JP2610643B2 - グリセロール−3−リン酸アシルトランスフェラーゼをコードするdna鎖 - Google Patents

グリセロール−3−リン酸アシルトランスフェラーゼをコードするdna鎖

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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/1025Acyltransferases (2.3)
    • C12N9/1029Acyltransferases (2.3) transferring groups other than amino-acyl groups (2.3.1)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 技術分野 本発明は、カボチャ(Cucurbita moschata Duch.)
が産生するようなsn−グリセロール−3−リン酸アシル
トランスフェラーゼ(以下ATaseという)の生物工学的
産生能を有するDNA鎖に関するものである。
先行技術 植物の生体膜を構成する脂質は、外界温度の低下によ
り液晶状態から固体状態に変化する。それに伴い生体膜
の性質が変化する。固体状態では物質透過の選択性がな
くなるため、本来の機能を果たせなくなり、その結果細
胞に障害が生ずると考えられている。脂質のうち、フォ
スファチジル・グリセロール(以下PGという)は液晶状
態から固体状態へ変化する温度が高く、高温で固まりや
すい脂質である。従ってPGの性質により生体膜の温度感
受性が大きく変化する。ところで、PGの固まりやすさ
は、それを構成している脂肪酸の種類により決定され
る。sn−グリセロール−3−リン酸(以下sn−G−3−
Pという)への脂肪酸の転移はATaseにより行われる。
即ち、脂肪酸とアシルキャリアータンパク(以下ACPと
いう)の複合体から脂肪酸の部分がsn−G−3−Pへ転
移する反応をATaseが触媒する。
植物では、脂肪酸合成は専ら葉緑体内で起こり、ATas
eの基質となる脂肪酸とACPの複合体はパルミトイル−AC
P(以下16:0−ACPという)およびオレオイル−ACP(以
下18:1−ACPという)の2種類である。ATaseがそのいず
れの基質を選択するかはATase自体の性質、即ちATaseの
基質選択性に依存する。ATaseの基質選択性について
は、種々の植物で調べられている。例えばホウレンソ
ウ、エンドウのATaseは18:1−ACPに対する基質選択性が
高く、これらの植物のPGは比較的低温でも液晶状態であ
る〔ユーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミスト
リー(Eur.J.Biochem.129(1983)629−636)〕。それ
に対して、本実験で用いたカボチャのATaseは、16:0−A
CPおよび18:1−ACPを区別せず、それぞれの脂肪酸をほ
ぼ同じ量転移するため、カボチャのPGは比較的高温で固
化する(詳細後述)。
カボチャのATaseは本発明者らが完全精製しており
〔プラント・セル・フィジオロジー(Plant Cell Physi
ol.28(1987)1071−1079)〕、その特徴は次のとおり
である。
ATase1から3までのいずれも葉緑体の中の可溶性画分
に存在する酵素である。ATase2および3は等電点がやや
異なること以外、ハイドロキシアパタイトに対する吸着
性で区別される。即ち、ATase2は非吸着性、ATase3は吸
着性である。
カボチャATaseの酵素学的性質については、本発明者
らが先に報告している〔プラント・セル・フィジオロジ
ー(Plant Cell Physiol.28(1987)1195−1201)〕。A
Tase1から3のいずれも基質選択性がほとんどなく、16:
0と18:1をほぼ等量取り込むことが精製酵素で確かめら
れた。
ATaseの構造解析は、植物ではほとんど行われておら
ず、本発明が初めてである。但し、大腸菌に由来するAT
aseは構造が判明している〔ジャーナル・オブ・バイオ
ロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.258(1983)108
56−10861)〕。
大腸菌のATaseは膜結合性で分子量約8万と大きく
〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー
〔J.Biol.Chem.255(1980)9421−9426)〕、カボチャ
