JP2652026B2 - 岸壁構築法 - Google Patents

岸壁構築法

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JP2652026B2
JP2652026B2 JP2644288A JP2644288A JP2652026B2 JP 2652026 B2 JP2652026 B2 JP 2652026B2 JP 2644288 A JP2644288 A JP 2644288A JP 2644288 A JP2644288 A JP 2644288A JP 2652026 B2 JP2652026 B2 JP 2652026B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、海洋土木の岸壁構築に関するものであり、
特に大河川の河口等の大量の土砂が積層した地帯におけ
る岸壁の構築方法として好ましいものである。
(従来の技術) 従来技術の岸壁構築法は、概ね次の通りである。即ち
岸壁の基礎工事として、岸壁を構築使用とする場所に大
量に捨石を入れ、捨石基礎を作る。そして潜水夫によっ
て石組みし、ある程度水平な天面を構築する。さらにこ
の天面の上にケーソンを載せて岸壁を作る。
(発明が解決しようとする課題) 従来技術の岸壁構築法では、多くの場合、海底に直接
捨石を入れる工法を採用し、海底を予め掘削すると言っ
た工法は採らない。
この理由は、従来海底を効率良く掘り下げる方法が無
かったためである。
そこで本発明者は、この問題点に注目し、海底の土砂
を効率よく除去する水底土砂押送土船および、この土砂
を運搬する土砂採取運搬船を発明した(特願昭62−2416
4号)。
しかしながら、これらの発明を有効に利用する工法は
今だ開発されていない。
そこで本出願の発明は、水底土砂押送土船等を利用し
た岸壁の構築方法を開示するものである。
また本発明は、従来の技術の岸壁構築法よりもより工
期が短く、且つはるかに頑丈な岸壁を作ることができる
岸壁構築法を開示するものである。
即ち、災害の歴史を紐解くと、人知を越えた台風等の
エネルギーによって岸壁が容易に移動崩壊してしまった
例が数知れない。例えば、白島(福岡県)の岸壁におい
ては、相当の大波を想定して設計されたにもかかわら
ず、台風の大波によって簡単に移動崩壊してしまった事
例がある。
これは、従来技術の岸壁構築法が、ケーソン等をただ
単に水底に置いたに過ぎないものであるため、剛性に限
界があることに起因する。
そこで本発明は、全く新しい岸壁構築法を開示して、
従来に比べて格段の剛性を持つ岸壁を構築せんとするも
のである。
(問題点を解決するための手段) そして上記した目的を達成するための本発明は、長手
方向と、旋回方向および傾動方向に移動可能な杭打ち装
置を備えた杭打ち船を使用し、概杭打ち船を杭又はスパ
ッドによって水面に固定し、概杭打ち船によって杭を打
ち込み、さらに船上において杭打ち装置を順次長手方向
に移動させて既設の杭と所定の間隔をあけて他の杭を打
ち、打ち終えた杭に枠状の中空ブロックを被せ、該ブロ
ックに充填材を充填して杭とブロックを一体化すること
を特徴とする岸壁構築法である。
また同様の目的を達成するためのもう一つの発明は、
水底を掘り下げ、該掘り下げた水底に複数の杭を打設
し、複数の杭を跨いで枠状の中空ブロックを被せ、さら
に該中空ブロックの上に別の中空ブロックを積み上げ、
中空ブロックに充填材を充填して杭とブロックを一体化
することを特徴とする岸壁構築法である。
以上の2つの発明において中空ブロックは、凹凸を有
し、上下左右に隣合う中空ブロック同志は、前記凹凸が
相互に嵌合されて積まれることが望ましい。
