JP2639088B2 - 弾性エネルギ蓄積装置 - Google Patents

弾性エネルギ蓄積装置

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JP2639088B2
JP2639088B2 JP8703789A JP8703789A JP2639088B2 JP 2639088 B2 JP2639088 B2 JP 2639088B2 JP 8703789 A JP8703789 A JP 8703789A JP 8703789 A JP8703789 A JP 8703789A JP 2639088 B2 JP2639088 B2 JP 2639088B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紐状弾性体の弾性変形を利用してエネルギ
を蓄積し、弾性体の一部を大きく一定量歪ませ、その歪
領域を順次拡大させていく弾性エネルギ蓄積装置に関
し、とくに少ないドラム数で高エネルギ入出力特性が得
られるようにした弾性エネルギ蓄積装置に関する。
〔従来の技術〕
弾性体の弾性変形を利用しエネルギを蓄積するエネル
ギ蓄積装置は、特開昭49−96144号公報に開示されてい
る。該公報の装置は2つのドラムを有し、該2つのドラ
ム間に紐状弾性体が掛け渡された装置から成り、2つの
ドラムは同方向に回転する。
特開昭49−96144号公報に示されるエネルギ蓄積装置
では、小径ドラムに巻き付けられた弾性体の初期歪を0
とすると、出力時のエネルギは小さく、効率は悪い。し
たがって弾性体として弾性伸度の少ないものを用いた場
合には、十分な初期歪を付与できないため、出力時のエ
ネルギはほとんど0になっていしまうという問題があっ
た。
これを解決するために、先に本出願人により、弾性体
の一部を大きく一定量歪ませその領域を順次拡大してい
く方法であり、同時に弾性体伸度が小さい弾性体におい
て小径ドラムに巻き付ける場合の初期歪が0の状態でも
効率良くエネルギを入、出力が可能なエネルギ蓄積装置
が提案されている(特願昭61−168033号)。
特願昭61−168033号(特開昭63−26455号公報)のエ
ネルギ蓄積装置は、たとえば第8図に示すように、外周
回転量の小さい小径のドラム1と外周回転量の大きい大
径ドラム2との間に、中間の外周回転量の中間ドラム3
(複数あってもよい)を設け、これらドラム1、2、3
間に紐状の弾性体4を掛け渡したものである。
各ドラム1、2、3は機械的連結手段5、たとえばギ
ヤにより、外周回転量が小径ドラム側から大径ドラム側
に向けて順に大きくなるように連結され、紐状弾性体4
が小径ドラム1側から大径ドラム2側に移行巻付けされ
ることにより弾性体4が引き伸ばされてその歪エネルギ
が蓄えられ、逆向きに移行されることにより蓄えられた
歪エネルギが放出される。
このようなエネルギ蓄積装置では、第9図および第10
図に同歯数のギヤで半径R1、R2、R3のドラムを連結した
場合の、従来の2ドラム方式(第10図)の場合と3ドラ
ム方式(第9図)の場合との比較を示すように、中間ド
ラムを設けることにより、エネルギの入、出力効率を高
めることができ、弾性体の初期歪が0の場合でも出力を
得ることが可能となった。そしてこのエネルギの入、出
力効率は、中間ドラムの数を増加させる程高くなること
が判っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のようなエネルギ蓄積装置においては、上述の如
く中間ドラムの数を増やすことにより効率を高めること
ができるが、単に中間ドラムを増加させるだけではその
増加に比例して装置全体が大型化するという問題が残
る。また、各中間ドラムは機械的連結手段によって順に
連結されるので、中間ドラムの数が増える程機械的連結
手段による機械的損失が増え、中間ドラム数を増加させ
た割にはエネルギ入、出力効率向上の程度が小さいとい
う問題もある。
さらに別の問題として、次のような問題も残ってい
る。
つまり、上述のようなエネルギ蓄積装置においては、
入、出力するエネルギ総量を大きくするためには、弾性
体の長さを長くとり、該弾性体をドラム(大径ドラムお
よび小径ドラム)上に多層で巻き付けるようにすること
が有効である。
しかしながら、弾性体をドラム上に多層巻きにする
と、巻き付け径が変化するため、大径ドラム上では巻層
の増大に伴ない弾性体を引込み過ぎとなり、小径ドラム
