JP2662612B2 - スターリングエンジン - Google Patents

スターリングエンジン

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JP2662612B2 JP63242412A JP24241288A JP2662612B2 JP 2662612 B2 JP2662612 B2 JP 2662612B2 JP 63242412 A JP63242412 A JP 63242412A JP 24241288 A JP24241288 A JP 24241288A JP 2662612 B2 JP2662612 B2 JP 2662612B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、冷暖房や発電に適したスターリングエンジ
ンに関する。
(従来の技術) 二つの等温変化と二つの等容変化からる可逆サイクル
を持つスターリングエンジンは、内部に封入したヘリウ
ムガスの如き作動ガスを外部冷却(一般にはクーラによ
る水冷)しながら低温(等温)圧縮し、又、外部加熱
(一般にはヒータへの燃焼熱の供給)しながら高温(等
温)膨脹させるサイクルを有する。このようなサイクル
を有するスターリングエンジンは、クーラの冷却水へ行
く廃熱が熱入力の約50%高と大きく、この廃熱を暖房や
給湯に使え、エネルギーの利用効率を高め得ることや、
熱効率や低公害性、多種燃料の利用可能といった特点か
ら、据え置きタイプの冷暖房機のエンジンとして注目さ
れている。即ち、冷暖房システムの圧縮機の動力源とし
てスターリングエンジンは好適と云える。
このようなスターリングエンジンは、ヒータと燃焼ガ
スとの伝熱効率がスターリングエンジンの効率に大きく
影響する。
(本発明が解決しようとする課題) 現状のヒータは、たとえば、多管式或いはプレートフ
ィン式の熱交換器が用いられていたが、これらは部品点
数が多い為、ロウ付・溶接箇所が多く、その製作の加工
工数が増え、また、伝熱面積を増加させる為に高温熱交
換器の大型化を招いた。
そこで、ヒータを多重円筒構造とする事で、部品点数
の減少、加工性の向上と小型化を図る事を解決すべき課
題とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、前述した課題を解決するために、ヒータが
膨脹シリンダを延長させた部分に有底中空円筒状体を配
した構成を有し、この円筒状体の円筒壁空間内に挿入さ
れた膨脹シリンダの環状延長部分の内外周面にフィンを
設けているスターリングエンジンを提供する。
好ましくは、フィンがステンレスの薄板に千鳥状の凹
凸を複数形成したものであり、中空円筒状体の内外周面
にフィンを設ける。
(作 用) 膨脹シリンダを延長させて、その内外周面に作動ガス
通路を形成するよう円筒状体を配してヒータとしている
ので、フィンを円筒状に配し、受熱面積を大とさせ得
る。
(実施例) 第1図を参照する。図示例のスターリングエンジン1
は、2気筒からなり、膨脹室2を作る膨脹シンリンダ3
内の膨脹ピストン4が、クロスヘッド5を介して、クラ
ンク6に連結される。クランク6の回転中心に対して45
度傾斜させて、クロスヘッド7を介して圧縮ピストン8
をクランク6に連結させる。この圧縮ピストン8は、圧
縮シリンダ9内を往復動し、圧縮室10の容積を可変とさ
せる。膨脹室2は、ヒータ11、再生器12及びクーラ13を
介して圧縮室10に連通し、ヘリウム等の作動ガスのスタ
ーリングサイクルを可能にさせる。
燃焼器について簡単に説明する。断熱外筒14の内側に
沿って燃焼用空気の予熱器15を配す。燃焼用空気は、ブ
ロア16から供給され、スロットルバルブ17により供給量
が調節されて予熱器15内に入る。予熱器15に入った空気
は、上昇し、次いで、予熱されながら下降して、環状の
セラミックバーナー18に入る。一方、燃料はコントロー
ル弁19′を介してバーナー18に供給される。バーナー18
から噴出された空気と燃料とが混合され、燃焼する。高
温燃焼ガスは、矢印の如く、ヒータ11の周囲を上下動し
ながら、作動ガスと熱交換を行い、中央の排気ダクト19
から外筒14内周に沿って流れ、予熱器15内を通って、出
口26より排出される。
ヒータ11により加熱された作動ガスは、膨脹室2内で
等温膨脹させる。一方、膨脹室から出た作動ガスはヒー
タ11を介して再生器12に入り、次いで、冷却水を用いた
クーラ13により冷却され、圧縮室10内で等温圧縮され
る。
各ピストン4,8と、ピストンロッドを保持する中間部
材21,22との間には、中間室23,24が設けられる。この中
間室23,24は、各ピストン4,8の往復動に伴い、その内部
圧を変動させ、各ピストン4,8の動きに抵抗を与える。