(作用) 本発明の岸壁構築法では、長手方向と、旋回方向およ
び傾動方向に移動可能な杭打ち装置を備えた杭打ち船を
利用する。
そしてこの杭打ち船は、既設の杭や、杭打ち船が独自
に有するスパッドによって、水面に固定される。
杭打ち船の固定位置は、多くの場合、構築する岸壁と
平行に配される。
そして杭打ち船の杭打ち装置に杭が装着され、さらに
旋回されて杭は水中に運ばれる。また杭打ち装置は傾動
可能であるため、杭は角度を調節して鉛直方向に保持さ
れる。このようにして最初の杭が打設される。
最初の杭の打設が完了すると、杭打ち装置には、次の
杭が装着される。そして先の杭と同様に水上に運ばれ
る。ここで本発明の岸壁構築法では、前述の様に杭打ち
船は、長手方向に移動可能な杭打ち装置を備えるので、
当該杭打ち装置を長手方向に移動させることにより、先
の杭とは離れた位置に杭を打つことが可能である。
また本発明では、杭打ち船は、既設の杭やスパッドに
よって水面上に固定されているので、先に打設された杭
とこの度打設する杭との位置関係は、杭打ち装置の長手
方向の移動と旋回方向の移動および傾動角度だけによっ
て決定される。そのため杭同志の間隔は制御が極めて容
易である。
杭は、通常極めて多数が打設される。また杭は、杭打
ち船の左舷または右舷側のいずれか一方だけに打設して
も良いが、杭打ち船を中心として、その両脇に順次打設
していく事が作業効率上望ましい。
また両脇に杭を打設する場合は、既設の杭に杭打ち舟
を固定する場合に安定性が良い点からも推奨される。
所定の本数の杭が打設し終わると、杭に枠状の中空ブ
ロックを被せる。即ち中空ブロックによって複数の杭を
包囲する。ここで複数のブロックは、小型のものを利用
し、これを順次積み上げていくことが望ましい。より具
体的には、ブロックの高さは、図2の様に水深よりも相
当に低く、多数を積み上げることによって初めて上部が
水上に現れる構成が推奨される。
さらに請求項3に記載した様に中空ブロックに凹凸を
設け、上下左右に隣合う中空ブロック同志をこの凹凸が
相互に嵌合することによって結合することが望ましい。
このように構成することにより、ブロック同志の結合が
強固になり、岸壁全体が一体化してより強固になるため
である。
そして次の工程として、中空ブロック内に水中コンク
リート等の充填材を充填し、杭とブロックを一体化させ
る。
請求項2記載の岸壁構築法では、水底を掘り下げた上
で杭を打つので、杭の強固な地盤への到達が容易であ
る。また水底を掘り下げることによって水深が増すの
で、長い杭を用いても水上に突出する部分は比較的短い
ものとなる。そのため杭打ち装置の全高は低いもので足
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図aは、鉄筋コンクリート杭1とセルラーブロック
2の組み合わせの平面図である。第1図bは、第1図a
のA−A断面図である。第1図cは、第1図aのB−B
断面図である。第1図dは、つり上げ鉄枠18の斜視図で
ある。第1図eは、つり金具5の側面図である。第2図
aは、鉄筋コンクリート杭1の配置及びセルラーブロッ
ク2,9の配置平面図である。第2図bは、段積みを表す
第2図aのC−C側面図である。第2図cは、第2図a
のD−D断面図である。第3図aは、反動防止覆いの平
面図である。第3図bは、第3図aのE−E断面図であ
る。第3図cは、第3図aのF−F断面図である。第4
図は、型枠寸法調節の平面図である。第5図は、太鉄筋
7を表す正面図および平面図である。第6図aは、特殊
杭打船25の平面図である。第6図bは、第6図aのG−
G断面図である。第6図cは、第6図aのH−H断面図
である。第6図dは、特殊杭打船25の船首部の拡大平面
