JP2629966B2 - 電気湯沸し器 - Google Patents

電気湯沸し器

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭で使用される電気湯沸し器に関し、
特に水量検出に関するものである。
従来の技術 従来のこの種の電気湯沸し器は、第6図に示すように
容器19の底部と上部に連通する水量管20の途中に適所に
複数のフォトインタラプタ21を配し、これらフォトイン
タラプタ21の設置間隔よりも長い浮子22を水量管20内に
位置させ、必ずいずれかのフォトインタラプタ21により
浮子22の位置を検出していた。そしてどのフォトインタ
ラプタ21が浮子22を検出したかにより水位を判別して段
階的に表示していた。また、31は容器19を加熱する加熱
手段である。
また、電気湯沸し器における他の水量(水位)検出と
して第7図および第8図に示すものがある。すなわち、
水量管20の外周面に設けた電極5と、水量管20内の水そ
のものとを2つの電極とする静電容量24により周波数が
決まる発振回路を構成し、この発振周波数から水量を演
算して表示するものもあった。この発振回路は第8図に
示すように、インバータ27,28,抵抗29,30,静電容量24
(抵抗25成分を含む)から構成されていた。
発明が解決しようとする課題 しかし、前者の電気湯沸し器における水量検出の分解
能を高めるためには、フォトインタラプタ21の数を増や
さねばならず、高価になるうえ、部品点数が増えて構成
が複雑になるという課題を有していた。
また、後者の電気湯沸し器における水量検出では、水
量管20内の水を直接電極としているため、純水のような
電気伝導度の小さい水の場合は抵抗25が大きくなり安定
な発振ができないという課題を有していた。さらに、電
極23は対地間に浮遊容量26を有するため、人が近づくと
発振周波数が変化し水量検出に誤差を生じるという課題
も有していた。
本発明は上記課題に鑑み、水質や外乱に左右されず、
高い分解能で精度良く水量検知できる電気湯沸し器を得
ることを第1の目的とする。
第2の目的は温度影響による水量検知精度の低下を防
止することにある。
第3の目的は水量検出の信頼性を高めることにある。
課題を解決するための手段 上記目的を解決するために、本発明は、加熱手段によ
り加熱される容器と、容器の下部と連通する水量管と、
水量管の中に設けた浮子と、前記水量管の下部に設けた
超音波送受信素子と、この超音波送受信素子を駆動する
駆動手段と、前記浮子による反射波を受けた超音波送受
信素子の受信出力を増幅波形整形する受信手段と、前記
駆動手段が出力してから前記受信手段が出力するまでの
時間を計時するタイマ手段と、このタイマ手段の計時出
力から水量を演算する水量検出手段と、検出水量を表示
する水量表示手段とを備え、前記超音波送受信素子は受
信手段出力を入力するまでに待機時間を設けたことを特
徴とする電気湯沸かし器とする。
作用 前記手段により、水量管下部に設けた超音波送受信素
子から出力されて、水量管内の浮子により反射されて返
ってきた反射波を受信し、送信から受信までの時間を計
時して、この時間から水量を演算して求めるものである
から、水質に関係なく精度良く水量を検知することが出
来るものである。また、超音波送受信素子は受信手段出
力を入力するまでに待機時間を設けたことを特徴として
いるので、機械的残響による影響を極めて少なくするこ
とが出来る。
実 施 例 以下、本発明の一実施例について第1図および第2図
を参照して説明する。第1図に示すように、容器1の上
部と底部とで連通する水量管2の下部に超音波送受信素
子9を設け、駆動手段10により駆動し水量管2内の上方
に向けて超音波を出力する。受信手段11は水量管2内の
浮子12で反射された超音波を前記超音波送受信素子9を
介して受信し、タイマ手段13に出力する。タイマ手段13
は前記駆動手段10により送信してから受信手段11により
反射波を受信するまでの時間を計時し、水量検出手段14
に出力する。水量検出手段14は、時間データから水量を
演算して、水量表示手段15に出力する。16は容器1を加
熱する加熱手段で、ヒータ,誘導加熱用の加熱コイル等
である。
次に第2図により動作を説明する。まずステップ101
で、前記駆動手段10により超音波を出力し、ステップ10
2でタイマ手段13による計時をスタートする。ステップ1
03,104により超音波出力を継続時間10μsecのバースト
パルスとする。次に、ステップ105で40μsec待機する。
本実施例においては、超音波送受信素子9を小さく構成
し、かつ、指向特性を良くするために、超音波の送信と
受信に同一の圧電素子を用いている。ところが、超音波
の出力停止後も超音波送受信素子9および水量管2など
には機械的振動が残っており、この減衰振動と、浮子12
による反射波を正しく区別するためにステップ105の待
機時間を設けている。ここで、水量検出の下限を考えて
みる。超音波の送信から受信までの時間をtとし、超音
波送受信素子9と浮子12との距離をl.水中での音速をC
=1500m/secとすると、 となる。
第2図のステップ105で40μsec待機するからt=40×
10-6〔sec〕を用いて そこで本実施例においては、超音波送受信素子9の設
置位置を容器1の底面よりも約40mm下方にしている。次
に第2図のステップ105の待機時間が経過すると、ステ
ップ106で前記受信手段11の出力を入力してみて、反射
波を受信しているかどうかをステップ107でチェックす
