JP2652574B2 - 複合材継手用織物 - Google Patents

複合材継手用織物

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JP2652574B2
JP2652574B2 JP1250321A JP25032189A JP2652574B2 JP 2652574 B2 JP2652574 B2 JP 2652574B2 JP 1250321 A JP1250321 A JP 1250321A JP 25032189 A JP25032189 A JP 25032189A JP 2652574 B2 JP2652574 B2 JP 2652574B2
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哲也 山本
西山  茂
健一 柴田
和孝 ▲から▼崎
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T50/00Aeronautics or air transport
    • Y02T50/40Weight reduction

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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は複合材製品を製造する際に、その製品の各部
を一体に接合する継手として使用される異形織物に関す
るものである。
本発明が使用される用途の一例として、航空機の外板
と桁部材とを断面「T」字状に連結する継手が挙げられ
る。
従来の技術 従来この種の外板と桁部材とを「T」字状に連結する
構造として、特開昭63−61699号公報に記載されたもの
が知られている。この構造は第3図に示すように、上下
に相対して配置されたサンドイッチパネルよりなる外板
1,1の間に、これもサンドイッチパネルよりなる桁部材
2を配置し、桁部材2の両端部を外板1の内面に「T」
字状に連結している。
その外板1と桁部材2との連結部分の詳細を第4図に
従って説明すると、外板1は外面パネル3と内面パネル
4との間に心材5が挟持されており、その桁部材2との
連結部において内面パネル4と心材5とが切除されて、
溝6が形成されている。また桁部材2も両面のパネル7,
7の間に心材8が挟持されている。
9は織物製継手であって、中央の横架部10の両端に分
岐部11,11が形成され、該分岐部11,11から側方に延長部
12,12が延びており、また分岐部11,11から上方及び下方
にそれぞれ桁部材挟持部13,13及び溝嵌合部14,14が延び
ており、全体として略「キ」字状の形状をなしている。
そしてこの継手9に樹脂を含浸し、その延長部12,12
を内面パネル4の表面に貼着すると共に、溝嵌合部14,1
4を溝6に嵌合して心材5の露出面に貼着し、さらに継
手9の横架部10及び溝嵌合部14,14並びに外板1の外面
パネル3に囲繞された空間にインサート部材15を充填す
る。そして継手9の表面に立設した桁部材挟持部13,13
の間に桁部材2の端部を挿入し、桁部材挟持部13,13を
桁部材2の両面に貼着し、合浸された樹脂を硬化せしめ
ることにより、桁部材2と外板1とを「T」字状に強固
に連結するのである。
而して継手9における横架部10と延長部12とにより外
板1における内面パネル4の切除部を再度連続させ、イ
ンサート部材15により心材5の切除部を連続せしめると
共に、継手9の溝嵌合部14,14を外板1に埋め込んで強
固に固着し、その溝嵌合部14,14と桁部材2に貼着され
た桁部材挟持部13,13とが一体に連続することにより、
桁部材2と外板1とを強固に一体に連結するとするもの
である。
また連結の構造は若干異るが、実公平1−26920号公
報にも、前述と類似の断面略「キ」字状の継手が示され
ている。
発明が解決しようとする問題点 前述の継手においては、この継手を構成する織物にお
いて、糸条は横架部10と延長部12とに亘って連続した部
分と、桁部材挟持部13から分岐部11を通って溝嵌合部14
に連続した部分とを有しており、これらの糸条が継手9
の長さ方向に延びるたて糸と織成されて、織物を構成し
ている。そしてこの構造では、外板1を側方に引張る力
及び、桁部材2を外板1から引抜く力に対しては、十分
な抵抗性を有している。
しかしながら構造物に曲げや振れの力が作用すると、
継手9の各部分には複雑な力が作用することになるが、
継手9の各部分はたて糸とよこ糸とよりなる織物構造で
あるため、特に延長部12,12部および桁部材挟持部13,13
部において継手9の長さ方向に面内剪断力が作用する
と、それらの部分が斜めに歪みを生じ、外板1又は桁部
材2との間に剥がれを生じ、桁部材2とが外板1との結
合強度が低下するのである。
そのためこれを補強するために、延長部12,12部から
桁部材挟持部13,13部にかけてバイアステープを追加積
層して補強することが行われているが、加工に手間がか
かり、また軽量化の点でも不利である。
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、特
に面内剪断力が作用する部分を、斜めに延びる糸条によ
り構成し、継手9の長さ方向に加わる面内剪断力に対し
て大きな抵抗性を有する、一体の継手用織物を提供する
ことを目的とするものである。
問題点を解決する手段 而して本発明は、長さ方向に連続した分岐部を有する
織物において、前記分岐部から延びる三以上の面のうち
