JP2649328B2 - 電磁波防止身体装着品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は時計バンド，ブレスレッ
ト，ベルト等の身体装着品に関し，特に電磁波防止身体
装着品に関する。

【０００２】

【従来の技術】電磁波の身体への影響を防止する電磁波
防止の手段として，電磁波のシールド材である金属材料
を埋込み設置し或いは織り込み設置した防護服が知ら
れ，例えばレーダー作業の如くに特に強い電磁波を受け
る強電磁波環境において用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この場合，電磁波の身
体への影響を防止する上で効果的ではあるが，防護服は
それ自体一般的ではなく，日常の生活で用いるには，デ
ザイン，重量等の面で著しく不適であり，特に女性や若
年層にあってはその使用を全く期待し得ない。

【０００４】しかし乍ら，各種の通信機器，家電製品や
オフィスにおけるワープロ，コンピュータ等のＯＡ機器
が電磁波を漏出することによって日常生活における電磁
波の影響，例えば眼精疲労，近視，ガン，異常出産，Ｖ
ＤＴ疲労等々の身体への悪影響が指摘され，これら機器
類と無関係に生活することができない今日，日常生活に
おいて電磁波の身体への影響を防止する，日常生活用の
電磁波防止手段が必要とされるに至っている。

【０００５】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で，その解決課題とする処は，電磁波の身体への影響を
可及的に防止し，日常生活において好適に用い得る電磁
波防止身体装着品を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題に添い本発明
は，電磁波の電磁誘導によって電磁波と逆方向の磁界を
発生させ，電磁波を相殺中和するようにし，また磁界の
発生を電磁波の変化，特に強方向への変化に応じて行う
ように電流方向をダイオードで一方向とするようにする
とともにこれを薄肉フレキシブルの帯状乃至短尺帯状の
ものとして構成して，時計バンド，ブレスレット，ベル
ト等の特に電磁波をシールドして磁界発生を阻害する金
属を除く，非金属系材料による身体装着品に添設，内蔵
等によって配設したものであって，即ち本発明は請求項
１を，樹脂フィルムのべースと，該べースに配置した渦
巻状又は偏平渦巻状の多巻コイルと，該多巻コイル端部
間に介設したダイオードとを備えて，薄肉フレキシブル
の帯状乃至短尺帯状としたフレキシブルコイル体を形成
し，該フレキシブルコイル体を非金属系材料よりなる時
計バンド，ブレスレット，ベルト等の身体装着品に配設
してなることを特徴とする電磁波防止身体装着品とし，
請求項２を，上記請求項１のフレキシブルコイル体を，
プリント基板にダイオードを実装して構成してなること
を特徴とする電磁波防止身体装着品とし，請求項３を，
上記請求項１のフレキシブルコイル体を，べースに０．
３mm以下の径のエナメル銅線による多巻コイルを固定し
且つダイオードを実装して構成してなることを特徴とす
る電磁波防止身体装着品とし，請求項４を，上記請求項
１乃至３のフレキシブルコイル体の身体装着品への配設
を，身体装着品の裏面側においてフレキシブルコイル体
を添設固定し又は身体装着品の裏面側に設けた保持部に
フレキシブルコイル体を保持して添設固定してなること
を特徴とする電磁波防止身体装着品とし，また請求項５
を，上記請求項１乃至３のフレキシブルコイル体の身体
装着品への配設を，身体装着品の肉厚内に内蔵固定して
なることを特徴とする電磁波防止身体装着品とし，これ
らをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段とし
たものである。

【０００７】

【実施例】以下実施例を示す図面に従って本発明を更に
具体的に説明すれば，図１乃至図６において１はカジュ
アル用のブレスウオッチ，２はその時計部分，３はその
１ピースの時計バンドであり，該時計バンド３は，非金
属製材料の合繊繊維，特にナイロンによる厚肉織布によ
るものとし，その先端に合成樹脂のベルト押え具４を備
えたものとする一方，該時計バンド３は，フレキシブル
コイル体１０を配設したものとしてあり，本例にあって
は，特に時計バンド３の裏面側に設けた保持部６にフレ
キシブルコイル体１０を保持して添設固定したものとし
てある。

