JP2637005B2 - 中炭素鋼連続鋳造用パウダーの評価方法 - Google Patents

中炭素鋼連続鋳造用パウダーの評価方法

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JP2637005B2
JP2637005B2 JP4034806A JP3480692A JP2637005B2 JP 2637005 B2 JP2637005 B2 JP 2637005B2 JP 4034806 A JP4034806 A JP 4034806A JP 3480692 A JP3480692 A JP 3480692A JP 2637005 B2 JP2637005 B2 JP 2637005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素含有量が0.08超
〜0.18重量%(以下%と略する)のいわゆる中炭素
鋼に使用する連続鋳造用パウダーの評価方法に関するも
のであって、見通しよく鋳片表面に縦割れのない鋳片を
得るための連続鋳造用パウダー(以下パウダーと略す
る)を設計するためのものである。
【0002】
【従来の技術】炭素含有量が0.08超〜0.18重量%
の中炭素鋼は、いわゆる亜包晶領域の鋼であり、連続鋳
造時に鋳片の縦割れが発生しやすい。これは包晶反応に
伴い凝固シェル内に変態応力が付与され、凝固シェル厚
みの不均一がおこりやすいためである。この凝固シェル
厚みの不均一を緩和するには、連鋳鋳型内の緩冷却化が
有効であることが知られている。
【0003】連鋳鋳型内の緩冷却化を行うため通常行わ
れているのが、緩冷却を可能ならしめるパウダーの使用
である。通常パウダーの冷却強度の指標として用いられ
るのが、パウダーの凝固温度と呼ばれるものである。
【0004】このパウダーの凝固温度は、一定温度に保
持した坩堝中において円筒を回転するなどして粘性を求
め、測定温度に対し粘性をプロットした図において、温
度の低下にともなって急激に粘性が高くなる温度とされ
ている。この急激な粘性の変化は温度の低下に伴いパウ
ダーが結晶化し、見掛けの粘性が高くなるためであると
考えられており、この凝固温度が高い場合にはパウダー
フィルム内の結晶相(固着相)厚みが厚いため鋳型−凝
固シェル間の熱抵抗が大きくなり、緩冷却が実現される
とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による鋳型内
抜熱の指標、凝固温度は、たとえば中炭素鋼用に使用さ
れる緩冷却指向の高凝固温度パウダーと、低炭素鋼用の
強冷却指向のパウダーといった、大きく抜熱強度の異な
るパウダーを比較する上では有用であった。しかしなが
ら最近の鋳片表面疵の厳格化に伴い、抜熱強度の場所的
・時間的ばらつきの最小化、あるいは精度のよい抜熱強
度のコントロールを行って行く必要のある現在では、指
標の精度が低く不十分である。この理由は粘性の変化に
より測定される凝固温度が、結晶の晶出の形態や結晶の
過冷能を再現できないからであり、このため必ずしも鋳
型内抜熱強度に大きな影響を与える、固着相の厚みを表
していないためである。
【0006】これがたとえば同じ凝固温度を持つパウダ
ーを、同一の鋳造条件において鋳造した場合において、
必ずしも同等の鋳型内抜熱強度が得られない場合が多い
理由である。結局このような理由から、パウダーの設計
・開発による鋳型内抜熱強度の合わせ込みは、ベースと
なるパウダーの化学成分を少量ずつ変化させ、実際に適
応してみるといった、いわゆる試行錯誤的なアプローチ
が主体であり、極めて効率が悪かった。また、試験時の
不測の事故を回避するという観点から、大きな成分変更
を伴うパウダーの変更試験は忌避されることが多く、思
い切ったパウダー変更ができないことが多かった。
【0007】これに対して本発明は、鋳造中に得られる
と考えられる凝固シェルと鋳型間に形成されるパウダー
フィルム中の固着相の厚みと、抜熱強度の大きさを指標
化することにより、中炭素鋼の連続鋳造鋳片の表面欠陥
を減少させることを目的として行う鋳型内抜熱強度のコ
ントロールを行うに当って、容易かつ確実に行う方法を
