JP2648639B2 - 内燃機関の冷却システム - Google Patents

内燃機関の冷却システム

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JP2648639B2 JP3503380A JP50338091A JP2648639B2 JP 2648639 B2 JP2648639 B2 JP 2648639B2 JP 3503380 A JP3503380 A JP 3503380A JP 50338091 A JP50338091 A JP 50338091A JP 2648639 B2 JP2648639 B2 JP 2648639B2
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    • F01P3/2207Liquid cooling characterised by evaporation and condensation of coolant in closed cycles; characterised by the coolant reaching higher temperatures than normal atmospheric boiling-point characterised by the coolant reaching temperatures higher than the normal atmospheric boiling point
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、内燃機関の冷却システムに関し、特に、こ
の飽和温度が水の飽和温度よりも高温である沸騰可能液
体クーラントを使用する内燃機関の冷却システムに関す
る。
背景技術 従来は、エンジンの液体冷却システムには、一般に、
水性クーラントが使用されている。よく利用される水性
クーラントは、概ね、水50%とエチレングリコール50%
(重量比)から成り、これに腐食を防止するための添加
剤が加えられる。かかるクーラントは、一般に、「不凍
剤」と言われている。
水性クーラントシステムにおいては、車両運転時、ク
ーラントの熱膨張と、クーラントの局部沸騰で生じた水
蒸気とによって、システムが加圧される。エンジンラジ
エータには、通常、圧力調整弁が装備されており、それ
によってシステムの圧力が周囲圧力より約1気圧を越え
て高くならないように制限されている。バルブの圧力解
放設定値を越えた場合にラジエータから抜かれるクーラ
ントを保持するためのオーバフローリザーバが設けられ
ている。また、ラジエータ内の圧力が周囲圧力以下に下
がった場合にクーラントをラジエータに戻すための第2
バルブが設けられている。
水性エチレングリコールクーラントは、水と比較して
低い凝固点を呈するが、その沸騰特性および凝縮特性に
ついては水と同様である。沸点であり、最大凝結温度で
ある、水の飽和温度は、0psig(ポンド−力/平方イン
チゲージ)で約212゜F、15psigで約239゜Fである。それ
に対して、50:50の水/エチレングリコールクーラント
の沸点は、0psigで約225゜F、15psigで約255゜Fであ
る。
但し、水は、エチレングリコールに比べて多量の蒸気
圧を表す。従って、50:50の水/エチレングリコールク
ーラントが沸騰すると、発生蒸気の約98%(体積比)が
水である。1気圧(ゲージ)で、温度250゜F以上では、
水蒸気は凝縮しない。
重負荷または高周囲温度といった状況においては、ク
ーラントの温度が水の飽和温度に達するという事態が頻
繁に発生する。その結果、水蒸気の凝縮が迅速に行われ
ず、シリンダヘッドの重要部位が水蒸気によって占有さ
れたり隔離されたりするのを避けることができない。液
体クーラントがエンジンの高温金属面からの蒸気によっ
て退けられると、過熱箇所が斑点状に出現する。過熱箇
所がデトネーションまたは過度の窒素酸化物放出の原因
となることがある。
デトネーションを防止する方法は、点火進角装置を除
去することである。別の方法は、特に電子制御方式の燃
料噴射に用いられている方法で、燃料に対する空気混合
率を高くすることである。ターボ過給式エンジンでは、
クーラント温度が水の飽和温度に達すると、ターボ空気
圧またはブーストプレッシャが減ぜられる。これらの方
法における問題点は、いずれの方法によっても、エンジ
ン性能が低下し、燃料経済性が悪くなる点である。
過熱箇所とデトネーションを規制する能力は、シリン
ダヘッドにおいて蒸気を凝結する能力と直接的な関係が
ある。液体冷却システムでは、瞬間蒸発を防止するた
め、低圧力領域のクーラント温度は、クーラントポンプ
の上流側のように、厳密にクーラントの沸点未満に保た
れなくてはならない。ポンプのすぐ上流側のクーラント
が瞬間蒸発することによって、ポンプにキャビテーショ
ンが発生し、それによって、クーラントの流れが急激に
低減する。キャビテーションが最も発生しがちなのは、
ポンプ入力圧が最低であるときに、ポンプ速度が早い、
または、ポンプ吸引力が強い場合である。
クーラントの流れが妨げられると、即時にクーラント
温度が上昇し、冷却システムの不具合を招く。
従来の冷却システムでは、どちらかといえば、エンジ
ンクーラントジャケットからの高温クーラントよりも、
ラジエータからの低温クーラントを吸い込ませることに
よってキャビテーションを防止しようとしている。クー
ラントはポンプ出口からエンジブロックに入ってシリン
ダヘッドに達する。従って、シリンダヘッドに流れるク
ーラントは、エンジン下部を通って循環されるので、既
に熱せられている。この方向にクーラントをポンプ送り
することの問題の1つは、シリンッダヘッドに流れるク
ーラントが高温であるため、過熱箇所の形成やデトネー
ションの発生の抑制に貢献しそうもない、という点であ
る。
水性クーラントの場合、システムの問題点は、エチレ
ングリコールなど他の成分の凝縮にかかわらず、水の飽
和温度である。例えば、エチレグリコール90%、水10%
(重量比)というバルククーラントでも、沸騰時に生じ
る蒸気の90%(体積比)が水である。
従って、水性クーラントの場合、あらゆる操作状況に
おいて、シリンダヘッドのバルククーラント温度が水の
飽和温度を越えない、ということが重要項目である。エ
ンジンの高温金属面にクーラントが接触することによっ
て発生する水蒸気を凝結するためにバルククーラントを
利用するのであれば、バルククーラントの温度は、水の
飽和温度に達しないレベルに維持されなくてはならな
い。限界温度を越えると、発生した水蒸気がまったく凝
縮できなくなる。その結果、大量の水蒸気が発生して相
当量のクーラントがオーバフローリザーバに送られる。
クーラント不足による重大ダメージを避けるためには即
座にエンジンを止めなくてはならない。
しかし、水性クーラントの温度を水の飽和温度未満に
維持すると、いくつかの問題が生じる。エンジンブロッ
クとシリンダヘッドに低温のクーラントが送り込まれる
ため、シリンダウォールがしばしば比較的低温に保たれ
る。シリンダウォールが低温であることによって、燃焼
フレームが早くに消える恐れがある。その結果、シリン
ダウォールの内側表面にまだ燃えていない燃料の境界層
が広がる可能性がある。未燃燃料は排気される前に酸化
するかもしれないが、有効機械エネルギーには変換され
ない。
水性クーラントシステムの別の問題は、小型ラジエー
タを搭載したり、ラジエータのエアフローを少なくする
ような車両設計が難しい、という点である。水性クーラ
ントシステムでは、通常、重動作負荷および/または高
周囲温度の下でバルククーラント温度と水の飽和温度の
わずかな差を維持しているにすぎない。従って、水性ク
ーラントシステムでは、クーラントの熱交換率を比較的
高く保つためにラジエータが必要である。小型ラジエー
タを使用した場合、またはラジエータからの空気流量が
低下した場合、しばしば所要の熱交換率を保てない。
水性クーラントシステムの更に別の問題は、212゜Fを
かなり越える温度にクーラントを調節維持すること−−
水性クーラントでは通常は実現しえない動作体制である
が−−によって多くの恩恵が得られる、という点であ
る。シリンダボア内を高温で作動することによって、エ
ンジンから捨てられる熱が少なくなり、エンジン効率が
向上する。燃料が更に完全に燃焼するため、一酸化炭素
(CO)と炭化水素(HC)の排出が減少する。
従来の水性クーラントシステムで、かかる高温で操作
しようとすると、システムの圧力を増大しなくてはなら
ない。しかし、高圧力のクーラントシステムは、特に、
エチレングリコールのような一般的なクーラント成分が
有毒かつ可燃性であるために、非常に危険であると言え
る。しかも、高圧状態によって、通常、ホース、クラン
プ、ポンプ、ラジエータといったクーラントシステムの
構成部品の寿命が短くなる。
以前に、水性クーラントを使用しないエンジン冷却シ
ステムを開発しようという試みがあった。しかし、既知
の試みには、広範に承認を得られない欠点や短所があっ
た。
本特許出願と同一の発明者に対する、1985年11月45日
発行の合衆国特許第4,550,694号によって、270゜Fを越
える飽和温度を備えた沸騰可能液体クーラントを使用す
る内燃機関を冷却するための装置が開示されている。発
生した蒸気は、対流の働きによって最高領域またはヘッ
ドクーラントジャケット領域に上がる。上昇した蒸気
は、出口から排出され、導管を通って凝縮器に案内され
る。
凝縮器は、凝縮器からの凝縮液が重力によって、戻り
導管または蒸気を凝縮器に導いたのと同じ導管を通って
エンジンに戻ることができるよう、正常使用のエンジン
のいかなる配置方向においてもヘッドクーラントジャケ
ットの上側にある。凝縮器は、エンジン室の長さの車体
フードの下に取り付けられる、前から後ろに高くなる勾
配を備えた、細長い容器である。
凝縮器上部で蒸気入口から遠い位置にベントパイプを
通す。ベントパイプの二方向圧力調整弁は、圧力が所定
レベルに上がるまで、ベントパイプを通る凝縮器からの
気体通路を塞いでいる。
バルブが開くと、凝縮器の上部からの気体が、常時冷
えていそうな場所に設けられた小さな容器、すなわち回
収凝縮器に流れ込む。バルブの圧力を比較的高く(通常
は70kPa(10psi)程度)設定することによって、異常な
重負荷環境や大きな温度変化が生じない限り、冷却シス
テムは効率的に閉鎖される。
前記合衆国特許第4,550,694号特許の装置では、本質
的に無水のクーラントを利用できるので、水性クーラン
トシステムを越える長所を引き出すことができる。但
し、この装置の短所は、凝縮器が必要である、という点
である。凝縮器は比較的かさばり、しかもエンジンの上
方に取り付けなくてはならないため、クーラントの最高
液面レベルの上に配置される。このようにフレキシビリ
ティが限定されるために、この装置を種々のタイプの車
体に用いることができなかった。この装置を使用できる
車体は、凝縮器を収容できる、ある種のデザインに限定
される。また、凝縮器によって冷却システムの製造コス
トがかなり増大する。そのため、性能上の長所は、しば
しばコストとデザインフレキシビリティに関する短所を
