JP2659745B2 - ▲iii▼−v族化合物結晶物品およびその形成方法 - Google Patents

▲iii▼−v族化合物結晶物品およびその形成方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はIII−V族化合物結晶物品およびその形成法
に関し、特に結晶形成面の材料の種類による堆積材料の
核形成密度の差を利用して作成したIII−V族化合物単
結晶物品ないし粒径が制御されたIII−V族化合物多結
晶物品およびそれ等の形成方法に関するものである。
本発明は、例えば半導体集積回路、光集積回路、光素
子等に使用される単結晶や絶結晶等の結晶の形成に適用
される。
[従来の技術] 従来、半導体電子素子や光素子等に用いられる単結晶
薄膜は、単結晶基体上にエピタキシャル成長させること
で形成されていた。例えば、Si単結晶基板(シリコンウ
エハ)上には、Si,Ge,GaAs等を液相、気相または固相か
らエピタキシャル成長することが知られており、またGa
As単結晶基板上にはGaAs,GaAlAs等の単結晶がエピタキ
シャル成長することが知られている。このようにして形
成された半導体薄膜を用いて、半導体素子および集積回
路、半導体レーザやLED等の発光素子等が作製される。
また、最近、二次元電子ガスを用いた超高速トランジ
スタや、量子井戸を利用した超格子素子等の研究開発が
盛んであるが、これらを可能にしたのは、例えば超高真
空を用いたMBE(分子線エピタキシー)やMOCVD(有機金
属化学気相法)等の高精度エピタキシャル技術である。
このような単結晶基板上のエピタキシャル成長では、
基板の単結晶材料とエピタキシャル成長層との間に、格
子定数と熱膨張係数とを整合をとる必要がある。この整
合が不十分であると格子欠陥がエピタキシャル層に発達
する。また基板を構成する元素がエピタキシャル層に拡
散することもある。
このように、エピタキシャル成長による従来の単結晶
薄膜の形成方法は、その基板材料に大きく依存すること
が分る。Mathews等は、基板材料とエピタキシャル成長
層との組合わせを調べている(EPITAXIAL GROWTH.Acade
mic Press,New York,1975 ed.by J.W.Mathews)。
また、基板の大きさは、現在Siウエハで6インチ程度
であり、GaAs,サファイア基板の大型化は更に遅れてい
る。加えて、単結晶基板は製造コストが高いために、チ
ップ当りのコストが高くなる。
このように、従来の方法によって、良質な素子が作製
可能な単結晶層を形成するには、基板材料の種類が極め
て狭い範囲に限定されるという問題点を有していた。
一方、半導体素子を基板の法線方向に積層形成し、高
集積化および多機能化を達成する三次元集積回路の研究
開発が近年盛んに行われており、また安価なガラス上に
素子をアレー状に配列する太陽電池や液晶画素のスイッ
チングトランジスタ等の大面積半導体装置の研究開発も
年々盛んになりつつある。
これら両者に共通することは、半導体薄膜を非晶質絶
縁物基体上に形成し、該半導体薄膜にトランジスタ等の
電子素子を形成する技術を必要とすることである。その
中でも特に、非晶質絶縁物基体上に高品質の単結晶半導
体層を形成する技術が望まれている。
一般的に、SiO2等の非晶質絶縁物基体上に薄膜を堆積
させると、基体材料の長距離秩序の欠如によって、堆積
膜の結晶構造は非晶質または多結晶となる。ここで非晶
質膜とは、最近接原子程度の近距離秩序は保存されてい
るが、それ以上の長距離秩序はない状態のものであり、
多結晶膜とは、特定の結晶方位を持たない単結晶粒が粒
界で隔離されて集合したものである。
例えば、SiO2上にSiをCVD法によって形成する場合、
堆積温度が約600℃以下であれば非品質シリコンとな
り、それ以上の温度であれば粒径が数百〜数千Åの間で
分布した多結晶シリコンとなる。ただし、多結晶シリコ
ンの粒径およびその分布は形成方法によって大きく変化
する。
更に、非結晶膜または多結晶膜をレーザや棒状ヒータ
等のエネルギビームによって溶融固化させることによっ
て、ミクロンあるいはミリメートル程度の大粒径の多結
晶薄膜が得られている(Single−Crystal silicon on n
on−single−crystal insulators,Journal of crystal
Growth vol.63,No.3,October,1983 edited by G.W.Gull
en)。
このようにして形成された各結晶構造の薄膜にトラン
ジスタを形成し、その特性から電子易動度を測定する
と、非晶質シリコンでは〜0.1cm2/V・sec、数百Åの粒
径を有する多結晶シリコンで1〜10cm2/V・sec、溶融固
化による大粒径の多結晶シリコンで単結晶シリコンの場
合と同程度の易動度が得られている。
この結果から、結晶粒内の単結晶領域に形成された素
子と、粒界にまたがって形成された素子とは、その電気
的特性に大きな差異のあることが分る。すなわち、従来
法で得られていた非晶質基体上の半導体堆積膜は非晶質
構造または粒径分布をもった多結晶構造であり、それ等
の堆積膜中に作製された半導体電子素子は、単結晶層に
作製された半導体電子素子に比べて、その性能が大きく
劣るものとなる。そのために、用途としては簡単なスイ
ッチング素子、太陽電池、光電変換素子等に限られてい
る。
また、溶融固化によって大粒径の多結晶薄膜を形成す
る方法は、ウエハごとに非晶質薄膜または多結晶薄膜を
大粒径化多結晶薄膜とするのにエネルギビームを走査す
るために、大粒径化に多大な時間を要し、量産性に乏し
く、また大面積化に向かないという問題点を有してい
た。
[発明が解決しようとする問題点] 他方、III−V族化合物半導体は、超高速デバイス、
光素子などの、Siでは実現できない新しいデバイスを実
現し得る材料として期待されているが、III−V族化合
物結晶は、これまでSi単結晶基体上あるいはIII−V族
化合物単結晶基体上にしか成長させることができず、デ
バイス作製上の大きな障害となっていた。
以上述べたように、従来のIII−V族化合物結晶成長
方法およびそれによって形成される結晶では、三次元集
積化や大面積化が容易ではなく、デバイスのへの実用的
な応用が困難であり、優れた特性を有するデバイスを作
製するために必要とされる単結晶および多結晶等の結晶
