JP2628146B2 - ケーソン内掘削機の接触防止方法 - Google Patents

ケーソン内掘削機の接触防止方法

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JP2628146B2 JP6191165A JP19116594A JP2628146B2 JP 2628146 B2 JP2628146 B2 JP 2628146B2 JP 6191165 A JP6191165 A JP 6191165A JP 19116594 A JP19116594 A JP 19116594A JP 2628146 B2 JP2628146 B2 JP 2628146B2
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    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
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    • E02F9/20Drives; Control devices
    • E02F9/2025Particular purposes of control systems not otherwise provided for
    • E02F9/2033Limiting the movement of frames or implements, e.g. to avoid collision between implements and the cabin

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  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中に埋設するケーソ
ン、特にニューマチックケーソンの作業室内を移動しな
がら地山を掘削する複数台の掘削機を円滑に運転するた
めのケーソン内掘削機の接触防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケーソンの作業室内の掘削作業
は、作業室内に入った作業者により行われていたが、最
近では作業室内に遠隔操作する掘削機を持ち込み、掘削
機を使って作業室内を無人で地山を掘削するケースが多
くなって来ている。さらに、ケーソンの大型化に伴い、
ケーソンの作業室内に複数台の掘削機を配置し、各掘削
機を遠隔操作し、地山の掘削を無人化する傾向にある。
そして、かかる掘削機の無人化運転の従来技術として
は、例えば特開昭63−206523号公報,特開平4
−136320号公報に記載の技術がある。
【0003】前掲特開昭63−206523号公報に記
載の従来技術では、ケーソンの作業室内における掘削機
の位置を検出する検出手段を備え、掘削機が相互に干渉
する危険性が生じた場合に、警報を発するようにしてい
る。
【0004】また、前掲特開平4−136320号公報
に記載の従来技術では、掘削機のバケットの間隔が予め
設定された値より小さくなったとき、遠隔操作室からの
接近方向の運転指令信号をカットして自動的に運転を一
旦停止させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前掲特開昭6
3−206523号公報に記載の従来技術では、接触の
判定範囲がその作業半径内全域であるため、掘削機1台
当たりの占有範囲が広く、同一地点での掘削や掘削土の
受け渡しができない。
【0006】また、前掲特開平4−136320号公報
に記載の従来技術では、掘削機間の距離について、バケ
ットの間隔だけを判断基準としているため、掘削機本体
同士や、掘削機本体とバケットが接触する場合には適応
できなかった。
【0007】さらに、前述した二者は掘削機相互の干渉
等のおそれが発生しても、警報の発令,または運転の一
旦停止にとどまっているため、その後の対応は作業者の
判断に委ねられていることとなり、誤って操作すれば掘
削機同士の接触事故が生じるおそれがあった。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、ケーソンの作業室内に
おける複数台の掘削機のあらゆる方向からの接触・衝突
をその危険性が解消されるまで確実に防止でき、かつ掘
削機1台当たりの制動範囲を小さく、つまり掘削機の接
触・衝突事故を防ぐための占有範囲を狭くなし得るケー
ソン内掘削機の接触防止方法を提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は掘削機が接触す