図である。第6図eは、第6図aのI−I断面図であ
る。第6図fは、上坂29の縮小平面図である。第6図g
は、下坂26の平面図である。第6図hは、特殊杭打船25
の甲板の平面図である。第6図iは、特殊杭打船25の甲
板のJ−J断面図である。第6図jは、特殊杭打船25の
甲板の平面図である。第6図kは、動輪28の取り付け部
分の断面拡大図である。第6図lは、動輪28の取り付け
部分の平面図である。第6図mは、動輪28の正面拡大図
である。第6図nは、動輪28とラックレール27の組み合
わせ部分の側面拡大図である。第7図は、作業状態を説
明する説明図である。
本実施例の岸壁構築法によって作られる岸壁は、鉄筋
コンクリート杭1と、セルラーブロック2,中込材12、上
板版及び洗掘防止ブロックによって構成される。
また本実施例に特有の装置、治具には、型枠調節ねじ
棒20、特殊杭打船25、油圧シリンダーロッド支台車39及
び補助レール49,50がある。
これらの主要な部材、装置の構造、機能及びその作用
は次の通りである。
(1)鉄筋コンクリート杭1について この杭1は、たい積土地帯において、捨石基礎に変わ
り、たい積層下の原地盤と、セルラーブロック2のコン
クリート壁対を一体化するものであり、本実施例では、
この杭1によって波力に対抗させる構成を採用してい
る。
鉄筋コンクリート杭1の作用は、上記の他にセルラー
ブロック2を設置する際の導設となる。従って鉄筋コン
クリート杭1は、きわめて正確に定位置かつ垂直に打設
をしなければならない。
鉄筋コンクリート杭1は、具体的には遠心力鉄筋コン
クリート杭JIS−A−5310程度のものとし、岸壁の弱点
部位である岸壁の端部や直角曲点および埠頭の特に重要
な部位にはJIS−A−5335に規定される遠心力プレスト
レストコンクリート杭を使用する。
鉄筋コンクリート杭1の直径は60cmから80cmである。
杭1の長さは、たい積層の厚さによって決められるが、
30mから50mである。
杭打ち作業に際しては、まず杭打予定地の現地盤11を
計画地盤10まで掘り下げる。尚、地盤の掘り下げは、本
発明者が先に開示した押送土船60と、本出願と同日付け
出願の運搬装置55を利用する。
そして掘り下げによって発生した土砂を利用して仮防
波堤67(第7図参照)を築く。掘削部の底地盤は、必ず
概ね水平に仕上げ、セルラーブロック2の最下端ブロッ
クが正しく据えられる様にする。
この岸壁構築法の最も重要な作業は、杭打設工事であ
ることから通常の杭打ち船では、到底正確な位置に杭を
打設することはできない。そのため、本実施例では、専
用の杭打船25により、鉄筋コンクリート杭1の間隔、距
離を正確に保持して打設する。
本実施例の岸壁構築法では、前述のように、予め海底
を計画地盤まで掘り下げているので、水深が深く、たと
え鉄筋コンクリート杭1をつり上げても、杭1の水面に
出る部位は短い。従って杭1を保持するやぐらの高さ
は、この水面上に出る部位を打てるだけの高さがあれば
良く、水深の深さだけやぐらの高さは低くて足る。
杭1は、最大満潮時の海面よりもセルラーブロック2
の一つの高さの1.5倍位出たところで打ち止める。鉄筋
コンクリート杭1の打設が終われば、鉄筋コンクリート
杭1の中空部分にコンクリートを充填し、天端に定規を
あてて、鉄筋コンクリート杭1の中心位置6を表示し、
各杭打設後の片側二列毎の位置関係を正確に測定する。
この各中心位置6の水平距離と、各杭1の垂直度ほ垂球
で測定して記録する。
そしてこの測定データに基づいてセルラーブロックを
製造する。即ち、本実施例では、セルラーブロック2の
型枠に、調整ねじ棒20が設けられており、この調整ねじ
棒を回転することにより、型枠の外径寸法が変化する
(図4参照)。
