JP2653991B2 - 流動層炉 - Google Patents

流動層炉

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JP2653991B2
JP2653991B2 JP7090955A JP9095595A JP2653991B2 JP 2653991 B2 JP2653991 B2 JP 2653991B2 JP 7090955 A JP7090955 A JP 7090955A JP 9095595 A JP9095595 A JP 9095595A JP 2653991 B2 JP2653991 B2 JP 2653991B2
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英二 井上
義雄 内山
純也 中谷
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Kawasaki Motors Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

Landscapes

  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
  • Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体上の固体を予熱、
乾燥あるいは造粒などの物理的処理や、反応等の化学的
処理を施すために利用する流動層炉、特に円筒状の炉体
を有する流動層炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図6に示すような円筒状の流
動層炉が粉粒体の物理的あるいは化学的処理のために用
いられている。典型的な先行技術は、たとえば合衆国特
許USP5,118,479に開示されている。この先
行技術では、鉄鉱石中に含まれるヘマタイト(Fe
32)などの鉄酸化物を炭化して、セメンタイト(Fe
3C)などの鉄炭化物であるアイアンカーバイドを製造
するために、流動層反応炉を用いる。その反応炉では、
円筒状の炉体1を軸線が鉛直となるように設置し、水平
なガス分散板2を設け、ガス分散板2上に鉄鉱石粉体の
流動層を形成する。ガス分散板2上の空間は、仕切板3
によって仕切り、鉄鉱石粉体を装入する入口4と炭化さ
れたアイアンカーバイドを排出する出口5との間の流路
6が、屈曲した形状となり、流路6の実質的距離が増大
するように構成されている。流路6が長くなると、炉体
1内で原料粉体の平均滞留時間が長くなり、所望の反応
の反応速度が遅くても高反応率を得ることができる。
【0003】図6に示すような仕切板3の配置では、流
路6が大きな角度で変化するので、処理粉体が流動層の
状態あるいはガス分散板2上に堆積した状態で滞留する
デットゾーンが、斜線を施して示すように形成されやす
い。仕切板3を設けなければ、炉体1内は全体として一
様な流動層が形成される。そのような単純な1段式の連
続流動層炉では、完全混合状態を仮定すると、装入され
た処理粉体が一瞬にして均一に混合され、図7に示すよ
うな滞留時間で排出される。この例では、たとえば平均
滞留時間1時間以内に63%の処理粉体が排出されてし
まう。この結果、たとえば1時間あたり未反応率0.1
%の1tonの製品を得るのに、250tonの原料を
装入出来る流動層炉が必要となる。
【0004】図8に示すように、流動層炉を多段式にし
て、上段の出口5と下段の入口4との間を連結管8によ
って連結すれば、1段ではすぐ排出されてしまう粉体粒
子も、次の段では長く留まる可能性があるので、たとえ
ば1時間に未反応率0.1%の1tonの製品を得るの
に14tonを7tonずつに分けて1段目と2段目と
のそれぞれに装入するようにすればよい。1個の粒子が
反応を完結するのに必要な時間をθ0とすれば、未反応
率を0.1%とするときの平均滞留時間θは、1段でθ
=250θ0、2段でθ=14θ0、3段でθ=5θ0
となる。すなわち、段数が多ければ、各段の炉体は小さ
くすることができる。この場合の滞留時間分布は、図7
に2点鎖線で示すように、滞留時間分布を所望の時間に
合わせることができ、効率的な処理が可能である。しか
しながら、多段式の流動層炉では、装置が大掛かりとな
り、製造コストが上昇する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6に示すような流動
層炉では、仕切板3が直線上に設けられているので、円
筒状の炉体1に対しては無理のない流路6を形成するこ
とが困難であり、斜線を施して示すデッドゾーン7が形
成されやすい。図6に示すような仕切板3の配置では、
約18%のデッドゾーンが形成される。デッドゾーン7
では、処理粒子がガス分散板2上に堆積して流路6の有
効断面積を狭め、流路6に沿った流速を速めて炉体1内
での処理粉体の滞留時間を減少させて反応率を低下させ
てしまう。またデッドゾーン7に堆積した処理粉末は、
炉体1内に長時間にわたって滞在するので、反応が過剰
に進行し、不所望な反応が発生したり、品質が劣化した
りしやすい。さらに、デッドゾーン7内での処理粉体の
堆積は、操業時間とともに増大するので、最適な操業条
件が時間経過とともに変化し、安定な操業の維持が困難
となる。
【0006】本発明の目的は、炉体が円筒状でもデッド
ゾーンを形成することなく、流路の延長を図ることがで
