JP2610418B2 - 液晶装置 - Google Patents

液晶装置

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JP2610418B2
JP2610418B2 JP61073743A JP7374386A JP2610418B2 JP 2610418 B2 JP2610418 B2 JP 2610418B2 JP 61073743 A JP61073743 A JP 61073743A JP 7374386 A JP7374386 A JP 7374386A JP 2610418 B2 JP2610418 B2 JP 2610418B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、電界の向きでスイッチングが行われる液
晶、例えば強誘電性液晶(以下FLCという)を用いた液
晶装置であって、電気的または光学的に書き換え可能で
あり、メモリ情報の読み出しには光学的な非破壊読み出
しを行う光メモリ装置、特に好ましくは反射型の光ディ
スクメモリ装置に関する。
「従来の技術」 光ディスクメモリ装置としては、コンパクトディスク
に代表されるように、レーザ光の凹凸面での反射具合を
利用した書換不可能なディジタル式ディスクメモリ装置
が知られている。このため、書換を可能とする方式が求
められ、その代表例として光磁気メモリ装置が知られて
いる。さらに、カルコゲン系(テルル系)を用いたアモ
ルファス半導体の光ディスクメモリ装置も知られてい
る。
「発明が解決したいとする問題点」 しかし光磁気メモリを用いたディスクメモリ装置はき
わめて高価かつ希少材料を用いており、将来の多量生産
に不安を残す。またカルコゲン系アモルファス半導体を
用いた方法は光の強度制御がきわめて微妙であり実用性
に問題がある。
従って、 ・本来多量生産し得る材料を用いること、 ・光のオン、オフをより容易に行い得ること、 ・不揮発性を有し、メモリをストア(保持)し続ける時
何等の外部エネルギを必要としないこと、 等の機能を有する手段が求められていた。
本発明は上記問題点を解決することのできる液晶装置
を得ることを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、 一対の基板間に液晶が充填された構成を有する液晶装
置であって、 前記一対の基板の内側にはそれぞれ電極が設けられ、 前記一対の電極上の一方または双方にはフローティン
グ電荷捕獲中心層が設けられ、 前記電極の一方は反射性を有し、 ていることを特徴とする液晶装置、 を要旨とする。
本発明は、液晶材料としてカイラル(キラルともい
う)スメクチックC相(SmC*)を呈する強誘電性液晶
(以下FLCという)を用い得る。また、同時にアゾ系、
アントラキノン系等FLCに溶解し得る染料を用いている
ことも有用である。
本発明は一対の電極を有する面を内側にして対向させ
て形成された液晶装置の電極間にフローティング電荷捕
獲中心層を介在せしめる。フローティング電荷捕獲中心
層は、電荷捕獲中心層を電気的にそれぞれの電極より分
離(フローティング)した構造に設けることによって構
成される。
具体的には、電荷捕獲中心層を一対の誘電体膜で挟ん
で構成することにより、フローティング電荷捕獲中心層
を構成することができる。
このフローティング電荷捕獲中心層は、通常の使用状
態(情報の読み出し状態)では不揮発性メモリ作用を有
する。
このフローティング電荷捕獲中心層に所定の電荷を注
入し捕獲させると、この捕獲させた電荷の種類に従っ
て、それと離間して設けられたFLCの向きが決められ、
結果として2つの光学的状態が決められる。
かくして例えばフローティング電荷捕獲中心層が1層
の場合(一方の光の入射光側の電極側のみに作られた場
合)、そのフローティング電荷捕獲中心層に正の電荷が
捕獲され保持し続けられるとすると、外部電界の印加を
中止した後であっても、このフローティング電荷捕獲中
心層に捕獲、保持され続けている正の電荷によりFLCの
