JP2640889B2 - 多相交流回路における電磁場解析法 - Google Patents
多相交流回路における電磁場解析法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、起電力と内部インピー
ダンスが既知の多相交流電源により駆動される誘導性負
荷における電磁場を解析する方法に関し、例えば、三相
誘導モーター、三相同期モーター、三相変圧器等の多相
交流電気機器を商用電力系統等の多相交流電圧源で駆動
する場合の電磁場解析に適用して好適なものである。
ダンスが既知の多相交流電源により駆動される誘導性負
荷における電磁場を解析する方法に関し、例えば、三相
誘導モーター、三相同期モーター、三相変圧器等の多相
交流電気機器を商用電力系統等の多相交流電圧源で駆動
する場合の電磁場解析に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】交流電磁場の磁束密度分布を求めるため
の基礎方程式は、一般に、次式〔数1〕で与えられる。
の基礎方程式は、一般に、次式〔数1〕で与えられる。
【0003】
【数1】
【0004】この〔数1〕中、頭に矢印記号の付いた文
字は、全て、x、y、z成分を有するベクトルである
(以下同様。但し、明細書の文章中では、この頭の矢印
記号は省略する。)。また、A:ベクトルポテンシャ
ル、φ:スカラーポテンシャル、J0 :励磁電流密度、
Je :渦電流密度、B:磁束密度、σ:導電率、ν:磁
気抵抗率、ω:角周波数、j:虚数単位である。なお、
単位系は、国際単位系(SI)を用いるものとする。こ
れらの物理量のうち、ベクトルポテンシャルA、スカラ
ーポテンシャルφ、励磁電流密度J0 、渦電流密度Je
及び磁束密度Bは、全て、座標(x,y,z)及び時間
tの関数である。また、電磁的物性値σとνはそれぞれ
テンソル量であり、3×3の行列として表現される。
字は、全て、x、y、z成分を有するベクトルである
(以下同様。但し、明細書の文章中では、この頭の矢印
記号は省略する。)。また、A:ベクトルポテンシャ
ル、φ:スカラーポテンシャル、J0 :励磁電流密度、
Je :渦電流密度、B:磁束密度、σ:導電率、ν:磁
気抵抗率、ω:角周波数、j:虚数単位である。なお、
単位系は、国際単位系(SI)を用いるものとする。こ
れらの物理量のうち、ベクトルポテンシャルA、スカラ
ーポテンシャルφ、励磁電流密度J0 、渦電流密度Je
及び磁束密度Bは、全て、座標(x,y,z)及び時間
tの関数である。また、電磁的物性値σとνはそれぞれ
テンソル量であり、3×3の行列として表現される。
【0005】この〔数1〕の解析対象領域が交流電流源
で駆動される場合には、励磁電流密度J0 は与えられた
ものとして扱い、この〔数1〕の第1式〜第3式を連立
して解いてベクトルポテンシャルAとスカラーポテンシ
ャルφを求めた後、〔数1〕の第4式から磁束密度Bを
求める。この解析は、通常、有限要素法を用いて行われ
る。
で駆動される場合には、励磁電流密度J0 は与えられた
ものとして扱い、この〔数1〕の第1式〜第3式を連立
して解いてベクトルポテンシャルAとスカラーポテンシ
ャルφを求めた後、〔数1〕の第4式から磁束密度Bを
求める。この解析は、通常、有限要素法を用いて行われ
る。
【0006】ところが、〔数1〕の解析対象領域が交流
電圧源で駆動される場合には、ベクトル量である励磁電
流密度J0 も未知変数となるので、このままでは〔数
1〕を解くことはできない。そこで、この場合には、交
流電圧源から供給される線電流I0 を用い、励磁電流密
度J0 を与える導体コイルにおける関係式、
電圧源で駆動される場合には、ベクトル量である励磁電
流密度J0 も未知変数となるので、このままでは〔数
1〕を解くことはできない。そこで、この場合には、交
流電圧源から供給される線電流I0 を用い、励磁電流密
度J0 を与える導体コイルにおける関係式、
【0007】
【数2】
【0008】を使って、本来はベクトル量である励磁電
流密度J0 の代わりにスカラー量である線電流I0 を未
知変数として用いる。但し、nc :導体コイルの巻き線
数、Sc :導体コイルの断面積である。
流密度J0 の代わりにスカラー量である線電流I0 を未
知変数として用いる。但し、nc :導体コイルの巻き線
数、Sc :導体コイルの断面積である。
【0009】そして、図3に示すように、この線電流I
0 に関し、この交流回路の回路方程式である次式〔数
3〕をたてる。
0 に関し、この交流回路の回路方程式である次式〔数
3〕をたてる。
【0010】
【数3】
【0011】ここで、V0 :電源の起電力、R:電源部
の内部抵抗、L:電源部のインダクタンス、C:電源部
のキャパシタンスであり、電源部の内部インピーダンス
Z=R+j(ωL−1/ωC)である。また、R′:導
体コイルZL における負荷抵抗、ψ:導体コイルZL に
鎖交する磁束であり、jωψが導体コイルZL の負荷に
よる逆起電力を与える。そして、磁束ψは、この導体コ
イルZL において誘導される電磁場のベクトルポテンシ
ャルAを用いて、次式〔数4〕で表される。