本例では、クランク室25の周りにバッファー室26を形成
し、両中間室23,24を通路27,28を介して、バッファー室
26に連通させ、中間室23,24の圧力変動を防止する。
クランク室25の内部に、フィルター29を介してオイル
室30を形成する。このオイル室30は、油路31を介してオ
イルポンプ32に通じ、このポンプ32により潤滑を必要と
する個所にオイルを供給する。
クランク6は、両ピストン4,8の往復動に伴い回転出
力が取出されるが、この出力は出力軸33より外部へ伝達
される。
第4図を参照して、燃焼器について述べる。断熱材で
覆れた外筒14の内周壁に沿って配された予熱器15は、ブ
ロアー16からの燃焼空気と排気ガスと熱交換する部分34
とバーナー18に通じる空気路35を有し、さらに、排気ガ
スを通す通路41を有する。空気路35に入った燃焼空気
は、バーナー18の孔36より、燃焼室37に供給される。燃
料通路38により調圧集合管39に入った燃料は、バーナー
18の孔40より燃焼室37に噴出され、混合気となって、ヒ
ータ11の外側で燃焼する。高温燃焼ガスは、ヒータ11の
外側から内側へと矢印の如く迂回し、作動ガスとの熱交
換を効率良く行う。排気ガスは、ヒータ11の中央空間に
延出している中央ダクト19より、燃焼室の外周側へと流
れ、予熱器15の通路41に入って燃焼用空気と熱交換しな
がら、出口20より排出される。
第5図に示す例は、第4図に示す例がエラミックバー
ナー18を介して、燃焼空気と燃料を供給しているが、空
気路35の下部に燃焼室に通じる空気供給口42を複数個、
好ましくは、外筒14の接線方向に向けて設ける。空気供
給口42の中心線と略直交するような中心線を有する燃料
噴射口43を設ける。両口42,43より空気と燃料を燃焼室3
7に噴出させる。この例では、ヒータ11まわりの排気ガ
スの流れ及びヒータと作動ガスとの熱交換は、第4図の
例と同じである。
第6図に示す例は、予熱器15を燃焼室37の外周に配す
ることなく、中央ダクト19を円筒14の中央より外側へ延
出させたものである。混合気を複数個のパイプ44を介し
て燃焼室37に噴出させ、燃焼させる。燃焼ガスは、第4
図及び第5図に示す例と同じく、ヒータ11の内外周面を
加熱しながら中央ダクト19より排気される。
第4図に示す例に用いられているバーナー18を、第6
図以下を用いて説明する。第7−9図に示すバーナー18
は、リング状のもので上下に半割となっている。即ち、
45で示す部分が上下部分の合せ面となっている。上部分
46と下部分47の合せ面45に水平な空気孔36が穿けられ
る。又、下部分47に上下方向に延在する燃料噴射孔40が
穿けられる。バーナー18の内周面の上側をテーパ面48と
し、空気と燃料の混合を一層密にさせる。第10−12図に
示す例は、上部46′と下部47′の合せ面45′を段付けと
した例である。空気孔36は、合せ面の段付けにより、第
11図に明確に示されるように、隣り合う同志が上下にず
れた形となっている。しかし、両孔36,40はその中心線
が略直交する形となっている。第13−14図に示す例は、
第6−8図に示す例と、ほぼ同じであるが、燃料噴射孔
40を空気供給孔36の途中で合流させたものである。
第15図を参照する。膨脹シリンダ3の上部をさらに上
方へ延出させ、この延出部分49のまわりに環状の空間50
を作るようにしてヒータ11を配す。ヒータ11は円筒状の
もので、その円筒壁内に空間50を形成し、この空間50内
に延出部分49を挿入する。その結果、この空間50は、再
生器12に通じる環状通路とこの通路に連通し且つ膨脹室
2に通じる環状通路とが形成され、この空間50内の作動
ガスはヒータ11の内外周面から熱を受けることになる。
ヒータ11に通じる再生器12は、円筒体51を膨脹シリン
ダ3まわりに配した時の環状空間52に詰られたドーナッ
ツ状のメッシュ53よりなる。メッシュはステンレス製に
して、線径50〜200μとし、この空間52の空間容積の略
半分を占めるようにメッシュ53を詰る。
第16a図に示す例は、再生器12の空間52に、50〜200μ
線径のステンレスの金属繊維53′を詰めたものである。
金属繊維53′はマンドレル54により空間52の50%の容積
を占めるように詰める。第16b図に示す例は金属繊維5
3″をドーナッツ状にカサ密度を略50%となるように予
め成形したものを空間52に詰めたものである。
第17図にヒータ11にフィン55を用いた例である。膨脹
シリンダ3の延長部分49の内外周面にフィン55を配し、
又円筒状のヒータ11の内外周面にフィン55を設け、伝熱
面積を増大させる。フィン55は第19図に示すように、薄
いステンレス板に千鳥状に凹凸を近接して連続させて表