上回らなかった。
従って、本発明の目的は、既知のエンジン液体冷却シ
ステムの問題を克服することである。
発明の要旨 本発明は、実質的に無水の、飽和温度が水のそれより
も高い、沸騰可能な液体クーラントによって内燃機関を
冷却する装置に関する。本装置は、エンジンの金属面を
冷却するためのクーラントを収容する、シリンダウォー
ルを囲むクーラントチャンバおよびエンジンのコンバス
チョンチャンバを備えてなる。
クーラントポンプは、クーラントチャンバと接続され
る。クーラントポンプは、エンジンの金属面と接触して
気化したクーラントが、液状クーラント(クーラント
液)によって凝結される流量で、クーラントをクーラン
トチャンバから送り出すように適応させる。
また、本発明の装置は、エンジンの金属表面と接触し
て気化したクーラントが実質的に液状クーラントに凝結
するように、クーラントチャンバからクーラントを分配
するための手段を備える。ラジエータは、クーラントポ
ンプおよびクーラントチャンバと結ばれる。ラジエータ
を通るクーラントは、ラジエータを通ると熱交換によっ
て温度が低下する。
本発明の装置は、更に、周囲圧力以下の圧力になると
装置内の所定の位置において、クーラントチャンバから
のガスまたは蒸気を排気する、クーラトチャンバと連通
されている手段を備える。好ましく排気するための前記
手段には、クーラントチャンバのガスまたは蒸気を回収
し、それをエンジンから排出するための導管が含まれ
る。液体クーラントを回収するための膨張タンクは、導
管を通ってクーラントチャンバと接続される。膨張タン
クは、入口と出口を画定する。入口は、膨張タンクの底
壁を貫通し、クーラントチャンバと連通する。出口は、
膨張タンクの天井壁を貫通し、クーラントチャンバと連
通する。入口は、膨張タンクのクーラント液面より下
に、出口は膨張タンクのクーラント液面より上にある。
膨張タンクの中の液状クーラントは、出口とクーラント
チャンバの間で液体バリアとなる。
本発明の装置は、更に、膨張タンクの出口と接続され
る脱水器を備える。脱水器は、膨張タンクに流れ込んで
きた水蒸気を実質的に除去する。前記脱水器は、水蒸気
を除去するための乾燥剤材料を含む。
本発明の装置は、更に、エンジンのシリンダヘッドと
エンジンブロックの間に装着されるヘッドガスケットを
備える。クーラントの配流手段として、ヘッドガスケッ
トを貫通する複数のクーラント孔を有する。各々のクー
ラント孔は、クーラントチャンバに連通し、クーラント
はクーラント孔を通って流れることができる。各々のク
ーラント孔の位置と大きさは、エンジンの金属面に接触
して気化したすべてのクーラントが液体クーラントに凝
結されるように定められる。
本発明に係る、ある装置では、第1クーラント入口
が、クーラントチャンバとラジエータとポンプに連通し
ている。クーラント出口はクーラントチャンバおよびポ
ンプに貫通している。第1クーラント入口とクーラント
出口は、いずれもエンジンの同一側にある。クーラント
孔は、第1クーラント入口とクーラント出口が設けられ
ているのと反対側のエンジン側面に近接しているヘッド
ガスケット部を貫通する。従って、クーラントは、第1
入口からエンジンの裏側に向かって流れ、それからエン
ジンの前側、クーラント出口へと流れる。クーラントチ
ャンバからのクーラントは、分配するための手段を構成
するクーラント孔で分配され、最適な流量が提供され
る。
本発明に係る別の装置では、クーラントチャンバのほ
ぼ中点位置にクーラント出口がある。中点は、エンジン
の前方壁と後方壁を測定して得られた点である。第2ク
ーラント入口は、クーラントチャンバ、および、ラジエ
ータとポンプのいずれか、または、双方と連通してい
る。第2クーラント入口は、第1クーラント出口と反対
側のエンジン側面にある。従って、クーラントはエンジ
ン両側の第1および第2クーラント入口からクーラント
チャンバに流れ込む。次に、クーラントは、クーラント
孔を通って下側に流れ、エンジンのほぼ中央位置にある
クーラント出口から流れていく。クーラントチャンバか
らのクーラントは、分配するための手段を構成するクー
ラント孔で分配され、最適な流量が提供される。
本発明は、また、水の飽和温度よりも高い飽和温度を
備えた沸騰可能な液体クーラントを、エンジンを構成す
る金属面と接触して気化したクーラントを凝縮するよう
な流量でクーラント用ポンプによって供給する、という
工程を含む、内燃機関冷却方法にも係わる。前記方法
は、エンジンの金属面と接触して気化したクーラントが
液体クーラントによってすべて凝縮されるようにクーラ
ントチャンバにおいてクーラントを分配するための手段
を備えれば、尚好ましい。
本発明の方法においては、クーラントをエンジンのエ
ンジンブロックに向かって、シリンダヘッド方向に送り
出す。本発明の別の方法では、更に、クーラントの圧力
が周囲圧力以上になった場合にエンジンの所定の場所か
らガスまたは蒸気を排出する工程を含む。
本発明の方法では、クーラントは水と混和する物質を
少なくとも1種類以上含み、クーラントの蒸気圧はいか
なる温度においても水の蒸気圧よりも小さい。クーラン
ト物質は、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラヒドロフルフラールアルコール、ジプロピレ
ングリコールを含むグループから選択される。
本発明の別の方法では、クーラントは水と混和しない
物質を少なくとも1種類以上含み、クーラントの蒸気圧
はいかなる温度においても水の蒸気圧よりも小さい。ク
ーラント物質は、2,2,4−トリメチル−1、3−ペンタ
ンジオルモノイソブチレン、ジブチルイソプロパノール
アミン、2−ブチルオクタノールを含むグループから選
択される。
本発明の装置および方法の長所は、エンジンに凝縮器
を取り付ける必要がないことである。正確には、クーラ
ントは、ポンプによって、エンジンの金属面と接触して
気化したクーラントを液体クーラントが凝縮するような
流量で供給され、クーラントチャンバにおいて必要によ
り分配されている。
本発明の装置および方法の別の長所は、クーラントに
水分が含まれないことである。水分は不純物として扱わ
れる。クーラントにわずかな水分が含まれていた場合、
発生した水蒸気は、導管または拡張タンクといった排気
手段から排出される。クーラントの飽和温度は水の飽和
温度より高い。従って、水性クーラントシステムのよう
に、水蒸気が大量に発生するという問題が起きることな
く、212゜Fを越えるバルククーラント温度で、エンジン
を作動させられる。そのため、本発明の装置と方法によ
れば、過熱箇所およびデトネーションを抑制する能力が
向上する。
本発明の装置および方法の別の長所は、車両運転中に
クーラントが212゜Fをかなり越える温度に維持されたと
しても、その沸点を十分に下回っている、ということで
ある。そのため、ポンプ入口で瞬間気化が起こることな
く、クーラントをシリンダヘッド方向に送ってエンジン
ブロックに流し込むことができる。従って、水性クーラ
ントシステムで遭遇するポンプキャビテーションの問題
は解決される。また、はじめにシリンダヘッドに低温の
クーラントが送られるので、コンバスチョンチャンバの
ドームと排気ランナ(コンバスチョンチャンバと排気口
の間の導管)を冷却することができる。低温のクーラン
トが直接シリンダヘッドに送られるため、過熱箇所およ
びデトネーションを防止する能力が水性クーラントシス
テムよりも向上する。
本発明の装置および方法の別の長所は、低温のクーラ
ントがシリンダヘッドに送られるので、クーラントはエ
ンジンブロックに入る前に予熱され、シリンダウォール
に接して流れることである。そのため、シリンダウォー
ルを水性クーラントシステムの場合よりも高温に保つこ
とができる。その結果、エンジンをより高い温度で作動
できるので、効率とパワーが増大する。
本発明の装置および方法の別の長所は、本願に記載の
以下の詳細説明と図面によって、更に明らかになる。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の冷却システムを実施するエンジンの
概要部分断面図である。
第2図は第1図のエンジンの脱水キャニスタの部分断
面図である。
第3図は第1図のエンジンの脱水キャニスタの別の実
施例の部分断面図である。
第4図は本発明の冷却システムを実施する別のエンジ
ンの概要部分断面図である。
第5図は第1図のエンジンの概要断面図である。
第6図は第1図のエンジンのヘッドガスケットの上面
図である。
第7図は本発明の冷却システムを実施する別のエンジ
ンの概要断面図である。
第8図は第7図のエンジンのヘッドガスケットの上面
図である。
第9図は本発明に従ってクーラントの流量と配流を決
定するための試験エンジンの左側シリンダヘッドの下面
図である。
第10図は本発明に従ってクーラントポンプの流れ特性
および圧力特性を示すグラフである。
第11図は標準的なクーラントの流れの代替形を有する
エンジンの概略断面図である。
詳細な説明 第1図において、本発明の冷却システムを実施する内
燃機関は、概括的に参照数字10で示される。以下におい
てエンジン10は自動車(図示せず)に関連して説明され
るが、別の種類の車両に同様に使用することもできる。
エンジン10は、内部にシリンダウォール14が形成されて
いるエンジンブロック12を備える。各シリンダウォール
14はシリンダボア18を定義する。各シリンダボア18の内
部ではピストン16が往復運動する。
各々のピストン16は、クランクシャフト(図示せず)
と連結されているコネクティングロッド20に連結され
る。
ブロッククーラントジャケット22は、シリンダウォー
ル14との間にブロッククーラントチャンバ24を画定する
よう、シリンダウォール14との間に間隔を設けてシリン
ダウォール14を囲むように配置される。ブロッククーラ
ントチャンバ24は、クーラントを流してエンジンの金属
面を冷却するように適合される。本発明のシステムで使
用する好適クーラントは、飽和温度が水よりも高い、実
質的に無水の、沸騰可能液体クーラントである。かかる
クーラントの一例として、防錆のための添加剤を加えた
プロピレングリコールがある。
本発明のシステムで使用されるクーラントは有機液体
であり、水と混和するものもあるが、実質的に水と混和
しないものもある。水と混和するクーラントの場合、少
量の水は許容できる。但し、本発明のシステムの性能
は、水分を最少レベル、好ましくは3%未満に維持する
ことによって向上される。水と混和する、適当なクーラ
ント成分としては、プロピレングリコール、エチレング
リコール、テトラヒドロフルフリールアルコール、ジプ
ロピレングリコールがある。水と混和しないクーラント
の場合、わずかな水分、通常は1%未満(重量比)でも
不純物になる。実質的に水と混和しない、適当なクーラ
ント成分としては、2,2,4−トリメチル−1、3−ペン
タンジオルモノイソブチレン、ジブチルイソプロパノー
ルアミン、2−ブチルオクタノールがある。これらのク
ーラントの成分は、すべて、いかなる温度においても水
の蒸気圧よりも実質的に小さい蒸気圧を有し、大気圧に
おいて270゜F以上という飽和温度を有する。