る危険性があるときは、接触する方向への動作だけを制
動させるため、操作者の誤操作による接触・衝突を防止
し得るケーソン内掘削機の接触防止方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明はケーソンの作業室内を移動しながら地山を
掘削する複数台の掘削機について、各掘削機の主要な部
位に接近限界を設定して掘削機全体を制動範囲で覆い、
各掘削機の主要な部位をポイントおよび直線に置き換え
て位置を検出し、前記各ポイントおよび直線間の実距離
を接近限界の和の値と比較することにより、平面上に隣
合う掘削機の制動範囲が接触しているかを監視し、前記
実距離が接近限界の和の値以下になったときは、接触の
危険性が解消されるまで掘削機同士の接触を回避させる
ようにしたものである。
【0011】また、前記目的を達成するため、本発明は
接触の危険性があると判断したとき、当該掘削機の少な
くとも稼働中の掘削機の各動作部の動作方向において、
接触する方向への動作を制御することとしたものであ
る。
【0012】
【作用】本発明では、複数台の掘削機について、各掘削
機の主要な部位をポイントおよび直線に置き換え、それ
ぞれのポイントおよび直線に接近限界を設定することに
より、掘削機同士が接近できる限界を示す制動範囲がで
き、制動範囲は掘削機を一回り大きくした大きさと形状
をしているので、掘削機1台当たりの占有範囲を必要最
低限にとどめることができるため、同一地点の掘削作業
や掘削土の受け渡し作業をスムーズに行うことができる
し、頻繁に制動が掛かり、作業が中断される不具合を解
消することができる。
【0013】また、本発明では主要な部位を示す各ポイ
ントおよび直線間の実距離を各々の接触限界の和の値と
比較することにより、当該掘削機の制動範囲の接触の有
無の判定、つまり当該掘削機の接触の危険性の有無を判
定し、該当掘削機に対して制動を掛けるようにしている
ので、平面上に隣合う掘削機同士のあらゆる部位および
方向の接触・衝突を監視することができる。
【0014】また、本発明では掘削機の接近限界の範囲
が接触し、掘削機同士の接触の危険性があると判断した
とき、各掘削機の各部動作のうち接触する方向への動作
に対して制動を掛けるため、誤操作による掘削機同士の
接触・衝突による事故を未然に防ぐことができるし、接
触を回避する方向への動作を行っていたときは動作を継
続して行えるので、作業が中断される頻度を軽減するこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0016】図1〜図5は本発明の一実施例を示すもの
で、図1はケーソンの作業室内に2台の掘削機を配置し
た場合の装置の一例を示す概念図、図2は図1の作業室
の平面図、図3は掘削機の接近限界および制動範囲の説
明図、図4は平面上に隣合う掘削機同士の接触の危険性
の判定の説明図、図5はブームとバケットを傾けた場合
と、ほぼ水平にした場合における長さの説明図、図6は
本発明方法の一例を示すフローチャートである。
【0017】図1および図2に示すケーソン躯体Aは、
円形断面に形成されている。このケーソン躯体Aの天井
スラブCの下方には作業室Bが設けられている。また、
天井スラブCの下面には同心円状に、2組の走行レール
D,D′が取り付けられている。一方、ケーソン躯体A
の外部には遠隔操作室Eが設置されている。
【0018】前記作業室B内には、この実施例では図2
に示すごとく、3台の掘削機が配置されているが、以下
の説明では2台の掘削機1,1′を対象として説明す
る。
【0019】前記掘削機1,1′は、図1に示すよう
に、それぞれ掘削機本体1a,1a′と、ブーム1c,
1c′と、バケット1b,1b′とを有して構成され、
当該走行レールD,D′に移動可能に懸架され、地山G
を掘削するようになっている。
【0020】前記掘削機1,1′を遠隔操作し、掘削機
同士の接触を防止し、かつ作業室B内を監視する装置
は、図1に示すように、掘削機1,1′に設けられたセ
ンサ2a,2a′〜2f,2f′と、掘削機1,1′の
操作器3,3′,3a,3a′と、掘削機制御コンピュ
ータ4,4′と、掘削機表示コンピュータ5,5′と、
ケーソンセンサ6と、統合コンピュータ7および統合表
示コンピュータ8と、函内監視カメラ9a,9a′と、
掘削機搭載カメラ9b,9b′と、モニタ9c,9c′
とを備えて構成されている。
【0021】前記センサ2a,2a′は掘削機1,1′
の走行(移動)方向を検出し、センサ2b,2b′は掘
削機本体1a,1a′の旋回角度を検出し、センサ2
c,2c′はブーム1c,1c′の上下方向の位置を検
