品質のレーザビームを安定して発振
でき、とくに基本モード発振に有利な固体レーザ装置を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕 この目的は、本件出願の第1の発明によれば、半導体
発光装置からの励起光によりレーザ共振系内に配設され
た固体レーザ媒質の活性物質を励起するレーザ装置に対
し、焦点を共有し焦点距離が互いに異なる1対の放物面
鏡を含むビーム拡大器をレーザ共振系内に挿入して、こ
れによって拡大されたレーザビームをレーザ媒質内に通
過させ、この通過範囲のレーザ媒質内に励起光を注入す
ることによって達成される。
なお、上記中の1対の放物面鏡はともに軸対称または
面対称に形成することができる。
本件の第2の発明では、上述のビーム拡大器のかわり
に、錐面により棒状ビームを筒状ビームに拡大するビー
ム変換器を用いることにより上述の目的が達成される。
なお、上記のビーム変換器を1対の同じ頂角を持つ円
錐面をもつ凸な円錐レンズで構成するのが有利で、この
場合にレーザ媒質をロッド状とし、その端面から励起光
を注入するのが望ましい。
また、本件の第3の発明では、レーザ共振系を構成す
る1対の反射鏡を凸面鏡と両者の相互間隔よりも曲率半
径が大な凹面鏡を組み合わせて構成し、レーザ共振系内
のレーザビームの断面が大な凹面鏡側にレーザ媒質を配
設し、これに励起光を注入することにより目的を達成す
る。
なお、上記の凹面鏡の方を全反射鏡に,凸面鏡の方を
部分反射鏡にするのがよい。また、凹面鏡の曲率半径は
上記のように両反射鏡の相互間隔より大とするが、レー
ザビーム断面の拡大率を高めるためそれに近く選定する
のが望ましい。
さらに本件の第4の発明では、スラブ状もしくは方形
ロッド状に形成されたレーザ媒質内のレーザビームの進
行方向を軸方向から傾けて平面に形成されたレーザ媒質
の側面で全反射させ、この全反射範囲の側面から励起光
をレーザ媒質に注入するようにした固体レーザ装置であ
って、レーザビームの傾きが、レーザ媒質の側面に反射
コーティングを施すことなくレーザビームが該側面で全
反射する大きさで、かつ、該側面で全反射したレーザビ
ームがレーザ媒質の他の側面に到達することなくレーザ
媒質の端面から出射する大きさであることにより目的を
達成する。
なお、レーザ媒質内のレーザビームの進行方向を上記
のようにレーザ媒質の軸方向から傾けるには、レーザ共
振系の1対の反射鏡の位置をレーザ媒質の軸方向中心か
らずらせてその姿勢を傾けたり、レーザ媒質の両端面を
若干の傾斜をもつ斜面に形成する手段をとることができ
る。
〔作用〕
本件の上記のいずれの発明も、前述の第9図と第10図
の従来例の場合と同様に、レーザ共振系内の本来は細い
レーザビームを拡大した形でレーザ媒質内を通過させ、
この拡大されたビームの通過範囲のレーザ媒質に半導体
装置により発光された励起光を注入することにより、固
体レーザ装置の高出力化のために励起光量を容易に増加
させることができ、かつレーザ発振の効率を上げるため
に励起光をとくに狭い範囲に絞り込みないしは集光しな
くても済むようにするとともに、以下に述べるように第
9図や第10図の従来例の場合よりも固体レーザ装置を小
形に構成でき、かつその発振動作を安定化できるように
する。
第1の発明では焦点ないし焦線を共有する1対の放物
面鏡でビーム拡大器を構成し、平行光束を一方の放物面
鏡にその対称軸ないし対称面に対し平行に入射すると、
他方の放物面鏡から平行光束がその対称軸ないし対称面
に対し平行に出射される性質を利用しながら、両放物面
鏡の焦点距離を互いに異ならせて主に焦点距離の比で決
まる倍率でレーザビームの断面積を拡大する。このた
め、ビーム拡大器を小形に構成でき、しかも反射鏡の組
み合わせだけでビームを拡大できるので、運転中や温度
変化時の狂いがほとんどなくなりレーザ発振動作が格段
に安定化される。
第2の発明では、レーザ共振系内の本来は棒状のレー
ザビームをビーム変換器により筒状ビームに変換するこ
とによってその断面積を拡大する。このビーム変換器
は、錐面,とくに頂角が等しい1対の錐面でのレーザ光