シリンダヘッド26は、シリンダウォール14の上部にあ
るエンジンブロック12に取り付けられる。
シリンダヘッド26は、各シリンダボア18の上部にある
コンバスチョンチャンバドーム27を画定する。コンバス
チョンチャンバは、このように、各ピストン16とコンバ
スチョンチャンバドーム27の間に画定される。ヘッドガ
スケット28は、シリンダヘッド26とエンジンブロック12
の間に装着されてなる。シリンダヘッド26は、ヘッドク
ーラントジャケット30を含み、そのヘッドクーラントジ
ャケット30は、その内部にヘッドクーラントチャンバ31
を定義する。ヘッドガスケット28は、クーラントチャン
バに対してコンバスチョンチャンバを密閉し、エンジン
外部に対してクーラントチャンバを密閉する。
複数のクーラント孔32は、シリンダヘッド26の底面を
貫通し、更に、ヘッドガスケット28およびブロッククー
ラントジャケット22の上面を貫通してなる。バルブカバ
ー34は、シリンダヘッド26の上面に取り付けられる。エ
ンジンクーラントは、このように、ヘッドクーラントチ
ャンバ31からクーラント孔32を通ってブロッククーラン
トチャンバ24に流れることも可能であるし、また、これ
と逆方向に流れることも可能である。但し、流れる方向
としては、以下に詳しく説明するが、ヘッドクーラント
チャンバ31からブロッククーラントチャンバ24に流れる
方が好ましい。
エンジン10は、更に、ブロック12の下部に取り付けら
れ、エンジンオイルを収容するオイルパン36を備える。
また、エンジンオイルの温度を所定レベル未満に保つた
めに、当該技術に熟練せる者にとっては公知の、エンジ
ンオイル冷却システム(図示せず)を採用することもで
きる。例えば、空気−油システムまたは液体−油システ
ムを採用できる。
クーラント出口38は、クーラントジャケット22の底壁
を貫通し、クーラントチャンバ24と連通する。第1クー
ラント管路40の一端はクーラント出口38に接続され、も
う一端はポンプ42の入口に接続される。ポンプ42の出口
は、第2クーラント管路44と第3クーラント管路46とに
連結される。
ポンプ42の大きさによって、以下に詳述するように、
本発明による動作負荷条件において必要なクーラント流
量が得られるかどうかが決まる。一例をあげると、本発
明により構成された350立方インチ、V−8エンジンの
場合、ポンプ42は、約5200回転/分(RPM)、クーラン
ト温度約212゜Fで、約63ガロン/分(GPM)の流量が得
られる。
第2クーラント管路44の他の一端は、定比サーモスタ
チックバルブ(PTV)48に連結される。そのPTV48は、更
にバイパス管路50とラジエータ管路52に接続される。PT
V48は、第2クーラント管路44から流れて来るクーラン
トの限界温度を検知するために設置される。クーラント
の温度が限界値を下回っている場合には、PTV48は、温
度のレベルに応じて、比例量のクーラントをバイパス管
路50に導く。その逆に、クーラントの温度が限界値を上
回っている場合には、PVT48はクーラントをラジエータ
管路52に導く。
ラジエータ管路52の他端は、ラジエータ54に連結され
る。ラジエータ54の前方には電気ファン56が取り付けら
れており、自転車のバッテリ58から電力が供給される。
ファン56は、サーモスタットスイッチ60によって制御さ
れ、更に、そのサーモスタットスイッチ60は、ラジエー
タ管路52に接続されている。ラジエータ管路52内部のク
ーラントの温度に応じて、サーモスタットスイッチ60は
ファン56を作動して、ラジエータ54へのエアフローを増
加し、加熱クーラントの熱交換を大きくする。
ラジエータ54の出力側およびバイパス管路50の他端
は、ともにエンジンへの入力管路62に連結される。その
入力管路62は、更に、シリンダヘッド26の上面壁を貫通
してエンジンへの入力口64に連結される。
このように、第2クーラント管路44から流れて来るク
ーラントの温度に応じて、クーラントは、いずれも入力
管路62に連結されている、バイパス管路50またはラジエ
ータ54のいずれかに流れる。例えば、エンジンのウォー
ムアップ時にクーラント温度が比較的低温であると、ク
ーラントはPVT48によって、バイパス管路50に導かれ
る。但し、エンジンがウォームアップされると、通常、
少なくともクーラントの一部はラジエータに導かれる。
入力管路62に流れた低温クーラントは、入力口64に流れ
て、シリダヘッドクーラントチャンバ31に戻る。
ラジエータ54には、当該技術に熟練せる者であれば、
あらゆるラジエータを利用できる。但し、ラジエータ54
は、以下に詳述されるように、本発明に従って定められ
るクーラント流量に応じて選択させる。350立方イン
チ、V8エンジンという本発明の実施例では、高さ394m
m、幅610mm、厚さ69.9mm、実質定肉厚約2.8mmの並列フ
ィンチューブを備える。ラジエータ54はアルミニウム製
で、2列の管を有し、各列にはそれぞれ38本の管を備え
る。各管の断面形状は実質的に長円形で、幅は約32mm、
長さは約518mmである。ラジエータ54はアルミニウム製
であるのは、アルミニウムは、本発明のシステムで使用
されるクーラントによって腐食または侵食されないから
である。
但し、ラジエータ54は、ある種の既知のシステムのよ
うにガスまたは蒸気を保持する必要がなく、また、クー
ラントの最高液面レベルの上側に取り付ける必要もな
い。例えば、空気動力学的な形の車体に対応させるため
に、ラジエータを湾曲させたり、水性クーラントシステ
ムのラジエータと比べて比較的低く、大きな水平深さで
取り付けることができる。
第3クーラント管路46の他端は、バルブ66に連結され
ている。そのバルブ66は更に、クーラント流が流れるよ
うにヒーター68の入口に連結される。ヒーター68は、高
熱クーラントの熱交換によって車両内部を暖めるために
車体に取り付けられる。バルブ66は、ヒーター68へのク
ーラントの流れを調節するために設けられている。バル
ブ66が閉じていると、ポンプ42によって吐出されるクー
ラントはすべて第2クーラント管路44に流れる。そうで
ない場合は、バルブ66の開き加減に応じて、クーラント
の一部がヒーター68に流れる。ヒーター68の出口は、エ
ンジンへの入力管路62に連結される。このように、ヒー
ター68から出る低温のクーラントは、入力管路62に流
れ、ヘッドクーラントチャンバ31に戻る。
入力口64の上側の入力管路62に、空気抜きバルブ70が
取り付けられる。空気抜きバルブ70は、第1図において
点線Aで示される、エンジン内クーラントの最高液面レ
ベルと同じもしくはこれを越える位置に配設される。空
気抜きバルブ70は、システムにクーラントを充填すると
きにシステムから空気を抜くために設けられる。このよ
うに、本発明のシステムによれば、最初にクーラントを
充填する際に閉じ込められる空気を除去することができ
る。
第1ベントポート72は、シリンダヘッド26の底部を貫
通して第1ベント管路74に連結される。その第1ベント
管路74は、更に、膨張タンク78の入口76に連結される。
膨張タンク78は、エンジン10から離すことができるの
で、車体の便利な位置に取り付けられる。他のクーラン
トシステムにおいてしばしば膨張タンクまたは凝縮器に
要求されるように、クーラントの最高液面レベルAより
も高い位置に膨張タンク78を配設する必要はない。
但し、第1ベント管路74は、クーラントの最高液面レ
ベルAよりも高い位置にU字形の部分を具備してなる。
このように、ヘッドクーラントチャンバ31で発生する水
蒸気または不凝結ガスは、第1ベントポート72に入る。
次に、この水蒸気は第1ベント管路74のU字形部分に昇
り、膨張タンク78に送られる。
但し、クーラント流がブロッククーラントチャンバ24
からヘッドクーラントチャンバ31に導かれるのであれ
ば、第1ベントポート72はシステム圧力が周囲圧力以下
である位置に移動される。周囲圧力とは、任意温度にお
ける大気圧のことである。例えば、第1ベントポート72
をラジエータ54の出口の下流に設けることができる。第
11図を参照されたい。
入口76は、膨張タンク78の底部にある。第2ベントポ
ート80は、膨張タンク78の上部を貫通して、第2ベント
管路82の一端に連結される。第1図に示されるように、
膨張タンク78には低温クーラントレベルBと、高温クー
ラントレベルCがある。いずれの事例においても、入口
76はクーラントレベルの下側にあり、第2ベントポート
80はクーラントレベルの上側にある。
最初にシステムにクーラントを充填した後、入口76の
上の膨張タンク78のクーラントの最少レベルを維持する
ことによって、システムを空気抜き状態にできる。この
ように、入口76とヘッドクーラントチャンバ31の間に、
液体クーラントのバリアが保持される。膨張タンク78内
の空気または水蒸気は、このクーラントシールによって
クーラントシステムに流れこむのを妨げられる。その結
果、エンジン内のクーラントは、実質的に水分がない状
態に保たれる。
第1ベント管路74は、エンジンウォームアップ時に一
次膨張したクーラント、または、ごく少量の水蒸気を運
ぶ。従って、第1ベント管路74の直径は、一般に1/4イ
ンチから5/16インチの比較的小さなものにしてよい。同
様に、膨張タンク78も比較的小さくすることができる。
膨張タンク78は、エンジン内部の温度変化によって通常
は体積の4%から6%程度の増加範囲で膨張するクーラ
ントの処理に必要であるに過ぎない。本発明の一実施例
において、膨張タンク78は、4ガロンの冷却システムの
1/4の容量がある。
エンジン10は、また、第2図で更に詳しく示される、
脱水キャニスタ84を備える。キャニスタ84は、前方壁8
6、後方壁88、および、その間に延びる円筒壁90を備え
る。円筒壁90の中に乾燥剤92が入れられている。乾燥剤
92は、イリノイ州シカゴのドライ−エア社(Dri−Air,I
nc.)から購入できる製品で、空気から水蒸気を取り除
く。キャニスタ84は、また、前方壁86を貫通する入口94
と、後方壁88を貫通する出口96を画定する。入口94は、
第2ベント管路82の他端と連結される。目の細かいメッ
シュスクリーン98が、入口94と出口96の前に各1枚、取
り付けられている。スクリーン98は、キャニスタから乾
燥剤92がこぼれ落ちないようにするために設けられてい
る。
このように膨張タンク78を通過した空気は、脱水キャ
ニスタ84を第2図の矢印のように流れる。エンジンのウ
ォームアップサイクルまたは冷却サイクル時、クーラン
トが膨張することによって任意量の空気が膨張タンク78
を通過せられ、それにより、キャニスタ84に流れる。
乾燥剤92はこの空気と反応し、実質的には乾燥剤に水
蒸気を残す。その結果、膨張タンク78に入る空気は、実
質的には水分が含まれない。乾燥剤92を適正に維持する
ことによって、エンジンクーラントを実質的に水分が含
まれない状態に保持できる。従って、キャニスタ84また
は乾燥剤92は、当該技術に熟練せし者によって決定され
る通り、所定時間のエンジン動作後、もしくは、所定マ
イル数の車両運転後に交換することが好ましい。
第3図に、本発明の冷却システムに使用される別の脱