より具体的には、各セルラーブロック2の型枠を、調
節ねじ棒20によって長辺隅切板23と、短辺隅切板24によ
り、隅切部で調節し、前記したデータに合わせて型枠の
大きさを調節する。
その結果、各打設後の鉄筋コンクリート杭1と、セル
ラーブロック2の内側の形が合致し、据え付けに支障が
なくなる。即ち第1図aのように、隣接するセルラーブ
ロック2の接合巾を杭距離に合致するようになってお
り、この事から杭1は、セルラーブロック2の内側にぴ
ったりと打つ必要はない。また杭1が多少内側に入って
打設されても、後で水中コンクリートを打設充填するの
で、一向に差し支えない。しかしながら、天候や土質に
よって、5cm程度の誤差が生じることは避けられない事
から、常にセルラーブロック2の内壁から5cm程離した
位置を杭打設の定位置と決める。
鉄筋コンクリート杭1を打設する際におけるの垂直度
の誤差は、ある程度型枠の調節でまかなえるが、セルラ
ーブロック2側へ大きく食い込む傾斜をしたものは、杭
を抜いて打ち直さなければならない。
鉄筋コンクリート杭1を指定位置に垂直に正確に打設
することにより、後は流れ作業的に工事は順調に進むゆ
えんである。
(2)セルラーブロック2について 本実施例で採用するセルラーブロック2は、従来の枠
の形をしているものの、底板のない中空状のものであ
り、鉄筋コンンクリートによって作られている。第1図
のように、このセルラーブロック2の枠内に、6本づつ
の鉄筋コンクリート杭1を抱き込みつつ、セルラーブロ
ック2は順次上に積み重ねられる。そしてこの枠内に水
中コンクリートを打設充填してセルラーブロック2と鉄
筋コンクリート杭1を一体化する。このセルラーブロッ
ク2と鉄筋コンクリート杭1は、一体化してあたかも一
つの壁を構成する。
本実施例では、この壁は、図2のように平行に二列構
成される。そのため本実施例では、頑丈なコンクリート
壁二層が構成される。
そしてこの壁の間に、中込材を入れ、さらに図2cの様
に上床板13によって壁同士を連結する。その結果全体と
して従来のケーソンの規模を上回る構造物が出来上が
る。
セルラーブロック2の大きさは、大型のクレーン船53
が扱い易く、段積みするのに適したものとする。
本出願に添付した図は、外寸法を3.6×5.4×3.0mにな
るように縮尺を定めて描いた。
本実施例では、4種類のセルラーブロック2を利用し
ている。
その一つは、壁の最下段に使用するもので、第2図c
のように、地面に接する先端部分が内歯状になってい
る。もう一つは壁同士を仕切るブロック9である。3種
類目は、第2図aに示すようにブロックを5乃至6個毎
に一群のブロックとして縁が切れるように、群と群の隣
接する部位に使用するものである。
また4種類めは、図面の太線で現した一番数の多いセ
ルラーブロックである。
これらのセルラーブロック2は、凹凸壁を持ち、上下
および隣のセルラーブロック2と嵌合する。ただし、前
記したセルラーブロック2の内、群と群の隣接する部位
に使用するものには、横接続の凹凸壁は無い。
各セルラーブロック2の接合は、水中で行われる。セ
ルラーブロック2は、正確に打たれた鉄筋コンクリート
杭1をそれぞれ6本づつ取り囲み、横方向には凹凸壁が
隣合うセルラーブロック2のそれと嵌合し、上下には、
それぞれの連結凸部3と連結凹部4によって組み合わさ
れる。
セルラーブロック2の作製は、型枠を利用して行う。
型枠の構成は、そのすべてを鋼製とし、調整ねじ棒20を
利用して、前記した打設杭の寸法に合致させ、且つ凹凸
関係が成立するように、寸法関係を厳密に管理する。
従って第7図のように、造成される陸地をセルラーブ
ロック2の作製基地として設ける。
セルラーブロック2の製品は、寸法検査を済ませて運
