JP2615429B2 - 3次元立体形状の創成法 - Google Patents
3次元立体形状の創成法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は各種マイクロマシンの
制作(マイクロアクチュエータ、マイクロポンプ、マイ
クロセンサー等)、ラピットプロトタイピング、複雑形
状部品の製作、金型の修正・追加工などに使用する3次
元立体形状の創成法に関するものである。
制作(マイクロアクチュエータ、マイクロポンプ、マイ
クロセンサー等)、ラピットプロトタイピング、複雑形
状部品の製作、金型の修正・追加工などに使用する3次
元立体形状の創成法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機械技術はマイクロ化の傾向にあ
り、また、少量多品種生産や加工形状の複雑化に対する
要求も高く、これまでの機械加工では対応することが難
しくなってきている。これに対して、光硬化性樹脂とレ
ーザー光線の走査により任意の複雑3次元形状を創成す
る光造形法が注目されている。この技術は、コンピュー
タ上で生成された3次元CADデータを直接形状創成に
用いられるので、上述のような要求に対して有望ではあ
る。
り、また、少量多品種生産や加工形状の複雑化に対する
要求も高く、これまでの機械加工では対応することが難
しくなってきている。これに対して、光硬化性樹脂とレ
ーザー光線の走査により任意の複雑3次元形状を創成す
る光造形法が注目されている。この技術は、コンピュー
タ上で生成された3次元CADデータを直接形状創成に
用いられるので、上述のような要求に対して有望ではあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、その材質が特
殊な樹脂に限られること、形状寸法精度が100μm程
度しかでないこと等の問題点がある。
殊な樹脂に限られること、形状寸法精度が100μm程
度しかでないこと等の問題点がある。
【0004】また、光造形法は、純粋な金属材料で作る
ことはできず、光硬化に伴う造型物の収縮が精度、強度
上で大きな問題となる。また、SLS(金属粉体のレー
ザーによる焼結)や3DP、BPM(金属粉体に結合材
を吹き付ける)等では、金属粉体間の結合を強めるため
に焼結をおこなうが、どうしても収縮による歪みを生
じ、MD法(ネガ・ポジマスクを用いた金属溶射膜の積
層)でも同じく溶射皮膜の固化に伴う収縮により、反り
や層間の剥離を生じる。
ことはできず、光硬化に伴う造型物の収縮が精度、強度
上で大きな問題となる。また、SLS(金属粉体のレー
ザーによる焼結)や3DP、BPM(金属粉体に結合材
を吹き付ける)等では、金属粉体間の結合を強めるため
に焼結をおこなうが、どうしても収縮による歪みを生
じ、MD法(ネガ・ポジマスクを用いた金属溶射膜の積
層)でも同じく溶射皮膜の固化に伴う収縮により、反り
や層間の剥離を生じる。
【0005】また、最近では金属溶射や金属粉末の焼結
・積層法により樹脂以外の材質での3次元形状創成の試
みもなされているが、溶射の場合は金属の凝固時に積層
した皮膜に大きな内部応力が蓄積され、創成形状に歪み
や反りが発生する。また、焼結の場合は表面が非常に粗
く、内部に微小な空孔が多数あり金属充填率も低く機械
的強度も上げにくい。また、マイクロ化に答えるための
加工技術として、X線源及び深紫外光源を用いた高いア
スペクト比のシリコン微細加工技術が注目されている。
しかし、まだ創成形状は限定され、装置も非常に大がか
りで高価なものとなり実用的でない。
・積層法により樹脂以外の材質での3次元形状創成の試
みもなされているが、溶射の場合は金属の凝固時に積層
した皮膜に大きな内部応力が蓄積され、創成形状に歪み
や反りが発生する。また、焼結の場合は表面が非常に粗
く、内部に微小な空孔が多数あり金属充填率も低く機械
的強度も上げにくい。また、マイクロ化に答えるための
加工技術として、X線源及び深紫外光源を用いた高いア
スペクト比のシリコン微細加工技術が注目されている。
