JP2621035B2 - Nmr信号の選択的励起方法 - Google Patents
Nmr信号の選択的励起方法Info
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- JP2621035B2 JP2621035B2 JP1511651A JP51165189A JP2621035B2 JP 2621035 B2 JP2621035 B2 JP 2621035B2 JP 1511651 A JP1511651 A JP 1511651A JP 51165189 A JP51165189 A JP 51165189A JP 2621035 B2 JP2621035 B2 JP 2621035B2
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- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/44—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
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- G—PHYSICS
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- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
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- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/44—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
- G01R33/46—NMR spectroscopy
- G01R33/4616—NMR spectroscopy using specific RF pulses or specific modulation schemes, e.g. stochastic excitation, adiabatic RF pulses, composite pulses, binomial pulses, Shinnar-le-Roux pulses, spectrally selective pulses not being used for spatial selection
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、同質の静磁界内に位置する試料に、少くと
も一つの選択的ガウス形パルスからなるrfパルスシーク
エンスを照射することによるNMR信号の選択的励起方法
に関する。
も一つの選択的ガウス形パルスからなるrfパルスシーク
エンスを照射することによるNMR信号の選択的励起方法
に関する。
観察下の該スピン共鳴が周波数選択的に励起されなけ
ればならないのは多くのNMR分光分析法で必要とされて
いることである。最初は、選択的励起は、単に“ソフ
ト”パルスと言われる非常に長い持続時間で低パワーの
矩形rfパルスを適用することにより達成された。しか
し、そのようなパルスの適用は、その周波数スペクトル
が共鳴周波数からはるかに離れたサイドローブを示し、
望ましくない該スピン共鳴の励起に至るという不都合と
結びついている。もし該パルスが、矩形である代わりに
より好ましい形状を有しているならば、ずっと良好な周
波数挙動が達成され得ることが見出された。過去数年間
において、非常に複雑な位相及び振幅変調を有するパル
スが開発されたが、ガウス形パルスは依然として、その
比較的短かい持続時間及び簡単な形状のため、格別好ま
しいということが見出されている。
ればならないのは多くのNMR分光分析法で必要とされて
いることである。最初は、選択的励起は、単に“ソフ
ト”パルスと言われる非常に長い持続時間で低パワーの
矩形rfパルスを適用することにより達成された。しか
し、そのようなパルスの適用は、その周波数スペクトル
が共鳴周波数からはるかに離れたサイドローブを示し、
望ましくない該スピン共鳴の励起に至るという不都合と
結びついている。もし該パルスが、矩形である代わりに
より好ましい形状を有しているならば、ずっと良好な周
波数挙動が達成され得ることが見出された。過去数年間
において、非常に複雑な位相及び振幅変調を有するパル
スが開発されたが、ガウス形パルスは依然として、その
比較的短かい持続時間及び簡単な形状のため、格別好ま
しいということが見出されている。
しかし、高分解能NMRにおいて用いられる全ての他の
励起パルスとちょうど同じ様に、90゜ガスス形パルスに
も、結果として得られる横方向磁化における強い位相応
答をまねくという不都合がある。勿論単一次元スペクト
ルを記録する時に一次位相補正を行うことが理論的には
個能であろうが、そのような補正は、実際には、スペク
トル基準線(spectrum base line)における大きなシフ
トを受け入れることなしには実行することができない。
そして、コヒーレントな伝送(coherent transmissio
n)が生じるより複雑なパルス実験の場合、そのような
補正はもはや可能でない。何故ならば、そのような場合
には、同相のみならず逆相の磁化が生じるからである。
励起パルスとちょうど同じ様に、90゜ガスス形パルスに
も、結果として得られる横方向磁化における強い位相応
答をまねくという不都合がある。勿論単一次元スペクト
ルを記録する時に一次位相補正を行うことが理論的には
個能であろうが、そのような補正は、実際には、スペク
トル基準線(spectrum base line)における大きなシフ
トを受け入れることなしには実行することができない。
そして、コヒーレントな伝送(coherent transmissio
n)が生じるより複雑なパルス実験の場合、そのような
補正はもはや可能でない。何故ならば、そのような場合
には、同相のみならず逆相の磁化が生じるからである。
J.Magn.Reson.78,178(1988)において公表されたブ
リュシュワイラー(Brhschweiler)等による論文か
ら、ソフトな90゜パルスにハードな180゜パルスが続
き、後者には、次に、(打ち切られた(truncated))
ガウス形パルスの持続時間の60%に略等しいある遅延時
間の終りに、データロギングステップが続く磁化を再集
束させる方法が公知である。しかし、パルスの長さのそ
のような延長は、緩和に基づく損失の増大をまねくため
望ましくない。さらに、該提案された解決法は、結合さ
れたスピン(coupled spins)を再集束させるのには適
していない。その代り、位相誤差はそのような場合さら
に増大するであろう。何故ならば、前記ハードな180゜
パルスは結合されたパートナーの極性を逆転し(inver
t)、従って該結合(couplings)が再集束する妨げとな
るからである。その結果、この方法は、問題の領域が単
一の多重線のみを含む場合、小さなフリップ角用のNOES
Y実験の選択的ヴァージョンにおいては事実そうである
が、全く役に立たない。人は、再集束を行うために、ハ
ードな180゜パルスの代りにソフトな180゜パルスを使用
することを考えるかもしれない。この場合、結合(coup
lings)によって生じるいかなるディフェージングも、
オフセットによるディフェージングと同じ方法で、逆向
きにされる。しかし、ソフトな180゜パルスの適用は、
それによって解決されるのと同じくらい多くの問題を生
み出す。第1に、それは再びシークエンスの持続時間の
増大に至る。第2に、第1のパルスの間z方向に緩和す
るか又は第1のパルスによって励起されなかった全ての
磁化が再集束用パルスによって励起され得、その結果第
2のパルスのEXORCYCLE相シフトが大きくなるであろう
し、このことにより実験の全体の持続時間が延長される
であろう。従って、この方法−例えばボーデンハウゼン
(Bodenhausen)等によってJ.Magn.Reson.27,511(197
7)に延べられた方法−は全ての場合において適用する
のに適していない。
リュシュワイラー(Brhschweiler)等による論文か
ら、ソフトな90゜パルスにハードな180゜パルスが続
き、後者には、次に、(打ち切られた(truncated))
ガウス形パルスの持続時間の60%に略等しいある遅延時
間の終りに、データロギングステップが続く磁化を再集
束させる方法が公知である。しかし、パルスの長さのそ
のような延長は、緩和に基づく損失の増大をまねくため
望ましくない。さらに、該提案された解決法は、結合さ
れたスピン(coupled spins)を再集束させるのには適
していない。その代り、位相誤差はそのような場合さら
に増大するであろう。何故ならば、前記ハードな180゜
パルスは結合されたパートナーの極性を逆転し(inver
t)、従って該結合(couplings)が再集束する妨げとな
るからである。その結果、この方法は、問題の領域が単
一の多重線のみを含む場合、小さなフリップ角用のNOES
Y実験の選択的ヴァージョンにおいては事実そうである
が、全く役に立たない。人は、再集束を行うために、ハ
ードな180゜パルスの代りにソフトな180゜パルスを使用
することを考えるかもしれない。この場合、結合(coup
lings)によって生じるいかなるディフェージングも、
オフセットによるディフェージングと同じ方法で、逆向
きにされる。しかし、ソフトな180゜パルスの適用は、
それによって解決されるのと同じくらい多くの問題を生
み出す。第1に、それは再びシークエンスの持続時間の
増大に至る。第2に、第1のパルスの間z方向に緩和す
るか又は第1のパルスによって励起されなかった全ての
磁化が再集束用パルスによって励起され得、その結果第
2のパルスのEXORCYCLE相シフトが大きくなるであろう
し、このことにより実験の全体の持続時間が延長される
であろう。従って、この方法−例えばボーデンハウゼン
(Bodenhausen)等によってJ.Magn.Reson.27,511(197
7)に延べられた方法−は全ての場合において適用する
のに適していない。
J.Magn.Reson.75,390(1987)に公表されたフリード
リッヒ(Friedrich)等による論文には、選択的励起に
おいて生じる位相誤差を除去する手段として“半ガウス
形パルス(half Gaussian pulse)”の使用が説明され
ている。そのような“半ガウス形パルス”は、全く定位
相(constant−phase)磁化を発生させないが、定位相
スペクトルは、“半ガウス形パルス”がハードな180゜
パルスと交互に適用されて走査サイクルを交互にする2
つのパルスシークエンスの結果を加えることにより得る
ことができる。そのようなシークエンスにより、磁化の
y成分が互いに釣り合い、一方x成分が保持されるとい
う効果が得られる。
リッヒ(Friedrich)等による論文には、選択的励起に
おいて生じる位相誤差を除去する手段として“半ガウス
形パルス(half Gaussian pulse)”の使用が説明され
ている。そのような“半ガウス形パルス”は、全く定位
相(constant−phase)磁化を発生させないが、定位相
スペクトルは、“半ガウス形パルス”がハードな180゜
パルスと交互に適用されて走査サイクルを交互にする2
つのパルスシークエンスの結果を加えることにより得る
ことができる。そのようなシークエンスにより、磁化の
y成分が互いに釣り合い、一方x成分が保持されるとい
う効果が得られる。
上記より、今日までなされた全ての努力にもかかわら
ず、方法の使用を複雑にするか及び/又はある実験に対
してはその適用を不可能にするようないかなる望ましく
ない副作用もなしに、励起により生じる横方向磁化の独
立した再集束を簡単に達成するNMR信号の選択的励起方
法を見出すという課題が依然として残っている。
ず、方法の使用を複雑にするか及び/又はある実験に対
してはその適用を不可能にするようないかなる望ましく
ない副作用もなしに、励起により生じる横方向磁化の独
立した再集束を簡単に達成するNMR信号の選択的励起方
法を見出すという課題が依然として残っている。
この目的は、本発明により、方法を実行するために使
用される少くとも1つの周波数選択的(frequency−sel
ective)ガウス形パルスは270゜パルスであるという事
実により解決される。
用される少くとも1つの周波数選択的(frequency−sel
ective)ガウス形パルスは270゜パルスであるという事
実により解決される。
90゜ガウス形パルスの代りに、270゜ガウス形パルス
を適用し、その後にハードなあるいは多分ソフトな180
゜パルスを続かせることにより、いかなる追加の手段方
法もなしに、非常に多様な種類の実験を行うことを可能
にする優れた再集束が達成される。周波数選択的励起パ
ルス全体は“ソフト”なので、多重線の結合パートナー
は、特に、妨害されず、結合(couplings)の結果によ
る磁化の発達は、化学的シフトによって生じたのとちょ
うど同様に再集束される。
を適用し、その後にハードなあるいは多分ソフトな180
゜パルスを続かせることにより、いかなる追加の手段方
法もなしに、非常に多様な種類の実験を行うことを可能
にする優れた再集束が達成される。周波数選択的励起パ
ルス全体は“ソフト”なので、多重線の結合パートナー
は、特に、妨害されず、結合(couplings)の結果によ
る磁化の発達は、化学的シフトによって生じたのとちょ
うど同様に再集束される。
本発明により用いられる270゜ガウス形パルスは、現
在まで周波数選択的90゜パルスを用いてきた全ての方法
において使用してよい。270゜ガウス形パルスを適用し
た場合、常に、全ての付加的な再集束用手段方法を用い
なくてもよいという利点が得られ、そのような手段方法
の不利な効果が生じることがない。例えば、そして、と
りわけ、NOESYパルスシークエンスに含まれる少くとも
1つの周波数選択的励起パルスが270゜ガウス形パルス
であってもよい。勿論、全ての周波数選択的励起パルス
が270゜ガウス形パルスにより成ることが好ましい。
在まで周波数選択的90゜パルスを用いてきた全ての方法
において使用してよい。270゜ガウス形パルスを適用し
た場合、常に、全ての付加的な再集束用手段方法を用い
なくてもよいという利点が得られ、そのような手段方法
の不利な効果が生じることがない。例えば、そして、と
りわけ、NOESYパルスシークエンスに含まれる少くとも
1つの周波数選択的励起パルスが270゜ガウス形パルス
であってもよい。勿論、全ての周波数選択的励起パルス
が270゜ガウス形パルスにより成ることが好ましい。
2次元NMR分光分析法におけると同様に、NMRトモグラ
フィ(tomography)においても、270゜ガウス形パルス
を像発生(image−generating)パルスシークエンスに
おいて用いてよい。もし周波数選択的励起パルスが体積
選択勾配(volume−selection gardient)下で導入され
れば、現在まで励起パルス後に通常行われてきた勾配逆
転(gardient reversals)は省略することができる。同
様のことが類推により体積選択プロセス(volume−sele
ction process)にも当てはまるが、このプロセスは、
物体の選択された体積エレメントにおけるNMR分光分析
法に必要であり、このプロセスにおいては、体積選択的
(volume−selective)パルスシークエンスに含まれる
周波数選択的励起パルスのうちの少くとも1つが再び27
0゜ガウス形パルスであってよい。
フィ(tomography)においても、270゜ガウス形パルス
を像発生(image−generating)パルスシークエンスに
おいて用いてよい。もし周波数選択的励起パルスが体積
選択勾配(volume−selection gardient)下で導入され
れば、現在まで励起パルス後に通常行われてきた勾配逆
転(gardient reversals)は省略することができる。同
様のことが類推により体積選択プロセス(volume−sele
ction process)にも当てはまるが、このプロセスは、
物体の選択された体積エレメントにおけるNMR分光分析
法に必要であり、このプロセスにおいては、体積選択的
(volume−selective)パルスシークエンスに含まれる
周波数選択的励起パルスのうちの少くとも1つが再び27
0゜ガウス形パルスであってよい。
本発明の方法により用いられるパルスシークエンスの
理論的基礎及び実施例は、図面に示されたある図に基づ
いてより詳細に以下に記述及び説明されるであろう。以
下の明細書及び図から明らかな特徴は、個別に又は所望
の組み合わせで本発明の方法の他の態様において用いて
もよい。
理論的基礎及び実施例は、図面に示されたある図に基づ
いてより詳細に以下に記述及び説明されるであろう。以
下の明細書及び図から明らかな特徴は、個別に又は所望
の組み合わせで本発明の方法の他の態様において用いて
もよい。
第1図は、90゜ガウス形パルスに関する磁化の空間的
発達の斜視図を示し; 第2図は、第1図の磁化の発達のxy平面への投影図を
示し; 第3図は、第1図と同様であるが270゜ガウス形パル
スに関する磁化の発達の図を示し; 第4図は、第3図の磁化の発達xy平面への投影図を示
し; 第5図は、90゜及び270゜ガウス形パルスに関する、
低減された周波数の関数としての横方向磁化の値を示す
図を示し; 第6図は、90゜及び270゜ガウス形パルスに関する、
小さなオフセットの範囲における位相挙動(phase beha
vior)を示す図を示し; 第7図は、低減された周波数の関数としての270゜ガ
ウス形パルスの模擬の及び実験的な振幅挙動を比較する
図を示し; 第8図は、第7図に対応する位相挙動を説明する図を
示し; 第9図は、ハードな90゜パルスを用いて得られたトラ
ンス−2−フェニル シクロプロパン炭酸のメチルエス
テルのスペクトルを示し; 第10図は、90゜ガウス形パルスによる励起に続く、位
相補正なしの、同一の化合物のM多重線のスペクトルを
示し; 第11図は、周波数に基づく大きな位相補正をした、第
10図と同じスペクトルを示し; 第12図は、270゜ガウス形パルスによる励起に続く、
位相補正なしの、同一M多重線のスペクトルを示し; 第13図は、3つの90゜ガウス形パルスを用いて得られ
た、トランス−2−フェニル シクロプロパン炭酸のメ
チルエステルの対角線上の多重線のソフトなNOESYスペ
クトルを示し; 第14図は、第13図と同様のスペクトルであって、3つ
の270゜ガウス形パルスによる励起により得られたもの
を示し; 第15図は、第14図のスペクトルと同様の条件で得られ
た対角線外(off−diogonal)の多重線のスペクトルを
示し; 第16図は、磁化の選択的操作用のある勾配の時間に亘
る発達を示す図を示し; 第17図は、パルスの開始時にはx軸にびったり沿って
方向づけられている横方向磁化上へのyパルスの効果に
よって生じたMz磁化プロフィールを示し; 第18図は、90゜及び270゜ガウス形パルスの2次元の
空間的選択性を示し; 第19図は、90゜及び270゜ガウス形パルスの効果の下
における磁化ベクトルの系の位相発達を示し; 第20図は、2.5%で打ち切られた(truncated)270゜
ガウス形パルスの期間の非共鳴ベクトル用の有効場のフ
リップ角Θの時間への依存性を示し; 第21図は、勾配発生時間tg/tpの関数としての、270゜
ガウス形パルス用の満足すべきプロフィールに必要とさ
れる打ち切り(truncation)レベルを示し; 第22図は、a)体積選択的励起(VSE)、b)空間的
に及び化学オフセットコード化された励起(SPACE)、
c)空間的に分解された分光分析法(SPARS)用のパル
ス及び場勾配図を示し; 第23図は、a)自己再集束(slf−refocusing)SPARS
(=SR−SPARS)、b)自己再集束SPECA(=SR−SPAC
E); 第24図は、a)刺激されたエコー(stimulated echoe
s)による選択的体積励起(VEST)用のパルス及び場勾
配図、b)刺激されたエコー用のコヒーレンス伝達(co
herence transfer)経路; 第25図は、自己再集束VEST(=SR−VEST)用のパルス
及び勾配図;そして 第26図は、ガウス形パルス幅tp及び横緩和時間T2の無
次元比tp/T2の関数としての相対的な信号の強さS/S0を
示す。
発達の斜視図を示し; 第2図は、第1図の磁化の発達のxy平面への投影図を
示し; 第3図は、第1図と同様であるが270゜ガウス形パル
スに関する磁化の発達の図を示し; 第4図は、第3図の磁化の発達xy平面への投影図を示
し; 第5図は、90゜及び270゜ガウス形パルスに関する、
低減された周波数の関数としての横方向磁化の値を示す
図を示し; 第6図は、90゜及び270゜ガウス形パルスに関する、
小さなオフセットの範囲における位相挙動(phase beha
vior)を示す図を示し; 第7図は、低減された周波数の関数としての270゜ガ
ウス形パルスの模擬の及び実験的な振幅挙動を比較する
図を示し; 第8図は、第7図に対応する位相挙動を説明する図を
示し; 第9図は、ハードな90゜パルスを用いて得られたトラ
ンス−2−フェニル シクロプロパン炭酸のメチルエス
テルのスペクトルを示し; 第10図は、90゜ガウス形パルスによる励起に続く、位
相補正なしの、同一の化合物のM多重線のスペクトルを
示し; 第11図は、周波数に基づく大きな位相補正をした、第
10図と同じスペクトルを示し; 第12図は、270゜ガウス形パルスによる励起に続く、
位相補正なしの、同一M多重線のスペクトルを示し; 第13図は、3つの90゜ガウス形パルスを用いて得られ
た、トランス−2−フェニル シクロプロパン炭酸のメ
チルエステルの対角線上の多重線のソフトなNOESYスペ
クトルを示し; 第14図は、第13図と同様のスペクトルであって、3つ
の270゜ガウス形パルスによる励起により得られたもの
を示し; 第15図は、第14図のスペクトルと同様の条件で得られ
た対角線外(off−diogonal)の多重線のスペクトルを
示し; 第16図は、磁化の選択的操作用のある勾配の時間に亘
る発達を示す図を示し; 第17図は、パルスの開始時にはx軸にびったり沿って
方向づけられている横方向磁化上へのyパルスの効果に
よって生じたMz磁化プロフィールを示し; 第18図は、90゜及び270゜ガウス形パルスの2次元の
空間的選択性を示し; 第19図は、90゜及び270゜ガウス形パルスの効果の下
における磁化ベクトルの系の位相発達を示し; 第20図は、2.5%で打ち切られた(truncated)270゜
ガウス形パルスの期間の非共鳴ベクトル用の有効場のフ
リップ角Θの時間への依存性を示し; 第21図は、勾配発生時間tg/tpの関数としての、270゜
ガウス形パルス用の満足すべきプロフィールに必要とさ
れる打ち切り(truncation)レベルを示し; 第22図は、a)体積選択的励起(VSE)、b)空間的
に及び化学オフセットコード化された励起(SPACE)、
c)空間的に分解された分光分析法(SPARS)用のパル
ス及び場勾配図を示し; 第23図は、a)自己再集束(slf−refocusing)SPARS
(=SR−SPARS)、b)自己再集束SPECA(=SR−SPAC
E); 第24図は、a)刺激されたエコー(stimulated echoe
s)による選択的体積励起(VEST)用のパルス及び場勾
配図、b)刺激されたエコー用のコヒーレンス伝達(co
herence transfer)経路; 第25図は、自己再集束VEST(=SR−VEST)用のパルス
及び勾配図;そして 第26図は、ガウス形パルス幅tp及び横緩和時間T2の無
次元比tp/T2の関数としての相対的な信号の強さS/S0を
示す。
各全ての低強度の長い選択的パルスにとってオフレゾ
ナンス効果が無視できないことは容易に認識されるであ
ろう。
ナンス効果が無視できないことは容易に認識されるであ
ろう。
なお、90゜ガウス形パルスの各位相における単一の磁
化ベトクルに起きることを正確に観察するのは重要であ
る。ガウス形パルスの開始時には、磁界B1は非常に低
く、ほんのわずかオフレゾナンスであるベクトルが略z
軸の回りに回転する。この位相においては、横方向磁化
の値も低く、z軸周りの回転は最終的磁化にほんのわず
かの効果しか持たない。B1場及びフリップ角が、次にB1
がパルスの中央でその最大値に達するまで大きくなる。
共鳴ベクトル(resonant vector)は次にz軸に対して4
5゜シフトされ、共鳴範囲外のベクトルが次にこの時点
で主としてB1場の周りに回転する。パルスの最後の部分
の間、共鳴磁化ベクトルがx,y平面に近づく時、B1場は
低下する。パルスのこの部分の間、オフレゾナント(of
f−resonant)磁化の最大のディフェージングが発生す
る。何故ならば、その時、周波数オフセットの結果生ず
る回転が支配的である、磁化の横方向が高いからであ
る。この状況は磁化カーブを見る時容易に理解されるで
あろう。第1図は、良く知られた“グレープフルーツ
図”を示すが、これは、共鳴している磁化ベクトルの経
路を共鳴周波数に対して0.11の低減された周波数を示す
磁化ベクトルの経路と比較するものである。該低減され
た周波数は、nΨ/ψ1 maxで定義される。ここで、n=
2β/π(β=90゜のときn=1,β=270゜のときn=
3)である。低減された周波数は、磁化成分の挙動を、
90゜ガウス形パルスに比較して同じ幅を有し、270゜ガ
ウス形パルスの場合にπは3倍の値に増大するという事
実によってのみ区別されるガウス形パルス下の同じ絶対
周波数と比較することとして定義される。前記経路の時
間に渡る発達は、同一の時間間隔に割り当てられた点に
より示される。第2図はx,y平面に投影された同一の経
路を示す。周波数オフセット磁化の経路は、かなり速い
ディフェージング(dephasing)が生じるパルスの終り
近くになるまでは、x,y平面にかなり近接したままであ
ることは注意されるべきである。さらに、x,y平面にお
ける磁化の値は非常に大きいままであり、共鳴時の値の
約95%になるが、約80゜だけディフェージングされる。
化ベトクルに起きることを正確に観察するのは重要であ
る。ガウス形パルスの開始時には、磁界B1は非常に低
く、ほんのわずかオフレゾナンスであるベクトルが略z
軸の回りに回転する。この位相においては、横方向磁化
の値も低く、z軸周りの回転は最終的磁化にほんのわず
かの効果しか持たない。B1場及びフリップ角が、次にB1
がパルスの中央でその最大値に達するまで大きくなる。
共鳴ベクトル(resonant vector)は次にz軸に対して4
5゜シフトされ、共鳴範囲外のベクトルが次にこの時点
で主としてB1場の周りに回転する。パルスの最後の部分
の間、共鳴磁化ベクトルがx,y平面に近づく時、B1場は
低下する。パルスのこの部分の間、オフレゾナント(of
f−resonant)磁化の最大のディフェージングが発生す
る。何故ならば、その時、周波数オフセットの結果生ず
る回転が支配的である、磁化の横方向が高いからであ
る。この状況は磁化カーブを見る時容易に理解されるで
あろう。第1図は、良く知られた“グレープフルーツ
図”を示すが、これは、共鳴している磁化ベクトルの経
路を共鳴周波数に対して0.11の低減された周波数を示す
磁化ベクトルの経路と比較するものである。該低減され
た周波数は、nΨ/ψ1 maxで定義される。ここで、n=
2β/π(β=90゜のときn=1,β=270゜のときn=
3)である。低減された周波数は、磁化成分の挙動を、
90゜ガウス形パルスに比較して同じ幅を有し、270゜ガ
ウス形パルスの場合にπは3倍の値に増大するという事
実によってのみ区別されるガウス形パルス下の同じ絶対
周波数と比較することとして定義される。前記経路の時
間に渡る発達は、同一の時間間隔に割り当てられた点に
より示される。第2図はx,y平面に投影された同一の経
路を示す。周波数オフセット磁化の経路は、かなり速い
ディフェージング(dephasing)が生じるパルスの終り
近くになるまでは、x,y平面にかなり近接したままであ
ることは注意されるべきである。さらに、x,y平面にお
ける磁化の値は非常に大きいままであり、共鳴時の値の
約95%になるが、約80゜だけディフェージングされる。
さて、同一の持続時間を有するが、共鳴時に270゜の
フリップ角を有するガウス形パルスの場合の同様の状況
を見ることとする。B1場は、この場合90゜パルスの場合
に対して、3倍の強度を有する。パルスの第1の部分に
関しては、観察結果は90゜パルスの場合と略同じであ
る。B1場は低く、周波数シフトに起因する回転が支配的
である。しかし、これは、横方向磁化が低いため、余り
効果を持たない。B1がその最大値に達すると今回共鳴成
分はz軸に対して135゜の角度で延びるので、最初に述
べたケースと比べて、状況が変わる。周波数シフトされ
た磁化ベクトルがx,y平面を通り、ディフェージング効
果が最大に達する時点では、有効場(effective fiel
d)は90゜パルスの場合と同じように、x,y平面により近
くなる。従って、磁化は90゜パルスの場合より少しだけ
ディフェージングされる。次の重要な時点は共鳴ベクト
ルが南極を通過する時に生じる。かの時点では、以前に
共鳴ベクトルから離れてしまったオフレゾナンス磁化が
−x軸に向けて集まり始める。B1場は、磁化が−x軸に
向けて動くにつれて、より弱くなるので、周波数シフト
の結果生じる回転がより重要となる。90゜ガウス形パル
スの場合と同様に、この動きは大きな効果を持つ。何故
ならばこの時点で横方向磁化の値が高いからである。90
゜ガウス形パルスの場合はこのことの主要な源は位相誤
差にあったが、270゜ガウス形パルスの場合には、磁化
は、ディフェージングが生じた最初の2つの4分円内に
おけるその時間の最大部分を費やしてしまっており、そ
の結果、270゜ガウス形パルスの最後の部分の間の第3
の4分円内におけるより強いフェージング(rephasin
g)効果は、磁化を再集束させる目的にとっては実に役
に立つということは考慮されねばならない。従って、90
゜ガウス形パルスの場合の位相誤差の増大に至る同じ性
質が270゜ガウス形パルスの場合には位相誤差の減少と
いう効果を有することが予期されねばならない。このこ
とも、磁化経路を見る時に容易に認められるであろう。
実際、第3図及び第4図は、“グレープフルーツ図”、
又は、第1図及び第2図にも伏在していたが今度の場合
は270゜ガウス形パルスに対して計算された同一の低減
された周波数シフトを伴う磁化ベクトルのx,y平面への
投影を示す。なお、周波数シフトされた磁化は、パルス
の中間部分の間殆どx,y平面に平行に方向づけられてい
るが、パルスの略終りには、−x軸に向けて再集束され
るということは注意されねばならない。さらに、第1〜
4図に示された磁化経路はブロッホの方程式の数値的解
により得られたこと及び点は同一の時間間隔を定めるこ
とは述べておかねばならない。ガウス形パルスは5%で
打ち切られている(truncated)。
フリップ角を有するガウス形パルスの場合の同様の状況
を見ることとする。B1場は、この場合90゜パルスの場合
に対して、3倍の強度を有する。パルスの第1の部分に
関しては、観察結果は90゜パルスの場合と略同じであ
る。B1場は低く、周波数シフトに起因する回転が支配的
である。しかし、これは、横方向磁化が低いため、余り
効果を持たない。B1がその最大値に達すると今回共鳴成
分はz軸に対して135゜の角度で延びるので、最初に述
べたケースと比べて、状況が変わる。周波数シフトされ
た磁化ベクトルがx,y平面を通り、ディフェージング効
果が最大に達する時点では、有効場(effective fiel
d)は90゜パルスの場合と同じように、x,y平面により近
くなる。従って、磁化は90゜パルスの場合より少しだけ
ディフェージングされる。次の重要な時点は共鳴ベクト
ルが南極を通過する時に生じる。かの時点では、以前に
共鳴ベクトルから離れてしまったオフレゾナンス磁化が
−x軸に向けて集まり始める。B1場は、磁化が−x軸に
向けて動くにつれて、より弱くなるので、周波数シフト
の結果生じる回転がより重要となる。90゜ガウス形パル
