JP2634026B2 - 水−希釈性染料組成物 - Google Patents

水−希釈性染料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水と混合した場合、染
料の水性懸濁液を形成する水−希釈性染料およびそれか
ら得られる水性分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】水−不混和性である多様のタイプの染料
が存在する。水不混和性染料の主な利点は、そのような
染料が少なくとも水への暴露に関し変色しない傾向にあ
ることである。そのような染料の欠点は、それらが有機
溶剤キャリヤー、例えばキシレンを要求し、これらが健
康および環境上の観点から問題となる点である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水性媒質中
安定な分散液を形成する水分散性染料の組成物に関し、
従って有害な有機溶剤キャリヤーを含有することに伴う
欠点を有しない水不混和性染料の耐久性を提供するもの
である。多くの産業的適用、例えばインク形成に対し、
染色の高配合が要求される。染料溶液は、典型的には染
料の着色効果を希釈する多種の追加の成分と共に配合さ
れねばならない;従って、染料の高配合に対する必要性
が存在する。更に、染料を溶解するために用いられる溶
剤は配合中高レベルで望ましく用いられないであろう。
【0004】従って、本発明の別の目的は水−希釈性染
料溶液が高い染料配合を有することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水−希釈性染料
溶液は、次のa)〜c)を含んでなる: a)アゾタイプ染料、フタロシアニンタイプ染料および
アントラキノン類から成る染料タイプから選ばれる約3
5重量%ないし約70重量%の水−不混和性染料; b)該水−不混和性染料を溶解するために十分な量の約
10重量%ないし約64重量%の該水−不混和性染料に
対する溶剤系、該溶剤系は b1)約30重量%ないし約100重量%の柑橘溶剤、
および b2)水−混和性又は水−不混和性である0ないし約7
0重量%の適合した共−溶剤を含んでなる;および c)約1重量%ないし約55重量%の非イオン界面活性
剤。
【0006】水中に混合せられるとき、水−希釈性溶液
は、水中で水−不混和性染料溶液の安定な微小な分散体
を形成し、この分散体は無限に希釈性である。そのよう
な水性分散体はそれらが適用される物質に永久に固着さ
れるようになる。本発明が適用される水不混和性染料に
以下ものが含まれる: 1.アゾ形であり、これは含金属および非含金属の双方の
種類のモノアゾ、ジスアゾおよびテトラアゾを含む。含
金属染料は、用いられる金属に応じて、1個又は2個の
染料分子と単原子金属キレートのアミン塩として典型的
に記載されている。非含金属アゾ染料には、ラキィソー
ル (Luxol)(登録商標)の生産ラインに特有のグアニジ
ン塩タイプが含まれる。水不混和性アゾ染料の特異的例
は以下のものが含まれるが、これらに制限されない: 1− オートメート(Automate)(登録商標)ブラック1
04=c.i.ソルベントブラック49=ベンゼン ア
ゾベンゼン ナフチル ベンゼンアミノ ヒドロキシ、
アルキル誘導体/アルキルアミノ−銅酸塩。CAS登録
番号56918。
【0007】2− オートメート(Automate)(登録商
標)エローD−c.i.ソルベントエロー、4−(2−
ヒドロキシ−5−ノニルフェニルアゾ)−〔N−〔4−
(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェニルアゾ)−フェニ
ル〕〕ベンズアミド。CAS番号PMN通達番号P−9
1−890。 3− オートメート(Automate)(登録商標)レッドB=
c.i.ソルベントレッド164=2、ナフタレノール
(フェニルアゾ)フェニルアゾアルキル誘導体。CAS
番号=TSCA登録番号35371。
【0008】4− モルファスト(Morfast) (登録商
標)レッド101=c.i.ソルベントレッド68=
1,3 −ナフタレンジスルホン酸、7−ヒドロキシ−8
−4−(フェニル−アゾ)フェニルアゾ−、2−エチル
−N−(2−エチルヘキシル)−1−ヘキサナミンと一