由来のものと構造がかなり異なると想像された。
細胞質で合成されて葉緑体へ転移するタンパクには、
「転移ペプチド」がそのアミノ末端側に必要であるとい
われている〔ネイチャー(Nature313(1985)358−36
3)〕。葉緑体への転移ペプチドについては、同一タン
パクでは植物種が異なっていても一次構造上の相同性が
高いが、タンパクが異なれば相同性はかなり低いことが
判明している〔アニュアル・レビュー・オブ・バイオケ
ミストリー(Ann.Rev.Biochem.55(1986)879−91
2)〕。
〔発明の概要〕
要 旨 本発明は、葉緑体の膜脂質PGの性質を変換するのに有
用なATaseの生物工学的産生能を有するDNA鎖を提供する
ものである。
即ち、本発明によるsn−グリセロール−3−リン酸ア
シルトランスフェラーゼの生物工学的産生能を有するDN
A鎖は、sn−グリセロール−3−リン酸アシルトランス
フェラーゼ活性を有するポリペプチドであってそのアミ
ノ酸配列が第1図(a)および(b)に示されているア
ミノ酸配列のうちAからBまでのものまたは該配列にお
いて1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失もしくは置
換されたものであるものをコードする塩基配列を有する
こと、を特徴とするものである。
効 果 本発明によるDNA鎖は、種々の植物に導入・発現させ
ればそのPGの性質がカボチャのものと似たものになると
考えられる。DNA鎖を植物へ導入・発現する技術はすで
にタバコ・ペチュニア・ジャガイモなど多くの植物で実
際に行われている普遍的な技術である。
また本発明で得られたDNAをプローブに用いれば、近
緑植物中に存在し基質選択性が多少異なる本酵素遺伝子
を遺伝子工学の分野で慣用されている方法により容易に
クローニングできるものと思われる。
〔発明の具体的説明〕
ATase遺伝子 定義 本発明によるATaseの生物工学的産生能を有するDNA鎖
即ちATase遺伝子は、ATase活性を有していてアミノ酸配
列が(「実質的に」の意味は後記)第1図に示されてい
るアミノ酸配列のうちAからBまでのものであるポリペ
プチドをコードするもの、である。ここで「DNA鎖」と
はある長さを有するポリデオキシリボ核酸の相補的2本
鎖を意味するものである。そして、本発明ではこの「DN
A鎖」はそれがコードするRNAおよびポリペプチドのアミ
ノ酸配列によって特定されるところ、このポリペプチド
は上記のように有限のものであるから、この「DNA鎖」
も有限のものである。しかし、このDNA鎖は、ATaseをコ
ードする遺伝子を含んでいてこのポリペプチドの生物工
学的産生を行わせるのに有用なものであるところ、この
有限の長さのDNA鎖のみによって行えるのでなく、その
5′−側上流および3′−側下流に適当な長さのDNA鎖
が結合した状態でこのポリペプチドの生物工学的産生が
可能となるわけである。また、ATaseが細胞質で合成さ
れて葉緑体に転移するためにはその上流側に転移ペプチ
ドが必要とされていることは前記したところであり、従
ってATaseをコードする遺伝子はこの転移ペプチドをコ
ードするDNA鎖を上流側に持つことが必要になる。
従って、本発明で「DNA鎖」というときは、この特定
の長さのもの(第1図(a)および(b)の対応アミノ
酸でいえばAからBの長さ)のほかに、この特定の長さ
のDNA鎖を構成員とする鎖状または環状DNA鎖の形態にあ
るものを包含するものとする。
本発明によるDNA鎖の存在形態のうち代表的なもの
は、このDNA鎖を構成員の一部とするプラスミドDNAおよ
びファージDNAの中に挿入された形態並びにプラスミド
またはファージ粒子あるいはゲノムに挿入された形で微
生物、特に細菌、および植物の中に存在する形態であ
る。ここでいう細菌は、大腸菌やアグロバクテリウムを
含むことはいうまでもない。
本発明によるDNA鎖の好ましい存在形態は、ATase遺伝
子が植物中で安定に発現しうるように外来遺伝子として
の本発明のDNA鎖とプロモーター、葉緑体への転移シグ
ナルおよびターミネーターとが一体に結合して、これが
ゲノムに挿入された形態で植物中に存在するものであ
る。プロモーターおよびターミネーターとしては、公知
のものを適宜組み合わせて用いることができる。葉緑体
への転移シグナルは本発明で得られたATase遺伝子のも
のでもよいし、公知のもの、例えばホウレンソウのリブ
ロース−1,5−二リン酸カルボキシラーゼの小サブユニ
ット遺伝子のものを用いることができる。