び出し、据え付けは、つり上げ作業から始まる。セルラ
ーブロック2のつり上げは、第1図dのような、鉄枠18
およびつり金具5を利用して行う。即ち、鉄枠18の四隅
から、同じ長さのワイヤーを設け、さらにそのワイヤー
の先端につり金具5を装着する。そして四つのつり上げ
穴5′に下から上へ向かって差し込む。鉄枠18の四隅
を、クレーン船53のフックに連結し、水平につられたセ
ルラーブロック2は、鉄筋コンクリート杭1の6本に沿
わして、ゆっくり沈める。そしてまず横の凹凸が既設の
凹凸と嵌合接合し、続いて上下に凹凸4,3が接合する。
ここで何回か上下させても一本だけワイヤーが他の緩み
方と違う場合は、うまく接合できていない証拠であるか
ら、ダイバーをいれて原因を調べ、やむを得ない場合に
は再びセルラーブロック2をつり上げて補正し、据え付
けを完全なものとしなければならない。
接合が終わると、4本のワイヤーがそろって緩み、鉄
枠18を揺すって金具5の自重で外れる。ただし勿論この
金具5は、荷重がかかって居る間は絶対に穴5′から外
れないものとすることが肝要である。
このように一段づつ段積みし、一群のブロックを水面
上まで続けて据えつける。(第2図では、八段積みとな
り、160乃至192個のセルラーブロック2が必要とな
る。) 次にクレーン船53に、グラブバケットを着けて、各セ
ルラーブロック2の中に入れ、水底土砂をつかみあげる
か、もしくは水中ダルマポンプを入れて水と共に土砂を
吸い上げるか、又は圧搾空気を送る等して、一群ブロッ
クを順次同量降下させ、更に2段の根入れを行い、2段
を上に積み足す。一般の岸壁は、二層の外海側のみ根入
れを行い、前述の弱点部と重要な岸壁は、二層共に根入
れを行う。据え付けが終われば、ただちに一群の各セル
ラーブロック2の中へ、水中コンクリートを充填する。
セルラーブロック2の中は、比較的狭い場所と言えるの
で、トレミー工法が適しているが、コンクリートポンプ
工法でも良い。図は、水深が深いので後者を対象に画い
ている。
NUCS装置の打設用先端管15の先端に反動防止覆い8を
つり金物17で取り付ける。これは、コンクリートの吐出
反力のため管15の先端が振動して、打設中のコンクリー
ト中より飛び出したり、また反対に打設用先端管15がコ
ンクリート中に埋没してしまはないためのもので、水中
コンクリート充填前に、セルラーブロック2の中央に第
3図aのように太鉄筋7を、キャップ19を被せて、四本
を一度に打ち込み、抱き環16に通して管を沈降する。
これにより、吐出反力が働いても、打設用先端管15は
踊らず、打設コンクリートの協力な浮力で覆い8は押し
上げられる。従って打設用先端管15を少量ずつ引き上げ
る必要もなく、また打設用先端管15が埋設してしまうこ
ともなく、抱き環16の作用により、充填されるコンクリ
ートの上面と共に打設用先端管15は太鉄筋7に沿って上
昇する。そして切り換え弁によって、適当なところで、
安全にパイプの切り換えを行う。また太鉄筋7は、その
まま埋め込まれて、鉄筋水中コンクリートとなり、強度
を増す。このようにして、各セルラーブロック2毎にコ
ンクリートの打設途中で充填を中止することなく、一群
ブロック全部の充填を順次行う。
クレーン船53は、独自に据え付けを続け、数群ブロッ
ク毎に、コンクリート充填の終わったセルラーブロック
層に、別揃えの仕切りブロック9を3段程度据え付け
る。このブロックに囲まれた底から、ブロック9の天端
位まで中込材12として、粗石(捨石基礎に該当)を充填
し、既成部分の自然沈下等、構造物の安定時間を置く。
これから先は、従来のケーソン岸壁工法と同じである
ので省略する。
(3)中込材について 前述の通り、岸壁の場所により中込材12の材料を変え