の屈折や反射を利用するので、小形構造でビームの拡大
倍率を充分高めることができ、かつ錐面を正確に仕上げ
て光学的な誤差や狂いをなくすことができる。
第3の発明では、レーザ共振系を構成する1対の反射
鏡中の一方には両反射鏡の相互間隔よりも曲率半径が大
な凹面鏡を,他方には凸面鏡をそれぞれ用い、かかるレ
ーザ共振系内の凹面鏡の側にレーザ媒質を配設すること
により、系内のレーザビームの断面積が大な部分がレー
ザ媒質を通過するようにする。
これによって、第9図の従来例での望遠鏡をレーザ共
振系内のレーザ媒質の外側に組み込む構成に対し、いわ
ばレーザ媒質を望遠鏡の内部に組み込んだ構成になって
固体レーザ装置の全体寸法を縮小できる。また、ビーム
の拡大が反射鏡だけでなされるので、運転中や温度変化
時の狂いがなくレーザ発振動作が安定化する。
第4の発明では、レーザ媒質の側面の少なくとも一部
を平面に形成して置いて、レーザビームがレーザ媒質内
ではその軸方向から傾いて進行してこの平面で全反射さ
れるようにすることにより、励起光の注入に適する範囲
をレーザ媒質の側面の付近で軸方向に拡大する。
このようにレーザビームをレーザ媒質の軸方向から傾
けて進行させるには、例えばレーザ共振系の1対の反射
鏡の位置をレーザ媒質の軸方向中心からずらせてその姿
勢を傾けたり、レーザ媒質の両端面に若干の傾斜を付け
る等のごく簡単な手段をとればよいので、固体レーザ装
置に光学的手段を追加する必要が全くなく、運転中や温
度変化時に狂いが生じることもほとんどない。
なお、以上の本件のいずれの発明も基本モードの発振
にとくに適する。すなわち、上述のように拡大されたレ
ーザビームが通過するレーザ媒質に励起光を注入すれば
よいので、基本モードのみを発振させるために注入励起
光をとくに狭い範囲に絞り込まなくても高効率で安定な
発振が可能で、かつ励起光の注入量を増やして高出力で
発振させ得るからである。
〔実施例〕
以下、図を参照して本件発明の具体的な実施例を説明
する。第1図〜第4図に本件の第1〜第4の発明の実施
例をそれぞれ示す。
第1図において、同図(a)はビーム拡大器50に軸対
称の放物面鏡を,同図(b)は面対称の放物面鏡をそれ
ぞれ用いた場合を示し、同図(c)にビーム拡大器を構
成する1対の放物面鏡に凸面鏡と凹面鏡とを用いた場
合,同図(d)にいずれも凹面鏡を用いた場合について
それぞれレーザビームが拡大される様子の詳細を示す。
第1図(a)に示すレーザ媒質10は、例えばレーザ活
性物質としてNdを含むYAGであって、例えば円形断面の
ロッド状に形成される。この実施例ではこのレーザ媒質
10の一方の端面11をレーザ光の全反射面と励起光の注入
面に共用するので、この端面11に波長が1.06μmの発振
レーザ光Lに対して高反射性であるが波長が0.81μmの
励起光ELに対しては透過性のコーティングを施して全反
射鏡20とする。この全反射鏡20と図の右側に示された凹
な部分反射鏡30がレーザ共振系を構成し、この系内で基
本モードで発振される細いレーザビームBが出力鏡であ
る部分反射鏡30から出力ビームBoとして外部に取り出さ
れる。
ビーム拡大器50はこの細い発振レーザビームBを拡大
してレーザ媒質10に通過させるためのもので、焦点Fを
共有しこの実施例では軸対称な面をもつ1対の放物面鏡
51と52で構成され、図の例ではこの内の放物面鏡51は焦
点距離の小な凸面に,放物面鏡52は焦点距離の大な凹面
にそれぞれ形成される。この詳細を示す第1図(c)に
おいて、平行光束であるビームB1は上述の細いレーザビ
ームBであって、一方の放物面鏡51に対しその対称軸C1
に平行な方向から当てられ、他方の放物面鏡52の対称軸
C2は放物面鏡51の対称軸C1に対し一般には角度ψだけ傾
いている。
さて、放物面鏡51で反射されたビームは共通の焦点F
から出射されたと同じ方向で放物面鏡52に当たるので、
これにより反射されるビームB2はその対称軸C2に平行な
方向をもつ平行光束になる。また、図から容易にわかる
ように、放物面鏡51に当ったビームB1は、放物面鏡51と
それより焦点距離の大な放物面鏡52とによって反射され