スの場合と同様に、この動きは大きな効果を持つ。何故
ならばこの時点で横方向磁化の値が高いからである。90
゜ガウス形パルスの場合はこのことの主要な源は位相誤
差にあったが、270゜ガウス形パルスの場合には、磁化
は、ディフェージングが生じた最初の2つの4分円内に
おけるその時間の最大部分を費やしてしまっており、そ
の結果、270゜ガウス形パルスの最後の部分の間の第3
の4分円内におけるより強いフェージング(rephasin
g)効果は、磁化を再集束させる目的にとっては実に役
に立つということは考慮されねばならない。従って、90
゜ガウス形パルスの場合の位相誤差の増大に至る同じ性
質が270゜ガウス形パルスの場合には位相誤差の減少と
いう効果を有することが予期されねばならない。このこ
とも、磁化経路を見る時に容易に認められるであろう。
実際、第3図及び第4図は、“グレープフルーツ図”、
又は、第1図及び第2図にも伏在していたが今度の場合
は270゜ガウス形パルスに対して計算された同一の低減
された周波数シフトを伴う磁化ベクトルのx,y平面への
投影を示す。なお、周波数シフトされた磁化は、パルス
の中間部分の間殆どx,y平面に平行に方向づけられてい
るが、パルスの略終りには、−x軸に向けて再集束され
るということは注意されねばならない。さらに、第1〜
4図に示された磁化経路はブロッホの方程式の数値的解
により得られたこと及び点は同一の時間間隔を定めるこ
とは述べておかねばならない。ガウス形パルスは5%で
打ち切られている(truncated)。
磁化への動きの方程式は、一定の振幅のパルスの場合
簡単である。何故なら、磁化はx,y平面に対して傾斜し
ている一定の有効場の回りに回転し、一定の振幅の全て
のパルスの効果は容易に計算できるからである。状況は
振幅変調されたパルスの場合もっと複雑になる。何故な
ら、その場合有効場は時間依存性のフリップ角を示しそ
の結果そのようなパルスの効果を分析的に予測すること
はかなり困難であるからである。幾つかの特殊な場合を
除いて、人は近似に頼らざるを得ない。通常用いられる
近似は、フーリエ変換に基づいているが、しばしば間違
った結果を与えるので、唯一の安全な近似、即ち、ブロ
ッホの方程式の数値的解に基づく近似が好ましい。フー
リエ近似は、励起パルスとして使用される90゜及び270
゜パルスの間には位相挙動の違いが全く存在しないこと
を示すであろう。しかし、実際には、2つのパルスの間
には基本的な相違が存在するのである。
簡単である。何故なら、磁化はx,y平面に対して傾斜し
ている一定の有効場の回りに回転し、一定の振幅の全て
のパルスの効果は容易に計算できるからである。状況は
振幅変調されたパルスの場合もっと複雑になる。何故な
ら、その場合有効場は時間依存性のフリップ角を示しそ
の結果そのようなパルスの効果を分析的に予測すること
はかなり困難であるからである。幾つかの特殊な場合を
除いて、人は近似に頼らざるを得ない。通常用いられる
近似は、フーリエ変換に基づいているが、しばしば間違
った結果を与えるので、唯一の安全な近似、即ち、ブロ
ッホの方程式の数値的解に基づく近似が好ましい。フー
リエ近似は、励起パルスとして使用される90゜及び270
゜パルスの間には位相挙動の違いが全く存在しないこと
を示すであろう。しかし、実際には、2つのパルスの間
には基本的な相違が存在するのである。
ブロッホの方程式の解はパルスのエンベロープを複数
の等間隔に下位区分すること及び各間隔において振幅が
一定であると仮定することにより反復的に得られる。上
記で扱われた磁化経路を始めとして、ここに説明される
全てのシミュレーションは、この様にして計算された。
この方法の主な不都合は、それがこの問題に対しては正
しい答えを常に与えるが、パルスの形状を決定する直感
的方法を与えないという点に存する。
の等間隔に下位区分すること及び各間隔において振幅が
一定であると仮定することにより反復的に得られる。上
記で扱われた磁化経路を始めとして、ここに説明される
全てのシミュレーションは、この様にして計算された。
この方法の主な不都合は、それがこの問題に対しては正
しい答えを常に与えるが、パルスの形状を決定する直感
的方法を与えないという点に存する。
第5図は、90゜(短間隔の破線)及び270度(長間隔
の破線)のガウス形パルスが励起用に用いられた時の予
期される信号振幅を示す。全ての計算は同じ幅のパルス
に対して行われたので、90゜及び270゜パルス間の唯一
の違いは振幅の3倍の値に存する。第1の近似により、
シミュレーションから予測されるのは、270゜ガウス形
パルスは同一幅の90゜ガウス形パルスよりも少し選択的
であるということである。この選択性の限界的増加はフ
ーリエ変換に基づく観測から予期され得ないが、全く歓
迎すべきである。上記シミュレーションはさらに、270
゜ガウス形パルスは低強度のサイドローブを持つことが
予期され得ることを示すが、この性質もフーリエ変換に
よっては予期され得なかった。第7図は、270゜ガウス
形パルス(短間隔の破線は、B1不均等性の効果を考慮し
て、長間隔の破線はそれを考慮せず)の模擬実験された
挙動を、実験的挙動(円)に対して示すが、実際、高度
の一致が確立され得る。
の破線)のガウス形パルスが励起用に用いられた時の予
期される信号振幅を示す。全ての計算は同じ幅のパルス
に対して行われたので、90゜及び270゜パルス間の唯一
の違いは振幅の3倍の値に存する。第1の近似により、
シミュレーションから予測されるのは、270゜ガウス形
パルスは同一幅の90゜ガウス形パルスよりも少し選択的
であるということである。この選択性の限界的増加はフ
ーリエ変換に基づく観測から予期され得ないが、全く歓
迎すべきである。上記シミュレーションはさらに、270
゜ガウス形パルスは低強度のサイドローブを持つことが
予期され得ることを示すが、この性質もフーリエ変換に
よっては予期され得なかった。第7図は、270゜ガウス
形パルス(短間隔の破線は、B1不均等性の効果を考慮し
て、長間隔の破線はそれを考慮せず)の模擬実験された
挙動を、実験的挙動(円)に対して示すが、実際、高度
の一致が確立され得る。
第6図は90度(短間隔の破線)及び270゜(長間隔の
破線)のガウス形パルスの場合の中央の励起範囲におけ
る計算された位相挙動を示す。非常に急な位相勾配を有
する90゜ガウス形パルスとは逆に、270゜ガウス形パル
スはこの範囲において殆ど平坦な位相挙動を示すという
ことは容易に理解される。特に重要なのは、有用な励起
範囲においては、即ち、励起の最大振幅の100%〜90%
の範囲においては、270゜ガウス形パルスの位相誤差は9
0゜ガウス形パルスの位相誤差の1/4未満になるというこ
とにすることである。第8図に示された実験的結果
(円)からより詳細に示されるように、この範囲におい
て位相誤差は15゜よりも小さく、これは計算された値
(短間隔の破線)と良く一致している。
破線)のガウス形パルスの場合の中央の励起範囲におけ
る計算された位相挙動を示す。非常に急な位相勾配を有
する90゜ガウス形パルスとは逆に、270゜ガウス形パル
スはこの範囲において殆ど平坦な位相挙動を示すという
ことは容易に理解される。特に重要なのは、有用な励起
範囲においては、即ち、励起の最大振幅の100%〜90%
の範囲においては、270゜ガウス形パルスの位相誤差は9
0゜ガウス形パルスの位相誤差の1/4未満になるというこ
とにすることである。第8図に示された実験的結果
(円)からより詳細に示されるように、この範囲におい
て位相誤差は15゜よりも小さく、これは計算された値
(短間隔の破線)と良く一致している。
更に、第7図は、270゜ガウス形パルスの実験的に判
別された挙動と計算された挙動との間には小さい相違が
あるということを示す。最も重要な相違は、シミュレー
ションにより予測されるゼロは平滑化されているという
こと及び共鳴時の磁化はハードなパルスにより得られる
強度よりやや低いということであるように思われる。こ
れらの誤差はB1場の不均等性によると容易に説明され得
る。高分解能分光分析法用のサンプルヘッド(sample h
eads)は、可能なかぎり高い感度を得るために、B1場の
均等性における損失という犠牲を払わねばならないとし
ても、通常高フィリングファクタ(filling factor)用
に設計されている。5mmプロトンサンプルを用いてミュ
ーテーション実験(mutation experiments)が行われた
が、これらの実験は、ローレンツ近似により、半分の高
さにおける幅ΔB10.1<B1>により定義され得るrf場
の分布を示す。もしこの関係をシミュレーションプログ
ラムにインプットするならば、その時は実験とシミュレ
ーション間の一致は第7図に示されているようにずっと
良くなる。B1不均等性の結果270゜ガウス形パルスの場
合約20%の感度損失になるとはいえ、これは、明らかに
改善された位相特性にとって比較的低いコストであるよ
うに思われる。
別された挙動と計算された挙動との間には小さい相違が
あるということを示す。最も重要な相違は、シミュレー
ションにより予測されるゼロは平滑化されているという
こと及び共鳴時の磁化はハードなパルスにより得られる
強度よりやや低いということであるように思われる。こ
れらの誤差はB1場の不均等性によると容易に説明され得
る。高分解能分光分析法用のサンプルヘッド(sample h
eads)は、可能なかぎり高い感度を得るために、B1場の
均等性における損失という犠牲を払わねばならないとし
ても、通常高フィリングファクタ(filling factor)用
に設計されている。5mmプロトンサンプルを用いてミュ
ーテーション実験(mutation experiments)が行われた
が、これらの実験は、ローレンツ近似により、半分の高
さにおける幅ΔB10.1<B1>により定義され得るrf場
の分布を示す。もしこの関係をシミュレーションプログ
ラムにインプットするならば、その時は実験とシミュレ
ーション間の一致は第7図に示されているようにずっと
良くなる。B1不均等性の結果270゜ガウス形パルスの場
合約20%の感度損失になるとはいえ、これは、明らかに
改善された位相特性にとって比較的低いコストであるよ
うに思われる。
本発明の方法を用いて達成し得る重要な利点は該方法
の実際の使用において明らかになる。第9図〜12図にお
いては、トランス−2−フェニル シクロプロパン炭酸
(trans−2−phenyl cyclopropane carbon acid)のメ
チルエステルのスペクトルが比較される。これらはハー
ドな90゜パルス、位相補正なしの90゜ガウス形パルス、
強く周波数に依存した位相補正をした同じパルス、及び
位相補正なしの本発明の270゜ガウス形パルスにより得
られたものである。さらに、実施例は、スカラー結合
(Scalar−coupled)スピンシステム(soft−NOESY)の
選択的2次元交換スペクトルを用いた実験に関する。小
さなフリップ角を有する通常のNOESY実験は、3つの非
選択性パルスのシークエンスから成る: 90゜−t1−20゜−τm−20゜−t2 〔1〕 選択的パルスが用いられる時は、このシークエンスの
代りに次のシークエンスを用いてもよい。
の実際の使用において明らかになる。第9図〜12図にお
いては、トランス−2−フェニル シクロプロパン炭酸
(trans−2−phenyl cyclopropane carbon acid)のメ
チルエステルのスペクトルが比較される。これらはハー
ドな90゜パルス、位相補正なしの90゜ガウス形パルス、
強く周波数に依存した位相補正をした同じパルス、及び
位相補正なしの本発明の270゜ガウス形パルスにより得
られたものである。さらに、実施例は、スカラー結合
(Scalar−coupled)スピンシステム(soft−NOESY)の
選択的2次元交換スペクトルを用いた実験に関する。小
さなフリップ角を有する通常のNOESY実験は、3つの非
選択性パルスのシークエンスから成る: 90゜−t1−20゜−τm−20゜−t2 〔1〕 選択的パルスが用いられる時は、このシークエンスの
代りに次のシークエンスを用いてもよい。
90゜GAUSS(ΩA)−t1−90゜GAUSS(ΩA)−τm −90゜GAUSS(ΩZ)−t2 〔2〕 かっこ内の周波数は、選択的パルスのrfキャリアの周
波数であり、この周波数は、問題の多重性の中心に対応
する化学的シフトに対して中心に集められるべきであ
る。対角線上多重線(diagonal multiplet)AAに対して
はΨZ=ΨA、クロスピーク多重線AXに対してはΨZ=
Ψx等のようにである。270゜ガウス形パルスが用いら
れると、シークエンスは単に次のようになる: 270゜GAUSS(ΩA)−t1−270゜GAUSS(ΩA)−τm −270゜GAUSS(ΩZ)−t2 〔3〕 このシークエンスにおいては、最初と最後のパルスは
単に縦方向の偏りを横方向磁化に変換する役を果たす
が、第2のパルスは逆のプロセス(reverse process)
を実行する目的に用いられる、言うまでもなく、270゜
ガウス形パルス等の位相ひずみのないパルスが、Mz偏
り、例えば純粋なMx偏りを、顕著な位相ひずみなしに変
換するのに適している時には、同じパルスは、また、磁
化のMx成分、即ち横方向磁化のx軸への投影を縦方向の
Mz偏りに変換し戻す立場にあるであろう。
波数であり、この周波数は、問題の多重性の中心に対応
する化学的シフトに対して中心に集められるべきであ
る。対角線上多重線(diagonal multiplet)AAに対して
はΨZ=ΨA、クロスピーク多重線AXに対してはΨZ=
Ψx等のようにである。270゜ガウス形パルスが用いら
れると、シークエンスは単に次のようになる: 270゜GAUSS(ΩA)−t1−270゜GAUSS(ΩA)−τm −270゜GAUSS(ΩZ)−t2 〔3〕 このシークエンスにおいては、最初と最後のパルスは
単に縦方向の偏りを横方向磁化に変換する役を果たす
が、第2のパルスは逆のプロセス(reverse process)
を実行する目的に用いられる、言うまでもなく、270゜
ガウス形パルス等の位相ひずみのないパルスが、Mz偏
り、例えば純粋なMx偏りを、顕著な位相ひずみなしに変
換するのに適している時には、同じパルスは、また、磁
化のMx成分、即ち横方向磁化のx軸への投影を縦方向の
Mz偏りに変換し戻す立場にあるであろう。
90゜ガウス形パルスを用いて、ソフトNOESY(soft−N
OESY)実験が実行される時は、第5のオーダーの2次元
の補正を遂行する必要がある。これは決して、ささいな
操作ではない。第13図及び第14図は、90゜と270゜のガ
ウス形パルスをそれぞれ用い、オクスフォード リサー
チシステムズ製の選択的励起用の装置を備えたAM400型
ブルーカースペクトロメータ(a type AM 400 Bruker s
pectrometer)を用いて、等式〔2〕及び〔3〕に従っ
て、ソフトNOESYシークエンスを用いて得られたトラン
ス−2−フェニルプロパン炭酸のメチルエステルのサン
プルのMM対角線上多重線のスペクトルを示す。第1のオ
ーダーの補正を用いて、第1のスペクトルを調整しよう
と試みたが、これは不可避的にスペクトルの厳しいベー
スラインロールに至り、それにより対角線の外側にある
多重線の低強度の成分が隠された。対照的に、第14図に
示された第2のスペクトルの場合は、位相依存性の補正
は全く行われなかった。2つのスペクトルの違いは自明
である。第15図は、270゜ガウス形パルスを用いて得ら
れた同一の化合物のMXクロスライン(MX−cross−lin
e)のスペクトルを示す。この場合も、周波数依存性位
相補正なしで、結果が良好である。
OESY)実験が実行される時は、第5のオーダーの2次元
の補正を遂行する必要がある。これは決して、ささいな
操作ではない。第13図及び第14図は、90゜と270゜のガ
ウス形パルスをそれぞれ用い、オクスフォード リサー
チシステムズ製の選択的励起用の装置を備えたAM400型
ブルーカースペクトロメータ(a type AM 400 Bruker s
pectrometer)を用いて、等式〔2〕及び〔3〕に従っ
て、ソフトNOESYシークエンスを用いて得られたトラン
ス−2−フェニルプロパン炭酸のメチルエステルのサン
プルのMM対角線上多重線のスペクトルを示す。第1のオ
ーダーの補正を用いて、第1のスペクトルを調整しよう
と試みたが、これは不可避的にスペクトルの厳しいベー
スラインロールに至り、それにより対角線の外側にある
多重線の低強度の成分が隠された。対照的に、第14図に
示された第2のスペクトルの場合は、位相依存性の補正
は全く行われなかった。2つのスペクトルの違いは自明
である。第15図は、270゜ガウス形パルスを用いて得ら
れた同一の化合物のMXクロスライン(MX−cross−lin
e)のスペクトルを示す。この場合も、周波数依存性位
相補正なしで、結果が良好である。
示された選択的NOESY実験は、主として定量的研究の
ために意図されている。この場合、スペクトルにひずみ
が全く導入されないことが重要であり、270゜ガウス形
パルスの使用は、NOESY実験の選択的バージョンを用い
てこの目的を達成する最良の手段であることが見出され
た。
ために意図されている。この場合、スペクトルにひずみ
が全く導入されないことが重要であり、270゜ガウス形
パルスの使用は、NOESY実験の選択的バージョンを用い
てこの目的を達成する最良の手段であることが見出され
た。
上記のソフトNOESY実験の場合とちょうど同じよう
に、270゜ガウス形パルスの使用は、例えば選択的TOKS
I、TOE及び特に2次元の実験の場合のように、選択的90
゜ガウス形パルスが現在まで用いられてきた全ての場合
において、有利である。同じ有利さが、選択的励起パル
スが、場勾配との関連でスライス選択(slice−selecti
on)の目的で用いられる時に、得られる。場勾配により
選択される領域の選択的励起用の270゜ガウス形パルス
の使用は、通常の90゜ガウス形パルスが用いられる時に
必要な場エコー(field echo)の発生の必要を除去する
かもしれない。従って、90゜ガウス形パルスの代わり
に、270゜ガウス形パルスを使用することを、像発生用
にNMRトモグラフィにおいて通常であるパルスシークエ
ンスに用いてはどうかという考えが生じる。同様のこと
が、より大きな物体の体積要素が、異なる方向の多重ス
ライス選択(multiple slice selection)により、その
ような体積要素のNMRスペクトルの検査のために、選択
的に励起されるべき場合に対応してあてはまる。
に、270゜ガウス形パルスの使用は、例えば選択的TOKS
I、TOE及び特に2次元の実験の場合のように、選択的90
゜ガウス形パルスが現在まで用いられてきた全ての場合
において、有利である。同じ有利さが、選択的励起パル
スが、場勾配との関連でスライス選択(slice−selecti
on)の目的で用いられる時に、得られる。場勾配により
選択される領域の選択的励起用の270゜ガウス形パルス
の使用は、通常の90゜ガウス形パルスが用いられる時に
必要な場エコー(field echo)の発生の必要を除去する
かもしれない。従って、90゜ガウス形パルスの代わり
に、270゜ガウス形パルスを使用することを、像発生用
にNMRトモグラフィにおいて通常であるパルスシークエ
ンスに用いてはどうかという考えが生じる。同様のこと
が、より大きな物体の体積要素が、異なる方向の多重ス
ライス選択(multiple slice selection)により、その
ような体積要素のNMRスペクトルの検査のために、選択
的に励起されるべき場合に対応してあてはまる。
不均等に拡大されたスペクトルにおける狭い周波数帯
の選択的励起は、重要なことであることは公知になって
久しい。実際、選択的rfパルスの有限の幅は、該パルス
の間強まる横方向磁化ベクトルの位相の分散という結果
をまねく。オフセットの専属的分布の存在下、回転する
座標系のz軸に対して連続的範囲のフリップ角の形成に
至る有効場の分布であるであろう。従って、磁化は、第
16a図に示された図に従って適用された小さな共鳴中の
(on−resonance)フリップ角を有するrfパルスの終り
に、殆ど完全にディフェージングされるであろうし、そ
の結果、信号は勾配がオフになった後殆ど消滅するであ
ろう。第16図に示されたrfパルスは打ち切られた(trun
cated)ガウス形パルスであるが、他のパルス形状と共
に勾配シナリオを調整することも同様に可能であろう。
第16a図は、場勾配の存在下、位相誤差の補償なしに、M
zからMxyへのまたは逆への変換用の選択的パルスを示
し;第16b図は、パルスの間強まる位相分散を補償する
ため勾配逆転(gradient reversal)により横方向磁化
が再集束される(MzからMxyへの変換用の)選択的励起
を示し;第16c図は、MxyからMzへの変換用の選択的パル
スを示し、この場合、位相誤差は、パルスの開始前に行
われた位相逆転により横方向磁化をプレデフォーカシン
グ(pre−defocusing)することにより補償される;第1
6d図は、打ち切られた(truncated)ガウス形パルスの
持続時間tp内の勾配上昇時間tgの間、場勾配がオンにさ
れそしてオフされるという点を除いて第16a図と同様で
あるアレンジメントを示す。
の選択的励起は、重要なことであることは公知になって
久しい。実際、選択的rfパルスの有限の幅は、該パルス
の間強まる横方向磁化ベクトルの位相の分散という結果
をまねく。オフセットの専属的分布の存在下、回転する
座標系のz軸に対して連続的範囲のフリップ角の形成に
至る有効場の分布であるであろう。従って、磁化は、第
16a図に示された図に従って適用された小さな共鳴中の
(on−resonance)フリップ角を有するrfパルスの終り
に、殆ど完全にディフェージングされるであろうし、そ
の結果、信号は勾配がオフになった後殆ど消滅するであ
ろう。第16図に示されたrfパルスは打ち切られた(trun
cated)ガウス形パルスであるが、他のパルス形状と共
に勾配シナリオを調整することも同様に可能であろう。
第16a図は、場勾配の存在下、位相誤差の補償なしに、M
zからMxyへのまたは逆への変換用の選択的パルスを示
し;第16b図は、パルスの間強まる位相分散を補償する
ため勾配逆転(gradient reversal)により横方向磁化
が再集束される(MzからMxyへの変換用の)選択的励起
を示し;第16c図は、MxyからMzへの変換用の選択的パル
スを示し、この場合、位相誤差は、パルスの開始前に行
われた位相逆転により横方向磁化をプレデフォーカシン
グ(pre−defocusing)することにより補償される;第1
6d図は、打ち切られた(truncated)ガウス形パルスの
持続時間tp内の勾配上昇時間tgの間、場勾配がオンにさ
れそしてオフされるという点を除いて第16a図と同様で
あるアレンジメントを示す。
幸運にも、ガウス形、シンク(Sinc)形又はエルミー
ト(Hermite)形パルスを示す選択的パルスと同様に殆
どの選択的パルスは、z磁化への作用の間オフセットの
関数として殆ど直線状の位相勾配を有する横方向磁化を
まねく。従って、非選択的180゜パルスを用いる、又は
第16b図に示すように磁場勾配の逆転(reversal)によ
る再集束によりこの位相分散を除去する可能性が存在す
る。通常は勾配逆転というオプションが、好ましいが、
それは当然非共鳴時(off−resonance)の効果を隠すに
足るほど高くなければならない。180゜パルスに必要と
される高いrfパワーに伴う複雑化がそれにより回避され
るからである。シミュレーションされたエコー技術にお
けるように、全ての非選択的パルスが避けられれば、問
題の体積(VOI)を、第2のVOIの3つの座標の全てが最
初のVOIの3つの座標の全てと異なるという条件で、他
のサンプル領域に再配置することにより、多体積(mult
i−volume)分光分析法が可能とされる。
ト(Hermite)形パルスを示す選択的パルスと同様に殆
どの選択的パルスは、z磁化への作用の間オフセットの
関数として殆ど直線状の位相勾配を有する横方向磁化を
まねく。従って、非選択的180゜パルスを用いる、又は
第16b図に示すように磁場勾配の逆転(reversal)によ
る再集束によりこの位相分散を除去する可能性が存在す
る。通常は勾配逆転というオプションが、好ましいが、
それは当然非共鳴時(off−resonance)の効果を隠すに
足るほど高くなければならない。180゜パルスに必要と
される高いrfパワーに伴う複雑化がそれにより回避され
るからである。シミュレーションされたエコー技術にお
けるように、全ての非選択的パルスが避けられれば、問
題の体積(VOI)を、第2のVOIの3つの座標の全てが最
初のVOIの3つの座標の全てと異なるという条件で、他
のサンプル領域に再配置することにより、多体積(mult
i−volume)分光分析法が可能とされる。
“トップハット(top hat)”周波数応答を達成する
目的で、MzからMxyへの選択的変換用のパルス形状の開
発のために多くの努力が費やされてきた。勿論、パルス
の後に磁化に再集束することが可能であると仮定して、
これらの研究プロジェクトの大部分は位相応答を少しし
か考慮しかなった。しかし、SPARS(空間的に分解され
た分光分析法)またはVEST(刺激されたエコーによる選
択的体積励起)の場合のように、横方向Mxy磁化をz軸
に選択的に回転し戻す目的にパルスを使用するとすれ
ば、位相分散の問題はより重要になる。勿論、一度磁化
が回転する座標系のz軸に沿って方向づけられてしまえ
ばもはや磁化を再集束させることは不可能であり、その
結果、横方向平面における磁化ベクトル位相分布はパル
スの適用より前に適当な方法により整えられなけばなら
ない。
目的で、MzからMxyへの選択的変換用のパルス形状の開
発のために多くの努力が費やされてきた。勿論、パルス
の後に磁化に再集束することが可能であると仮定して、
これらの研究プロジェクトの大部分は位相応答を少しし
か考慮しかなった。しかし、SPARS(空間的に分解され
た分光分析法)またはVEST(刺激されたエコーによる選
択的体積励起)の場合のように、横方向Mxy磁化をz軸
に選択的に回転し戻す目的にパルスを使用するとすれ
ば、位相分散の問題はより重要になる。勿論、一度磁化
が回転する座標系のz軸に沿って方向づけられてしまえ
ばもはや磁化を再集束させることは不可能であり、その
結果、横方向平面における磁化ベクトル位相分布はパル
スの適用より前に適当な方法により整えられなけばなら
ない。
270゜ガウス形パルスの効果の我々の上記の検討は、
平行Z磁化に作用するパルスのみを考慮している。パル
スのX磁化への効果が知られれば、どのようにそれが横
方向磁化に作用するかを分析的に示すことが幸運にも可
能となる。時間対照的なエンベロープを有する現実の
(即ち、位相一定の)パルスが、(z軸に沿って磁場を
発生させる)時間対称的な振幅変調された場勾配と共
に、y軸に沿って適用されると、磁化は、xy平面に必ず
存在しなければならない軸の回りの完全な回転Rtotに付
される。従って、問題は、所与の磁化ベクトルにとっ
て、一定の場の存在下一定振幅のパルスによって発生さ
せられた回転と全く等価である。実際、分析的手段によ
り、有効なフリップ角βeff=−yeff・tpの又は有効な
回転角Θeffの有効場Beffの振幅(amplitude)を決定す
るいかなる簡単な可能性も存在しないが、これは、現在
の検討の目的にとって実際は必要でない。共鳴の所与の
オフセット及び所与のパルス形状の場合βeff及びΘeff
が一定であるということを注意すれば充分である。z軸
に沿って方向づけられる最初の磁化M0にβeff及びΘeff
の所与の値を有するパルスがyz平面で作用すると、得ら
れる磁化は、以下の様であるとは容易に示され得る。
平行Z磁化に作用するパルスのみを考慮している。パル
スのX磁化への効果が知られれば、どのようにそれが横
方向磁化に作用するかを分析的に示すことが幸運にも可
能となる。時間対照的なエンベロープを有する現実の
(即ち、位相一定の)パルスが、(z軸に沿って磁場を
発生させる)時間対称的な振幅変調された場勾配と共
に、y軸に沿って適用されると、磁化は、xy平面に必ず
存在しなければならない軸の回りの完全な回転Rtotに付
される。従って、問題は、所与の磁化ベクトルにとっ
て、一定の場の存在下一定振幅のパルスによって発生さ
せられた回転と全く等価である。実際、分析的手段によ
り、有効なフリップ角βeff=−yeff・tpの又は有効な
回転角Θeffの有効場Beffの振幅(amplitude)を決定す
るいかなる簡単な可能性も存在しないが、これは、現在
の検討の目的にとって実際は必要でない。共鳴の所与の
オフセット及び所与のパルス形状の場合βeff及びΘeff
が一定であるということを注意すれば充分である。z軸
に沿って方向づけられる最初の磁化M0にβeff及びΘeff
の所与の値を有するパルスがyz平面で作用すると、得ら
れる磁化は、以下の様であるとは容易に示され得る。
Mx r=M0sinβeffsinθeff My r=M0(1−cosβeff)sinθeffcosθeff Mz r=M0(cos2θeff+cosβeffsin2θeff 〔4〕 他方、x軸に沿って方向づけられた磁化M0に同じパル
スが作用する、得られる成分は次の様に定義される: Mx r=−M0cosβeff My r=−M0sinβeffcosβeff Mz r=−M0sinβeffsinθeff 〔5〕 等式〔4〕及び〔5〕から、−x磁化に作用するパル
スのMz応答はz磁化に作用するパルスのMx応答と全く同
一であることは明らかである。従って、270゜ガウス形
パルス(又は上記の条件を満たすいかなるパルス)によ
って選択されたスライスプロフィールは、それに作用す
る磁化が最初にMxに沿って方向づけられていようとMz軸
に沿って方向づけられていようと、同じであろう。結果
として得られる磁化は単に異なる軸に沿って蓄積され
る。
スが作用する、得られる成分は次の様に定義される: Mx r=−M0cosβeff My r=−M0sinβeffcosβeff Mz r=−M0sinβeffsinθeff 〔5〕 等式〔4〕及び〔5〕から、−x磁化に作用するパル
スのMz応答はz磁化に作用するパルスのMx応答と全く同
一であることは明らかである。従って、270゜ガウス形
パルス(又は上記の条件を満たすいかなるパルス)によ
って選択されたスライスプロフィールは、それに作用す
る磁化が最初にMxに沿って方向づけられていようとMz軸
に沿って方向づけられていようと、同じであろう。結果
として得られる磁化は単に異なる軸に沿って蓄積され
る。
第17a図及び第17c図は、−x磁化に作用する90゜ガウ
ス形パルス及び90゜シンク(Sinc)形パルスのMzプロフ
ィールを示すが、後者は、選択的パルスの適用前に対象
全体に亘って均一に励起されていたということが仮定さ
れている。簡単さのために、現在の目的にとって、勾配
は瞬時に切り換えられるということが仮定されるであろ
う。水平軸は、適用された場勾配に平行な方向のスライ
スの中心からの距離rと直線的に比例する。上記の考慮
によれば、これらのシミュレーションも、同じパルスが
平衡z磁化に作用する時に得られるx磁化プロフィール
を説明している。選択的90゜パルスの望ましくないプロ
フィールは、パルスの間生じるディフェージング(deph
asing)の直接の結果である。もし必要とされている変
換がMzからMxへである時は、第16b図の構成図による再
集束ステップによって、プロフィールをかなり改善する
ことができる。
ス形パルス及び90゜シンク(Sinc)形パルスのMzプロフ
ィールを示すが、後者は、選択的パルスの適用前に対象
全体に亘って均一に励起されていたということが仮定さ
れている。簡単さのために、現在の目的にとって、勾配
は瞬時に切り換えられるということが仮定されるであろ
う。水平軸は、適用された場勾配に平行な方向のスライ
スの中心からの距離rと直線的に比例する。上記の考慮
によれば、これらのシミュレーションも、同じパルスが
平衡z磁化に作用する時に得られるx磁化プロフィール
を説明している。選択的90゜パルスの望ましくないプロ
フィールは、パルスの間生じるディフェージング(deph
asing)の直接の結果である。もし必要とされている変
換がMzからMxへである時は、第16b図の構成図による再
集束ステップによって、プロフィールをかなり改善する
ことができる。
もし必要とされている変換がMxからMzへである場合
は、再集束(refocusing)は可能でない。この場合、プ
レデフォーカシング(pre−defocusing)が実際的な代
替方法である。後者は、第16c図に従って、rfパルスの
適用前に横方向磁化の位相分散を生じさせる目的で場勾
配を適用することにより実行される。上記の対照的議論
から、このようにして生じた位相分散は、MzからMxyへ
通る所与のパルスによって生じた位相分散と大きさは等
しいが逆向きでなければならず、その結果パルスは今や
MxyからMzへの変換を実行するであろうという結果が得
られる。第17b図及び第17d図は、このようにして90゜ガ
ウス形及び90゜シンク(sinc)形パルスを用いて得るこ
とができるプロフィールを示す。これは、目下、空間的
ローカライゼーション(localization)実験において満
足すべきZ磁化プロフィールを発生させるための優れた
方法である。しかし、この手順は、明らかに完全に望ま
しいものではない。何故ならば、磁化が長い期間横方向
平面内にとどまらなければならないというのがこの手順
の必要条件であり、これはT2緩和時間が短い時に実験の
感度を低減するが、このことはイン−ヴィヴォ−31P分
光分析法(in−vivo−31P spectroscopy)又はゴム若し
くはプラスチック材等の固体に対する分光分析法におい
てはしばしば事実そうである。もっと正確に言えば、プ
レデフォーカシングが90゜ガウス形パルス又は90゜シン
ク形パルスと組み合わされた場合には、パルス及び勾配
シークエンスの全持続時間は約55%延長される。
は、再集束(refocusing)は可能でない。この場合、プ
レデフォーカシング(pre−defocusing)が実際的な代
替方法である。後者は、第16c図に従って、rfパルスの
適用前に横方向磁化の位相分散を生じさせる目的で場勾
配を適用することにより実行される。上記の対照的議論
から、このようにして生じた位相分散は、MzからMxyへ
通る所与のパルスによって生じた位相分散と大きさは等
しいが逆向きでなければならず、その結果パルスは今や
MxyからMzへの変換を実行するであろうという結果が得
られる。第17b図及び第17d図は、このようにして90゜ガ
ウス形及び90゜シンク(sinc)形パルスを用いて得るこ
とができるプロフィールを示す。これは、目下、空間的
ローカライゼーション(localization)実験において満
足すべきZ磁化プロフィールを発生させるための優れた
方法である。しかし、この手順は、明らかに完全に望ま
しいものではない。何故ならば、磁化が長い期間横方向
平面内にとどまらなければならないというのがこの手順
の必要条件であり、これはT2緩和時間が短い時に実験の
感度を低減するが、このことはイン−ヴィヴォ−31P分
光分析法(in−vivo−31P spectroscopy)又はゴム若し
くはプラスチック材等の固体に対する分光分析法におい
てはしばしば事実そうである。もっと正確に言えば、プ
レデフォーカシングが90゜ガウス形パルス又は90゜シン
ク形パルスと組み合わされた場合には、パルス及び勾配
シークエンスの全持続時間は約55%延長される。
体積ローカリゼイション(volume localization)問
題と関連して、第17図の(選択された平面に属する)単
一次元のプロフィールが組み合わされて最終的に選択さ
れた体積を形成するし方を思い出すのは有用である。第
18図は、左半分に示されるように、“ビルディング ブ
ロックス(building blocks)”のうちの2つがX及び
Y方向(又は反対方向)に方向づけられた勾配に続いて
配される時、空間軸X及びYに沿って得られるMzプロフ
ィールを示す。第18a図は、SPARS実験におけるように、
横方向磁化用のプレデフォーカシングを伴って、90゜ガ
ウス形パルスについて得られるであろうプロフィールを
示す。第18b図は、プレデフォーカシングステップを避
けようとする試みが、いかにその結果得られるMz応答を
認識できないほどゆがめるかを示す。しかし、270゜ガ
ウス形パルスを発生されるrf振幅を単に増大させること
により、270゜ガウス形パルスの自己再集束効果によ
り、第18b図の無秩序な応答を第18c図に優れた分布に変
形することが可能である。等高線は、M゜の±5,10,25,
50,75及び90%で描かれた。全体として、第18図から、
全ての干渉性偏差が合計されていることがわかり、この
ことは、90゜パルスが使用される時には、有用なVOIを
得るためには再集束ステップが絶対必要であるというこ
とを明らかに示している。
題と関連して、第17図の(選択された平面に属する)単
一次元のプロフィールが組み合わされて最終的に選択さ
れた体積を形成するし方を思い出すのは有用である。第
18図は、左半分に示されるように、“ビルディング ブ
ロックス(building blocks)”のうちの2つがX及び
Y方向(又は反対方向)に方向づけられた勾配に続いて
配される時、空間軸X及びYに沿って得られるMzプロフ
ィールを示す。第18a図は、SPARS実験におけるように、
横方向磁化用のプレデフォーカシングを伴って、90゜ガ
ウス形パルスについて得られるであろうプロフィールを
示す。第18b図は、プレデフォーカシングステップを避
けようとする試みが、いかにその結果得られるMz応答を
認識できないほどゆがめるかを示す。しかし、270゜ガ
ウス形パルスを発生されるrf振幅を単に増大させること
により、270゜ガウス形パルスの自己再集束効果によ
り、第18b図の無秩序な応答を第18c図に優れた分布に変
形することが可能である。等高線は、M゜の±5,10,25,
50,75及び90%で描かれた。全体として、第18図から、
全ての干渉性偏差が合計されていることがわかり、この
ことは、90゜パルスが使用される時には、有用なVOIを
得るためには再集束ステップが絶対必要であるというこ
とを明らかに示している。
第17e図は、再集束又はプレデフォーカシングステッ
プなしで、第16a図の図によるX磁化に作用する270゜ガ
ウス形パルスのプロフィールを示す。第17図の全てのプ
ロフィールは、勾配が瞬時に切り換えられると仮定し
て、同一の持続時間のパルスに対するブロッホの方程式
の数値的結果を決定することにより計算された。水平軸
は、直線状の場勾配の場合はスライスの中心からの距離
rと正比例する任意の単位で目盛りがつけられる。この
ことにより、ω1 maxが270゜ガウス形パルスの場合は90
゜ガウス形パルスよりも3倍大きいという事実のみによ
って区別される2つのガウス形パルスの効果の下におけ
る磁化の挙動を比較することが可能になる。特に注目さ
れるのは、再集束された90゜シンク形パルスと比べた場
合の270゜ガウス形パルスのより高度の選択性であり、9
0゜ガウス形パルスと比べた場合のこれらの2つのパル
スのずっと高い選択性である。さらに、注目すべきなの
は、270゜ガウス形パルスのrfピーク振幅は、90゜シン
ク形パルスのピークよりもわずかに15%高いということ
である。
プなしで、第16a図の図によるX磁化に作用する270゜ガ
ウス形パルスのプロフィールを示す。第17図の全てのプ
ロフィールは、勾配が瞬時に切り換えられると仮定し
て、同一の持続時間のパルスに対するブロッホの方程式
の数値的結果を決定することにより計算された。水平軸
は、直線状の場勾配の場合はスライスの中心からの距離
rと正比例する任意の単位で目盛りがつけられる。この
ことにより、ω1 maxが270゜ガウス形パルスの場合は90
゜ガウス形パルスよりも3倍大きいという事実のみによ
って区別される2つのガウス形パルスの効果の下におけ
る磁化の挙動を比較することが可能になる。特に注目さ
れるのは、再集束された90゜シンク形パルスと比べた場
合の270゜ガウス形パルスのより高度の選択性であり、9
0゜ガウス形パルスと比べた場合のこれらの2つのパル
スのずっと高い選択性である。さらに、注目すべきなの
は、270゜ガウス形パルスのrfピーク振幅は、90゜シン
ク形パルスのピークよりもわずかに15%高いということ
である。
第17e図より、自己再集束性270゜ガウス形パルスによ
り生じるZ磁化の量は、信号取消し(signal cancellat
oin)のために観察され得ないが、単に9%になるとい
うことが注目できる。観察可能な信号の大きさ、及び結
果として得られる270゜ガウス形パルスの磁化プロフィ
ールは、ガウスの関数の打ち切り(truncation)レベル
に非常に感度よく反応する。時間領域のエンベロープ
は、 B1(t)=B1 (max)epx[−a(t−1/2tp)2]π(0,t
p), [6] により定義され、ここにπは、t=0及びtpの間では値
1であり他の時は値0である箱形関数であり、a=(1n
2)/(t1/2)2,であり、ここにt1/2はガウスの関数
の最大値の半分の幅である。最良の打ち切り(truncati
on)点は、約0.025B1 (max)に見出され、従って、2.5%
で切られた現在の目的のために考慮された全ての270゜
ガウス形パルスである。
り生じるZ磁化の量は、信号取消し(signal cancellat
oin)のために観察され得ないが、単に9%になるとい
うことが注目できる。観察可能な信号の大きさ、及び結
果として得られる270゜ガウス形パルスの磁化プロフィ
ールは、ガウスの関数の打ち切り(truncation)レベル
に非常に感度よく反応する。時間領域のエンベロープ
は、 B1(t)=B1 (max)epx[−a(t−1/2tp)2]π(0,t
p), [6] により定義され、ここにπは、t=0及びtpの間では値
1であり他の時は値0である箱形関数であり、a=(1n
2)/(t1/2)2,であり、ここにt1/2はガウスの関数
の最大値の半分の幅である。最良の打ち切り(truncati
on)点は、約0.025B1 (max)に見出され、従って、2.5%
で切られた現在の目的のために考慮された全ての270゜
ガウス形パルスである。
270゜ガウス形パルスの望ましいプロフィールは、打
ち切り(tauncation)レベルの好適な選択と組み合わさ
れた、その自己再集束性の直接の結果である。270゜ガ
ウス形パルスの背後の原理を理解するためには、個々の
磁化ベクトルがパルスの間どのように発達するかを思い
出すのが有用かも知れない。明確さのために、以後平衡
Z磁化に作用するパルスの効果を考察することにする。
270゜ガウス形パルスの自己再集束効果は、従来の“グ
レープフルーツ図”を用いて上記で論じられたが、この
場合、軌道は単位球面上に示されている。さて、90゜ガ
ウス形パルスについて第19a図に示されているように、
時間の関数としての異なるオフセットでの磁化ベクトル
の系の位相φ=アークタン(arctan)(Mg/Mx)の発達
を見ることにする。軌道はtf=0.45tpに又はその近くに
見掛けの焦点を有し、この時tpはパルスの総持続時間で
あることは注意しなければならない。同一の総持続時間
であるが、フリップ角270゜の(即ち、3倍の値のω1
maxを有する)ガウス形パルスの場合、同一の磁化ベク
トルの焦点は、第19b図に示すように、0.85tpに又はそ
の近くに見出される。自己再集束270゜ガウス形パルス
の終りに得られるかなり低減された位相分散の原因とな
るのは、磁化焦点のこのオフセットである。この点で、
理想的なパルスは、実際の焦点をtf≧tpに有するパルス
であろう。集束する瞬間にパルス(又はむしろ勾配)を
切断することは望ましくない。何故ならばそれにより結
果として得られる磁化プロフィールがひどく乱されるで
あろうから。第19図における水平方向の時間軸はガウス
の関数が打ち切られる(truncaed)点の間に延びてい
る。ベクトルは、低減された周波数間隔0.058で存在
し、両方のパルスは2.5%で切断されている。位相(+
x軸から+y軸への偏向)は、90゜パルスの場合=0
で270゜パルスの場合=−π、即ち−x軸で始まる。
ち切り(tauncation)レベルの好適な選択と組み合わさ
れた、その自己再集束性の直接の結果である。270゜ガ
ウス形パルスの背後の原理を理解するためには、個々の
磁化ベクトルがパルスの間どのように発達するかを思い
出すのが有用かも知れない。明確さのために、以後平衡
Z磁化に作用するパルスの効果を考察することにする。
270゜ガウス形パルスの自己再集束効果は、従来の“グ
レープフルーツ図”を用いて上記で論じられたが、この
場合、軌道は単位球面上に示されている。さて、90゜ガ
ウス形パルスについて第19a図に示されているように、
時間の関数としての異なるオフセットでの磁化ベクトル
の系の位相φ=アークタン(arctan)(Mg/Mx)の発達
を見ることにする。軌道はtf=0.45tpに又はその近くに
見掛けの焦点を有し、この時tpはパルスの総持続時間で
あることは注意しなければならない。同一の総持続時間
であるが、フリップ角270゜の(即ち、3倍の値のω1
maxを有する)ガウス形パルスの場合、同一の磁化ベク
トルの焦点は、第19b図に示すように、0.85tpに又はそ
の近くに見出される。自己再集束270゜ガウス形パルス
の終りに得られるかなり低減された位相分散の原因とな
るのは、磁化焦点のこのオフセットである。この点で、
理想的なパルスは、実際の焦点をtf≧tpに有するパルス
であろう。集束する瞬間にパルス(又はむしろ勾配)を
切断することは望ましくない。何故ならばそれにより結
果として得られる磁化プロフィールがひどく乱されるで
あろうから。第19図における水平方向の時間軸はガウス
の関数が打ち切られる(truncaed)点の間に延びてい
る。ベクトルは、低減された周波数間隔0.058で存在
し、両方のパルスは2.5%で切断されている。位相(+
x軸から+y軸への偏向)は、90゜パルスの場合=0
で270゜パルスの場合=−π、即ち−x軸で始まる。
自己再集束により270゜ガウス形パルスの場合17e図の
Mzプロフィールが得られるが、このプロフィールは、
(勾配逆転なしに!)急に低下するフランク部(flan
k)と共鳴からはるかに遠いほんのわずかの波打ちと共
に、共鳴近くの殆んど平坦な領域を有するという良好な
選択性にとっての基準を満たす。第17e図に示され低減
された周波数として表現されるスライスの厚みは、δr
=0.65である。第18c図における270゜ガウス形パルスの
2次元の選択性の等高線を見るならば、VOIは非常に良
く限定され形状が殆ど正方形であることに容易に気付く
であろう。
Mzプロフィールが得られるが、このプロフィールは、
(勾配逆転なしに!)急に低下するフランク部(flan
k)と共鳴からはるかに遠いほんのわずかの波打ちと共
に、共鳴近くの殆んど平坦な領域を有するという良好な
選択性にとっての基準を満たす。第17e図に示され低減
された周波数として表現されるスライスの厚みは、δr
=0.65である。第18c図における270゜ガウス形パルスの
2次元の選択性の等高線を見るならば、VOIは非常に良
く限定され形状が殆ど正方形であることに容易に気付く
であろう。
VSE(体積選択的励起)技術の主な不都合の1つは、
そのMzプロフィールが望ましい箱状の形を示さないとい
う事実に存し、そのため、VOIの外側の領域からの突破
(break−through)信号を常に予測しなければならな
い。我々のシミュレーションによれば、検査中の対象の
スピン密度(又はそのような対象における特定のスピン
タイプ)が連続体で示される場合、自己再集束270゜ガ
ウス形パルスに続くVOI(スライス厚みδrで定義され
る;第17e図参照)の外側からの信号への効果は、3次
元の対象から受け取られる全信号の0.02%に略等しい。
この無視し得る程小さい突破(break−through)信号の
90゜より大きい部分がVOIの周囲のδrより小さい距離
から生じているということに注目するのは面白い。従っ
て、体積選択的分光分析法と関連するいかなる場合にお
いても、ガウス形パルスより優れているかも知れないパ
ルス形状を捜すのは、ほとんどやっても意味がない。
そのMzプロフィールが望ましい箱状の形を示さないとい
