JP2630847B2 - 地下貯水層を有するゴルフ用グリーン構造 - Google Patents
地下貯水層を有するゴルフ用グリーン構造Info
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- JP2630847B2 JP2630847B2 JP2020025A JP2002590A JP2630847B2 JP 2630847 B2 JP2630847 B2 JP 2630847B2 JP 2020025 A JP2020025 A JP 2020025A JP 2002590 A JP2002590 A JP 2002590A JP 2630847 B2 JP2630847 B2 JP 2630847B2
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- water
- reservoir
- underground
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- green structure
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、60〜100haといった広い範囲に点在するゴ
ルフ場のグリーンに降った雨水や潅漑水を、含有かつ安
全に利用し、周辺水理の涵養に資することができるゴル
フ場のグリーン構造に関するものである。
ルフ場のグリーンに降った雨水や潅漑水を、含有かつ安
全に利用し、周辺水理の涵養に資することができるゴル
フ場のグリーン構造に関するものである。
（従来の技術） ゴルフ場のグリーンは、踏圧固結を防止するためと、
芝草育成基盤の透水性をよくするために、砂質化され、
暗渠排水の方法がとられている。グリーンに降った雨水
や撤水は芝草育成基盤に浸透し、その浸透水は、基盤下
方の岩盤層などの不浸透層上部で集水され、下流へ放流
されているか又は更に地下に自然浸透されている。
芝草育成基盤の透水性をよくするために、砂質化され、
暗渠排水の方法がとられている。グリーンに降った雨水
や撤水は芝草育成基盤に浸透し、その浸透水は、基盤下
方の岩盤層などの不浸透層上部で集水され、下流へ放流
されているか又は更に地下に自然浸透されている。
（発明が解決しようとする課題） 上記のように、グリーンの踏圧固結の防止のために芝
草育成基盤を砂質化すると、基盤の透水性はよくなる
が、浸透水が他の天然土壌層よりも速く流下するため、
浸透水の放出には自然環境を害さないようにする配慮が
必要である。そのため、グリーンの表層部（床土部）の
みを砂質化している場合もあるが、このようにすると水
はけが悪くなり、グリーン表面の流水の問題を生じる。
又、浸透水の流下を速くすることやグリーン表面の流水
は、グリーンへ撤布した肥料や農薬などが芝草に充分吸
収されることなく、浸透水などとともに地下水や河川に
流入するとの誤解を世人に与えている。更には、これら
浸透水等の地下水への流入を防ぎ、治山、治水涵養が急
務となっている。
草育成基盤を砂質化すると、基盤の透水性はよくなる
が、浸透水が他の天然土壌層よりも速く流下するため、
浸透水の放出には自然環境を害さないようにする配慮が
必要である。そのため、グリーンの表層部（床土部）の
みを砂質化している場合もあるが、このようにすると水
はけが悪くなり、グリーン表面の流水の問題を生じる。
又、浸透水の流下を速くすることやグリーン表面の流水
は、グリーンへ撤布した肥料や農薬などが芝草に充分吸
収されることなく、浸透水などとともに地下水や河川に
流入するとの誤解を世人に与えている。更には、これら
浸透水等の地下水への流入を防ぎ、治山、治水涵養が急
務となっている。
本発明は、上記種々の問題点を解決するためのもの
で、芝草育成基盤の透水性の向上を更に高め、グリーン
表面の流水をなくし、地下に集水することにより、その
水を再利用することを目的とするもので、暗渠排水を集
水・放出するのではなく、地下構造を多間隙化、多孔隙
化し、貯水能力を上げ、天然水の再利用する途を拓いた
ものである。
で、芝草育成基盤の透水性の向上を更に高め、グリーン
表面の流水をなくし、地下に集水することにより、その
水を再利用することを目的とするもので、暗渠排水を集
水・放出するのではなく、地下構造を多間隙化、多孔隙
化し、貯水能力を上げ、天然水の再利用する途を拓いた
ものである。
（問題を解決するための手段） 本発明のゴルフ場のグリーン構造は、雨水などの地下
