JP2639019B2 - エンドトキシンの定量方法 - Google Patents

エンドトキシンの定量方法

Info

Publication number
JP2639019B2
JP2639019B2 JP29911588A JP29911588A JP2639019B2 JP 2639019 B2 JP2639019 B2 JP 2639019B2 JP 29911588 A JP29911588 A JP 29911588A JP 29911588 A JP29911588 A JP 29911588A JP 2639019 B2 JP2639019 B2 JP 2639019B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endotoxin
heat treatment
sample
temperature
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29911588A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02143164A (ja
Inventor
昌子 板垣
久敬 小路
良蔵 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to JP29911588A priority Critical patent/JP2639019B2/ja
Publication of JPH02143164A publication Critical patent/JPH02143164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2639019B2 publication Critical patent/JP2639019B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エンドトキシンを検出・定量する際の検体
の前処理方法および測定方法に関するものである。
[従来技術] 水、医薬品、血清、血漿中のエンドトキシンを検出す
るためには、カブトガニの血球抽出成分がエンドトキシ
ンによりゲル化する機能を利用したリムルス法(ゲル化
転倒法)が広く用いられてきた。しかし、ゲル化転倒法
では陽性、陰性の判断が測定者の主観にかなり左右され
ることから、より定量的な測定値が求められるようにな
り、合成発色基質法や比濁時間分析法などが開発され、
用いられるようになってきた。しかしながら、血漿や血
清などの血液検体からエンドトキシンを検出・定量しよ
うとする際には、血液中の阻害物質のために測定に悪影
響があり、測定は非常に難しい。
阻害物質をあらかじめ除去あるいは不活化するため
に、希釈加熱処理、クロロホルム処理、過塩素処理など
の検体の前処理方法が行なわれてきた。希釈加熱処理、
クロロホルム処理は主にゲル化転倒法を行うための検体
の前処理方法として採用されてきたが、これらを定量分
析の方法に応用すると、希釈加熱処理では実測値のバラ
ツキが大きく、例えば血清に既知量のエンドトキシンを
加えて定量する添加回収試験では、実際の値より高い値
を示すことがあり、好ましくない。
クロロホルム処理法は操作が煩雑で、処理時間により
検出感度が異なったり、操作の熟練度により測定値が変
動するので好ましくない。
過塩素処理法は合成発色基質法による定量の前処理法
として用いられ、除蛋白により阻害物質を沈殿除去しよ
うとするものであるが、沈殿残渣中にもエンドトキシン
が多量に含まれるので、少なくしか回収できないという
問題点がある。また、この方法をゲル化法(転倒法ある
いは比濁時間分析法)に適用すると、おそらく水素イオ
ン濃度によると推察されるが、ゲル化そのものを阻害す
る問題が生じ採用できなかった。
このように従来技術においては、どの検体前処理法で
も定量の回収率の点で満足できるものはなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、エンドトキシンを検出しようとする際、エ
ンドトキシンの回収率を低下させることなく阻害物質の
影響をなくすための簡易な検体の前処理方法および定量
方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、エンドトキシンを定量する際に、検体を低
温加熱処理および希釈加熱処理することを特徴とする検
体の前処理方法に関するものである。さらに、本発明は
上記方法により前処理された検体をカブトガニの血球抽
出成分(ライセート)溶液に添加した後、ゲル化の進行
に伴なう濁度の時間変化を測定することを特徴とするエ
ンドトキシンの定量方法に関するものである。
以下、本発明を説明する。
本発明でいう低温加熱処理とは、30℃以上50℃以下の
温度範囲で、より好ましくは35℃以上40℃以下の温度
で、通常30分から180分の間、検体を加温することであ
る。
低温加熱の手段の例として恒温水浴槽を用いる方法が
あるが、検体を恒温に保てる方法ならばその手段によら
ない。30℃より低い温度では加温が不充分となり不適当
である。
希釈加熱処理とは、検体を例えば水などの溶媒を用い
て2倍から50倍の範囲で、より好ましくは5倍から20倍
の範囲で希釈した後、50℃以上100℃以下の温度範囲
で、好ましくは60℃以上80℃以下の温度で加熱すること
をいう。加熱時間は通常60分以内とし、好ましくは5分
から20分の範囲で行なうのが適当である。