緒の化合物(1:2)。CAS番号=68555−82
−8。
【0009】5− モルファスト(Morfast) (登録商
標)ブラック101=c.i.ソルベントブラック48
=コバルテートビス−2,2′ジオキソ−4 −ジ2″−
ヒドロキシ−3″−アルキルオキシ−プロピルアミノ−
4−フェニルアゾ−5−メチル−アゾベンゼン、水素ジ
ブタンアンモニウム塩。 6− ラキィソール (Luxol)(登録商標)ブラウンK=
c.i.ソルベントブラウン20=1,3−ナフタレン
ジスルホン酸、7,7′(4,6−ジヒドロキシ−1,3
−フェニレン)ビス(アゾ)ビスアリールグアニジン
塩。CAS番号72208−28−7。
【0010】7− オートメート(Automate)(登録商
標)エロー126−c.i.ソルベントエロー=1,3
ベンゼンジオール、2,4−ビス(アルキルフェニル)
アゾ−。CAS番号29190−28−1;65087
−00−5;および68310−04−3。 2.フタロシアニン誘導染料、主に銅化顔料から誘導さ
れるスルホン化物。特異的例は以下のものが含まれるが
これらに制限されない: 1− モルファスト(Morfast) (登録商標)ブルー10
0=c.i.ソルベントブルー129=銅塩(2−)、
29H,31Hフタロシアニンジスルホナト(4−)N
29,N30,N31,N32ジ−1−アルキルアンモ
ニウム、−N−(アルキル)塩。CAS番号68155
−92−0。 2−ラキソール(登録商標)ブルーMBSN=c.i.
ソルベントブルー38=カプレート(Cuprdte)(2
−),29H,31H−フタロシアニン−ジスルホネー
ト(4)−N29,N30,N31,N32−アリール
グアニジン塩。CAS番号1328−51−4
【0011】3.アントラキノン、主にモノ、ジおよび
混合置換アルキルアミノ誘導体並びにモノ、ジおよび混
合置換アリールアミノタイプ。特異的例は以下のものが
含まれるがこれらに制限されない: 1− オートメート(Automate)(登録商標)ブルー8=
c.i.ソルベントブルー98=1,4−ジアルキルア
ミノアントラキノン。CAS番号74499−36−
8。
【0012】2− オートメート(Automate)(登録商
標)グリーン5=c.i.ソルベントグリーン=9,1
0−アントラセンジオン、1,4−ビス〔(アルキルフ
ェニル)アミノ〕アントラキノン。CAS番号:設定さ
れない。 3−BASFのラッシングブルー672=c.i.ソル
ベントブルー79 1,4−ジアルコキシアミノアントラ
キノン。
【0013】語句「柑橘溶剤」は本発明中、柑橘皮油、
テルペン、テルピネンとして明定される化学薬品を含め
るために包括的に用いられる。ハーレイのコンデンスト
ケミカルディクショナリー (Hawley's Condensed chemi
cal Dictionary) 11版中のこれらの種類の定義は重な
る: 柑橘皮油−グレープフルーツ、レモン、ライム、オレン
ジおよびみかんの皮又は殻からしぼられた食用油; 成分:種々の%のリモネン、シトラールおよびテルペ
ン。 「テルペン」−C1016 植物の最も内部の精油および
含油樹脂を生じる不飽和炭化水素。テルペンは、イソプ
レン単位C5 8 に基づいており、そして1個又はそれ
以上のベンゼノイド基を有する環式又は非環式のいずれ
かであってよい。分子構造に従い、単環式(ジペンテ
ン)、ジ環式(ピネン)又は非環式ミルセンとして分類
される。 「テルピネン」−C1016 三種の異性体の環式テルペ
ン、α,βおよびγテルピネンの混合物。
【0014】「ジペンテン」−(シネン;リモネン、不
活性;dl−p−メンタ−1,8−ジエン;カジュプテ
ン(cajputene) ;商品形態ではジペンテン濃度が高いが
しかし、他のテルペンおよび関連化合物を種々の量で含
有する。 「リモネン」−イソプレンに緊密に関係した、広く分布
している光学活性テルペン。これは、天然にD−形およ
びL−形の双方で見出される。二種の異性体のラセミ混
合物は、ジペンテンとして公知である。
【0015】柑橘溶剤は、多様の染料の分散体を与える
のに特に有用な溶剤であることが見出された。加えて、
柑橘溶剤は非毒性で環境に安定でありそして生分解性で
ある。柑橘溶剤は、水−希釈性染料組成物の溶剤100
%を含むことができ、又は30/70柑橘溶剤/共−溶
剤重量比までの共−溶剤と、好ましくは同様に非毒性で
かつ環境に優しい共−溶剤と混合される。適当な共溶剤
の例には、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコ
ール、トリエタノールアミン、メチルエチルケトン、エ
タノール、メタノール、ジエタノールアミン、乳酸メチ
ル、キシレン、1−メトキシ−2−プロパノール、2−
メトキシ−1−プロパノールが含まれるが、これらに限
定されるものではない。
【0016】第三の必須の成分は、非イオン界面活性剤
である。適当な界面活性剤には、脂肪酸エステル;ポリ
オキシエチル化ノニルフェノール誘導体;ローンプーラ
ーCO−720およびCO630ノニルフェノキシポリ
(エチレンオキシ)エタノール CAS番号9016−
45−9;ユニオンカーバイド−ターギトールD−68
3 アルコキシレート化アルキルフェノール CAS番
号37251−69−7;ローンプーラン−アルカミド
2106変成ココナッツジエタノールアミドCAS番号
68603−42−9;ローンプーラン−アルカマルス
EL−985ポリエトキシル化ヒマシ油 CAS番号7
5−21−8;およびモートンインターナショナル−ソ
ルテックスX長鎖脂肪酸エステルが含まれる。
【0017】上記で論議した特異的染料タイプは、高レ
ベルまで、すなわち少なくとも約35重量%そしてある
特異的染料タイプの場合には約70重量%まで柑橘溶剤
組成物中に配合され得る。この高い配合は予期されなか
ったものである。米国特許5,092,907はタルペ
ン油に分散した顔料の分散液を開示している。また、該
特許は可溶性染料がテルペン油に溶解されることができ
るが、最大30%まで溶解され得ることを示唆してい
る。従って、以下の内容が見出された:すなわち柑橘溶
剤中特有の染料タイプの35重量%又はそれ以上の配合
レベルが達成できることは予期されなかったことであ
る。前記の如く、特に特有の処方の他の成分により引き
続き希釈されるであろう染料組成に対し産業が高い染料
配合を必要とする点において高い染料レベルは有利であ
る。
【0018】これらの成分a)〜c)は、本発明に従っ
て安定な水−希釈性の真の染料溶液を形成するため共に
混合される。染料溶液は、船積みおよび貯蔵に対し典型
的には水なしで与えられる。末端使用者は、適当に撹拌
しながら染料溶液を水(又は水性媒体)に加え、水(又
は水性媒体)に分散した染料溶液の分散液を製造する。
一般に、安定な分散液は水に対し水希釈性染料の染料溶
液の1:1の割合で達成される。しかし、染料溶液は、
使用者が望む染料濃度を与えるため、多少の水を受容で
きる。
【0019】本発明の染料組成物の水性分散液は、例え
ばフェルトチップペン、ボールペン、印刷インク、ゴム
印、インクジェットインク、コーティング、塗料および
ウッドステイン(woodstains) において使用できる。本
発明を特定の例により更に詳しく説明する。
【0020】
【実施例】
例1 1lの丸底フラスコに、200gのベンゼンアゾベンゼ
ンナフチルベンゼンアミノヒドロキシ、アルキル誘導体
/アルキルアミノ銅酸塩のキシレン溶液を装入した。染
料を、十分な真空下120℃に加熱し全てのキシレン
(約48%)を蒸留除去した。キシレンを、90gのA
TR−ハイフラッシュ (Flash)(登録商標)柑橘溶剤お
よび10gの長鎖脂肪酸エステルで置き代えた。
【0021】この溶液は撹拌しながら204mlの水と混
合すると、染料溶液の分散液を形成した。
【0022】例2 例1の方法で、40重量%の4−(2−ヒドロキシ−5
−ノニルフェニルアゾ)−〔N〔4−(2−ヒドロキシ
−5−ノニルフェニルアゾ)−フェニル〕〕ベンズアミ
ド、36重量%のATR−P柑橘溶剤および24重量%
のイゲパール(Igepal)(登録商標)CO630を含有す
る、水−分散性溶液を調製した。
【0023】例3 例1の方法で、35重量%の1,4−ジアルキルアミノ
アントラキノン、46重量%のボルテックス(Voltex)
(登録商標)柑橘溶剤および19重量%の長鎖脂肪酸エ
ステルを含有する水−分散性溶液を調製した。
【0024】例4 例1の方法で、40重量%の銅酸塩(2−)、29H,
31Hフタロシアニンジスルホナト(4−)、N29,
