JP2655206B2 - 高電圧スイッチ及び高電圧スイッチのスイッチング方法 - Google Patents

高電圧スイッチ及び高電圧スイッチのスイッチング方法

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JP2655206B2
JP2655206B2 JP2415408A JP41540890A JP2655206B2 JP 2655206 B2 JP2655206 B2 JP 2655206B2 JP 2415408 A JP2415408 A JP 2415408A JP 41540890 A JP41540890 A JP 41540890A JP 2655206 B2 JP2655206 B2 JP 2655206B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高電圧を放電させるため
の高電圧スイッチに関し、例えば静電塗装装置において
接地された被塗装物品が高電圧電極に接近した際に生じ
る火花放電を抑制するため、高電圧電源装置と接地との
間に介在させた高電圧スイッチ及び高電圧スイッチのス
イッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電塗装装置において従来使用されてい
る高電圧スイッチについて説明する。カップ式静電塗装
法の静電塗装装置としては、図3に示すように、可変直
流高電圧発生器E等から成る直流高圧電源装置1と、高
電圧電極となる椀型のカップ2と、高電圧電極側と低電
圧端子(接地)間に接続された高電圧スイッチ3とを具
備している。前記高電圧スイッチ3は、逆阻止3端子サ
イリスタ(以下、単にサイリスタと呼ぶ)Sを複数個
(数十個)直列に接続して構成され、サイリスタSのゲ
ートGには点弧装置4が接続されている。図中、抵抗R
はそれぞれ電流制限用の抵抗である。そして、カップ2
に直流高圧電源装置1による高電圧を印加するととも
に、カップ2を高速度で回転させてカップ2の中央より
塗料を流出させると、塗料が遠心力によってカップ周囲
から荷電量をもった塗料粒子として噴霧し、この塗料粒
子が接地された被塗装物5にクーロン力により収着され
る。
【0003】前記高電圧スイッチ3の点弧装置4として
は、例えば図4に示すように、磁気結合による同時点弧
で行なう方式が提案されている。点弧エネルギ伝達用の
磁芯としては棒状のフェライトコア40を使用し、この
フェライトコア40の一端にトリガ巻線41が巻回され
る一方、他端側に各サイリスタSのゲートGとカソード
K側との間を接続する点弧巻線42が巻回されている。
トリガ巻線41にパルスが印加されると各点弧巻線42
に磁気的に点弧エネルギが伝達され、各サイリスタSを
オン状態として高電圧スイッチ3全体をオンさせること
ができる。
【0004】すなわち塗装時において、直流高圧電源装
置1に設けられた火花放電発生予知回路が電流検出回
からの検出信号に基づいて火花放電発生予知信号を
生じさせると、駆動回路により駆動パルスが前記点弧
装置4のトリガ巻線41に印加され、高電圧スイッチ3
を閉じる。高電圧スイッチ3が閉じると、直流高圧電源
装置1の出力端子Oと静電塗装用ガンの入力端子I間を
接続する高圧ケ−ブル6が有する対地容量C1 に充電さ
れた電荷、カップ2と被塗装物及びカップと対地間に形
成される容量C2 に充電された電荷が前記高電圧スイッ
チ3を介して放電される。上記した高電圧スイッチの構
造の点弧装置によれば、各サイリスタSのゲ−トGにそ
れぞれパルスを印加する方式に比較して、簡単な構造で
複数サイリスタの同時点弧を行なうことができるという
利点がある。
【0005】しかしながら上記構造の高電圧スイッチに
よると、点弧装置4としてフェライトコア40を使用し
ているので、トリガ巻線41に印加されるパルスによる
点弧巻線42への点弧エネルギの伝達は、トリガ巻線4
1からの距離が遠い程遅れが生じる。従って、サイリス