負極性側がこのフローティング電荷捕獲中心層の方を向
き、結果として、系としては、例えばこのパネルに対し
光は「非透過」となる。
また逆に、このフローティング電荷捕獲中心層に負の
電荷が捕獲され保持し続けられると、フローティング電
荷捕獲中心層の負極性側が電界の印加を中止した後であ
っても反発することになり、逆に「透過」とすることが
できる。
この透過、非透過のそれぞれの状態はフローティング
電荷捕獲中心層に正または負の電荷が捕獲されている限
り不揮発性を有する。
また本発明においては、正または負の電荷を平等に捕
獲させ得るため、読み出し光に対してはその透光性を妨
げない半導体材料を主成分とするクラスタまたは薄膜状
の層により電荷捕獲中心層を構成させることが好まし
い。または電荷をトラップする半導体の不対結合手を有
する層であってもよい。これらの電荷捕獲中心層で構成
されるフローティング電荷捕獲中心層の存在により、こ
のフローティング電荷捕獲中心層をまったく有さない場
合に比べて700〜900nmの光が30%以上の減衰をしないこ
とが重要である。
そのため、この電荷捕獲中心層を構成するクラスタま
たは膜はその平均膜厚が2000Åまたはそれ以下を一般に
は用いる。
即ち記録情報の読み出しに用いられる光は670〜900nm
であり、一般には770〜820nmの波長が用いられる。この
ためこの読み出し用の半導体レーザ光を十分透過する光
学的Egをもつ材料でもって電荷捕獲中心層を構成させ
る。
また他方、メモリ書き込みは、500nm以下の波長例え
ば400〜500nmを用いるので、この書込みを行う光が十分
この電荷捕獲中心層に吸収され、捕獲されている電荷を
励起することが必要である。
これらのことより、電荷捕獲中心層に用いられる半導
体材料はその光学的エネルギバンド巾が1.5eV以上(760
nm以下の波長に対応)を有し、2.5eV以下(500nmの波長
に対応)を有する材料であることが求められる。さらに
光の吸収率の大きい材料であることも求められる。
以上のような条件を満たした電荷捕獲中心層として
は、SixC1-X(0<X<1),Si3N4-X(0<X<4),Si
O2-X(0<X<2),SixGe1-X(0<X<1)を用い得
る。
また誘電体膜としては窒化珪素、酸化タンタル、窒化
アルミニューム、窒化珪素、炭化珪素等電荷捕獲中心層
を構成する材料の電気抵抗に比べて十分大きい電気抵抗
を有する材料を用い得る。具体的には、SinH2n+2(n≧
2)とNH3との反応により形成される窒化珪素を挙げる
ことができる。
「作用」 この発明を利用した光ディスクメモリ装置のメモリ部
のみを拡大した縦断面図を第1図に示す。
第1図に基づき本発明の原理を略記する。図面におい
て透光性基板の(3)の内側に第1の透光性電極(4)
と有する。他方、反射性導電性基板(3′)よりなる第
2の電極(4′)を有する。
液晶材料としては電界の向きでスイッチングを行う液
晶のすべての種類を用いることができる。このためゲス
トホスト型の液晶を用い、同時にアゾ系、アントラキノ
ン系等のFLCに溶解させた液晶を用い得る。
さらに他方の光の入射光側の電極の一方(例えば
(4))上(図面では下向きであるが、形成してゆく順
序に従って以下上側と表記する)には第1の誘電体薄膜
(5-1)と電荷捕獲中心層(5-2)(ここではシリコン半
導体をクラスタ状に形成した場合を示す)と第2の誘電
体膜(5-3)とを有し、フローティング電荷捕獲中心
(5)を構成している。
さらに電気的な等価回路により本発明のCCFLC(Charg
e Controlled Ferroelectric Liquid Crystal)の原理
を示す。
電極(4),誘電体膜(5-1),電荷捕獲中心層(5-
2)は1つのキャパシタを等価的に構成している。
他方、この電荷捕獲中心層(5-2)と他の電極
(4′)との間には第2の誘電体膜(5-3),液晶
(6),配向処理層(7)とが設けられ、等価的に他の
キャパシタを構成している。