の内部抵抗、L:電源部のインダクタンス、C:電源部
のキャパシタンスであり、電源部の内部インピーダンス
Z=R+j(ωL−1/ωC)である。また、R′:導
体コイルZL における負荷抵抗、ψ:導体コイルZL に
鎖交する磁束であり、jωψが導体コイルZL の負荷に
よる逆起電力を与える。そして、磁束ψは、この導体コ
イルZL において誘導される電磁場のベクトルポテンシ
ャルAを用いて、次式〔数4〕で表される。
【0012】
【数4】
【0013】但し、この〔数4〕における積分は、導体
コイルZL の線路に沿った線積分である。
コイルZL の線路に沿った線積分である。
【0014】そこで、〔数2〕のJ0 を〔数1〕の第1
式に代入して、未知変数J0 をI0に変換し、この〔数
1〕の第1式〜第3式並びに〔数3〕及び〔数4〕を連
立して解くと、線電流I0 、ベクトルポテンシャルA及
びスカラーポテンシャルφをそれぞれ求めることがで
き、その結果、〔数1〕の第4式から磁束密度Bを求め
ることができる。
式に代入して、未知変数J0 をI0に変換し、この〔数
1〕の第1式〜第3式並びに〔数3〕及び〔数4〕を連
立して解くと、線電流I0 、ベクトルポテンシャルA及
びスカラーポテンシャルφをそれぞれ求めることがで
き、その結果、〔数1〕の第4式から磁束密度Bを求め
ることができる。
【0015】上述した回路方程式〔数3〕は、独立した
交流回路であれば、原理的には、いくつでも増やすこと
ができ、例えば、図4に示すような2回路の場合でも、
各々の回路に〔数3〕の回路方程式をたてれば、解析領
域Pの電磁場解析を行うことができる。
交流回路であれば、原理的には、いくつでも増やすこと
ができ、例えば、図4に示すような2回路の場合でも、
各々の回路に〔数3〕の回路方程式をたてれば、解析領
域Pの電磁場解析を行うことができる。
【0016】また、例えば三相交流回路における星型結
線のような、交流回路が互いに独立していない場合で
も、多相交流回路の中の(n−1)個の異なる閉回路部
分にそれぞれキルヒホッフの第二法則を適用して、多相
交流電源から誘導性負荷に供給される線電流のうちの互
いに独立な(n−1)個の線電流に関して、誘導性負荷
をその誘導性負荷部分において解析しようとする電磁場
のベクトルポテンシャルで規定される逆起電力として含
む(n−1)個の回路方程式をたてることによって、電
磁場解析を行うことができる。
線のような、交流回路が互いに独立していない場合で
も、多相交流回路の中の(n−1)個の異なる閉回路部
分にそれぞれキルヒホッフの第二法則を適用して、多相
交流電源から誘導性負荷に供給される線電流のうちの互
いに独立な(n−1)個の線電流に関して、誘導性負荷
をその誘導性負荷部分において解析しようとする電磁場
のベクトルポテンシャルで規定される逆起電力として含
む(n−1)個の回路方程式をたてることによって、電
磁場解析を行うことができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
三相交流回路における星型結線の場合のように、交流回
路が互いに独立していない場合には、上述の方法で導出
された回路方程式と交流電磁場の基礎方程式に、例えば
有限要素法を適用して行列方程式とすると、その未知ベ
クトルに乗ぜられる係数ベクトル(本発明においては、
構造解析に用いられる剛性方程式における剛性行列にな
らって「剛性行列」と称する。)が非対称な行列となる
ため、剛性行列が対称行列であることを前提とした解法
を適用することはできなかった。
三相交流回路における星型結線の場合のように、交流回
路が互いに独立していない場合には、上述の方法で導出
された回路方程式と交流電磁場の基礎方程式に、例えば
有限要素法を適用して行列方程式とすると、その未知ベ
クトルに乗ぜられる係数ベクトル(本発明においては、
構造解析に用いられる剛性方程式における剛性行列にな
らって「剛性行列」と称する。)が非対称な行列となる
ため、剛性行列が対称行列であることを前提とした解法
を適用することはできなかった。
【0018】また計算機を用いて、前記行列方程式にお
ける剛性行列が非対称であることを前提とした解法を適
用して、前記行列方程式を計算する場合、計算時間と計
算容量の増大をまねいていた。
ける剛性行列が非対称であることを前提とした解法を適
用して、前記行列方程式を計算する場合、計算時間と計
算容量の増大をまねいていた。
【0019】そこで、本発明の目的は、上記のような多
相交流回路における電磁場解析において、回路方程式と
交流電磁場の基礎方程式より構成される行列方程式の剛
性行列を対称な行列とし、電磁場を高速で精度良く解析
する方法を提供することである。
相交流回路における電磁場解析において、回路方程式と
交流電磁場の基礎方程式より構成される行列方程式の剛
性行列を対称な行列とし、電磁場を高速で精度良く解析
する方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、起電力と内部インピーダンスが既知の
多相交流電源(相数をnとする。)に接続されて、この
多相交流電源により駆動される誘導性負荷における電磁