う事実に存し、そのため、VOIの外側の領域からの突破
(break−through)信号を常に予測しなければならな
い。我々のシミュレーションによれば、検査中の対象の
スピン密度(又はそのような対象における特定のスピン
タイプ)が連続体で示される場合、自己再集束270゜ガ
ウス形パルスに続くVOI(スライス厚みδrで定義され
る;第17e図参照)の外側からの信号への効果は、3次
元の対象から受け取られる全信号の0.02%に略等しい。
この無視し得る程小さい突破(break−through)信号の
90゜より大きい部分がVOIの周囲のδrより小さい距離
から生じているということに注目するのは面白い。従っ
て、体積選択的分光分析法と関連するいかなる場合にお
いても、ガウス形パルスより優れているかも知れないパ
ルス形状を捜すのは、ほとんどやっても意味がない。
一見して、勾配を瞬時にオンオフして切り換えること
ができないという事実が、自己集束性270゜ガウス形パ
ルスの導入への大きな障害となるかも知れないと思われ
るかも知れない。従来MxからMzへの変換(第16c図)に
使用されたシークエンスを見ると、1自由度(one degr
ee of freedom)は、有限の勾配切換時間を補償するた
めにプレデフォーカシング時間遅延の長さを“縮めるこ
と”に存することに気付く。対照的に、第16a図の勾配
シナリオと組み合せた自己再集束270゜パルスは、この
自由度を持たない。勾配及びrfパルスが活性化される前
にちょうどX軸に沿って磁化が方向づけられると仮定す
るならば、勾配が徐々にオンされた時、時間間隔tgの間
実際かなりの位相誤差が生じ、かくして結果として得ら
れるプロフィールにひずみを生じさせるであろう。これ
らの局面下で検討するならば、第17e図及び第18c図の場
合に計算されたプロフィールのシミュレーションは、勾
配が瞬時に切り換えられるという前提に基づき、従って
上記の遅延の効果を考慮外においているので、根拠のな
い夢に過ぎないであろう。
ができないという事実が、自己集束性270゜ガウス形パ
ルスの導入への大きな障害となるかも知れないと思われ
るかも知れない。従来MxからMzへの変換(第16c図)に
使用されたシークエンスを見ると、1自由度(one degr
ee of freedom)は、有限の勾配切換時間を補償するた
めにプレデフォーカシング時間遅延の長さを“縮めるこ
と”に存することに気付く。対照的に、第16a図の勾配
シナリオと組み合せた自己再集束270゜パルスは、この
自由度を持たない。勾配及びrfパルスが活性化される前
にちょうどX軸に沿って磁化が方向づけられると仮定す
るならば、勾配が徐々にオンされた時、時間間隔tgの間
実際かなりの位相誤差が生じ、かくして結果として得ら
れるプロフィールにひずみを生じさせるであろう。これ
らの局面下で検討するならば、第17e図及び第18c図の場
合に計算されたプロフィールのシミュレーションは、勾
配が瞬時に切り換えられるという前提に基づき、従って
上記の遅延の効果を考慮外においているので、根拠のな
い夢に過ぎないであろう。
しかし、第16d図により表わされた種類のrfパルス期
間tpに切換え時間を統合することにより、状況を改善す
ることができる。現実的には、時間遅延tgは(パルスの
始まり及び終りの両方において)rfパルス幅tpの20%ま
で等しくなるであろうということが想定される。第20b
図は、同じ270゜ガウス形パルスを用いて、そして、再
び、勾配が瞬時に切り換えられるという仮定のもとで得
られる第17e図と同じMzプロフィールを示す。第20d図
は、同じrfパルスが用いられた時プロフィールがゆがむ
ゆがみ方を示すが、場勾配はt=0からt=0.2tpへ直
線的に立ち上がり、同様に直線的にt=0.8tpからt=
1.0tpに低下する。
間tpに切換え時間を統合することにより、状況を改善す
ることができる。現実的には、時間遅延tgは(パルスの
始まり及び終りの両方において)rfパルス幅tpの20%ま
で等しくなるであろうということが想定される。第20b
図は、同じ270゜ガウス形パルスを用いて、そして、再
び、勾配が瞬時に切り換えられるという仮定のもとで得
られる第17e図と同じMzプロフィールを示す。第20d図
は、同じrfパルスが用いられた時プロフィールがゆがむ
ゆがみ方を示すが、場勾配はt=0からt=0.2tpへ直
線的に立ち上がり、同様に直線的にt=0.8tpからt=
1.0tpに低下する。
これらのひずみはかなり大きく、これらの効果を補償
する方法が見出されるべきであることは明らかである。
このため、パルスの期間中の勾配の切換えが瞬時のフリ
ップ角Θの時間依存性に有する結果を見ることにする。
有効場が、パルスの早い部分の期間Z軸に近く方向づけ
られ、B1が上昇するにつれて横方向平面に向けて徐々に
動き、そして、最後のパルス部分の期間最終的にZ軸に
向けて戻るということは、一定の場の存在下(即ち、切
り換えられた勾配の存在下)における、いかなるガウス
形パルスであろうとそれの固有の性質の一つである。こ
れにより、大きなオフセットを有する磁化ベクトルの場
合のいわゆる“涙のしずく”軌道が得られる。フリップ
角Θ(t)の挙動(Z軸に対する偏向)が、第20a図に
おいて、一定の場の存在下の270゜ガウス形パルスの場
合で示されるている。その結果は、第20b図のいずみの
ないプロフィールである。さて、ゆっくりと立ち上がる
勾配を有するパルスのΘ(t)の挙動を見ると、−たっ
た今述べた状況とは全く逆に−消滅しないB1が有効場の
Z成分に代わりに、rfパルスのまさに始まりにおいて存
在するということに気付く。従ってΘ(t=0)=π/2
である。第20c図は、Θ(t)の挙動が勾配切り換え期
間においてひずむひずみ方を示す。この結果軌道のかな
りのひずみとなり、従って第20d図の受け入れがたいプ
ロフィールが驚かさないということは明らかである。
する方法が見出されるべきであることは明らかである。
このため、パルスの期間中の勾配の切換えが瞬時のフリ
ップ角Θの時間依存性に有する結果を見ることにする。
有効場が、パルスの早い部分の期間Z軸に近く方向づけ
られ、B1が上昇するにつれて横方向平面に向けて徐々に
動き、そして、最後のパルス部分の期間最終的にZ軸に
向けて戻るということは、一定の場の存在下(即ち、切
り換えられた勾配の存在下)における、いかなるガウス
形パルスであろうとそれの固有の性質の一つである。こ
れにより、大きなオフセットを有する磁化ベクトルの場
合のいわゆる“涙のしずく”軌道が得られる。フリップ
角Θ(t)の挙動(Z軸に対する偏向)が、第20a図に
おいて、一定の場の存在下の270゜ガウス形パルスの場
合で示されるている。その結果は、第20b図のいずみの
ないプロフィールである。さて、ゆっくりと立ち上がる
勾配を有するパルスのΘ(t)の挙動を見ると、−たっ
た今述べた状況とは全く逆に−消滅しないB1が有効場の
Z成分に代わりに、rfパルスのまさに始まりにおいて存
在するということに気付く。従ってΘ(t=0)=π/2
である。第20c図は、Θ(t)の挙動が勾配切り換え期
間においてひずむひずみ方を示す。この結果軌道のかな
りのひずみとなり、従って第20d図の受け入れがたいプ
ロフィールが驚かさないということは明らかである。
勾配選択プロセスが励起プロフィールに持つ効果を除
去するために、いかなるシークエンスであろうとその間
tg=0であるΘ(t)の挙動をできるかぎり第20a図の
理想的ケースに適合させることが必要である。最も明白
に想到する方法は、Θは勾配振幅の低減にrf振幅に対応
する低減が伴う時には一定のままであるので、勾配のプ
ロフィールにより単にパルスの形状を検討することであ
る。しかし、この場合、勾配形成期間の間有効場の値が
次に低下するためある程度の軌道のいずみが残るであろ
う。最も満足すべきと思われるアプローチは、勾配エン
ベロープによりガウス形のエンベロープを修正し、rf振
幅が低いパルスの始まり及び終りにより大きな回転用の
ある期間を許容することである。これは、ガウスの関数
の打ち切り(truncation)値を低減することにより簡単
に達成できる。
去するために、いかなるシークエンスであろうとその間
tg=0であるΘ(t)の挙動をできるかぎり第20a図の
理想的ケースに適合させることが必要である。最も明白
に想到する方法は、Θは勾配振幅の低減にrf振幅に対応
する低減が伴う時には一定のままであるので、勾配のプ
ロフィールにより単にパルスの形状を検討することであ
る。しかし、この場合、勾配形成期間の間有効場の値が
次に低下するためある程度の軌道のいずみが残るであろ
う。最も満足すべきと思われるアプローチは、勾配エン
ベロープによりガウス形のエンベロープを修正し、rf振
幅が低いパルスの始まり及び終りにより大きな回転用の
ある期間を許容することである。これは、ガウスの関数
の打ち切り(truncation)値を低減することにより簡単
に達成できる。
第20e図は、(第20c図における2.5%と比べて)0.28
%で打ち切られた270゜ガウス形パルスの場合のΘ
(t)を示す。この場合、パルスのまさに始まり及びま
さに終りにおいて、Θがπ/2に向けて上昇することを除
いて、挙動は第20a図の理想的挙動と非常に類似してい
ることが認識される。このわずかの偏移は、有効場がこ
れらの時点ではほんのわずかの影響力しか持たないよう
に十分に低いので全く重要でなく、実際において、第20
fのプロフィールは、より低い打ち切り(truncation)
レベルのパルスに必要とされるわずかに高いパワーによ
って起きるディスク厚みのささいなスケーリング(scal
ing)を除いて、第20b図のプロフィールと全く同一であ
る。スケーリング因子はtg/tp=0.2のとき約1.2であ
る。だから、自己再集束270゜ガウス形パルスにとっ
て、打ち切り(truncation)レベルを単に低減すること
により、殆んど完全に勾配切り換え効果を補償すること
が可能である。
%で打ち切られた270゜ガウス形パルスの場合のΘ
(t)を示す。この場合、パルスのまさに始まり及びま
さに終りにおいて、Θがπ/2に向けて上昇することを除
いて、挙動は第20a図の理想的挙動と非常に類似してい
ることが認識される。このわずかの偏移は、有効場がこ
れらの時点ではほんのわずかの影響力しか持たないよう
に十分に低いので全く重要でなく、実際において、第20
fのプロフィールは、より低い打ち切り(truncation)
レベルのパルスに必要とされるわずかに高いパワーによ
って起きるディスク厚みのささいなスケーリング(scal
ing)を除いて、第20b図のプロフィールと全く同一であ
る。スケーリング因子はtg/tp=0.2のとき約1.2であ
る。だから、自己再集束270゜ガウス形パルスにとっ
て、打ち切り(truncation)レベルを単に低減すること
により、殆んど完全に勾配切り換え効果を補償すること
が可能である。
第20c〜20f図に示されたシミュレーションは全て、勾
配切換え時間tg=0.2tpである状況で遂行された。第21
図は、切換え時間範囲tg/tpの場合、第20b図と同じプロ
フィールが得られるべき場合必要とされる打ち切り(tr
uncation)レベルを示す。不運にも、tg/tp>0.35の値
によって、打ち切りレベルを常に低減することにより満
足すべきプロフィールを得ることは可能でない。
配切換え時間tg=0.2tpである状況で遂行された。第21
図は、切換え時間範囲tg/tpの場合、第20b図と同じプロ
フィールが得られるべき場合必要とされる打ち切り(tr
uncation)レベルを示す。不運にも、tg/tp>0.35の値
によって、打ち切りレベルを常に低減することにより満
足すべきプロフィールを得ることは可能でない。
上記の議論は、再集束ステップなしの270゜ガウス形
パルスは、少なくとも再集束ステップを有する90゜ガウ
ス形パルスのVOIと同じくらい良く限定されたVOIを有す
る。さらに、270゜ガウス形パルスを用いるシークエン
スは、流動(flow)又はt2緩和効果に対する感度が著し
く低い。SPARS又はSPACE(空間及び化学シフトコード化
励起)実験の場合、我々は、選択的90゜パルスの代わり
に、自己再集束270゜ガウス形パルスの使用を勧める。
パルスは、少なくとも再集束ステップを有する90゜ガウ
ス形パルスのVOIと同じくらい良く限定されたVOIを有す
る。さらに、270゜ガウス形パルスを用いるシークエン
スは、流動(flow)又はt2緩和効果に対する感度が著し
く低い。SPARS又はSPACE(空間及び化学シフトコード化
励起)実験の場合、我々は、選択的90゜パルスの代わり
に、自己再集束270゜ガウス形パルスの使用を勧める。
第22a〜22c図は、(a)VSE、(b)SPACE及び(c)
SPARS実験の場合のパルス及び場勾配図を示す。大文字
で書かれた下付き文字X,Y及びZは試料内の直角の空間
方向に関し、小文字で書かれた下付き文字x及びyは、
回転する座標系におけるrfパルスの位相を表わす。持続
時間tp及び7.5%打ち切り(truncation)の選択的90゜
ガウス形パルスが作用された時(又は、代わりに持続時
間tpで3つのゼロ軸交差を有するシンク(Sinc)形パル
スが使用される場合は)、第22b図及び第22c図における
関係はtr0.5tpである。これらの図の目的にとって
は、勾配パルスはrfパルスの始まりの前にオンされrfパ
ルスの終りの後にオフされることが仮定されていた。シ
ークエンスの最後のパルスは、単に、溶剤の抑制、スペ
クトル編集等のためにパルスの組み合わせにより導入し
てもよい90゜読み出し(read)パルスであってよい。
SPARS実験の場合のパルス及び場勾配図を示す。大文字
で書かれた下付き文字X,Y及びZは試料内の直角の空間
方向に関し、小文字で書かれた下付き文字x及びyは、
回転する座標系におけるrfパルスの位相を表わす。持続
時間tp及び7.5%打ち切り(truncation)の選択的90゜
ガウス形パルスが作用された時(又は、代わりに持続時
間tpで3つのゼロ軸交差を有するシンク(Sinc)形パル
スが使用される場合は)、第22b図及び第22c図における
関係はtr0.5tpである。これらの図の目的にとって
は、勾配パルスはrfパルスの始まりの前にオンされrfパ
ルスの終りの後にオフされることが仮定されていた。シ
ークエンスの最後のパルスは、単に、溶剤の抑制、スペ
クトル編集等のためにパルスの組み合わせにより導入し
てもよい90゜読み出し(read)パルスであってよい。
第22c図のSPARS実験を見ると、プレデフォーカシング
(pre−defocusing)勾配及び非選択的180゜パルスの必
要が明確に認識される。本発明による270゜ガウス形パ
ルスの使用によりシークエンスが単純化され、第23a図
による自己再集束SPARSシークエンス(SR−SPARS)にな
る。同様に、第22b図のSPACE実験のための再集束勾配及
び(実験の困難な特徴の一つである)非選択的180゜パ
ルスなしで済ますことができ、この場合、シークエンス
は第23b図による(自己再集束)SR−SPACEシークエンス
になるであろう。これらの実験のオリジナルヴァージョ
ンの場合、2つの新しいシークエンスは形式的には等価
である。実際、非選択的パルスが選択的パルスの前に置
かれべきか後に置かれるべきかは単に趣味の問題であ
る。推論すると、選択的パルスを第23a図のように置く
ことが好ましい。何故ならば、これにより横方向磁化の
ディフェージングを行うために多くの時間をとることが
できるからである。これらの修正は、横方向平面におけ
る消費時間(time spent)を短縮することにより、Z磁
化プロフィールを改善するとともに感度を増大させるで
あろう。
(pre−defocusing)勾配及び非選択的180゜パルスの必
要が明確に認識される。本発明による270゜ガウス形パ
ルスの使用によりシークエンスが単純化され、第23a図
による自己再集束SPARSシークエンス(SR−SPARS)にな
る。同様に、第22b図のSPACE実験のための再集束勾配及
び(実験の困難な特徴の一つである)非選択的180゜パ
ルスなしで済ますことができ、この場合、シークエンス
は第23b図による(自己再集束)SR−SPACEシークエンス
になるであろう。これらの実験のオリジナルヴァージョ
ンの場合、2つの新しいシークエンスは形式的には等価
である。実際、非選択的パルスが選択的パルスの前に置
かれべきか後に置かれるべきかは単に趣味の問題であ
る。推論すると、選択的パルスを第23a図のように置く
ことが好ましい。何故ならば、これにより横方向磁化の
ディフェージングを行うために多くの時間をとることが
できるからである。これらの修正は、横方向平面におけ
る消費時間(time spent)を短縮することにより、Z磁
化プロフィールを改善するとともに感度を増大させるで
あろう。
MzをMxyに変形させるために自己再集束270゜ガウス形
パルスが使用される場合は、オフセットに対して歪対称
である小さなMy成分に出会うであろうが、これは異質な
対象の場合にスライス選択プロセスを乱すかもしれな
い。SR−SPACE実験はこの問題に影響されない。何故な
らば、実験の全ての段階でディフェージングにより、望
ましくない成分は観察不可能なままであるから。従っ
て、望ましくない残存するMy成分は、このようにして実
験から完全にこして取り除かれる(filteredout)。
パルスが使用される場合は、オフセットに対して歪対称
である小さなMy成分に出会うであろうが、これは異質な
対象の場合にスライス選択プロセスを乱すかもしれな
い。SR−SPACE実験はこの問題に影響されない。何故な
らば、実験の全ての段階でディフェージングにより、望
ましくない成分は観察不可能なままであるから。従っ
て、望ましくない残存するMy成分は、このようにして実
験から完全にこして取り除かれる(filteredout)。
第24図に示されたオリジナルVESTシークエンスの場
合、時間遅延τ1は少なくとも勾配パルスを切り換える
のに必要な時間と同じでなければならない。この期間の
間、関連する磁化は横方向平面内にある。通常の90゜パ
ルスが270゜ガウス形パルスにより置き換えられる第25a
図によるSR−VEST方法の場合、再集束用及びプレデフォ
ーカシング用両方の勾配パルスが必要なくなり、その結
果τ1は実質的に0と等しくてよく、これによりシーク
エンスはT2に対して大部分非感受的にされる。τ2遅延
の間、選択的磁化Z軸に沿って方向づけられる。SR実験
においてこの遅延も0と等しくてよいと仮定すれば、シ
ークエンスも大部分t1に対して非感受的である。さら
に、実験のための技術的な要件が減少することに注目す
べきである。
合、時間遅延τ1は少なくとも勾配パルスを切り換える
のに必要な時間と同じでなければならない。この期間の
間、関連する磁化は横方向平面内にある。通常の90゜パ
ルスが270゜ガウス形パルスにより置き換えられる第25a
図によるSR−VEST方法の場合、再集束用及びプレデフォ
ーカシング用両方の勾配パルスが必要なくなり、その結
果τ1は実質的に0と等しくてよく、これによりシーク
エンスはT2に対して大部分非感受的にされる。τ2遅延
の間、選択的磁化Z軸に沿って方向づけられる。SR実験
においてこの遅延も0と等しくてよいと仮定すれば、シ
ークエンスも大部分t1に対して非感受的である。さら
に、実験のための技術的な要件が減少することに注目す
べきである。
これらの利点に対して支払われるべき値段は、より高
度の位相サイクルを使う必要があるかも知れないという
ことである。SR−VEST実験に対して良好なローカリゼイ
ションを達成するためには、第3のパルスに続く自由誘
導減衰が抑制されることを確実にするために第1のパル
スはレシーバーに対して固定した位相関係でスイッチが
入れられる(又は切られる)。刺激されたエコーに至る
経路以外の経路(第24b図のコヒーレンス伝達(coheren
ce transfer)経路参照)の充分な抑制を達成するため
には、T2緩和による信号損失なしに、τ2間隔を第2及
び第3のパルスの間に挿入し、望ましくないコヒーレン
スをディフェージングする目的でGy及びGz勾配をこのτ
2間隔内に延長してもよい。代わりに、4段階位相サイ
クルを利用してもよい。
度の位相サイクルを使う必要があるかも知れないという
ことである。SR−VEST実験に対して良好なローカリゼイ
ションを達成するためには、第3のパルスに続く自由誘
導減衰が抑制されることを確実にするために第1のパル
スはレシーバーに対して固定した位相関係でスイッチが
入れられる(又は切られる)。刺激されたエコーに至る
経路以外の経路(第24b図のコヒーレンス伝達(coheren
ce transfer)経路参照)の充分な抑制を達成するため
には、T2緩和による信号損失なしに、τ2間隔を第2及
び第3のパルスの間に挿入し、望ましくないコヒーレン
スをディフェージングする目的でGy及びGz勾配をこのτ
2間隔内に延長してもよい。代わりに、4段階位相サイ
クルを利用してもよい。
特に興味深い点は、第23a図及び第25図によるSR−SPA
RSシークエンス及びSR−VESTシークエンス間の類似性で
ある。これらの2つのシークエンスの効果は、“ビルデ
ィングブロック(building blocks)”の間どこに選択
的磁化を保存するかというささいな問題に関してのみ異
なる。SR−SPARSシークエンスの場合、磁化は常に回転
する座標系のZ軸に沿って保存され、一方SR−VESTシー
クエンスの場合は磁化は−x,−z及び+x軸に沿って保
存される。
RSシークエンス及びSR−VESTシークエンス間の類似性で
ある。これらの2つのシークエンスの効果は、“ビルデ
ィングブロック(building blocks)”の間どこに選択
的磁化を保存するかというささいな問題に関してのみ異
なる。SR−SPARSシークエンスの場合、磁化は常に回転
する座標系のZ軸に沿って保存され、一方SR−VESTシー
クエンスの場合は磁化は−x,−z及び+x軸に沿って保
存される。
より詳しく調べると、磁化をz軸に返すためにSR−SP
ARS又はSR−SPACEで使用されるハードな90゜パルスによ
り実験のrf不均等性に対する感度が最小化され得ること
が見出される。文献においては270゜ガウス形パルスに
より生じた磁化プロフィールの形状はrf不均等性に対し
てかなり非感受的であるということが証明されている。
しかし、第23図又は第25図によるシークエンスが同じ位
相のrfパルスのみと一緒に盲目的に用いられると、VOI
の磁化が付される総フリップ角は合計1170゜又は810゜
になるであろうし、rf不均等性の効果は累積するであろ
う。しかし、もしSR−VESTシークエンスが第25図による
3つのパルスの位相が±y,+y,及び−yとなるように修
正されれば総フリップ角は受け入れ可能な値±270゜に
低減される。この要請は、最後のパルスに続く自由誘導
減衰を抑制するために必要な位相サイクルとは両立可能
であり、コヒーレンス伝達(coherence tronsfer)経路
の非多義的選択に必要な全位相サイクル要請とは両立不
可能であり、rf不均等性が問題である場合には、他の経
路の必要とされる抑制はτ2間隔における勾配の適用に
より達成されねばならない。
ARS又はSR−SPACEで使用されるハードな90゜パルスによ
り実験のrf不均等性に対する感度が最小化され得ること
が見出される。文献においては270゜ガウス形パルスに
より生じた磁化プロフィールの形状はrf不均等性に対し
てかなり非感受的であるということが証明されている。
しかし、第23図又は第25図によるシークエンスが同じ位
相のrfパルスのみと一緒に盲目的に用いられると、VOI
の磁化が付される総フリップ角は合計1170゜又は810゜
になるであろうし、rf不均等性の効果は累積するであろ
う。しかし、もしSR−VESTシークエンスが第25図による
3つのパルスの位相が±y,+y,及び−yとなるように修
正されれば総フリップ角は受け入れ可能な値±270゜に
低減される。この要請は、最後のパルスに続く自由誘導
減衰を抑制するために必要な位相サイクルとは両立可能
であり、コヒーレンス伝達(coherence tronsfer)経路
の非多義的選択に必要な全位相サイクル要請とは両立不
可能であり、rf不均等性が問題である場合には、他の経
路の必要とされる抑制はτ2間隔における勾配の適用に
より達成されねばならない。
シークエンスの各ビルディング ブロック(building
block)が2つのパルスから成るSR−SPARSシークエン
スに関しては、次の位相を使用したらどうかと思う: 90゜+y270゜-y 90゜-y270゜+y 90゜+y270゜-y 90゜
+y このようにして、総フリップ角の90゜への低減が達成
され、SR−SPARSの場合には位相サイクル要請が満たさ
れる必要がないので、この位相の導入の障害になるもの
は何もないはずである。従って、270゜パルスを有するS
R−SPARSシークエンスは、全ての拡散効果が無視し得る
という条件で、90゜パルスを有する通常のシークエンス
がrf不均等性(rf inhomogeneities)に対して非感受的
であるのと同じように非感受的である。
block)が2つのパルスから成るSR−SPARSシークエン
スに関しては、次の位相を使用したらどうかと思う: 90゜+y270゜-y 90゜-y270゜+y 90゜+y270゜-y 90゜
+y このようにして、総フリップ角の90゜への低減が達成
され、SR−SPARSの場合には位相サイクル要請が満たさ
れる必要がないので、この位相の導入の障害になるもの
は何もないはずである。従って、270゜パルスを有するS
R−SPARSシークエンスは、全ての拡散効果が無視し得る
という条件で、90゜パルスを有する通常のシークエンス
がrf不均等性(rf inhomogeneities)に対して非感受的
であるのと同じように非感受的である。
簡単な単一指数の(mono−exponential)T2減衰をブ
ロッホの方程式のシミュレーション中に導入し、縦方向
のT1緩和の効果を無視することにより、緩和が第22図及
び第24図のオリジナルシークエンス及び第23図及び第25
図の自己再集束シークエンスに有する効果を定量化する
ことが可能である。
ロッホの方程式のシミュレーション中に導入し、縦方向
のT1緩和の効果を無視することにより、緩和が第22図及
び第24図のオリジナルシークエンス及び第23図及び第25
図の自己再集束シークエンスに有する効果を定量化する
ことが可能である。
我々のシミュレーションによれば、第16b図による勾
配逆転を伴うシークエンスがT2緩和時間を有するシステ
ム中で用いられる時は、(打ち切られた(truncate
d))90゜ガウス形パルスの幅tpと等しい信号の強さは
ほんの30%にまで低減される。対照的に、第16a図によ
るシークエンスが用いられ、瞬時の勾配切換え及び同一
の緩和時間及び自己再集束270゜パルスの使用が仮定さ
れる場合、信号の60%もが残されるであろう。勾配逆転
のステップを除去することにより、従って、感度におい
て2倍の改善が達成される。横方向磁化が異なるパルス
シークエンスに有する効果を定量化する有用な方法は、
非次元的関数tp/T2(第26図参照)の関数として精確に
信号の強さを示すことである。分子にtpを挿入すること
により、結果として得られる(第1のオーダーまでの)
曲線は、選択性に関して標準と照らし合わされる(stan
dardized)。ブロッホの方程式に組み込まれた減衰は単
一指数的(mono−exponential)であったが、信号は通
常多指数的(multi−exponential)な関係に従って減衰
するであろう。磁化の横方向成分のみが減衰すると仮定
され、かつ、この成分は全ベクトルの連続的に変化する
小部分であるので、各ベクトルは多指数(multi−expon
ential)関数に従ってパルスの期間中緩和するであろ
う。さらに、各オフセットは全て、所与のパルス幅に対
してスピン空間(spin space)中の異なる軌導を有する
であろう。その結果、各オフセットは全て他のものと比
べて僅かに異なるように緩和するであろうし、これによ
り横方向緩和により、結果として得られる磁化プロフィ
ールのひずみが生じる。しかし好運にも、このひずみは
270゜ガウス形パルスの場合無視し得るほど小さい。
配逆転を伴うシークエンスがT2緩和時間を有するシステ
ム中で用いられる時は、(打ち切られた(truncate
d))90゜ガウス形パルスの幅tpと等しい信号の強さは
ほんの30%にまで低減される。対照的に、第16a図によ
るシークエンスが用いられ、瞬時の勾配切換え及び同一
の緩和時間及び自己再集束270゜パルスの使用が仮定さ
れる場合、信号の60%もが残されるであろう。勾配逆転
のステップを除去することにより、従って、感度におい
て2倍の改善が達成される。横方向磁化が異なるパルス
シークエンスに有する効果を定量化する有用な方法は、
非次元的関数tp/T2(第26図参照)の関数として精確に
信号の強さを示すことである。分子にtpを挿入すること
により、結果として得られる(第1のオーダーまでの)
曲線は、選択性に関して標準と照らし合わされる(stan
dardized)。ブロッホの方程式に組み込まれた減衰は単
一指数的(mono−exponential)であったが、信号は通
常多指数的(multi−exponential)な関係に従って減衰
するであろう。磁化の横方向成分のみが減衰すると仮定
され、かつ、この成分は全ベクトルの連続的に変化する
小部分であるので、各ベクトルは多指数(multi−expon
ential)関数に従ってパルスの期間中緩和するであろ
う。さらに、各オフセットは全て、所与のパルス幅に対
してスピン空間(spin space)中の異なる軌導を有する
であろう。その結果、各オフセットは全て他のものと比
べて僅かに異なるように緩和するであろうし、これによ
り横方向緩和により、結果として得られる磁化プロフィ
ールのひずみが生じる。しかし好運にも、このひずみは
270゜ガウス形パルスの場合無視し得るほど小さい。
第26a図は、第18a図(一点鎖線)のシナリオを有する
90゜ガウス形パルスと第18c図(短間隔の破線)の自己
再集束シナリオを有する270゜ガウス形パルスを示す。
これらの曲線の無次元的減衰定数(“緩和係数”)は、
3次元の体積選択を考慮して、それぞれ3k=3.3及び1.3
である。第26図は、第18c図のシナリオ下、tp/T2の関数
として、異なるオフセットの場合の異なる磁化ベクトル
の減衰を示す。該ベクトルは低減された周波数0,0.15,
0.23,0.35,0.40及び0.42を有する。
90゜ガウス形パルスと第18c図(短間隔の破線)の自己
再集束シナリオを有する270゜ガウス形パルスを示す。
これらの曲線の無次元的減衰定数(“緩和係数”)は、
3次元の体積選択を考慮して、それぞれ3k=3.3及び1.3
である。第26図は、第18c図のシナリオ下、tp/T2の関数
として、異なるオフセットの場合の異なる磁化ベクトル
の減衰を示す。該ベクトルは低減された周波数0,0.15,
0.23,0.35,0.40及び0.42を有する。
緩和はtp/T2に応じて、磁化軌道のひずみをもたら
し、その結果各オフセットは第26b図に示すように、関
数tp/T2の関数である多指数減衰にも付される。しか
し、好運にも第26a図は、第16a図の図に従って適用され
たガウス形パルスの信号の減衰は殆ど単一指数的(mono
−evponentially)に挙動することを示している。これ
は、所与の実験において、減衰は略次のように表わされ
ることを示唆しているようである: (S/S0)iexp{−kitp/T2} [7] “緩和係数”と説明される非次元的減衰定数kiは横緩
和に対するシークエンスの感度の良いモノサシを提供す
る。実際、ki=1という値は、磁化が、期間tpの間横方
向平面に単に止まっていたと同じ程度まで減衰されるこ
とを示すであろうという物理的解釈(physical interpr
etation)を得ることができる。kの値が小さければ小
さい程、緩和へのシークエンスの感度が低下しその効率
が高くなる。第26a図による緩和係数は、第16b図又は第
16c図による90゜ガウス形パルスを有するシークエンス
の場合はki=1.1であり、第16a図又は第16d図による270
゜ガウス形パルスを有するシークエンスの場合はki=0.