液晶の配向処理層(膜)(7)は、基板(3′)の液
晶(6)と接する側に設けられている。
この第1図に示されている縦断面の電気的等価回路を
第2図に示す。
第2図の誘電体膜(5-3),液晶(6),配向処理層
(7)とで構成される部分を電気的等価回路としてG
2(コンダクタンス),C2(キャパシタ)で示す。又誘電
体薄膜(5-1)を等価回路としてG1(コンダクタンス),
C1(キャパシタンス)で示す。
そして、C1とC2の境界には電荷捕獲中心層(5-2)が
設けられている構成となっている。
ここでt=0において、電極(4),(4′)間に電
圧V0を印加した状態を考える。
C1,G1に加わる電圧をV1、C1に蓄えられる電荷をQ1
し、C2,G2に加わる電圧をV2,C2に蓄えられる電荷をQ2
すると、 V0=V1+V2 Q =Q1=Q2 Q1=C1V1 Q2=C2V2 が、t=0において成立する。
また簡単な演算により、 が得られる。
そして時間の経過とともに電荷捕獲中心層(5-2)へ
は、上記の分圧に従ってコンダクタンス(G1),(G2
より電流が注入される。
この注入される電流は互いに逆向きになり、その差に
よりt秒後にQの電荷が電荷捕獲中心層(5-2)に蓄積
される。
その結果、電荷捕獲中心層(5-2)にt秒後において
蓄積される電荷Qは次式で与えられる。
または上式よりV2を求めると、 となる。
この式において、第1の誘電体膜(G1)は平均厚さが
20〜100Åを有し、第2の誘電体膜は300〜1000Åの厚さ
を有する。即ち、第2の誘電体膜、液晶、配向処理層の
直列した成分のコンダクタンスG2はG1に比べ十分小さい
コンダクタンスを有する。又C1はC2に比べて十分大き
い。即ちC1>>C2,G1>>G2が成立する。その結果上記V
2を示す式は、 と変形される。さらに、V1=V0−V2を用いてV1を求める
と、 が得られる。
ここで時間tが十分経過(t=∞)した状態を考える
と、V1=0となる。
即ちtが十分長い場合、V2は速やかに飽和し、 その値は V1=0 V2=V0 で与えられ、すべての電位が液晶即ちC2(第1図では第
2の誘電体膜(5-3),液晶(6),配向膜(7)のす
べてを意味する)の両端に印加されることになる。そし
て電荷捕獲中心層(5-2)に所定の種類および量の電荷
が蓄積されることになる。
この液晶に与えられる電位は電荷捕獲中心層(5-2)
に捕獲された電荷Qにより作られたものであるため、V0
の外部からの印加電圧を除去しても残存する。
そして、この残存した電荷量に従って液晶の状態は所
定の向きが保持され、液晶が透過または非透過の状態を
不揮発に保持し得る。
その結果、強誘電性液晶の如く、液晶それ自体に十分
なEc(しきい値)がなくても、電荷捕獲中心層(5-2)
に蓄積される電荷により実質的に決定されるEcを可変制
御することにより、この電荷Qに従って液晶が従属的に
従い、見掛け上液晶が明確なEcを有するようにさせるこ
とができる。
以上のように、本発明は液晶と直列にフローティング
電荷捕獲中心層を存在せしめ、このフローティング電荷
捕獲中心層に注入捕獲された電荷の種類に従って液晶の
反転、非反転を決定することをその思想としている。
本発明の発明思想は、従来より公知の2つの面により
安定化して配向せしめるSSFLC(Surface stabilized FL
C)の思想とはまったく異なる。即ちFLCの第1(例えば
透過)および第2(例えば非透過)の向きを決めるのは
このFLCに密接した一対の面ではなく、この面より離間
して設けられた電荷捕獲中心層に捕獲された正又は負の
電荷によって液晶の向きを定めることをその発明思想と
している。
以下に実施例に従って本発明を説明する。
「実施例1」 第3図は本発明を利用した反射式光ディスクメモリ装
置の概要である。
第1の系(100)は情報の「読み出し」用であり第2
の系(101)は情報の「書き込み」用である。また系(1
03)は情報の「書消し」用である。
光ディスクは(10)により示す。この光ディスク(1
0)は一対の基板(3),(3′)を有する。一方の基