上では巻層の減少に伴い弾性体の送り不足となるおそれ
がある。すなわち、弾性体の張力(歪)が巻層の変化に
よって変化し、入、出力トルク特性が変化する。とく
に、大径ドラム側で巻層数が増大するとき、隣接する中
間ドラムとの間で弾性体を引張り過ぎることがあり、単
なるドラムの連成ではドラム間のトルクのバランスがと
れなくなるおそれがある。
これを防止する方法の一つとして、まだ出願未公開の
段階であるが、先に本出願人により、中間ドラムとして
ドラム表面がドラム軸心に沿う方向にテーパに形成され
たテーパドラムを設け、大径ドラム上での巻層数の変化
に応じてテーパドラム上の弾性体巻付位置(巻付径)を
変更し、大径ドラムとテーパ中間ドラムとの間の弾性体
の張り代を所定の一定値に保つことが可能な機構、およ
び該機構において、テーパ中間ドラムを複数設ける構造
が提案されている(特願昭63−71998号(特開平1−247
863号公報))。
しかし、この提案構造を採用したとしても、上記多層
巻きの場合の巻層数の変化に起因する問題の解消は可能
であるものの、エネルギの入、出力効率を高めるために
は中間ドラム数を増加させることが必要であり、やはり
ドラム数増加に伴う装置大型化の問題が残っている。
本発明は、上記のような問題点に着目し、装置全体の
大型化を抑えつつエネルギ入、出力効率を高め、かつ蓄
積エネルギ総量を大きくするため容易に弾性体の多層巻
きも採用できる弾性エネルギ蓄積装置の提供を目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
この目的に沿う本発明の弾性エネルギ蓄積装置は、複
数のドラムを軸心が互に並行するように配設するととも
に、該複数のドラムを配設順に外周回転量が大きくなる
ようにかつ連動回転可能に機械的連結手段により連結
し、最小外周回転量のドラムと最大外周回転量のドラム
との間に、両ドラムの外周面間を中間ドラムの外周面を
介して移行することにより自身の歪エネルギを蓄えるこ
とと蓄えられた歪エネルギを放出することが可能な紐状
の弾性体をかけ渡した弾性エネルギ蓄積装置において、
前記中間ドラムとして、ドラム表面がドラム軸心に沿う
方向にテーパに形成されたテーパドラムを少なくとも一
つ設けるとともに、該テーパドラムに隣接させてテーパ
ドラムの軸心と並行する方向に配列され該方向に連動移
動可能な複数の滑車を設け、前記弾性体を、前記複数の
滑車とテーパドラムとに順次かけ渡したものから成る。
〔作用〕
このような装置においては、弾性体は、複数の滑車と
テーパドラムとの間を複数回往復され、テーパドラム表
面上の異なる径位置に順次かけ渡される。したがって一
本のテーパドラムであっても、異なる径の中間ドラム
が、該テーパドラムへの弾性体巻付毛回数と同数あるの
と同等の機能、つまり弾性体の歪を順次拡大する機能を
もつことでき、少ないドラム数で高エネルギ入、出力効
率が得られる。
また、複数の滑車はテーパドラムの軸心と並行方向に
連動移動可能であるので、該滑車を移動させることによ
り、弾性体のテーパドラム上への巻付位置をドラム軸心
方向に変更制御することが可能になり、最大外周回転量
のドラムあるいは最小外周回転量のドラム上での巻層数
の変化に応じてテーパドラム上での弾性体巻付位置(巻
付径)を変更することができる。これによって巻層数変
化に伴う弾性体の張り過ぎ、送り不足を解消でき、弾性
体の多層巻きが可能となって蓄積エネルギ総量が増大さ
れる。
〔実施例〕
以下に、本発明の望ましい実施例を、図面を参照して
説明する。
第1実施例 第1図ないし第3図は、本発明の第1実施例に係る弾
性エネルギ蓄積装置を示している。図において、11は最
小外周回転量のドラムとしての小径ドラム、12は最大外
周回転量のドラムとしての大径ドラム、13は中間ドラム
を示している。中間ドラム13は、ドラム表面がドラム軸
心に沿う方向にテーパに形成されたテーパドラムとされ
ている。
上記複数のドラムの軸14、15、16は、互に並行するよ
うに(平面的にみて互に平行に)配設されており、小径
ドラム11、中間ドラム13、大径ドラム12は、その配設順
に外周回転量が大きくなるようにかつ連動回転可能に機
械的連結手段17により連結されている。小径ドラム11と
大径ドラム12との間には、紐状の弾性体18がかけ渡され
ており、該弾性体18は、後述の如きかけ方にて、各ドラ
ム間にかけ渡される。該弾性体18は、伸ばされることに
より内部に歪エネルギを蓄えることができる材料から構
成されている。弾性体18は、歪エネルギ蓄積時には、小
径ドラム11外周面に巻付けられている部分18aが巻き戻
され、中間ドラム上に巻付けられた部分との間で順次伸
ばされ、伸ばされた弾性体18が最終的に巻付け部分18b
として大径ドラム12外周面上に巻付けられていく。エネ
ルギ放出時には、弾性体18は上記と逆方向に移行され
る。
弾性体18の長さは、上記の歪エネルギ蓄積前には小径
ドラム11の外周面上に複数巻層にて巻き付けられ歪エネ
ルギ蓄積後には大径ドラム12の外周面上に複数巻層にて
巻き付けられる長さに設定されている。図は、弾性体18
の最上層の巻き状態のみを示している。
上記機械的連結手段17のうち、大径ドラム12と中間ド
ラム13との連結については、軸16の端部に設けられたク
ランクアーム(又はクランクホイール)19、19′、およ
びそれに連結棒20、20′を介して連動されるクランクア
ーム21、21′、さらにクランクアーム22、22′、連結棒
23、23′、軸15の端部に設けられたクランクアーム24、
24′を介して行われ、大径ドラム12と中間ドラム13とは
同一回転数にて同期して連動回転するようになってい
る。中間ドラム13と小径ドラム11との間は、ギヤ機構2
5、無段変速機26を介して連結され、無段変速機26の増
減速調整により、ドラム間回転数差を変更できるように
なっている。
中間ドラム13に隣接させて、中間ドラム13の軸心と並
行する方向に配列され該方向に連動移動可能な3つの滑
車27、28、29が設けられている。各滑車27、28、29は、
移動枠体30内に、各々独立に回転自在に支持されてお
り、各滑車は中間ドラム13の軸15に対し斜めに傾けられ
ている。移動枠体30は、ガイドレール31に沿って移動さ
れるようになっており、ガイドレール31は、中間ドラム
13の軸15に対し、中間ドラム13の大径側にいく程中間ド
ラム13に近づく方向に傾けて配設されている。移動枠体
30にはナット32が固定されており、ナット32はガイドレ
ール31と並行に延びるねじ棒33に螺合している。したが
ってねじ棒33の回転によって移動枠体30がガイドレール
31に沿って移動され、移動枠体30の移動に伴って複数の
滑車27、28、29が連動移動されるようになっている。
小径ドラム11から大径ドラム12へと掛け渡される弾性
体18は、ガイドプーリ34、35を経た後移動枠体30内に回
転自在に支持された滑車37を経て、テーパドラム13のテ
ーパ外周面における小径側に巻付けられ、続いて滑車28
を経た後テーパドラム13の外周面における上記巻付位置
よりも大径側の位置に巻付けられる。そこから滑車29を
経て再びテーパドラム13の外周面のより大径の位置に巻
付けられ、最終的にガイドプーリ36、37を経て大径ドラ
ム12上にかけ渡されている。
枠体30の移動を制御するねじ棒33は、ゼネバギヤ38、
39を介してギヤ機構25に連結されており、該移動は、ゼ
ネバギヤ28、29(ゼネバ機構)を介して間欠的に行われ
るようになっている。この間欠移動は、大径ドラム12と
連動して回転されるギヤ機構25によりゼネバギヤ38、39
(ゼネバ機構)を回転されることにより行われるが、こ
れらギヤ系は、大径ドラム12上で弾性体18の巻層が変化
する瞬間に上記間欠送りが行われるように設定されてい
る。この間欠送りにより、枠体30と共に枠体30上の各滑
車が移動されるので、弾性体18のテーパドラム13上にお
ける巻付位置が変化し、巻付径が変化するようになって
いる。
ガイドプーリ34部には、弾性体18の張力を検出する弾
性体張力センサ40が設けられており、該センサ40からの
信号は、ギヤ機構25側とマイタギヤ41を介して無段変速
機26の調整機構部とに連結されるクラッチ42に送られ
る。クラッチ42は、その作動を介して無段変速機26の増
減速を調整でき、弾性体張力センサ40での検出信号が一
定値に保たれるよう制御される。
小径ドラム11、大径ドラム12は、軸14、16に対し、ス
プライン結合等により、トルクを伝達しつつ軸心に沿う
方向に移動可能に支持されている。小径ドラム11、大径
12は、スラストベアリング43、44および45、46を介して
小径ドラムベース47および大径ドラムベース48に連動さ
れている。小径ドラムベース47および大径ドラムベース
48には、それぞれアーム49、50が設けられており、アー
ム49、50には、ドラム軸心に沿う方向に延びるウィービ
ング棒51、52のらせん状ガイド溝53、54に沿って案内さ
れる案内子55、56が設けられている。案内子55、56がガ
イド溝53、54に沿って案内されることにより、ドラムベ
ース47、48を介して小径ドラム11および大径ドラム12が
軸心に沿う方向に往復動され、かつこの往復動はギヤ5
7、58および59、60を介して各ドラム11、12の回転と連
動されるので、弾性体18はドラム外周面上に隙間なく巻
付けられあるいは順に巻戻されていくとともに、往復動
の方向が変わることによって巻層が変化するようになっ
ている。
第1図における61は、本装置の入、出力軸を示してお
り、ギヤ62、63を介してエネルギの入、出力が行われ
る。
上記のように構成された弾性エネルギ蓄積装置におい
ては、エネルギ入力時、最初は弾性体18は、小径ドラム
11外周面上に多層に巻付けられている。入、出力軸61、
入、出力ギヤ62、63により各ドラムが回転駆動される
と、弾性体18は小径ドラム11から巻戻され、滑車27、2
8、29を介して中間ドラム13にそれぞれ3回巻付けられ
た後大径ドラム12側に移動され、各ドラム間および中間
ドラム13の巻付位置間で歪の増大された弾性体18が大径
ドラム12の外周面上に順次巻付けられていく。
中間ドラムとしては1つのテーパドラム13のみである
が、弾性体18が滑車27、28、29との間で3回往復し、同
一の各テーパドラム上でその巻付け位置が順次大径側へ
移されていくので、あたかもローラ半径が異なる3つの
中間ドラムを配置したものと同様に弾性体18が順次引き
伸ばされていく。この弾性体18の歪増大による理論出力
トルクは、第3図に示すように中間ドラム13における各
巻付半径をR1,R2、R3、弾性体18の各位置での張力をF1
〜F4とすると、次式で表される。
出力トルク=F1(R1−R0)+F2(R2−R1)+F3(R3
R2)+F4(R4−R3) (1) ただし、R0は小径ドラム11の半径、R4は大径ドラム12
の半径である。
このように、一つの中間ドラム13のみでありながら、
中間ドラム13と滑車27、28、29間で弾性体18を往復さ
せ、中間ドラム13上の異なる径の位置に複数回かけ渡す
ことにより、弾性体18の歪が中間ドラム13部位でも順次
増大されていくことになり、多数の中間ドラムを配した
と同様に、極めて高効率のエネルギ入、出力が可能とな
る。また、多数の中間ドラムを配する場合に比べ、機械
的連結手段中のギヤ等の個数が少なくてすみ、また、ガ
イドプーリ等の弾性体案内手段も少なくてすむので、機
械的損失やフリクションロスが小さくなり、さらに効率
が高められる。
また、小径ドラム11側における巻層数の変化により、
巻き出される弾性体18の張力が変化しようとするが、弾
性体18の張力が張力センサ40によって検出され、その信
号がクラッチ42に送られて無段変速機26が増減速調整さ
れ、検出張力が一定となるように制御される。
大径ドラム12側においては、大径ドラム12上の弾性体
18の巻層が増加する瞬間、ゼネバギヤ38、39による枠体
30の間欠移動により弾性体18が第1図のA方向に間欠移
動され、テーパドラムからなる中間ドラム13上における
巻付径も同期して増加される。その結果、大径ドラム12
上での巻付半径をR1、中間ドラム13上における最終巻付
半径をR2とした時(R1−R2)/R2が一定に保たれ、この
間での弾性体18の張力変化が吸収される。したがってこ
の間における弾性体18の張り過ぎも防止される。上記制
御は、大径ドラム12上において弾性体18の巻層が増加す
る毎に行われるので、エネルギ入力特性が安定化され
る。
エネルギ出力時においては、上記と逆の作動になり、
大径ドラム12上における巻層数が減少する毎に、弾性体
18が図のA方向と逆方向に間欠的に送られ、中間ドラム
13上の巻付径が変更されてドラム12、13間における張力
変化が吸収され、安定した出力特性が得られる。
弾性体18は、同一のテーパドラム13上で、大径ドラム
12の巻層数変化に伴ない巻付位置が順次変更されるの
で、巻付半径が大になるにつれて弾性体18の速度は速く
なる。しかしガイドレール31が中間ドラム13の軸心に対
し、大径側にいく程中間ドラム13に近づく方向に傾けら
れているので、上記巻付位置移動に伴う弾性体速度変化
および長さ変化が、滑車27、28、29と中間ドラム13間距
離が変えられることにより吸収される。したがってテー
パドラム上での巻付位置変更も円滑に行われる。
次に弾性体18の歪特性について考案する。本実施例装