43である。
し、その結果各オフセットは第26b図に示すように、関
数tp/T2の関数である多指数減衰にも付される。しか
し、好運にも第26a図は、第16a図の図に従って適用され
たガウス形パルスの信号の減衰は殆ど単一指数的(mono
−evponentially)に挙動することを示している。これ
は、所与の実験において、減衰は略次のように表わされ
ることを示唆しているようである: (S/S0)iexp{−kitp/T2} [7] “緩和係数”と説明される非次元的減衰定数kiは横緩
和に対するシークエンスの感度の良いモノサシを提供す
る。実際、ki=1という値は、磁化が、期間tpの間横方
向平面に単に止まっていたと同じ程度まで減衰されるこ
とを示すであろうという物理的解釈(physical interpr
etation)を得ることができる。kの値が小さければ小
さい程、緩和へのシークエンスの感度が低下しその効率
が高くなる。第26a図による緩和係数は、第16b図又は第
16c図による90゜ガウス形パルスを有するシークエンス
の場合はki=1.1であり、第16a図又は第16d図による270
゜ガウス形パルスを有するシークエンスの場合はki=0.
43である。
この分析を前述のタイプの3次元局所化(localize
d)分光分析法シークエンスに延長するのは非常に容易
であるが、これらの全てのシークエンスは、実質的に、
3つの直角的方向に適用される勾配を有する3つの連続
的ビルディングブロック(building blocks)から成
る。従って、 (S/S0)3iexp{−3kitp/T2} [8] そして、3次元の実験の緩和係数は、単に、単一次元
のビルディングブロック用のそれらである。即ち、通常
のSPARS及びVESTシークエンスの場合3ki=3.3であり、
関連するSRシークエンスの場合3ki=1.3である。これ
は、勾配を用いて再集束される等価のシークエンスと比
べて、自己再集束シークエンスによって得られる緩和に
対する感受性における大きな利点を非常にはっきりと示
す。実際、完全な3次元SRシークエンスは、第16b図又
は第16c図に従って適用されるスライス選択的90゜パル
スより横緩和に対してほんの15%だけより感受的であ
る。
d)分光分析法シークエンスに延長するのは非常に容易
であるが、これらの全てのシークエンスは、実質的に、
3つの直角的方向に適用される勾配を有する3つの連続
的ビルディングブロック(building blocks)から成
る。従って、 (S/S0)3iexp{−3kitp/T2} [8] そして、3次元の実験の緩和係数は、単に、単一次元
のビルディングブロック用のそれらである。即ち、通常
のSPARS及びVESTシークエンスの場合3ki=3.3であり、
関連するSRシークエンスの場合3ki=1.3である。これ
は、勾配を用いて再集束される等価のシークエンスと比
べて、自己再集束シークエンスによって得られる緩和に
対する感受性における大きな利点を非常にはっきりと示
す。実際、完全な3次元SRシークエンスは、第16b図又
は第16c図に従って適用されるスライス選択的90゜パル
スより横緩和に対してほんの15%だけより感受的であ
る。
勾配切換えに必要な期間より長いτ1遅延を有する刺
激されたエコーシークエンスに対する緩和効果にはっき
りした考慮を与えていない。しかし、緩和に対する感度
が単にτ1が増大するにつれて上昇することは明らかで
あり、これは等式[8]の修正により表わすことができ
る。
激されたエコーシークエンスに対する緩和効果にはっき
りした考慮を与えていない。しかし、緩和に対する感度
が単にτ1が増大するにつれて上昇することは明らかで
あり、これは等式[8]の修正により表わすことができ
る。
(S/S0)3iexp{−3kitp/2τe)/T2} [9] ここに、τe=τ1−2trである。等式[9]におけ
る因数2は、磁化は2つのτe遅延の期間中の横方向平
面にとどまるであろうという事実を考慮して導入された
ものである。τ2遅延の長さの延長は、縦方向緩和が無
視される限り感度に対して効果を持たない。
る因数2は、磁化は2つのτe遅延の期間中の横方向平
面にとどまるであろうという事実を考慮して導入された
ものである。τ2遅延の長さの延長は、縦方向緩和が無
視される限り感度に対して効果を持たない。
上記より、現在に至るまで選択的90゜パルスが、90゜
パルスによりディフェージングされた横方向磁化を再集
束させる手段と組み合わせることによっても、使用され
てきた全ての場合において、270゜ガウス形パルスを使
用してよいこと、そして、そのような270゜ガウス形パ
ルスの使用が実験的又は算術的性質のリフェージング
(rephasing)手段を無用とするということが結果とし
て得られる。
パルスによりディフェージングされた横方向磁化を再集
束させる手段と組み合わせることによっても、使用され
てきた全ての場合において、270゜ガウス形パルスを使
用してよいこと、そして、そのような270゜ガウス形パ
ルスの使用が実験的又は算術的性質のリフェージング
(rephasing)手段を無用とするということが結果とし
て得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Journal of Magnet ic Resonance,53〔2〕 (1983)P.313〜340 Chemical Physics Letters,50〔3〕(1977)P. 368〜372 Journal of Magnet ic Resonance,75〔2〕 (1987)P.390〜395 Journal of Magnet ic Resonance,79〔3〕 (1988)P.561〜567
Claims (4)
- 【請求項1】均質の静磁界内に位置する試料に、少くと
も1つの周波数選択的ガウス形パルスから成るrfパルス
シークエンスを照射することによるNMR信号の選択的励
起方法であって、前記少くとも一つの周波数選択的ガウ
ス形パルスは270゜パルスである方法。 - 【請求項2】NOESYパルスシークエンスを使用する請求
の範囲第1項の方法であって、NOESYパルスシークエン
スに含まれる周波数選択的励起パルスの少くとも1つは
270゜ガウス形パルスである方法。 - 【請求項3】NMRトモグラフィに用いられ、像発生用(i
mage−generating)パルスシークエンスを使用する請求
の範囲第1項の方法であって、該像発生用パルスシーク
エンスに含まれる周波数選択的励起パルスの少くとも1
つは270゜ガウス形パルスである方法。 - 【請求項4】体積選択的(volume−selective)NMR分光
分析用であり、体積選択的(volume−selective)パル
スシークエンスを用いる請求の範囲第1項の方法であっ
て、該体積選択的(volume−selective)パルスシーク
エンスに含まれる周波数選択的励起パルスの少くとも1
つは270゜ガウス形パルスである方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE3839820A DE3839820A1 (de) | 1988-11-25 | 1988-11-25 | Verfahren zum selektiven anregen von nmr-signalen |
DE3839820.6 | 1988-11-25 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03502173A JPH03502173A (ja) | 1991-05-23 |
JP2621035B2 true JP2621035B2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=6367878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1511651A Expired - Fee Related JP2621035B2 (ja) | 1988-11-25 | 1989-11-13 | Nmr信号の選択的励起方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5196795A (ja) |
EP (1) | EP0396710B1 (ja) |
JP (1) | JP2621035B2 (ja) |
DE (2) | DE3839820A1 (ja) |
WO (1) | WO1990006523A1 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4205780C2 (de) * | 1992-02-26 | 1995-02-16 | Spectrospin Ag | Verfahren zur Erzeugung von NMR-Signalen mit kohärentem Phasenprofil durch Kombination von Hochfrequenzimpulsen mit inkohärentem Phasenprofil |
GB9315876D0 (en) * | 1993-07-30 | 1993-09-15 | British Tech Group | Improvements in or relating to nuclear magnetic resonance (nmr) imaging |
EP0672916A1 (en) * | 1994-03-16 | 1995-09-20 | Spectrospin Ag | Selective control of magnetization transfer in multiple-site exchange systems |
US6268728B1 (en) * | 1999-02-10 | 2001-07-31 | Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Phase-sensitive method of radio-frequency field mapping for magnetic resonance imaging |
US8483798B2 (en) * | 2007-01-15 | 2013-07-09 | General Electric Company | System and method for metabolic MR imaging of a hyperpolarized agent |
US8219871B2 (en) * | 2008-03-18 | 2012-07-10 | Nec Laboratories America, Inc. | Efficient decoupling schemes for quantum systems using soft pulses |
DE102008015054B3 (de) * | 2008-03-19 | 2010-01-28 | Universitätsklinikum Freiburg | MR-Verfahren zur selektiven Anregung |
CN102292650B (zh) * | 2008-12-22 | 2014-09-24 | 皇家飞利浦电子股份有限公司 | 用于磁共振分光术的具有插入的停顿的宽带去耦脉冲串 |
DE102016202240A1 (de) * | 2016-02-15 | 2017-08-17 | Siemens Healthcare Gmbh | Magnetresonanz-bildgebung |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2101334B (en) * | 1981-06-19 | 1985-04-24 | Nat Res Dev | Nmr spectroscopy |
JPS58142251A (ja) * | 1982-02-19 | 1983-08-24 | Jeol Ltd | 核磁気共鳴測定方法 |
US4506223A (en) * | 1982-11-22 | 1985-03-19 | General Electric Company | Method for performing two-dimensional and three-dimensional chemical shift imaging |
DE3343625C2 (de) * | 1983-11-19 | 1986-10-23 | Bruker Medizintechnik Gmbh, 7512 Rheinstetten | Meßkopf und Verfahren zur Aufnahme hochaufgelöster Kernspinresonanzsignale |
JPS60211343A (ja) * | 1984-04-05 | 1985-10-23 | Jeol Ltd | 核磁気共鳴測定方法 |
GB8419476D0 (en) * | 1984-07-31 | 1984-09-05 | Bendall M R | Obtaining nuclear magnetic resonance spectra |
DE3445689A1 (de) * | 1984-12-14 | 1986-06-19 | Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V., 3400 Göttingen | Verfahren und einrichtung zur ortsaufgeloesten untersuchung einer probe mittels magnetischer resonanz von spinmomenten |
US4710715A (en) * | 1985-04-23 | 1987-12-01 | Nmr Imaging, Inc. | Method of mapping magnetic field strength and tipping pulse accuracy of an NMR imager |
DE3543123A1 (de) * | 1985-12-06 | 1987-06-11 | Spectrospin Ag | Verfahren zur aufnahme von kernresonanzspektren |
-
1988
- 1988-11-25 DE DE3839820A patent/DE3839820A1/de active Granted
-
1989
- 1989-11-13 EP EP89912628A patent/EP0396710B1/de not_active Expired - Lifetime
- 1989-11-13 DE DE58908113T patent/DE58908113D1/de not_active Expired - Fee Related
- 1989-11-13 WO PCT/EP1989/001360 patent/WO1990006523A1/de active IP Right Grant
- 1989-11-13 JP JP1511651A patent/JP2621035B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1989-11-13 US US07/573,050 patent/US5196795A/en not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
Chemical Physics Letters,50〔3〕(1977)P.368〜372 |
Journal of Magnetic Resonance,53〔2〕(1983)P.313〜340 |
Journal of Magnetic Resonance,75〔2〕(1987)P.390〜395 |
Journal of Magnetic Resonance,79〔3〕(1988)P.561〜567 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03502173A (ja) | 1991-05-23 |
EP0396710B1 (de) | 1994-07-27 |
DE3839820C2 (ja) | 1992-11-12 |
DE58908113D1 (de) | 1994-09-01 |
EP0396710A1 (de) | 1990-11-14 |
US5196795A (en) | 1993-03-23 |
DE3839820A1 (de) | 1990-05-31 |
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