タSを120個程度接続した耐圧100kV程度の高電
圧スイッチでは、前記伝達の遅れはスイッチの動作速度
に関しては支障がないが、次のような問題点があった。
【0006】すなわち、サイリスタSは、その断面構造
を図5に示すように、p型半導体層,n型半導体層,p
型半導体層,n型半導体層を積層し、中央部側のp型半
導体層にゲートGを設けて構成されている。そして、ゲ
ートGに電圧が印加された直後は、p型半導体層とn型
半導体層との界面全面において電子が移動するのでな
く、ゲートGに近い部分がチャネルとなり、その後順次
チャネル面積が拡がっていく。従って、高電圧スイッチ
がオン状態となった直後においては、トリガ巻線41か
ら距離が遠い点弧巻線42がゲートGに接続されたサイ
リスタSのチャネル面積は、他のサイリスタSのチャネ
ル面積に比較して小さくなり、この部分を大電流が流れ
ようとするので、いわいるホットスポットが生じて劣化
をまねくという問題点があった。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、高耐圧化及び高速度化を図るとともに、信頼性が高
く且つ簡単な構造で実現できる高電圧スイッチ及びその
スイッチング方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するため請求項1記載の高電圧スイッチは、p型半導
体層とn型半導体層とを組み合わせて成る半導体スイッ
チを複数個直列に接続した第1の半導体スイッチ群と、
同じくp型半導体層とn型半導体層とを組み合わせて成
る半導体スイッチを複数個直列に接続した第2の半導体
スイッチ群とを、互いの動作方向が一致するよう接続
し、その両端を高電圧側及び基準電位側にそれぞれ接続
する高電圧スイッチであって、次の構成を含むものであ
る前記第1の半導体スイッチ群と第2の半導体スイッチ
群との接続部分に、半導体スイッチの接続個数が少ない
一方の半導体スイッチ群をブレークオーバーさせ得る電
圧を印加する電圧印加手段を具備している。前記一方の
半導体スイッチ群のブレークオーバーにより生じる他方
の半導体スイッチ群の両端の電圧変化によって、前記他
方の半導体スイッチ群がブレークオーバー可能な個数の
半導体スイッチにより構成されている。
【0009】請求項2記載の高電圧スイッチは、p型半
導体層とn型半導体層とを組み合わせて成る半導体スイ
ッチを複数個直列に接続した第1の半導体スイッチ群
と、p型半導体層とn型半導体層とを組み合わせるとと
もにゲート部を形成して成る半導体スイッチを、前記第
1の半導体スイッチ群を構成する半導体スイッチの接続
個数より少ない個数直列に接続した第2の半導体スイッ
チ群とを、互いの動作方向が一致するよう接続し、その
両端を高電圧側及び基準電位側にそれぞれ接続する高電
圧スイッチであって、次の構成を含むものである。前記
第2の半導体スイッチ群を構成する各半導体スイッチの
ゲート部に同時にパルスを印加する点弧回路を具備して
いる。前記第2の半導体スイッチ群の点弧により生じる
前記第1の半導体スイッチ群 の両端の電圧変化によっ
て、前記第1の半導体スイッチ群がブレークオーバー可
能な個数の半導体スイッチにより構成されている。
【0010】請求項3記載の高電圧スイッチのスイッチ
ング方法は、p型半導体層とn型半導体層とを組み合わ
せて成る半導体スイッチを複数個直列に接続した第1の
半導体スイッチ群と、同じくp型半導体層とn型半導体
層とを組み合わせて成る半導体スイッチを複数個直列に
接続した第2の半導体スイッチ群とを、互いの動作方向
が一致するよう接続し、その両端を高電圧側及び基準電
位側にそれぞれ接続する高電圧スイッチのスイッチング
方法であって、前記第1の半導体スイッチ群と第2の半
導体スイッチ群との接続部分に、半導体スイッチの接続
個数が少ない一方の半導体スイッチ群をブレ−クオ−バ
−させ得る電圧を印加して、前記一方の半導体スイッチ