る。即ち遠心力鉄筋コンクリート杭1が打たれている部
分は、近くの仮防波堤土砂がヘドロに近い悪質なもので
ないかぎり、サンドポンプ船58で十分水締めを行って充
填し、岸壁の裏込めも行う。遠心力P.S杭1が打たれて
いる部分は、割り石若しくは水中コンクリートを充填す
る。岸壁を防波堤とする場合の中込材は、割り石層と水
中コンクリート層を交互にミックスさせる。
(4)上床版13及び洗掘防止ブロックについて 従来のケーソン工法と概ね同じであるが、違う点は、
床版の中に鉄筋コンクリート杭1と、セルラーブロック
2の上部を抱き込むことと、返し波による洗掘防止と中
込材吸出防止のため、在来のテトラポットにかえて、第
2図cの如きブロック14′を設置することである。
(5)型枠調節ねじ棒20について 第4図の如く、型枠の内側両隅に、型枠調節ねじ棒20
を取り付け、鉄筋コンクリート杭1の打設後の寸法に合
致するように型枠の大きさを調節する。型枠調節ねじ棒
20を回転させると、ねじ山21が働いて、長辺隅切板23が
前後する。そして長辺隅切板23の間隔を拡げる場合は、
長辺隅切板23と短辺隅切板24の間に隙間が生じるので、
短辺隅切板24を長辺隅切板23の移動方向に対して垂直に
移動させ、隅切部の重複部分を密着させる。短辺隅切板
24の上、中、下段3か所に、隅切形維持板21を付け、13
5度の形を維持させる。外側の形枠は、鉄筋コンクリー
ト杭1の打設結果に関係なく、すべて同じものとする。
(6)特殊杭打船25について この特殊杭打船25は、第2図aの前、後列の杭の中間
に固定され、主として両舷に、杭打ちを行う。そのため
特殊杭打船25の巾は、杭間隔内で船が作業中も、被曳航
中も、安全を確保できる最小限の巾とする。従ってこの
特殊杭打船25は細長い船となるので、船高の高いものと
なる。
特殊杭打船25の甲板69上には、ラックレール27が設け
られている。またラックレール27には、下板26(第6図
g参照)が乗り、さらにその上に受歯円形レール30と、
上板29の前部を支える支台円形レール32が乗る。そし
て、これらが旋回の脚となる。また回転軸37を介して取
り付けられた上板29の上には、傾動式杭打やぐら31と、
機械室36が設置される。やぐら31は、補助やぐら46、ハ
ンマー及び杭つり上げ装置、主巻フック、上部リーダ3
5′、下部リーダ35、油圧シリンダー装置のロッドキー
パー38、及び主やぐら31で傾動装置を構成する。
ラックレール27の歯底によって、回転軸37の位置が決
まり、これと各鉄筋コンクリート杭1の位置関係は、平
面幾何学的に決まり、それは旋回用の受歯円形レール32
の歯の位置で決定できて、やぐら31の方向が決まる。傾
動装置の調節は、後脚シリンダー41のピストンの位置で
決まり、コンピュータ記憶装置を利用した運転とする。
回転軸37の移動は、動輪28の駆動で走行し、次の決まっ
た回転軸37の位置で停止して、これを3回行うことによ
って、船一回の固定で60本の杭を打つことが出来る。
船の固定は、船首側は打ち込み済杭1−aに横板42を
蝶番45で起こして挟み込む。これに縦板43をボールト44
で固定する。
一方船尾は、公知の小型シリンダー式スパッド、又は
押送土船の全鋼棹を直立させて連結し、船尾を完全に固
定する。
前述の通り、仮設防波堤67で波を止め、その上で船の
前後を、従来のような、いかりとワイヤーと言ったよう
な不安定な固定ではなく、杭1等に対してしっかりと固
定するので、特殊杭打船25はあたかも陸上と変わらない
程度に固定される。そのため鉄筋コンクリート杭1は、
正確に指定の位置に打ち込まれる。
尚、甲板69には、各杭1の横方向点検のため、杭1の
前後面の線48をペンキで表示し、打ち込み前に、下部リ