を容易に、かつ低コストで形成することができなかっ
た。
本発明はこのような従来の欠点を解決し、大面積に成
長させた良質のIII−V族化合物結晶物品、結晶粒径お
よび結晶粒の所在位置が所望通りに良く制御されたIII
−V族化合物結晶物品およびSiO2などの非晶質絶縁性基
体上に形成されたIII−V族化合物結晶物品を提供する
ことにある。
また本発明の他の目的は上述したIII−V族化合物結
晶物品を、特別な装置を用いず、簡単な工程で効率よく
形成する方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] かかる目的を達成するために、本発明は、核形成密度
の小さい非核形成面(SNDS)と、非核形成面(SNDS)に
隣接して配され、単一核のみより結晶成長するに充分小
さい面積と非核形成面(SNDS)の核形成密度(NDS)よ
り大きい核形成密度(NDL)とを有し、非晶質材料から
なる核形成面(SNDL)とを有する基体と該基体上の前記
単一核より成長して、核形成面(SNDL)を越えて非核形
成面(SNDS)に延在しているIII−V族化合物単結晶と
を有することを特徴とする。
また本発明は、核形成密度の小さい非核形成面
(SNDS)と、単一核のみより結晶成長するに充分小さい
面積と非核形成面(SNDS)の核形成密度(NDS)より大
きい核形成密度(NDL)を有し、非晶質材料で形成され
た核形成面(SNDL)とを隣接して配された自由表面を有
する基体に、周期律表第III族原子供給用の原料と周期
律表第V族原子供給用の原料とを含む気相中で結晶形成
処理を施して、単一核よりIII−V族化合物単結晶を成
長させることを特徴とする。
さらに本発明は、核形成密度の小さい非核形成面(S
NDS)を有する基体の非該形成面(SNDS)の所望位置に
非核形成面(SNDS)の核形成密度(NDS)より大きい核
形成密度(NDL)を有し、かつ単一核のみより結晶成長
するに充分小さい面積の核形成面(SNDL)を非晶質材料
で形成し、次いで、周期律表第III族原子供給用の原料
と周期律表第V族原子供給用の原料とを含む気相中で前
記基体に結晶形成処理を施して、単一核を核形成面(S
NDL)に形成し核単一核よりIII−V族化合物単結晶を成
長させることを特徴とする。
[作 用] 本発明によるIII−V族化合物結晶物品は、従来のよ
うに下地基板の材料に制約されることがないために、三
次元集積化、大面積化および低コスト化を容易に達成す
ることができる。例えば、III−V族化合物の単結晶や
多結晶を非晶質絶縁物基体上に容易に形成することがで
きるために、電気的特性の優れた素子の多層化を達成で
き、従来にない多機能の集積回路を実現することができ
る。
また本発明のIII−V族化合物結晶の形成方法は、非
核形成面(SNDS)形成用の材料より核形成密度(ND)の
十分大きい材料で核形成面(SNDL)を単一の核だけが成
長するように十分微細な大きさに形成することによっ
て、その微細な核形成面(SNDL)の存在する箇所と一対
一に対応して単結晶を選択的に成長させるものであり、
これによって必要な大きさの単結晶、複数の島状の単結
晶、粒径および粒径分布が制御された多結晶等の結晶を
任意の材料の下地基板上に容易に形成することができ
る。しかも、特別に新たな製造装置を必要とせ0ず、通
常の半導体プロセスで使用される装置を用いて形成する
ことができる。
[実施態様の説明] 本発明をより良く理解するためにまず、金属や半導体
の一般的な薄膜形成過程を説明する。
堆積面(結晶成長面)が飛来する原子と異なる種類の
材料、特に非晶質材料である場合、飛来する原子は基体
表面を自由に拡散し、または再蒸発(脱離)する。そし
て原子同志の衝突の末、核が形成され、その自由エネル
ギGが最大となるような核(臨界核)の大きさrc(=−
2σ0/gv)以上になると、Gは減少し、核は安定に三次
元的に成長を続け、島状となる。rcを越えた大きさの核
を「安定核」と呼び、以降の発明の基本的な説明に於い
て、何等断わることなしに「核」と記した場合は、この
「安定核」を示すものとする。
また、「安定核」の中rの小さいものを「初期核」と
呼ぶ。核を形成することによって生ずる自由エネルギG
は、 G=4πf(θ)(σ0r2+1/3・gv・r3) f(θ)=1/4(2−3cosθ+cos2θ) ただし、 r:核の曲率半径 θ:核の接触角 gv:単位堆積あたりの自由エネルギ σ0:核と真空間の表面エネルギ と表わされる。Gの変化の様子を第1図に示す。同図に
おいて、Gが最大値であるときの安定核の曲率半径がrc
である。
このように核が成長して島状になり、更に成長にして
島同志の接触が進行し、場合によっては合体が起こり、
網目状構造を経て最後に連続膜となって基体表面を完全
に覆う。このような過程を経て基体上に薄膜が堆積す
る。
上述したような堆積過程において、基体表面の単位面
積当りに形成される核の密度、核の大きさ、核形成速度
は、堆積の系の状態で決定され、特に飛来原子と基体表
面物質との相互作用が重要な因子となる。また、堆積物
質と基体との界面の界面エネルギの結晶面に対する異方
性によってある特定の結晶方位が基板に平行に成長する
が、基体が非晶質である場合には、基体平面内での結晶
方位は一定ではない。このために、核あるいは島同志の
衝突により粒界が形成され、特にある程度の大きさ以上
の島同志の衝突であれば合体が起きるとそのまま粒界が
形成される。形成された粒界は固相では移動しにくいた
めに、その時点で粒径が決定される。
次に、堆積面上に選択的に堆積膜を形成する選択的堆
積膜形成法について述べる。選択的堆積膜形成方法と
は、表面エネルギ、付着係数、脱離係数、表面拡散速度
等という薄膜形成過程での核形成を左右する因子の材料
間での差を利用して、基体上に選択的に薄膜を形成する
方法である。
第2図(A)および(B)は選択的堆積膜形成法の説
明図である。まず同図(A)に示すように、基板1上
に、基板1と上記因子の異なる材料から成る薄膜2を所
望部分に形成する。そして、適当な堆積条件によって適
当な材料から成る薄膜の堆積を行うと、薄膜3は薄膜2
の自由表面上にのみ成長し、基板1の自由表面上には成
長しないという現象を生じさせることができる。この現
象を利用することで、自己整合的に成形された薄膜3を