しかし、まだ創成形状は限定され、装置も非常に大がか
りで高価なものとなり実用的でない。
【0006】また、この様に従来公知の技術では、固定
化に伴う造形物の収縮に大きな問題があった。また、精
度・分解能でもこの様な収縮の問題から100μm前後
が限界であった。
化に伴う造形物の収縮に大きな問題があった。また、精
度・分解能でもこの様な収縮の問題から100μm前後
が限界であった。
【0007】本発明は、これらの問題を解決するもの
で、様々な材料の超微粒子を高い精度で任意の3次元立
体形状に堆積させ、十分な機械的強度や電気的機能、光
学的機能等を合わせ持つ、3次元立体形状の創成を可能
とするものである。
で、様々な材料の超微粒子を高い精度で任意の3次元立
体形状に堆積させ、十分な機械的強度や電気的機能、光
学的機能等を合わせ持つ、3次元立体形状の創成を可能
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の3次元立体形状の創成法は、一つ或いは複数の
ノズルより異なった種類の材質からなる超微粒子を含む
ガスをベース面に吹き付けて付着させ、二次元平面内に
異なった材質をもつ膜を堆積させて形成された堆積膜表
面をベース面として、この堆積膜形成操作を繰り返すこ
とで3次元的に材質の異なるこれら超微粒子の堆積物か
らなる立体物を形成し、その後に前記堆積物を材質の異
なる性質を利用し、溶融或いはエッチングにより、前記
立体物中の一部分を除去し任意の3次元立体形状を創成
することを特徴としている。
の発明の3次元立体形状の創成法は、一つ或いは複数の
ノズルより異なった種類の材質からなる超微粒子を含む
ガスをベース面に吹き付けて付着させ、二次元平面内に
異なった材質をもつ膜を堆積させて形成された堆積膜表
面をベース面として、この堆積膜形成操作を繰り返すこ
とで3次元的に材質の異なるこれら超微粒子の堆積物か
らなる立体物を形成し、その後に前記堆積物を材質の異
なる性質を利用し、溶融或いはエッチングにより、前記
立体物中の一部分を除去し任意の3次元立体形状を創成
することを特徴としている。
【0009】
【作用】基板の乗っているステージを移動させながら融
点の異なる2種類の金属を微小ノズルから噴射・堆積さ
せ、3次元立体形状の断面CADデータに基づき堆積膜
面内で材質の異なる部分を持つ超微粒子堆積層を形成す
る。この操作を繰り返すことで、高融点材料部分で形成
された3次元立体形状を含む立方体を形成する。次にこ
の造形物を電気炉等で、低融点材料部分を溶融除去する
ことで任意の3次元立体形状を創成する。本発明は、
0.1μm以下の活性な微粒子が得られればいかなる材
料でも造形を行うことが可能で、さらに焼結などをおこ
なった場合でも、その収縮による影響は大幅に低減され
る。また、部分的に材質が異なったり(複合材料や傾斜
機能構造等も可能)、電気的機能(センサー、配線、電
子部品等)を造形と同時に作り込んだりすることが可能
である。高速の微粒子ジェットを得るためにノズル径は
10μm程度まで小さくなるので、達成できる精度も1
0μm程度と必然的に高くできる。マイクロ部品の組立
は、犠牲層部を低融点金属で立体的に形成することで、
複雑なマイクロ部品の組立も可能である。
点の異なる2種類の金属を微小ノズルから噴射・堆積さ
せ、3次元立体形状の断面CADデータに基づき堆積膜
面内で材質の異なる部分を持つ超微粒子堆積層を形成す
る。この操作を繰り返すことで、高融点材料部分で形成
された3次元立体形状を含む立方体を形成する。次にこ
の造形物を電気炉等で、低融点材料部分を溶融除去する
ことで任意の3次元立体形状を創成する。本発明は、
0.1μm以下の活性な微粒子が得られればいかなる材
料でも造形を行うことが可能で、さらに焼結などをおこ
なった場合でも、その収縮による影響は大幅に低減され
る。また、部分的に材質が異なったり(複合材料や傾斜
機能構造等も可能)、電気的機能(センサー、配線、電
子部品等)を造形と同時に作り込んだりすることが可能