この遺伝子がコードするポリペプチド 上記のように、本発明のDNA鎖は、これがコードする
アミノ酸配列によって特定されている。このポリペプチ
ドは、ATase活性を有していてアミノ酸配列が実質的に
第1図(a)および(b)に示されているアミノ酸配列
のうちAからBまでのものである。第1図(b)が第1
図(a)のつづきであることはいうまでもない。ここで
「アミノ酸配列が実質的に第1図(a)および(b)に
示されているアミノ酸配列のうちAからBまでのもの」
ということは、このポリペプチドがATase活性を有する
かぎりこのアミノ酸配列が該配列において1もしくは数
個のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換されたものであ
ってもよいことを示すものである。なお、ポリペプチド
の所定の生理活性がその構成アミノ酸の1もしくは数個
の付加、欠失もしくは置換によっても変らないことがあ
りうることはよく知られており、また意図的にそのよう
なアミノ酸の変化を生じさせる方法も知られている(た
とえば、Nucleic Acids Res.10(20)6487−6500(198
2)参照)。
第1図(a)および(b)に示されているアミノ酸配
列のうちCからAまでの部分は、転移ペプチドの少なく
とも一部である。この部分もまた、上記したアミノ酸配
列についての各種の改変を包含するものとする。
本発明での典型的なATase活性を有するポリペプチド
は第1図のアミノ酸配列のうちAからBまで(またはC
からBまで)のものであって、368個(または396個)の
アミノ酸からなり、従来そのアミノ酸配列は知られてい
なかったものである。
本発明で対象とするATaseは、EC 2.3.1.15で特定さ
れる酵素である。
DNA鎖の塩基配列 ATaseをコードするDNA鎖は、第1図のAからB(また
はCからB)の塩基配列をもつものまたはその縮重異性
体並びにその上記の様なATaseのアミノ酸配列の変化に
対応する塩基配列をもつものまたはその縮重異性体、で
ある。ここで、「縮重異性体」とは、縮重コードンにお
いてのみ異なっていて同一のポリペプチドをコードする
ことのできるDNA鎖を意味する。たとえば第1図のAか
らBまたはCからBの塩基配列を持つDNA鎖にたいし
て、そのアミノ酸のどれかに対応するコードン例えばAs
nに対応するコードン(AAC)が、これと縮重関係にある
例えばAATに変ったものを本発明は縮重異性体と呼ぶも
のとする。
本発明によるDNA鎖の好ましい具体例は、3′−側末
端に接して停止コードンを少なくとも1個(例えばTA
G)を持つものである。更に本発明のDNA鎖の5′−側上
流および(または)3′−側下流には、非翻訳領域とし
てのDNA鎖(3′−側下流の最初の部分は、TAGのような
停止コードンであることが普通である)がある長さ続い
てもよい。
なお、第1図に示したDNA鎖の塩基配列は、カボチャ
(ククルビタ・モスカタ)の実生の葉より取得したATas
eについて、ダイデオキシ法によって決定したものであ
る。
DNA鎖の取得 上記のATaseのアミノ酸配列をコードする塩基配列を
有するDNA鎖を取得する一つの方法は、核酸合成の方法
に従ってそのDNA鎖の少なくとも一部を化学合成するこ
とである。
ATaseのアミノ酸残基数が少なくとも368個であるとい
うことを考えれば、この化学合成法よりも、ククルビタ
・モスカタの葉由来のmRNAから遺伝子工学の分野で慣用
されている方法例えば岡山・バーグ法〔モレキュラー・
アンド・セル・バイオロジー(Mol.Cell Biol.2(198
2)161−170)〕によりmRNAに相補的なDNAのライブラリ
ーを取得し、これも慣用されている方法例えば適当なプ
ローブによる免疫学的方法による取得あるいはハイブリ
ダイゼイション法による取得が好ましいと言える。
なお、本発明者は、ククルビタ・モスカタの葉のATas
eをコードする塩基配列およびアミノ酸配列が未知であ
ったため、ATaseを精製し、それに特異的な抗体を用い
て、mRNAに相補的なDNAのライブラリーより本発明のDNA
鎖を免疫学的方法により取得した(詳細は後記実施例参
照)。
実 験 例 (1)ATaseの精製、抗ATase血清の調製およびATaseの
アミノ酸シークエンスの決定 酵素の精製は公知の方法〔プラント・セル・フィジオ
ロジー(Plant Cell Physiol.28(1987)1071−107
9)〕に準じて行った。
ククルビタ・モスカタ(品種シラキクザ、渡辺採種場