板(3)は透光性である。さらにその一対の基板の内側
には一対の電極(4),(4′)を有する。そして入射
光側の電極(4)は透光性を有し、また電極(4′)は
反射性を有する。さらにその一対の電極の一方に配向処
理がなされている。さらにその電極間には染料が混入さ
れた液晶(6)が充填されている。
またフローティング電荷捕獲中心層(5)は電極
(4)上に設けられている。
この光ディスク(10)は周辺を液晶(6)が大気に触
れないように封止(30)されている。この光ディスク
(10)の内側には一対の電極(4)(4′)より延在し
た外部コンタクト用電極(32)(32′)を有する。
この外部コンタクト用電極(32)は一方の基板
(3′)が導体であるため、その任意の場所(例えば裏
面)と接触させることにより電気的に連結できる。他
方、他の外部コンタクト用電極(32′)は上側基板
(3′)より中心穴を少し小さく設けた下側基板(3)
の内側に電極(4)より同一平面上に延長させることに
より特に新たな工程を必要とすることなく設けることが
できる。この電極(32′)へのリード(13)によるコン
タクトは容易である。
これら外部コンタクト用電極(32),(32′)は、系
(103)による記憶の書消し、系(101)による記憶の書
き込みの際、その信号源(25)より導出した端子(3
1),(31′)と接続され「書消し」、「書き込み」を
行わせる。
以下に、情報の「書き込み」、「読み出し」、「書き
消し」の操作を略記する。
(書き消しについて) まずEcよりも十分大きい電圧を一対の電極(4),
(4′)間に印加し、所定の電荷を電荷捕獲中心層
(5)注入捕獲させる。そしてこの注入された電荷に従
って液晶(6)の全面を「0」の状態とする。
(書込みについて) 情報の「書き込み」操作は系(101)を用いて行う。
即ち、書き消しにより全面に一方向に配設した液晶に対
し、Ec以下の弱い書き消しとは逆向きの電圧をこの液晶
に加えつつ短波長の光ビーム(500nm以下の波長の可視
光または紫外光)を(23)よりハーフミラー(22)を
経、集光光学系、位置補正等の系(21)を経て所定の番
地に対し照射(25)し、フローティング電荷捕獲中心層
(5)に捕獲されている電荷とは逆向きの電荷を同じ番
地のフローティング電荷捕獲中心層(5)に注入捕獲せ
しめる。そしてこの電荷により所定の番地の液晶の向き
を変更することにより書き込みを行う。
さらにこの書込みのための光の不要反射光はハーフミ
ラー(22)を経てフォトセンサ(9)に至る。ここで情
報の書き込みが行われていることをモニタする。その
際、適量の光強度となるように(24)にて補正を行う。
(読み出しについて) 情報の「読み出し」に関しては系(100)を用いる。
読み出しに際しては、半導体レーザ(12)よりの光ビ
ームとして、光ディスク(10)に液晶及びフローティン
グ電荷捕獲中心層にとって十分透光性の光(16)を用い
る。
半導体レーザ(12)からの光ビームは、ハーフミラー
(2)をへて集光光学系、位置の補正(オートトラッキ
ング装置)(11)を経て、液晶及びフローティング電荷
捕獲中心層に入射する。さらにこの光ディスク(10)よ
り光が(16′)として反射し、ハーフミラー(2)によ
り光路を分離し偏光板(8)を経て受光センサ(9)に
至る。
書き消しは、全体をスレッシュホールド電圧より十分
大きな逆方向バイヤスを加えることによって行う。
書き消しに対しても、局部的に行う場合はレーザ光に
て行い、またこれを逆方向の基礎バイヤス電圧を加えれ
ば成就させ得る。
「実施例2」 第1図は本発明を利用した光メモリ装置のメモリ部の
縦断面図である。この第1図の構成を第3図の装置に配
設するには上下をさかさとし、光の入射光(16),(2
6)を透光性電極(3)側とすればよい。
図面において、反射型の導体基板(3′)および透光
性のプラスチック基板またはガラス基板(3)が示され
ている。
その一方の反射性の導体基板(3′)は凹凸を有す
る。例えばアルミニュームまたはその合金ような反射率