である。高速の微粒子ジェットを得るためにノズル径は
10μm程度まで小さくなるので、達成できる精度も1
0μm程度と必然的に高くできる。マイクロ部品の組立
は、犠牲層部を低融点金属で立体的に形成することで、
複雑なマイクロ部品の組立も可能である。
【0010】
【実施例】以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面
について説明する。
について説明する。
【0011】まず、この発明の3次元立体形状の創成法
の原理について説明する。
の原理について説明する。
【0012】10-1Torr以上の低真空の不活性ガス中
で、金属或いは有機物を抵抗線加熱、電子ビーム加熱、
高周波誘導加熱、スパッタリング、アークプラズマ等で
加熱蒸発させると、粒子径が0.1μm以下の表面が非
常に活性な超微粒子が形成される。これをAr、He等
の不活性ガスにより流速300m/sec以上の速度で
搬送し基板表面に吹き付けると、超微粒子のもつ高い運
動エネルギーは瞬時に熱エネルギーに変換され基板表面
と強固な結合をする。この場合、結合に預かる以外の無
駄な熱エネルギーは殆ど発生せず、基板表面温度をあま
り上げること無く真空蒸着やスパッタリング並の緻密さ
と強度で10μm以上の厚膜を形成することができる。
また、堆積速度も不活性ガスの封入されたタンク内に蓄
えられた活性超微粒子を用いれば非常に速くできる。こ
のことを利用して、例えば図1に示すように基板12の
乗っているステージを移動させながら融点の異なる2種
類の金属を微小ノズル3から噴射・堆積させ、3次元立
体形状の断面CADデータに基づき堆積膜面内で材質の
異なる部分を持つ超微粒子堆積層を形成する(1)。低
融点材料部分103は、次の層を形成する際のサポート
になる。この操作を繰り返すことで、高融点材料部分1
04で形成された3次元立体形状を含む立方体を形成す
る(2)。次にこの造形物を電気炉等で、高融点材料の
溶融温度と低融点材料の溶融温度の中間温度まで加熱
し、サポートの働きをしていた低融点材料部分103を
溶融除去することで任意の3次元立体形状を創成する。
このとき高温のガスを吹き付けると低融点材料の除去が
容易におこなえる(3)。その後、これを適当な温度で
加熱し、焼結することで機械的強度をさらに増す
(4)。また、この加熱はノズル1から噴射直後にレー
ザー等を用いて部分的に行ってもよい。
で、金属或いは有機物を抵抗線加熱、電子ビーム加熱、
高周波誘導加熱、スパッタリング、アークプラズマ等で
加熱蒸発させると、粒子径が0.1μm以下の表面が非
常に活性な超微粒子が形成される。これをAr、He等
の不活性ガスにより流速300m/sec以上の速度で
搬送し基板表面に吹き付けると、超微粒子のもつ高い運
動エネルギーは瞬時に熱エネルギーに変換され基板表面
と強固な結合をする。この場合、結合に預かる以外の無
駄な熱エネルギーは殆ど発生せず、基板表面温度をあま
り上げること無く真空蒸着やスパッタリング並の緻密さ
と強度で10μm以上の厚膜を形成することができる。
また、堆積速度も不活性ガスの封入されたタンク内に蓄
えられた活性超微粒子を用いれば非常に速くできる。こ
のことを利用して、例えば図1に示すように基板12の
乗っているステージを移動させながら融点の異なる2種
類の金属を微小ノズル3から噴射・堆積させ、3次元立
体形状の断面CADデータに基づき堆積膜面内で材質の
異なる部分を持つ超微粒子堆積層を形成する(1)。低
融点材料部分103は、次の層を形成する際のサポート
になる。この操作を繰り返すことで、高融点材料部分1
04で形成された3次元立体形状を含む立方体を形成す
る(2)。次にこの造形物を電気炉等で、高融点材料の
溶融温度と低融点材料の溶融温度の中間温度まで加熱
し、サポートの働きをしていた低融点材料部分103を
溶融除去することで任意の3次元立体形状を創成する。
このとき高温のガスを吹き付けると低融点材料の除去が
容易におこなえる(3)。その後、これを適当な温度で
加熱し、焼結することで機械的強度をさらに増す