場を、前記多相交流電源と前記誘導性負荷とで構成され
る多相交流回路の中の(n−1)個の異なる閉回路部分
にそれぞれキルヒホッフの第二法則を適用して、前記多
相交流電源から前記誘導性負荷に供給される線電流のう
ちの互いに独立な(n−1)個の線電流に関し、前記誘
導性負荷を、その誘導性負荷部分において解析しようと
する電磁場のベクトルポテンシャルで規定される逆起電
力として含む(n−1)個の回路方程式をたて、これら
の回路方程式を用いて解析する方法において、前記回路
方程式における前記逆起電力を規定するベクトルポテン
シャルの係数が、交流電磁場の基礎方程式における線電
流の係数と等しくなるように前記回路方程式をたてるこ
とによって、前記回路方程式と前記交流電磁場の基礎方
程式とで構成される行列方程式の剛性行列を対称行列と
して、多相交流回路の電磁場を精度良く高速で解析す
る。
に、本発明では、起電力と内部インピーダンスが既知の
多相交流電源(相数をnとする。)に接続されて、この
多相交流電源により駆動される誘導性負荷における電磁
場を、前記多相交流電源と前記誘導性負荷とで構成され
る多相交流回路の中の(n−1)個の異なる閉回路部分
にそれぞれキルヒホッフの第二法則を適用して、前記多
相交流電源から前記誘導性負荷に供給される線電流のう
ちの互いに独立な(n−1)個の線電流に関し、前記誘
導性負荷を、その誘導性負荷部分において解析しようと
する電磁場のベクトルポテンシャルで規定される逆起電
力として含む(n−1)個の回路方程式をたて、これら
の回路方程式を用いて解析する方法において、前記回路
方程式における前記逆起電力を規定するベクトルポテン
シャルの係数が、交流電磁場の基礎方程式における線電
流の係数と等しくなるように前記回路方程式をたてるこ
とによって、前記回路方程式と前記交流電磁場の基礎方
程式とで構成される行列方程式の剛性行列を対称行列と
して、多相交流回路の電磁場を精度良く高速で解析す
る。
【0021】
【作用】以下、本発明の作用を、三相交流の星型結線の
場合を例にとって説明する。
場合を例にとって説明する。
【0022】図1に示すように、誘導性負荷として3個
の誘導性負荷素子ZL1〜ZL3が星型に結線されており、
電源の内部インピーダンス及び各誘導性負荷素子ZL1〜
ZL3の負荷抵抗が三相でバランスしている場合を考え
る。この時、説明を簡単にするために、既述した〔数
3〕において、電源の内部インピーダンスに誘導性負荷
の負荷抵抗を加えたものを電源の内部インピーダンスZ
として取り扱う。即ち、
の誘導性負荷素子ZL1〜ZL3が星型に結線されており、
電源の内部インピーダンス及び各誘導性負荷素子ZL1〜
ZL3の負荷抵抗が三相でバランスしている場合を考え
る。この時、説明を簡単にするために、既述した〔数
3〕において、電源の内部インピーダンスに誘導性負荷
の負荷抵抗を加えたものを電源の内部インピーダンスZ
として取り扱う。即ち、
【0023】 Z=R+R′+j(ωL−1/ωC) …(1)
【0024】である。
【0025】図1において、まず、電位VR と電位VT
との間で形成される閉回路1にキルヒホッフの第二法則
を適用すると、
との間で形成される閉回路1にキルヒホッフの第二法則
を適用すると、
【0026】 ZIR −ZIT +jωψR −jωψT =VR −VT …(2)
【0027】が得られる。一方、電位VR と電位Vs と
の間で形成される閉回路2にキルヒホッフの第二法則を
適用すると、 ZIR +Z(IR +IT )+jωψR −jωψs =VR −Vs …(3)
の間で形成される閉回路2にキルヒホッフの第二法則を
適用すると、 ZIR +Z(IR +IT )+jωψR −jωψs =VR −Vs …(3)
【0028】が得られる。
【0029】これらの(2)式及び(3)式における逆
起電力は、〔数4〕を用いることによってベクトルポテ
ンシャルで規定されるが、このベクトルポテンシャルの
係数と〔数1〕、〔数2〕における線電流の係数が等し
くなるように整理すると、
起電力は、〔数4〕を用いることによってベクトルポテ
ンシャルで規定されるが、このベクトルポテンシャルの
係数と〔数1〕、〔数2〕における線電流の係数が等し
くなるように整理すると、
【0030】 2ZIR +ZIT +jω(ψR −ψs )=VR −Vs …(4)
【0031】 ZIR +2ZIT +jω(ψT −ψs )=VT −Vs …(5)
【0032】が得られる。
【0033】そこで、本発明においては、これらの
(4)式と(5)式を、互いに独立な線電流IR とIT
に関する方程式として用いる。即ち、(4)式によれ
ば、独立な線電流IR が流れる第1の回路では、誘導性
負荷素子ZL1〜ZL3において解析しようとする全導電体
を解析対象に指定(但し、磁束ψにマイナス符号が付い
ているS相の導体は、その方向を逆に指定)する。この
回路の電源の内部インピーダンスは2Zで、電源の起電
力としてVR −Vs を複素数でコンピュータに入力す
る。また第1の回路は、独立な線電流IT が流れる第2
の回路とインピーダンスZで接続されていると設定す
る。一方、(5)式によれば、独立な線電流IT が流れ