成長させることができ、従来のようなレジストを用いた
リソグラフィ工程の省略が可能となる。
このような選択的堆積膜形成法による堆積を行うこと
ができる材料としては、例えば基板1としてSiO2、薄膜
2としてSi,GaAs,窒化シリコン、そして堆積させる薄膜
3としてSi,W,GaAs,InP等がある。
III−V族化合物結晶はSi基板,III−V族化合物基板
上に成長させることができ、SiO2基板上には成長しにく
いことが知られている。しかし、SiO2基板に周期律法の
III族元素(原子),V族元素(原子)のイオン、またはI
I族元素(原子),VI族元素(原子)のイオンを打込ん
で、イオン打込み部の核形成密度(ND)を高め、SiO2
板の核形成密度との差(△ND)を十分に大きくして、II
I−V族化合物の選択堆積を行うことができる。
またSiO2など小さい核形成密度(ND2)を有する材料
面に、大きな核形成密度(NDL)を有する異なる材料を
付加し核形成密度差(△ND)を利用して選択的に堆積膜
を形成することもできる。
本発明は、このような核形成密度差(△ND)に基づ
く、選択的堆積法を利用するものであって、堆積面(結
晶形成面)を形成する材料より核形成密度が十分大き
く、前記材料とは異種の材料から成る核形成面を単一の
核だけが成長するように十分微細に形成することによっ
て、その微細な核形成面だけに単結晶を選択的に成長さ
せるものである。
なお、単結晶の選択的成長は、核形成面の電子状態、
特にダングリングボンドの状態によって決定されるため
に、核形成面を形成する核形成密度の低い材料(例えば
SiO2)はバルク材料である必要はなく、核形成面は任意
の材料の基板の表面に形成されていればよい。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
第3図(A)〜(D)は、本発明による結晶の形成方
法の第1実施態様例を示す形成工程図であり、第4図
(A)および(B)は、第3図(A)および(D)にお
ける斜視図である。
まず、第3(A)および第4図(A)に示すように、
高融点ガラス,石英,アルミナ,セラミックスなどの高
温に耐える材質の基板4上に、選択核形成を可能にする
核形成密度の小さい薄膜5[非核形成面(SNDS)を形成
し、その上に核形成密度の小さい薄膜5を形成する材料
とは異種の材料を薄く堆積させ、リソグラフィ等によっ
てパターニングすることで異種材料から成る核形成面
(SNDL)(または「Seed」と呼ぶ)6を十分微細に形成
して、結晶形成用の基体を得る。ただし、基板4の大き
さ、結晶構造および組成は任意のものでよく、通常の半
導体技術で作成した機能素子が既に形成された基板であ
ってもよい。また異種材料から成る核形成面(SNDL)6
とは、上述したように、GaやAs等を薄膜5をイオン注入
して形成される変質領域も含めるものとする。さらに核
形成面(SNDL)とは、実質的に核が形成される面であれ
ば良く、非晶質材料で構成される。
次に、適当な堆積条件を選択することによって核形成
面(SNDL)6だけに薄膜材料の単一の核が形成される。
すなわち、核形成面(SNDL)6は、単一の核のみが形成
される程度に十分微細に形成する必要がある。核形成面
(SNDL)6の大きさは、材料の種類によって異なるが、
数ミクロン以下であればよい。さらに核は単結晶構造を
保ちながら成長し、第3図(B)に示すように島状の単
結晶粒7となる。島状の単結晶粒7が形成されるために
は、すでに述べたように、薄膜5の自由表面上では全く
核形成が起こらないように結晶形成処理条件を決めるこ
とが望ましいものである。
島状の単結晶粒7は単結晶構造を保ちながら核形成面
(SNDL)6を中心にして更に成長し(lateralovergrowt
h)、同図(C)に示すように薄膜5の一部または全体
を覆うことが出来る(単結晶7A)。
続いて、必要に応じてエッチングまたは研磨によって
単結晶7Aの表面を平坦化し、第3図(D)および第4図
(B)に示すように、所望の素子を形成することができ
る単結晶層8が薄膜5上に形成される。このように非核
形成面(SNDS)を形成する薄膜5が基板4上に形成され
ているために、支持体となる基板4は任意の材料を使用
することができる。さらにこのような場合には基板4に
通常の半導体技術によって機能素子等が形成されたもの
であっても、その上に容易に単結晶層8を形成すること
ができる。
なお、上記実施態様例では、非核形成面(SNDS)を薄
膜5で形成したが、勿論第5図に示すように、選択核形
成を可能にする核形成密度(ND)の小さい材料から成る
基板をそのまま用いて、核形成面(SNDL)を所望に応じ
た任意位置に設けることで結晶形成用の基体を用意し
て、該基体上に単結晶層を同様に形成してもよい。
第5図(A)〜(D)は、本発明の第2実施態様例を
示す結晶の形成工程図である。同図に示すように、選択
核形成を可能にする核形成密度(ND)の小さい材料から
成る基板9上に、核形成密度(ND)の大きい材料から成
る核形成面(SNDL)6を十分微小に形成することで結晶
形成用の基体として、核基体上に、第1実施態様例と同
様にして単結晶層8を形成することができる。
第6図(A)〜(D)は、本発明による結晶の形成方
法の第3実施態様例を示す形成工程図であり、第7図
(A)および(B)は、第6図(A)および(D)にお
ける斜視図である。
第6図(A)および第7図(A)に示すように、非晶
質絶縁性の基板11上に、距離lを隔てて上記基板11とは
異種の材料で核形成面(SNDL)12−1,12−2を十分に小
さく配置する。この距離lは、例えば半導体素子または
素子群を形成するために必要とされる単結晶領域の大き
さと同じかまたはそれ以上に設定される。
次に、適当な結晶形成条件を選択することによって、
核形成面(SNDL)12−1,12−2だけに結晶形成材料の核
の唯一が形成される。すなわち、核形成面12−1,12−2
は単一の核のみが形成される程度に十分微細な大きさ
(面積)に形成する必要がある。核形成面(SNDL)12−
1,12−2の大きさは、材料の種類によって異なるが、好
ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、最適
には1μm以下が望ましい。さらに、核は単結晶構造を
保ちながら成長し、第6図(B)に示すように島状の単