た後、断面積の大なビームB2に変換される。
いま、ビームB1およびB2の中心がそれぞれ放物面鏡51
および52に当たる点と両放物面鏡の共通の焦点Fとの距
離を図示のようにそれぞれr1およびr2とすると、上述の
ビーム断面積の拡大倍率はこれら距離の比r2/r1によっ
て決まり、両放物面鏡が軸対称の場合はその2乗にな
る。さらに、放物面鏡51および52の焦点距離をそれぞれ
r1およびr2とし、両放物面鏡間のビームの中心がビーム
B1の中心となす角度を図示のようにθとすると、上述の
距離r1は2 f1/(1+cosθ)により,距離r2は2 f2/
(1+cos(θ+ψ))によりそれぞれ表せる。これか
ら、この例のビーム拡大器50によるレーザビームの拡大
倍率は、放物面鏡51および52の焦点距離の比f2/f1と、
角度θ,すなわちビームB1を放物面鏡51に当てる位置
と、両放物面鏡の対称軸のなす角度ψとによって適宜に
設定できることがわかる。なお、第1図(a)のように
角度ψが0の場合は、拡大倍率は焦点距離の比f2/f1だ
けで設定でき、両レーザビームB1およびB2はもちろん互
いに平行になる。
第1図(d)はいずれも凹な焦点距離の大な放物面鏡
52と焦点距離の小な放物面鏡53とを組み合わせた場合を
示し、同図(c)との対応部分に同じ符号が付されてい
る。この場合のビームB3がビームB2に拡大される倍率等
は上述と異なる所はない。
上述のような構成のビーム拡大器50を第1図(a)の
固体レーザ装置のレーザ共振系内に挿入することによ
り、細い発振レーザビームBを拡大レーザビームBeに変
換してレーザ媒質10を通過させることができる。なお、
ビーム拡大器50にはビームの出入個所を除き遮光板54を
被せて外光の混入を防ぎ、細いレーザビームBには絞り
90を設けるのが基本モード発振の際に望ましい。
第1図(a)ではレーザ媒質10が円形ロッドなので励
起光ELはその端面11に注入される。励起光ELは半導体発
光装置40内のふつう複数個のレーザダイオード等により
発光され、光ファイバ42を介してこの端面11に導かれる
が、そのままでは発散しやすいので投光レンズ44により
図のように若干集光した上で端面11に注入される。
第1図(b)の実施例では、レーザ媒質10に偏平な方
形断面をもつスラブ形が用いられ、その端面11に前述と
同様なコーティングを施して全反射鏡20とする。この全
反射鏡20と部分反射鏡30との間のレーザ共振系内には正
方形断面のレーザビームBが発振されるが、これをレー
ザ媒質10に相応する偏平な方形断面の拡大レーザビーム
Beに変換するためビーム拡大器50が挿入される。従っ
て、この例でのビーム拡大器50はレーザビームを図の上
下方向にのみ拡大すればよく、それを構成する1対の放
物面鏡51および52は焦線Fを共有する面対称な放物面に
形成される。このビーム拡大器50によるビーム拡大の様
子は同図(c)や(d)と同じで、C1とC2が放物面鏡51
と52の対称面になり、角度ψが0の場合のビームの拡大
倍率は焦点距離の比f2/f1になる。励起はレーザ媒質10
の側面から行なってもよいが、図の例ではその端面11に
前述のレーザダイオードバー等の偏平な半導体発光アレ
イ41から励起光ELがシリンドリカルレンズ45により紙面
と直角方向に若干集光されて注入される。
以上説明した本件の第1の発明では、元来は細い発振
レーザビームBがビーム拡大器50によって拡大レーザビ
ームBeに変換されてレーザ媒質10を通過するから、この
拡大範囲に大光量の励起光ELを注入して高出力発振で
き、この際に励起光ELを狭い領域内に集光する必要がな
い。また、ビーム断面の拡大がすべて反射で行なわれる
から、狂いが生ぜず発振動作が安定でとくに基本モード
発振に適する。なお、この第1図(b)の実施例におい
て励起光ELをレーザ媒質10の側面から注入しても上と同
様の効果が得られ、この場合には全反射鏡20をレーザ媒
質10と別体構成にできる。
第2図は、錐面を利用してレーザビームを筒状ビーム
に拡大するビーム変換器60を用いる本件の第2の発明の