る。反射波を受信するとステップ108に進みタイマ手段1
3による計時を停止し、ステップ109で送信から受信まで
に要した時間をもとに水量を演算する。
次に、水量検出の分解能について述べる。本実施例に
おいて、第2図のステップ106,107によりサンプリング
間隔は4μsecであり、これをΔtとして、浮子12まで
の距離の分解能をΔlとすると、 となる。容器1は有底円筒形であり、半径約75〔mm〕の
ものを使用しているので、水量検知の分解能ΔVは、 ΔV=πr2・Δl =π×7.52×0.3 ≒53〔c.c.〕 となる。
本実施例では、前記水量検出手段14により、水量を演
算し求めたのち、100〔c.c.〕未満を切り捨てて水量表
示手段15に表示している。
次に、本発明の他の実施例について第3図〜第5図を
参照して説明する。本実施例では第3図に示すように、
温度検出手段18により、容器1の外底部に圧接された温
度検出素子17の出力を入力して、容器1の湯温を間接的
に検出して水量検出手段14に出力する構成としている。
そして水量検出手段14はタイマ手段13の計時データから
水量を演算し、さらに温度検出手段18の検出温度により
補正演算を行ない、水量表示手段15がこれを表示する。
次に第4図により動作を説明する。ステップ101〜108
までは第1の実施例と同様であり、その説明を省略す
る。ステップ108でタイマ手段13による計時を停止し、
ステップ110で送信から受信までに要した時間tをもと
に、水量を求める。ここではまず、水中の超音波の音速
CをC=1500m/secとして、超音波送受信素子9と浮子1
2との距離lを計算する。例えばt=200μsecの場合
は、 となり、浮子12は超音波送受信素子9の上方150mmの位
置に浮んでいることになる。そして、前述したように超
音波送受信素子9が容器1の底部よりも下方に位置して
いる分と、浮子12の超音波反射面と水面との差を合わせ
て、本実施例では40mmを補正し、容器1底面から水面ま
での距離l′は110mmであるとわかる。容器1は円筒形
状であるので、超音波の水中音速を1500m/secと仮定し
たときの標準水量が決まる。
次にステップ111で温度検出手段18の温度データを入
力し、温度補正を行う。第5図に示すように、水中での
超音波の音速は、通常、電気湯沸し器を用いる条件でマ
イナス6%〜プラス4%程度変化するが、本実施例で
は、偏差量1%を目安として補正を行ない、10c.c.未満
は四捨五入により求めた。こうして演算して求められた
水量は水量表示手段15によって表示される。
この結果、容器1内の残水量を簡単に知ることができ
る。また、この水量表示は、湯呑み等に湯を注いでいる
ときも行なわれているので、所定の量だけ湯を出す場合
などにも便利である。
発明の効果 以上述べたように、本発明によれば、水量管下部に設
けた超音波送受信素子から出力されて、水量管内の浮子
により反射されて返ってきた反射波を受信し、送信から
受信までの時間を計時して、この時間から水量を演算し
て求めるものであるから、水質に関係なく精度良く水量
を検知することが出来るものである。また、超音波送受
信素子は受信手段出力を入力するまでに待機時間を設け
たことを特徴としているので、機械的残響による影響を
極めて少なくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における電気湯沸し器のブロ
ック図、第2図は同実施例の動作を示すフローチャー
ト、第3図は本発明の他の実施例における電気湯沸し器
のブロック図、第4図は同実施例の動作を示すフローチ
ャート、第5図は温度と音速との関係を示すグラフ、第
6図は従来例を示す電気湯沸し器の構成図、第7図は他
の従来例を示す電気湯沸し器の構成図、第8図は同水量
検知回路を構成する発振回路の回路図である。 1……容器、2……水量管、9……超音波送受信素子、
10……駆動手段、11……受信手段、12……浮子、13……
タイマ手段、14……水量検出手段、15……水量表示手
段、16……加熱手段、17……温度検出素子、18……温度
検出手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 効司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−185224(JP,A) 特開 昭56−61619(JP,A) 実開 昭64−47323(JP,U) 実開 昭60−150428(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱手段により加熱される容器と、容器の
    下部と連通する水量管と、水量管の中に設けた浮子と、
    前記水量管の下部に設けた超音波送受信素子と、この超
    音波送受信素子を駆動する駆動手段と、前記浮子による
    反射波を受けた超音波送受信素子の受信出力を増幅波形
    整形する受信手段と、前記駆動手段が出力してから前記
    受信手段が出力するまでの時間を計時するタイマ手段
    と、このタイマ手段の計時出力から水量を演算する水量
    検出手段と、検出水量を表示する水量表示手段とを備
    え、前記超音波送受信素子は受信手段出力を入力するま
    でに待機時間を設けたことを特徴とする電気湯沸かし
    器。
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