水キャニスタが示されている。図示する脱水キャニスタ
には、同様のエレメントを示すために同様の参照数字が
使用されている。この脱水キャニスタは、更に、これを
流れる空気流を調節するために、いくつかの一方向バル
ブを備える。第1バルブ100は、出口96の前に取り付け
られる。第1バルブ100により、空気は出口96を通って
キャニスタ84に流れるのみで、逆方向には流れない。第
2バルブ102は入口94に取り付けられる。第2バルブ102
により、空気はキャニスタ84から第2ベント管路82に流
れるのみで、逆方向には流れない。第3バルブ104は、
入口98の直前の第2ベント管路82に取り付けられる。第
3バルブ104により、空気は第2ベント管路82から大気
に流れるのみで、逆方向には流れない。
このように、膨張タンク78に流れ込む空気はキャニス
タ84に流れるしかないが、膨張タンク78から流れ出た空
気はキャニスタ84には流れない。従って、キャニスタ84
からの脱水された空気だけが膨張タンク78に流れる。第
3図のキャニスタ84の長所は、膨張タンク78から出た空
気がキャニスタを通らないために、通常であれば乾燥剤
92の寿命が延びる点である。
エンジン10の動作において、クーラントはエンジンブ
ロッククーラントチャンバ24に向かってヘッドクーラン
トタンバ31方向に流れる。ポンプ42を通るクーラントの
流量および配流は、以下に説明する通り、エンジンの高
温金属表面にクーラントが接触したときに、蒸気が第1
ベントポート72に達する前に低温クーラントによって気
化したクーラントが凝結されるように、定められる。
プロピレングリコールは、約356゜Fの大気圧飽和温度
と、約−71゜Fの凝固点を備える。そのため、プロピレ
ングリコールを利用した場合、大部分のクークーラント
温度を320゜F程度に維持することが可能である。但し、
動作温度は約248゜Fであれば、尚好ましい。飽和温度と
バルククーラント温度の差が大きいほど、バルククーラ
ントが気化クーラントを凝結できる能力が高い。本発明
のシステムにおけるクーラント温度が、50:50の水とエ
チレングリコール混合物といった従来の不凍剤を使用す
るシステムのクーラント温度より実質的に高いとして
も、苛酷または「高温」のエンジン動作条件の間、核沸
騰に必要な条件が維持されるので、効果は劣らない。
核沸騰は、クーラントの沸点を越える温度に熱せられ
た金属表面にクーラントが直に接するときに発生する。
熱伝達は、金属面と、流れを乱された、または、かきま
わされたクーラントとの接合点において最大である。
液体から蒸気への相転移において、クーラントは相当
量の熱を吸収する。クーラント沸騰時に気泡が発生する
と、新たな液体クーラントが引き寄せられて金属表面に
接し、新しい気化クーラントになる。そのため、核沸騰
状況においては、限界エンジン金属温度は、クーラント
の沸点によって限定される。
蒸気層によって、液体クーラントが、エンジンの金属
面と接しない状態に退けられ、「蒸気被覆現象」が生じ
る。蒸気被覆現象によって金属表面がクーラントから隔
離されるので、熱伝達が妨げられ、そのため、金属温度
が急激に上昇する。過熱箇所が広がり、続いてひどいノ
ッキングが起きる。しかしながら、本発明のシステムに
おいては、以下に更に説明される通り、過酷な動作条件
において、エンジンシリンダヘッドなど、実質的な熱流
束を受けるエンジン表面領域上で核沸騰状態が維持され
るような流量でクーラントを配流およびポンプ送りする
ことによって、この問題を解決する。
本発明の冷却システムの長所は、気化したクーラント
を凝縮するための凝縮器をエンジンの上に取り付ける必
要がないことである。その代わり、そのクーラントの流
量と配流のために、気化したクーラントは、液体クーラ
ントによって、ヘッドクーラントジャケット30またはブ
ロッククーラントジャケット22の中で凝結される。コン
バスチョンチャンバドーム27の上、または、排気ランナ
の周囲など、シリンダヘッド26の過熱領域においては、
あらゆる動作条件において必ず一部クーラントが気化す
る。しかし、本発明のシステムを採用することにより、
すべてのクーラントは実質的にその飽和温度未満に維持
される。従って、過熱領域で生成される蒸気は、実質的
にはすべて液体クーラントに凝縮する。
その上、本発明におけるクーラントの流量温よび配流
によれば、一般的な水性クーラントシステムと比較して
比較的乱れた流れが作られる。この乱流はエンジンの金
属面上のクーラント蒸気をかき混ぜ、通常、蒸気と液体
クーラント間の熱交換率および核沸騰の発生を増大す
る。
第4図では、本発明の冷却システムを実施する別のエ
ンジンが概括的に参照数字10で示されている。このエン
ジン10は、第1図から第3図について上記に説明された
エンジンと実質的に同じものであるので、同様のエレメ
ントを示すために同様の参照数字が使用されている。第
4図のエンジン10が上述のエンジンと異なるのは、第4
図のエンジンは、空気抜きバルブ70ではなく、空気抜き
管路106を有している点である。空気抜き管路106は、ク
ーラントの最高液面レベルAと同じ、もしくはそれより
高い位置で、入力管路62の一端に連結される。
空気抜き管路106の他端は、第1ベント管路74に連結
される。空気抜き管路106は、クーラントの最高液面レ
ベルAよりも高く立ち上げられるが、第1ベト管路74に
沿ったいずれの箇所でも連結できるし、または、膨張タ
ンク78に直接連結することもできる。
冷却システムに不凝縮ガスが漏入すると、空気抜き管
路106はかかるガスをシステムから排出する。不凝縮ガ
スは、最初にクーラントを充填する際に閉じ込められる
こともあるし、また、エンジン作動中にシステムに漏入
することもある。例えば、ヘッドガスケットまたはコン
バスチョンチャンバの漏れ、または、クーラント管路の
接合部にゆるみに起因する漏れにより、不凝縮ガスが冷
却システムに制御不能に漏入する可能性がある。
クーラントの中の不凝縮ガスは、空気抜き管路106に
流れ、第1ベント管路74を通って膨張タンク78に流れ
る。但し、クーラントは、第4図において点線で示され
る通り、レベルDまで上昇するが、空気抜き管路106に
は流れない。レベルDの高さは、第1ベト管路74の最も
高い箇所に等しい。
空気抜き管路106は、ごく少量のガスまたは蒸気を通
すためだけに必要とされるので、その直径は、一般に1/
8インチ未満の比較的小さなものにできる。但し、入力
管路62より高い位置に第1ベントポート72を設ければ、
空気抜き管路106を使用する必要はない。このように構
成することによって、システムは不凝縮ガスを本質的に
排出できる。
第5図では、ヘッドガスケット28を流れるクーラント
の分配手段が更に詳細に示されている。エンジン10は、
点線Eによって半分に分割され、更に、A、B、C、D
に四分される。区分Aはシリンダヘッドクーラントチャ
ンバ31のほぼ前半分、区分Bはこのチャンバのほぼ後ろ
半分である。区分Dはエンジンブロッククーラントチャ
ンバ24のほぼ前半分、区分Cはこのチャンバのほぼ後ろ
半分である。ヘッドガスケット28は、後方フロー式ガス
ケットである。ヘッドクーラントチャンバ31からブロッ
ククーラントチャンバ24に流れるクーラントが、区分B
と区分Cの間でのみ流れるようにしてなる。ヘッドガス
ケット28を貫通するクーラント孔32は、点線Eの右側、
即ち、エンジン10の後ろ半分にだけ、設けられている。
上述した通り、エンジン10の作動において、クーラン
トは入力口64を通ってシリンダヘッドクーラントチャン
バ31に流れる。クーラントは、区分Bに流れた後に、ク
ーラント孔32から下降するしかない。本発明の冷却シス
テムで使用される、プロピレングリコールなどのクーラ
ントは、比較的粘性がある。
そのため、ポンプ42の吸引力は、ポンプ入口のすぐ上
流にある区分Dにおいて最高である。クーラント孔32が
区分Aにおいてガスケット28を貫通していれば、区分D
における高吸引力により、大部分のクーラントは、区分
Bと区分Cを避けて、直接、区分Aから区分Dに流れる
だろう。その結果、エンジン表面の温度は、区分Aと区
分Dに比較して、区分Bと区分Cの方が高くなりがちで
ある。
この問題は、第6図に更に詳しく示されている、後方
フロー式ヘッドガスケット28によって解決される。ヘッ
ドガスケット28は、シリンダヘッド26とエンジンブロッ
ク12の合わせ面に対応する形に形成されてなる。ヘッド
ガスケット28は、貫通する4個のシリンダホール110を
画定する。シリンダホール110は、互いに間隔をあけて
設けられ、各シリンダボア18およびピストン16の周囲に
適した寸法に定められる。ヘッドガスケット28は、更
に、エンジンブロック12へのシリンダヘッド26の取り付
けを容易にするために、いくつかのボルト穴(図示せ
ず)を備える。
第6図に示されるように、ヘッドガスケット28を貫通
するクーラント孔32は、点線Eの左側、即ち、実質的に
は、区分Aではなく、区分Bに、設けられている。クー
ラント孔32の大きさは、固定サイズではなく、各孔の大
きさは、以下に更に説明される通り、ヘッドガスケット
28を通るクーラント流によって最適熱伝達が達せられる
ように定められる。クーラント孔32が大きいほど、小さ
な孔のものと比較して、より多量のクーラントをガスケ
ット28のその箇所に流すことができる。従って、各エン
ジンパーツを囲むこと、あるいは、エンジンの過熱領域
にあることに起因する流れ制限のためにクーラントの流
量が自然と遅くなる場所に、より大きなクーラント孔32
が配設される。
第7図では、本発明の冷却システムを実施する別のエ
ンジンが、概括的に参照数字10で示されている。このエ
ンジン10は、先の実施例について上記に説明されたエン
ジンと実質的に同じものであるので、同様のエレメント
を示すために同様の参照数字が使用されている。第7図
のエンジン10が上述のエンジンと異なるのは、入力管路
62がシリンダヘッド26の上に延びている点である。入力
管路62は、第1入力口112と、第2入力口114に連結され
る。
第1入力口112は、エンジン10の前方において、ヘッ
ドクーラントジャケット30を貫通し、ヘッドクーラント
チャンバ31と連通する。第1入力口112を流れるクーラ
ントは、このように、エンジン10の前方にある、ヘッド
クーラントチャンバ31のA部に、流れる。第2入力口11
4は、エンジン10の後方において、ヘッドクーラントジ
ャケット30を貫通し、ヘッドクーラントチャンバ31と連
通する。このように、第2入力口114を流れるクーラン
トは、A部と反対側のエンジン端部にある、ヘッドクー
ラントチャンバ31のB部に、流れる。
エンジン10は、更に、エンジンブロック12とブロック
クーラントジャケット22とを貫通するクーラント出口11
6を備える。クーラント出口116は、ブロッククーラント
チャンバ24のほぼ中央にある。従って、エンジンブロッ
クの上下約1/2、前後約1/2の位置にある。クーラント出
口116は、第1クーラント管路40の一端に接続され、そ
の第1クーラント管部40は更にポンプ42の入口に接続さ
れる。そのため、ポンプ42の吸引力は、第7図に示され