面積を増大させたものである。上下の平坦面56を延長部
分49やヒータ11の内外周面に接着させる。作動ガスや燃
焼ガスは矢印で示す如き凹凸で形成された曲路を流れて
伝熱することになる。
第18図に示すフィン55が、第1図に示した空気予熱器
15に用いる。燃焼用空気が通る円筒状通路と排気ガスが
通る円筒状通路に、第18図に示すフィン55を円筒状に配
して燃焼用空気を予熱する。
バッファー室26は、クランク室25内で飛沫するオイル
がバッファー室26に侵入し難い位置に、第1図に示す如
く、穿けられた通路56,57により連通する。本例では、
通路27,28をクランク室25に直接連通させた場合に比
し、作動空間への油汚染がない。
第1図に関連してオイル室30をクランク室25の下部に
フィルター29を介して配することを述べたが、フィルタ
ー29は、クランク室25のオイルレベル以下に位置させ
る。この結果、ポンプ32の吸引力によりオイルはフィル
ター29を容易に通過できる。
第1図から明らかなように、膨脹ピストン4の作動中
心と圧縮ピストン8の作動中心とがクランク軸6に対し
45度のずれをもって連結されている。このため、クーラ
13と圧縮室10を連結させる構造も三次元的要素を必要と
する。第20図を参照する。クーラ13のヘッド57に、バカ
穴を介して第1のフランジ58を固定させる。このバカ穴
を利用した第1のフランジ58の取付はY方向の位置調整
を可能にする。圧縮シリンダ9のヘッド59にバカ穴を介
して固定される第2のフランジ60がX方向の位置調整を
可能にする。即ち、バカ穴の利用は両ヘッド57,59に対
して両フランジ58,60を相対的に動かすことができる。
パイプ61の一端は、第1のフランジ58の通路内に熔接さ
れ、又、他端が第2のフランジ60の通路内にO−リング
を介して挿入され、このパイプ61と第2のフランジ60と
の相対的動きがZ方向の位置調整を可能にする。
(効 果) 本発明は、ヒータを多重円筒構造とする事で、小型化
を図り、またヒータ用部品点数を少なくし、多重円筒構
造で、ロウ付溶接箇所も少ないので加工性が良い。又、
アニュラータイプとした場合、ガス分岐のためのマニホ
ールドを設ける必要がなく、作動ガスの流れの均一性が
図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一例の断面図、第2図はオイルポンプ
部の部分断面図、第3図は出力軸の部分の断面図、第4
図は燃焼室内を示す断面図、第5図及び第6図は別の燃
焼器を示す断面図、第7図はバーナーの部分平面図、第
8図は同バーナーの縦断面図、第9図はその正面図、第
10図は別の例のバーナーの部分平面図、第11図は同バー
ナーの縦断面図、第12図はその正面図、第13図は他の例
の部分平面図、第14図はその断面図、第15図は再生器の
一例を示す断面図、第16aとb図は再生器の別の例を示
す断面図、第17図はヒータ部分の断面図、第18図はヒー
タの横断面図、第19図はフィンの部分斜視図、第20図は
クーラと圧縮室とを連通させる構造を示す部分断面図で
ある。 図中:1……スターリングエンジン、2……膨脹室、4…
…膨脹ピストン、6……クランク、8……圧縮ピスト
ン、10……圧縮室、11……ヒータ、12……再生器、13…
…クーラ、14……外筒、15……予熱器、18……バーナ
ー、19……排気ダクト、23,24……中間室、25……クラ
ンク室、26……バッファー室、27,28……通路、29……
フィルター、37……燃焼室、45……合せ面、50……ヒー
タの空間、53……メッシュ、55……フィン、58……第1
のフランジ、60……第2のフランジ、61……パイプ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−79145(JP,A) 特開 昭61−265344(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膨脹室をヒータ、再生器及びクーラを介し
    て圧縮室に通じるスターリングエンジンにおいて、前記
    ヒータが膨脹シリンダを延長させた部分に有底中空円筒
    状体を配した構成を有し、この円筒状体の円筒壁空間内
    に挿入された膨脹シリンダの環状延長部分の内外周面に
    フィンを設けているスターリンググエンジン。
  2. 【請求項2】フィンがステレンスの薄板に千鳥状の凹凸
    を複数形成したものである請求項(1)のスターリング
    エンジン。
  3. 【請求項3】中空円筒状体の内外周面にフィンを設けて
    いる請求項(2)のスターリングエンジン。
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