結晶粒13−1,13−2となる。島状の単結晶粒13−1,13−
2が形成されるためには、すでに述べたように、基板11
上の核形成面(SNDL)以外の表面で全く核の形成が起こ
らないように結晶形成処理条件を決めることが望ましい
ものである。
島状の単結晶粒13−1,13−2の基板11の法線方向の結
晶方位は、基板11の材料および核を形成する材料の界面
エネルギを最小にするように一定に決まる。なぜなら
ば、表面あるいは界面エネルギは結晶面によって異方性
を有するからである。しかしながら、すでに述べたよう
に、非晶質基板における基板面内の結晶方位は決定され
ない。
島状の単結晶粒13−1,13−2はさらに成長して、単結
晶13A−1,13A−2となり、第6図(C)に示すように隣
りの単結晶13A−1,13A−2が互いに接触するが、基板面
内の結晶方位は一定ではないために、核形成面(SNDL
12−1と12−2の中間位置に結晶粒界14が形成される。
続いて、単結晶13A−1,13A−2は三次元的に成長する
が、成長速度の遅い結晶面がファセットとして現われ
る。その為に、エッチングまたは研磨によって単結晶13
A−1,13A−2の表面の平坦化を行い、更に粒界14の部分
を除去して、第6図(D)および第7図(B)に示すよ
うに粒界を含まない単結晶の薄膜15−1,15−2,15を格子
状に形成する。この単結晶薄膜15−1,15−2,15の大きさ
は、上述したように核形成面(SNDL)12の間隔lによっ
て決定される。すなわち、核形成面(SNDL)12の形成パ
ターンを適当に定めることによって、粒界の位置を制御
することができ、所望の大きさの単結晶を所望の配列で
形成することができる。
第8図(A)〜(D)は、本発明の第4実施態様例を
示す結晶の形成工程図である。同図に示すように、第1
実施態様例と同様に所望の基板4上に、核形成密度(N
D)の小さい材料から成る薄膜状の非核形成面(SNDS
5を形成し、その上に間隔lで核形成密度(ND)の大き
い異種材料から成る核形成面(SNDL)12を形成して基体
を用意し、上記第3実施態様例と同様にして単結晶層15
を形成することができる。
第9図(A)〜(C)は、本発明による結晶の形成方
法の第5実施態様例を示す形成工程図であり、第10図
(A)および(B)は、第9図(A)および(C)にお
ける斜視図である。
まず、第9図(A)および第10図(A)に示すよう
に、非晶質絶縁性基板11に所望の大きさおよび形状の凹
部16を形成し、その中に単一核のみが形成され得るに充
分微小面積サイズの核形成面(SNDL)12を形成する。
続いて、第9図(B)に示すように、第1実施態様例
と同様にして島状の単結晶粒13を成長させる。
そして、第9図(C)および第10図(B)に示すよう
に、単結晶粒13が凹部16を埋めるまで成長させ、単結晶
層17を形成する。
本実施態様例では、凹部16内に単結晶粒13が成長する
ために、平坦化および粒界部分の除去工程が不要とな
る。
第11図(A)〜(C)は、本発明の6実施態様例を示
す結晶の形成工程図である。同図に示すように、第1実
施態様例と同様の任意の基板4上に、核形成密度(ND)
の小さい材料から成る薄膜状の非核形成面(SNDS)18を
形成し、そこに所望の大きさおよび形状の凹部16を形成
する。そして、その中に非核形成面(SNDS)を形成する
材料とは、異種の材料であって、核形成密度(ND)の大
きい材料から成る核形成面(SNDL)12を微小面積に形成
し、第5実施態様例と同様にして単結晶層17を形成す
る。
第12図(A)〜(C)は、本発明の第7実施態様例を
示す結晶の形成工程図である。所望の基板19に凹部に形
成した後、充分核形成密度(ND)の小さい材料から成る
薄膜状の非核形成面(SNDS)20を形成し、以下前記の例
と同様にして単結晶層17を形成することができる。
第13図(A)〜(D)は、本発明の第8実施態様例を
示す結晶の形成工程図である。
同図(A)〜(C)は第6図の(A)〜(C)と同じ
である。すなわち、核形成面12を間隔lをおいて複数個
(図では2ケ)形成し、核形成面12上にovergrowthさせ
た単結晶粒13を形成する。この単結晶粒13を更に成長さ
せて単結晶13Aを形成することによって核形成面
(SNDL)23のほぼ中央に粒界14が形成され、単結晶13A
の表面を平坦化することで第13図(D)に示すように粒
径が略々lに揃った多結晶層21を得ることができる。
この多結晶層21の粒径は核形成面(SNDL)12の間隔l
によって決定されるために、多結晶の粒径制御が可能と
なる。従来では、多結晶の粒径は形成方法や形成温度等
の複数の要因によって変化し、かつ大きい粒径の多結晶
を作成する場合には、かなり幅をもった粒径分布を有す
るものであったが、本発明によれば核形成面12の間隔l
を決めることで制御性良く粒径および粒径分布が決定さ
れる。
勿論、第8図に示すように、所望基板4上に核形成密
度(ND)の小さい非核形成面(SNDS)5と核形成密度
(ND)の大きい核形成面(SNDL)12−1,12−2を形成し
て、上記多結晶層21を形成してもよい。この場合は、既
に述べたように、基板材料や構造等に制約されることな
く、多結晶層21を粒径と粒径分布を制御して形成するこ
とができる。
次に、上記核実施態様例における単結晶層または多結
晶層の具体的形成方法をより具体的、より詳細に説明す
る。
実施例1 第14図を参照して本発明の第1の実施例としてSiO2
へのGaAs膜の形成法を説明する。
まず高融点ガラスからなる基板4上に、シラン(Si
H4)と酸素(O2)を用いて通常用いられているCVD装置
によるCVD(化学気相法)によって、SiO2膜5を約1000
Å程度に堆積した。SiO2膜上のGaAsの核形成密度(N
DS)は小さく、このSiO2膜5が非核形成面(SNDS)を形
成するものとなる。基板4上にSiO2膜を設けるのでな
く、SiO2,アルミナ等の材料で基板4そのものを構成し
てもよい。
次にフォトレジストで所望のパターンにSiO2膜5の表
面をマスクした。
フォトレジストでマスクした上面からイオンインプラ
ンタを用いてAsイオンを打込んだ。Asイオンは露出され
たSiO2膜表面にのみ打込まれた[第14図(A)]。打込
み量は2.5×1016/cm2であった。Asイオンの打込まれな
いSiO2膜表面ではGaAsの核形成密度(NDS)は小さく、
この部分が非核形成面(SNDS)となる。一方、Asイオン
が打込まれた領域12−1,12−2では非核形成面(SNDS
より大きな核形成密度(NDL)をもち、この部分が核形
成面(SNDL)となる。この時、イオン打込み部分の大き
さは1.2μm四方とした。この様にして結晶形成用の基
体を作成した。
SiO2膜上よりフォトレジストを剥離した後、基体をH2
雰囲気中で約900℃で10分間程度熱処理し、表面を清浄
化した。
ついで基体を600℃に加熱しながら、基体表面にキャ
リアガスH2とともにトリメチルガリウム(Ga(CH33:T
MGと記す)とアルシン(AsH3)をモル比で1:60の比で流
し、MOCVD(有機金属化学気相)法によってGaAs結晶を
基体上に成長させた。反応圧力は約20Torrとした。この
状態をしばらく維持すると、領域12−1,12−2表面に単
一核が形成され、該単一核より単結晶成長が始まった。
その結果、第14図(B)に示すように、GaAs結晶13−1,
13−2はAsイオンを打込んで形成した核形成面(SNDL
12−1,12−2上より結晶成長し、非核形成面(SNDS)す
なわちAsイオンの打込まれていないSiO2膜表面上よりは
GaAs結晶は成長しなかった。
GaAs結晶13−1,13−2はさらに成長を続け、第14図
(C)に示すようにGaAs結晶13A−1,13A−2は互いに接
するようになった。その段階で結晶成長を止め(結晶形
成処理を中断)た。GaAs結晶13A−1,13A−2の表面を研
摩し、粒界をエッチングすると第14図(D)に示すよう
なGaAs単結晶15−1,15−2が得られた。基体温度は、60
0℃、反応圧力は50torrであった。
この様にして得られたGaAs単結晶15−1,15−2の評価
を電子顕微鏡による観察およびX線回折によって行った
ところ、単結晶15−1,15−2の夫々の粒径が80μmで粒
径分布が殆どない50×100個のGaAs単結晶が基体上に形
成されていた。
これらのGaAs単結晶はいずれも極めて良質の単結晶性
を有していることが示された。
実施例2 第8図を参照して本発明の第2の実施例を説明する。
まずセラミックス基板4の表面に、SiH4とO2を用いた
熱CVD法によってSiO2膜5を1000Å程度堆積した。
次に、アーク放電型イオンプレーティング装置を用い
て、SiO2膜5上にAl2O3膜を堆積した。その際装置内を1
0-5Torrまで排気した後、O2ガスを分圧で3×10-4Torr
導入し、イオン化電極50V,基板電位−50V,出力500Wとし
た。その結果、SiO2膜5上にAl2O3約が約300Å堆積し
た。電子線回折法で分析したところ、このAl2O3膜は非
晶質であった。
フォトレジストで所定のパターンにAl2O3膜上をマス
クし、H3PO4:HNO3:CH3COOH:H2O=16:1:2:1の溶液でAl2O
3膜の露出されている部分をエッチングして核形成面12
−1,12−2を形成した(第8図(A)参照)。この時、
基板4を40℃程度に加熱した。核形成面12−1,12−2の
大きさは1.2μm四方とした。この様にして結晶形成用
の基体を作成した。
その後、フォトレジストを剥離した後、基体をH2雰囲
気中で約900℃で10分間程度熱処理し、表面を清浄化し
た。SiO2表面5ではGaAsの核形成密度(NDS)は小さ
く、この部分が非核形成面(SNDS)となる。一方、Al2O
3膜12−1,12−2は非核形成面(SNDS)5より大きな核
形成密度(NDL)をもち、この部分が核形成面(SNDL
となる。
ついで基体600℃に加熱しながら、基体表面にキャリ
アガスH2とともにトリメチルガリウム(TMG)とアルシ
ン(AsH2)をモル比で1:60の比で流し、MOCVD(有機金
属化学気相)法によってGaAs膜を成長させる。反応応力
は約20Torrとした。GaAs結晶13−1,13−2はAl2O3核形
成面(SNDL)12−1,12−2上のみより結晶成長し、非核
形成面(SNDS)5すなわちSiO2表面上には結晶成長する
に充分な核は1つも形成されなかった。
さらに結晶成長処理を続けて、実施例1と同様に良質
のGaAs単結晶を得た。基体温度は600℃,反応圧力は50T
orrであった。
実施例3 セラミックスからなる高温に耐える基板の表面に、ア
ーク放電型イオンプレーティング装置を用いて、Al2O3
膜を約300Å堆積した。
次にSiH4とO2を用いた熱CVD法によってSiO2膜を約100
0Å堆積した。
フォトレジストで所定のパターンにSiO2膜上をマスク
し、CHCl2Fを用いた反応性イオンエッチングによってSi
O2膜の露出されている部分をエッチングしてAl2O3膜の
一部を露出して核形成面を形成した。この時、基板を40
0℃程度に加熱した。核形成面の大きさは数1.2μm四方
とした。この様にして結晶形成用の基体を作成した。
フォトレジストを剥離した後、基体をH2雰囲気中で約
900℃で10分間程度熱処理し、表面を清浄化した、SiO2
膜表面ではGaAsの核形成密度(NDS)は小さく、この部
分が非核形成面(SNDS)となる。一方、Al2O3膜は非核
形成面(SNDS)より大きな核形成密度(NDL)をもち、
この部分が核形成面(SNDL)となる。
ついで基体を600℃に加熱しながら、基体表面にキャ
リアガスH2とともにトリメチルガリウム(TMG)とアル
シン(AsH3)をモル比で1:60の比で流し、MOCVD(有機
金属化学気相)法によってGaAs単結晶を成長させた。反
応圧力は約20Torrとした。GaAs結晶はAl2O3核形成面(S
NDL)上にのみ単一核が形成され核単一核より成長し、
非核形成面(SNDS)すなわちSiO2膜表面上からは単一の
核の形成による該核よりのGaAs結晶の成長はみられなか
った。
さらに結晶成長処理を続けて、実施例1と同様に良質
のGaAs単結晶を得た。
実施例4 石英基板の上に、プラズマCVDを用いて窒化シリコン
膜を約300Å堆積した。この時、H2:SiH4:NH3=8:2:5の
比で流し、反応圧力は0.16torr,RFパワーは10W,基板温
度は300℃であった。
次にフォトレジストでパターンニングし、窒化シリコ
ン膜を1.2μm四方の大きさにした、この残存する微少
面積の窒化シリコン膜が核形成面となり、露出した石英
基板表面が非核形成面となる。