実施例を示すものである。この例ではレーザ媒質10はロ
ッド状とされ、その端面11へのコーティングが全反射鏡
20とされるのも前と同じで、これと部分反射鏡30との間
のレーザ共振系内に円形断面をもつ細い棒状のレーザビ
ームBが発振されるものとする。
ビーム変換器60は、この棒状ビームBを図のような筒
状の拡大レーザビームBeに変換してレーザ媒質10に通過
させるためのもので、この実施例では頂角αが等しい1
対の凸な錐面61をもつレンズ体として構成される。両錐
面61が頂角αが等しい円錐面のとき、図から容易にわか
るように径dの棒状ビームBはこのビーム変換器60によ
りそれに平行な径Dの筒状ビームBeに変換され、この際
のビームの断面積の拡大倍率はD/dになる。この倍率は
頂角α,両錐面61間の距離およびレンズ体の屈折率によ
って適宜設定できる。
この例では励起光ELは半導体43と投光レンズ44を介し
てレーザ媒質10の端面11に環状に注入される。光導体43
は左下部に断面で示すように3層のガラス43a〜43cから
なる同心構造を持ち、中心層43aに励起光ELを入れて屈
折率が最も高い中間のコア層43bの端部から環状に取り
出すものである。投光レンズ44はこの光導体43から環状
に出射する励起光ELをレーザ媒質10内の拡大ビームBeが
通過する範囲に注入する。
なお、上のようにビーム変換器60をレンズ体とする必
要は必ずしもなく、例えば同じ頂角の錐面をもつ小さい
凸な反射鏡とそれよりも大径で中心に開口をもつ凹な反
射鏡とを組み合わせた構成とすることもできる。
この第2の発明は、ビーム断面の拡大に基づく利点に
加えて、ビーム変換器60を小形化でき、かつその錐面を
正確に仕上げ得るので光学的な誤差や狂いが少ない特徴
がある。
第3図(a)に本件の第3の発明の実施例を示す。同
図(b)と(c)はそれに関連する参考図である。この
発明では、第3図(a)のようにレーザ共振系の1対の
反射鏡中の一方例えば全反射鏡21を凹面鏡に,他方の部
分反射鏡31を凸面鏡とし、かつ凹面鏡の曲率半径R1を両
反射鏡21と22の相互間隔lよりも大に設定する。これ
は、レーザ共振系内のレーザビームBの波面の歪みを最
小に抑えながらレーザ媒質10を通過するその断面積がで
きるだけ大きくなるようにするためであって、この点は
第3図(a)を同図(b)や(c)と比べれば理解しや
すい。
第3図(b)では、通常の固体レーザ装置におけるよ
うに、レーザ共振系がいずれも凹な全反射鏡22と部分反
射鏡30で構成されている。凹な反射鏡で反射されたレー
ザビームはよく知られているように球面状波面のいわゆ
るガウシァンビームとなるが、左右の反射鏡22と30の間
でこのビームを波面の乱れなく受け渡しするには、反射
鏡の焦点付近でその球面状波面の曲率半径が非常に大き
くなることを利用する必要があるので、図示のように両
反射鏡22と30の焦点Fをほぼ一致させるのがふつうであ
る。この焦点F付近のレーザビームBの径は0ではない
が非常に細くなり、レーザ媒質10を通過するレーザビー
ムBの断面積を大きくする上で不利になる。同図(c)
の場合、凹な全反射鏡22と平面の部分反射鏡32が組み合
わされており、レーザビームBを両反射鏡間で円滑に受
け渡しするために凹面鏡22の焦点Fを平面鏡32の反射面
とほぼ一致させる。この第3図(c)は同図(b)の場
合よりは若干有利であるが、なおレーザ媒質10内のレー
ザビームBの断面積を充分大きくとれない。
本件の第3の発明による第3図(a)の場合、凹な全
反射鏡21の曲率半径R1を両反射鏡の相互間隔lより大に
設定して、全反射鏡21の焦点Fをレーザ共振系の外側に
することにより、レーザ共振系内のレーザビームBを同
図(b)や(c)の場合より全体的に拡大し、レーザ媒
質10を通過するその断面積を大きくとれるようにする。
もちろん、この場合にも全反射鏡21と部分反射鏡31の
間で波面の乱れなくレーザビームBの受け渡しをする必
要があり、このため部分反射鏡31を上述のように凸面鏡
とし、その曲率半径R2を凹面鏡21から受けるガウシャン
ビームとしてのレーザビームBのその個所における波面