【０００８】本例の保持部６は，時計バンド３の裏面側
に，同じく織布による帯状カバー４を，時計バンド３の
表面側に縫糸が露出しないようにその外周を縫着して，
時計バンド３と帯状カバー５間に形成されたスペースに
よって形成してあり，フレキシブルコイル体１０の添設
固定は，本例にあって，時計バンド３裏面にフレキシブ
ルコイル体１０を載置又は載置固定した後に上記帯状カ
バー５を縫着し，フレキシブルコイル体１０を挟着状に
保持することによって行ってある。

【０００９】フレキシブルコイル体１０は，樹脂フィル
ムのべース１１と，該べース１１に配置した渦巻状又は
偏平渦巻状の多巻コイル１２と，該多巻コイル１２端部
間に介設したダイオード１４とを備えて，薄肉フレキシ
ブルの帯状乃至短尺帯状に形成したものとしてあり，本
例にあってフレキシブルコイル体１０は，これをプリン
ト基板１３にダイオード１４を実装して構成したものと
してある。

【００１０】即ち本例のフレキシブルコイル体１０は，
例えば肉厚を０．１〜０．３mm程度の薄肉にした絶縁性
にして弾発性を有するポリイミド，マイラー，ポリエス
テル等合成樹脂のフィルムをべース１１とし，エッチン
グにより，銅箔の多巻コイル１２のパターンを形成した
プリント基板１３を用い，これにダイオード１４を，は
んだ接続１５することによって実装したものとしてあ
る。

【００１１】フレキシブルコイル体１０の多巻コイル１
２は，本例において偏平渦巻状のものを単一で用い，こ
のとき多巻コイル１２の一辺の長さは，外形において９
５mm，幅外形において１１mmとし，巻数を１２ターンと
し，またダイオード１４は，最大電流１００ｍＡ程度の
可及的に小さく，例えば径１．９mm，長さ５〜６mm程度
のものを用いてある。

【００１２】フレキシブルコイル体１０にあって多巻コ
イル１２とダイオード１４により，ループの閉鎖回路が
形成され，ダイオード１４の整流作用によって該閉鎖回
路の電流は一方向に向うものとなり，従って，該閉鎖回
路が電磁波を受けると，電磁誘導による該電磁波と逆方
向の磁界が発生し，これを相殺中和するようになり，特
に上記ダイオード１４の整流作用によって電磁波の強方
向の変化に応じてこの磁界発生を行うようにしてある。

【００１３】本例のフレキシブルコイル体１０にあって
は，電磁波の強さによっても異なるが，２０〜３０Ｏｅ
の磁界が発生して，電磁波をその分相殺中和するもので
あった。なお巻数を増加すると磁界は大きくなり，例え
ば，巻数を１００ターンとした場合，最大１００Ｏｅ程
度の磁界が得られる。

【００１４】図中１５は，フレキシブルコイル体１０に
おいて，ダイオード１４をその一側端部の時計バンド３
の幅方向に向けて配置して，時計バンド３の使用に際し
ダイオード１４に過大な破断力が加わらないように上記
一側端部側の多巻コイル１２端部とダイオード１４を接
続するようにしたフレキシブル性を有するリード線であ
る。

【００１５】従って本例のブレスウオッチ１にあって
は，これを使用することによって，その時計バンド３に
配設したフレキシブルコイル体１０が，各種機器が漏出
する電磁波の身体に対する悪影響を可及的に防止するよ
うになり，日常生活に好適に用いることができる電磁波
防止手段とし得る。