る第2の回路でも、解析対象として全導体を第1の回路
とダブって指定し、今度は、電源の起電力をVT −Vs
にし、その他は(4)式の場合と同様に(5)式にした
がって、各値を設定してコンピュータに入力する。そし
て、これらの(4)式及び(5)式と、既述した〔数
1〕、〔数2〕及び〔数4〕を例えば有限要素法を用い
て離散化すると、得られた行列方程式の剛性行列は、対
称行列になる。
(4)式と(5)式を、互いに独立な線電流IR とIT
に関する方程式として用いる。即ち、(4)式によれ
ば、独立な線電流IR が流れる第1の回路では、誘導性
負荷素子ZL1〜ZL3において解析しようとする全導電体
を解析対象に指定(但し、磁束ψにマイナス符号が付い
ているS相の導体は、その方向を逆に指定)する。この
回路の電源の内部インピーダンスは2Zで、電源の起電
力としてVR −Vs を複素数でコンピュータに入力す
る。また第1の回路は、独立な線電流IT が流れる第2
の回路とインピーダンスZで接続されていると設定す
る。一方、(5)式によれば、独立な線電流IT が流れ
る第2の回路でも、解析対象として全導体を第1の回路
とダブって指定し、今度は、電源の起電力をVT −Vs
にし、その他は(4)式の場合と同様に(5)式にした
がって、各値を設定してコンピュータに入力する。そし
て、これらの(4)式及び(5)式と、既述した〔数
1〕、〔数2〕及び〔数4〕を例えば有限要素法を用い
て離散化すると、得られた行列方程式の剛性行列は、対
称行列になる。
【0034】図2に、電源の内部インピーダンスがアン
バランスな場合を示す。但し、負荷抵抗は、内部インピ
ーダンスに加えている。
バランスな場合を示す。但し、負荷抵抗は、内部インピ
ーダンスに加えている。
【0035】この場合には、閉回路1におけるキルヒホ
ッフの第二法則の式は、
ッフの第二法則の式は、
【0036】 ZR IR −ZT IT +jωψR −jωψT =VR −VT …(6)
【0037】となり、閉回路2におけるキルヒホッフの
第二法則の式は、
第二法則の式は、
【0038】 ZR IR +Zs (IR +IT )+jωψR −jωψs =VR −Vs …(7)
【0039】となる。
【0040】これらの(6)式及び(7)式に、〔数
4〕を代入した場合のベクトルポテンシャルの係数と、
〔数1〕、〔数2〕における線電流の係数が等しくなる
ように整理すると、
4〕を代入した場合のベクトルポテンシャルの係数と、
〔数1〕、〔数2〕における線電流の係数が等しくなる
ように整理すると、
【0041】 (ZR +Zs )IR +Zs IT +jω(ψR −ψs )=VR −Vs …(8)
【0042】 Zs IR +(ZT +Zs )IT +jω(ψT −ψs )=VT −Vs …(9)
【0043】が得られる。(8)式によれば、独立な線
電流IR が流れる第1の回路においては、解析対象とし
て、全導体を指定(但し、ψにマイナス記号の付いてい
る場合は、方向が逆)し、電源の内部インピーダンスは
ZR +Zs 、起電力はVR −Vs とする。また、第1の
回路は、独立な線電流IT が流れる第2の回路とインピ
ーダンスZs で接続されていると設定する。(9)式に
おいても同様である。
電流IR が流れる第1の回路においては、解析対象とし
て、全導体を指定(但し、ψにマイナス記号の付いてい
る場合は、方向が逆)し、電源の内部インピーダンスは
ZR +Zs 、起電力はVR −Vs とする。また、第1の
回路は、独立な線電流IT が流れる第2の回路とインピ
ーダンスZs で接続されていると設定する。(9)式に
おいても同様である。
【0044】先に、電源の内部インピーダンスが三相で
バランスしている場合に、回路方程式(4)と(5)
を、〔数1〕、〔数2〕及び〔数4〕とともに、例えば
有限要素法で離散化すると、得られる行列方程式の剛性
行列が対称行列となることを述べたが、ここでは、より
一般的な電源の内部インピーダンスがアンバランスな場
合について、回路方程式(8)と(9)を〔数1〕、
〔数2〕及び〔数4〕とともに有限要素法で離散化する
と剛性行列が対称になることを具体的に説明する。
バランスしている場合に、回路方程式(4)と(5)
を、〔数1〕、〔数2〕及び〔数4〕とともに、例えば
有限要素法で離散化すると、得られる行列方程式の剛性
行列が対称行列となることを述べたが、ここでは、より
一般的な電源の内部インピーダンスがアンバランスな場
合について、回路方程式(8)と(9)を〔数1〕、
〔数2〕及び〔数4〕とともに有限要素法で離散化する
と剛性行列が対称になることを具体的に説明する。
【0045】まず、〔数1〕に、有限要素法と等価な離
散化手法として知られるガラーキン法を適用し、更に、
ベクトル公式を適用することで、次の〔数5〕に示す積
分方程式が得られる。
散化手法として知られるガラーキン法を適用し、更に、
ベクトル公式を適用することで、次の〔数5〕に示す積
分方程式が得られる。
【0046】
【数5】
【0047】但し、Ni は、有限要素法における補間関
数を示している。
数を示している。
【0048】三相交流で励磁される電気機器の場合、
〔数5〕の(10)式のベクトルJ0は、R相コイル、
S相コイル及びT相コイルの電流密度の線形結合で表さ
れるので、次の〔数6〕が成り立つ。
〔数5〕の(10)式のベクトルJ0は、R相コイル、
S相コイル及びT相コイルの電流密度の線形結合で表さ
れるので、次の〔数6〕が成り立つ。
【0049】
【数6】
【0050】ここで、ベクトル量であるJ0R、J0S、J
0Tは、夫々、R相、S相、T相のコイルの電流密度を表
す。今、ベクトルJ0Rを、座標系に対する成分に展開す
ると、次の〔数7〕が得られる。
0Tは、夫々、R相、S相、T相のコイルの電流密度を表
す。今、ベクトルJ0Rを、座標系に対する成分に展開す
ると、次の〔数7〕が得られる。
【0051】
【数7】
【0052】ここで、頭に山型の記号が付いたx、y、
zは、夫々、x、y、z方向の単位ベクトルを表し、添
字Rの付いたix 、iy 、iz は、夫々、コイル電流の
方向を示す単位ベクトルのx、y、z成分を表してい
る。また、〔数7〕の(13)式における添字RをS又
はTにすれば、夫々、S相とT相のコイルの電流密度に
関する同様の表現を得ることができる。
zは、夫々、x、y、z方向の単位ベクトルを表し、添
字Rの付いたix 、iy 、iz は、夫々、コイル電流の
方向を示す単位ベクトルのx、y、z成分を表してい
る。また、〔数7〕の(13)式における添字RをS又
はTにすれば、夫々、S相とT相のコイルの電流密度に
関する同様の表現を得ることができる。
【0053】〔数2〕を三相交流のR相について適用
し、〔数7〕の(13)式に代入すれば、次の〔数8〕
に示す関係式が得られる。
し、〔数7〕の(13)式に代入すれば、次の〔数8〕
に示す関係式が得られる。
【0054】
【数8】
【0055】但し、nc とSc に関する添字Rは、夫
々、R相における巻線とコイル断面積であることを示し
ており、添字RをS又はTにすることで、夫々、S相と
T相のコイルに関する同様の関係式が得られる。
々、R相における巻線とコイル断面積であることを示し
ており、添字RをS又はTにすることで、夫々、S相と
T相のコイルに関する同様の関係式が得られる。
【0056】〔数6〕の(12)式の右辺に、〔数7〕
の(13)式に相当する各相の関係式を代入し、且つ、
〔数8〕の(14)式に相当する関係を用いると、次の
〔数9〕が得られる。
の(13)式に相当する各相の関係式を代入し、且つ、
〔数8〕の(14)式に相当する関係を用いると、次の
〔数9〕が得られる。
【0057】
【数9】
【0058】三相交流回路では、各相のコイル電流間に
次の関係式が成立する。 IS =−IR −IT …(16)
次の関係式が成立する。 IS =−IR −IT …(16)
【0059】そこで、(16)式を〔数9〕の(15)
式に代入すると、次の〔数10〕を得ることができる。
式に代入すると、次の〔数10〕を得ることができる。
【0060】
【数10】
【0061】次に、〔数4〕を用いて回路方程式を変形
するに当たり、まず、〔数4〕の積分が各コイルに沿っ
た積分であることを利用して、座標系に対する成分に展
開すると、次の〔数11〕が得られる。
するに当たり、まず、〔数4〕の積分が各コイルに沿っ
た積分であることを利用して、座標系に対する成分に展
開すると、次の〔数11〕が得られる。
【0062】
【数11】
【0063】但し、k=R,S,Tである。
【0064】この〔数11〕の(18)式を(8)式及
び(9)式に代入し、両辺を−jωで割ると、次の〔数
12〕が得られる。
び(9)式に代入し、両辺を−jωで割ると、次の〔数
12〕が得られる。
【0065】
【数12】
【0066】以上の式の展開で得られた〔数5〕の(1
1)式、〔数10〕の(17)式並びに〔数12〕の
(19)式及び(20)式について、有限要素法に基づ
く行列方程式を導出するために、ベクトルポテンシャル
とスカラーポテンシャルを補間関数で離散化した次の
〔数13〕を代入する。
1)式、〔数10〕の(17)式並びに〔数12〕の
(19)式及び(20)式について、有限要素法に基づ
く行列方程式を導出するために、ベクトルポテンシャル
とスカラーポテンシャルを補間関数で離散化した次の
〔数13〕を代入する。
【0067】
【数13】
【0068】代入して得られた方程式群をまとめると、
次の〔数14〕に示す連立一次方程式が得られる。
次の〔数14〕に示す連立一次方程式が得られる。
【0069】
【数14】
【0070】ここで、〔数14〕の(23)式の左辺の
{Ax }、{Ay }、{Az }、{φ}は有限要素法の
節点におけるポテンシャル値を示し、右辺のV1 、V2
は、次の〔数15〕に示す
{Ax }、{Ay }、{Az }、{φ}は有限要素法の
節点におけるポテンシャル値を示し、右辺のV1 、V2
は、次の〔数15〕に示す
【0071】
【数15】
【0072】を意味している。
【0073】〔数14〕の(23)式の左辺の剛性行列
の各小行列において、次の〔数16〕に示す
の各小行列において、次の〔数16〕に示す
【0074】
【数16】
【0075】の領域については、従来の有限要素法で導
出される剛性行列と全く同一であり、対称行列になる。
ここでは、それ以外の小行列について、計算式を書き記
すと、次の〔数17〕及び〔数18〕に示すようにな
る。
出される剛性行列と全く同一であり、対称行列になる。
ここでは、それ以外の小行列について、計算式を書き記
すと、次の〔数17〕及び〔数18〕に示すようにな
る。
【0076】
【数17】
【0077】
【数18】
【0078】これらの〔数17〕及び〔数18〕から、
対称な位置関係にある小行列の計算式が同一であり、依
って、〔数14〕の(23)式の剛性行列が対称行列に
なることが分かる。
対称な位置関係にある小行列の計算式が同一であり、依
って、〔数14〕の(23)式の剛性行列が対称行列に
なることが分かる。
【0079】なお、以上の説明は三相交流の星型結線の
場合であるが、本発明の方法は、他の結線、例えば環状
結線の場合にも適用が可能である。また、交流の相数
は、三相に限られないことは言うまでもない。
場合であるが、本発明の方法は、他の結線、例えば環状
結線の場合にも適用が可能である。また、交流の相数
は、三相に限られないことは言うまでもない。
【0080】このように、本発明によれば、n相交流回
路中の(n−1)個の異なる閉回路部分にそれぞれキル
ヒホッフの第二法則を適用して、n相交流電源から誘導
性負荷に供給される線電流のうちの互いに独立な(n−
1)個の線電流に関し、誘導性負荷を、その誘導性負荷
部分において解析しようとする電磁場のベクトルポテン
シャルで規定される逆起電力として含む(n−1)個の
回路方程式をたて、回路方程式における逆起電力を規定
するベクトルポテンシャルの係数を、交流電磁場の基礎
方程式における線電流の係数と等しくなるように方程式
を変形し、この方程式を用いて電磁場解析を行うように
しているので、解くべき行列方程式における剛性行列を
対称とし、計算機を用いた計算に際して、剛性行列が対
称であることを前提とした解法が適用できることを可能
とすることによって、高速計算を行い、且つ記憶容量の
削減を行うことができる。
路中の(n−1)個の異なる閉回路部分にそれぞれキル
ヒホッフの第二法則を適用して、n相交流電源から誘導
性負荷に供給される線電流のうちの互いに独立な(n−
1)個の線電流に関し、誘導性負荷を、その誘導性負荷
部分において解析しようとする電磁場のベクトルポテン
シャルで規定される逆起電力として含む(n−1)個の
回路方程式をたて、回路方程式における逆起電力を規定
するベクトルポテンシャルの係数を、交流電磁場の基礎
方程式における線電流の係数と等しくなるように方程式
を変形し、この方程式を用いて電磁場解析を行うように
しているので、解くべき行列方程式における剛性行列を
対称とし、計算機を用いた計算に際して、剛性行列が対
称であることを前提とした解法が適用できることを可能
とすることによって、高速計算を行い、且つ記憶容量の
削減を行うことができる。
【0081】
【実施例】以下、本発明を三相誘導モーターのモデル解
析に適用した実施例につき説明する。
析に適用した実施例につき説明する。
【0082】図5は、本発明の計算高速化方法を適用し
た三相誘導モーターのモデルの全体概略斜視図である。
解析に際しては、下面を自然境界面、上面及び側面を固
定境界面とし、要素数1080、節点数1355の有限
要素法を用いて解析を行った。物性値としては、比透磁
率を1、周波数を60〔Hz〕とした。なお、導電率
は、内部抵抗に含まれるので零とした。
た三相誘導モーターのモデルの全体概略斜視図である。
解析に際しては、下面を自然境界面、上面及び側面を固
定境界面とし、要素数1080、節点数1355の有限
要素法を用いて解析を行った。物性値としては、比透磁
率を1、周波数を60〔Hz〕とした。なお、導電率
は、内部抵抗に含まれるので零とした。
【0083】まず、このモデルは、電源側と負荷側の星
型結線の中性点を互いに結んだ回路を考えることによ
り、回路方程式をもう1つ作ることができ、この三相3
回路を用いることで、例外的に剛性行列が対称であるこ
とを前提とした解法で解析することが可能である。即
ち、電源の星形結線の中性点とR相、T相、S相の3つ
のコイルの星形結線の中性点とを結んだ回路を考えるこ
とにより、互いに独立した3回路を考え、これらの3つ
の回路にそれぞれ回路方程式をたて、解析を行った。こ
の時、R相では、起電力〔V〕の実部を100.0、虚
部を0.0とし、T相では、実部を−50.0、虚部を
86.6、S相では、実部を−50.0、虚部を−8
6.6とし、更に各相において、巻数を1000、内部
抵抗を0.1〔Ω〕、電源インダクタンスを1×10-4
〔H〕、回路キャパシタンスを1×104 〔F〕とし
た。従って、本例は、各相がバランスしている場合の解
析結果で、得られた線電流I0 の絶対値は、全ての相に
おいて、約2.95×10-1〔A〕、電圧との位相差θ
〔deg〕は、R相において、約−90、T相におい
て、約30.0、S相において、約150であった。
型結線の中性点を互いに結んだ回路を考えることによ
り、回路方程式をもう1つ作ることができ、この三相3
回路を用いることで、例外的に剛性行列が対称であるこ
とを前提とした解法で解析することが可能である。即
ち、電源の星形結線の中性点とR相、T相、S相の3つ
のコイルの星形結線の中性点とを結んだ回路を考えるこ
とにより、互いに独立した3回路を考え、これらの3つ
の回路にそれぞれ回路方程式をたて、解析を行った。こ
の時、R相では、起電力〔V〕の実部を100.0、虚
部を0.0とし、T相では、実部を−50.0、虚部を
86.6、S相では、実部を−50.0、虚部を−8
6.6とし、更に各相において、巻数を1000、内部
抵抗を0.1〔Ω〕、電源インダクタンスを1×10-4
〔H〕、回路キャパシタンスを1×104 〔F〕とし
た。従って、本例は、各相がバランスしている場合の解
析結果で、得られた線電流I0 の絶対値は、全ての相に
おいて、約2.95×10-1〔A〕、電圧との位相差θ
〔deg〕は、R相において、約−90、T相におい
て、約30.0、S相において、約150であった。
【0084】次に、同じモデルの回路を、既述した本発
明の方法により解析した。具体的には、R相、T相、S
相の三相を、既述した第1の回路と第2の回路の2回路
の回路方程式を用いて解析した。即ち、第1の回路で、
起電力VR −Vs の実部を150、虚部を86.6、第
2の回路で、起電力VT −Vs の実部を0、虚部を17
3.2とし、各回路において、巻線数を1000、内部
抵抗を0.2〔Ω〕、電源インダクタンスを2×10-4
〔H〕、回路キャパシタンスを5×103 〔F〕とし、
更に、第1の回路と第2の回路は、抵抗を0.1
〔Ω〕、回路インダクタンスを1×10-4〔H〕、回路
キャパシタンスを1×104 〔F〕を介して接続されて
いると設定した。この時、行列方程式の剛性行列は対称
行列となり、剛性行列が対称行列であることを前提とし
た解法を適用することができた。得られた線電流I0 の
絶対値は、いずれの回路においても約2.95×10-1
〔A〕、電圧との位相差θ〔deg〕は、R相におい
て、約−90.0、T相において、約30.0であっ
た。
明の方法により解析した。具体的には、R相、T相、S
相の三相を、既述した第1の回路と第2の回路の2回路
の回路方程式を用いて解析した。即ち、第1の回路で、
起電力VR −Vs の実部を150、虚部を86.6、第
2の回路で、起電力VT −Vs の実部を0、虚部を17
3.2とし、各回路において、巻線数を1000、内部
抵抗を0.2〔Ω〕、電源インダクタンスを2×10-4
〔H〕、回路キャパシタンスを5×103 〔F〕とし、
更に、第1の回路と第2の回路は、抵抗を0.1
〔Ω〕、回路インダクタンスを1×10-4〔H〕、回路
キャパシタンスを1×104 〔F〕を介して接続されて
いると設定した。この時、行列方程式の剛性行列は対称
行列となり、剛性行列が対称行列であることを前提とし
た解法を適用することができた。得られた線電流I0 の
絶対値は、いずれの回路においても約2.95×10-1
〔A〕、電圧との位相差θ〔deg〕は、R相におい
て、約−90.0、T相において、約30.0であっ
た。
【0085】図6は、図5の中心部分Aの拡大図であ
り、上述した本発明の方法による各相(R相、T相、S
相)での解析結果の電流路の方向を示している。
り、上述した本発明の方法による各相(R相、T相、S
相)での解析結果の電流路の方向を示している。
【0086】以上の結果から、互いに独立した、3つの
交流回路が必要な従来の解析方法と同様の結果が、本発
明の方法によって、2つの回路方程式を用いながら、行
列方程式の剛性行列が、対称であることを前提とした解
法を用いて、得られることがわかる。従って、本発明の
方法によれば、例えば三相交流がバランスしており、且
つ電源も星形結線である場合に限らず、各種の多相交流
の場合に、行列方程式の剛性行列が対称であることを前
提とした解法を適用することが可能である。
交流回路が必要な従来の解析方法と同様の結果が、本発
明の方法によって、2つの回路方程式を用いながら、行
列方程式の剛性行列が、対称であることを前提とした解
法を用いて、得られることがわかる。従って、本発明の
方法によれば、例えば三相交流がバランスしており、且
つ電源も星形結線である場合に限らず、各種の多相交流
の場合に、行列方程式の剛性行列が対称であることを前
提とした解法を適用することが可能である。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、交流回路が独立してい
ないために、従来は行列方程式の剛性行列が非対称とな
り、剛性行列が対称行列であることを前提とした解法が
適用できなかった電圧源による多相交流回路における電
磁場を、剛性行列が対称であることを前提とした解法を
用いて、解析することができる。このため、例えば、三
相誘導モーター、三相同期モーター、三相変圧器等の多
相交流機器を商用電力系統等の多相交流電圧源で駆動す
る場合の電磁場解析を高速に、且つ精度良く行うことが
できるようになり、各電気機器の実際の使用状態に近い
状態での解析を行うことができる。従って、本発明の解
析方法は、それらの電気機器の設計や各種運転条件の設
定に利用して、極めて有用なものである。
ないために、従来は行列方程式の剛性行列が非対称とな