ーダ35の垂直度と共に、充分点検し、打ち込み中も監視
し、特に杭1の傾斜には充分注意する。もし杭1が傾き
だしたら、傾き始めに既設杭1から調節して垂直にす
る。また通船口68を閉じる場合は、回転軸37を船首37′
の位置に移動し、表示線48′にあわせて、横方向に後列
2行、前列2行と打設する。
(7)油圧シリンダーロッド支台車39について ロッド38の先端には、下部リーダ35保持と、両開き抱
持キーパーが装着されており、これに荷重がかかること
は絶対許されないので、移動出来るようにレール40に乗
った支台車39でこれを支える。
(8)補助レール49,50について ラックレール27のみでは、重い杭をつり上げたり、上
板29に乗っている機械室36が、船外へ出てしまうように
なるので、荷重のバランスがくずれて、片荷重となる機
会が多いので、これを防護するため、外側補助レール49
及び、内側補助レール50を設けて、傾動装置、旋回装
置、走行装置を安全なものとする。
次に本実施例の岸壁構築法の作業手順を第7図を参照
しつつ説明する。
岸壁構築工事は、岸壁の直角曲点から両側に向けて開
始される。
まず、約1km毎に通船口68(杭間距離の60倍を、電波
測距機で正確に測定してあける)を設け、運搬装置船5
6、57の活動を活発にし、陸地の造成が終われば、前述
の通りこれを閉じる(51)。出来た陸地は、鉄筋コンク
リート作製基地52とする。
次の工区ではクレーン船53、コンクリートプラント船
54及びサンドポンプ船58が移動を止めて、押送土船60が
仮防波堤67の土砂を集めて、中込め及び裏込めを作業
し、次の工区では杭運搬船59と、特殊杭打船25が、仮防
波堤に守られて作業し、次の工区では、押送土船60が仮
防波堤67を構築、水底土砂運搬船55が計画地盤までの掘
り下げ作業をしている。一方現在の海岸線64では、運土
された土を押送土船60と転ぴょう船62によって埋め立て
し、大河63の流水をこの中間に導く作業を現したもので
ある。
本実施例によると、押送土船60の活用により、広範囲
のたい積土を集め得るので、埋め立てを大規模にし、工
事期間中の洪水による土砂流出をも、導いて利用するな
ど陸地を短時間で完成させることができる。
(発明の効果) 以上述べたように、押送土船60と、運搬装置船55と、
岸壁構築法を組み合わせた効果は、大規模の埋立造成地
と、強固な岸壁を持つ新陸地が早期に出来、その経済効
果は大きく、河および海並びに港湾の治水、整備を完全
なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図aは、鉄筋コンクリート杭1とセルラーブロック
2の組み合わせの平面図である。第1図bは、第1図a
のA−A断面図である。第1図cは、第1図aのB−B
断面図である。第1図dは、つり上げ鉄枠18の斜視図で
ある。第1図eは、つり金具5の側面図である。第2図
aは、鉄筋コンクリート杭1の配置及びセルラーブロッ
ク2,9の配置平面図である。第2図bは、段積みを表す
第2図aのC−C側面図である。第2図cは、第2図a
のD−D断面図である。第3図aは、反動防止覆いの平
面図である。第3図bは、第3図aのE−E断面図であ
る。第3図cは、第3図aのF−F断面図である。第4
図は、型枠寸法調節の平面図である。第5図は、太鉄筋
7を表す正面図および平面図である。第6図aは、特殊
杭打船25の平面図である。第6図bは、第6図aのG−
G断面図である。第6図cは、第6図aのH−H断面図
である。第6図dは、特殊杭打船25の船首部の拡大平面
図である。第6図eは、第6図aのI−I断面図であ
る。第6図fは、上坂29の縮小平面図である。第6図g
は、下坂26の平面図である。第6図hは、特殊杭打船25