提供するためになされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、中炭素鋼
用のパウダーの特性値、パウダーフィルム中の結晶組
織、鋳型内抜熱強度、そして鋳片表面縦割れとの関係に
ついて研究を重ねた結果、鋳型内抜熱強度とパウダー中
の結晶と溶融パウダーの界面温度とに良い相関があると
いう知見を得、この知見に基づいて本発明をなすに至っ
た。
【0009】本発明は、中炭素鋼用のパウダーの変更に
よる鋳型内抜熱強度のコントロールに際し、例えば温度
勾配を持つ炉内において擬似的にパウダー結晶相と溶融
パウダーを共存せしめることによって、パウダー結晶相
と溶融パウダー界面温度を求め、それを評価指標として
見通し良くパウダー評価を行うことを特徴とするパウダ
ーの設計・評価方法である。
【0010】
【作用】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1
は鋳型(1)内のパウダーの状況を示す図である。湯面
上方より供給されたパウダー(2)は、溶鋼(5)より
湯面(4)において供給される熱により溶融し、溶融プ
ール(3)を形成する。溶融したパウダーは鋳型(1)
と凝固シェル(6)間に流入し、鋳型側が固相、凝固シ
ェル側が液相のパウダーフィルム(8)を生成する。な
お、顆粒パウダーの一部は熱により焼結し、スラグベア
(7)を形成する。
【0011】図2は鋳型−凝固シェル間より採取したパ
ウダーフィルム(8)である。パウダーフィルムは前述
したとおり鋳造中は固相(固着相)と液相(溶融相)に
より成っているが、湯面を下げて採取したため、全て固
相になっている。しかしながらメニスカス近傍部(9)
より下方の部分(10)において組織観察を行うと、そ
の境界を明確に知ることができる。
【0012】固着相と溶融相との熱伝導は、固着相の方
が悪く、さらに通常固着相の厚みは溶融相よりも厚いた
め、鋳型内抜熱には固着相の厚みが支配的となる。又、
縦割れが凝固の初期段階において発生することからもわ
かる通り、メニスカス近傍の抜熱強度を制御するために
もこの部分での固着層厚みを制御することが重要であ
る。
【0013】図3(a)は温度勾配を持つ炉(11)で
あって、発熱体(12)より熱を供給し、炉内において
擬似的にパウダー結晶相(15)と溶融パウダー(1
6)を坩堝(14)内において共存せしめ、パウダー結
晶相と溶融パウダー界面温度を求めるためのものであ
る。
【0014】さらに図3(b)はあらかじめ測定してお
いた炉内の温度分布である。炉は所定の温度勾配になる
ように出力を調整し、その中にあらかじめ溶融パウダー
を鋳込んだ坩堝を挿入し、一定時間保持する。保持時間
は炉の出力によって異なるが、試料温度が炉内温度に達
し、実機鋳型におけるパウダーフィルムの固着相及び溶
融相とほぼ同じ条件を再現するには10〜30分が適当
である。一定時間保持後に昇降装置(13)にて試料を
引き出すか、あるいは炉を持ち上げて試料を急速に冷却
する。
【0015】図4は図3の温度勾配を持つ炉内に保持し
た坩堝内の試料の結晶相(15)と溶融パウダー(1
6)の境界部の拡大断面組織であり、結晶粒界が直線的
になり、粗大化した結晶部分(17)と、結晶がデンド
ライト状に成長している部分(18)に分けられ、これ
はパウダーフィルム内に観察される組織と同じものであ
る。
【0016】通常鋼の連続鋳造においては、C,SiO
2,Al23,CaO,Na2O,F等を主成分としたパ
ウダーを使用する。このようなパウダーにおいては結晶
部分はカスピダインと呼ばれるCaO、SiO2、Fを
主成分とするものであり、さらにその結晶粒間にはAl
23,Na2O,SiO2を主成分とする相が存在する。
【0017】パウダーフィルム中の結晶は溶融パウダー
から結晶化したものであり、さらに結晶間を埋める相は
パウダーの結晶化に伴い起きた溶質の再分配によるもの
である。結晶粒の大きさの差は、結晶化の際の冷却速度
と高温での保持時間の差に起因するものである。すなわ
ち結晶粒が大きく、粒界が直線的になっている部分は、
結晶化したのちに高温状態にさらされることによってお
こる粗大化に起因するものであり、一方デンドライト状