出し、センサ2d,2d′はブーム1c,1c′の伸縮
(長さ)を検出し、センサ2e,2e′はバケット1
b,1b′におけるブーム1c,1c′の中心軸周りの
角度を検出し、センサ2f,2f′はバケット1b,1
b′の上下方向の位置を検出し、その検出値を当該掘削
機制御コンピュータ4,4′、掘削機表示コンピュータ
5,5′および統合コンピュータ7に送り込むようにな
っている。
【0022】前記操作器は、遠隔操作器3,3′と、搭
乗操作器3a,3a′とを有している。遠隔操作器3,
3′は遠隔操作室E内に設置されていて、遠隔操作時に
用い、搭乗操作器3a,3a′は掘削機1,1′の座席
に設置されていて、オペレータが搭乗したときに用いる
よう、切り換えて使用する。
【0023】前記掘削機制御コンピュータ4,4′は、
当該操作器3,3′,3a,3a′、掘削機表示コンピ
ュータ5,5′、および統合コンピュータ7と各種デー
タの授受を行う。さらに、掘削機制御コンピュータ4,
4′は操作器3,3′,3a,3a′および統合コンピ
ュータ7からの制御信号を取り込み、掘削機1,1′の
駆動部を制御し、掘削機1,1′を個別に与えた可動範
囲内で動作させるようになっている。
【0024】前記掘削機表示コンピュータ5,5′に
は、それぞれ表示部5a,5a′と、記録部5b,5
b′とが接続されている。この掘削機表示コンピュータ
5,5′は、当該掘削機制御コンピュータ4,4′に接
続されていて、掘削機制御コンピュータ4,4′から当
該掘削機1,1′のデータを取り込み、その掘削機1,
1′の位置や姿勢を表示し、必要によりデータを記録す
るようになっている。
【0025】前記ケーソンセンサ6は、ケーソン躯体A
や、図1に示す天井スラブCに取り付けられ、ケーソン
躯体Aの傾斜の状態を検出し、他のセンサにより作業室
B内の圧気状態等を検出し、その検出した状態値を統合
コンピュータ7を経由して統合表示コンピュータ8に送
り込むようになっている。
【0026】前記函内監視カメラ9a,9a′は、作業
室B内に設置され、ケーソン躯体Aの刃口と地山Gとの
状態等を撮影し、その映像信号を遠隔操作室E内の当該
モニタ9c,9c′に送り込む。一方、掘削機1,1′
の搭載カメラ9b,9b′は、当該掘削機1,1′の作
業室B内における地盤の状況等を把握し、掘削機1,
1′の遠隔操作に供するようになっている。
【0027】前記統合コンピュータ7は、前記掘削機
1,1′のセンサ2a,2a′〜2f,2f′から掘削
機1,1′の各部の位置,姿勢の検出値、ケーソンセン
サ6からはケーソン躯体Aおよび作業室B内の状態値、
外部入力装置や内部記録装置からは掘削機1,1′およ
び作業室Bの大きさに関するデータをそれぞれ取り込
む。そして、統合コンピュータ7は少なくとも掘削機
1,1′の接近限界r1 ,r1 ′〜r3 ,r3 ′、掘削
機1,1′の接触の危険性の有無、掘削機1,1′が接
触する危険性があるときは各掘削機の接触する動作方
向、これら掘削機1,1′の動作方向に対する制動信号
をそれぞれ演算し、各動作部の掘削機制御コンピュータ
4,4′に送り込むように構成されている。
【0028】前記統合表示コンピュータ8は、前記統合
コンピュータ7に接続されている。また、統合表示コン
ピュータ8には表示部8aと、記録部8bと、出力部8
cとが接続されている。そして、この統合表示コンピュ
ータ8は統合コンピュータ7を経由して掘削機1,1′
のセンサ2a,2a′〜2f,2f′やケーソンセンサ
6から検出値を取り込み、表示し、記録し、必要により
出力するようになっている。
【0029】図3で示す掘削機1の接近限界を示す範囲
10をここでは制動範囲とし、制動範囲について説明す
る。
【0030】掘削機1の主要な部位をここでは本体1
a、ブーム1c、バケット1bの三つとし、主要な部位
1a〜1cは掘削機本体1a、バケット1bのそれぞれ
の中心をポイントP1 ,P2 、ブーム1cをポイントP
1 ,P2 を結んだ直線Laに置き換える。ポイント
1 ,P2 および直線Laには、それぞれの部位の最も
離れた箇所に接近できる間隔を加えた接近限界r1 ,r
2 ,r3 をそれぞれ設定することにより、制動範囲10
が形成される。
【0031】ここでは、バケット1bの接近限界r2
大きさを、バケット1bが開閉,回転動作を行ったとき
に最も離れた箇所に接近できる限界を加えた長さとして
設定したことにより、バケット1bが開閉あるいは回動
動作を行っても位置の変位を計算しなくとも良いように
なっている。また、ブーム1cの接近限界r3 の大きさ
は、バケット1bの接近限界r2 の大きさに合わせ、前
記二者の大きさの相違による段差をなくすことにより、
