JP2632632B2 - 洋 傘 - Google Patents

洋 傘

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JP2632632B2
JP2632632B2 JP4277950A JP27795092A JP2632632B2 JP 2632632 B2 JP2632632 B2 JP 2632632B2 JP 4277950 A JP4277950 A JP 4277950A JP 27795092 A JP27795092 A JP 27795092A JP 2632632 B2 JP2632632 B2 JP 2632632B2
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孝祐 森脇
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は傘柄上での下ロクロの
摺動操作時に下ロクロの閉傘位置と開傘位置との間の途
中の位置から該下ロクロに対する附勢方向を逆転し、該
途中の位置より下方側では下方向き、上方側では上方向
きに下ロクロを摺動附勢するスプリングを、親骨におけ
る受骨枢着点よりも親骨先端側の一点と下ロクロにおけ
る受骨枢着点よりも下方側の一点とに両端を枢着して設
けてある洋傘に関し、同洋傘の開閉を手元付近での僅か
な量の操作で可能として使用の便利さを向上させるもの
である。
【0002】
【従来の技術】上述のようなスプリングを設けてある洋
傘は実公平3−27457号公報から公知であり、傘柄
上での途中の位置から上述のようにスプリングによる下
ロクロ附勢方向が逆転することから、同スプリングによ
って開傘状態及び閉傘状態がそれぞれ維持される。した
がって傘柄上で下ロクロを開閉傘位置に係止するための
2種の係止具(上ハジキ及び下ハジキ)が共に無くさ
れ、開閉傘に際しハジキ操作が全く不要であって、便利
に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は本洋傘が開
閉傘状態を維持するための上ハジキ及び下ハジキを有し
ないといった特性、及び下ロクロを傘柄上で開傘位置と
閉傘位置間の途中の位置まで昇降させると後はスプリン
グによる下ロクロ附勢力で自動的な開閉傘が得られると
いった特性を利用して、傘柄下端の手元付近での僅かな
操作により開閉傘を行えることとし、しかもその操作が
容易であるように図って、洋傘の使用の便利さを一層高
めることを狙いとする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのためにこの発明は図
1−6、図7及び図8にそれぞれ例示するように前述の
ようなスプリング7を設けてある洋傘において、上端に
上ロクロ2を固着してある傘柄1上に該傘柄よりも適当
量だけ短長の外筒8を摺動可能に被嵌し、下ロクロ3を
この外筒8上に摺動可能に配置する一方、該外筒8の上
端部付近に摺動可能に被嵌した中ロクロ9を設けてこの
中ロクロ9と親骨5間に短長の補助骨10を張設する。
また上記外筒8上に、閉傘状態からの外筒8の上昇によ
り該外筒上で中ロクロ9を押上げると共に開傘状態から
の外筒8の下降により該外筒上で下ロクロ3を押下げる
突起11であって閉傘状態で中ロクロ9の下面から若干
量だけ下方に位置する突起11と閉傘状態で下ロクロ3
の下面にほぼ接当する他の突起13とを、固定設置する
一方、上記外筒8の下端部を昇降操作部12に形成す
る。
【0005】
【作用】図1−6を参照して開閉傘作用を説明すると図
4,6に示す下ロクロ3位置がほぼ、前述のようにスプ
リング7による下ロクロ附勢方向が逆転する位置に対応
している。図1に示す閉傘状態から傘柄1下端の手元4
と昇降操作部12とをそれぞれ手で持ち、昇降操作部1
2に対し手元4を下向きに引張るか又は手元4に対し昇
降操作部12を押上げると傘柄1上で外筒8が押上げら
れることになる。そしてそれによっては先ず図2に示す
ように下方側の他の突起13が下ロクロ3を押上げて、
受骨6を介し親骨5を開傘回動させる。図1の閉傘状態
で中ロクロ9と上方側の突起11間にあった間隔αが外
筒8の上昇により埋められ図2に示すように突起11が
中ロクロ9に対し接当した後は、図3に示すように外筒
8の押上げにより突起11が中ロクロ9を押上げて補助
骨10を介し親骨5を開傘回動させ、この親骨5の開傘
回動により下ロクロ3は受骨6を介し、外筒8上で下方
側の他の突起13を離れて上昇動せしめられる。図4に
示す位置まで下ロクロ3が上昇し上ロクロ2との間の間
隔がせばまると親骨5と下ロクロ3間に張設されたスプ
リング7の附勢方向が逆転し、下ロクロ3がスプリング
7の作用で自動的に上昇せしめられて図5の開傘状態が
得られ、同状態がスプリング7の下ロクロ上昇附勢力に
よって維持される。
【0006】上で述べた開傘操作に際し先ず他の突起1
3により下ロクロ3を押上げて受骨6を介し、親骨5を
図2に示すように適当量だけ開傘回動させ、次に突起1
1により中ロクロ9を押上げて補助骨10を介しての親
骨5の開傘回動を得るようにしたことによっては、開傘
初期に要する操作力が小さくて済み開傘操作が容易とな
る。すなわち他の突起13を設けずして上方側の突起1
1を閉傘状態で中ロクロ9の下面にほぼ接するように配
置しておき、開傘時に最初から突起11により中ロクロ
9を押上げさせて補助骨10を介しての親骨5の開傘回
動を得るようにすることもできるが、上ロクロ2に対す
る親骨5の枢支点に近い位置で該親骨に接続された短長
の補助骨10を介し親骨5を回動させるのには大きな力
を要する。これに対し上ロクロ2に対する親骨5の枢支
点から遠い位置で該親骨に接続された長い受骨6を介し
ての親骨5の初期開傘回動は、比較的小さな力で得るこ
とができ、また図2に示すように親骨5が適当量だけ開
いた状態からは補助骨10と親骨5間の開角が大きく短
長の補助骨10によっても親骨5を容易に開傘回動させ
ることができるから、開傘操作が容易となるのである。
【0007】また図2に示す状態からは外筒8の僅かな
上昇による中ロクロ9の等量の上昇で短長の補助骨10
を介し親骨5が大きく開傘回動せしめられるから、受骨
6も大きく開傘回動してFロクロ3を大きく引上げ、こ
れからして下ロクロ3を直接に押上げて開傘を行う場合
と対比して格段に小さな、昇降操作部12ないし外筒8
の操作量でもって開傘を達成できる。なお勿論、本発明
洋傘でも下ロクロ3を直接に押上げて開傘することも可
能である。
【0008】図5に示す開傘状態から手元4及び昇降操
作部12をそれぞれ持って傘柄1上で外筒8を下降させ
ると、突起11が下降して図6に示すように下ロクロ3
を押して下降させて行く。図6の状態までの下ロクロ3
の下降が得られるとスプリング7による附勢方向がそれ
までとは逆転し下ロクロ3が下方向きに附勢され、下ロ
クロ3はスプリング7の作用で事後、受骨6を介し親骨
5を閉傘回動させつつ図1の閉傘位置まで自動的に下降
し、これにより得らた閉傘状態がスプリング7の下ロク
ロ3下降附勢力によって維持される。図6の状態は昇降
操作部12の鎖線図示位置から実線図示位置までの僅か
な下降操作量で得られる。なお勿論、開傘状態から下ロ
クロ3を持って直接に引下げ操作することによっても閉
傘を達成することができる。
【0009】
【実施例】図1−6が第1の実施例を示しており、外筒
8は図1の閉傘状態では傘柄1下端の手元4に僅かな間
隙をおいて下端で対面し、図5の開傘状態では傘柄1上
端の上ロクロ2に僅かな間隙をおいて上端で対面する長
さのものとされている。図1−6に示すように前記突起
11は図例では外筒8にリング状のものとして一体形成
され、本実施例では該突起11が図5の開傘状態で下ロ
クロ3の上面に接当するように配置して、外筒8上に設
けられている。図1に示す通り突起11は、閉傘状態で
中ロクロ9の下面との間に若干量αの間隔をおくように
配置されている。また前記他の突起13も図例では外筒
8にリング状のものとして一体形成され、図1に示す通
り閉傘状態で下ロクロ3の下面に接する配置として外筒
8上に設けられている。前記昇降操作部12は外筒8の
下端部に大径の環体を被嵌しピン20により固定するこ
とで、設けられている。図例では外筒8の上端に、中ロ
クロ9の抜止め用リング部8aを一体形成している。
【0010】前述した通りに親骨5と下ロクロ3間に張
設されているスプリング7は、親骨5における受骨6の
枢着点Aと親骨5への同スプリング7の枢着点Bとの間
隔を比較的小さく、下ロクロ3における受骨6の枢着点
Cと下ロクロ3への同スプリング7の枢着点Dとの間隔
を比較的大きく設定することにより、前述の実公平3−
27457号公報に詳細に説明されている通り、図4,
6に示すような下ロクロ3の昇降途中の位置からスプリ
ング7の下ロクロ3附勢方向が前述した通りに逆転する
こととなるように、設けられている。下ロクロ3には同
ロクロ3を直接操作して開閉傘を行う場合に備えて、下
方向きの操作筒部3aを一体形成してある。
【0011】昇降操作部12による操作で外筒8を傘柄
1上で昇降させて行う開閉傘時の作用は、発明の作用と
して前述した通りである。図1の閉傘状態から下ロクロ
3の操作筒部3aで下ロクロ3を押上げて開傘を行うと
きは、親骨5がもっばら受骨6を介して開傘回動せしめ
られ、ほぼ図4の位置まで下ロクロ3が押上げられると
後はスプリング7の作用で自動的な開傘が得られる。図
5の開傘状態から下ロクロ3を操作筒部3aで引下げ操
作して閉傘を行うときの作用は、昇降操作部12の操作
で閉傘を行うときの作用と実質的に異ならない。なお通
常の洋傘同様に傘柄1に上下方向に沿う凹溝を形成して
おき、同凹溝に摺動自在に嵌合する内向きの凸条を外筒
8に形成して、該外筒8の傘柄1上での回り止めを行っ
ておくのが望ましい。
【0012】図7は他の突起13の変形例に係る第2の
実施例を示しており、本実施例では図示の閉傘状態で下
ロクロ3の下面に接当するゴムリングをピン22により
外筒8に固定して、該ゴムリングにより他の突起13を
形成している。他の部分の構造、及び作用は第1の実施
例と変わりない。
【0013】図8は第3の実施例を示し、本実施例でも
突起11を外筒8上に、図示の閉傘状態で該突起11が
中ロクロ9の下面から若干量αだけ下方に位置するよう
に配置して設けると共に、図示閉傘状態で下ロクロ3の
下面にほぼ接当する他の突起13を外筒8上に固設して
いる。本実施例では前者の突起11が外筒8とは別体の
環体をピン24により外筒8に固定することで形成され
ている。また昇降操作部12を、外筒8の下端部に比較
的大径の筒体を被嵌し上下のピン14,15により外筒
8に固定することで形成する他、特に他の突起13を、
昇降操作部12形成用の上記筒体を上方向きに延長した
ものとして図示閉傘状態で下ロクロ3の下面にほぼ接当
させ、もって同筒体の上端部分を他の突起13に形成し
ている。作用は第1の実施例と変わりない。なお本実施
例に類似して、図7の昇降操作部12と他の突起13と
をゴム或いはプラスチック等から一体形成し外筒8の下
端部に被嵌固定することもできる。
【0014】
【発明の効果】前述のように作用する本発明によれば、
手元付近での昇降操作部12の僅かな昇降操作で洋傘の
開閉傘を行えるから、下ロクロ3を大きく押上げ操作し
て開傘を行い、また上方に大きく手を伸ばし下ロクロ3
を引下げ操作して閉傘を行う開閉傘操作と対比して、格
段に容易に開閉傘することが可能とされる。この長所は
濡れた傘についての開閉傘を行うとき従来の場合のよう
に服の袖を濡らす懸念がなくなること、また例えばゴル
フ傘とかパラソルのように大型の傘であっても極く簡単
に開閉傘できることで、特に顕著である。
【0015】また作用の項で前述した通り閉傘状態から
の初期開傘動を、他の突起13による下ロクロ3の押上
げにより受骨6を介し親骨5を開傘回動させることで
得、それにより親骨5が若干開いた状態から事後、突起
11によって中ロクロ9を押上げさせ補助骨10を介し
親骨5を開傘回動させることとし、開傘力の軽減を図っ
ているから、小さな操作量で開傘を行えるものでありな
がら軽快に開傘することができる。
【0016】さらに本発明は外筒8上に中ロクロ9を摺
動可能に設けておいて、開傘時に外筒8上の突起11が
該中ロクロ9に接当したときから外筒8の僅かな上昇量
で親骨5を大きく開傘回動させ、これによって受骨6を
介し下ロクロ3が大きく上昇動されることとし、もって
開傘時に昇降操作部12の僅かな上昇操作で開傘が達成
されることとしているが、閉傘時には同じ突起11によ
って今度は下ロクロ3を押下げさせて閉傘を得ることと
しており、下ロクロ3の押下げによる比較的長い受骨6
を介しての親骨5の閉傘回動は小さな力で得られ下ロク
ロ3の押下げに対し大きく抵抗するようなことはないか
ら、閉傘操作力も小さくて済み軽快に閉傘することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を閉傘状態で示す一部縦断、一部
省略正面図である。
【図2】第1の実施例を開傘操作の中途の状態で示す一
部縦断、一部省略正面図である。
【図3】第1の実施例を、図2の状態から更に開傘操作
を続行した状態で示す一部縦断、一部省略正面図であ
る。
【図4】第1の実施例を、図3の状態から更に開傘操作
を続行した状態で示ず一部省略縦断正面図である。
【図5】第1の実施例の一部分のみを開傘状態で示す一
部縦断、一部省略正面図である。
【図6】第1の実施例を、閉傘操作の中途の状態で示す
一部省略縦断正面図である。
【図7】第2の実施例の一部分のみを閉傘状態で示す一
部縦断、一部省略正面図である。
【図8】第3の実施例を閉傘状態で示す一部縦断、一部
省略正面図である。
【符号の説明】
1 傘柄 2 上ロクロ 3 下ロクロ 4 手元 5 親骨 6 受骨 7 スプリング 8 外筒 9 中ロクロ 10 補助骨 11 突起 12 昇降操作部 13 他の突起

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傘柄上での下ロクロの摺動操作時に下ロ
    クロの閉傘位置と開傘位置との間の途中の位置から該下
    ロクロに対する附勢方向を逆転し、該途中の位置より下
    方側では下方向き、上方側では上方向きに下ロクロを摺
    動附勢するスプリングを、親骨における受骨枢着点より
    も親骨先端側の一点と下ロクロにおける受骨枢着点より
    も下方側の一点とに両端を枢着して設けてある洋傘にお
    いて、上端に上ロクロ(2)を固着してある傘柄(1)
    上に該傘柄よりも適当量だけ短長の外筒(8)を摺動可
    能に被嵌し、下ロクロ(3)をこの外筒(8)上に摺動
    可能に配置する一方、該外筒(8)の上端部付近に摺動
    可能に被嵌した中ロクロ(9)を設けてこの中ロクロ
    (9)と親骨(5)間に短長の補助骨(10)を張設
    し、 また上記外筒(8)上に、閉傘状態からの外筒(8)の
    上昇により該外筒上で中ロクロ(9)を押上げると共に
    開傘状態からの外筒(8)の下降により該外筒上で下ロ
    クロ(3)を押下げる突起(11)であって閉傘状態で
    中ロクロ(9)の下面から若干量だけ下方に位置する突
    起(11)と閉傘状態で下ロクロ(3)の下面にほぼ接
    当する他の突起(13)とを、固定設置する一方、上記
    外筒(8)の下端部を昇降操作部(12)に形成したこ
    とを特徴とする洋傘。
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