に成長した部分は冷却速度が大きかったことに起因する
もので、これはこの部分が上記の昇降装置の操作あるい
は炉体の引上げによって急速に冷され固まった部分であ
る。
【0018】すなわちその二つの領域の間(19)が結
晶と液相の界面であり、試料内の界面の位置および炉内
の温度分布から結晶と液相の界面温度を知ることが可能
となる。この界面温度は、実際の鋳造時に存在するパウ
ダーフィルムの固着相と溶融部分との界面の温度を表し
ているため、この温度が高い程鋳型内抜熱は緩くなる。
この指標をもとにパウダーを評価しながら、パウダー設
計を行うことにより、鋳片表面に縦割れ発生が著しく少
ない鋳片を製造することが可能なパウダーを効率よく設
計することが可能となる。なお、ここでは界面温度を測
定する方法として上記の方法を採用したが、本願発明に
おいては、界面温度を測定することができれば、その測
定手段を選ぶものではない。
【0019】
【実施例】本発明に係る実施例を以下に説明する。実施
例および従来例に用いる中炭素鋼の成分を表1に示し、
実施例および従来例に用いた主なパウダーの成分を表2
に示す。以上の中炭素鋼およびパウダーの成分を用い、
次の条件で実際の連続鋳造機において鋳造を行った。鋳
型振動条件:ストローク6.8mm、 オシレーション
サイクル=75×Vc+50、 引き抜き速度:0.9
〜1.5m/min、 鋳片寸法:厚み240mm、
幅1000〜2200mm、 タンディッシュ内溶鋼加
熱度 10〜30℃。
【0020】以上の条件で試験鋳造を行い、パウダーの
選定を行った。なお使用したパウダーの1300℃にお
ける粘性は1.0〜1.3poise,凝固温度は113
0〜1170℃であった。
【0021】その際の界面温度と縦割れ発生指数との関
係を図5に示す。界面温度が低い程縦割れの発生が多く
なっているが、これはパウダーフィルム内の固着層が薄
く、鋳型内の抜熱強度が高いためである。この図から、
縦割れを抑制するためには約1200℃以上の界面温度
が必要である。本実施例においては表面のピンホール、
ブローホールの発生状況に鑑み図中(◎)のパウダーに
変更したが、(△)の旧パウダー使用時に比べ明らかに
縦割れの発生を抑制することができている。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明による、モールドパウダーの評価
方法を使用することによって、鋳型内抜熱を緩くせし
め、鋳片表面に縦割れ発生が著しく少ない鋳片を製造可
能なパウダーを効率よく設計することが可能となる。
【0025】さらに図5のような、表面縦割れと界面温
度の関係が明らかになっていると、今まで全く使用した
経験のない成分系パウダーについても、予め本発明方法
に従いオフラインにおいてそのパフォーマンスを知るこ
とができる。このため安定鋳造を阻害したり、縦割れが
多発するような危険な実湯試験を回避することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
図1は鋳造中連鋳鋳型内の湯面、顆粒パウダー、凝固シ
ェル及びパウダーフィルムの状況を示す模式図、図2は
パウダーフィルムの全体図、図3(a)はパウダーフィ
ルム中の固着層厚みを指標化するのに使用する炉の模式
図、図3(b)は炉内の温度分布の図、図4は固相−液
相の界面近傍の組織図、図5は界面温度と縦割れ発生指
数との関係を示す特性図、である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素含有量が0.08重量%超〜0.18
    重量%の中炭素鋼に使用する連続鋳造用パウダーの設計
    に際し、パウダー結晶相と液相界面の温度を求め、該温
    度を鋳型内抜熱強度の指標とすることを特徴とする中炭
    素鋼連続鋳造用パウダーの評価方法。
JP4034806A 1992-02-21 1992-02-21 中炭素鋼連続鋳造用パウダーの評価方法 Expired - Lifetime JP2637005B2 (ja)

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