掘削機本体1aあるいはバケット1bが段差に挟み込ま
れないようにするとともに、接近限界r2 とr3 のデー
タを共有化するためである。
【0032】この制動範囲10同士が接触すると、掘削
機に接触の危険があると判定される。以下に制動範囲1
0の接触を判定する方法を説明する。
【0033】まず、図6に示すステップ11において、
統合コンピュータ7にケーソンの作業室B内の平面上に
隣合う掘削機1,1′の大きさ,位置および方向に関す
るデータを取り込む。掘削機1,1′の大きさに関する
データとして接触防止方法に必要なデータは、平面上に
おけるレールD,D′の基準寸法、ブーム1c,1c′
の大きさである。このブーム1c,1c′の大きさは、
ブーム1c,1c′を上下方向に動かした大きさを含
む。前記掘削機1,1′の各部の大きさについてのデー
タは、掘削機1,1′の例えば仕様書に基づいて統合表
示コンピュータ8の記録部8aに予め記録するととも
に、統合表示コンピュータ8から統合コンピュータ7に
取り込む。前記掘削機1,1′の位置および方向に関す
るデータは、掘削機1,1′に設けられたセンサ2a,
2a′〜2f,2f′で検出された検出値を取り込む。
【0034】次に、ステップ12で、掘削機1,1′の
作業室B内の平面座標での各々の位置を演算する。掘削
機1,1′の位置の演算は、図3に示すように、平面座
標を用いて掘削機1については、掘削機本体1aの中央
にポイントP1 を定め、バケット1bの中央にポイント
2 を定め、二つのポイントP1 ,P2 を直線Laで結
ぶ。掘削機1のブーム1cは、二つのポイントP1 ,P
2 を結んだ直線Laとして取り扱う。掘削機1′につい
ても、掘削機本体1a′の中央にポイントP1′を定
め、バケット1b′の中央にポイントP2 ′を定め、二
つのポイントP1′,P2 ′を直線La′で結ぶ。掘削
機1′のブーム1c′は、二つのポイントP1 ′,
2 ′を結んだ直線La′として取り扱う。
【0035】バケットを示すポイントP2 〜P2 ′の位
置は、ブーム1c,1c′の伸縮のほか、図5から分か
るように、上下動によっても変化するので、このことを
加味して演算を行う。
【0036】次に、ステップ13で、図2では掘削機1
〜1″3台のうちから2台を抽出した組み合わせを選択
する。掘削機の組み合わせは1−1′、1−1″、1′
−1″の三つがあり、このうち一つを選択して次のステ
ップ14〜19の処理を行い、ステップ20において全
ての掘削機の組み合わせについて処理を行ったかを確認
し、残った組み合わせがあればその組み合わせでの処理
を行うためステップ15に戻り、次の組み合わせを選択
する。
【0037】以下に、掘削機1と掘削機1′の組み合わ
せでの接触の判定,制動の設定の説明を行う。
【0038】ついで、ステップ14に進み、平面上に隣
合う掘削機1の二つのポイントP1,P2 および直線L
aと、掘削機1′の二つのポイントP1 ′,P2 ′およ
び直線La′間の実距離i1 ,i2 ,i3 ,i4
5 ,i6 ,i7 ,i8 をi′として演算し、随時ステ
ップ15で接触の判定を行う。ここで、ブーム1c−1
c′間の実距離を算出していないが、接触のパターンの
うち、ブーム1c−1c′は直接接触することがないか
らである。
【0039】次に、ステップ15で、平面上に隣合う掘
削機1,1′が接触の危険性があるか,否かを判定す
る。この判定は、前記ステップ13で演算された実距離
i′と、予め演算された各掘削機1,1′の接近限界の
和iとを比較して行う。
【0040】そして、前記実距離i′と接近限界の和i
とを比較の結果、もしも実距離i′が接近限界の和i以
下のとき、すなわちi≧i′のときは、掘削機1,1′
が接触する危険性があると判定する。
【0041】前記ステップ14,15の処理を、図4に
示す関係についてまとめると、表1のようになる。
【0042】
【表1】
【0043】これにより、平面上に隣合う掘削機である
掘削機1と掘削機1′のあらゆる方向での接触を防止す
ることが可能となる。
【0044】さらに、図3,図4に示すごとく、前記各
掘削機1,1′の接近限界r1 ,r1 ′〜r3 ,r3
を統合表示コンピュータ8の記録部8bにも記録してお
き、統合コンピュータ7から掘削機1,1′の位置を統
合表示コンピュータ8に取り込み、表示部8aに掘削機
1,1′の位置と合わせて制動範囲10,10′を表示
しても良い。
【0045】このようにすれば、平面上に隣合う掘削機
1,1′の制動した状態をオペレータがより一層簡明に
把握することが可能となる。
【0046】前記ステップ15で掘削機1,1′が接触
する危険性があると判定したときは、次のステップ16
で統合コンピュータ7は、実距離i′を算出するのに用
いた部位、つまり接触する危険性のある掘削機の部位か
ら動作方向を演算する。つまり、例えば図4に示す関係
では掘削機1のバケット1bと、掘削機1′の掘削機本
体1a′とが接触する危険性があること、掘削機1がこ
のまま掘削機1′に接近する方向に走行してはならない
こと、掘削機1はこのままブーム1cを伸ばしてはなら
ないこと、掘削機1はブーム1cを上方へ動作させブー
ム1cを水平にしないこと、掘削機1′はポイント
1 ′を中心として図4において反時計方向に旋回して
はならないこと、掘削機1′はこの姿勢で掘削機1に走
行してはならないことを演算する。掘削機1のブーム1
cの上方あるいは下方への動作に対して制動を掛けるの
は、図5に示すとおり、ブーム1cを水平にすることに
よりブーム1cの水平方向の長さが伸びてバケット1b
が掘削機本体1a′に接触するのを防止するためであ
る。
【0047】ついで、ステップ17では掘削機1,1′
が前記接触する危険性のある方向に動作させないための
制動信号を設定する。
【0048】前記ステップ15において、実距離i′が
接近限界の和iを超えているとき、すなわちi<i′の
ときは、ステップ14で選択した部位同士が接触しない
と判定する。したがって、次の部位の組み合わせでの判
定を行わなければならないので、ステップ18で別の組
み合わせがあるかを判断し、別の組み合わせがあればそ
の実距離i′を求める。
【0049】ステップ18で別の部位の組み合わせがな
いこと、つまり全ての部位の実距離i′を求めたが接近
限界iを超えているときは、掘削機同士の接触の危険性
がないと判断し、制動を解除するよう、制動信号を設定
する。
【0050】以上述べたように、掘削機同士の接触を回
避するために設定された制動信号は、全ての掘削機の組
み合わせについて行われるまで、一旦統合コンピュータ
7に記録される。
【0051】続くステップ20で、以上の処理が掘削機
の組み合わせ全てについて行っていないと判断される
と、掘削機の組み合わせを変更して前記ステップ13に
戻る。このようにして、統合コンピュータ7に接続され
た全ての掘削機について、接触の危険性があるか,否か
を判断する。掘削機の組み合わせ全てについて接触を判
断している間は、制動信号を統合コンピュータ7の内部
に記録しておく。前記ステップ20で掘削機の組み合わ
せ全てについての接触の判断を行った後、ステップ21
で制動信号を各掘削機ごとにまとめあげる。これは、掘
削機がある組み合わせでは接触しているが別の組み合わ
せでは接触していないと判断されたとき、あるいは掘削
機が複数の掘削機に挟まれ、各動作部の制動が互いに逆
方向であるとき、制動が解除されてしまわないようにす
るためである。ステップ21が終了した後、はじめて各
掘削機の掘削機制御コンピュータ4に前記制動信号を送
り込む。
【0052】これにより、平面上に隣合う掘削機1,
1′の制動範囲を小さくし、接触・衝突を回避するため
の占有範囲を必要最少限にとどめることができる。その
結果、同一地点での掘削作業や掘削土の受け渡し作業を
スムーズに行うことができるし、頻繁に制動を掛けるこ
とにより掘削作業が中断される不具合を解消することが
できる。
【0053】統合コンピュータ7は、以上の処理を絶え
ず繰り返し行う。処理を絶えず行うことにより、接触の
危険性が回避されるまで、該当掘削機には制動を行わせ
る制動信号が送り続けられる。
【0054】掘削機1,1′の掘削機制御コンピュータ
4,4′は、統合コンピュータ7から制動信号を受け取
ると、その内容に従って各動作部への動作信号の出力を
停止し、接触する方向への動作に制動を掛ける。つま
り、掘削機1,1′の操作者が操作器3,3′,3a,
3a′を操作しても制動を掛けた方向へは動作できない
ので、操作者が誤操作した場合でも接触する方向には動
作しないが、接触を回避する方向へは動作する。
【0055】掘削機1,1′に掛けられた制動を解除す
るには、掘削機1,1′のうちの少なくとも1台を、動
作可能な方向でかつ接触を回避する方向に動作させれば
良い。
【0056】接触を回避する方向へ動作させれば、統合
コンピュータ7は前述した処理を行い、掘削機1,1′
の接触の危険性がなくなったと判断すると、制動を解除
する制動信号を該当掘削機に送り込む。制動信号を受け
取った掘削機制御コンピュータ4,4′は、信号の内容
に従って今まで停止していた各動作部への出力を復帰さ
せる。つまり、制動が解除され、掘削機1,1′は再び
自由に動作することができるようになる。
【0057】なお、ステップ23で掘削作業が終了した