の大きい基板(3′)に選択的に記録用トラック(27)
の領域のみ残存させ、凹凸を有せしめるたものを基板
(3′)として用い得る。
本実施例においては、一方は凹部(案内用トラック)
(26)と凸部(27)(記録用トラック)とを有した基板
(3′)を用いた。
また、他方の基板(3)は平板とした。基板(3)上
には、透明導電膜よりなる電極(4-1)を例えば酸化イ
ンジューム・スズにより形成した。さらにブロッキング
層(4-2)を約100Åの厚さにシリコン半導体をシラン
(SinH2n+2 n≧2)を用いたプラズマCVD法により形成
し、電極(4)を構成した。
この一方の上面にフローティング電荷捕獲中心層
(5)が形成される。
まず、電極(4)の上面に第1の誘電体薄膜(5-1)
を例えば窒化珪素によって形成する。この誘電体薄膜と
しての窒化珪素は光CVD法により形成した。
具体的には、基板及び電極上を覆ってシラン(SinH2n
+2 n≧2)とアンモニア(NH3)とを、NH3/SiH4≧50の
混合比で混合し、10torrの反応圧力にした後、185nmの
波長の光を含む紫外光を照射し窒化珪素膜を形成する。
この第1の誘電体膜(5-1)を窒化珪素で構成する場
合、その厚さは10〜200Å例えば平均100Åとした。
さらにこの上面に非単結晶半導体、ここではシリコン
半導体よりなるクラスタ状(平均厚さ20〜200Å)また
は膜状(平均厚さ100〜2000Å)の電荷捕獲中心層(5-
2)を形成した。
形成にさいしては、第1の誘電体膜(5-1)である窒
化珪素膜を形成した後、この反応系を十分真空引きを
し、この後、ジシランのみを導入することによって行っ
た。
そして公知の光CVD法を用い、非単結晶珪素を平均的
な厚さで200Åに形成した。
さらにこの上に第2の誘電体膜を光CVD法またはプラ
ズマCVD法により形成した。
具体的には、窒化珪素膜を平均厚さ300〜2000Å例え
ば700Åの厚さに半導体よりなる電荷捕獲中心層(5-2)
を覆って形成した。
シリコン半導体よりなる電荷捕獲中心層(5-2)は光
学的バンド巾(Eg)として1.5(水素が添加されていな
い場合)〜1.7eV(水素が添加されている場合)を有
し、760nm以上の波長の光に対しては透光性である。
電荷捕獲中心層(5-2)の平均膜厚が20〜200Åにおい
ては、一般に薄膜構造を構成せず、島状塊即ちクラスタ
を構成する。また、この平均膜厚が100〜2000Åにおい
ては薄膜状に形成させることもできる。また反応容器の
圧力により平均厚さが100〜200Åではクラスタと薄膜と
が混合する状態もある。
このクラスタは平均直径が10Å〜1μ程度の島状を有
するものであり、1つのメモリビットと隣のメモリビッ
トとが電気的に第1の誘電体膜(5-1)の電気抵抗と同
程度またはそれ以上の抵抗性を有する限りにおいてクロ
ストークをしない。即ちこの限りにおいて薄膜を形成し
得る。
また、電荷捕獲中心層(5-2)は誘電体膜(5-1),
(5-3)によって、下側の電極(4)および液晶(6)
より電気的に完全に浮いた状態とさせた。
また、他方の電極(4′)上には窒化珪素膜(7-1)
を300Åの平均膜厚に同様の方法にて形成した。この窒
化珪素膜はガラス、アルミニューム合金等からのナトリ
ューム等の不純物の液晶内への混入を防ぐために有効で
ある。
さらにこの上面に有機物被膜(7-2)を形成し、これ
らにより配向処理層(7)を構成させた。例えば、本発
明においてはナイロン6をスピナで塗布し、120℃、30
分で乾燥して形成し、この上面に対してこのディスクを
回転させてラビング処理を施し、配向処理層(7)とし
た。
次にこの配向処理層が形成された一対の基板の周辺部
を互いに封止(図示せず)し、公知の方法にてFLCを充
填した。このFLCは、例えばエステル系とビフェニル系
との1:1のブレンド品を用いた。そしてここにアントラ
キノン系又はアゾ系の2色性色素を添加した。この液晶
はOMOOPPとMBRAとのブレンド品を用いてもよい。又、例
えば特開昭56-107216,特開昭59-98051,特開昭59-118744
に示される液晶を用いてもよい。
かかるセルの上下一対の電極間に±30Vの電圧を加え
た。するとこの電界が加わっても画素はシランカップリ
ング材のみを用いた従来の方法では見られないきわめて
きれいなEcを実質的に有せしめることが可能となった。
第4図(B)に、第4図(A)に示されたような電気
光学測定系で測定した結果を示す。第4図(A)におい
て、半導体レーザ(41)より出たレーザ光(42)をポー
ラライザ(43)を通した後、サンプル(10)に照射し、
その光をアナライザー(44)を通した後、フォトマル
(45)でその光の強さを電圧に変換し、オシロスコープ
(47)でモニターする構成が示されている。この場合、
サンプルに印加する電圧波形として±30Vの三角波(周
波数は1KHz)をファンクションジェネレータ(46)から
発信させた。
第4図(B)において、縦軸はフオトマルの感度を示
し、横軸は印加電圧を示している。第4図(B)より、
約+10V,−10Vに明確なEc+,EC−が存在することがフオ
トマルの感度より明らかである。この第4図(B)より
明らかな如く、室温で±30Vの電圧を印加すると、曲線
(48),(49)が得られる。そのため、VEの電圧を印加
して曲線(49)を得ることにより、光メモリ装置の書き
消し操作を実施することができる。
他方、このサンプル(10)に対し488nmのアルゴンレ
ーザ(41′)を照射し、同時にサンプル(10)に対し正
の電圧をVwまでの電圧(即ち室温におけるEc以下の電圧
であって強光が照射された時には十分反転し得る範囲の
電圧)を印加すると曲線(48′)が得られる。
即ち強光(41′)を照射した番地のみが選択的に透過
となり、ディスクの他の部分は非透過の初期の状態を保
持することが可能となる。かかる書き込み操作により曲
線(48′)が得られる。他方、書き消し操作により曲線
(49)が得られる。また、この操作は何回も繰り返し実
施することが可能である。
第5図は本発明を用いた光メモリ装置の波長に対する
光の透過率の特性である。液晶とフローティング電荷捕
獲中心層を用いないガラス板の透過率を曲線(50)に示
す。
他方、電荷捕獲中心層として水素が添加されたアモル
ファスシリコンを用いた場合には、曲線(51)が得られ
る。
またSixGe1-X(0<X<1)例えばx=0.8において
は曲線(52)が得られる。
以上のことより、読み出しには領域(54)の波長を用
いることにより十分透光性を有せしめ得、また書き込み
は、領域(53)の波長を用いることにより照射光を十分
フローティング電荷捕獲中心層に吸収させることができ
ることがわかる。
さらにこのフローティング電荷捕獲中心層を光照射面
側に配設することにより、この強光がフローティング電
荷捕獲中心層に吸収され液晶は残りの光しか吸収しない
ため液晶自体が劣化する可能正をも防ぐことができる。
(実施例3) この実施例は第3図の光メモリ装置のディスク部分の
構造に関する。
本実施例のメモリディスク(10)の一部の拡大図を第
6図(A)に示す。
第6図(A)において、プラスチック基板例えばアク
リル樹脂またはコーニング7059ガラス基板(3′)と、
この基板上に反射性電極としてアルミニュームを真空蒸
着法により設けた一方の電極(4′)とが示されてい
る。
また他方の電極として透光性導電膜(4)と、プラス
チック基板またはガラス基板(3)と、この一対の電極
(4),(4′)の内側に設けられたフローティング電
荷捕獲中心層(5)とFLC(6)とが示されている。
基板(3).(3′)は、スペーサ(図示せず)を介
在させることによって貼り合わせてあり、その間隙にFL
C(厚さ1.5μ)が挟まれている。
このFLCは例えばS8(オクチル・オキシ・ベンジリデ
ン・アミノ・メチル・ブチル・ベンゾエイト)を染料と
ともに充填したものを用いた。
またこれ以外でも複数のブレンドを施した液晶を充填
し得る。その一例としては、Ferroelectrics 1984 Vol.