少くとも一の面が、前記分岐部において接合された一対
の織物部分に分離されており、当該対をなす織物部分を
互いに逆方向に斜行させて接合したことを特徴とするも
のである。
この複合材継手用織物においては、前記織物部分が、
よこ糸と該よこ糸より充分に細い撚りたて糸とにより、
粗いすだれ織により織成されているのが好ましい。
また前記対をなす織物部分を斜行させる角度は、織物
の長さ方向に対して約45゜とするのが適当である。
実施例 以下本発明の実施例を図面に従って説明する。第1図
は本発明の継手用織物の斜視図であり、第2図はその織
物の組織を模式的に示す拡大横断面図である。
この織物16は、前記第2図の構造における継手9とし
て適した構造を示している。すなわち、横架部10の両側
部にそれぞれ分岐部11,11が形成されており、該分岐部1
1,11から側方に延長部12,12が延び出し、分岐部11,11か
ら上方及び下方には、それぞれ桁部材挟持部13,13およ
び溝嵌合部14,14が延びており、その断面は全体として
略「キ」字状を呈している。
而してこの実施例においては、横架部10及び溝嵌合部
14,14は、たて糸17とよこ糸18とが接結二重織組織によ
り織成されており、この部分におけるたて糸17とよこ糸
18とは、ほゞ同程度の太さと強度を有する糸条が使用さ
れて高密度に強固に織成されており、縦方向及び横方向
に大きな強度を有している。
これに対し、延長部12,12及び桁部材挟持部13,13は、
それぞれ分岐部11,11において接合された、各一対の織
物部分12a,12b,12a,12b,13a,13b,13a,13bに分離されて
いる。そして各織物部分12a,12b,12a,12b,13a,13b,13a,
13bは、それぞれ前記よこ糸18と、該よこ糸18よりも充
分に細い撚りたて糸19とにより、織密度の粗いすだれ織
に織成されている。
そして、それぞれ対をなす織物部分12a,12b,12a,12b,
13a,13b,13a,13bは、互いに逆方向に向って、織物16の
長さ方向に対して約45゜の角度で斜行させた状態で、一
体に接合されている。
この構造を、第1図において紙面の奥側の桁部材挟持
部13について、さらに詳細に説明する。織物16を織成し
た当初においては、当該桁部材挟持部13は鎖線で示すよ
うに、一対の織物部分13a,13bに分離されている。そし
て図中矢印で示すように、奥側の織物部分13aを左方に
斜行させ、手前側の織物部分13bを右方に斜行させて、
それぞれよこ糸18が織物16の長さ方向に対して約45゜の
角度をなしている。そしてこの状態において、織物部分
13aと織物部分13bとを接合し、一体の桁部材挟持部13が
形成されているのである。手前側の桁部材挟持部13及び
両延長部12,12についてもその構造は全く同様である。
次にこの織物16を織成する手順を具体的に説明する。
横架部10及び溝嵌合部14,14を構成するたて糸17は、400
tex6000fの炭素繊維糸が使用され、各部分毎に、14本/2
5mmの密度で上下二層に分けて配置されている。また延
長部12,12及び桁部材挟持部13,13の、各織物部分12a,12
b,12a,12b,13a,13b,13a,13bを構成する撚りたて糸19と
しては、40tex1000fの炭素繊維糸を二本撚合わせた糸条
が使用され、各織物部分毎に、7本/25mmの密度で配置
されている。
そしてよこ糸18としては、全体に亙って400tex6000f
の炭素繊維が使用され、以下に述べるサイクルで、25mm
間に3.5サイクルの密度で織込まれる。
次によこ糸18の打込み順序を説明する。第4図におい
て、左側の桁部材挟持部13の織物部分13bの端末から織
成を開始するとすると、第一回の打込みにより当該左側
の桁部材挟持部13の織物部分13bから、横架部10の上層
を経て右側の延長部12の織物部分12aに織込まれる。次
いで第二回の打込みにより、前記右側の延長部12の織物
部分12aから右側の桁部材挟持部13の織物部分13aに織込
まれる。さらに第三回の打込みにおいて前記右側の桁部
材挟持部13の織物部分13aから右側の溝嵌合部14の上層
に織込まれ、第四回の打込みにおいて、前記右側の溝嵌
合部14の上層から横架部10の上層を織成しつつそれぞれ
下層を接合し、さらに左側の延長部12の織物部分12aに
織込まれる。続いて第五回の打込みにより前記左側の延
長部12の織物部分12aから左側の溝嵌合部14の上層に織
込まれ、第六回の打込みにより、前記左側の溝嵌合部14
の上層を織成しつつ下層を接結し、さらに左側の桁部材
挟持部13の織物部分13aに織込まれる。
さらに第七回の打込みにおいて、前記左側の桁部材挟
持部13の織物部分13aから横架部10の下層を経て右側の
延長部12の織物部分12bに織込まれ、第八回の打込みに
おいて前記右側の延長部12の織物部分12bから右側の桁
部材挟持部13の織物部分12bに織込まれる。次いで第九
回の打込みにより、前記右側の桁部材挟持部13の織物部
分12bから右側の溝嵌合部14の下層が織成され、第十回
の打込みにより、前記右側の溝嵌合部14の下層から横架
部10の下層を経て、左側の延長部12の織物部分12bが織
成される。そして、第十一回の打込みにおいて前記左側
の延長部12の織物部分12bから左側の溝嵌合部14の下層
を織成し、第十二回の打込みにより前記左側の溝嵌合部
14の下層から、前記左側の桁部材挟持部13の織物部分13
bを織成して最初の織初めの位置に戻り、一サイクルを
終了するのである。