の曲率半径にほぼ合わせる。かかる要件を満たしレーザ
共振状態を安定させるための条件は次式で表せる。
0<(1−l/R1)(1+l/R2)<1 従って、上述のようにR1>lとし、かつ例えばR1=R2
とすることによりこの条件を満たし、基体モードを発振
する際にも固体レーザ装置の動作を安定化させることが
できる。
この第3の発明の実施に当たっては、第3図(a)の
レーザ媒質10を例えばロッド状とし、かつこの例ではそ
の端面13を半径R1の球面に仕上げた後に前述のコーティ
ングを施して凹な全反射鏡21とすることにより、レーザ
共振系内のレーザビームBの断面積の最大部分がレーザ
媒質10を通過するようにする。この全反射鏡21とともに
レーザ共振系を構成する部分反射鏡31は上述の曲率半径
R2をもつ例えば球面の凸面鏡とする。この部分反射鏡31
から取り出される出力レーザビームBoは収斂性なので、
凹レンズ91等の手段で平行光束とするのが望ましい。励
起光ELはレーザ媒質10の側面からも注入できるが、図の
ように光ファイバから出射する励起光ELを投光レンズ44
によりレーザビームBと同程度の収斂性光束に変えて、
レーザ媒質10の端面13のほぼ全面から注入するのがよ
い。
以上説明した第3の発明は、レーザ共振系内にビーム
拡大用の光学系を挿入する必要がなく、とくに基本モー
ドのレーザビームを高い効率と出力で安定に発振できる
特徴を有する。
第4図は本件の第4の発明の実施例を示す。この発明
の場合、同図(a)のようにレーザ媒質10内のレーザビ
ームBの進行方向を軸方向から傾けてその側面14で全反
射させることにより、同図(c)に示すようにこの側面
14上で軸方向に拡大された全反射範囲Aから励起光ELを
注入する。
この実施例では、第4図(a)に示すようにレーザ共
振系を構成する全反射鏡22および部分反射鏡30の位置を
レーザ媒質10の軸方向中心からずらせてそれらの姿勢を
やや傾けることにより、同図(b)のようにレーザビー
ムBの進行方向をレーザ媒質10の軸方向から角度βだけ
傾ける。なお、同図(a)のレーザ媒質10の両端面11と
12は、レーザビームBの傾いた進行方向に対し直角にな
るようやや斜めに形成するのが望ましい。
側面14の全反射範囲Aが偏平なのに対応して、励起光
EL用の半導体発光装置41に前述のレーザダイオードバー
等のアレイを用い、シリンドリカルレンズ45で励起光EL
を図の前後方向に若干集光して側面14の全反射範囲Aに
注入する。
さて、第4図(b)からわかるようにその励起光ELが
注入されるレーザ媒質10内のレーザビームBが通過する
深さtは比較的浅く、角度βが小さいときビーム幅のほ
ぼ半分である。光励起効率を高く保つには、励起光ELを
レーザ媒質10のこの深さtの範囲内のレーザ媒質10中の
活性物質に吸収させねばならない。レーザ媒質10がNdを
含むYAGの場合、励起光ELは2〜3mmの深さまでにそのほ
とんどが吸収されてしまうので、レーザビームBの幅が
数mm程度以上であれば問題はない。
しかし、発振レーザビームBの幅が狭い場合は光励起
効率が低下するので、この場合にはレーザ媒質10に硼酸
ネオジウムアルミニウム(NAB)を用いるのがよい。こ
れは3値のNdイオンをYAGの40倍含み、励起光ELを100μ
m以下の深さで完全に吸収する。同様にNdを高濃度で含
有するレーザ媒質用材料としては、LiNdP4O12を利用す
ることができる。なお、この第4の発明用のかかるレー
ザ媒質10はスラブ状や方形ロッド状とするのが好適であ
る。
上記のように、この第4の発明においては、レーザビ
ームBの進行方向の軸方向からの傾きは、レーザ媒質の
側面に反射コーティングを施さずともレーザビームが該
側面で全反射する大きさであり、かつ、該側面で全反射
したレーザビームがレーザ媒質の他の側面に到達するこ
となく(他の側面で再度反射することなく)レーザ媒質
の端面から出射する大きさ(小ささ)となっている。
以上説明したこの第4の発明は、レーザ共振系内に光
学的手段を挿入する必要がないので、簡単な構成の固体
レーザ装置で大出力のレーザビームが得られ、かつ運転