群を導通させ、続いて、他方の半導体スイッチ群の両端
の電圧変化により、前記他方の半導体スイッチ群をブレ
−クオ−バ−させて導通させることを特徴としている。
【0011】請求項4記載の高電圧スイッチのスイッチ
ング方法は、p型半導体層とn型半導体層とを組み合わ
せて成る半導体スイッチを複数個直列に接続した第1の
半導体スイッチ群と、p型半導体層とn型半導体層とを
組み合わせるとともにゲ−ト部を形成して成る半導体ス
イッチを、前記第1の半導体スイッチ群を構成する半導
体スイッチの接続個数より少ない個数直列に接続した第
2の半導体スイッチ群とを、互いの動作方向が一致する
よう接続し、その両端を高電圧側及び基準電位側にそれ
ぞれ接続する高電圧スイッチのスイッチング方法であっ
て、前記第2の半導体スイッチ群を構成する各半導体ス
イッチのゲ−ト部に同時にパルスを印加することによ
り、前記第2の半導体スイッチ群を導通させ、続いて、
前記第1の半導体スイッチ群の両端の電圧変化により、
前記第1の半導体スイッチ群をブレ−クオ−バ−させて
導通させることを特徴としている。
【0012】請求項5記載の高電圧スイッチは、請求項
1又は請求項2に記載の高電圧スイッチにおいて、第1
の半導体スイッチ群及び第2の半導体スイッチ群を構成
する各半導体スイッチと並列に、抵抗値の等しい分圧抵
抗を接続することを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の高電圧スイッチによれば、両端
を高電圧側及び基準電位側に接続し、第1の半導体スイ
ッチ群と第2の半導体スイッチ群とにそれぞれ高電圧を
分圧して印加した状態において、第1の半導体スイッチ
群と第2の半導体スイッチ群との接続部分に電圧印加手
段より電圧を印加すると、2つの半導体スイッチ群のう
ち半導体スイッチの接続個数が少ない方の一方の半導体
スイッチ群がブレークオーバーにより導通する。これに
より、高電圧スイッチ全体に印加される電圧が他方の半
導体スイッチ群の両端に印加されるが、他方の半導体ス
イッチ群はこの電圧変化によってブレークオーバー可能
な個数により構成されているためブレークオーバーによ
り導通し、高電圧スイッチ全体が導通状態となる。
【0014】請求項2記載の高電圧スイッチによれば、
両端を高電圧側及び基準電位側に接続し、第1の半導体
スイッチ群と第2の半導体スイッチ群とにそれぞれ高電
圧を分圧して印加した状態において、点弧回路から第2
の半導体スイッチ群の各ゲート部に同時にパルスを印加
すると、第2の半導体スイッチ群が導通し、これにより
高電圧スイッチ全体に印加される電圧が第1の半導体ス
イッチ群の両端に印加されるが、第1の半導体スイッチ
群はこの電圧変化によってブレークオーバー可能な個数
により構成されているためブレークオーバーにより導通
し、高電圧スイッチ全体が導通状態となる。
【0015】請求項3記載の高電圧スイッチのスイッチ
ング方法によれば、両端を高電圧側及び基準電位側に接
続し、第1の半導体スイッチ群と第2の半導体スイッチ
群とにそれぞれ高電圧を分圧して印加した状態におい
て、第1の半導体スイッチ群と 第2の半導体スイッチ群
との接続部分に、2つの半導体スイッチ群のうち半導体
スイッチの接続個数が少ない方の一方の半導体スイッチ
群をブレークオーバーさせ得る電圧を電圧印加手段より
印加することにより、前記一方の半導体スイッチ群をブ
レークオーバーにより導通させることができる。これに
より 高電圧スイッチ全体に印加される電圧が他方の半
導体スイッチ群の両端に印加されるので、この電圧変化
によって他方の半導体スイッチ群をブレークオーバーに
よって導通させ、高電圧スイッチ全体を導通状態とする
ことができる。
【0016】請求項4記載の高電圧スイッチのスイッチ
ング方法によれば、両端を高電圧側及び基準電位側に接
続し、第1の半導体スイッチ群と第2の半導体スイッチ
群とにそれぞれ高電圧を分圧して印加した状態におい
て、第2の半導体スイッチ群の各ゲート部に同時にパル