(4)。また、この加熱はノズル1から噴射直後にレー
ザー等を用いて部分的に行ってもよい。
【0013】図2は、本発明に用いた装置の実施例で、
これを用いて超微粒子膜形成方法を説明する。図中、
2、2′は超微粒子を生成する蒸発室で、図3にその拡
大図を示す。まず真空ポンプ13により蒸発室2の内部
を一度10-6Torr程度に排気し、ガスボンベ5より
He、Ar等の不活性ガスを導入し、真空計16の真空
度測定値に基づいて制御バルブ18により蒸発室2内部
の真空度を100Torr程度に維持する。蒸発材料
は、14の蒸発部と15の電源部からなる高周波誘導加
熱装置に約400Wの電力を投入し、誘導電流により蒸
発材料に生じる磁束と高周波電流により生じる磁束との
磁気的反発力を利用して導入ガス中に浮遊させ、クリー
ンな状態で溶融蒸発させ、粒径が0.1μm以下の超微
粒子を生成させる。次に、生成された超微粒子は真空ポ
ンプで1Torr以下に排気された堆積膜形成室1との
圧力差により、排送管17を通って図1中の超微粒子ト
ラップ室4に蓄積させる。ここで3次元形状を創成する
ために十分な量の超微粒子が蓄えられたら、遮断バルブ
9を閉め、制御用ニードルバルブ19を開き高圧ガスボ
ンベ6からHe、Ar等の不活性ガスを導入し、超微粒
子トラップ室4と堆積膜形成室1との圧力差を5気圧程
度に維持し、排送管20から堆積用の微小ノズル3を通
って基板12のベース面12′に300m/sec以上
の亜音速で吹き付けて緻密な超微粒子膜を形成する。こ
の時、堆積用の微小ノズル3の端面とベース面12′と
の間の距離を0.2〜1mmにすると、ノズルの内径と
堆積膜の幅はほぼ同一で、エッジもシャープなものにな
る。
これを用いて超微粒子膜形成方法を説明する。図中、
2、2′は超微粒子を生成する蒸発室で、図3にその拡
大図を示す。まず真空ポンプ13により蒸発室2の内部
を一度10-6Torr程度に排気し、ガスボンベ5より
He、Ar等の不活性ガスを導入し、真空計16の真空
度測定値に基づいて制御バルブ18により蒸発室2内部
の真空度を100Torr程度に維持する。蒸発材料
は、14の蒸発部と15の電源部からなる高周波誘導加
熱装置に約400Wの電力を投入し、誘導電流により蒸
発材料に生じる磁束と高周波電流により生じる磁束との
磁気的反発力を利用して導入ガス中に浮遊させ、クリー
ンな状態で溶融蒸発させ、粒径が0.1μm以下の超微
粒子を生成させる。次に、生成された超微粒子は真空ポ
ンプで1Torr以下に排気された堆積膜形成室1との
圧力差により、排送管17を通って図1中の超微粒子ト
ラップ室4に蓄積させる。ここで3次元形状を創成する
ために十分な量の超微粒子が蓄えられたら、遮断バルブ
9を閉め、制御用ニードルバルブ19を開き高圧ガスボ
ンベ6からHe、Ar等の不活性ガスを導入し、超微粒
子トラップ室4と堆積膜形成室1との圧力差を5気圧程
度に維持し、排送管20から堆積用の微小ノズル3を通
って基板12のベース面12′に300m/sec以上
の亜音速で吹き付けて緻密な超微粒子膜を形成する。こ
の時、堆積用の微小ノズル3の端面とベース面12′と
の間の距離を0.2〜1mmにすると、ノズルの内径と
堆積膜の幅はほぼ同一で、エッジもシャープなものにな
る。
【0014】次に上述したような超微粒子堆積膜形成方
法を利用した、本発明に於ける3次元形状創成法の実施
例を図1及び図2に基づいて説明する。
法を利用した、本発明に於ける3次元形状創成法の実施
例を図1及び図2に基づいて説明する。
【0015】まず図2中に示すように本装置では、上述
したような超微粒子を生成する蒸発室2、2′と超微粒
子トラップ室4からなる超微粒子製造装置部を2つ持
ち、Al(アルミニウム)とNi(ニッケル)の2種類
の超微粒子を生成し、3次元形状創成に必要な量だけ、
それぞれ別々の超微粒子トラップ室4、4′に蓄えた。
この蓄えられた2種類の超微粒子は、2つの高圧ガスボ
ンベ6、6′からの搬送用不活性ガスにより排送管2
0、20′、粒子切り替えバルブ10、堆積用の微小ノ