株式会社(宮城県)より入手)を30℃暗黒下で湿ったバ
ーミキュライトで4−5日間生育させた後、螢光灯下に
9−12時間置いて緑化した子葉を用いた。酵素の精製は
上記文献と同様に行い、ACP−アフィニティーカラムを
通して、約20,000倍に精製したATase3をマウスに免疫し
た。免疫方法は約1週間間隔で約1−6μgの酵素タン
パク質をフロインドの完全アジュバンドと混合した後マ
ウス腹腔に注射し、注射開始後約1ケ月目から尾を切っ
て採血する操作をくり返し、抗ATase血清を得た。抗血
清の最適希釈率は、精製ATase3をウェスタン・ブロッテ
ィングし、パーオキシダーゼの発色で検出する方法によ
り、約1,000倍と決定した。この抗血清は、ATase2ともA
Tase3と同程度に反応した。
また、得られたDNAがATaseをコードしていることを確
認するためには、子葉から精製したATaseのアミノ酸配
列が明らかになっていることが望ましい。この目的のた
め、先に精製したATase2をさらに陰イオン交換高速液体
クロマトグラフィー[FPLC(モルQ),ファルマシア
製]で約40,000倍まで精製し、N−末端からのアミノ酸
配列分析に供した。N−末端側からのアミノ酸配列は、
気相シーケンサー(アプライド・バイオシステムズ社;4
70A)により行い、N−末より17残基決定した。
(2)ATase遺伝子の調製 (i) RNAの取得 酵素精製と同一の条件でククルビタ・モスカタ種子を
発芽させ、約10gの子葉よりシャーグウイン(Chirgwi
n)らの方法〔バイオケミストリー(Biochemistry 18
(1979)5294−5299)〕にしたがって全RNAを得た。こ
の全RNAをもとにアビブ(Aviv)らの方法〔プロシーデ
ィングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オ
ブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69(1972)140
8−1412)〕に従ってポリAを有するRNAを分離した。
(ii) RNAに相補的なRNAのライブラリーの作成 上記のポリAを有するRNAにたいして相補的なDNAをガ
ブラー(Gubler)らの方法〔ジーン(Gene,25(1983)2
63−269)〕に従って合成した。この際プライマーとし
て、オリゴ(dT)およびランダムオリゴヌクレオチドを
使用した。合成した2本鎖からなるDNAはEcoRIメチラー
ゼで制限酵素EcoRIの切断部位をメチル化した後、EcoRI
リンカー(dGGAATTCC;宝酒造株式会社製)を両末端に付
けた。更に制限酵素EcoRIで余分なリンカー部分を切断
し、遊離のリンカーをゲル過法でcDNA画分から除き、
cDNAとファージλgt11アームとを連結した。さらに、こ
のDNAを試験管内パッケイジング法(GIGAPACK GOLD;STR
ATAGENE)でλファージ粒子にパッケイジングし、λgt1
1でのライブラリーを得た。
(iii)ATase遺伝子保持株のスクリーニング 上記のようにして得たファージ・ライブラリーよりカ
ボチャATase3に特異的な抗血清に反応する株を選び出す
ことによりATase遺伝子保持株を得た。
まず、得られたcDNAライブラリーを大腸菌Y1090株に
感染させ、1プレート当り1万個のプラークを形成させ
た約150枚のプレートを、ヒーン(Huynh)らの方法〔DN
Aクローニング(1985)IRL,オックスフォード、第1
巻、49−78〕により、探索した。各プレートはイソプロ
ピルβ−D−チオガラクトピラノシドにあらかじめ漬け
ておいたニトロセルロースフィルターと37℃で2時間密
着保持した後、0.15M NaClと0.1%Triton X−100を
含む50mMリン酸バッファー(pH6.8)で各20分間3回洗
浄した。次にマウスから得た抗血清を上記バッファーで
1,000倍に希釈し、この中にニトロセルロースフィルタ
ーを4℃下で1晩漬けて振とうした。次に、上記バッフ
ァーで3回洗浄した後、西洋ワサビ由来のパーオキシダ
ーゼを結合した二次抗体と室温で2時間反応させ、上記
と同様に3回洗浄した。その後、4−クロロ−1−ナフ
トールおよび過酸化水素を基質として発色処理し、強く
発色した形質導入株を取り出し、更に抗体による二次選
抜を行った。まず各々の形質導入株が特異的に産生する
タンパク質をニトロセルロースフィルター上に固定し、
そのタンパクに抗血清を反応させた。洗浄後のフィルタ
ーに残った抗体は、形質導入株が特異的に産生するタン
パクにのみ反応するものである。この抗体を5mMグリシ
