JP2608775B2 - 歯用フロス - Google Patents

歯用フロス

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、合成樹脂により形成される細デニールフィ
ラメントを多数本撚り合わせることにより構成される歯
用フロスに、特定のアクリル系コポリマー及びこれを主
体とするコーティング剤を適用することにより、従来ま
での樹脂コーティング剤に比較して生産性及び品質に優
れるとともに、予防歯科学的にも有効性の高い歯用フロ
スに関する。
(従来技術の問題点) 近年口腔衛生思想及び知識の向上により、歯ブラシを
用いたブラッシングでは除ききれない隣接面の歯垢を除
去するため、歯用フロスが多用されるようになってきて
いる。
この歯用フロスは隣接面に適用するため、その挿入性
を考慮して一般的に細デニールのフィラメントを多数本
撚り合わせたものが用いられている。
また多くの歯用フロスは隣接面への挿入性及びハンド
リング性を高めるため、ミツロウ及びパラフィン等のワ
ックスコーティング,あるいはポリアミド樹脂に代表さ
れる非ワックスの樹脂コーティングがなされている。
しかしワックスコーティングの場合、ワックスのフィ
ラメント素材への融着性の弱さから、歯用フロスを手で
扱う時にワックスが容易にはがれ手に付着するため、ハ
ンドリング性が悪くなる場合が非常に多い。
また非ワックスの樹脂コーティングの場合,例えば一
般的によく用いられているポリアミド樹脂コーティング
の場合、ワックスコーティングに比較してフィラメント
素材への融着性は優れるためハンドリング性は優れるも
のの溶媒溶解性に劣るため、コーテイング剤を塗布する
ためのエタノール及びその他の溶媒溶液調製,またその
均一塗布には高度な生産技術が必要であるゆえに、生産
性が大変悪いという問題があった。
さらに他の樹脂コーティング剤を用いるような場合、
フィラメント素材との組合せにより例えば全くコーティ
ング性能を発揮しないものや、変色し実用には耐えられ
ないレベルのものしか作成できない場合が多く、コーテ
ィング剤の選択は大きな問題であった。
またさらにこれらワックス及び非ワックスのコーティ
ング剤が隣接面及び歯面に残留した場合、これらがその
部位でどのような作用をもたらすものか不明な部分が多
く、例えばコーティング剤が隣接面に残留することによ
り歯牙及び歯肉に悪影響を及ぼすのではないかと疑う使
用者がいることを考慮すると、その作用,例えば予防歯
科学的な有効性が定かでないことは大きな問題であっ
た。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は上記の問題点を鋭意検討した。その結果、
コーティング剤として溶媒溶解性,とくに安全性の観点
からエタノール溶解性に優れるアクリル系コポリマーを
用いた場合、そのエタノール溶解性の高さから、溶解度
及びフロスへの融着性を高めるために液温を上げなくと
も容易に均一塗布できるため、生産性に優れるとともに
品質の安定した歯用フロスが得られることを見出した。
さらに該アクリル系コポリマーに可塑剤を含有させる
ことにより均一塗布性がさらに向上し、生産性も同時に
向上することを見出した。
またさらに隣接面のモデルを作成し、このモデル上に
該アクリル系コポリマーをコーティングした歯用フロス
を適用しコーティング剤をモデル上に残留させ、そして
このモデルを用いて歯垢及び虫歯発生の原因菌と考えら
れているストレプトコッカス・ミュータンス菌付着試験
を行なったところ、何の作用も加えていないコントロー
ル群のモデルに比較してこれらの付着量が格段に少ない
ことを見出した。これは該アクリル系コポリマーをコー
ティングした歯用フロスを隣接面に適用した際、この部
位にアクリル系コポリマーが残留することが想定され、
そのために歯垢及びストレプトコッカス・ミュータンス
菌が付着しにくい,すなわち虫歯の発生予防,ひいては
歯石の沈着及び歯周疾患の発生予防等に効果があること
が考えられ、この予防歯科学的な有効性は極めて高いも
のがある。
すなわち本発明は合成樹脂により形成される細ベニー
ルフィラメントを多数本撚り合わせることにより構成さ
れる歯用フロスにおいて、特定のアクリル系コポリマー
あるいはこれを主体とするコーティング剤を適用するこ
とにより、生産性及び品質に優れるとともに予防歯科学
的な観点からも有効性の高い歯用フロスを提供するもの
である。
本発明に用いられるコーティング剤はメタアクリル酸
ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマ
ー(商品名:オイドラギットE)、メタアクリル酸メタ
アクリル酸メチルコポリマー(商品名:オイドラギット
L)、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリ
メチルアンモニウムエチルコポリマー(商品名:オイド
ラギットRS)、及びアクリル酸エチルメタアクリル酸メ
チルコポリマー(商品名:オイドラギットNE30D)から
選ばれるアクリル系コポリマーであり、なかでもメタア
クリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチル
コポリマーが好ましい。用いる溶媒としては、例えばエ
タノール,イソプロピルアルコール,アセトン及び水等
が挙げられ、なかでも生産性及び安全性の観点からエタ
ノールが好ましく、溶媒量に対するアクリル系コポリマ
ーの量は0.1〜30重量%,好ましくは1〜20重量%であ
る。
また本発明に用いられるアクリル系コポリマーの可塑
剤としては、例えばポリエチレングリコール,脂肪酸モ
ノグリセライド,クエン酸エステル及びヒマシ油等が挙
げられ、なかでもポリエチレングリコール,特にポリエ
チレングリコール6000が好ましく、アクリル系コポリマ
ーに対する配合比率は、0.1〜30重量%,好ましくは1
〜20重量%である。
加えて本発明に用いられる歯用フロスの素材となる合
成樹脂は、押出成形が可能な熱可塑性プラスチックなら
いずれでもよく、例えば6ナイロン,6.6ナイロン,6.10
ナイロン,6.12ナイロン,ポリエステル,ポリエチレン
及びポリプロピレン等が挙げられ、なかでも6.6ナイロ
ンが好ましい。
本発明にかかる歯用フロスは、アクリル系コポリマー
及びアクリル系コポリマーに可塑剤を含有させた混合物
のエタノール溶液中に該フロスを通過させ、その後乾燥
管の中を通すことによって溶媒であるエタノールを蒸発
させる。そしてこれらコーティングが終了した該歯用フ
ロスをスプールに順次巻上げてゆくことにより所望の歯
用フロスを得ることができる。
(実施例) 以下に本発明の詳細を実施例に基づき説明する。
実施例1.(生産性及び品質の安定性に優れる歯用フロ
ス) アクリル系コポリマーであるメタアクリル酸ジメチル
アミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマー(商品
名:オイドラギットE100)150gと可塑剤であるポリエチ
レングリコールの一種,ポリエチレングリコール6000
(商品名:マクロゴール6000)15gとを835gのエタノー
ルに溶解する。そしてこの溶解液中に6.6ナイロン製の
細デニールフィラメントを多数本撚り合わせることによ
り構成される歯用フロスを通過させ、次に120℃〜140℃
の乾燥管を通過させることにより、エタノールを蒸発さ
せスプールに巻取った。そしてこのようにして作成した
歯用フロスの表面状態を実体顕微鏡を用いて50倍に拡大
し目視にて観察を行なった。その結果、コーティング剤
として溶倍であるエタノールへの溶解性が高いアクリル
系コポリマーを用いているため、特にその溶液を加熱し
なくても均一な溶液が得られること,またそのアクリル
系コポリマーに対し可塑剤を加えているため、生産工程
の途中に過剰のアクリル系コポリマーを除去するための
装置等を設置しなくとも、該歯用フロスへの均一塗布が
大変容易であることが確認できた。すなわちコーティン
グ剤としてアクリル系コポリマー及びこれを主体とする
コーティング剤を適用することにより、生産性に優れか
つ品質の安定した歯用フロスが容易に得られることを確
認するに至った。
実施例2.(予防歯科学的に有効性の高い歯用フロス) ハイドロキシアパタイト(Bio−RaD社製)250mgをKBr
打錠機にとり、1.5tの圧力を5分間かけ直径13mm,厚さ1
mmの薄板ディスクを作成しそして電気炉を用い、600℃