きる流動層炉を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、円筒状の炉体
に分散板を設け、分散板の下方からガスを噴出させて分
散板上に処理粉体の流動層を形成する流動層炉におい
て、分散板上に螺旋状の仕切を設けることを特徴とする
流動層炉である。さらに本発明は、円筒状の炉体に分散
板を設け、分散板の下方からガスを噴出させて分散板上
に処理粉体の流動層を形成する流動層炉において、分散
板上に複数の環状の仕切を同心円状に設け、各環状の仕
切には、隣接する環状の仕切とは異なる半径上に内外を
連通させる連通部を形成することを特徴とする流動層炉
である。また本発明の前記円筒状の炉体には、中心部に
処理粉体装入口を設け、側壁部に処理粉体排出口を設け
ることを特徴とする。また本発明の前記円筒状の炉体に
は、側壁部に処理粉体装入口を設け、中心部に処理粉体
排出口を設けることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明に従えば、円筒状の炉体に設ける分散板
上には、螺旋状の仕切を設けるので、処理粉体の流動層
を螺旋状の流路に沿って移動させることができる。した
がって、炉体が円筒状であっても、デッドゾーンを形成
することなく、炉体内を有効に利用して充分な処理を行
うことができる。
【0009】また本発明に従えば、円筒状の炉体内で、
分散板上には複数の環状の仕切を同心円状に設け、各環
状の仕切には隣接する環状の仕切とは異なる半径上に、
内外を連通させる連通部を形成する。
【0010】分散板上に形成される処理粉体の流動層
は、各環状の仕切に沿って円周方向に流通しながら、連
通部で半径方向に移動する。隣接する環状の仕切では異
なる半径上に連通部が形成されているので、流動層は円
周方向の移動と半径方向の移動とを繰返しながら、屈曲
した流路に沿って移動し、炉体内でデッドゾーンを形成
せずに、充分な処理を行うことができる。
【0011】また本発明に従えば、処理粉体を円筒状の
炉体の中心部に設ける装入口から装入し、側壁部に設け
る排出口から排出する。処理粉体装入口から処理粉体排
出口までの間の流路は、螺旋状または同心円状の仕切板
によって、円筒状の炉体内にデッドゾーンを形成するこ
となく円滑に流れ、側壁部の排出口から容易に高反応率
の処理品を得ることができる。
【0012】また本発明に従えば、処理粉体の装入口を
炉体側壁部に設けるので、炉体内に処理粉体を容易に装
入することができる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例の簡略化した平
面構成を示し、図2は図1のII−IIから見た断面構
成を示す。断面が円筒状の炉体11は、軸線が鉛直とな
るように設置され、ガス分散板12がほぼ水平となるよ
うに配置される。ガス分散板12上には、螺旋状の仕切
板13が立設される。炉体11には、ガス分散板12の
中心部に処理粉体である鉱石を装入するための入口14
が設けられ、炉体11の側壁には処理された鉱石を排出
するための出口15が設けられる。入口14と出口15
との間には、仕切板13に沿って螺旋状の流路16が形
成される。ガス分散板12には、反応ガスを噴出させる
ためのノズル17が設けられ、ガス分散板12の下方の
炉体11内に形成される風箱部18に供給された反応ガ
スを噴出させる。ノズル17から噴出する反応ガスは、
ガス分散板12上の上方の空間に処理粉体である鉱石の
粒子を吹上げる。ガス分散板12のさらに上方の空間は
空塔部19として確保される。ノズル17から噴出する
反応ガスによって、鉱石の粉体粒子は吹上げられ、流動
層20が形成される。流動層20の高さは、空塔部19
を流れる反応ガスの流速に従って変化し、この流速を制
御することによって、形成される流動層20の高さを制
御することができる。仕切板13の高さは、流動層20
の高さよりも高くしておき、流路16に沿って流動層2
0が確実に移動するように案内する。風箱部18には、
反応ガスが供給ガス21として供給され、空塔部19の
上方からは、排出ガス22として排出される。これらの
反応ガスのため、炉体11内はたとえば数気圧に加圧さ
れ、しかも反応ガスはたとえば一酸化炭素(CO)を多
量に含むので、気密性を有する。そのような圧力容器と
しては、箱形よりも円筒状の方が好ましい。
【0014】図3は本発明の第2実施例の簡略化した平
面構成を示し、図4は図3の切断面線IV−IVから見
た断面を示す。本実施例で注目すべきは、円筒状の炉体
31に設置されるガス分散板32上に、螺旋状の仕切板
33が立設され、炉体31の側壁に設けられる入口34
から処理粉体である鉱石が装入され、中心部の出口35
から排出されることである。本実施例の流路36は、し
たがって仕切板33に沿って外から内へ向かう螺旋とし
て形成される。ガス分散板32上に分布するノズル37
からは風箱部38に貯留された反応ガスが噴出し、上方
の空塔部39まで流れる間に流動層40を形成する。燃
料ガスは、風箱部38に供給ガス41として供給され、
炉体31の頂部から排出ガス22として排出される。
【0015】第1実施例および第2実施例は、螺旋状の
流路16,36を形成するけれども、その向きが逆向き
となる。第1実施例では、入口14が炉体11の中心部
に設けられているので、入口14にはシュート24を設
けて炉体11の外部から中心部に装入する必要がある。
しかしながら、出口15は炉体11の側壁部に設けられ
ているので、処理後の搬出は容易となる。第2実施例で