希釈を行なわないで加熱すると、混濁が強すぎて測定
に不適となることがある。また、希釈を50倍より高い倍
率で行なうと、エンドトキシン濃度が低くなりすぎて検
出が困難になることがあるので好ましくない。
加熱手段の例としては、恒温水浴や恒温油浴を使用す
るなど、検体を恒温に保てるものならどのような手段を
用いてもよい。加熱を100℃以上で行なうと検体の混濁
が強くなり好ましくない。また、50℃以下であった場
合、阻害物質の不活化が不充分であるため好ましくな
い。
低温加熱処理および希釈加熱処理の操作順序はいずれ
を先にしてもかまわないが、低温加熱処理を先に行なう
方が、希釈水の蒸発の問題がないので好ましい。
検体としては、血液や血液製剤などのエンドトキシン
測定に応用できるが、とりわけ血中エンドトキシン量を
知るための血清や血漿などの検体の前処理に特に好まし
い。
検出方法としては、カブトガニの血球抽出成分の水溶
液にエンドトキシンを加えるとゲル化するリムルス法の
原理をそのまま応用する。ゲル化の進行に伴なって濁度
が変化し、ある一定時間を過ぎるとゲル化の完了によっ
て濁度は一定になるので、この時の濁度変化を透過光量
の変化によって検知し、透過光量の値が初期値の一定比
まで低下するまでの時間を測定することによって、検体
中のエンドトキシン濃度の指標とする方法が特に好まし
く採用できる。
このようなエンドトキシンを添加したカブトガニ血球
抽出成分(ライセート)の濁度の時間変化を測定するこ
とにより濃度を測定する方法は、水溶液、注射用製剤、
水などに含まれるエンドトキシンを測定する際には有効
な定量手段として使用されているが、血漿、血清などの
血液検体中のエンドトキシン量を測定するためには適正
な検体の前処理方法がなかったために使用できなかった
ものであり、本発明によって初めて採用できるようにな
ったものである。
[実 施 例] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1 正常ヒト血漿による添加回収試験: 抗凝固剤としてヘパリンを使用して、健康人から採っ
た血液を2000gで10分間遠心し、血球の混じらない上清
を分離採取して血漿とした。
血漿4.5mlに100ng/ml、10、1、0.1ng/mlのエンドト
キシン(E.Coli 0111B4リポポリサッカライド)水溶液
を0.5mlずつ加えて10、1、0.1、0.01ng/mlの血漿溶液
を作った(血漿溶液A)。血中阻害物質を除去不活化す
る目的で低温加熱処理、さらに続けて希釈加熱処理を行
なった。
まず、10、1、0.1、0.01、0ng/mlのエンドトキシン
を各々含む血漿溶液Aを、37℃恒温水浴中にて60分間加
熱した(低温加熱処理)。次に、エンドトキシンフリー
の蒸留水にて各血漿溶液を10倍希釈した後、70℃で10分
間、恒温油浴中にて加熱処理を行なった(希釈加熱処
理)。
エンドトキシンの検出は、リムルスゲル化法で反応開
始からゲル化の判定がなされるまでの時間をゲル化時間
として検出するエンドトキシンの自動測定装置(トキシ
ノメーター;和光純薬)を用いて行なった。同じ濃度の
エンドトキシン蒸留水溶液を使って作製した検量線から
エンドトキシン濃度に換算し、添加量に対する回収率を
求めた。
その結果、10倍希釈した場合の濃度が1ng/ml、100pg/
ml、10pg/ml、1pg/mlでは各々の回収率が94.0%、104
%、103%、105%であり、ほぼ100%に近い優れた回収
率が得られた。
比較例1 実施例と同様の方法で調製した血漿溶液Aを、低温加
熱処理をせずに希釈加熱処理をし、測定を行なったとこ
ろ、溶液濃度1ng/ml、100pg/ml、10pg/ml、1pg/mlでの
回収率は230%、350%、325%、243%となり、添加した
以上のエンドトキシンが検出されるという信頼性に欠け
る値しか得られなかった。
[本発明の効果] 本発明によって、特に血清、血漿などタンパク質を含
む検体中のエンドトキシン量が信頼性高く定量できるよ
うになった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンドトキシンを定量する際に、検体を低
    温加熱処理および希釈加熱処理することを特徴とする検
    体の前処理方法。
  2. 【請求項2】検体を低温加熱処理および希釈加熱処理
    し、次いで該検体をカブトガニの血球抽出成分溶液に添
    加し、濁度変化を測定することを特徴とするエンドトキ
    シンの定量方法。
JP29911588A 1988-11-25 1988-11-25 エンドトキシンの定量方法 Expired - Fee Related JP2639019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29911588A JP2639019B2 (ja) 1988-11-25 1988-11-25 エンドトキシンの定量方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29911588A JP2639019B2 (ja) 1988-11-25 1988-11-25 エンドトキシンの定量方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02143164A JPH02143164A (ja) 1990-06-01
JP2639019B2 true JP2639019B2 (ja) 1997-08-06