か,否かを確認する。掘削作業を継続して行うときはス
テップ11に戻り、前述のステップ11〜22を繰り返
して行う。
【0058】以上により、この実施例によれば、複数台
の掘削機を円滑に運転し、安全にかつ能率良く掘削作業
を行うことができる。
【0059】なお、本発明ではケーソンの作業室Bと走
行レールD,D′の平面形状は円形に限らず、多角形の
場合にも適用できるし、さらに走行レールD,D′を平
行に架設した場合にも適用できる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の発明では、複数台の掘削機について、各掘削機の
主要な部位に掘削機外形を一回り大きくするように接近
限界を設定し、掘削機同士が接近できる制動範囲で掘削
機を覆い、平面上に隣合う掘削機同士の制動限界が接触
しているか否かで、掘削機同士の接触の危険性の有無を
判定することができ、したがって掘削機1台当たりの占
有範囲を必要最低限にとどめることができるため、同一
地点での掘削作業や掘削土の受け渡し作業をスムーズに
行い得る効果を有する外、頻繁に制動が掛かり掘削作業
が中断される不具合を解消し得る効果もあり、掘削機同
士の制動範囲が接触しているかを監視するため、各掘削
機の平面上の主要な部位をポイントおよび直線に置き換
えて位置を検出し、掘削機同士の主要な部位を示すポイ
ントおよび直線の実距離を演算し、予め演算された接近
限界の和と実距離を比較し、掘削機同士の接触の危険性
の有無を判定するようにしているので、平面上に隣合う
掘削機の主要な部位を対象として、互いに接触の危険性
があるか,否かを判断することができ、したがって平面
上に隣合う掘削機同士のあらゆる部位および方向の接触
・衝突を監視し得る効果もある。
【0061】また、本発明の請求項2記載の発明では、
複数台の掘削機について、平面上に隣合う掘削機同士に
接触する危険性があると判断されると、該当掘削機の各
部の動作のうち、接触する方向への動作を演算し、接触
する方向への動作のみに対して制御を行うので、掘削機
同士の接触・衝突を回避でき、さらに操作者が誤って接
触する方向へ操作しても動作しないので、掘削機同士の
接触の危険性が判定されている間は掘削機同士の接触を
回避し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の一例を示す
概念図である。
【図2】図1に示す実施例の平面図である。
【図3】掘削機の接近限界の制動範囲の説明図である。
【図4】平面上に隣合う掘削機同士の接触の危険性の判
定の説明図である。
【図5】掘削機のブームとバケットを傾けた場合と、ほ
ぼ水平にした場合における長さの説明図である。
【図6】本発明方法の一例を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
A ケーソン躯体 B ケーソンの作業室 C ケーソンの天井スラブ D,D′ 走行レール E 遠隔操作室 1,1′ 掘削機 1a,1a′ 掘削機本体 1b,1b′ 掘削機のバケット 1c,1c′ 掘削機のブーム 2a,2a′〜2f,2f′ 掘削機に設けられたセン
サ 3,3′,3a,3a′ 掘削機の操作器 4,4′ 掘削機制御コンピュータ 5,5′ 掘削機表示コンピュータ 7 統合コンピュータ 8 統合表示コンピュータ 10 掘削機の接近限界の制動範囲 11〜23 本発明方法を実施するためのステップ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーソンの作業室内を移動しながら地山
    を掘削する複数台の掘削機について、各掘削機の主要な
    部位に接近限界を設定して掘削機全体を制動範囲で覆
    い、各掘削機の主要な部位をポイントおよび直線に置き
    換えて位置を検出し、前記各ポイントおよび直線間の実
    距離を接近限界の和の値と比較することにより、平面上
    に隣合う掘削機の制動範囲が接触しているかを監視し、
    前記実距離が接近限界の和の値以下になったときは、接
    触の危険性が解消されるまで、掘削機同士の接触を回避
    させることを特徴とするケーソン内掘削機の接触防止方
    法。
  2. 【請求項2】 前記複数台の掘削機において、接触の危
    険性があると判断したとき、当該掘削機の少なくとも稼
    働中の掘削機の各動作部の動作方向において、接触する
    方向への動作を制御することを特徴とするケーソン内掘
    削機の接触防止方法。
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