【００１６】図７及び図８はフレキシブルコイル体１０
の他の例を示したもので，図７はフレキシブルコイル体
１０の防水性を高度に確保するために多巻コイル１２の
表面側に，べース１と同材質又は他の樹脂による防水フ
ィルム１６を積層固定して，該防水フィルム１６によっ
て薄肉フレキシブルの状態を損わないように多巻コイル
１２及びダイオード１４をシールした例，図８は上記偏
平渦巻状単一の多巻コイル１２に代えて，渦巻状複数の
多巻コイル１２とそれぞれにダイオード１４を備えてフ
レキシブルコイル体１０を形成した例である。また図９
は上記織布による時計バンド３に代えて，天然又は合成
の皮革，合成樹脂等の時計バンド３を用いたとき，これ
を表裏に積層接着構造とし，該時計バンド３の肉厚内に
フレキシブルコイル体１０を内蔵固定することによって
配設した例である。

【００１７】図示した例は以上のとおりとしたが，フレ
キシブルコイル体における多巻コイルは，上記１０cm程
度の偏平渦巻状のものとするとき，その巻数を１０ター
ン以上として可及的に回路を長尺のものとすることが好
ましく，幅が許す限り，巻数を可及的に大とし，例えば
１５ターン，２０ターン又はそれ以上とし，またベルト
用により長い偏平渦巻状の多巻コイルを用いることによ
って回路を長尺とし，或いは偏平渦巻状又は渦巻状多巻
コイルの数を複数，更には多数とすることにより合計の
回路を長尺のものとすることが電磁波の防止においてよ
り有効となる。

【００１８】フレキシブルコイル体の構成は，上記プリ
ント基板によるものの他，同様のべースに０．３mm以下
の径のエナメル銅線による多巻コイルを固定し且つダイ
オードを実装して行うことが可能である。

【００１９】フレキシブルコイル体の防水性を向上する
には，上記フィルムによるシールの他，鍍金，塗装等を
行えばよく，また防水性の合成樹脂の身体装着品に内蔵
固定することによって，フレキシブルコイル体の防水性
は自ずと確保される。

【００２０】フレキシブルコイル体の身体装着品への配
設をその添設固定による場合，接着，溶着等によること
ができるが，保持部に保持する場合，保持部の形成に金
属を用いることは，上記金属が電磁波をシールドするの
で，身体装着品を金属製のものとすると同様，フレキシ
ブルコイル体の磁界発生を妨げることになるので避ける
必要がある。

【００２１】更にフレキシブルコイル体の長さを合わせ
ることにより，又はフレキシブルコイル体の配設数を複
数とすることにより，２ピースの時計バンドや，時計バ
ンド以外のブレスレット，ベルト，ネクタイ等各種の帯
状の身体装着品に用い，更にはワイシャツのカラー，帽
子，下着等のその余の身体装着品に用いて，これを電磁
波防止身体装着品とすることを含めて，本発明の実施に
当ってべース，多巻コイル，ダイオード，これらによる
フレキシブルコイル体，身体装着品の具体的材質，形
状，構造，数，寸法，これらの関係等は，上記発明の要
旨に反しない限り様々に変更でき，以上に図示し，説明
したものに殊更限定するには及ばない。

【００２２】

【発明の効果】以上のとおり本発明請求項１は，樹脂フ
ィルムのべースと，該べースに配置した渦巻状又は偏平
渦巻状の多巻コイルと，該多巻コイル端部間に介設した
ダイオードとを備えて，薄肉フレキシブルの帯状乃至短
尺帯状としたフレキシブルコイル体を形成し，該フレキ
シブルコイル体を非金属系材料よりなる時計バンド，ブ
レスレット，ベルト等の身体装着品に配設してなること
を特徴とするから，電磁波の身体への影響を可及的に防
止し，日常生活において好適に用い得る電磁波防止身体
装着品を提供でき，またその電磁波を防止するフレキシ
ブルコイル体は，それ自体薄肉フレキシブルの帯状乃至
短尺帯状のものとしたから，身体装着品の使用に際し
て，その変形や湾曲に追随可能となり，可及的に破損や
多巻コイルの断線を防止して，耐久性を確保したものと
することができる。