Family

ID=17868314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29911588A Expired - Fee Related JP2639019B2 (ja) 1988-11-25 1988-11-25 エンドトキシンの定量方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2639019B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5376211A (en) * 1990-09-29 1994-12-27 Tokyo Electron Limited Magnetron plasma processing apparatus and processing method
JP2737514B2 (ja) * 1992-01-24 1998-04-08 和光純薬工業株式会社 エンドトキシン測定用試料の前処理方法
JP6358942B2 (ja) * 2014-12-05 2018-07-18 沢井製薬株式会社 エンドトキシンの測定用試薬及びエンドトキシンの測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02143164A (ja) 1990-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Brandts The thermodynamics of protein denaturation. I. The denaturation of chymotrypsinogen
US20020164823A1 (en) Polymerized crystalline colloidal array chemical sensing materials for use in high ionic strength solutions
Kamel et al. Solid contact potentiometric sensors based on host-tailored molecularly imprinted polymers for creatine assessment
Tagliaro et al. Capillary zone electrophoresis of potassium in human vitreous humour: validation of a new method
Maccà et al. Experimental procedures for the determination of amperometric selectivity coefficients
Zinellu et al. Field-amplified sample injection combined with pressure-assisted capillary electrophoresis UV detection for the simultaneous analysis of allantoin, uric acid, and malondialdehyde in human plasma
JP3451091B2 (ja) 全血試料中に存在する分析対象成分の定量に用いる分析用キュベット、定量方法及び診断検査キット
Norocel et al. Development and performance testing of an electrochemical sensor for determination of iron ions in wine
NO161886C (no) Proeveinnretning for vurdering av en flytende proeve for naervaer av en analytt, og fremgangsmaate for dens fremstilling.
JP2639019B2 (ja) エンドトキシンの定量方法
CA1144461A (en) Chromogenic detection of endotoxin in human serum and plasma
Al-Ghamdi et al. Electrochemical reduction of ciprofloxacin at the mercury electrode and its voltammetric determination in tablet and urine
Fu et al. Polymer membrane‐based polyion sensors: Development, response mechanism, and bioanalytical applications
Cheng et al. A three-step stacking capillary electrophoresis of field-amplified sample injection, sweeping, and micellar collapse for determination of dabigatran and its active metabolite in human plasma
RU2364859C1 (ru) Способ определения доннановского потенциала
Brittenham Spectrophotometric plasma iron determination from fingerpuncture specimens
Gould et al. A modified ultraviolet spectrophotometric method for quantitative determination of barbiturates
CN114441684B (zh) 一种用于分析高分子糖类化合物定性和定量的方法
JPH0414310B2 (ja)
JPH0531744B2 (ja)
ATE82639T1 (de) Verfahren zur bestimmung des konzentrationsverhaeltnisses von lithiumionen zu natriumionen und vorrichtung zur durchfuehrung dieses verfahrens.
JPH04102065A (ja) エンドトキシンの定量方法およびキット
Fu et al. Polyionic drug-sensitive membrane electrodes: principles and practice
CN110632150A (zh) 一种可用于有机磷农药检测的免标记免疫传感器及其制备方法
Pedersen et al. A unified method for the determination of gold in biological fluids by flameless atomic absorption spectroscopy

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees