JP2632760B2 - スプリンクラー消火設備に設置する流量調整装置 - Google Patents

スプリンクラー消火設備に設置する流量調整装置

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JP2632760B2
JP2632760B2 JP4209415A JP20941592A JP2632760B2 JP 2632760 B2 JP2632760 B2 JP 2632760B2 JP 4209415 A JP4209415 A JP 4209415A JP 20941592 A JP20941592 A JP 20941592A JP 2632760 B2 JP2632760 B2 JP 2632760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スプリンクラー消火設
備に設置する流量調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スプリンクラー消火設備は、水源に設置
されたポンプ、ポンプから各フロアまで延長された給水
管、各フロアに置かれ給水管に接続された制御弁、該制
御弁に接続された天井配管、天井配管に接続された枝
管、及び枝管に取り付けられたスプリンクラーヘッド等
から構成されている。
【0003】スプリンクラーヘッドは、枝管に直接取り
付けることもあるし、枝管に立ち下がり管を接続して該
立ち下がり管に接続したり、或は立ち下がり管にレデュ
ーサーを接続し、該レデューサーに接続することもあ
る。また枝管には、枝管と立ち下がり管を接続するため
にチーズやエルボーなどのジョイントを使用したり、枝
管や立ち下がり管が短い場合にはブッシュを使用して長
くすることもある。ここでは、枝管、立ち下がり管、レ
デューサー、ブッシュ、ジョイント等を一括して枝管と
称する。
【0004】スプリンクラー消火設備の設置された建物
で火災が発生すると、火災の異常高温でスプリンクラー
ヘッドが作動し、天井配管や枝管に充填されていた水が
作動したスプリンクラーヘッドから流出する。この流出
による天井配管と枝管内の水圧の減少を制御弁が感知
し、ポンプに信号を送ってポンプを稼働させる。ポンプ
が稼働すると水が水源から給水管に流入し、制御弁を通
って天井配管と枝管に送られ、作動したスプリンクラー
ヘッドから火元に散布される。
【0005】一般に、スプリンクラー消火設備のポンプ
が稼働した時、天井配管や枝管内に送られる水の圧力
は、消火に必要な量の水がスプリンクラーヘッドから散
布されるように法令で定められている。その圧力は、1
〜10Kgf/cmであり、ポンプは一つの制御弁に
接続された天井配管グループの全てのスプリンクラーヘ
ッドが作動した場合でも、全てのスプリンクラーヘッド
からこの圧力範囲内で水が散布できるような能力のある
ものを使用している。
【0006】またスプリンクラーヘッドは、1Kgf/
cmの水圧で801/分、10Kgf/cmで25
3l/分の水が散布できるように設計されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のスプ
リンクラー消火設備では、一つの制御弁に接続された天
井配管グループ内で広域に火災が発生し、多数のスプリ
ンクラーヘッドが一度に作動したり、階層の異なるフロ
ア、たとえば一階と二階で同時に火災が発生した場合、
作動した全てのスプリンクラーヘッドからは均一な量の
散布が行われなかった。
【0008】その原因は、一つの制御弁に接続された配
管グループ内で広域に火災が発生した場合、制御弁に近
いところに設置されたスプリンクラーヘッドは太い給水
管に近いため高い圧力がかかり、制御弁に遠いところに
設置されたスプリンクラーヘッドには、制御弁に近いと
ころのスプリンクラーヘッドから多量の水が散布されて
しまうため、圧力が低くなるからである。また、階層の
異なるところで同時に火災が発生した場合は、高い階層
では水圧が低いため散水量が少なく、低い階層では水圧
が高いため散水量が多くなるからである。
【0009】従って、水圧の高いところ、即ち制御弁に
近いところや低い階層に設置されたスプリンクラーヘッ
ドからは勢い良く多量の水が散布され、水圧の低いとこ
ろ、即ち制御弁から遠いところや高い階層に設置された
スプリンクラーヘッドからは勢いのない少量の水が散布
されることになる。
【0010】水圧の高いところに設置されたスプリンク
ラーヘッドからは多量の水が散布されるが、水の勢いが
強すぎるため、スプリンクラーヘッドの流出口から噴出
した水はデフレクターで遠方に飛ばされ、スプリンクラ
ーヘッド直下の火元には水が充分に散布されず効率のよ
い消火が行えなかった。
【0011】一方、水圧の低いところに設置されたスプ
リンクラーヘッドからは、スプリンクラーヘッド直下の
火元に散布される水量が少ないため、やはり効率のよい
消火が行えなかった。
【0012】また、火災が小域であって、作動するスプ
リンクラーヘッドが1〜2個という少数の場合、ポンプ
が全てのスプリンクラーヘッドに対応できる能力を備え
ているため、作動した少数のスプリンクラーヘッドから
は高圧の水が散布され、前述の如く遠方に水が散布され
て効率のよい消火が行えないばかりか、火災鎮火後も多
量の水が散布され続け、この水が隣接した部屋に流れ込
んで火災発生場所でないところにある高価な事務機や家
具調度品等を濡らしてしまうという水損事故を起こして
しまうことがあった。
【0013】本発明は、一つの天井配管グループ内で広
域に火災が発生して多数のスプリンクラーヘッドが一度
に作動したり、階層の異なるところで同時に火災が発生
しても、いずれのスプリンクラーヘッドからも消火に適
した水が均一に散布され、また少数のスプリンクラーヘ
ッドが作動した場合でも、消火に適した水が散布されて
水損事故を起こさないというスプリンクラー消火設備
実現できる流量調整装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、円筒体の
一端を細くすると、円筒体を通過する液体の量は減少す
ことに着目して本発明を完成させた。
【0015】本発明は、上下部にそれぞれ配管、枝管、
立ち下がり管、スプリンクラーヘッド等と接続できる接
続部を有し、内部にオリフィスが形成され、該オリフィ
スの上部がすり鉢状の壁面となっていて、しかも該壁面
の上には壁面に沿って下方に移動する時に流出口を狭め
る弁体が設置されていることを特徴とするスプリンクラ
ー消火設備に設置する流量調整装置である。
【0016】本発明の流量調整装置は、枝管の一部、即
ち立ち下がり管とスプリンクラーヘッドを接続するレデ
ューサーや立ち下がり管の途中に接続するブッシュ、或
は枝管と立ち下がり管を接続するジョイント等に設置す
るものである。
【0017】
【実施例】図1は本発明の流量調整装置を設置したスプ
リンクラー消火設備の配管系統図、図2は本発明の流量
調整装置を設置し、下部にスプリンクラーヘッドを取り
付けたレデューサーの正面断面図、図3は平時の同拡大
断面図、図4は作動時の同拡大断面図、図5は流量調整
装置に使用する弁体の拡大斜視図である。
【0018】先ず、図1に基づいて本発明の流量調整装
置を設置したスプリンクラー消火設備について説明す
る。給水管1は、端部が水源2に挿入されており、水源
2近くに給水管1に水を送るポンプ3が設置されてい
る。給水管1は各フロアA、B、…(一点鎖線内)まで
延長されていて、各フロアでは、給水管1は制御弁4を
介して天井配管5に接続されている。
【0019】天井配管5には複数の枝管6…が接続さ
れ、枝管6には一定間隔で立ち下がり管7が接続されて
いる。立ち下がり管7の先端にはレデューサー8が接続
され、該レデューサーにスプリンクラーヘッド9a、9
b、9c…が取り付けられている。
【0020】レデューサーとは、異径ジョイントとい
い、口径の異なるもの同やネジの種類の異なるもの同
を接続する時に使用するものである。スプリンクラー
消火設備に使用するレデューサーは、口径の小さな牡ネ
ジと口径の大きな牝ネジから構成されており、口径の小
さな牡ネジを立ち下がり管の牝ネジに螺合し、口径の大
きな牝ネジにスプリンクラーヘッドを螺合するようにな
っている。
【0021】レデューサー8の中には流量調整装置10
が設置されている。流量調整装置とは、圧力の高い液体
が流れ込んできた時に流出口を狭めて抵抗を大きくし、
ここから流出していく液体の量を調整するものである。
【0022】ここで本発明の流量調整装置を設置した
プリンクラー消火設備における消火状態について説明す
る。一階のフロアAで広域に火災が発生し、一階の制御
弁4に接続された天井配管5グループの全てのスプリン
クラーヘッド9a…、9b…、9c…が作動したとす
る。これらのスプリンクラーヘッドからは、立ち下がり
管7、枝管6及び天井配管5内に予め充填されていた水
が流出し、これを制御弁4が感知して水源近くのポンプ
3を稼働させる。すると制御弁4に近いところの枝管6
に取り付けられたスプリンクラーヘッド9a…には圧力
の高い水が送られ、制御弁から遠いところの枝管6に取
り付けられたスプリンクラーヘッド9c…には圧力の低
い水が送られる。
【0023】火災発生時、流量調整装置が設置されてい
ないスプリンクラー消火設備では、制御弁に近いところ
に取り付けられたスプリンクラーヘッドからは勢いのあ
る水が多量に散布され、制御弁から遠いところに取り付
けられたスプリンクラーヘッドからは勢いがなく量の少
ない水が散布されていた。
【0024】しかしながら、本発明の流量調整装置を設
置したスプリンクラー消火設備では、全ての枝管の一
部、即ちスプリンクラーヘッドを取り付けた全てのレデ
ューサーに流量調整装置10…が設置されているため、
制御弁近くのスプリンクラーヘッドに圧力の高い水が送
られてきても、流量調整装置がここで流量を調整し、一
定の水を散布するようになる。また、制御弁に近いとこ
ろのスプリンクラーヘッドからは多量の水が散布されな
くなるため、従来ここで散布されるはずの水は他の枝管
に送られるようになり、制御弁から遠いところに取り付
けられたスプリンクラーヘッドに圧力の高い水が送られ
る。しかるに制御弁から遠いところのスプリンクラーヘ
ッドにも必要以上の圧力がかかるようになった場合は、
レデューサー内の流量調整装置が働いて一定量の水を散
布するようになる。
【0025】従って、本発明の流量調整装置を設置した
スプリンクラー消火設備では、同一フロアで広域に火災
が発生して一つの天井配管グループ内の多数のスプリン
クラーヘッドが作動しても、作動した全てのスプリンク
ラーヘッドからは一定量の水が散布されることになる。
【0026】また、異なるフロアで同時に火災が発生し
た場合、低い階層のフロアは高い階層のフロアよりも高
圧の水が送られ、高い階層のフロアでは低圧の水が送ら
れるが、このように圧力が違っても、レデューサー内の
流量調整装置がこれらを一定にして両層に一定量の水
を散布するようになる。
【0027】次に本発明の流量調整装置について説明す
る。実施例に示す流量調整装置は、図2の如く立ち下が
り管7とスプリンクラーヘッド9aを接続するレデュー
サー8内に設置されている。レデューサー8の内部には
オリフィス11が穿設されており、該オリフィスの上部
はすり鉢状の壁面12が形成されている。
【0028】壁面12には弁体13が設置されている。
弁体13は、図5に示すように円筒形で上部がフランジ
14となっており、その下方に複数の脚15…が形成さ
れている。脚15は上部が広くなった末広がりの形状と
なっている。弁体13は可撓性のある材料、たとえばポ
リエチレンのような樹脂でできており、脚15は容易に
内方に曲げられるようになっている。全ての脚15…を
内方に曲げると、内側は下方が狭まったロート状にな
る。
【0029】弁体13のフランジ14の外側下部とすり
鉢状壁面12の上部間には圧縮バネ16が設置されてい
る。圧縮バネは平時、弁体を定位置に保持するものであ
るが、圧縮バネの代わりに引っ張りバネをフランジの上
部に設置したり、脚の内側にリング状のバネを設置して
平時脚を広げるようにしてもよい。
【0030】ここで本発明の流量調整装置における作動
状態について説明する。火災が発生して天井配管グルー
プ内の多数のスプリンクラーヘッドが作動すると、作動
したスプリンクラーヘッドからは、立ち下がり管、枝管
及び天井配管内に予め充填してあった水が流出し、制御
弁がこれを感知して水源のポンプを稼働させる。すると
水源の水は給水管、制御弁、天井配管、枝管、立ち下が
り管を通って作動したスプリンクラーヘッドから散布さ
れる。このとき、作動したスプリンクラーヘッドが制御
弁に近くて送られてきた水の圧力が高い場合、レデュー
サー8を通過する水が弁体13の上部にあるフランジ1
4を圧縮バネ16に抗して下方に押すようになる。弁体
13が下方に移動する時、複数の脚15…はすり鉢状の
壁面12に沿って下がるため、図4の如く内方に曲げら
れ、隣接した脚同が近づく。すると弁体はロート状に
なり、下部の流出口が細くなってここを通過する水の量
が少なくなる。また、作動したスプリンクラーヘッドが
制御弁から遠いところにあり、送られてくる水の圧力が
あまり高くない場合には、弁体が下方に押されないた
め、水は流量を減じることなく散布される。
【0031】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の流量調整装
置を設置したスプリンクラー消火設備は、同一フロア内
で一度に多数のスプリンクラーヘッドが作動したり、異
なる階層で同時に火災が発生しても、作動した全てのス
プリンクラーヘッドから一定量の水が散布されるため、
全体的に効率のよい消火が行えるものであり、また本発
明の流量調整装置はスプリンクラーヘッドを取り付ける
枝管の途中に設置するだけで全てのスプリンクラーヘッ
ドから一定量の水を散布することができるため信頼性に
優れた消火が行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流量調整装置を設置したスプリンクラ
ー消火設備の配管系統図
【図2】本発明の流重調整装置を設置し、下部にスプリ
ンクラーヘッドを取り付けたレデューサーの正面断面図
【図3】本発明の流量調整装置を設置した平時のレデュ
ーサーの拡大断面図
【図4】本発明の流量調整装置を設置した作動時のレデ
ューサーの拡大断面図
【図5】本発明の流量調整装置に使用する弁体の拡大斜
視図
【符号の説明】
1 給水管 2 水源 3 ポンプ 4 制御弁 5 天井配管 6 枝管 7 立ち下がり管 8 レデューサー 9a、9b、9c スプリンクラーヘッド 10 流量調整装置 11 オリフィス 12 すり鉢状の壁面 13 弁体 14 フランジ 15 脚 16 圧縮バネ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下部にそれぞれ配管、枝管、立ち下が
    り管、スプリンクラーヘッド等と接続できる接続部を有
    し、内部にオリフィスが形成され、該オリフィスの上部
    がすり鉢状の壁面となっていて、しかも該壁面の上には
    壁面に沿って下方に移動する時に流出口を狭める弁体が
    設置されていることを特徴とするスプリンクラー消火設
    備に設置する流量調整装置。
  2. 【請求項2】 前記弁体は、下部が末広がりの複数の脚
    から成る円筒体であることを特徴とする請求項1記載の
    スプリンクラー消火設備に設置する流量調整装置。
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