ン−HCl(pH2.3)、0.15M NaClの液でフィルターから
解離させた後、精製したATase3をSDS・電気泳動後、ブ
ロットしたフィルターと反応させた。精製したATase3と
反応する抗体が得られた形質導入株がATase産生形質導
入株と判断された。この株からファージを大量調製し、
そのDNAから制限酵素EcoRIにより外来DNAを切り出した
ところ、その大きさは約400bpであった。
このクローンを32P−dATP(宝酒造株式会社)により
ニックトランスレーションして、約107dpm/μgのプロ
ーブを得た。このプローブを用いて、相補的なDNAのラ
イブラリーの再選抜を行った。ファージを吸着したフィ
ルターを50%ホルムアミド、5×デンハート液(0.1%
フィコール、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%牛血清
アルブミン)、5×SSPE(0.75M NaCl,50mMリン酸ナト
リウム、5mM EDTA,pH7.4),0.1%SDSおよび100μg/ml
のサケ精子DNAを含む液中で42℃、1晩保持した。32Pで
ラベルしたDNAプローブを加えて、さらに24時間ハイブ
リダイゼイションした。フィルターは常法にしたがい洗
浄し、プローブと強くハイブリダイズするファージを選
抜した。
この形質導入株から制限酵素EcoRIにより外来DNAを切
り出し、1.2%アガロースゲル電気泳動でサイズを測定
したところ、約1.5kbpのものがあった。このクローンを
プラスミドベクターpTZ18R(Pharmacia製)にサブクロ
ーニングし、ダイデオキシ法〔プロシーディングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ
(Proc.Natl.Acad,Sci.USA84(1987)4767−4771〕によ
り塩基配列を決定した。
これを解析した結果、外来DNAの長さは1426bpであ
り、その中に1188bpのオープンリーティングフレームが
存在した。ここにはアミノ酸396個、分子量約44,000の
タンパク質がコードされていると推定された。この1426
bpからなるDNAをプラスミドベクターpTZ18R(Pharmacia
製)にクローニングして得た組換体プラスミドを、pAT
−03と名付けた。pAT−03を形質導入して得た大腸菌(A
T−03と命令)は、微工研に寄託されていて、受託番号F
ERM P−9934を与えられている(受託日:昭和63年3
月11日)。一方、精製ATase2で決定したN−末端よりN
−末を含まない17残基のアミノ酸配列は、第1図(a)
の211残基から261残基までのDNA配列から推定されたア
ミノ酸配列と完全に一致した。このAの上流のペプチド
は酵素本来の機能に関係のない、おそらく葉緑体への転
位シグナルペプチドと推測された。AからBまでの間に
は塩基数1104bp,アミノ酸残基368個で分子量約41,000の
タンパク質がコードされており、精製したATase2および
ATase3の分子量とほぼ一致した。また、大腸菌由来のAT
aseとは、有意な相同性はなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)および(b)は、本発明で対象とするATas
eを鎖員として含むペプチドのアミノ酸配列およびそれ
をコードする塩基配列の一例を示す説明図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】sn−グリセロール−3−リン酸アシルトラ
    ンスフェラーゼ活性を有するポリペプチドであってその
    アミノ酸配列が下記(a)および(b)に示されている
    アミノ酸配列のうちAからBまでのものまたは該配列に
    おいて1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失もしくは
    置換されたものであるものをコードする塩基配列を有す
    ることを特徴とする、sn−グリセロール−3−リン酸ア
    シルトランスフェラーゼの生物工学的産生能を有するDN
    A鎖。
  2. 【請求項2】ポリペプチドをコードする塩基配列が下記
    (a)および(b)に示されている塩基配列のうち、A
    からBまでのものまたはその縮重異性体である、請求項
    1記載のDNA鎖。
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