るように、クーラント出口116を囲む、ブロッククーラ
ントチャンバ24のC部において最高である。
第8図では、第7図のヘッドガスケット28が更に詳し
く示されている。クーラント孔32が、実質的にヘッドガ
スケット28の後方部分と同じように、前方部分にも配設
されている。
第7図の矢印によって示される通り、エンジン10の作
動において、クーラントは第1入力口112と第2入力口1
14を通って、クーラント孔32から下に流れる。クーラン
トは、ブロッククーラントチャンバ24に入り、更に、ク
ーラント出口116に流れる。第1入力口112と第2入力口
114とクーラント出口116の位置のために、クーラント流
は、クーラントチャンバ31とブロッククーラントチャン
バ24に実質的に均一に配流される。従って、第5図およ
び第6図に示されるように、エンジンの片側だけにクー
ラント孔32に配置する必要はない。但し、当該技術に熟
練せる者に認識されるように、従来の冷却システムを備
えたエンジンを、本発明に従って作動するように改善す
る場合は、第6図の後方フロー式ヘッドガスケット28が
特に適している。また、第8図のヘッドガスケットは、
通常、最初から本発明に従って製作されるエンジンに、
より適している。
本発明によって作動する典型的なエンジンに最も適し
たクーラント流量と配流を決定するための試験手順を、
以下に説明する。説明のため、第1図のエンジンに関し
て試験手順を述べる。試験エンジンは、圧縮比10:1で組
み立てらた、350立方インチのV8エンジンである。この
エンジンに、クーラントとしてプロピレングリコール
を、第1図に示されているように、レベルAおよび拡張
タンク78のレベルBまで充填する。
エンジン作動時、クーラントが膨張して、液面がレベ
ルBとレベルCの間まで上昇する。後方フロー式ヘッド
ガスケットは、第6図のヘッドガスケット28と同じよう
に設置され、クーラントシステムは、オープンまたは大
気圧で作動される。
350立方インチ、V8試験エンジンの場合、約5,200RP
M、クーラント出口温度約212゜Fで、流量63GPMが得られ
るクーラントポンプを使用する。試験クーラントポンプ
は、例えば、別のサイズのドライプーリを取り付けてポ
ンプのインペラの回転速度を変更することによって、段
階的に大きくな流量で作動できる。かかるポンプの一例
として、マサチューセッツ州スプリングフィールドのテ
ィール・ポンプ製造会社(Teel Pump Manufacturing C
o.)から購入できる、モデル1P798がある。クーラント
ポンプは、エンジンブロックの側面に接して取り付けら
れ、エンジンによってベルト駆動される。
第9図には、試験エンジンの左側シリンダが表されて
おり、シリンダヘッドの全部が矢印で示されている。3
個の熱電対A、B、C(概略図示)は、限界熱流束領域
の各シリンダヘッドに取り付けられている。熱電対B
は、2本の中央シリンダの間にあり、熱電対AとCは、
それぞれ、前方シリンダおよび後方シリンダ上にある。
それ以外に、クーラント入口64とクーラント出口38でバ
ルククーラントの温度を測定するために取り付けられて
いる熱電対(図示せず)がある。
試験エンジンは、標準オクタン燃料(91オクタン)、
標準エンジンオイル(5W/30)で、スーパーフロー(Sup
er Flow 901)ダイナモメータ(Dynamometerといった動
力計(図示せず)について作動することによって、試験
手順を実施する。液−液熱交換器(図示せず)は、ラジ
エータではなく、エンジンに連結される。液−液熱交換
器は、定常ラジエータ状態をシミュレートするようにク
ーラント温度を変えられるように調整できる。
オイル温度は、クーラントの温度とともに上がる可能
性がある。但し、1日のうちにいくつもの試験を実行可
能にするために、各試験間にオイルを冷却する液油冷却
回路(図示せず)を採用することが好ましい。試験手順
の間、点火設定を一定レベルに保つため、固定先行電子
点火システムとノックセンサ回路(図示せず)を採用す
る。エンジンから出てくる蒸気の有無を観察するため
に、クーラント拡張ベント管路74に透明チャンバ(図示
せず)を設置する。
試験エンジンは、スロットル広開試験(WOT)とスロ
ットル部分開試験(POT)の両試験に基づいて評価す
る。クーラント流量を測定するために、ポンプ出力のす
ぐ下流に設けられた容積式流量計(図示せず)に、調節
可能な直列形流量調整弁を連結する。
WOT試験時、次の3試験点について、それぞれの試験
点で各バルククーラント単位温度おきに、エンジンを作
動させる。
1) 全負荷状態(約125 HP)において2,400 RPM。
2) 全負荷状態(約171 HP)において3,200 RPM。
3) 全負荷状態(約227 HP)において4,000 RPM。
各WOT試験点に最適なクーラント流量を初期決定す
る。約190゜Fのクーラント出口温度ベースラインから開
始し、各試験点で温度上昇10゜Fおきにエンジンを作動
させる。クーラント温度は、液−液熱交換器を調整する
ことによって調節する。
温度が10゜F上昇するごとに、クーラント流量は段階
的に増大する。対応するシリンダヘッドの温度を、熱電
対A、B、Cが示す通りに記録する。クーラント温度
は、出口温度が約270〜280゜Fに達するまで上昇させ
る。
段階的に小さなドライブプーリをポンプに取り付ける
ことによって、クーラント流量を段々大きくする。ドラ
イブプーリが小さいほど、ポンプインペラの回転速度は
増す。従って、ポンプ速度とクーラント流量は、熱電対
A、B、Cが示す通りに、エンジンの金属温度が安定す
るまでは、クーラント温度の各上昇段階でクーラント流
量が増える。クーラント流量10 GPMの変化に対して、金
属温度の変化が10゜F未満であれば、安定状態であり、
最適クーラント流量と言える。直列形流量調整弁を使用
すれば、2つの連続ポンププーリの流量の間で流量を微
調整できる。いずれかの動作負荷において最適な流量が
得られると、クーラント拡張ベント管路(第1図の第1
ベント管路74)に設けられた透明チャンバに蒸気が認め
られなくなる。
通常のエンジンパラメータも、各段階のクーラント出
口温度にて、動力計が示す通りに記録する。シリンダヘ
ッドに入り、エンジンブロックから出るクーラント温度
と共に、点火設定も記録する。エンジンの「ノック現
象」が認められる場合には、ノックを低減するように点
火設定を遅らせる。再び、点火設定とエンジンの働きを
記録する。
各WOT試験点について最適なクーラント流量を初期決
定した後、以下に説明するように、エンジンブロック、
シリンダヘッド、ヘッドガスケットへの最適クーラント
配流を決定する。
再び、エンジンを、WOT試験の3つの各試験点につい
て、10゜Fおきに作動させる。エンジンは上述と同じク
ーラント出口温度範囲で作動させるが、各段階温度で同
じ試験データを記録する。
但し、シリンダヘッドからヘッドガスケットを貫通し
てエンジンブロックに連通する各クーラント孔(第1図
のクーラント孔32)の通水断面積は、熱電対A、B、C
が示す通りに、エンジンの金属温度が安定するまでは、
クーラント温度が段階的に10゜Fずつ増加するごとに約1
5%ずつ段階的に増加する。クーラント流量15%増加に
対して、金属温度の変化が10゜F未満であれば、安定状
態であり、最適クーラント配流と言える。熱電対A、
B、Cのいずれかが、他の熱電対よりも高い温度指示値
を維持する場合、あるいは、温度指示値が他の熱電対ほ
ど変化しない場合、関係クーラント孔の通水断面を大き
くする必要がある。
各WOT試験点について各段階のクーラント出口温度で
最適なクーラント配流を決定したら、各試験点につい
て、最適なクーラン流量を再び決定する。このように、
再び、WOT試験の3つの各試験点について、上述と同じ
クーラント出口温度範囲において10゜Fおきに、エンジ
ンを作動させる。温度が10゜F増加するごとに、クーラ
ント流量は金属温度が安定するまでは段階的に増加する
ので、上記説明と同じ方法でそのデータを記録する。こ
のように、最適なクーラント配流に基づいて最適なクー
ラント流量を最終決定する。
下記の表は、試験エンジンの最終WOT試験データを示
すものである。
但し、「クーラント出」はクーラント出口の温度、
「HP」は馬力、「TQ」はトルク、「クーラント入」はク
ーラント入口の温度、「オイル温度」はオイルパンに取
り付けられた熱電対(図示せず)で測定されたオイル温
度、「燃料」は燃料消費量、「空気」はエンジンキャブ
レターへ流れる空気流量、「A/F」は空燃比、「CAT」は
キャブレターに流れるこむ空気の温度、「BSFC」は、毎
馬力、毎時間使用される燃料量である、正味燃料消費率
(GPH/HR)、「CL」はノックのクリア、即ち、ノックが
観察されなかったことを表す。
下記のPOT試験のポイントについても次に同じ手順を
繰り返す。
1)16.8IN/HGで1400RPM; 2)16.01N/HGで1475RPM;及び 3)14.3IN/HGで1700RPM 以下の表は試験用エンジンのPOT試験データである。
従って、最適なクーラントの流量と最適なクーラント
の流れの分配は、WOTおよびPOTの両試験の各試験ポイン
トに対する各温度の増分についてそれぞれ決定される。
最適なクーラントの流量が決定されると、クーラントの
ポンプは、自動車メーカによって設定されたエンジンの
臨界動作点を実質的に保持できるように設計される。A/
F、電気火花、およびBSFCの値は通常重要であると考え
られるが、その理由は、動作負荷が異なる場合、これら
の安定性が燃費と出力される排気物に対応するからであ
る。クーラントがどのような温度であっても、油温が13
8℃未満で安定していることもまた重要である。
ここで、ポンプ42は、その性能がエンジンの臨界動作
点における最適なクーラントの流量に実質的に対応する
ように設計される。しかし、一般的に、ポンプの流量
は、可能なかぎり最適な流量またはWOT試験ポイントに
近い速度に保持される。WOT試験ポイントで流量が不適
切である場合、これは、POT試験の各ポイントで流量が
比較的不適切である場合よりも不利になる。しかし、も
しポンプの流量がPOT試験の各ポイントの最適流量より
も実質的に速ければ、エンジンの速度がより遅い場合に
このエンジンはポンプを高速で駆動し過ぎるため、燃費
を損なう可能性がある。従って、ポンプの動作特性はWO
TおよびPOT試験の各ポイントの最適な流量の間で均衡が
取れていなければならない。
最適なクーラントの流量(GPM)は、エンジン速度(R
PM)の関数及びWOTおよびPOT試験の異なったポイント
(図示せず)でのクーラントの出口温度(゜F)の関数
としてプロットするのが好ましい。プロットしたデータ
に基づいて、ポンプの望ましい流量と圧力特性は、第10
図に示すように、エンジン速度の関数としてプロットさ
れる。第10図にプロットした圧力は、PTV48を閉鎖した
場合のポンプの出口側のクーラントの圧力である。この
圧力は、圧力ゲージ(図示せず)をポンプとラジエータ
の間のクーラント配管に取り付けて計測する。この圧力
は、あらゆる動作負荷の場合、13psi未満に保持するの
が好ましい。もし圧力の計測値がこのレベルを超えるな
ら、このラジエータの背圧を低下させるため、このシス
テムは大容量のラジエータを必要とする。
ここでポンプの性能は、図面の曲線と実質的に対応す
るように設計される。試験用エンジンの場合、以下の特
性を有するうず巻きポンプが第10図の性能曲線と実質的
に一致することが発見され、この特性は、7枚のインペ
ラ・フィンを有する直径5.25インチ、深さ1/2インチの
羽根車をバッキング・プレートに取り付け、これら羽根
の周囲にクーラントが流れないようにすることが好まし
く、直径1−1/8インチの2個のクーラントの入り口と
直径1−3/8インチの1個のクーラントの出口を有し、
これらの2個の入り口は各々V8エンジンの対応するそれ
ぞれのバンクに接続され、オーバドライブ・プーリ比が
1.9ないし1であり、その結果、ポンプはエンジンの1
回転に対して約1.9回転することである。
このクーラントポンプはエンジンによって駆動され、
従って、ポンプの速度と流量はエンジンの速度とともに
増加する。水を主成分とするクーラントシステムに於け
るポンプ速度は、このクーラントの粘度と飽和温度によ
ってしばしば制限される。エンジンの速度が高く、クー
ラントの温度が最高に達する場合に、もしポンプの運転
が速やすぎれば、クーラントの温度が飽和温度に近づく
に従って、ポンプのキャビテーションが発生し易くな
る。この問題は本発明によって実質的に防止されるが、
その理由は、プロピレン・グリコールのような使用して
いるクーラントは水を主成分とするクーラントと比較し
て比較的粘性が高く、飽和温度も高いからである。従っ
て、水を主成分とするクーラントと比較して、ポンプを
高速かつ(または)真空度すなわち吸気を増大させて運
転し、全てのエンジン速度に対して流量を速くすること
が可能であり、この場合キャビテーションの危険は発生
しない。従って、本発明のシステムは比較的速い流量で
運転することができるので、動作負荷が大きいおよび
(または)大気温度が高い場合でも、クーラントはエン
ジンの表面と接触して発生する気化したクーラントを凝
縮することができる。
本発明の利点の1つは、上述したように特定のエンジ
ンに対して最適なクーラントの流量とクーラント流の分
配を決定することによって、蒸気被覆現象を防止し、従
ってエンジンの金属部分の過熱を実質的に防止すること
である。一方、最適なクーラント流の分配を決定しない
ならば、エンジンの一定の部位に十分クーラントが流れ
ない可能性があり、従って蒸気被覆現象が増加する。
本発明の冷却システムの他の利点は、流量および分配
を決定し、エンジンの金属部分の温度を従来実現できな
いと信じられていたレベルまで低減できることである。
その結果、エンジンの金属表面とクーラントとの間の熱
交換率が向上し、その結果、例えば水を主成分とするク
ーラントシステムと比較して、燃焼側(フレーム側)の
金属温度のスパイクは、著しく低下する。更に、クーラ
ントの体積温度、シリンダの圧縮圧、点火進角、燃料の
オクタン、および希薄な燃料の混合気の変動に対する燃
焼室の鋭敏性も劇的に低減する。エンジン・オイルの温
度も、また一般的に低減する。
更に、本発明の冷却システムでは、エンジンの金属部
分、特にシリンダー・ヘッドの平均温度が低下するた
め、沸騰に対する保護が一般的に向上する。大きな負荷
および(または)高い大気温度で運転した後でも、水を
主成分とするクーラントシステムで経験するようなクー
ラントの損失の問題を生ずることなく、本発明の冷却シ
ステムは、一般的に直ちに遮断することができる。
本発明の冷却システムは、大気圧で操作することが好
ましいが、従来のクーラントシステムの圧力(約15ない
し18psig)で操作することもできる。エンジンの金属部
分の温度は、従来の水を主成分とするクーラントシステ
ムによる温度よりも一般的に低い。従って、本発明によ
るクーラントの温度は一般的により高く、特にもしシス
テムを加圧すれば、より高くなるが、エンジンの金属部
分の温度は依然として比較的低いレベルに保持される。
従って、異常爆発と過早点火の問題は実質的に防止され
る。

Claims (55)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水の飽和温度よりも高い飽和温度を有す
    る、実質的に無水であって、蒸発可能なクーラントによ
    って内燃型エンジンを冷却する装置に於いて、 エンジンのシリンダー壁および燃焼室を取り囲み、エン
    ジンの金属表面を冷却するクーラントを取り入れるクー
    ラントチャンバと; クーラントチャンバにおいて液体クーラントによって凝
    縮しなかったガスや蒸気を排出するための手段であっ
    て、水分の戻りを制限するために、液体クーラントのシ
    ールまたは脱水装置を有し、クーラントチャンバと装置
    のほぼ大気圧かまたはそれ以下の圧力の部分とを接続し
    ている排出手段と;そして エンジンの金属表面と接触することによって気化したク
    ーラントを再凝縮させるのに十分な液体クーラントの温
    度と流量を得るために、クーラントチャンバのクーラン
    ト入口とクーラント出口に接続された流体管路に配置さ
    れたクーラント用ポンプおよび熱交換器とから構成され
    たことを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】エンジンの金属表面と接触することによっ
    て気化したクーラントを液体クーラントの中で再凝縮さ
    せるように、上記クーラントチャンバにおいて供給され
    た液体クーラントを分配するための分配手段を更に含む
    ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の装置。
  3. 【請求項3】上記熱交換器がラジエータであり、クーラ
    ント用ポンプおよびクーラントチャンバに接続され、そ
    のラジエータを流れるクーラントが熱交換によって温度
    を低下させられることを特徴とする請求の範囲第2項記
    載の装置。
  4. 【請求項4】上記排出手段が、上記クーラントチャンバ
    と接続され、上記クーラントチャンバ内のガスまたは蒸
    気を受け取るとともに、エンジンからガスまたは蒸気を
    排出するための導管を有することを特徴とする請求の範
    囲第2項記載の装置。
  5. 【請求項5】エンジンのシリンダー・ヘッドとエンジン
    ・ブロックの間に着座するヘッド・ガスケットによって
    更に構成され; 分配手段が、ヘッド・ガスケットを介して延びる複数の
    クーラント用の開口部を有し、この開口部がそれぞれ上
    記クーラントチャンバと連通してこれを介してクーラン
    トが流れるようにしたことを特徴とする請求の範囲第2
    項記載の装置。
  6. 【請求項6】上記クーラントチャンバ、ラジエータおよ
    びクーラント用ポンプと連通する第1クーラント入口;
    および 上記クーラントチャンバおよびポンプと連通するクーラ
    ント出口であって、前記第1クーラント入口とともにエ
    ンジンの同じ側に位置しているクーラント出口;そして 上記クーラント用の開口部が、これら第1クーラント入
    口およびクーラント出口とエンジを挟んで反対側に隣接
    して位置する上記ヘッド・ガスケットの部分を介して延
    びることを特徴とする請求の範囲第5項記載の装置。
  7. 【請求項7】上記クーラントチャンバ、ラジエータ、お
    よびクーラント用ポンプと連通する第1クーラント入口
    と; 上記クーラントチャンバおよびクーラント用ポンプと連
    通するクーラント出口であって、エンジンの前面と後面
    の間で計測した上記クーラントチャンバのほぼ中間点に
    位置するクーラント出口と; によって更に構成されることを特徴とする請求の範囲第
    5項記載の装置。
  8. 【請求項8】上記クーラントチャンバ、ラジエータおよ
    び/またはクーラント用ポンプと連通する第2クーラン
    ト入口であって、上記第1クーラント入口とエンジンを
    挟んで反対側に位置する第2クーラント入口を有するこ
    とを特徴とする請求の範囲第7項記載の装置。
  9. 【請求項9】上記排出手段が、上記クーラントチャンバ
    と連通し、このクーラントチャンバから蒸発したクーラ
    ントおよび/またはガスや蒸気を受け入れる膨張タンク
    を有することを特徴とする請求の範囲第2項記載の装
    置。
  10. 【請求項10】上記膨張タンクは、大気と連通し、クー
    ラント液をその中に受け入れて、上記クーラントチャン
    バと大気との間に液体シールとしてクーラント液を維持
    することを特徴とする請求の範囲第9項記載の装置。
  11. 【請求項11】上記膨張タンクは、入口と出口を形成
    し、この入口は上記タンクの底部の壁を貫通して延びて
    上記クーラントチャンバと連通し、この出口は上記タン
    クの頂部の壁を貫通して延びて、大気と連通し、この入
    口が上記膨張タンク内のクーラント液のレベルよりも低
    い位置に設けられ、この出口が上記膨張タンク内のクー
    ラントのレベルよりも高い位置に設けられ、従って上記
    膨張タンク内のクーラント液が、この出口と上記クーラ
    ントチャンバとの間に液体シールを形成することを特徴
    とする請求の範囲第10項記載の装置。
  12. 【請求項12】脱水装置は、膨張タンクの出口と接続さ
    れ、その中を流れて上記出口に向かう水蒸気を実質的に
    取り除くことを特徴とする請求の範囲第11項記載の装
    置。
  13. 【請求項13】上記脱水装置は、乾燥物質を含み、水蒸
    気を取り除くことを特徴とする請求の範囲第12項記載の
    装置。
  14. 【請求項14】水の飽和温度よりも高い飽和温度を有す
    る実質的に無水で、沸騰可能なクーラント液をエンジン
    の内部にポンプによって供給する工程であって、エンジ
    ンの金属表面と接触することによって気化したクーラン
    トがそのクーラント液によって凝縮するような流量で、
    クーラント液を供給する工程と;そして クーラントチャンバにおいてクーラント液によって再凝
    縮されないガスが蒸気を排出するための工程であって、
    水分の戻りを制限するために、液体クーラントのシール
    または脱水装置を有し、クーラントチャンバと装置のほ
    ぼ大気圧かまたはそれ以下の圧力の部分とを接続する排
    出手段により排出する排出工程とからなることを特徴と
    する凝縮器を有しない内燃機関の冷却方法。
  15. 【請求項15】エンジンの金属表面と接触することによ
    って気化したクーラントがクーラント液によって再凝縮
    するように、エンジン内で供給されたクーラント液を分
    配する工程を更に含むことを特徴とする請求の範囲第14
    項記載の方法。
  16. 【請求項16】上記クーラントチャンバにおいてクーラ
    ント液によって再凝縮されないガスまたは蒸気を、上記