り、剛性行列が対称行列であることを前提とした解法が
適用できなかった電圧源による多相交流回路における電
磁場を、剛性行列が対称であることを前提とした解法を
用いて、解析することができる。このため、例えば、三
相誘導モーター、三相同期モーター、三相変圧器等の多
相交流機器を商用電力系統等の多相交流電圧源で駆動す
る場合の電磁場解析を高速に、且つ精度良く行うことが
できるようになり、各電気機器の実際の使用状態に近い
状態での解析を行うことができる。従って、本発明の解
析方法は、それらの電気機器の設計や各種運転条件の設
定に利用して、極めて有用なものである。
【図1】本発明の作用を説明するための三相星形結線の
回路構成を示す回路図である。
回路構成を示す回路図である。
【図2】図1の構成において、電源の内部インピーダン
スがアンバランスな場合を説明するための回路図であ
る。
スがアンバランスな場合を説明するための回路図であ
る。
【図3】回路方程式を説明するための回路図である。
【図4】交流回路が独立している場合の従来の解析方法
を説明するための回路図である。
を説明するための回路図である。
【図5】本発明の解析方法を適用した三相誘導モーター
のモデルの全体概略斜視図である。
のモデルの全体概略斜視図である。
【図6】図5の三相誘導モーターのモデルの中心部にお
ける電流の方向の解析結果を示す概念図である。
ける電流の方向の解析結果を示す概念図である。
1、2 閉回路 IR 、IT 線電流 Z、ZR 、Z T、Z S 電源の内部インピーダンス ZL1、ZL2、ZL3 誘導性負荷素子 jωψR 、jωψT 、jωψS 逆起電力
Claims (1)
- 【請求項1】 起電力と内部インピーダンスが既知の多
相交流電源(相数をnとする。)に接続されて、この多
相交流電源により駆動される誘導性負荷における電磁場
を、前記多相交流電源と前記誘導性負荷とで構成される
多相交流回路の中の(n−1)個の異なる閉回路部分に
それぞれキルヒホッフの第二法則を適用して、前記多相
交流電源から前記誘導性負荷に供給される線電流のうち
の互いに独立な(n−1)個の線電流に関し、前記誘導
性負荷を、その誘導性負荷部分において解析しようとす
る電磁場のベクトルポテンシャルで規定される逆起電力
として含む(n−1)個の回路方程式をたて、これらの
回路方程式を用いて解析する方法において、 前記回路方程式における前記逆起電力を規定するベクト
ルポテンシャルの係数が、交流電磁場の基礎方程式にお
ける線電流の係数と等しくなるように前記回路方程式を
たてることによって、前記回路方程式と前記交流電磁場
の基礎方程式とで構成される行列方程式の剛性行列を対
称行列として、電磁場を解析することを特徴とする多相
交流回路における電磁場解析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8653692A JP2640889B2 (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 多相交流回路における電磁場解析法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8653692A JP2640889B2 (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 多相交流回路における電磁場解析法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05249206A JPH05249206A (ja) | 1993-09-28 |
JP2640889B2 true JP2640889B2 (ja) | 1997-08-13 |
Family
ID=13889725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8653692A Expired - Fee Related JP2640889B2 (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 多相交流回路における電磁場解析法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2640889B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7133145B2 (ja) * | 2018-09-26 | 2022-09-08 | 日本電気硝子株式会社 | シミュレーション方法およびシミュレーションプログラム |
-
1992
- 1992-03-10 JP JP8653692A patent/JP2640889B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05249206A (ja) | 1993-09-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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