スを印加することにより、第2の半導体スイッチ群を導
通させ、これにより高電圧スイッチ全体に印加される電
圧が第1の半導体スイッチ群の両端に印加されるので、
この電圧変化によって第1の半導体スイッチ群をブレー
クオーバーにより導通させ、高電圧スイッチ全体を導通
状態とすることができる。
【0017】請求項5記載の高電圧スイッチによれば、
各半導体スイッチに等しい分圧を与えることができるの
で、各半導体スイッチの導通に要する時間を平均化で
き、高電圧スイッチ全体の動作を安定させることができ
る。
【0018】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照しなが
ら説明する。図1は高電圧スイッチの等価回路を示すも
のであり、例えば図3に示した静電塗装装置の高電圧短
絡用として使用される。
【0019】高電圧スイッチは、90個の半導体スイッ
チ10を直列に接続した第1の半導体スイッチ群11
と、30個の半導体スイッチ10を直列に接続した第2
の半導体スイッチ群12と、第1の半導体スイッチ群1
1と第2の半導体スイッチ群12との接続部分(C点)
に電圧を印加する電圧印加手段13とを具備して構成さ
れている。第1の半導体スイッチ群11の端部の端子A
は例えば静電塗装装置の直流高圧電源装置の高電圧側
(−90kV)に接続され、第2の半導体スイッチ群1
2の端部の端子Bは接地されている。この状態におい
て、第1の半導体スイッチ群11と第2の半導体スイッ
チ群12には、それぞれの抵抗値に応じて高電圧を分圧
した電圧が印加されており、C点の電位は−22.5k
Vである。
【0020】各半導体スイッチ10は、前記端子A側に
順方向となるサイリスタSと、サイリスタSのゲートG
とカソードKとの間に接続されたゲート抵抗RGKとか
ら構成される。ゲート抵抗RGKは、サイリスタSの耐
圧値を最大にするために設けられている。各サイリスタ
Sの耐圧値は900V程度なので、サイリスタSを直列
に120個接続したスイッチ全体では108kV程度の
耐圧とすることができる。また、各半導体スイッチ10
には、短絡電流が流れた際に電流値を制限してサイリス
タSを保護する電流制限抵抗R1がそれぞれ接続されて
いる。また、各半導体スイッチ10及び電流制限抵抗R
1に対して並列となるように、分圧抵抗R2が接続さ
れ、各サイリスタSにかかる電圧を一定にしている。
【0021】サイリスタSのブレークオーバー電圧は耐
圧よりも僅かに大きい値であり、サイリスタSの構造な
どに依存する。ここで用いたサイリスタSは、耐圧90
0V程度に対してブレークオーバー電圧970V程度の
ものである。ブレークオーバー電圧は、その性質上個々
のサイリスタSによりバラツキが生じてしまう。従っ
て、分圧抵抗R2を接続することにより、各サイリスタ
Sにかかる電圧を、いずれかのサイリスタSをブレーク
オーバーさせる電圧より小さい一定電圧に設定して各サ
イリスタSの安定化を図っている。
【0022】電圧印加手段13は、パルストランス14
と、パルストランス14の一次側に電圧を供給する直流
電源15と、スイッチング素子16とを具備している。
パルストランス14の二次側の一端は、前記第1の半導
体スイッチ群11と第2の半導体スイッチ群12との接
続部分であるC点に接続されている。パルストランス1
4の二次側の他端は、端子A−B間に印加される高電圧
を抵抗R3と抵抗R4とで分圧したD点に接続されてい
る。抵抗R3及び抵抗R4は、R3:R4の値を3:1
とすることにより、C点とD点の電位を同電位(−2
2.5V)として通常の場合には、パルストランス1
4の二次側の両端に電位差が生じないようになってい
る。
【0023】電圧印加手段13によって印加する電圧
は、2つの半導体スイッチ群のうち接続個数の少ない方
の半導体スイッチ群をブレークオーバさせ得る電圧であ
る。従って、第2の半導体スイッチ群12に印加されて
いる電圧−22.5kVに対して、第2の半導体スイッ