ズル3を通ってベース面12′に独立に吹き付けられ
る。この時、堆積用の微小ノズル3から噴射される超微
粒子は、粒子切り替えバルブ10と2つの制御用ニード
ルバルブ19,19′の連動した制御により、1秒以下
の速度で切り替えることができる。超微粒子の堆積され
るベース面12′は、3次元のXYZステージ12に載
せられており、ステージ駆動装置7と制御用コンピュー
タ8により移動量及び移動速度が制御される。そして、
3次元立体形状の断面CADデータに基づき、粒子切り
替えバルブ10等による超微粒子の切り替え動作と連動
してステージ12は移動し、図1−(1)に示すように
高融点材料部4としてニッケル(融点温度:1455
℃)、低融点材料部としてアルミニウム(融点温度:6
60℃)からなる超微粒子堆積層を形成した。この時の
搬送ガスはヘリウム(He)で、超微粒子は約500m
/secの流速で内径50μmの堆積用ノズル3から噴
射させた。また、堆積層の厚みはノズルからの超微粒子
の噴射量を一定とし、光学式の膜厚測定装置により堆積
厚をリアルタイムに計測し、ステージ12の移動速度制
御することで、ニッケル、アルミニウムの各々の膜厚が
同一になるように堆積させた。そして、ステージ12を
Z方向に移動させて次の層の堆積をおこない、この操作
を繰り返すことにより、必要とされる3次元形状の部分
が融点温度の高いニッケルで、その回りが融点温度の低
いアルミニウムで構成されたブロックを形成した。これ
をアルゴンガス雰囲気中の温度約700℃の電気炉に入
れて不要なアルミニウムの部分を溶融させて取り除き、
その後、さらに温度を約1200℃まで上げて焼結さ
せ、3次元立体形状を創成した。この時、焼結による形
状の収縮は殆ど無く、精度:70μm、ビッカース硬
度:約500と高精度で強固な3次元立体形状を作成す
ることができた。
したような超微粒子を生成する蒸発室2、2′と超微粒
子トラップ室4からなる超微粒子製造装置部を2つ持
ち、Al(アルミニウム)とNi(ニッケル)の2種類
の超微粒子を生成し、3次元形状創成に必要な量だけ、
それぞれ別々の超微粒子トラップ室4、4′に蓄えた。
この蓄えられた2種類の超微粒子は、2つの高圧ガスボ
ンベ6、6′からの搬送用不活性ガスにより排送管2
0、20′、粒子切り替えバルブ10、堆積用の微小ノ
ズル3を通ってベース面12′に独立に吹き付けられ
る。この時、堆積用の微小ノズル3から噴射される超微
粒子は、粒子切り替えバルブ10と2つの制御用ニード
ルバルブ19,19′の連動した制御により、1秒以下
の速度で切り替えることができる。超微粒子の堆積され
るベース面12′は、3次元のXYZステージ12に載
せられており、ステージ駆動装置7と制御用コンピュー
タ8により移動量及び移動速度が制御される。そして、
3次元立体形状の断面CADデータに基づき、粒子切り
替えバルブ10等による超微粒子の切り替え動作と連動
してステージ12は移動し、図1−(1)に示すように
高融点材料部4としてニッケル(融点温度:1455
℃)、低融点材料部としてアルミニウム(融点温度:6
60℃)からなる超微粒子堆積層を形成した。この時の
搬送ガスはヘリウム(He)で、超微粒子は約500m
/secの流速で内径50μmの堆積用ノズル3から噴
射させた。また、堆積層の厚みはノズルからの超微粒子
の噴射量を一定とし、光学式の膜厚測定装置により堆積
厚をリアルタイムに計測し、ステージ12の移動速度制
御することで、ニッケル、アルミニウムの各々の膜厚が
同一になるように堆積させた。そして、ステージ12を
Z方向に移動させて次の層の堆積をおこない、この操作
を繰り返すことにより、必要とされる3次元形状の部分
が融点温度の高いニッケルで、その回りが融点温度の低
いアルミニウムで構成されたブロックを形成した。これ
をアルゴンガス雰囲気中の温度約700℃の電気炉に入
れて不要なアルミニウムの部分を溶融させて取り除き、
その後、さらに温度を約1200℃まで上げて焼結さ
せ、3次元立体形状を創成した。この時、焼結による形