59 pp126〜136 J.W.Goodbyらにより“Ferroelectrics S
witching in the Titled Smectic Phase of R-C-3-4-n-
Hexyloxydenzylidene 4′‐Am'no-(2-Chlo ropropyl)
(innamate(HOBACPC)に示されているものを用いても
よい。
得られた特性は実施例2と同様であった。
「実施例4」 この実施例、記録用トラックに関し第6図(B)の構
造を用いたものである。
図面において、一方の基板(3′)は反射性の導体基
板を電極(4′)を兼ねて用いた。他方の基板(3)は
例えばアクリル樹脂またはコーニング7059ガラス基板を
用いた。この基板上に電極として透光性導電膜(4)を
形成する。そしてこの一対の電極(4)および反射性導
体基板の電極(4′)の内側の光照射面側にフローティ
ング電荷捕獲中心層(5)を設ける。このフローティン
グ電荷捕獲中心層(5)は窒化珪素膜(5-1)(平均厚
さ20〜150Å),SixC1-X(0<X<1 例えばx=0.7〜
0.9)の薄膜状の膜(5-2)(平均厚さ30〜1000Å),窒
化珪素膜(300〜1000Å)(5-3)より構成されている。
この炭化珪素半導体膜(SixC1-X)はH2Si(CH3とSi
2H6とを混合させ、185nmの波長の紫外光を照射させる光
CVD法により形成した。この半導体は読み出し用のレー
ザ光(波長700〜900nm)に対し透光性を有し、かつ正ま
たは負の電荷捕獲中心として作用する。
このSixC1-Xはシリコンに比べて十分の抵抗性を有す
るため、たとえ膜としても3μm離れた隣のビットとは
108Ω以上の抵抗を有しており、クロストークの防止お
よび記録の3年以上の保持が期待できる。
さらに電極を兼ねた基板(3′)に対してはナイロン
薄膜を形成し、ラビング処理を行った。この後この間に
実施例1と同様の液晶を充填した。
「実施例5」 第6図(C)は第6図(A)と同様の一対の電極
(4),(4′)のそれぞれの上に2つのフローティン
グ電荷捕獲中心層を設けた例である。
即ち、第1のフローティング電荷捕獲中心層(5)を
窒化珪素(5-1),SixC1-X(0<X<1)(5-2),窒化
珪素(5-3)により設けている。
他方、他の電極(4′)にも第2のフローティング電
荷捕獲中心層が窒化珪素(5′‐1)、(5′‐3)と
半導体のクラスタ(5-′2)とにより構成されている。
またこの第2のフローティング電荷捕獲中心層
(5′)上に有機膜(7)を形成し、これにラビング処
理を施した。
その他は実施例2と同じである。
「実施例6」 この実施例は、第6図(D)にその縦断面図を示す。
一方の電極(4)を兼ねた導電性反射性基板(3)上に
は第1および第2の誘電体膜(5-1),(5-3)で挟まれ
たシリコンが過剰に添加された窒化珪素膜(5-2)を有
する。この窒化珪素膜(Si3N4-X 3.5<X<4)はシリ
コンの不対結合手を多量に有し、これを電荷捕獲中心層
として作用させることができる。また他方の電極
(4′)上にも同様にフローティング電荷捕獲中心層を
第1および第2の誘電体膜(5′‐1),(5′‐3)
と透光性の電荷捕獲中心層(5′‐2)でもって設けら
れており、一対の電極の双方上にフローティング電荷捕
獲中心層が設けられた構成となっている。その他は実施
例2と同様である。
以上の実施例において、フローティング電荷捕獲中心
層に選択的に逆極性の電荷を注入するためにはArレーザ
等の300〜500nmの短波長光のレーザ光が好ましい。する
と、この光エネルギにより実施例1〜6に示す電荷捕獲
中心層(5-2)に捕獲された電荷を誘電体膜(5-1)のバ
リアをこえて励起し放出させ、また逆極性の電荷を電極
より注入させることができる。
即ち、「書き込み」はスポット状のレーザ光の照射の