    クーラントチャンバからほぼ大気圧またはそれ以下の圧
    力にあるエンジンの一定の場所に導いて排出する工程を
    更に含むことを特徴とする請求の範囲第15項記載の方
    法。
  17. 【請求項17】クーラト液がエンジンのシリンダ・ヘッ
    ドからエンジン・ブロックに向かう方向にクーラント用
    ポンプによって供給されることを特徴とする請求の範囲
    第15項記載の方法。
  18. 【請求項18】クーラント液がエンジン・ブロックから
    エンジンのシリンダ・ヘッドに向かってクーラント用ポ
    ンプによって供給されることを特徴とする請求の範囲第
    15項記載の方法。
  19. 【請求項19】クーラント液が、エンジンのシリンダ・
    ヘッドの前方からシリンダ・ヘッドの後方へ、さらにエ
    ンジン・ブロックの方向へ向い、そしてエンジン・ブロ
    ックの前方へとクーラント用ポンプによって供給される
    工程をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第15項記
    載の方法。
  20. 【請求項20】クーラントが、水と混合可能であり、い
    かなる温度においても水の蒸気圧よりも実質的に低い蒸
    気圧を有する少なくとも1つの物質を含むことを特徴と
    する請求の範囲第14項記載の方法。
  21. 【請求項21】前記クーラントの物質は、エチレン・グ
    リーコール、プロピレン・グリコール、テトラヒドロフ
    ルフリル・アルコールおよびジプロピレン・グリコール
    からなるグループから選択されることを特徴とする請求
    の範囲第20項記載の方法。
  22. 【請求項22】クーラントは、水と混合不能であり、い
    かなる温度においても水の蒸気圧よりも実質的に低い蒸
    気圧を有する少なくとも1つの物質を含むことを特徴と
    する請求の範囲第14項記載の方法。
  23. 【請求項23】上記クーラントの物質は、2,2,4−トリ
    メチル−1、3−ペンタンジオール・モノイソブチラー
    ト、ジブチル・イソプロパノールアミンおよび2−ブチ
    ル・オクタノールからなるグループから選択されること
    を特徴とする請求の範囲第22項記載の方法。
  24. 【請求項24】水の飽和温度よりも高い飽和温度を有す
    る、実質的に無水で、沸騰可能なクーラントを、エンジ
    ン内のクーラントチャンバから熱交換器を介して再びク
    ーラントチャンバへクーラント用ポンプによって供給す
    る工程であって、上記クーラントチャンバの外部では、
    クーラント用ポンプによってクーラントの蒸気が発生し
    ないように、クーラントを供給する供給工程と; エンジンの金属表面に流れて当該金属表面と接触しな
    い、上記クーラントチャンバ内の全てのクーラント液を
    その飽和温度以下に維持し、上記クーラントチャンバ内
    で形成されるクーラントの蒸気を上記クーラント液によ
    って再凝縮するような流量で、クーラント用ポンプによ
    って供給されたクーラントを、上記クーラントチャンバ
    を介して分配する分配工程と;そして クーラントチャンバ内への水分の戻りを制限するため
    に、液体シールおよび/または脱水装置を有し、ほぼ大
    気圧またはそれ以下の装置の部分に接続されている排出
    手段により、クーラントチャンバにおいてクーラント液
    によって再凝縮されなかったガスや蒸気を排出する排出
    工程とからなることを特徴とする内燃型エンジンの冷却
    方法。
  25. 【請求項25】クーラント液がエンジンの頭部からエン
    ジンのシリンダ・ボア部に向かってクーラント用ポンプ
    によって供給されることを特徴とする請求の範囲第24項
    記載の方法。
  26. 【請求項26】クーラント液がエンジンのシリンダ・ボ
    ア部からエンジンの頭部に向かってクーラント用ポンプ
    によって供給されることを特徴とする請求の範囲第24項
    記載の方法。
  27. 【請求項27】クーラントの核沸騰とその蒸気の発生を
    所定のレベル以下に維持するような温度と流量で、クー
    ラント用ポンプによってクーラント液を供給することを
    特徴とする請求の範囲第24項記載の方法。
  28. 【請求項28】クーラントの核沸騰とその蒸気の発生を
    所定のレベル以下に維持するための前記クーラントの温
    度と流量は、熱交換器の流通面積を増加し、または上記
    熱交換器をバイパスしてクーラントを供給することによ
    って達成されることを特徴とする請求の範囲第27項記載
    の方法。
  29. 【請求項29】上記クーラントチャンバ内で凝縮されな
    いガスまたは蒸気を、脱水後、ほぼ大気圧またはそれ以
    下の圧力にあるエンジンの一定の場所から排出する排出
    工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第24項記
    載の方法。
  30. 【請求項30】上記クーラントチャンバ内で再凝縮され
    なかったガスまたは蒸気を、そのクーラントチャンバに
    接続された液体クーラントのシールを介して排出する排
    出工程を有し、この液体クーラントのシールが、ガスま
    たは蒸気のクーラントチャンバへの流入を防止すること
    を特徴とする請求の範囲第29項記載の方法。
  31. 【請求項31】上記クーラントチャンバは、ほぼ大気圧
    に維持されることを特徴とする請求の範囲第25項記載の
    方法。
  32. 【請求項32】水の飽和温度よりも高い飽和温度を有す
    る、実質的に無水であり、沸騰可能なクーラントによっ
    て内燃型エンジンを冷却する凝縮器のない装置に於い
    て、エンジンの燃焼室のドームと排出管に近接して形成
    され、エンジンの金属表面を冷却するためにクーラント
    液を受け入れるクーラントチャンバと; このクーラントチャンバのクーラント入口とクーラント
    出口に接続された流体管路に配置された、このクーラン
    トチャンバ内を流れるクーラントの温度を引き下げる熱
    交換器と; 上記クーラントチャンバとこの熱交換器に接続されて、
    これらを介してクーラント液を供給するクーラント用ポ
    ンプであって、上記クーラントチャンバにおいてクーラ
    ントを分配し、このクーラント用ポンプの両端に於ける
    クーラントの圧力低下によって、クーラントの蒸気が実
    質的に発生せず、上記燃焼室のドームと排気管に隣接し
    ているがそれらと接触することのないクーラント液の温
    度をそのクーラントの飽和温度以下に維持し、上記クー
    ラントチャンバ内で気化したクーラントをこのクーラン
    ト液内で再凝縮させるのに十分な流量のクーラント液を
    供給するクーラント用ポンプと;そして 上記クーラントチャンバ内のクーラント液によって再凝
    縮されないガスや蒸気を排出するための手段であって、
    クーラントチャンバ内への水分の戻りを制限するため
    に、液体シールおよび/または脱水装置を有し、ほぼ大
    気圧またはそれ以下の圧力であるエンジンのある場所か
    ら排出する排出手段とからなることを特徴とする装置。
  33. 【請求項33】上記排出手段が、上記クーラントチャン
    バからガス、蒸気および蒸発したクーラントを受け入れ
    る膨張タンクを有することを特徴とする請求の範囲第32
    項記載の装置。
  34. 【請求項34】上記排出手段が、前記膨張タンクと接続
    された通気管を更に有し、この通気管の一部が装置内の
    クーラントの最高レベルまたはそれよりも高い場所に位
    置し、ガス、蒸気および蒸発したクーラントが上記クー
    ラントチャンバからこの通気管を介して流れることを特
    徴とする請求の範囲第33項記載の装置。
  35. 【請求項35】上記膨張タンクが、上記通気管と接続さ
    れ、その膨張タンク内でクーラントのレベルよりも低い
    場所に位置する第1ポートと、大気と連通するように接
    続された第2ポートであって、その膨張タンク内のクー
    ラントのレベルよりも高い場所に位置し、膨張タンク内
    のガスまたは蒸気がこれを通して流れることができ、上
    記膨張タンク内のクーラント液が、上記第1ポートと第
    2ポートとの間に貯留され、液体シールを形成している
    ことを特徴とする請求の範囲第34項記載の装置。
  36. 【請求項36】クーラント液が、エンジンの頭部からエ
    ンジンのシリンダ・ボア部に向かって循環させられるこ
    とを特徴とする請求の範囲第32項記載の装置。
  37. 【請求項37】クーラント液が、エンジンのシリンダ・
    ボア部からエンジンの頭部に向かって循環させられるこ
    とを特徴とする請求の範囲第32項記載の装置。
  38. 【請求項38】水の飽和温度よりも高い飽和温度を有す
    る、実質的に無水であって、沸騰可能なクーラントによ
    って内燃型エンジンを冷却する装置に於いて、エンジン
    のシリンダ壁と燃焼室を取り囲み、エンジンの金属表面
    を冷却するクーラントを受け入れる、クーラント入口と
    クーラント出口とを有するクーラントチャンバであっ
    て、クーラント出口がクーラント入口と同じ側のエンジ
    ンに位置しているクーラントチャンバと、 このクーラントチャンバと接続されたクーラント用ポン
    プであって、クーラント液がエンジンの金属表面と接触
    して気化したクーラントを再凝縮するような温度と流量
    で、熱交換器を介してクーラント液を供給するクーラン
    ト用ポンプと、 エンジンのシリンダ・ヘッドとエンジン・ブロックの間
    に着座し、その中を貫通して延びる複数のクーラント用
    開口部を形成するヘッド・ガスケットであって、上記ク
    ーラント用開口部が上記クーラントチャンバと連通し、
    クーラント液がそれらの中を流れることを可能にし、各
    クーラント用開口部が、それぞれエンジンの金属表面と
    接触して気化したクーラントをクーラント液で再凝縮さ
    せるように、位置と寸法を決められている上記ヘッド・
    ガスケットと、そして クーラントチャンバにおいてクーラント液によって再凝
    縮されなかったガスや蒸気を排出するための手段であっ
    て、クーラントチャンバ内への水分の戻りを制限するた
    めに、液体シールおよび/または脱水装置を有し、ほぼ
    大気圧またはそれ以下の装置の部分に接続されている排
    出手段とからなることを特徴とする装置。
  39. 【請求項39】上記クーラント用開口部が、上記クーラ
    ントの入口と出口の反対側のエンジンに連続する上記ヘ
    ッド・ガスケットの一部に位置することを特徴とする請
    求の範囲第38項記載の装置。