状の収縮は殆ど無く、精度:70μm、ビッカース硬
度:約500と高精度で強固な3次元立体形状を作成す
ることができた。
【0016】次に第2の実施例について説明する。
【0017】超微粒子製造装置部でFe(鉄)とAg
(銀)の2種類の超微粒子を生成し、3次元形状創成に
必要な量だけ、それぞれ別々の超微粒子トラップ室4、
4′に蓄えた。この蓄えられた2種類の超微粒子は、2
つの高圧ガスボンベ6、6′からの搬送用不活性ガスに
より排送管20、20′、粒子切り替えバルブ10、堆
積用の微小ノズル3を通ってベース面12′に独立に吹
き付けられる。この時、堆積用の微小ノズル3から噴射
される超微粒子は、粒子切り替えバルブ10と2つの制
御用ニードルバルブ19,19′の連動した制御によ
り、1秒以下の速度で切り替えることができる。超微粒
子の堆積されるベース面12′は、3次元のXYZステ
ージ12に載せられており、ステージ駆動装置7と制御
用コンピュータ8により移動量及び移動速度が制御され
る。そして、3次元立体形状の断面CADデータに基づ
き、分配バルブ10等による超微粒子の切り替え動作と
連動してステージ12は移動し、図1−(1)に示すよ
うに高融点材料部4としてFe(鉄)(融点温度:15
35℃)、低融点材料部としてAg(銀)(融点温度:
962℃)からなる超微粒子堆積層を形成した。この時
の搬送ガスはヘリウム(He)で、超微粒子は約500
m/secの流速で内径50μmの堆積用ノズル3から
噴射させた。また、堆積層の厚みはノズルからの超微粒
子の噴射量を一定とし、光学式の膜厚測定装置11によ
り堆積厚をリアルタイムに計測し、ステージ12の移動
速度制御することで、鉄、銀の各々の膜厚が同一になる
ように堆積させた。そして、ステージ12をZ方向に移
動させて次の層の堆積をおこない、この操作を繰り返す
ことにより、必要とされる3次元形状の部分が融点温度
の高い鉄で、その回りが融点温度の低い銀で構成された
ブロックを形成した。これをアルゴンガス雰囲気中の温
度約1100℃の電気炉に入れて不要な銀の部分を溶融
させて取り除き、その後、さらに温度を約1350℃ま
で上げて焼結させ、3次元立体形状を創成した。この
時、焼結による形状の収縮は殆ど無く、その表面も、ニ
ッケルとアルミニウムを用いた場合より、なめらかにな
り形状精度:約50μmの鉄で構成された高精度で強固
な3次元立体形状を作成することができた。
(銀)の2種類の超微粒子を生成し、3次元形状創成に
必要な量だけ、それぞれ別々の超微粒子トラップ室4、
4′に蓄えた。この蓄えられた2種類の超微粒子は、2
つの高圧ガスボンベ6、6′からの搬送用不活性ガスに
より排送管20、20′、粒子切り替えバルブ10、堆
積用の微小ノズル3を通ってベース面12′に独立に吹
き付けられる。この時、堆積用の微小ノズル3から噴射
される超微粒子は、粒子切り替えバルブ10と2つの制
御用ニードルバルブ19,19′の連動した制御によ
り、1秒以下の速度で切り替えることができる。超微粒
子の堆積されるベース面12′は、3次元のXYZステ
ージ12に載せられており、ステージ駆動装置7と制御
用コンピュータ8により移動量及び移動速度が制御され
る。そして、3次元立体形状の断面CADデータに基づ
き、分配バルブ10等による超微粒子の切り替え動作と
連動してステージ12は移動し、図1−(1)に示すよ
うに高融点材料部4としてFe(鉄)(融点温度:15
35℃)、低融点材料部としてAg(銀)(融点温度:
962℃)からなる超微粒子堆積層を形成した。この時
の搬送ガスはヘリウム(He)で、超微粒子は約500
m/secの流速で内径50μmの堆積用ノズル3から
噴射させた。また、堆積層の厚みはノズルからの超微粒
子の噴射量を一定とし、光学式の膜厚測定装置11によ
り堆積厚をリアルタイムに計測し、ステージ12の移動
速度制御することで、鉄、銀の各々の膜厚が同一になる
ように堆積させた。そして、ステージ12をZ方向に移
動させて次の層の堆積をおこない、この操作を繰り返す
ことにより、必要とされる3次元形状の部分が融点温度
の高い鉄で、その回りが融点温度の低い銀で構成された
ブロックを形成した。これをアルゴンガス雰囲気中の温
度約1100℃の電気炉に入れて不要な銀の部分を溶融
させて取り除き、その後、さらに温度を約1350℃ま
で上げて焼結させ、3次元立体形状を創成した。この
時、焼結による形状の収縮は殆ど無く、その表面も、ニ
ッケルとアルミニウムを用いた場合より、なめらかにな
り形状精度:約50μmの鉄で構成された高精度で強固
な3次元立体形状を作成することができた。
【0018】
【発明の効果】本発明は、0.1μm以下の活性な微粒
子が得られればいかなる材料でも造形を行うことが可能
で、さらに焼結などをおこなった場合でも、その収縮に
よる影響は大幅に低減される。また、部分的に材質が異
なったり(複合材料や傾斜機能構造等も可能)、電気的
機能(センサー、配線、電子部品等)を造形と同時に作
り込んだりすることが可能である。高速の微粒子ジェッ
トを得るためにノズル径は10μm程度まで小さくなる
ので、達成できる精度も10μm程度と必然的に高くで
きる。
子が得られればいかなる材料でも造形を行うことが可能
で、さらに焼結などをおこなった場合でも、その収縮に
よる影響は大幅に低減される。また、部分的に材質が異
なったり(複合材料や傾斜機能構造等も可能)、電気的
機能(センサー、配線、電子部品等)を造形と同時に作
り込んだりすることが可能である。高速の微粒子ジェッ
トを得るためにノズル径は10μm程度まで小さくなる
ので、達成できる精度も10μm程度と必然的に高くで
きる。
【0019】マイクロ部品の組立は、これまで半導体微
細加工技術などで使われる犠牲層エッチングなどにより
行ってきたが、犠牲層の形状が2次元平面的であるため
複雑な形状物同士の組上げは困難で行程数も増える。こ
れに対して本発明では、後述する3次元立体形状の創成
原理と同様の行程で犠牲層部を低融点金属で立体的に形
成することで、複雑なマイクロ部品の組立も可能であ
る。
細加工技術などで使われる犠牲層エッチングなどにより
行ってきたが、犠牲層の形状が2次元平面的であるため
複雑な形状物同士の組上げは困難で行程数も増える。こ
れに対して本発明では、後述する3次元立体形状の創成
原理と同様の行程で犠牲層部を低融点金属で立体的に形
成することで、複雑なマイクロ部品の組立も可能であ
る。
【図1】3次元立体形状の創成法の工程を示す工程説明
図。
図。
【図2】3次元立体形状の創成装置の構成説明図。
【図3】蒸発室の拡大説明図。
1 堆積膜形成室 2,2′ 蒸発室 3 堆積用の微小ノズル 4 超微粒子トラップ室 5 ガスボンベ 6 高圧ガスボンベ 7 ステージ駆動装置 8 制御コンピュータ 9 遮断バルブ 10 粒子切り替えバルブ 11 膜厚測定装置 12 基板 12′ ベース面 13 真空ポンプ 14 蒸発部 15 電源部 16 真空計 17 排送管 18 制御バルブ 19 制御用ニードルバルブ 20 排送管 103 低融点材料部分 104 高融点材料部分
Claims (8)
- 【請求項1】 一つ或いは複数のノズルより異なった種
類の材質からなる超微粒子を含むガスをベース面に吹き
付けて付着させ、二次元平面内に異なった材質をもつ膜
を堆積させて形成された堆積膜表面をベース面として、
この堆積膜形成操作を繰り返すことで3次元的に材質の
異なるこれら超微粒子の堆積物からなる立体物を形成
し、その後に前記堆積物を材質の異なる性質を利用し、
溶融或いはエッチングにより、前記立体物中の一部分を
除去し任意の3次元立体形状を創成することを特徴とす
る3次元立体形状の創成法。 - 【請求項2】 前記異なった種類の材質からなる超微粒
子を含むガスのベース面への吹き付けを交互に行うこと
を特徴とする請求項1記載の3次元立体形状の創成法。 - 【請求項3】 前記ガスとして不活性ガスを用いること
を特徴とする請求項1記載の3次元立体形状の創成法。 - 【請求項4】 前記異なった種類の材質からなる超微粒
子として、高融点材料と低融点材料を用い、3次元的に
材料の異なる立体物を形成後、これを高融点材料の溶融
温度と低融点材料の溶融温度の中間温度まで加熱し、低
融点材料を溶融除去することで任意の3次元立体形状を
創成することを特徴とする請求項1記載の3次元立体形
状の創成法。 - 【請求項5】 前記加工法において、3次元立体形状を
創成後、これを適当な温度で焼結し機械的強度を増すこ
とを特徴とする請求項1記載の3次元立体形状の創成
法。 - 【請求項6】 前記異なった種類の超微粒子として、特
定の溶剤或いはガスにより分解或いは可溶な材料と分解
或いは非可溶な材料を用い、3次元的に材料の異なる立
体物を形成後、前記溶剤或いはガスで可溶或いは分解す
る部分をエッチング除去することで任意の3次元立体形
状を創成することを特徴とする請求項1記載の3次元立
体形状の創成法。 - 【請求項7】 前記加工法において、堆積させる各層の
堆積厚さを膜厚測定機等を用いて測定し、制御すること
を特徴とする請求項1記載の3次元立体形状の創成法。 - 【請求項8】 上述の加工法に於いて、微小孔ノズルよ
り噴射される微粒子の量を一定として、ベース面の移動
速度を変化させることで前記超微粒子堆積膜の膜厚を制
御することを特徴とする請求項1記載の3次元立体形状
の創成法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6244672A JP2615429B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 3次元立体形状の創成法 |
US08/527,331 US5805971A (en) | 1994-09-13 | 1995-09-12 | Method of producing three-dimensional forms |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6244672A JP2615429B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 3次元立体形状の創成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0881774A JPH0881774A (ja) | 1996-03-26 |
JP2615429B2 true JP2615429B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=17122237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6244672A Expired - Lifetime JP2615429B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 3次元立体形状の創成法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5805971A (ja) |
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JP3269827B2 (ja) | 1997-04-04 | 2002-04-02 | ユニバーシティ・オブ・サザン・カリフォルニア | 電気化学製造のための物品、方法、および装置 |
JP3306359B2 (ja) * | 1997-08-29 | 2002-07-24 | 三洋電機株式会社 | 3次元cadによる金型の設計方法及びその設計装置 |
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-
1995
- 1995-09-12 US US08/527,331 patent/US5805971A/en not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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