チ群12のブレークオーバー電圧29.1kV(970
V×30)との不足電圧分−6.6kV以上の電圧をパ
ルストランス14において発生させる必要がある。
【0024】上述のような構造の高電圧スイッチを図3
に示した静電塗装装置に適用すると、駆動回路からの
信号がスイッチング素子16のゲ−トに印加され、この
スイッチング素子16をオン状態として直流電源15か
らの電圧がパルストランス14の一次側に印加されて電
流が流れる。そして、磁気結合によりパルストランス1
4の二次側に−10kV程度の電圧を発生させる。その
結果、C点の電位が−32.5kV程度となり、第2の
半導体スイッチ群12の有するブレ−クオ−バ−電圧で
ある29.1kVを越えるので、第2の半導体スイッチ
群12の各サイリスタSがブレ−クオ−バ−して短絡状
態となる。
【0025】第2の半導体スイッチ群12が短絡状態と
なるとC点が0Vとなるので、第1の半導体スイッチ群
11の両端には−90kVがかかる。この電圧は、第1
の半導体スイッチ群11全体のブレークオーバー電圧8
7.3kV(970V×90)を越えるので、第1の半
導体スイッチ群11の各サイリスタSがブレークオーバ
ーして短絡状態となり、スイッチ全体が導通状態とな
る。
【0026】上記実施例によれば、複数個の半導体スイ
ッチを直列に接続して高電圧スイッチとするので高耐圧
化を図ることができ、さらに、電圧印加手段より電圧を
印加して第2の半導体スイッチ群をブレークオーバーに
より導通させ、これをトリガとして第1の半導体スイッ
チ群をブレークオーバーにより導通させ、高電圧スイッ
チ全体を導通状態とするので、スイッチ動作の高速化を
図ることができる。ブレークオーバーによる導通は、p
型半導体とn型半導体との界面の全部に亘って一瞬に電
子が流れようとするので、従来例で述べたようなホット
スポットが生じることがなく、複数個の半導体スイッチ
を直列に接続した高電圧スイッチの信頼性の向上を図る
ことができる。さらに、各半導体スイッチに、抵抗値の
等しい分圧抵抗を並列に接続して等しい分圧を与えるの
で、各半導体スイッチの導通に要する時間を平均化で
き、高電圧スイッチ全体の動作を安定させることができ
る。
【0027】また 高電圧スイッチを2つの半導体スイ
ッチ群により構成し、その接続部分に電圧印加手段13
より電圧を印加するため、以下のような効果がある。先
ず、図1のA点またはB点に電圧を印加して、高電圧ス
イッチを構成する全半導体スイッチを同時にブレークオ
ーバーさせる場合、パルストランス14において発生さ
せるべき電圧は最大となり、パルストランス14の巻線
を増加させて印加電圧を大きくする必要があり、装置が
大型化するとともに巻線間の容量によって遅延時間が増
大する。これに対して上記実施例の構成によれば、装置
を小型化でき、また、スイッチ動作を高速化できるとい
う効果がある。次に、サイリスタSは、ゲートに信号を
加えない状態において高い電圧上昇率をもった順電圧が
印加されると、その電圧値がブレークオーバー電圧以内
であってもターンオンするという特性があり、例えば電
圧上昇率(dv/dt)が1kV/μsecの場合、通
常のブレークオーバー電圧の1/3以下の電圧によって
ブレークオーバーすることが公知となっている。従っ
て、上記実施例の構成において第2の半導体スイッチ群
12がブレークオーバーにより導通した場合、第1の半
導体スイッチ群11の両端の電圧は、−67.5kVか
ら−90kVへ瞬時 に変化するので、通常のブレークオ
ーバー電圧(87.3kV)の1/3以下の電圧(2
9.1kV)によってブレークオーバーすることができ
るので、C点の位置をさらにB点側へ移動し、電圧印加
手段13によって印加する電圧を減少させた場合でも同
様な動作を行わせることができ、装置の小型化およびス
イッチ動作の高速化を図ることが可能である。逆に、上
記実施例において、パルストランス14にて発生させる
電圧を、例えば−15kV程度に設定すれば、−60k