は、入口34は炉体31の側壁部に設けられているの
で、処理粉体の装入が容易である。しかしながら、出口
35が中心部に設けられているので、処理後の粉体の排
出は風箱部38内を下方に貫くシュート44を介して行
う必要がある。またこのため、炉体31の底部にシュー
ト44の出口を設ける必要があり、装置全体の高さが増
大する。一方、内側に向かう螺旋状の流路36は、ガス
分散板32を内側で窪むような円錐面状に形成すること
ができ、大径の粒子が装入される処理粉体に混入してい
てガス分散板32上に堆積しても、容易に排出させるこ
とができる。
【0016】図5(A)は、本発明の第3実施例の概略
的な平面構成を示す。本実施例では、円筒状の炉体51
内のガス分散板52上に、環状の仕切板53,54,5
5を同心円状に配置する。各仕切板53,54,55に
は、流路56が円周方向と半径方向とを交互に繰返しな
がら形成されるように、仕切板53,54,55をそれ
ぞれ部分的に切欠いて連通部57,58,59をそれぞ
れ形成する。連通部57,58,59は、同一の半径上
には重ならないようにずらしながら配置する。180°
ずつずらすことが好ましい。また図5(B)に示すよう
に、連通部57,58,59を少しずつずらしながら配
置し、内側の仕切板の一方の端部と外側の仕切板の他方
の端部との間を仕切板61,62,63でそれぞれ連結
するようにして、流路66を形成するようにしてもよ
い。以上のように図5(A)に示す第3実施例および図
5(B)に示す第4実施例も同様に、円筒状の炉体51
内の空間を有効に利用してデッドゾーンのない流路5
6,66を形成することができる。処理粉体の装入およ
び排出は、第1実施例のように中心から装入して外側か
ら排出するようにしてもよいし、外側から装入して中心
から排出するようにしてもよい。
【0017】以上の各実施例は、アイアンカーバイドの
製造を例として説明しているけれども、加熱、乾燥ある
いは造粒などの物理的処理や、各種化学反応処理などに
有効に利用することができる。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、分散板上
に螺旋状の仕切を設けるので、円筒状の炉体内に螺旋状
の流路を形成し、炉体内の空間を有効に利用しながらデ
ッドゾーンを形成することなく処理粉体の効率的な処理
を行うことができる。
【0019】また本発明によれば、円筒状の炉体内に複
数の環状の仕切を同心円状に設け、円周方向と半径方向
とが交互に繰返す屈曲した流路を形成して、炉体内の空
間を有効にデッドゾーンが生じないようにしながら処理
粉体の有効な処理を行うことができる。
【0020】また本発明によれば、円筒状の炉体の中心
部に処理粉体を装入し、側壁部から排出することができ
る。排出口が側壁部に設けられるので、流動層炉内で処
理された処理粉体を容易に取扱うことができる。
【0021】また本発明によれば、流動層炉には処理粉
体を側壁部から装入するので、炉体の外部から容易に処
理粉体を供給することができる。処理後の処理粉体は炉
体の中心部から排出されるので、たとえば分散板に中心
部が窪むような円錐状の傾斜を設ければ、分散板上に堆
積した処理粉体を容易に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の概略的な構成を示す平面
断面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た側面断面図
である。
【図3】本発明の第2実施例の概略的な構成を示す平面
断面図である。
【図4】図3の切断面線IV−IVから見た側面断面図
である。
【図5】本発明の第3および第4実施例の概略的な平面
断面図である。
【図6】先行技術の概略的な平面断面図である。
【図7】流動層炉内の時間経過と滞留している粉体粒子
の技術を示すグラフである。
【図8】多段式流動層炉の構成を示す簡略化した側面図
である。
【符号の説明】
11,31,51 炉体 12,32,52 ガス分散板 13,33,53,54,55 仕切板 14,34 入口 15,35 出口 16,36,56,66 流路 17,37 ノズル 20,40 流動層 57,58,59 連通部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の炉体に分散板を設け、分散板の
    下方からガスを噴出させて分散板上に処理粉体の流動層
    を形成する流動層炉において、 分散板上に螺旋状の仕切を設けることを特徴とする流動
    層炉。
  2. 【請求項2】 円筒状の炉体に分散板を設け、分散板の
    下方からガスを噴出させて分散板上に処理粉体の流動層
    を形成する流動層炉において、 分散板上に複数の環状の仕切を同心円状に設け、 各環状の仕切には、隣接する環状の仕切とは異なる半径
    上に内外を連通させる連通部を形成することを特徴とす
    る流動層炉。
  3. 【請求項3】 前記円筒状の炉体には、 中心部に処理粉体装入口を設け、 側壁部に処理粉体排出口を設けることを特徴とする請求
    項1または2記載の流動層炉。
  4. 【請求項4】 前記円筒状の炉体には、 側壁部に処理粉体装入口を設け、 中心部に処理粉体排出口を設けることを特徴とする請求
    項1または2記載の流動層炉。
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