中や周囲温度の変化時に狂いが生じないので、発振動作
を安定化できる利点を有する。
以上挙げた実施例に限らず、本件の第1〜第4の発明
は種々の態様で実施をし、またこれら発明を互いにある
いは従来技術と組み合わせた形でも実施をすることがで
きる。
〔発明の効果〕
以上説明したいずれの発明においても、レーザ共振系
で発振される細いレーザビームを拡大してレーザ媒質内
を通過させ、この通過範囲のレーザ媒質に半導体装置で
発光された励起光を注入するようにしたので、励起光の
注入量を容易に増加させて固体レーザ装置を高出力で発
振させ、しかも励起光をとくに狭い範囲に絞り込みない
し集光しなくても、固体レーザ装置を高い励起効率で発
振させ得る効果を有する。
また、本件によるいずれの発明も、発振レーザビーム
を拡大してレーザ媒質に与える従来の方式に比べて、固
体レーザ装置を小形に構成することができ、しかもその
発振動作を格段に安定化させることができる利点を有
し、このため基本モード発振動作を行なわせる固体レー
ザ装置への適用にとくに有利である。
本件による第1〜第4の発明は、上記のような共通の
効果のほか、以下に挙げる固有の特徴をそれぞれ個別に
備える。
第1の発明では、発振レーザビーム用のビーム拡大器
に焦点を共有し互いに異なる焦点距離をもつ1対の放物
面鏡を用いることにより、両放物面鏡の焦点距離の比で
ビーム拡大倍率を大きく設定できるのでビーム拡大器を
従来より小形に構成することができ、かつレーザビーム
の拡大がすべて反射鏡で行なわれるので運転時や温度変
化時にも光学的な狂いが生じない。このため、固体レー
ザ装置の発振動作が非常に安定され,基本モードを発振
させる際にとくに有利である。
第2の発明では、レーザ光を屈折ないし反射させる錐
面を利用して棒状のビームを筒状のビームに変換するビ
ーム変換器を用いてレーザビームを拡大することによ
り、ビーム変換器をとくに小形に構成することができ
る。またこの錐面を光学的に正確に仕上げ得るので、ビ
ーム拡大時の光学的な誤差や狂いが減少して、固体レー
ザ装置の発振動作が安定化される利点がある。
第3の発明では、レーザ共振系の1対の反射鏡の一方
に反射鏡の相互間隔よりも曲率半径が大な凹面鏡を,他
方に凸面鏡をそれぞれ用い、凹面鏡の側にレーザ媒質を
配設して、レーザ共振系内のレーザビームの大断面部分
がこれを通過するようにしたので、ビームを拡大するた
めにレーザ共振系内に光学系を挿入する必要がなくな
り、望遠鏡でビームを拡大する従来方式に比べて固体レ
ーザ装置を格段に小形化できる。また、レーザ共振系内
のガウシャンビームの波面の乱れを最小にできるので、
基本モードのレーザビームを高効率かつ大出力で安定に
発振できる特徴を有する。
第4の発明では、スラブ状もしくは方形ロッド状に形
成されたレーザ媒質内のレーザビームの進行方向を軸方
向から傾けて平面に形成されたレーザ媒質の側面で全反
射させ、この全反射範囲の側面から励起光をレーザ媒質
に注入するようにした固体レーザ装置であって、レーザ
ビームの傾きが、レーザ媒質の側面に反射コーティング
を施すことなくレーザビームが該側面で全反射する大き
さで、かつ、該側面で全反射したレーザビームがレーザ
媒質の他の側面に到達することなくレーザ媒質の端面か
ら出射する大きさであることとしたので、第3の発明と
同様にレーザ共振系内に光学的手段を挿入する必要がな
く、簡単な構成の固体レーザ装置で大出力のレーザビー
ムを発振させることができる。また、運転時や周囲温度
変化時にも光学的な狂いが生じないので、固体レーザ装
置の発振動作を安定化でき、基本モード発振にも適する
利点を有する。
このように、本件発明はいずれも、半導体装置で発光
された励起光を用いてレーザ媒質内の活性物質を励起す
る方式の固体レーザ装置に対して、レーザビームの大出
力化,発振効率の向上,発振動作の安定化,装置の小形
化などの面でそれぞれ固有の効果を奏するもので、この
種の固体レーザ装置が元来もつ光励起効率が高い特徴を
最も有利に発揮させながら、その一層の性能向上と実用