置では、各滑車27、28、29は枠体30とともに連動移動
し、各滑車27、28、29間の距離は一定のままである。そ
して、各滑車からはそれぞれ中間ドラム13の径の異なる
位置へと弾性体18が案内されるので、その案内に従って
弾性体18は順次引き伸ばされ歪が増大される。ここでテ
ーパ中間ドラム13の軸方向位置をx軸にとると、弾性体
18の各巻付位置とその位置におけるテーパドラムの半径
f(x)との関係は第4図のように表わされ(第4図は
中間ドラムの形状の上半分を示す)、そのときの弾性体
18の歪εは次式で表わせる。
[f(x1+D)−f(x1)]/f(x1) =[f(x2+D)−f(x2)]/f(x2) =ε (2) ここでDはテーパドラム13上の巻付位置間距離、つま
り各滑車間距離である。このようにして、式(2)を満
たす曲線にて中間ドラムを作製した。ここで中間ドラム
と滑車間の距離は無視した(実験的に2〜3回転して、
ほぼ計算にのった歪となることが確認されているた
め)。
この弾性体18の歪εと、各ドラム間張力および各巻付
位置間張力とは、第5図に示すような関係にあり、歪ε
を一定とすることにより、エネルギ入、出力効率を高め
ることができる。したがって、上記D一定の条件にて、
上記f(x)を求めると、歪を一定にすることが可能な
テーパドラムの形状が求まる。
第4図の特性より、 f(x1+D)=f(x1)+Df′(x1) (3) 故に、 f(x1+D)−f(x1)=Df′(x1) (4) 式(2)、(4)より Df′(x)/f(x)=ε (5) つまり、 [D/f(x)][df(x)/dx]=ε (6) が導かれる。
式(6)を積分すると ∫[D/f(x)]/df(x)=∫εdx (7) D log f(x)=εx (8) f(x)=ea ただし、a=(ε/D)x (9) が導かれる。
ここでx=0でf(x)=r0(テーパドラム端でのド
ラム半径)の初期条件を導入すると、 f(x)=r0ea ただし、a=(ε/D)x (10) が求まり、これが求めるテーパドラムの外形形状に相当
する。すなわち、テーパドラム13を第6図に表わすよう
な形状のドラム100にすれば、各滑車27、28、29間間隔
が一定のままであっても、歪ε一定の特性を得ることが
できる。
第2実施例 次に、第7図に本発明の第2実施例を示す。
本実施例においては、各滑車によるフリクションロス
の低減がはかられ、さらにエネルギ入、出力効率を高め
るよう配慮されている。すなわち、前記第1実施例にお
いては、各滑車上の弾性体の速度が異なるため、各滑車
を、ベアリング等を介して各々独立に回転可能とする配
慮が必要であった。また、隣接する滑車同士間には、ス
ラストベアリング等を配し、互にこすれ合わないような
配慮が必要であった。しかし、上記のようなベアリング
を介するとしても、各々の滑車が異なった回転をするた
め、多かれ少なかれフリクションロスが発生する。本実
施例は、このフリクションロスを低減し、さらに、装置
のエネルギ入、出力効率の向上をはかったものである。
第7図は、テーパ中間ドラム80と滑車部とを示してお
り、本実施例では4つの滑車部81、82、83、84が設けら
れ、弾性体18は各滑車部と中間ドラム80との間を4回往
復されている。この各滑車部81、82、83、84が、一体的
に構成され、一つのローラスタック85として構成されて
いる。ローラスタック85は、ベアリング86を介して軸87
上に回転自在に支持されており、軸87を含む支持体88が
ガイドレール89に沿って移動可能に支持されている。中
間ドラム80の外周面の形状は、たとえば前述の第6図に
示した如き形状に形成されているが、弾性体18のある移
動時状態における、弾性体巻付位置の中間ドラム80の半
径を小さい方から順にそれぞれR10、R20、R30、R40とす
るとき、対応するローラスタック85の各ローラ(滑車)
部の半径R1、R2、R3、R4がそれぞれR10/R1=R20/R2=R3
0/R3=R40/R4を満足するように設定される。このような
関係を満足させることにより、弾性体18移行時のローラ
スタック85の各ローラ部の回転速度は、中間ドラムと各
ローラ部の距離を無視すれば、全て同一となる(実験的
に2〜3回転すれば計算の歪になる)。したがって、各
ローラ部を一体的に、つまり一つのローラスタック85と
して製作することが可能になる。
その結果、第1実施例のように各滑車をそれぞれ独立
に回転させる必要がなくなり、ローラスタック85の各ロ
ーラ部間には勿論フリクションロスの発生はない。した
がって、ベアリングの数は大幅に減り、この部分におけ
るフリクションロスが極めて小さくなる。第7図に示し
た例ではフリクションロスの発生源は実質的にベアリン
グ86だけであり、ロスが極めて小さく抑えられる。よっ
て、システム全体の効率が一層高められる。また、一体
型のローラスタック85でよいので、この部分の構造が簡
素化され、製作も容易化される。
その他の構成、作用は第1実施例に準じる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の弾性エネルギ蓄積装置
によるときは、テーパドラムからなる中間ドラムと複数
の滑車との間に、弾性体を複数回かけ渡し、一つの中間
ドラムで多数の中間ドラムが介在する場合同様に弾性体
を順次引き伸ばすことができるようにしたので、装置全
体を小型化しつつエネルギ入、出力効率を高めることが
できる。
また、中間ドラムにテーパドラムを用いたことから、
弾性体の張り過ぎ等を防止しつつ弾性体の多層巻きを採
用することができ、入、出力(蓄積)エネルギ総量の増
大をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る弾性エネルギ蓄積装
置の概略平面図、 第2図は第1図の装置の拡大部分平面図、 第3図は第2図の装置の部分側面図、 第4図はテーパドラム上の弾性体巻付位置とドラム半径
との関係図、 第5図は弾性体の歪−張力特性図、 第6図は歪一定を満足できるテーパドラムの概略斜視
図、 第7図は本発明の第2実施例に係る弾性エネルギ蓄積装
置の中間ドラムとローラスタック部の一部を断面表示し
た平面図、 第8図は特願昭61−168033号で提案したエネルギ蓄積装
置の斜視図、 第9図は第8図の装置のエネルギ出力効率特性図、 第10図は2ドラム方式のエネルギ蓄積装置のエネルギ出
力効率特性図、 である。 11……最小外周回転量のドラム 12……最大外周回転量のドラム 13、80、100……中間ドラム 14、15、16……ドラム軸 17……機械的連結手段 18……弾性体 19、19′、21、21′、22、22′、24、24′……クランク
アーム 20、20′、23、23′……連結棒 25……ギヤ機構 26……無段変速機 27、28、29……滑車 30……移動枠体 31、89……ガイドレール 32……ナット 33……ねじ棒 34、35、36、37……ガイドプーリ 38、39……ゼネバギヤ 40……弾性体張力センサ 42……クラッチ 47、48……ドラムベース 51、52……ウィービング棒 53、54……ガイド溝 55、56……案内子 61……入、出力軸 81、82、83、84……滑車部(ローラ部) 85……ローラスタック 86……ベアリング 87……軸 88……支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−26457(JP,A) 特開 昭63−190963(JP,A) 特開 平1−266358(JP,A) 特開 平2−102957(JP,A) 実開 昭63−49049(JP,U) 実開 昭63−57853(JP,U) 実開 昭63−139348(JP,U) 実開 昭63−96362(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のドラムを軸心が互に並行するように
    配設するとともに、該複数のドラムを配設順に外周回転
    量が大きくなるようにかつ連動回転可能に機械的連結手
    段により連結し、最小外周回転量のドラムと最大外周回
    転量のドラムとの間に、両ドラムの外周面間を中間ドラ
    ムの外周面を介して移行することにより自身の歪エネル
    ギを蓄えることと蓄えられた歪エネルギを放出すること
    が可能な紐状の弾性体をかけ渡した弾性エネルギ蓄積装
    置において、前記中間ドラムとして、ドラム表面がドラ
    ム軸心に沿う方向にテーパに形成されたテーパドラムを
    少なくとも一つ設けるとともに、該テーパドラムに隣接
    させてテーパドラムの軸心と並行する方向に配列され該
    方向に連動移動可能な複数の滑車を設け、前記弾性体
    を、前記複数の滑車とテーパドラムとに順次かけ渡した
    ことを特徴とする弾性エネルギ蓄積装置。
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