この組織においては、左右の延長部12,12の織物部分1
2a,12b,12a,12bはそれぞれ横架部10に連続する糸条成分
を有し、また左右の各桁部材挟持部13,13の織物部分13
a,13b,13a,13bと溝嵌合部14,14とは、それぞれ連続した
糸条成分を有している。従って左右方向及び上下方向に
は充分大きな引張り強度を有している。
また延長部12,12及び桁部材挟持部13,13の織物部分12
a,12b,12a,12b,13a,13b,13a,13bは、太いよこ糸18と細
い撚りたて糸19とによりすだれ織に織成されているの
で、容易に織組織が変形することができ、斜行させるこ
とができる。
そして織物部分12a,12b,12a,12b,13a,13b,13a,13b
を、互いに対をなすものが逆方向となるように約45゜の
角度で斜行させて接合して、延長部12,12及び桁部材挟
持部13,13を形成する。そして横架部10の両端の分岐部1
1,11から、延長部12,12を両側方に延び出させ、桁部材
挟持部13,13及び溝嵌合部14,14をそれぞれ上方及び下方
に延ばすことにより、略「キ」字状の継手9が得られる
のである。
作用 本発明においては、延長部12,12及び桁部材挟持部13,
13が、互いに逆方向に斜行する一対の織物部分12a,12b,
12a,12b,13a,13b,13a,13bを接合してなっており、当該
延長部12,12及び桁部材挟持部13,13内においては、互い
に斜めに交差する太いよこ糸18が強度を負担することと
なる。従って延長部12,12及び桁部材挟持部13,13はバイ
アス構造を有することとなり、継手9の長さ方向に加わ
る面内剪断力に対して、極めて大きな抵抗性を有する。
発明の効果 従って前述のように、複合材製サンドイッチパネルな
どの構造材を「T」字状に連結したときには、その構造
物に曲げや振れなどの変形が生じたとき、それらの変形
によって、継手9の延長部12,12や桁部材挟持部13,13に
面内剪断力が作用するが、本発明によれば、織物16の延
長部12,12及び桁部材挟持部13,13がバイアス構造を有し
ているので、その継手9の長さ方向に加わる面内剪断力
に対して大きな抵抗性を有し、構造材の連結部分での破
壊が生じることがない。また本発明の織物自体で面内剪
断力に対する十分な抵抗性を有しているので、特に補強
用のバイアステープを積層する必要もなく、手間がかか
らず、また軽量化にとっても有利である。
発明の適用対象 以上の説明においては、特開昭63−61699号公報に示
された外板1と桁部材2との連結のための継手9として
説明しているが、本発明はこれに限定されるものではな
い。前記特公平1−26920号公報に記載された構造にお
ける継手に適用することもできる。また極めて単純な構
造として、断面略「Π」字状の継手の上面を外板に接合
し、側面部を桁部材の両面に接合する構造も考えられる
が、かかる構造においても本発明を適用することは有効
である。
要するに本発明は、継手の断面形状内に少くとも一カ
所の長さ方向に延びる分岐部を有し、該分岐部から三以
上の面が延びている構造のものにおいて、当該三以上の
面のうちの少くとも一の面に面内剪断力が作用する可能
性がある場合に、広く適用することができる。
而して前記実施例は、この適用範囲のうちの、分岐部
の数が二であり、その各分岐部から延びる面の数がそれ
ぞれ四であり、且つその各分岐部から延びる面の内のそ
れぞれ二面について面内剪断力が作用する可能性がある
場合について示したものということができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す斜視図であり、第2図
はその織物組織の一例を模式的に示す横断面図である。
第3図は本発明が適用される構造物の一例を示す斜視図
であり、第4図はその主要部の横断面図である。 9……継手、10……横架部 11……分岐部、12……延長部 12a,12b,13a,13b……織物部分 13……桁部材挟持部、14……溝嵌合部 16……織物、17……たて糸 18……よこ糸、19……撚りたて糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 健一 京都府向日市寺戸町西野35番地 西野ハ イツ307 (72)発明者 ▲から▼崎 和孝 大阪府茨木市三島丘2丁目27番9号 (56)参考文献 特開 昭63−61699(JP,A) 特開 昭63−120153(JP,A) 特開 平2−307949(JP,A) 特開 平1−314750(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長さ方向に連続した分岐部を有する織物に
    おいて、前記分岐部から延びる三以上の面のうち少くと
    も一の面が、前記分岐部において接合された一対の織物
    部分に分離されており、当該対をなす織物部分を互いに
    逆方向に斜行させて接合したことを特徴とする、複合材
    継手用織物
  2. 【請求項2】前記織物部分が、よこ糸と該よこ糸より充
    分に細い撚りたて糸とにより、粗いすだれ織により織成
    されていることを特徴とする、請求項1の複合材継手用
    織物
  3. 【請求項3】前記対をなす織物部分が、互いに逆方向
    に、織物の長さ方向に対して約45゜斜行して接合されて
    いることを特徴とする、請求項1の複合材継手用織物
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