有無に加えて、基礎バイヤス電圧(臨界電圧より小さい
電圧)を印加する方法を採用し、書き消しは全体をスレ
ッシュホールド電圧より十分大きな逆方向バイヤスを加
えることによって行うことを特長とする。
しかし「書き消し」に対しても、局部的(選択的)に
行う場合はレーザ光にて行い、またこれを逆方向の基礎
バイヤス電圧を加えれば成就させ得る。
「効果」 以上の説明より明らかな如く、本発明の液晶装置は液
晶を用いるため書換回数が比較的多い場合に特に有効で
ある。
実施例のの光学系は「読み出し」と「書き込み」とで
異なる光学系を用いた。しかし、他の方式として、これ
らをハーフミラーを用い同じ光源とし得る。しかしこの
場合は「書き込み」と「読み出し」の光の強度が10倍以
上も異なるため、部品点数は少なくなるが光路設計が面
倒になる欠点を有する。
さらに本発明を一部修正した方式として偏光板を「書
き消し」または「書きこみ」において耐えることができ
るならばディスクの光照射面側に配設することは可能で
ある。しかしディスクメモリのすべてに2枚の偏光板を
設けるため製造コスト上昇に繋がる欠点を有する。
さらに本発明の実施例においては、光の読み出しは透
光する光の有無または大小を比較して識別する方式を主
として示した。しかし、光ディスクメモリ装置としては
反射光の大小を比較してその「0」,「1」を判別して
もよい。
かかる方式において、「書き込み」および「読み出
し」が光方式のため、メモリ容量がきわめて大きいとい
う特長を有する。
本発明の実質的応用は単に民生用のコンパクトディス
クメモリのみならず、大容量のファイルメモリに対して
も有効である。またディスクも円形状で回転方式を採用
するのではなく、ディスクを固定し、光路を移動させる
方式等の応用も可能である。
本発明は以上に示す如く、一方または双方の電極の内
側に第1および第2の誘電体薄膜を設け、該膜の間に該
膜より100倍以上の導電性を持つ電荷捕獲中心層を有す
るフローティング電荷捕獲中心層を設けることにより、
このフローティング電荷捕獲中心層に蓄積された電荷の
種類に従ってより一層正および負のEcの明確な液晶メモ
リ装置を得ることができた。
この液晶装置は単に光ディスクメモリのみならず、あ
らゆる光メモリ装置(読み出しを光で行うメモリ装置)
に対しても適用でき、スメクチック液晶の光学的異方性
の適用可能な製品に適用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の液晶装置の縦断面図である。 第2図は実施例の等価回路図を示す。 第3図は実施例の光ディスクメモリ装置の概要を示す。 第4図,第5図は実施例により得られる光メモリ装置の
特性の一例を示す。 第6図は本発明の他の実施例を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板間に液晶が充填された構成を有
    する液晶装置であって、 前記一対の基板の内側にはそれぞれ電極が設けられ、 前記一対の電極上の一方または双方にはフローティング
    電荷捕獲中心層が設けられ、 前記電極の一方は反射性を有し、 ていることを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、フローテ
    ィング電荷捕獲中心層は、 導電性または半導電性を有するクラスタ、 または、導電性または半導電性を有する薄膜状の層、 または不対結合手を有する層、 よりなることを特徴とする液晶装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、フローテ
    ィング電荷捕獲中心層は、第1の誘電体膜と、第2の誘
    電体膜とで挟まれて構成されていることを特徴とする液
    晶装置。
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