JP2621984B2 - 半導体圧力センサー - Google Patents

半導体圧力センサー

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、薄膜ダイアフラムを有する半導体基板から
成る圧力センサーに関する。
(従来の技術) 従来技術で知られた半導体圧力センサーは、その両面
にかかる圧力差を応答する薄膜ダイヤフラムを使用して
いる。その薄膜ダイアフラムは、平らな方の表面の特別
な位置に1つ以上の応力センサーを有した単結晶半導体
チップの一部として構成される。一般に、この目的に使
用される応力センサーはピエゾ抵抗効果に基き、それに
よってセンサーの抵抗は、チップ内の応力が差圧力によ
って変化し、この応力変化をセンサーが感知することに
よって変化する。チップの応力センサーを有する面と反
対側の面には、正方形または円形の凹部が薄膜ダイアフ
ラムを形成するように形成される。そして、四角柱に円
形穴が通っている台座、または円筒管状の台座が、チッ
プの凹部を囲むようにチップの薄膜ダイアフラム周辺の
肉厚部に接合される。薄膜ダイアフラム自身、例えばシ
リコン単結晶とその表面を覆うシリコン酸化膜の絶縁膜
との構成をなす。この酸化膜は、ピエゾ抵抗層を形成す
るのに、またピエゾ抵抗層を保護するために被膜する。
一般に、薄膜ダイヤフラムの周辺に4つのピエゾ抵抗を
形成し、ホイートストーンブリッジ回路を構成する。
ピエゾ抵抗効果を示す細条抵抗パターンは、薄膜ダイ
アフラムの応力場を効率よく感知する位置に配置する。
これらのピエゾ抵抗は、薄膜ダイアフラムの上に配置さ
れ、これらのピエゾ抵抗を上記のホイートストーンブリ
ッジ回路を構成するようにアルミ配線で結線する。この
とき、薄膜ダイアフラムにとって熱膨張係数の大きく異
なる異種材料であるアルミが薄膜ダイアフラム上に乗る
ことは、センサーの温度特性の悪化、オフセットのヒス
テリシスの発生が予想され、多くはピエゾ抵抗と同一の
不純物原子を大量に拡散して低抵抗パターンとし、薄膜
ダイアフラム上からアルミ金属を除去するようにしてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、アルミ配線の代りに低抵抗パターンを
用いた従来技術の構成では、封入液として用いるシリコ
ーン油中の微量の汚染物がホイートストーンブリッジ回
路での電位差によって半導体基板の表面に蓄積し、ブリ
ッジの高電位側の出力端子から低電位側の出力端子へと
表面電流が流れることがある。この電流は、半導体基板
の最上位表面を流れ、ブリッジ回路の中間電位である出
力端子に流れ込むこともある。この場合、この電流は、
圧力センサー高電位側のピエゾ抵抗に不安定な並列高抵
抗を挿入したことに相当し、これは初期ドリフトとして
観測される。
そこで本発明は、上記の電源投入後の出力電圧の一方
向へふらつきを抑え、ゼロシフト量の少ない高精度な圧
力測定ができる半導体圧力センサーを実現することを課
題とし、本発明の目的もそこにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の半導体圧力センサーは、ホイートストンブリ
ッジ回路の4つの出力端子のうちブリッジ回路の中間電
位となる2つの出力端子を囲むように金属ガードリング
電極を設け、この金属ガードリング電極の周辺部を除く
表面を表面保護膜の除去により露出するように構成され
る。
(作 用) 本発明の半導体圧力センサーにおいては、たとえ汚染
イオンから成る電流がブリッジの高電位側の端子から流
れ出ても、中間電位となる出力端子の周りを囲む金属ガ
ードリング電極に吸収され、中間電位となる出力端子に
はピエゾ抵抗で決定される電位のみとなり、中間電位は
常に安定する。
(実施例) 以下、図面に示した実施例に基いて本発明を詳細に説
明する。
第1図および第2図に本発明一実施例の半導体圧力セ
ンサーを示す。本実施例の半導体圧力センサーは、両面
にかかる圧力差に応動する四角形の薄膜ダイヤフラム
(1)と、それを囲んだ周辺の肉厚部(2)を有する四
角形の単結晶シリコン基板(3)と、この基板(3)の
肉厚部(2)の裏面(薄膜ダイアフラムを形成する凹部
のある面)に接合される圧力導入部を兼ねた台座(図示
してない)とから構成される。シリコン基板(3)の表
面には、薄膜ダイヤフラム(1)の周辺に応力センサー
(ピエゾ抵抗)(4)が4個配設され、薄膜ダイアフラ
ム(1)にかかる応力を感知する。この応力センサー
(4)は、例えば、センサーの形状,基板材料で決まる
表面領域の最適な場所のシリコン基板(3)の表面に形
成される。この応力センサー(4)は、大きなピエゾ抵
抗特性を示し、その抵抗値は、センサーが感知する応力
により変化する。応力センサー(4)を配設した表面と
反対側のシリコン基板(3)の裏面には、アルカリ溶液
による電解エッチング技術によって薄膜ダイアフラム
(1)を形成するための四角形の凹部が形成されてい
る。
シリコン基板(3)の表面の4つの応力センサー
(4)をホイールストーンブリッジとなるように接続す
るために、応力センサー(4)と同じ不純物原子である
ボロンを高濃度に注入することで形成した低抵抗配線パ
ターン(5)が、基板周辺部に設けられた4つの出力端
子(9),(9),(10),(11)と4つの応力センサ
ー(4)とを連結して設けられている。そして、4つの
出力端子のうちブリッジ回路の中間電位となる2つの出
力端子(9),(9)をそれぞれ囲むようにアルミのガ
ードリング電極(6)が設けられている。このガードリ
ング電極(6)は、第2図に示すように、その周辺部を
除く表面が表面保護膜(パッシベーション膜)(8)を
除去され、金属面を露出している。なお、第2図におけ
る(7)はシリコン酸化膜である。
上記のように構成された本発明一実施例の半導体圧力
センサーにおいては、たとえ汚染イオンから成る電流が
ブリッジ高電位端子(10)からシリコン基板(3)の表
面に流れ出しても、アルミのガードリング電極(6)に
吸収されるので、中間電位となる出力端子(9),
(9)にはピエゾ抵抗で決定される電位のみとなり、中
間電位は常に安定し、電源投入後のシリコーン油中のイ
オンの集積がもたらす初期ドリフトが大幅に低減され
る。これは、ガードリング電極(6)が従来の下部基板
の安定を計るためだけでなく、ガードリング電極(6)
の表面を表面保護膜(8)で覆うことなく露出すること
で、基板(3)の酸化膜表面を流れるイオンをガードリ
ング電極(6)の金属表面で捕獲するからである。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、4つの応力セン
サーがホイートストーンブリッジを構成するように低抵
抗配線パターンで連結された4つの出力端子のうち、ブ
リッジ回路の中間電位となる2つの出力端子を囲むよう
に金属ガードリング電極を設け、このガードリング電極
の表面を表面保護膜の除去により露出するようにした半
導体圧力センサーを実現したことにより、電源投入後の
基板表面とシリコーン油との界面を流れるイオン電流を
中間電位である出力端子の周りのガードリング電極を吸
収するため、オフセット電圧の初期ドリフトが低減さ
れ、ゼロシフト量の少ない高精度な圧力測定を行なうこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明一実施例の半導体圧力センサーの上面
図、第2図は第1図の中間電位出力端子の拡大断面図で
ある。 1……薄膜ダイアフラム、 2……肉厚部、 3……単結晶シリコン基板、 4……応力センサー、 5……低抵抗配線パターン、 6……ガードリング電極、 8……表面保護膜、 9……中間電位出力端子。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(100)面の半導体基板から成り、当該基
    板の中心部分の一方の面にくぼみを設けて肉厚を他の部
    分よりも薄くした薄膜ダイヤフラムと、同じ半導体基板
    であって前記薄膜ダイアフラムを除く前記半導体基板周
    辺部に設けられた基板周辺肉厚部と、前記薄膜ダイアフ
    ラムの周辺でかつ前記くぼみが設けられた面の反対側の
    面に4つの応力センサーがホイートストンブリッジ回路
    を構成するように低抵抗配線パターンで設けられ、前記
    ホイートストンブリッジ回路の4つの出力端子のうちブ
    リッジ回路の中間電位となる2つの出力端子を囲むよう
    に金属ガードリング電極を設けたことを特徴とする半導
    体圧力センサー。
  2. 【請求項2】金属ガードリング電極の周辺部を除く表面
    が露出していることを特徴とする請求項1記載の半導体
    圧力センサー。
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