で4時間加熱することにより焼結させた。これを2枚重
ね合わせることにより隣接面のモデルとした。そしてこ
の2枚のハイドロキシアパタイトディスク間に、実施例
1の通り作成した本発明の歯用フロスを挿入し10回上下
運動を行なった。次にスクロース5%含有ブレインハー
トインフュージョン液体培地(DIFCO社製)を試験管に
一定量とり、この中に上記本発明の歯用フロスを適用し
たハイドロキシアパタイトディスク1枚と虫歯発生の原
因菌と考えられているストレプトコッカス・ミュータン
ス菌を微量加え栓をしたうえで37℃,22時間嫌気培養し
た。またコントロール群として本発明の歯用フロスを全
く適用させていない,すなわち、KBr打錠機で作成した
ままのハイドロキシアパタイトディスクも前記と同様
に、37℃,22時間嫌気培養した。嫌気培養終了後試験管
よりハイドロキシアパタイトディスクを取り出し、この
ディスク上に付着したグルカンを分解しかつストレプト
コッカス・ミュータンス菌を遊離させるため、1規定の
水酸化ナトリウム溶液に浸漬した。そしてこの水酸化ナ
トリウム溶液の540nmでの吸光度を、分光光度計を用い
て測定し、ディスク上で本発明の歯用フロスを適用した
サンプルとコントロール群のサンプルとの間での吸光度
の比較を行なった。その結果水の吸光度をブランク値と
した場合、本発明の歯用フロスを適用したサンプルの吸
光度が0.3であったのに対し、コントロール群のサンプ
ルの吸光度は0.6であった。これは本発明の歯用フロス
をハイドロキシアパタイトディスク上で適用することに
より、コーティング剤であるメタアクリル酸ジメチルア
ミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマーがディス
ク上に残留し、これがストレプトコッカス・ミュータン
ス菌の付着を抑制したため吸光度が減少したと考えられ
る。すなわちこれより実際に本発明の歯用フロスを隣接
面に挿入し使用することにより、該隣接面にメタアクリ
ル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポ
リマーが残留することが容易に想定され、これが歯垢及
び虫歯発生の原因菌と考えられているストレプトコッカ
ス・ミュータンス菌の付着を抑制することから、虫歯の
発生予防ひいては歯石の沈着及び歯周疾患の予防等に効
果が期待できることを確認するに至った。
(発明の効果) 本発明にかかる歯用フロスは、コーティング剤として
特定のアクリル系コポリマー及びこれを主体とするもの
を適用することから、生産性に優れなおかつ品質の安定
したものであり、さらにこのアクリル系コポリマーが歯
面に残留することにより、虫歯の発生予防ひいては歯石
の沈着及び歯周疾患の発生予防等に効果が期待できるた
め、予防歯科学的にも有効性の高いものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂により形成される細デニールフィ
    ラメントを多数本撚りあわせることにより構成される歯
    用フロスにおいて、メタアクリル酸ジメチルアミノエチ
    ル・メタアクリル酸メチルコポリマー、メタアクリル酸
    メタアクリル酸メチルコポリマー、メタアクリル酸エチ
    ル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル
    コポリマー、及びアクリル酸エチルメタアクリル酸メチ
    ルコポリマーから選ばれるアクリル系コポリマーを該歯
    用フロスにコーティングすることを特徴とする歯用フロ
    ス。
  2. 【請求項2】該アクリル系コポリマーが、メタアクリル
    酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリ
    マーであることを特徴とする前記第1項の歯用フロス。
  3. 【請求項3】該アクリル系コポリマーをその溶媒量に対
    し0.1〜30重量%配合し、該歯用フロスにコーティング
    することを特徴とする前記第1項または第2項の歯用フ
    ロス。
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