の甲板の平面図である。第6図iは、特殊杭打船25の甲
板のJ−J断面図である。第6図jは、特殊杭打船25の
甲板の平面図である。第6図kは、動輪28の取り付け部
分の断面拡大図である。第6図1は、動輪28の取り付け
部分の平面図である。第6図mは、動輪28の正面拡大図
である。第6図nは、動輪28とラックレール27の組み合
わせ部分の側面拡大図である。第7図は、作業状態を説
明する説明図である。 1……鉄筋コンクリート杭 1−a……打込済み杭 1−b……打込杭 1−c……予定打設杭 2……セルラーブロック 3……連結凸部 4……連結凹部 5……つり金具 5′……つり上げ穴 6……杭頭部の中心点 7……太長鉄筋 8……反動防止覆い 9……仕切りブロック 10……計画地盤線 11……現地盤線 12……中込材 13……天端鉄筋コンクリート床版 14……波返し 14′……洗掘防止ブロック 15……コンクリートポンプの先端管 16……抱き環 17……つり金物 18……つり鉄枠 19……太鉄筋キャップ 20……型枠調整ねじ棒 21……ねじ山 22……隅切形維持板 23……鋼製長辺隅切板 24……短辺隅切板 25……特殊杭打船 26……下板 27……ラックレール 28……動輪 29……上板 30……受歯円形レール 31……やぐら 32……支台円形レール 33……やぐら前脚支台 34……後脚支台 35……下部リーダ 35′……上部リーダ 36……機械室 37……回転軸 37′……船首前面杭打時の回転軸位置 38……ロッド棒 39……ロッド棒支台車 40……レール 41……シリンダーロッド 42……船首固定横板 43……船首固定縦板 44……締めボールト 45……蝶番 46……補助やぐら 47……補助やぐらの調節用油圧装置 48……杭位置表示線 49……外側補助レール 50……内側補助レール 51……締切閉鎖場所 52……鉄筋コンクリート作製基地 53……クレーン船 54……コンクリートプラント船 55……水底土砂運搬装置船 56……土砂排出後の戻り船 57……土砂排出に向かう船 58……サンドポンプ船 59……杭運搬船 60……土砂押送土船 61……材料運搬船 62……転ぴょう船 63……大河 64……現海岸線 65……動力装置 66……車軸 67……仮設防波堤 68……通船口 69……杭打船甲板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向と、旋回方向および傾動方向に移
    動可能な杭打ち装置を備えた杭打ち船を使用し、該杭打
    ち船を杭又はスパッドによって水面に固定し、該杭打ち
    船によって杭を打ち込み、さらに船上において杭打ち装
    置を順次長手方向に移動させて既設の杭と所定の間隔を
    あけて他の杭を打ち、打ち終えた杭に枠状の中空ブロッ
    クを被せ、該ブロックに充填材を充填して杭とブロック
    を一体化することを特徴とする岸壁構築法。
  2. 【請求項2】水底を掘り下げ、該掘り下げた水底に複数
    の杭を打設し、複数の杭を跨いで枠状の中空ブロックを
    被せ、さらに該中空ブロックの上に別の中空ブロックを
    積み上げ、中空ブロックに充填材を充填して杭とブロッ
    クを一体化することを特徴とする岸壁構築法。
  3. 【請求項3】中空ブロックは、凹凸を有し、上下左右に
    隣合う中空ブロック同志は、前記凹凸が相互に嵌合され
    て積まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の岸
    壁構築法。
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