  40. 【請求項40】上記クーラントの入口と出口がエンジン
    の前半部分に位置し、上記ヘッド・ガスケットのクーラ
    ント用開口部がエンジンのほぼ後半部分に位置すること
    を特徴とする請求の範囲第39項記載の装置。
  41. 【請求項41】実質的に無水のクーラントで内燃型エン
    ジンを冷却する凝縮器のない装置に於いて、 エンジン内に設けられ、実質的に無水のクーラントを受
    け入れてエンジンの金属表面を冷却するためのクーラン
    トチャンバと; このクーラントチャンバと連通し、このクーラントチャ
    ンバからガスおよび/または蒸気を排出する第1排出手
    段と;そして この第1排出手段と装置のほぼ大気圧またはこの圧力以
    下の部分とに接続され、この第1排出手段に流入する水
    および/または水蒸気を取り除く脱水装置を有する第2
    排出手段とからなることを特徴とする装置。
  42. 【請求項42】上記第2排出手段は、その中を流れる水
    および/または水蒸気を実質的に取り除く乾燥物質を有
    することを特徴とする請求の範囲第41項記載の装置。
  43. 【請求項43】上記脱水装置が、クーラントチャンバお
    よび大気とに接続された膨張タンクを有し、この膨張タ
    ンクがその中にクーラントを受け入れ、この膨張タンク
    内のクーラント液が上記クーラントチャンバと大気との
    間に液体シールを形成することを特徴とする請求の範囲
    第42項記載の装置。
  44. 【請求項44】上記膨張タンクはその内部のクーラント
    液のレベルよりも高い場所に位置するガスの通路を形成
    し、このガスの通路が脱水装置と連通して、その結果、
    このガスの通路を介して膨張タンクに流入するガスが、
    脱水装置によって除湿されることを特徴とする請求の範
    囲第43項記載の装置。
  45. 【請求項45】上記脱水装置は乾燥室を形成するキャニ
    スタを有し、その乾燥室には乾燥物質が入れられてお
    り、この乾燥室がガスの通路および大気と接続され、こ
    のガスの通路を介して上記膨張タンクに流入するガス
    が、上記乾燥室を流れることによって除湿されることを
    特徴とする請求の範囲第44項記載の装置。
  46. 【請求項46】水の飽和温度よりも高い飽和温度を有す
    る、実質的に無水であり、蒸発可能なクーラントで内燃
    型エンジンを冷却する凝縮器のない装置に於いて、 エンジン内に形成され、クーラント液を受け入れてエン
    ジンの表面を冷却するためのクーラントチャンバと; このクーラントチャンバ内でクーラント液によって再凝
    縮されないガスまたは蒸気を上記クーラントチャンバか
    ら排出する手段であって、クーラントチャンバ内への水
    分の戻りを制限するために、液体シールおよび/または
    脱水装置を有し、ほぼ大気圧またはこの圧力以下の部分
    と接続された排出手段と; エンジンの金属表面と接触して気化したクーラントがク
    ーラント液内で再凝縮するように、上記クーラントチャ
    ンバを介して供給されたクーラントを分配する分配手段
    と;そして 上記クーラントチャンバおよび熱交換器と接続され、エ
    ンジンの金属表面と接触して気化したクーラントをクー
    ラント液内で再凝縮するような温度と流量で、熱交換器
    を介してクーラント液を供給するクーラント用ポンプと
    によって構成されることを特徴とする装置。
  47. 【請求項47】上記排出手段は上記クーラントチャンバ
    と接続され、大気と連通するクーラントタンクを有し、
    このクーラントタンクは上記クーラントチャンバからガ
    ス、蒸気および/または蒸発したクーラントを受け入
    れ、その中に液体シールを形成するクーラント液を保有
    していることを特徴とする請求の範囲第46項記載の装
    置。
  48. 【請求項48】上記分配手段は、エンジンのシリンダ・
    ヘッドとエンジン・ブロックとの間に着座するヘッド・
    ガスケットを有し、このヘッド・ガスケットにはそれを
    貫通する幾つかの開口部が形成され、この開口部が上記
    クーラントチャンバと連通してクーラント液がそれらの
    中を流れることを可能にし、各開口部は、それぞれエン
    ジンの金属表面と接触して気化したクーラントがクーラ
    ント液内で凝縮するように、位置と寸法が決められてい
    ることを特徴とする請求の範囲第46項記載の装置。
  49. 【請求項49】水の飽和温度よりも高い飽和温度を有す
    る、実質的に無水であり、蒸発可能なクーラントで内燃
    型エンジンを冷却する装置に於いて、 エンジンの金属表面を冷却するクーラントを受け入れる
    ための、エンジンのシリンダ壁と燃焼室を取り巻くクー
    ラントチャンバと; このクーラントチャンバと接続されたクーラント用ポン
    プであって、エンジンの金属表面と接触して気化したク
    ーラントをクーラント液が再凝縮するような温度と流量
    で、熱交換器を介してクーラントを供給するクーラント
    ポンプと; クーラントチャンバにおいてクーラント液によって再凝
    縮されなかったガスや蒸気を排出するための手段であっ
    て、クーラントチャンバ内への水分の戻りを制限するた
    めに、液体シールおよび/または脱水装置を有し、ほぼ
    大気圧またはそれ以下の装置の部分に接続されている排
    出手段と; エンジンの金属表面と接触して気化したクーラントがク
    ーラント液内で実質的に凝縮するように、上記クーラン
    トチャンバにおいてクーラント液を分配する手段と; エンジンのシリンダ・ヘッドとエンジン・ブロックとの
    間に着座するヘッド・ガスケットと; 前記分配する手段が、クーラントがそこを通って流れる
    のを許容し、それぞれ上記クーラントチャンバに連通
    し、このヘッド・ガスケットに延びている複数のクーラ
    ント用開口部を含んでいることと; 上記クーラントチャンバと、ラジエータおよびクーラン
    ト用ポンプと連通しているクーラントの第1入口と; 上記クーラントチャンバおよびポンプと連通しているク
    ーラントの出口であって、エンジンの前壁と後壁との間
    のクーラントチャンバのほぼ中央に配置されたクーラン
    トの出口と; 上記クーラントチャンバ、ラジエータおよび/またはク
    ーラント用ポンプと連通しているクーラントの第2入口
    であって、前記クーラントの第1入口とエンジンの反対
    側に配置されている第2入口とからなることを特徴とす
    る装置。
  50. 【請求項50】水の飽和温度よりも高い飽和温度を有す
    る、実質的に無水であって、蒸発可能なクーラントによ
    って内燃型エンジンを冷却する装置に於いて、 エンジン金属表面を冷却するためにクーラントを受け入
    れるために、エンジンのシリンダ壁と燃焼室を取り巻く
    クーラントチャンバと; このクーラントチャンバと流通するように接続されたク
    ーラントポンプであって、エンジンの金属表面と接触し
    て気化したクーラントをクーラント液を凝縮するような
    流量で、上記クーラントチャンバを通してクーラントを
    供給するクーラントポンプと; エンジンの金属表面と接触して気化したクーラントがク
    ーラント液内で凝縮するように、上記クーラントチャン
    バにおいてクーラント液を分配する手段と; 上記クーラントチャンバ内のクーラント液によって凝縮
    しないガスや蒸気を排出するための手段であって、ほぼ
    大気圧あるいはそれ以下の圧力である部分に接続されて
    いる排出のための手段と; 上記クーラントチャンバからの膨張したクーラントおよ
    び/または蒸気を受け取るために、上記クーラントチャ
    ンバと接続している膨張タンクと; この膨張タンクが、大気圧と連通し、上記クーラントチ
    ヤンバとその大気圧との間にクーラント液を貯留するた
    めに、その中へクーラント液を受け入れることと; この膨張タンクには、その底壁を通って延び、上記クー
    ラントチヤンバと連通している入口ポートと、その頂壁
    を通って延び、大気圧と連通している出口ポートとが形
    成され、この入口ポートは膨張タンク内のクーラントの
    レベルよりも低い位置に配置され、出口ポートは膨張タ
    ンク内のクーラントのレベルよりも高い位置に配置さ
    れ、膨張タンク内のクーラント液が出口ポートとクーラ
    ントチャンバとの間に液体シールを提供することと;そ
    して 前記膨張タンクの出口ポートには、そこを通りまたはそ
    こに入ろうとする水蒸気を除去するために、その出口ポ
    ートに接続された除湿装置とからなることを特徴とする
    装置。
  51. 【請求項51】前記除湿装置が水蒸気を実質的に除去す
    るために乾燥剤を含むことを特徴とする特許請求の範囲
    第50項記載の装置。
  52. 【請求項52】実質的に無水のクーラントで内燃型エン
    ジンを冷却する装置に於いて、装置に形成されたクーラ
    ントチャンバであって、エンジンの金属表面を冷却する
    ために実質的に無水のクーラントを受け取るためのクー
    ラントチャンバと; そこに連通して、クーラントチャンバからガスおよび/
    または蒸気を排出するための第1排出手段と; そこに接続された、前記第1排出手段に流れる水分およ
    び/または水蒸気を除去するための第2排出手段と;そ
    して その第2排出手段が、そこを通って流れる水分および/
    または水蒸気を実質的に除去するために乾燥剤を含むこ
    ととからなることを特徴とする装置。
  53. 【請求項53】前記第1排出手段が、クーラントチャン
    バと大気圧とに連通した膨張タンクであって、その中に
    クーラント液を受け入れ、このクーラント液がクーラン
    トチャンバと大気圧との間の液体シールを提供する膨張
    タンクを含むことを特徴とする特許請求の範囲第52項記
    載の装置。
  54. 【請求項54】前記膨張タンクには、その中のクーラン
    ト液のレベルの上に、上記第2排出手段に連通している
    ガス通路が配置され、このガス通路を通って膨張タンク
    の中に入ろうとするガスが上記第2手段によって実質的
    に除去されることを特徴とする特許請求の範囲第53項記
    載の装置。
  55. 【請求項55】前記第2排出手段が、その中に乾燥室を
    形成するキャニスターを含み、この乾燥室内には乾燥剤
    が入れられ、この乾燥室はガス通路と大気圧に連通して
    接続しているので、このガス通路を通って膨張タンクに
    入ろうとするガスが乾燥室を通ることによって実質的に
    除湿されることを特徴とする特許請求の範囲第54項記載
    の装置。
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