フォトレジストを剥離した後、基板をH2雰囲気中で約
900℃で10分熱処理して、表面を清浄化した。この様に
して結晶形成用の基体を作成した。
ついでこの基体を600℃に加熱しながら、基体表面に
キャリアガスH2とともにトリメチルガリウム(TMG)と
アルシン(AsH3)をモル比で1:60の比で流し、MOCVD
(有機金属化学気相)法によってGaAs膜を成長させた。
反応圧力は約20Torrとした。GaAs結晶は窒化シリコン核
形成面(SNDL)上にのみ形成された単一核を基に結晶成
長し、非核形成面(SNDS)すなわち石英表面上には結晶
成長用の核は形成されなかった。
実施例5 次の様にしてGaAlAs混晶III−V族化合物単結晶を選
択的に形成した。
実施例1と同様にして、高融点ガラス基板4上にSiH4
とO2を用いた熱CVD法によってSiO2膜5を約1000Å堆積
した後、フォトレジストで所望のパターンにSiO2膜表面
をマスクし、イオンプランターを用いてAsイオンを露出
しているSiO2を模中に2.5×1016/cm2打込み領域12−1,1
2−2の大きさは1.2μm四方とした。この様にして結晶
形成用の基体を用意した。
ついでレジスト膜を剥離し、基体をH2雰囲気中で約90
0℃10分間程度熱処理して表面を清浄化した。
GaAlAs混晶に対してもAsイオンの打込まれないSiO2
分は小さい核形成密度(NDS)をもち、比核形成面(S
NDS)となる。一方、Asイオンが打込まれた部分12−1,1
2−2はより大きな核形成密度(NDL)を有し、核形成面
(SNDL)となる。
このように核形成密度の差(△ND)を有する核形成面
(SNDL)12−1,12−2と非核形成面(SNDS)が存在する
表面上に、キャリアガスとしてH2を用い、TMGとトリメ
チルアルミニウム(TMAl)およびAsH3を(TMG+TMAl):
AsH3の比を1:10〜20(モル比)として流した。基体温度
は800℃に加熱して、反応圧力は30Torrとした。第14図
(B)に示したと同様に、Asイオンを打込んで形成した
核形成面(SNDL)上のみに選択手に3元混晶III−V族
化合物GaAlAs単結晶の成長が見られた。更に結晶成長処
理を施し続けると第14図(C)の様に単結晶13A−1,13A
−2が成長した。単結晶の大きさは約80μmで結晶性は
良好であった。基板温度は750℃、反応圧力は40Torrで
あった。
なお、この場合GaAlAsにおけるGaとAsの比は反応ガス
TMGとTMAlの比を変えることによって任意に制御するこ
とができる。
以上の実施例に示したように、本発明によれば、大き
な核形成密度(NDL)を有する数μm以下の核形成面(S
NDL)に単一核を形成し、その単一核からのみIII−V族
化合物半導体単結晶を成長させることができる。
以上の実施例においては、CVD法によってSiO2膜を形
成する例を示したが、スパッタ法によってSiO2膜を形成
することもできる。さらに表面をよく平坦化した石英そ
のものを結晶形成面として用いることもできる。
核形成面(SNDL)を形成するために打込まれるイオン
種としては、Asイオンだけでなく、III族元素のイオン,
V族元素のイオン,さらにII族元素のイオンやVI族元素
のイオンを用いることもできる。
III−V族化合物としては、反応ガスとしてトリメチ
ルインジウムIn(CH3とホスフィンPH3を用いてInP
単結晶を、トリメチルアルミニウムAl(CH3とスチ
ビンSbH3を用いてAlSb単結晶を非晶基板の上に選択的に
形成させることができる。上述した各反応ガスの組合せ
によってGaP,GaSb,InAs,InSb,AlAs,AlP単結晶を選択成
長させることができ、さらに任意の組合せの混晶III−
V族化合物単結晶を選択成長させることができる。
また、III族元素の反応ガスとしては上述したメチル
基を有する化合物に限らず、トリエチルガリウムGa(C2
H53,トリプロピルインジウムIn(C3H73,トリブチル
ガリウムGa(C4H93,トリイソブチルアルミニウムAl
(CH32CHCH2などのエチル基,プロピル基,ブチル
基,イソブチル基を有する化合物を用いることもでき
る。
また、混晶化合物半導体を、実施例2と同様にSiO2
上に設けたAl2O3膜を核形成面(SNDL)として、その上
に選択的に成長させることができることは言うまでもな
い。
さらに上述した各実施例においては、GaAsおよびGaAl
As単結晶の選択成長の工程にMOCVD法を用いた例を示し
たが、本発明のIII−V族化合物単結晶の選択成長はMBE
(分子線エピタキシ)法等を用いても全く同じ原理で行
うことができる。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、本発明によるIII−V族
化合物結晶およびその形成方法は、非核形成面(SNDS
形成用の材料より核形成密度(ND)の十分大きい材料で
核形成面(SNDL)を単一の核だけが成長するように十分
微細に形成することによって、その微細な核形成面(S
NDL)の存在する箇所に単結晶を選択的に成長させるも
のであり、これによって必要な大きさの単結晶、複数の
島状の単結晶、粒径および粒径分布が制御された多結晶
等の結晶を任意の材料の下地基板上に容易に形成するこ
とができる。しかも、特別に新たな製造装置を必要とせ
ず、通常の半導体プロセスで使用される装置を用いて形
成することができる。
また、本発明による結晶は、従来のように下地基板の
材料に制約されることがないために、三次元集積化、大
面積化および低コスト化を容易に達成することができ
る。例えば、III−V族化合物の単結晶や多結晶を非晶
質絶縁物上に容易に形成することができるために、電気
的特性の優れた素子の多層化を達成でき、従来にない多
機能の集積回路を実現することができる。具体的には、
光素子、表面音響素子、圧電素子等と、それらの各々と
の周辺回路IC等の集積、一体化が可能となる。また、安
価なガラスやセラミック等を下地材料とすれば、駆動回
路を一枚のガラス等の集積した大型フラットパネルディ
スプレイ等に大面積電子装置への応用が可能となる。
さらに、本発明は上記核形成面(SNDL)を非核形成面
(SNDS)に所望の大きさで所望の距離をおいて形成する
ことによって、必要な大きさの単結晶を複数の箇所に形
成することができ、レーザや電子線を照射して単結晶を
形成する溶融固化法に比べて、形成工程が大幅に簡略化
されまた形成時間が短縮される。
また、上記非核形成面(SNDS)に形成される核形成面
(SNDL)の間隔を調整することによって、その間隔によ
って粒径が制御された多結晶を形成することができる。
この多結晶形成方法は、上記溶融固化法によって大粒径
の多結晶を形成する従来の方法に比べて、粒径および粒
径分布の制御性が良く、また形成時間も大幅に短縮され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は薄膜形成過程における核の大きさrcと自由エネ
ルギGの関係を示す説明図、 第2図(A)および(B)は選択堆積法の説明図、 第3図(A)〜(D)は本発明による結晶の形成方法の
第1実施態様例を示す形成工程図、 第4図(A)および(B)は第3図(A)および(D)
における基板の斜視図、 第5図(A)〜(D)は本発明の第2実施態様例を示す
結晶の形成工程図、 第6図は(A)〜(D)は本発明による単結晶の形成方
法の第3実施態様例を示す形成工程図、 第7図(A)および(B)は第6図(A)および(D)
における基板の斜視図、 第8図(A)〜(D)は本発明の第4実施例態様例を示
す結晶の形成工程図、 第9図(A)〜(C)は本発明による結晶の形成方法の
第5実施態様例を示す形成工程図、 第10図(A)および(B)は第9図(A)および(C)
における基板の斜視図、 第11図(A)〜(C)は本発明の第6実施態様例を示す
結晶の形成工程図、 第12図(A)〜(C)は本発明の第7実施態様例を示す
結晶の形成工程図、 第13図(A)〜(D)は本発明の第8実施態様例を示す
結晶の形成工程図、 第14図(A)〜(D)は本発明の一実施例を示す結晶の
形成工程図である。 4……所望基板、 5,18,20……核形成密度の小さい材料から成る薄膜(非
核形成面)、 6,12……核形成面、 8,15,17……単結晶、 9,11……非晶質絶縁物基板、 14……粒界、 21……多結晶層。

Claims (32)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核形成密度の小さい非核形成面(SNDS
    と、該非核形成面(SNDS)に隣接して配され、単一核の
    みより結晶成長するに充分小さい面積と、前記非核形成
    面(SNDS)の核形成密度(NDS)より大きい核形成密度
    (NDL)とを有し、非晶質材料で形成されている核形成
    面(SNDL)とを有する基体と該基体上の前記単一核より
    成長して、前記核形成面(SNDL)を越えて前記非核形成
    面(SNDS)に延在しているIII−V族化合物単結晶とを
    有することを特徴とするIII−V族化合物結晶物品。
  2. 【請求項2】前記核形成面(SNDL)が複数配されている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のIII−
    V族化合物結晶物品。
  3. 【請求項3】前記核形成面(SNDL)は、区画されて複数
    配されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のIII−V族化合物結晶物品。
  4. 【請求項4】前記核形成面(SNDL)は、非核形成面(S
    NDS)内に規則的に区画化されて複数配されていること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のIII−V族
    化合物結晶物品。
  5. 【請求項5】前記核形成面(SNDL)は、前記非核形成面
    (SNDS)内に不規則的に区画化されて複数配されている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のIII−
    V族化合物結晶物品。
  6. 【請求項6】前記核形成面(SNDL)のそれぞれより成長
    した単結晶が隣り合う核形成面(SNDL)より成長した単
    結晶と隣接していることを特徴とする特許請求の範囲第
    2項に記載のIII−V族化合物結晶物品。
  7. 【請求項7】前記核形成面(SNDL)のそれぞれより成長
    した単結晶が隣り合う核形成面(SNDL)より成長した単
    結晶と空間的に離れていることを特徴とする特許請求の
    範囲第2項に記載のIII−V族化合物結晶物品。
  8. 【請求項8】前記核形成面(SNDL)が前記非核形成面
    (SNDS)上に設けた所望形成の凹部の底面に形成され、
    前記単結晶が該凹部が埋めて島状に形成されていること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のIII−V族
    化合物結晶物品。
  9. 【請求項9】前記非核形成面(SNDS)が非晶質材料から
    なることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のIII
    −V族化合物結晶物品。
  10. 【請求項10】前記非晶質材料がSiO2であることを特徴
    とする特許請求の範囲第9項記載のIII−V族化合物結
    晶物品。
  11. 【請求項11】前記III−V族化合物半導体が二元系III
    −V族化合物半導体であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載のIII−V族化合物結晶物品。
  12. 【請求項12】前記III−V族化合物半導体が混晶III−
    V族化合物半導体であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載のIII−V族化合物結晶物品。
  13. 【請求項13】核形成密度の小さい非核形成面(SNDS
    と、単一核のみより結晶成長するに充分小さな面積と前
    記非核形成面(SNDS)の核形成密度(NDS)より大きい
    核形成密度(NDL)とを有し、非晶質材料からなる核形
    成面(SNDL)とを隣接して配された自由表面を有する基
    体に、周期律表第III族原子供給用の原料として周期律
    表第V族原子供給用の原料とを含む気相中で結晶形成処