浸透を更に高め、表面芝生を良好に成育させるために、
従来の床土を浅くし、床土資材として使用する砂などの
基材を粗粒化し、又、地下の保水、貯水能力を上げるた
め、床土より下方の地下構造を深くし、該地下構造部を
より粗い粒子の孔隙の多い資材を使用して構成し、該地
下構造部の底面に地下への浸透防止のため防水シート等
を敷設して非透水層を形成し、該地下構造部に貯水能力
を持たせたことを特徴とする。
浸透を更に高め、表面芝生を良好に成育させるために、
従来の床土を浅くし、床土資材として使用する砂などの
基材を粗粒化し、又、地下の保水、貯水能力を上げるた
め、床土より下方の地下構造を深くし、該地下構造部を
より粗い粒子の孔隙の多い資材を使用して構成し、該地
下構造部の底面に地下への浸透防止のため防水シート等
を敷設して非透水層を形成し、該地下構造部に貯水能力
を持たせたことを特徴とする。
本発明において、貯水能力を持たせるための上記地下
構造部（貯水層）は、多間隙化、多孔隙化するために、
好ましくは軽石や溶岩あるいはコークスなど多孔質無機
資材で、粒径が20mm以上の大礫を用いて構成するとよ
い。この地下構造部は、ゴルフ場の地形、グリーン周辺
の土質などによって異なるが、50cm以上の層厚とすると
よい。
構造部（貯水層）は、多間隙化、多孔隙化するために、
好ましくは軽石や溶岩あるいはコークスなど多孔質無機
資材で、粒径が20mm以上の大礫を用いて構成するとよ
い。この地下構造部は、ゴルフ場の地形、グリーン周辺
の土質などによって異なるが、50cm以上の層厚とすると
よい。
地下構造部の底面を構成する非透水層は、布地に防水
処理を施した防水シートでもよく、又プラスチックシー
トでもよい。更には、粘土質層等としてもよい。
処理を施した防水シートでもよく、又プラスチックシー
トでもよい。更には、粘土質層等としてもよい。
地下の貯水層に貯留した水は、揚水タンクに集水させ
たのち、揚水タポンプでスプリンクラーや場内潅漑水シ
ステムに送水してそれぞれの用途に使用する。なお、貯
留水は必ずしも揚水タンクに集める必要はなく、直接貯
水層から汲み上げられるようにしてもよい。
たのち、揚水タポンプでスプリンクラーや場内潅漑水シ
ステムに送水してそれぞれの用途に使用する。なお、貯
留水は必ずしも揚水タンクに集める必要はなく、直接貯
水層から汲み上げられるようにしてもよい。
（実施例） 以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明は
これに限られるものではない。
これに限られるものではない。
グリーン用芝生を植付け、育成するための床土１は、
３〜7cmの厚さで良好なパッテング面が供給できた。こ
の場合の床土基材としては、直径1.0mm以上のよく揃っ
た砂を用いることにより、透水が速く、かなりの雨量の
降雨でも表面流水が認められなくなった。
３〜7cmの厚さで良好なパッテング面が供給できた。こ
の場合の床土基材としては、直径1.0mm以上のよく揃っ
た砂を用いることにより、透水が速く、かなりの雨量の
降雨でも表面流水が認められなくなった。
床土１の下20〜40cmは根圏層２となし、軽石、焼き粘
土、セラミックスなどの多孔質な礫状資材を用い、それ
らの表面および孔隙に保水、保肥能力を持たせる。用い
る資材の粒径組成は、2.0以上の礫とし、粒間間隙は非
毛管間孔隙となし、重力水はすべて下方に浸透するよう
にさせる。軽石等の資材の表面に芝草11の根がからみつ
き、資材が保持していた養水分の供給を受けるととも
に、多孔隙のため芝草の根の呼吸も旺盛であり、正常か
つ強健に成育する。
土、セラミックスなどの多孔質な礫状資材を用い、それ
らの表面および孔隙に保水、保肥能力を持たせる。用い
る資材の粒径組成は、2.0以上の礫とし、粒間間隙は非
毛管間孔隙となし、重力水はすべて下方に浸透するよう
にさせる。軽石等の資材の表面に芝草11の根がからみつ
き、資材が保持していた養水分の供給を受けるととも
に、多孔隙のため芝草の根の呼吸も旺盛であり、正常か
つ強健に成育する。
根圏層２の下にネット又は不織布を敷き、貯水層４へ
の根圏層２の資材の混入を防止するバリア３とする。
の根圏層２の資材の混入を防止するバリア３とする。
バリア３の下方を貯水層４とする。貯水層４は、ゴル
フ場の地勢によって異なるが、50cm以上の深さとし、浸
透水の貯留にあたらせる。この貯水層４は、上記根圏層
２の資材と材質的にはほぼ同様な多孔質のものを使用す
るのが好ましいが、貯水層４の場合には通常の砕石でも
よい。しかし貯水層４の場合には、根圏層２の資材より
も大きな粒径のものを使用する。軽石などは、粒径が20
mm以上の大礫を用いる。例えば20〜40mmの軽石を使用し
た場合、その粒間孔隙は、49.4％となり、深さ50cmの場
合、水250mm水深の水を保留することができた。
フ場の地勢によって異なるが、50cm以上の深さとし、浸
透水の貯留にあたらせる。この貯水層４は、上記根圏層
２の資材と材質的にはほぼ同様な多孔質のものを使用す
るのが好ましいが、貯水層４の場合には通常の砕石でも
よい。しかし貯水層４の場合には、根圏層２の資材より
も大きな粒径のものを使用する。軽石などは、粒径が20
mm以上の大礫を用いる。例えば20〜40mmの軽石を使用し
た場合、その粒間孔隙は、49.4％となり、深さ50cmの場
合、水250mm水深の水を保留することができた。
下表に数種の資材を用いて貯水層を形成したときの孔
隙率の測定結果を示す。表中、粒間孔隙は粒子間の間隙
を示し、V/V％は容積／容積％（容積比％）を示す。
隙率の測定結果を示す。表中、粒間孔隙は粒子間の間隙
を示し、V/V％は容積／容積％（容積比％）を示す。
貯水層４の50cm以上の深さの底面には、１〜２％の水
勾配をつけた基盤土６を堀削、整形し、その表面に不透
性のシート５を、貯水層４の底面および側面に密着させ
て敷設し、漏水を防止し、貯水層底面とする。貯水層４
の底面水尻から送水管10をつなぎ、揚水タンク８に導水
する。揚水タンク８の大きさは特に限定されないが、５
〜10トン程度の容量とするとよい。貯水層４と揚水タン
ク８の間にバルブ７を設置して、貯水層４と揚水タンク
８の貯水量を調節する。貯留水は揚水タンク８から揚水
ポンプ９により揚水し、吸収管12によりスプリンクラー
や場内潅漑水システムに送水し、芝生潅水などに利用す
る。
勾配をつけた基盤土６を堀削、整形し、その表面に不透
性のシート５を、貯水層４の底面および側面に密着させ
て敷設し、漏水を防止し、貯水層底面とする。貯水層４
の底面水尻から送水管10をつなぎ、揚水タンク８に導水
する。揚水タンク８の大きさは特に限定されないが、５
〜10トン程度の容量とするとよい。貯水層４と揚水タン
ク８の間にバルブ７を設置して、貯水層４と揚水タンク
８の貯水量を調節する。貯留水は揚水タンク８から揚水
ポンプ９により揚水し、吸収管12によりスプリンクラー
や場内潅漑水システムに送水し、芝生潅水などに利用す
る。
（発明の効果） 本発明のグリーン構造によれば、ゴルフ場内の芝生区
域の中で、管理密度の最も高いグリーンにおいて、その
浸透水を再利用し、周辺環境の保全と、水の有効利用が
図れる。本発明においては、重力水を保持し得ない粗孔
隙を有する根圏層２を30cmの深さとし、その下の貯水層
４の深さを50cmに造成した場合、根圏層２の孔隙率10〜
20％と、貯水層４の孔隙率45〜50％とから、貯水量は25
5〜310mmとなり、よほどの異常豪雨でもない限りは、浸
透水を不必要に場外に排出させる必要がなく、場内処理
が可能となった。本発明の場合、浸透水をほぼ100％再
利用できるため、ゴルフ場における農薬撤布等に基く環
境汚染等の誤解を解くのにも充分役立つものである。
域の中で、管理密度の最も高いグリーンにおいて、その
浸透水を再利用し、周辺環境の保全と、水の有効利用が
図れる。本発明においては、重力水を保持し得ない粗孔
隙を有する根圏層２を30cmの深さとし、その下の貯水層
４の深さを50cmに造成した場合、根圏層２の孔隙率10〜
20％と、貯水層４の孔隙率45〜50％とから、貯水量は25
5〜310mmとなり、よほどの異常豪雨でもない限りは、浸
透水を不必要に場外に排出させる必要がなく、場内処理
が可能となった。本発明の場合、浸透水をほぼ100％再
利用できるため、ゴルフ場における農薬撤布等に基く環
境汚染等の誤解を解くのにも充分役立つものである。
図は本発明の一実施例を示す断面模式図である。 図中、 １……床土、２……根圏層 ３……バリア、４……貯水層 ５……不透性のシート、６……基盤土 ７……バルブ、８……揚水タンク ９……揚水ポンプ、10……送水管 11……芝草、12……給水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−112804（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−134217（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−110274（ＪＰ，Ａ) 実願 昭57−15129号（実開 昭58− 117846号）の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム （ＪＰ，Ｕ)
Claims (1)
- 【請求項１】グリーンの地下構造を、表面側から下方に
向けて、芝生を形成するための粒径1mm以上の大きさの
砂を含む厚さ３〜7cmの床土と、外床土の下面に軽石、
焼き粘土、セラミックなどの2mm以上の大きさの礫状資
材からなる厚さ20〜40cmの根圏層を形成し、該根圏層の
下部にネット、不織布等の透水性のバリアを敷き、該バ
リアの下部に粒径が20mm以上の多孔質礫状資材からなる
間隙を多くもたせた降水、潅漑水を貯留するための貯水
層を50cm以上の深さで形成し、該貯水層の底面を防水性
シートを敷設するか又は粘土質で固めて非透水層とな
し、該貯水層内に貯留される水を必要な時に採水するた
めの手段を設けたことを特徴とする地下貯水層を有する
ゴルフ場グリーン構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2020025A JP2630847B2 (ja) | 1990-01-30 | 1990-01-30 | 地下貯水層を有するゴルフ用グリーン構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2020025A JP2630847B2 (ja) | 1990-01-30 | 1990-01-30 | 地下貯水層を有するゴルフ用グリーン構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03224583A JPH03224583A (ja) | 1991-10-03 |
| JP2630847B2 true JP2630847B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=12015543
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2020025A Expired - Fee Related JP2630847B2 (ja) | 1990-01-30 | 1990-01-30 | 地下貯水層を有するゴルフ用グリーン構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2630847B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102767302B (zh) * | 2012-07-23 | 2014-08-13 | 中国神华能源股份有限公司 | 一种分布式地下水库及其建造方法 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57110274A (en) * | 1980-12-27 | 1982-07-09 | Toyo Green Kk | Method of creating earth's surface on which lawn, etc. are planted |
| JPS58117846U (ja) * | 1982-02-08 | 1983-08-11 | 東洋グリーン株式会社 | 芝生等植生地表の保水装置 |
| JPS59134217A (ja) * | 1983-01-20 | 1984-08-01 | Toyo Green Kk | 芝生等地表植生物の給水および排水方法 |
| JPS61162603A (ja) * | 1985-01-08 | 1986-07-23 | 東洋グリ−ン株式会社 | グリーン土壌の暗渠排水方法 |
| JPS62112804A (ja) * | 1985-11-13 | 1987-05-23 | 株式会社 吉崎技術研究所 | スポ−ツフイ−ルドの造成方法 |
-
1990
- 1990-01-30 JP JP2020025A patent/JP2630847B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03224583A (ja) | 1991-10-03 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |