JP2610390B2 - 鳥類の幼胚用のモジュール注射装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、鳥類の幼胚用の注射に関し、特に、個々の
卵に浮遊している注射モジュールから注射する注射装置
及び関連する方法に関する。ここで、各モジュールは、
卵が異なる大きさであっても、また他のモジュールに対
してわずかに異なる方向に与えられていようとも、個々
の卵に対して水平方向及び垂直方向のいずれにも自己を
指向させることが可能である。本発明によって、水平方
向及び垂直方向のいずれにも所望の位置に出来る限り近
く、個々の卵に注射することができる。また、それぞれ
の卵の異なる大きさ及び異なる方向にもかかわらず、複
数の卵に同時に正確に且つ精密に注射することができ
る。

発明の背景 かなり長い間にわたって、卵への注射が望まれ続けて
いる。最初は、卵への注射の目的は、ワクチンの成長培
地として卵を用いる種々のワクチンを準備するためであ
った。次いでワクチンは所望により、卵から採収され使
用されていた。

最近では、生きている卵に注射することに主眼が向け
られており、その目的は、卵からふ化する鳥に、ある有
益な作用若しくは治療的な作用を施すことにある。生き
ている鳥よりも生きている卵に注射することの１つの主
要な利点は、根本的に注射の安易さに関するものであ
る。卵は、静止したまま維持することが可能で、且つ生
まれたばかりのひな鳥あるいは成鳥よりも効果的に取り
扱うことができる。さらに、卵に注射することの機構的
な安易さに加えて、生きている鳥よりも幼胚に接種する
かもしくは処置を施すかのいずれにせよ、ある治療学的
な利点を備える。これらの利点は、例え、チチン及びタ
ーキー等の食用飼鳥産業において特に重要になる。

上述の両目的ために、卵に注射するべく、いくつかの
根本的な技術が試みられている。これらは、一般に、あ
る種の加圧装置を用いて卵殻を貫通して流体を長し込む
か、若しくは卵殻に物理的に開口を形成して、次いで所
望の流体を添加するかのいずれかの方法を含む。あるタ
イプのニードル装置を用いる注射は、かような目的のた
めに、卵に物理的に開口を開けるための気本的な技術の
１つであった。

物理的に流体を注射する装置の１つの目的は、各卵に
一致した位置、すなわち垂直方向及び水平方向に一致し
た位置に流体を送り出すことにある。例えば、単に卵の
頂部に開口をあけ、羊膜上の気のう内に流体を送り出す
ことは、すべての物質を送り出すためには適当でない。
効果的に送り出すために、ある物質は、羊水に直接送り
出さなければならない。しかしながら、かように送り出
すことは、通常はニードルである注射装置が羊水に入る
際に、生きている幼胚を傷つけるかあるいは破壊すると
いう追加的なリスクを増加させることになる。

したがって、比較的迅速に動くベース上で多数の卵に
注射することを目的とし、且つ流体物質を各卵の同じ位
置に送り出しながら、特に羊水内に送り出すことが所望
される場合に、多数の卵に注射するように作動する装置
は、実体を取り扱わなければならず、すなわち、たとえ
同じタイプの鳥類から得られる卵であっても、ほとんど
同じ大きさではあるが同一の大きさでなない卵を取り扱
わなければならない。大きさの相違は、機械の物理的パ
ラメータにより種々の部品の動きがより正確に且つ精密
に制御されるような公知の構成を有する機械での通常の
操作に比較して特に強調される。

現在までのところ、個々の卵に正確に注射することが
でき、且つ複数の卵を正確に取り扱うことができるよう
に、卵及び注射装置を相互に指向させ合うべく、多くの
試みがなされている。

一例として、サンドヘッジ（Sandhedge）の米国特許
第3,377,989号明細書において、注射ニードルをクロス
バーにより定置に支持されている「卵寸法変化部材（eg
g size variation members）」内に設けることが示され
る。卵寸法変化部材が卵に当たるとき、該部材は垂直方
向の動程をわずかに変化させ、卵をわずかに異なる大き
さに適合させることができる。

他の方法は、本発明の譲受人に譲受された幾つかの特
許に記述されている。これらは、いずれもヘブランク
（Hebrank）の米国特許第4,681,063号明細書及び米国特
許第4,903,635号明細書、及びルイス（Lewis）の米国特
許第5,056,464号明細書（1990年１月18日出願第07/466,
878号）を含む。これら装置のそれぞれは、注射ニード
ルに対して卵を指向させるために、好ましくは吸引によ
り卵の頂部から卵を持ち上げるための新規な組み合わせ
を用いる。ヘブランク（Hebrank）の特許は、流体を一
般的な供給源から複数の注射ニードルに送り出す方法を
開示する。一方ルイス（Lewis）の特許は、複数の注射
ニードルにそれぞれ関連する複数のシリンジを用いるた
めの別の有益な装置を開示する。

しかしながら、ヘブランク（Hebrank）及びルイス（L
ewis）の装置から得られる成功にもかかわらず、特に、
多数の卵への注射のために卵を送り出す際に、注射され
る卵に追加的な問題を残したままである。この問題は、
典型的には卵トレーすなわち「フラット」に卵が送り出
される際、卵はまっすぐな垂直方向からわずかに外れた
位置にもあるかもしれない、すなわち傾斜しているかも
しれないということである。したがって、もし卵がわず
かに傾斜しているならば、卵の高さの相違を清算するた
めに卵とニードルとの間の垂直方向の相対的な動程が注
意深く制御されているとしても、ニードルの動程を正確
に且つ精密に制御する能力は、いくらか減少するであろ
う。換言すれば、現在までのところ、個々の卵が、まっ
すぐな垂直方向の整合からわずかに傾斜している場合
に、複数の注射ニードルを含む装置で卵に正確に且つ精
密に注射することは困難である。

発明の目的及び概要 したがって、本発明の目的は、適当な注射装置で複数
の卵に注射するための装置及び関連する方法を提供する
ことにある。ここで、該装置及び方法は、個々の卵の高
さに関するのみならず、垂直方向について不整合である
かもしれない卵であっても、夫々の注射ニードルは卵と
整合し、所望の流体を出来る限り正確に且つ精密に各卵
に送り出すことができるものである。

本発明は、一般に水平方向に指向されたツーリングプ
レート（位置決め板）であって、該プレートを貫通する
開口を有するツーリングプレートを備える装置により、
この目的を達成する。インジェクタは、インジェクタの
下方部分がツーリングプレートの下に下方向に垂れ下が
り、インジェクタの上部分がツーリングプレートの上に
静止している状態で、ツーリングプートの各開口に一般
に垂直方向に静止する。ツーリングプート及び該ツーリ
ングプレートに付随するインジェクタを上昇及び下降さ
せるための手段が含まれ、プレートが下降し、静止する
各インジェクタの下方部分が卵等の対象物に接触する際
に、静止しているインジェクタは停止して、ツーリング
プレートから離れるが、一方、ツーリングプレートは下
方向に進む。インジェクタがツーリングプレートから離
れる際に、インジェクタはツーリングプレートに依存せ
ずに並進方向に自由に移動し、したがって、垂直方向に
ついて部分的に不整合であるかもしれない卵の頂部は、
より正確に当接することになる。ツーリングプレートが
上昇する際に、ツーリングプレートはインジェクタに再
度係合して、インジェクタを上方向に且つ卵から離して
運搬する。

本発明の目的、利点及び特徴並びに本発明を実施する
態様での前述した目的、利点及び特徴、さらに他の目
的、利点及び特徴は、好ましい実施態様を示した添付図
面と共に以下の詳細な説明を参照することにより、より
安易に明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明 図１は、ツーリングプレート及びインジェクタを含む
装置全体の側面立面図である。

図２は、複数の卵と共に、ツーリングプレート及びイ
ンジェクタを示す斜視図である。

図３は、本発明のインジェクタの横断面図である。

図４は、図３の線４−４に沿って切り取った一部横断
面図である。

図５及び図６は、インジェクタ及びツーリングプレー
トが、卵の最頂部にできるだけ近接して垂直方向及び水
平方向にインジェクタを整合させるように操作可能であ
る態様を示す図である。

図７は、本発明のインジェクタのパンチ及びニードル
部分のさらに詳細な横断面図である。

図８は、図７の８−８に沿って切り取った横断面図で
ある。

図９及び図10は、卵に対して垂直方向及び水平方向に
自己を自由に整合できるインジェクタが、注射ストロー
ク間に卵を一時的に揺れ止めすることができる本発明の
特徴を示す図である。

詳細な説明 本発明は、図１及び図２に全体像が示されている。こ
れらは、本発明が、一般に水平方向に指向されたツーリ
ングプレート（位置決め板）を備えることを示してお
り、該ツーリングプレートには貫通する開口21が設けら
れている。図１及び図２は、ツーリングプレート20にお
ける複数のかような開口21を示す。

22で広範囲に指定されているインジェクタは、、ツー
リングプレート20の開口21に対して、一般に垂直方向に
静止している。図１及び図２は、複数のインジェクタ22
を示しており、１つのインジェクタ22はツーリングプレ
ート20の夫々の開口21に位置している。23にて広範囲に
指定されたインジェクタ22の下方部分は、ツーリングプ
レート20の下方向に垂れ下がっており、24にて広範囲に
指定された上方部分は、ツーリングプレート20の上ある
いは上方に静止している（図３）。

本発明は、シリンダ25、シリンダシャフト26、水平フ
レーム部材27及び直立シャフト28で示される手段であっ
て、ツーリングプレート20及び該プレートに付随してイ
ンジェクタ22を上昇させたり下降させたりする上昇・下
降手段を含む。ツーリングプレート20が下降し、静止し
ているインジェクタ22の下方部分23が注射されるべき卵
等の対象物に当たるとき、インジェクタ22は停止する
が、一方ツーリングプレート20は、インジェクタ22がツ
ーリングプレート20から離れるまで下降し続ける。この
時点で、インジェクタ22は、ツーリングプレート20から
独立して水平方向に自由に揺動することができ、卵がわ
ずかに傾斜していようとも卵の最頂部を捜し求めて、卵
の最頂部に静止しようとする。ツーリングプレート20が
上昇する際には、ツーリングプレート20がインジェクタ
22と再度係合し、インジェクタ22を垂直方向に真っすぐ
に立てて上方向に運搬し、注射されている対象物から引
き離す。この一連の操作は、図３、図５及び図６を組み
合わせることにより、最もよく示されるであろう。

図３、図５、図６及び図７に示されるように、インジ
ェクタ22の下方部分23は、さらにパンチ31及びニードル
32を備える。該パンチ31は、ニードル32を同軸関係に取
り囲む。図７に最もよく示されるように、パンチ31及び
ニードル32の両者は、好ましくは斜角を付されたチップ
を有しており、このチップにより卵に対してより効果的
に入ることができる。

インジェクタ22の上部分24は、さらに流体駆動シリン
ダ33を備える。該シリンダは、好ましい実施態様におい
てダブルシャフト・複動式空気駆動シリンダであり、パ
ンチ及びニードルをそれぞれ収縮位置（図５）及び注射
位置（図６）の間で相互に対向する方向に駆動させる。
図３、図５及び図６は、好ましいシリンダの特徴を示し
ている。該シリンダは、夫々の一対の空気流入継手34及
び35を備え、該継手はそれぞれの空気供給管すなわちホ
ース36、37に夫々連結する。図３に示されるように、パ
ンチ及びニードルを下方に駆動するために、空気が空気
ホース36に向けられ、シリンダ33の開口40を貫通する空
気流入継手34を通る。流入する空気は、ピストン41を駆
動させる。該ピストン41は、シリンダ33の内径を圧迫す
る環状シール42を伴って示されている。ピストンストロ
ークの底部にて、パンチ及びニードルを収縮位置に望ま
しく戻すために、空気が空気ホース37及び空気流入継手
35を貫通して向けられ、シリンダ33のハウジングを通っ
て、シリンダの下方部分まで運搬され、ピストン41を上
方向に戻すべく駆動させる。ホース37及び継手35を通し
て空気を入流させるシリンダを通る全動程は十分に示さ
れていないけれども、該経路が開口40に類似する開口
と、シリンダ33の下方部分に連結する経路とを備えるこ
とが理解されるであろう。

スプリング若しくは他の種類の偏倚戻しを備えるシリ
ンダよりも、むしろ複動式シリンダを用いることによ
り、よりコンパクトな装置を製作し、より制御された状
態にて駆動させることができる。しかしながら、機械的
に偏倚された戻しを備える単一ストロークシリンダ、ソ
レノイド装置若しくは水力装置等の他の装置を本発明に
用いることもできるが、複動式シリンダが実際的には好
ましいことが理解されるであろう。

図３、図５及び図６は、さらにインジェクタ22の下方
部分23が、円筒状パンチガイド43を備え、該パンチガイ
ド43がパンチ31及びニードル32を取り囲むことを示して
いる。わずかに大きな直径部分44として示されるパンチ
ガイドの底部分は、ニードル及びパンチ収縮位置（図３
及び図５）にあるとき、ニードル32及びパンチ31の下方
に伸びる。ニードル及びパンチが注射位置（図６）にあ
るとき、ニードル32はパンチガイド43の底部分44の下方
に伸び、一方パンチ31はパンチガイド43内で、低い位置
まで伸びる。好ましい実施態様において、パンチガイド
43の最下部44は卵を受け入れるカップを形成する。

前述したように、本発明の目的の一つは、卵と接する
インジェクタの部分を水平方向に揺動させ並びに垂直方
向に移動させることができる手段を提供することにあ
る。この目的を達成するための手段は、インジェクタ22
の下方部分23と、ツーリングプレート20の開口21と、の
間の関係を含む。図３に示すように、インジェクタ22の
下方部分23、特にパンチガイド43は、円形横断面を有す
る。ツーリングプレート20の開口21もまた円形であり、
下方部分23の円形横断面の直径よりもいくらか大きい直
径を有する。開口21とインジェクタ22との大きさの相対
的な相違により、インジェクタ22の下方部分23は、ツー
リングプレート20の開口21内で水平方向に揺動すること
ができる（図５）。

図３は、さらに本発明の好ましい実施態様のある付加
的な詳細を示す。これらは、可撓性スペーサとして作用
する偏倚スプリング45を含み、該スペーサにより、ニー
ドル32が卵に突入する前に、パンチ31を卵に確実に突入
させることができる。該スプリングは好ましくは、パン
チ31が卵を刺し通すことができるほど十分に強いがエア
シリンダにより駆動されるほど十分に可撓性である。ス
プリング45は、ヘッド部分46及びパンチ止めリング47に
より補足される。スプリング45は、上部分にスプリング
止め50を備え、該スプリング止めは図５及び図６に最も
明確に示されている。スプリング止め50は、いくらかの
追加的な大きさを与えることに加えて、スプリング45の
上方ヘッド部分として作用し、またスプリング45の巻を
部分的に支持する作用もする。

図３、図５及び図６は、パンチガイド43を示す。該パ
ンチガイド43は、好ましくは高分子材料から形成されて
おり、小さな直径の主要部分と、大きな直径の下部分44
と、大きな直径の上部分51と、を含む。該上部分51は、
ツーリングプレート20の開口21に静止する。特に示され
た実施態様においては、パンチガイドの円筒状頂部52
が、インジェクタ22の上方部分24内に上方向に伸張し、
１以上のセットスクリュー53又は他の慣用手段により定
置に固定されている。

さらに図１及び図２に示されるように、好ましい実施
態様において、本発明はさらにツーリングプレート20に
静止しているインジェクタ22の真下に注射されるべき対
象物を整合させる手段を備える。好ましい実施態様にお
いて、対象物整合手段は、ツーリングプレート20に静止
しているインジェクタ22の真下に卵を整合させる手段を
備え、該手段は図１及び図２において適当なコンベヤ55
により運搬される卵トレーすなわちフラット54として示
される。卵フラット及びコンベヤの構造及び機能は、当
業者には公知のものであり、且つ本発明に特に適するよ
うに選択することができるので、夫々の操作及び構造に
ついてこれ以上言及することは避ける。

図面の主要部に示されているように、本発明はさらに
揺れ止め板56を備える。該板56はツーリングプレート20
の上に位置しており、該板を貫通する１以上の開口57を
有する。インジェクタ22の上方部分24は、これらの開口
57を通して伸長するが、インジェクタ22は揺れ止め板56
には当接しない。結果として、インジェクタ22が、ツー
リングプレート20から離れるときには、上方部分24は、
揺れ止め板56により指向されたままであるが、それでも
水平方向に揺動することは可能である。好ましい実施態
様において、ツーリングプレート20及び揺れ止め板56は
互いに固着関係にあり、上昇・下降手段が揺れ止め板56
をツーリングプレート20と共に上昇及び下降させる。示
されているように且つ好ましくは、開口57及び揺れ止め
板56は、ツーリングプレート20の開口21と実質的に一致
する。好ましい実施態様では、２つの分離した板20及び
56が共働しているが、適当な大きさの単一の板またはブ
ロックにより、同等の機能を果たすようにされてもよい
ことが理解されるであろう。

好ましい実施態様において、揺れ止め板56の開口57
は、開口57を貫通して伸長するインジェクタの上方部分
24よりも大きい。この実施態様において、揺れ止め板56
はさらに開放可能な固定手段を備え、該解放可能な固定
手段はインジェクタが卵に注射するときには、各インジ
ェクタ22の上方部分を揺れ止め板に固定し、次いでイン
ジェクタを解放して、インジェクタの垂直方向への移動
及び水平方向への揺動を揺れ止め板からさらに独立させ
る。図面においては、解放可能な固定手段が、膨張可能
な流体ブラダー（袋）部分60として示されており、該部
分は揺れ止め板56の各開口57の周辺に近接している。ブ
ラダー60は、インジェクタ22の上方部分24に接触し、且
つ固定するに十分な大きさまで膨張可能である。該ブラ
ダーが収縮するとき、インジェクタはブラダー60に影響
されずに自由に移動可能である。示されているように、
ブラダー60は、適当な拡張可能な管で形成されてもよ
い。

固定手段は、パンチング（跳ね返り及び振動含む）の
間、インジェクタ22の動きを最小化し、したがって、よ
り正確なパンチング及び注射ストロークを保障する。ま
た解放可能な固定手段は、ブラダー60として示されてい
るが、他の機械的な装置、電気機械的な装置、水力的な
装置等の他の装置で代替されてもよいことが理解される
であろう。

図３、図５及び図９をさらに参照することにより、収
縮状態に向かうブラダーが示される。一方、図６及び図
10には、膨張したブラダーがインジェクタ22の上方部分
24を揺れ止めする状態が示される。図９及び図10に示さ
れるように、ブラダーを操作するための好ましい流体は
空気であり、該空気は所望のすなわち慣用の空圧源61に
より与えられる。図面に示されているように、ブラダー
60は、一般に、小さい周辺開口62に定置されている。該
開口62は、揺れ止め板56の開口57の一部であるか、又は
開口57に近接している。示されている実施態様におい
て、ブラダー60は、頂部プレート63により定位置に支持
されている。もちろん、開口57に関してブラダー60を定
置するために、示されているものと同等の多くの方法が
あることも理解されるであろう。したがって、流体駆動
シリンダ33並びにブラダー60を駆動するために適当な制
御装置を備える単一の空圧源を用いることもできる。

図４は、好ましい実施態様にて、流体駆動シリダン33
が四角形断面を有することを示す。該四角形断面は、ツ
ーリングプレート20の開口21よりもいくらか大きい。ゆ
えにいくらか大きいシリンダ部分33は、ツーリングプレ
ート20の上に静止し、本発明のインジェクタ22及びプレ
ート20の間の静止関係を与えるであろう。

図５及び図６は、本発明の特別な利点を示す。背景と
して、図３は、ツーリングプレート20及びインジェクタ
22が卵64に向かって下降する前のツーリングプレート20
及びインジェクタ22の関係を示す。図３の配置にて、イ
ンジェクタ22は、プレート20の開口21に静止している
が、留められてはいない。同様に、インジェクタ22の上
方部分24は、揺れ止め板56の開口57を通して伸長する
が、留められてはいない。

この関係にあるとき、図５は前述した態様にしたがっ
て、揺れ止め板56を伴ってツーリングプレート20が下降
するとき、パンチガイド43の最下部分44が卵64に当たる
であろうことを示す。この時点にて、既に静止している
インジェクタ22は自由に停止することができるが、一
方、ツーリングプレート20はインジェクタ22がツーリン
グプレート20から離れるまでさらに下降し続ける。さら
にこの時点にて、インジェクタ22はツーリングプレート
20に依存せずに、図５にて二点鎖線で示される水平方向
に自由に揺動することができるので、卵64が誤った方向
に向けられていても、卵64を正確に指向させることがで
きる。この時点にて、ブラダー60が膨張し、インジェク
タ22を支持し、注射ストロークを進めることができる。
部分的に進められたストロークが図５に示されている。
ブラダー60が解放されて次いでツーリングプレート20が
上昇するとき、ツーリングプレート20はインジェクタ22
に再度係合し（図３）、インジェクタ22を注射されてい
る卵64から離して上方向に運搬する。ゆえに図３は、ツ
ーリングプレート20が下方向に動いているがインジェク
タ22はまだ卵に当たっていない時の関係、並びに卵に注
射した後ツーリングプレート20がインジェクタ22に再度
係合するに十分なほど持ち上げられている関係を示す。

一連の過程のうち、わずかに前の時点に戻れば、図５
は、パンチガイド43が卵に接触した直後で、ツーリング
プレート20からインジェクタ22が離れることによって、
卵の高さ及び傾きに対して垂直方向にパンチガイドを自
由に調整した直後の関係を示す。さらに必要に応じて、
開口21とパンチガイド43との大きさの相違ゆえに、ツー
リングプレート20からインジェクタ22の非係合と組み合
わされた並進方向の動きで置換されてもよい。

インジェクタ22の水平方向への揺動は、開口21及び51
の大きさにより、ある程度は制限されるけれども、可能
な水平方向への揺動は、典型的なトレーすなわちフラッ
トに卵を一般的に垂直に（時にはわずかに傾いているか
もしれない）与えるためには十分である。実際に、ある
程度の移動幅の制限は、装置の全操作を正確に且つ精密
に維持するために有効である。

図６及び図10は、パンチガイド43が正確な位置に到達
した時、ブラダー60が一時的にインジェクタ22の上方部
分24に固定され、その後、注射ストロークが進むことを
示す。換言すれば、ブラダー60は、注射ストロークがス
タートする前に膨張する。注射ストロークの後、整合は
もはや重要ではなく、ツーリングプレート20を上昇させ
ることで、インジェクタ22を再度、取り上げ、卵64から
離して運搬する。

図５及び図６は、好ましい実施態様にて、ツーリング
プレート20の開口21が、少なくとも部分的に円すい形で
あり、且つ円筒状パンチガイドの直径よりもいくらか大
きい直径を有することを補助的に示す。ここでパンチガ
イドもまた、円すい形開口21に静止するための円すい形
上方部分51を有する。

図７及び図８は、本発明の別の特徴を補助的に示す。
初めに、図７は、インジェクタ22が流体を送り出すため
に適した手段を含むことを示しており、該流体はインジ
ェクタ22に供給源から注入されるべきものである。該手
段は、ニードル32の上方部分を取り囲むホース継手65と
して示される。適当な流体ホースがこの継手に連結する
とき（図１、図２及び図３に示される）、流体はニード
ル32の内部に送り出され、ゆえに、ニードルにより注射
されるいかなる対象物にも流体が送り出される。

図７及び図８は、さらに装置の操作中に、ニードル及
びパンチを衛生的にするための手段を示す。ここに示さ
れるように、滅菌流体通路66が、円筒状注射ニードル32
及び該ニードルを取り囲む円筒状パンチ31の間の環状ス
ペースにより規定される。滅菌流体流入継手67により、
滅菌流体を通路66に加えることができる。この態様に
て、滅菌流体流入継手67が通路66を通過して、パンチ31
の内部及びニードル32の外部を清浄することが理解され
るであろう。しかしながら、追加の特徴として、本発明
はさらに、流体出口開口70を備え、該開口70はパンチ31
の最下部分、つまり、注射の間、卵に入るための最も好
ましい部分に隣接し、且つ部分的に直上にある。開口70
は、滅菌流体を流入継手67から通路66を通して移動さ
せ、次いで、パンチ31の外部表面まで移し、滅菌流体が
通路66、ニードル32及び注射の間に卵に入るために最も
好ましいパンチ31の内部及び外部の両者を滅菌する。

構造的な特徴を加え、別の特徴において本発明は、異
なる大きさの複数の卵であって、少なくとも部分的に垂
直方向に誤って指向されるかもしれない複数の卵に、正
確に且つ精密に注射する方法を提供することが理解され
るであろう。該方法は、インジェクタをツーリングプレ
ートに固定せずに、ツーリングプレートの複数の開口に
対応して、複数の卵インジェクタを定置させる工程を備
える。インジェクタの部分は、ツーリングプレートの開
口よりも小さい。複数の卵がインジェクタの真下に実質
的に整合されて定置される。次いで、ツーリングプレー
トは、インジェクタが卵に接触して停止するまでインジ
ェクタに沿って下降するが、一方、ツーリングプレート
は、さらにインジェクタがツーリングプレートにもはや
静止しなくなるまで下降し続ける。この時点にて、各イ
ンジェクタは、個々の卵の頂部により規定される位置に
て自由に停止し、各インジェクタは、さらに、ツーリン
グプレートの開口の寸法とインジェクタのより小さな寸
法との間の相違により可能とされる範囲で水平方向に自
由に揺動する。結果として、インジェクタは、他の卵又
はインジェクタの位置若しくは方向にかかわらず、卵の
頂部に最も正確に自己を指向させるべく、水平方向に揺
動することができる。各卵の方向づけは、必ずしも完全
であるわけではないが、従来の装置に対する顕著な改良
点であることが理解されるであろう。

図面及び詳細な説明にて本発明の典型的な好ましい実
施態様を開示しており、特別な語いが用いられている
が、本発明は、これらに限定されるものではなく、添付
の請求の範囲にのみ限定されるものである。

Claims (22)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】卵が種々の大きさであり、いくらか異なる
   方向で与えられている際に、各卵に同じ深度及び同じ位
   置にて正確に且つ精密に注射するために、特に適する注
   射装置であって、該注射装置が、 一般に水平方向に指向されているツーリングプレートで
   あって、該プレートを貫通する開口を備えるツーリング
   プレートと、 該ツーリングプレートの開口に、一般に垂直方向に静止
   しているインジェクタであって、該インジェクタの下方
   部分が該ツーリングプレートの下に下方向に垂れ下がっ
   ており、該インジェクタの上方部分が該ツーリングプレ
   ートの上に静止しているインジェクタと、 静止しているインジェクタの下方部分が注射されるべき
   卵等の対象物に接触する位置を越えて、該ツーリングプ
   レートを下降させるための下降手段であって、該静止し
   ているインジェクタは停止するが、一方、ツーリングプ
   レートは、該インジェクタがツーリングプレートから離
   れてツーリングプレートから独立して水平方向に自由に
   揺動できるまで下降し続けるようにする下降手段と、 該ツーリングプレートを上昇する手段であって、該プレ
   ートがインジェクタに再度係合し、インジェクタを上方
   向に運搬し、注射されている対象物から離すようにする
   上昇手段と、 を備えることを特徴とする前記注射装置。
2. 【請求項２】さらに、前記ツーリングプレートに静止し
   ているインジェクタの真下に注射されるべき対象物を整
   合させる手段を備えることを特徴とする請求項１の注射
   装置。
3. 【請求項３】前記対象物を整合させる手段が、ツーリン
   グプレートに静止しているインジェクタの真下に卵を整
   合させる手段を備えることを特徴とする請求項１の注射
   装置。
4. 【請求項４】前記下方部分が、さらにニードル及び該ニ
   ードルと同軸関係にてニードルを取り囲むパンチを備
   え、前記上方部分が、さらに該パンチ及びニードルをそ
   れぞれ収縮位置と注射位置との間を対向方向に往復させ
   るように駆動する流体駆動シリンダを備えることを特徴
   とする請求項１の注射装置。
5. 【請求項５】前記流体駆動シリンダが、二重シフト複動
   式空気駆動シリンダを備えることを特徴とする請求項４
   の注射装置。
6. 【請求項６】前記下方部分が、さらに前記ニードルとパ
   ンチとを取り囲む円筒状パンチガイドを備え、前記ニー
   ドル及びパンチが収縮位置にあるとき、前記パンチガイ
   ドノ底部分が該ニードル及びパンチの下に伸びており、
   一方、ニードル及びパンチが注射位置にあるとき、パン
   チガイドの底部分の下にパンチ及びニードルが伸びるこ
   とを特徴とする請求項４の注射装置。
7. 【請求項７】前記ニードル及びパンチを衛生的にする手
   段をさらに備えることを特徴とする請求項４の注射装
   置。
8. 【請求項８】前記ツーリングプレート上に位置された揺
   れ止め板であって、該板を貫通する開口を備え、該開口
   を通してインジェクタの上方部分が伸長するが、インジ
   ェクタは該開口に当接しておらず、インジェクタがツー
   リングプレートから離れる際には、上方部分が揺れ止め
   板により揺れ止めされたままであることを特徴とする請
   求項１の注射装置。
9. 【請求項９】前記ツーリングプレート及び揺れ止め板が
   互いに固着された関係にあり、前記上昇・下降手段が揺
   れ止め板をツーリングプレートに沿って上昇又は下降さ
   せることを特徴とする請求項８の注射装置。
10. 【請求項１０】前記インジジェクタの下方部分が円形断
    面を有し、前記ツーリングプレートの開口が円形であ
    り、且つ下方部分の円形断面の直径よりもいくらか大き
    い直径を有し、前記インジェクタの下方部分をツーリン
    グプレートの開口内で水平方向に揺動可能とし、こうし
    てその真下の卵に関して水平方向に揺動可能とすること
    を特徴とする請求項１の注射装置。
11. 【請求項１１】前記ツーリングプレートの複数の開口
    と、前記ツーリングプレートの開口と整合された前記揺
    れ止め板の複数の開口と、複数のインジェクタと、を備
    え、該インジェクタの１つが、前記ツーリングプレート
    のそれぞれの開口に静止しており、且つ前記揺れ止め板
    の夫々の整合された開口を通して伸長していることを特
    徴とする請求項８の注射装置。
12. 【請求項１２】さらに、前記インジェクタに供給源から
    注射されるべき流体を送り出す手段を備えることを特徴
    とする請求項１の注射装置。
13. 【請求項１３】さらに、各卵が前記インジェクタの真下
    になるように、複数の卵を前記ツーリングプレートの真
    下に整合させるための手段を備えることを特徴とする請
    求項11の卵注射装置。
14. 【請求項１４】前記揺れ止め板の開口が、該開口を貫通
    して伸びる前記インジェクタの上方部分よりも大きく、
    また前記揺れ止め板が、さらにインジェクタが卵に注射
    しながら各インジェクタの上方部分を揺れ止め板に固定
    させ、次いで、インジェクタの垂直方向への移動及び水
    平方向への揺動が揺れ止め板から独立するようにインジ
    ェクタを解放するための解放可能な固定手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項13の卵注射装置。
15. 【請求項１５】前記解放可能な固定種が、前記揺れ止め
    板の開口のそれぞれの周辺に隣接する膨張可能な流体ブ
    ラダーを備え、該ブラダーがインジェクタの上方部分に
    接触し固定するために十分な大きさまで膨張可能であ
    り、該ブラダーが膨張したときにインジェクタを固定
    し、該ブラダーが収縮したときには、インジェクタがブ
    ラダーに影響されずに自由に移動できることを特徴とる
    請求項14の卵注射装置。
16. 【請求項１６】前記パンチガイドが、 一般に円筒状のハウジングであって、高分子材料から形
    成されており、ハウジングの最下部が卵受け入れカップ
    を形成するハウジングと、 該パンチの垂直方向の動程範囲を制限するパンチ止め
    と、 ニードル及びパンチの下方向の動程に対して偏倚された
    スプリングであって、卵に注射する間に、ニードル及び
    パンチの夫々の動程を離隔するスプリングと、を備える
    ことを特徴とする請求項13の卵注射装置。
17. 【請求項１７】前記ツーリングプレートの開口が円すい
    形であり、前記円筒状のパンチガイドの直径よりもいく
    らか大きい直径を有しており、ツーリングプレートの開
    口内で並進方向にパンチガイドを移動させることがで
    き、 前記パンチガイドが、前記円すい形開口に静止するため
    の円すい形上方部分を有することを特徴とする請求項16
    の卵注射装置。
18. 【請求項１８】前記インジェクタの上方部分がツーリン
    グプレートの円すい形開口よりも大きく、該インジェク
    タがツーリングプレートに静止する際に、上方部分が該
    開口を通過せず、インジェクタがツーリングプレートを
    通して全体的には移動しないことを特徴とする請求項17
    の卵注射装置。
19. 【請求項１９】さらに、前記各エアシリンダに供給空気
    を送り出し、各エアシリンダの注入回路及びターン回路
    を駆動するための手段を備えることを特徴とする請求項
    13の卵注射装置。
20. 【請求項２０】一般に円筒状の注射ニードルと、 該ニードルを取り囲む一般に円筒状のパンチと、 該円筒状の注射ニードルと該取り囲んでいる円筒状のパ
    ンチとの間の環状スペースにより規定される滅菌流体通
    路と、 該通路に滅菌流体を加えるための滅菌流体流入継手と、 注射する間、卵に入るために最も適する前記パンチの最
    下部に隣接して且つ該最下部の部分的に真上にある流体
    出口開口であって、該開口により滅菌流体を前記流入継
    手から、通路を通して、前記パンチの外部表面まで移動
    可能とし、滅菌流体が前記通路、前記ニードル、及び注
    射する間に卵に入るために最も適するパンチの部分を滅
    菌することができるようにすることを特徴とする卵注射
    装置。
21. 【請求項２１】種々の大きさであり、少なくとも部分的
    に誤った方向を向いているかもしれない複数の卵に、正
    確に且つ精密に注射するための方法であって、該方法
    が、 インジェクタの部分がツーリングプレートの開口よりも
    小さく、インジェクタをツーリングプレートに固着する
    ことなしに、ツーリングプレートの対応する複数の開口
    に複数の卵インジェクタを定置させる工程と、 該インジェクタの真下に、且つ該インジェクタに実質的
    に整合させて、複数の卵を定置させる工程と、 インジェクタが卵に接触し停止するまでツーリングプレ
    ート及びインジェクタを下降させる工程と、 さらに、インジェクタが停止した後、インジェクタがツ
    ーリングプレートに垂直方向にもはや静止しなくなるま
    でツーリングプレートを下降させ続け、各インジェクタ
    が各個々の卵の頂部により規定される位置にて自由に停
    止し、さらにツーリングプレートの開口の寸法とインジ
    ェクタのより小さい寸法との間の相違により可能とされ
    る範囲で、各インジェクタは水平方向に自由に揺動する
    ことができ、よって他の卵若しくはインジェクタの位置
    又は方向にかかわらず、インジェクタは卵の頂部に最も
    正確に自己を方向づけることができるように水平方向に
    揺動可能とする工程と、 を備えることを特徴とする卵の注射方法。
22. 【請求項２２】さらに、 前記インジェクタが方向づけられた後、卵に注射し、そ
    の後、 前記ツーリングプレートが前記インジェクタに再度係合
    し、インジェクタを上方に運搬し、注射された卵から離
    すように、前記ツーリングプレートを上昇させる工程を
    備えることを特徴とする請求項21の注射方法。