N30,N31,N32ジ−1−アルキルアンモニウ
ム、−N−(アルキル)塩、20重量%のブチルラクテ
ート、20重量%のボルテックス(Voltex) (登録商標)
柑橘溶剤、5重量%の長鎖脂肪酸エステル、10重量%
のトリエタノールアミンおよび5重量%のペゴスフェル
セ (Pegospherse)(登録商標)分散剤を含有する水−分
散性溶液を調製した。
【0025】例5 例1の方法で、46重量%のコバルテート(cobaltate)
ビス−2,2″ジオキシ−4−ジ2″−ヒドロキシ−
3″−アルキルオキシ−プロピルアミノ−4−フェニル
アゾ−5−メチル−アゾベンゼン、水素ジブタンアンモ
ニウム塩、40重量%のジペンテンおよび14重量%の
長鎖脂肪酸エステルを含有する水分散性溶液を調製し
た。
【0026】本発明で有用な商業上の柑橘溶剤/界面活
性剤組成物を次の如く分析する:ATR−C :主要成分は、リモネンであると思われる。
界面活性剤は、平均C12 .726.4 p6 4 −O−
(C2 2 −O)7Hを有するエトキシル化アルキルフェ
ノールの混合物として同定された。平均分子量580と
仮定すると、界面活性剤は、試料の約7重量%であると
推定された。ボルテックス (Vortex):この試料は、ATR−Cに極
めて類似していると思われる。主要成分は、リモネンで
あり;界面活性剤は、エトキシル化アルキルフェノール
の混合物であると思われる。
【0027】ATR−HIフラッシュ:主要成分はテル
ペンである。界面活性剤は、平均構造式C17.736.8
p6 4 −O−(CH2 CH2 −O)5.3Hを有するエ
トキシル化アルキルフェノールとして同定された。イゲパール(IGEPAL)630 :この試料は、エトキシル
化アルキルフェノールとして公知である界面活性剤であ
る。NMRスペクトルにより平均構造式C8.7 18.5
p6 4 −O−(CH2 CH2 −O)8.6Hとして決定
された。ATR−P :この試料のNMRスペクトルは非常に複雑
である。テルペノイド成分はリモネン並びに多くの他の
成分を含有する、複雑な混合物である。エトキシル化界
面活性剤はこの試料中、より高いレベルで存在している
と思われる。エトキシル化セグメントは、幾つかのオキ
シメチレン基を含有するように思われる。界面活性剤は
エトキシル化アルキルフェノールであってよいが、スペ
クトルの複雑さおよび構造の相違のため、明白な同定は
非常に困難である。小量のカルボニル成分、多分エステ
ル、も又この試料中に検出された。ジペンテン :この試料も又全く複雑であるように思われ
る。テルペノイド溶剤は、リモネン並びに多数の他の成
分を含有する。その分布はATR−Pの分布に幾分似て
いる。この試料中の界面活性剤は、ATR−Pのそれに
類似している。カルボニル成分は検出されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター エー.カプト アメリカ合衆国,ニュージャージー 07079,サウス オレンジ,ウォルトン アベニュ 253 (56)参考文献 特開 平3−33163(JP,A) 特開 昭62−244370(JP,A) 特開 昭62−225565(JP,A) 国際公開93/17166(WO,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分散性組成物であって、次のa)〜
    c): a)アゾタイプ染料、フタロシアニンタイプ染料および
    アントラキノン類から成る染料タイプから選ばれる約3
    5重量%ないし約70重量%の水−不混和性染料; b)該水−不混和性染料を溶解するために十分な量の約
    10重量%ないし約64重量%の該水−不混和性染料に
    対する溶剤系、 該溶剤系は b1)約30重量%ないし約100重量%の柑橘溶剤、
    および b2)水−混和性又は水−不混和性である0ないし約7
    0重量%の適合した共−溶剤を含んでなる;および c)約1重量%ないし約55重量%の非イオン界面活性
    剤、 を含んでなる、前記水分散性組成物。
  2. 【請求項2】 水性媒質中に分散されている請求項1記
    載の組成物。
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