V〜−90kVの高電圧電源装置に対応させて同様の動
作を行わせることができ、適用範囲が拡大する。
【0028】上記実施例においては、第1の半導体スイ
ッチ群11及び第2の半導体スイッチ群12を構成する
半導体スイッチ10の個数を90個及び30個とした
が、半導体スイッチ10の個数の配分、つまり、C点の
位置は、以下の点を考慮した範範囲において変更可能で
ある。第1の半導体スイッチ群11は、高電圧スイッチ
の両端に印加される電圧をV1とすると、第1の半導
体スイッチ群11と第2の半導体スイッチ群12の耐圧
の和はV1より大きく、第1の半導体スイッチ群11
のブレークオーバー電圧(電圧変化率を考慮した場合の
値)はV1よりも小さい、という条件を満たす個数の半
導体スイッチ10により構成する。さらに、第2の半導
体スイッチ群12を構成する半導体スイッチ10の接続
個数が少ないほどパルストランス14により発生させる
電圧を減少できるので、この点を考慮して個数の配分を
調整する。
【0029】上記実施例では、半導体スイッチ10とし
てサイリスタSを使用したが、2方向2端子サイリスタ
(SSS)を使用してもよい。この場合、図1において
サイリスタSの部分に2方向2端子サイリスタを接続
し、また、2方向2端子サイリスタはゲート端子がない
ので、本実施例におけるゲート抵抗RGKを省略するこ
とができる。
【0030】また、パルストランス14の二次側のD点
に、C点と同じ電位を与える構成として、上記実施例に
おいては高電圧スイッチに印加される高電圧を分圧して
得ているが、C点と同じ電位を与える外部の直流電源を
直接接続した構成であってもよい。また、静電塗装装置
の電源である直流高圧電源装置1(図3)から変圧して
得るようにしてもよい。
【0031】図2は本発明の他の実施例を示すもので、
図1における第2の半導体スイッチ12を、各半導体
スイッチ10のゲ−トGに同時にパルスを印加すること
によりオン状態とするものである。図中、図1と同一構
成部分は同一符号を付している。
【0032】すなわち、第1の半導体スイッチ群11を
構成する半導体スイッチ10は、2方向2端子サイリス
タ(SSS)で構成されている。また、第2の半導体ス
イッチ群12を構成する半導体スイッチ10はサイリス
タで構成され、各サイリスタのゲ−トGは点弧回路17
に接続されている。点弧回路17としては、静電塗装装
置の駆動回路(図3)からの信号により、各ゲ−トG
に同時にパルスを与えるものを用いる。
【0033】上述のような構造の高電圧スイッチを図3
に示した静電塗装装置に適用すると、駆動回路からの
信号に応じて、点孤回路17から第2の半導体スイッチ
群12の各半導体スイッチ10のゲ−ト部へ同時にパル
スが与えられ、第2の半導体スイッチ群12が導通して
短絡状態となる。このとき、各ゲ−ト部へ与えられるパ
ルスには時間差が生じないので、ホットスポットは生じ
ない。第2の半導体スイッチ群12が短絡状態となると
C点が0Vとなり、図1の実施例の場合と同様第1の半
導体スイッチ群11の各サイリスタSがブレ−クオ−バ
−して導通し、スイッチ全体が導通状態となる。
【0034】上記実施例によれば、複数個の半導体スイ
ッチを直列に接続して高電圧スイッチとするので高耐圧
化を図ることができ、さらに、点弧回路により第2の半
導体スイッチ群を構成する各半導体スイッチのゲート部
に同時にパルスを与えて導通させ、これをトリガとして
第1の半導体スイッチ群をブレークオーバーにより導
させ、高電圧スイッチ全体を導通状態とするので、スイ
ッチ動作の高速化を図ることができる。ブレークオーバ
ーによる導通、及び、上記実施例の点弧回路による導通
は、従来例で述べたようなホットスポットが生じること
がなく、複数個の半導体スイッチを直列に接続した高電
圧スイッチの信頼性の向上を図ることができる。さら
に、各半導体スイッチに、抵抗値の等しい分圧抵抗を並
列に接続して等しい分圧を与えるので、各半導体スイッ
チの導通に要する時間を平均化でき、高電圧スイッチ全
体の動作を安定させることができる。また、高電圧スイ
ッチを、2つの半導体スイッチ群により構成し、半導体
スイッチの接続個数の少ない第2の半導体スイッチ群を
点弧回路により先に導通させることにより、第1の半導
体スイッチ群は、両端に印加される電圧変化に応じて通
常のブレークオーバー電圧以下の電圧によってブレーク
オーバーされるので、上記構成によって、−60kV〜
−90kVの高電圧電源装置に対応させて使用すること
ができる。
【0035】尚、図2において、第2の半導体スイッチ
群12を構成する半導体スイッチ10を、光信号パルス
をゲートに印加する光サイリスタで構成し、点弧回路1
7を光信号発生器とすれば、第2の半導体スイッチ群1
2のスイッチング動作を超高速で行なうことができ、高
電圧スイッチ全体のスイッチング速度を向上させること
ができる。また、ゲート信号として光信号を用いるの
で、点弧回路17における高電圧装置からの絶縁性の向
上を図ることができる。
【0036】また、上記実施例では静電塗装装置に使用
される高電圧スイッチを例として説明したが、静電塗装
装置に限定されることなく高電圧電源を用いる装置にお
いて、短絡が必要部分に適用することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、複数個の半導体スイッ
チを直列に接続した2つの半導体スイッチ群を接続して
高電圧スイッチを構成し、半導体スイッチの接続個数の
少ない 方の一方の半導体スイッチ群をブレークオーバー
させ得る電圧を印加するか、または、前記一方の半導体
スイッチ群の各半導体スイッチを同時に点弧させること
により、前記一方の半導体スイッチ群を導通させ、これ
をトリガとして他方の半導体スイッチ群をブレークオー
バーさせ、高電圧スイッチ全体を導通状態とするので
高耐圧化及び高速度化を図るとともに、信頼性が高い高
電圧スイッチを得ることができる。さらに、各半導体ス
イッチと並列に、抵抗値の等しい分圧抵抗を接続するこ
とにより、スイッチ動作を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高電圧スイッチの一実施例を示す等
価回路図である。
【図2】 本発明の高電圧スイッチの他の実施例を示す
等価回路図である。
【図3】 静電塗装装置の全体を示す等価回路図であ
る。
【図4】 従来の高電圧スイッチの構造を示す説明図で
ある。
【図5】 サイリスタの構造を示す説明図である。
【符号の説明】
10 半導体スイッチ 11 第1の半導体スイッチ群 12 第2の半導体スイッチ群 13 電圧印加手段 14 パルストランス 15 直流電源 16 スイッチング素子 S サイリスタ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型半導体層とn型半導体層とを組み合
    わせて成る半導体スイッチを複数個直列に接続した第1
    の半導体スイッチ群と、 同じくp型半導体層とn型半導体層とを組み合わせて成
    る半導体スイッチを複数個直列に接続した第2の半導体
    スイッチ群とを、 互いの動作方向が一致するよう接続し、その両端を高電
    圧側及び基準電位側にそれぞれ接続する高電圧スイッチ
    であって、 前記第1の半導体スイッチ群と第2の半導体スイッチ群
    との接続部分に、半導体スイッチの接続個数が少ない一
    方の半導体スイッチ群をブレ−クオ−バ−させ得る電圧
    を印加する電圧印加手段を具備し、 前記一方の半導体スイッチ群のブレ−クオ−バ−により
    生じる他方の半導体スイッチ群の両端の電圧変化によっ
    て、前記他方の半導体スイッチ群がブレ−クオ−バ−可
    能な個数の半導体スイッチにより構成されていることを
    特徴とする高電圧スイッチ。
  2. 【請求項2】 p型半導体層とn型半導体層とを組み合
    わせて成る半導体スイッチを複数個直列に接続した第1
    の半導体スイッチ群と、 p型半導体層とn型半導体層とを組み合わせるとともに
    ゲ−ト部を形成して成る半導体スイッチを、前記第1の
    半導体スイッチ群を構成する半導体スイッチの接続個数
    より少ない個数直列に接続した第2の半導体スイッチ群
    とを、 互いの動作方向が一致するよう接続し、その両端を高電
    圧側及び基準電位側にそれぞれ接続する高電圧スイッチ
    であって、 前記第2の半導体スイッチ群を構成する各半導体スイッ
    チのゲ−ト部に同時にパルスを印加する点弧回路を具備
    し、 前記第2の半導体スイッチ群の点孤により生じる前記第
    1の半導体スイッチ群の両端の電圧変化によって、前記
    第1の半導体スイッチ群がブレ−クオ−バ−可能な個数
    の半導体スイッチにより構成されていることを特徴とす
    る高電圧スイッチ。
  3. 【請求項3】 p型半導体層とn型半導体層とを組み合
    わせて成る半導体スイッチを複数個直列に接続した第1
    の半導体スイッチ群と、同じくp型半導体層とn型半導
    体層とを組み合わせて成る半導体スイッチを複数個直列
    に接続した第2の半導体スイッチ群とを、互いの動作方
    向が一致するよう接続し、その両端を高電圧側及び基準
    電位側にそれぞれ接続する高電圧スイッチのスイッチン
    グ方法であって、 記第1の半導体スイッチ群と第2の半導体スイッチ群
    との接続部分に、半導体スイッチの接続個数が少ない一
    方の半導体スイッチ群をブレ−クオ−バ−させ得る電圧
    を印加して、前記一方の半導体スイッチ群を導通させ、 続いて、他方の半導体スイッチ群の両端の電圧変化によ
    り、前記他方の半導体スイッチ群をブレ−クオ−バ−さ
    せて導通させることを特徴とする高電圧スイッチのスイ
    ッチング方法。
  4. 【請求項4】 p型半導体層とn型半導体層とを組み合
    わせて成る半導体スイッチを複数個直列に接続した第1
    の半導体スイッチ群と、p型半導体層とn型半導体層と
    を組み合わせるとともにゲ−ト部を形成して成る半導体
    スイッチを、前記第1の半導体スイッチ群を構成する半
    導体スイッチの接続個数より少ない個数直列に接続した
    第2の半導体スイッチ群とを、互いの動作方向が一致す
    るよう接続し、その両端を高電圧側及び基準電位側にそ
    れぞれ接続する高電圧スイッチのスイッチング方法であ
    て、 記第2の半導体スイッチ群を構成する各半導体スイッ
    チのゲ−ト部に同時にパルスを印加することにより、前
    記第2の半導体スイッチ群を導通させ、 続いて、前記第1の半導体スイッチ群の両端の電圧変化
    により、前記第1の半導体スイッチ群をブレ−クオ−バ
    −させて導通させることを特徴とする高電圧スイッチの
    スイッチング方法。
  5. 【請求項5】 第1の半導体スイッチ群及び第2の半導
    体スイッチ群を構成する各半導体スイッチと並列に、抵
    抗値の等しい分圧抵抗を接続することを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の高電圧スイッチ。
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JPS581326A (ja) * 1981-06-26 1983-01-06 Toshiba Corp 直列サイリスタの従属点弧回路
JPS5887835A (ja) * 1981-11-20 1983-05-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子機器回路基板の製造方法

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