    理を施して、前記単一核よりIII−V族化合物単結晶を
    成長させることを特徴とするIII−V族化合物結晶の形
    成方法。
  14. 【請求項14】核形成密度の小さい非核形成面(SNDS
    を有する基体の前記非核形成面(SNDS)の所望位置に該
    非核形成面(SNDS)の核形成密度(NDS)より大きい核
    形成密度(NDL)を有し、かつ単一核のみより結晶成長
    するに充分小さい面積の核形成面(SNDL)を非晶質材料
    で形成し、次いで、周期律表第III族原子供給用の原料
    と周期律表第V族原子供給用の原料とを含む気相中で前
    記基体に結晶形成処理を施して、単一核を前記核形成面
    (SNDL)に形成し該単一核よりIII−V族化合物単結晶
    を成長させることを特徴とするIII−V族化合物結晶の
    形成方法。
  15. 【請求項15】前記核形成面(SNDL)を前記非核形成面
    (SNDS)の内部に形成することを特徴とする特許請求の
    範囲第14項記載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  16. 【請求項16】前記核形成面(SNDL)を前記非核形成面
    (SNDS)の面上に形成することを特徴とする特許請求の
    範囲第14項記載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  17. 【請求項17】前記核形成面(SNDL)を区画化して複数
    形成することを特徴とする特許請求の範囲第14項に記載
    のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  18. 【請求項18】前記核形成面(SNDL)を規則的に区画化
    して複数形成することを特徴とする特許請求の範囲第14
    項に記載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  19. 【請求項19】前記核形成面(SNDL)を不規則に区画化
    して複数形成することを特徴とする特許請求の範囲第14
    項に記載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  20. 【請求項20】前記III−V族化合物単結晶を格子状に
    形成することを特徴とする特許請求の範囲第14項に記載
    のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  21. 【請求項21】前記核形成面(SNDL)を区画化して複数
    設け、該核形成面(SNDL)のそれぞれより、単結晶を成
    長させることを特徴とする特許請求の範囲第14項に記載
    のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  22. 【請求項22】前記それぞれの核形成面(SNDL)より成
    長させる単結晶を該各核形成面(SNDL)方向に該核形成
    面(SNDL)を越えて成長させることを特徴とする特許請
    求の範囲第21項記載のIII−V族化合物結晶の形成方
    法。
  23. 【請求項23】各核形成面(SNDL)より成長する単結晶
    を、隣り合う核形成面(SNDL)間で隣接する大きさまで
    成長させることを特徴とする特許請求の範囲第21項に記
    載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  24. 【請求項24】前記核形成面(SNDL)を、前記非核形成
    面(SNDS)を形成する材料を変質した材料で形成するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第14項に記載のIII−V
    族化合物結晶の形成方法。
  25. 【請求項25】前記核形成面(SNDL)を、イオン打込み
    法によって形成することを特徴とする特許請求の範囲第
    14項に記載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  26. 【請求項26】前記核形成面(SNDL)を、前記非核形成
    面(SNDS)を形成する材料より核形成密度の十分大きい
    材料を核非核形成面(SNDS)上に堆積させた後、十分微
    細にパターニングすることによって形成することを特徴
    とする特許請求の範囲第14項に記載のIII−V族化合物
    結晶の形成方法。
  27. 【請求項27】前記核形成面(SNDL)を構成する材料か
    らなる面を覆って前記非核形成面(SNDS)を形成し、該
    非核形成面(SNDS)の所望部分を除去して、単一核のみ
    より結晶成長するに充分小さい面積の核形成面(SNDL
    を露出させることを特徴とする特許請求の範囲第14項に
    記載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  28. 【請求項28】前記基体を非晶質材料で構成することを
    特徴とする特許請求の範囲第14項に記載のIII−V族化
    合物結晶の形成方法。
  29. 【請求項29】前記非晶質材料がSiO2であることを特徴
    とする特許請求の範囲第28項記載のIII−V族化合物結
    晶の形成方法。
  30. 【請求項30】前記III−V族化合物が二元系III−V族
    化合物であることを特徴とする特許請求の範囲第14項に
    記載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  31. 【請求項31】前記III−V族化合物が混晶III−V族化
    合物であることを特徴とする特許請求の範囲第14項に記
    載のIII−V族化合物結晶の形成方法。
  32. 【請求項32】前記結晶形成処理をMOCVD法によって行
    うことを特徴とする特許請求の範囲第30項に記載のIII
    −V族化合物結晶の形成方法。
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