化に貢献し得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図までが本件発明に関し、第1図は本件の
第1の発明による固体レーザ装置を例示する構成図およ
びそれ用のビーム拡大器の部分の要部拡大構成図、第2
図は第2の発明による固体レーザ装置を例示する構成
図、第3図は第3の発明による固体レーザ装置を例示す
る構成図およびそれに関連する参考図、第4図は第4の
発明による固体レーザ装置を例示する構成図およびその
要部の拡大上面図と側面図である。第5図以降は従来技
術に関し、第5図は端面励起形固体レーザ装置の構成
図、第6図は側面励起形固体レーザ装置の構成図および
その要部の拡大断面図、第7図と第8図はレーザ媒質内
でレーザ光をジグザグ状に進行させ端面励起するそれぞ
れ異なる方式の固体レーザ装置の構成図、第9図はレー
ザビームを望遠鏡で拡大してレーザ媒質に与える固体レ
ーザ装置の構成図、第10図はレーザビームをプリズム対
で拡大してレーザ媒質に与える固体レーザ装置の構成図
である。これらの図において、 10:レーザ媒質、20:全反射鏡、21:凹面鏡ないし全反射
鏡、30:部分反射鏡、31:凸面鏡ないし部分反射鏡、40:
半導体発光装置、41:半導体発光アレイないしレーザダ
イオードバー、50:ビーム拡大器、51〜53:放物面鏡、6
0:ビーム変換器、61:錐面、A:全反射範囲、B:発振レー
ザビーム、Be:拡大レーザビーム、Bo:出力レーザビー
ム、EL:励起光、F:焦点ないし焦線、L:レーザ光、であ
る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体装置で発光された励起光によってレ
    ーザ共振系内に配設された固体のレーザ媒質内の活性物
    質を励起するレーザ装置において、焦点を共有し焦点距
    離が互いに異なる1対の放物面鏡を含むビーム拡大器を
    レーザ共振系内に挿入して、これにより拡大されたレー
    ザビームをレーザ媒質内に通過させ、この通過範囲のレ
    ーザ媒質に励起光を注入するようにしたことを特徴とす
    る固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】半導体装置で発光された励起光によってレ
    ーザ共振系内に配設された固体のレーザ媒質内の活性物
    質を励起するレーザ装置において、錐面により棒状ビー
    ムを筒状ビームに拡大するビーム変換器をレーザ共振系
    内に挿入して、これにより拡大されたレーザビームをレ
    ーザ媒質内に通過させ、この通過範囲のレーザ媒質に励
    起光を注入するようにしたことを特徴とする固体レーザ
    装置。
  3. 【請求項3】半導体装置で発光された励起光によってレ
    ーザ共振系内に配設された固体のレーザ媒質内の活性物
    質を励起するレーザ装置において、レーザ共振系の1対
    の反射鏡の一方を反射鏡の相互間隔より曲率半径が大な
    凹面鏡,他方を凸面鏡とし、レーザ共振系内のレーザビ
    ームの断面が大な凹面鏡側にレーザ媒質を配設して励起
    光を注入するようにしたことを特徴とする固体レーザ装
    置。
  4. 【請求項4】半導体装置で発光された励起光によって固
    体のレーザ媒質内の活性物質を励起するレーザ装置にお
    いて、スラブ状もしくは方形ロッド状に形成されたレー
    ザ媒質内のレーザビームの進行方向を軸方向から傾けて
    平面に形成されたレーザ媒質の側面で全反射させ、この
    全反射範囲の側面から励起光をレーザ媒質に注入するよ
    うにした固体レーザ装置であって、レーザビームの傾き
    が、レーザ媒質の側面に反射コーティングを施すことな
    くレーザビームが該側面で全反射する大きさで、かつ、
    該側面で全反射したレーザビームがレーザ媒質の他の側
    面に到達することなくレーザ媒質の端面から出射する大
    きさであることを特徴とする固体レーザ装置。
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