【００２３】請求項２は，請求項１のフレキシブルコイ
ル体を，プリント基板にダイオードを実装して構成して
なることを特徴とするから，上記に加えて，フレキシブ
ルコイル体を簡易に量産でき，また安定したものとする
ことができる。

【００２４】請求項３は，請求項１のフレキシブルコイ
ル体を，べースに０．３mm以下の径のエナメル銅線によ
る多巻コイルを固定し且つダイオードを実装して構成し
てなることを特徴とするから，同じく上記に加えて，多
品種の少量生産に好適なフレキシブルコイル体とするこ
とができる。

【００２５】請求項４は，請求項１乃至３のフレキシブ
ルコイル体の身体装着品への配設を，身体装着品の裏面
側においてフレキシブルコイル体を添設固定し又は身体
装着品の裏面側に設けた保持部にフレキシブルコイル体
を保持して添設固定してなることを特徴とするから，同
じく上記に加えて，フレキシブルコイル体の身体装着品
への配設を比較的簡易に行うことができ，また身体装着
品の生産とは別にフレキシブルコイル体の後付け的な配
設を行うことができる。

【００２６】請求項５は，請求項１乃至３のフレキシブ
ルコイル体の身体装着品への配設を，身体装着品の肉厚
内に内蔵固定してなることを特徴とするから，同じく上
記に加えて，フレキシブルコイル体の配設が身体装着品
に露出することを防止して，外観と商品価値に優れた電
磁波防止身体装着品とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ブレスウオッチの斜視図

【図２】時計バンドとフレキシブルコイル体との関係を
示す分解斜視図

【図３】フレキシブルコイル体の拡大平面図

【図４】フレキシブルコイル体による閉鎖回路を示す回
路図

【図５】フレキシブルコイル体の縦断面図

【図６】図１Ａ−Ａ線縦断面図

【図７】他の例のフレキシブルコイル体の縦断面図

【図８】他の例のフレキシブルコイル体の平面図

【図９】他の例の時計バンドとフレキシブルコイル体と
の関係を示す縦断面図

【符号の説明】

１ ブレスウオッチ ３ 時計バンド ６ 保持部 １０ フレキシブルコイル体 １１ べース １２ 多巻コイル １３ プリント基板 １４ ダイオード １５ リード線

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂フィルムのべースと，該べースに配
   置した渦巻状又は偏平渦巻状の多巻コイルと，該多巻コ
   イル端部間に介設したダイオードとを備えて，薄肉フレ
   キシブルの帯状乃至短尺帯状としたフレキシブルコイル
   体を形成し，該フレキシブルコイル体を非金属系材料よ
   りなる時計バンド，ブレスレット，ベルト等の身体装着
   品に配設してなることを特徴とする電磁波防止身体装着
   品。
2. 【請求項２】 請求項１のフレキシブルコイル体を，プ
   リント基板にダイオードを実装して構成してなることを
   特徴とする電磁波防止身体装着品。
3. 【請求項３】 請求項１のフレキシブルコイル体を，べ
   ースに０．３mm以下の径のエナメル銅線による多巻コイ
   ルを固定し且つダイオードを実装して構成してなること
   を特徴とする電磁波防止身体装着品。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３のフレキシブルコイル体
   の身体装着品への配設を，身体装着品の裏面側において
   フレキシブルコイル体を添設固定し又は身体装着品の裏
   面側に設けた保持部にフレキシブルコイル体を保持して
   添設固定してなることを特徴とする電磁波防止身体装着
   品。
5. 【請求項５】 請求項１乃至３のフレキシブルコイル体
   の身体装着品への配設を，身体装着品の肉厚内に内蔵固
   定してなることを特徴とする電磁波防止身体装着品。