JP2607917B2 - 飼育動物用汚物箱 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、飼育動物、特に猫のための汚物箱に関す
る。

［従来の技術］ 通常、猫などの飼育動物はプライバシー空間が保持さ
れることを好み、その発生起源的な要求を満足させてや
ることが必要である。たとえば、猫は土を掘ってそこに
排泄し、そして土をかけて埋めるという過程を踏む欲求
があり、それを満足させてやる必要がある。もしこのよ
うな要求が満たされない状況であると、動物はどこか他
の場所に行って自身で不満解消をするであろう。そこで
従来から、特に猫などの飼育動物の本能的欲求のため
に、その固状排泄物や液状排泄物を敷設材で受ける汚物
箱を使用することが習慣的に行われてきた。

このような汚物箱では、臭いを防止し、敷設材の清潔
さを保証するために、敷設材を定期的に清浄し一定周期
で交換する必要がある。このことは当然に、メインテナ
ンスのために人間の常駐を要していたが、ときに困難で
あり、特に飼育動物を家に残して出かける必要があると
きに問題であった。

このために、使用済み敷設材から固状排泄物を自動的
に分離することを可能にする装置が、たとえば、フラン
ス国特許第２、566、621号に開示されている。

この装置は、敷設材を補給するホッパーと、並進移動
可能な膜の上に配列された使用済み敷設材回収のための
フィルターとからなるものである。固状排泄物は、格子
状の手段により敷設材から分離され、捕集チャンバー内
に受け取められ、そこに溜められ、そこから定期的に廃
棄される。

しかしながら、この装置は、いくつかの欠点を有して
いた。

第一に、この装置は、敷設材の供給、膜の供給および
使用済み敷設材の廃棄を必要としていた。すなわち、自
動的かつ同期的に動作する少なくとも３つの組立体が必
要であった。このことは、重量であって高価な機構にな
ることを意味し、それにより故障の危険性が非常に大き
かった。

さらに、使用者により決められた周期に従って敷設材
が定期的に廃棄されるが、そのことによって以下のよう
な２つの欠点があった。

−敷設材を、毎回、完全に交換しなければならないこ
と。

−敷設材が排泄物で汚れているかどうかを確かめなけれ
ばならないこと。

最後に、敷設材粒子を駆動機構から遮蔽することが、
重大な問題であった。

従って、本発明は、従来技術の装置の前記のような欠
点を克服する汚物箱を提供することを目的としている。

［問題点の解決手段］ 前記目的を達成するために、本発明に従った猫などの
飼育動物のための汚物箱は、猫などの飼育動物のための
汚物箱であって、動物のための少なくとも１つの出入口
を備えた中空筒状の包囲体と、該包囲体をその軸線方向
が略水平あるいは水平から少し傾いた状態となるように
して回転駆動可能に支持する支持体とからなり、前記包
囲体が、内部に動物の排泄物を受ける吸収性の敷設材を
収納するとともに、内壁に該敷設材から固状排泄物を分
離するためのくま手を固設してなり、前記包囲体が回転
したときに前記くま手もともに回転し、前記敷設材中を
通過して該敷設材が受けた動物の排泄物をすくい取り可
能とするとともに、前記支持体が、前記包囲体をその軸
線の周りで回転駆動する手段を備えるとともに、前記包
囲体内で鉛直状態と鉛直より少し上方へ回転した状態と
の間で回転可能な排泄物を受け取るための受容器を有
し、上記くま手の配設位置を、前記受容器が鉛直より少
し上方へ回転した状態で前記受容器により覆われる位置
としてなることを特徴とする。

本発明に従った汚物箱は、前記包囲体が前記出入口を
二つ備え、前記受容器が該出入口の一つを遮蔽可能なプ
レートを有することもできる。

本発明に従った汚物箱は、前記支持体が、前記包囲体
を回転可能に支持するローラーを含むこともできる。

本発明に従った汚物箱は、前記支持体が、前記包囲体
を吊り下げるプーリー／ベルト組立体を含むこともでき
る。

本発明に従った汚物箱は、前記包囲体内への動物の入
退を感知する接触センサーを有することもできる。

本発明に従った汚物箱は、前記包囲体の回転および停
止の設定を制御する重量センサーを有することもでき
る。

本発明に従った汚物箱は、前記受容器が、２本の軸に
連結されたフレームと該フレームに取り付けた排泄物を
受けるための容器とからなる構成とすることもできる。

本発明に従った汚物箱は、前記容器に、該容器上を閉
鎖するプラスティック板からなるカバーを備えることも
できる。

本発明に従った汚物箱は、前記包囲体内から尿を排出
するための孔を、前記包囲体の下方部分に有することも
できる。

［実施例］ 本発明をより良く理解するために、以下に本発明の非
制限的実施例について図面を参照して説明する。

第１図に、本発明に従った汚物箱１の横断面図を示
す。汚物箱１は基本的には、円筒形の包囲体２と支持体
11からなる。

この包囲体は、ローラー３、４、12、13によって支持
されている。ローラー３、４、12、13は、包囲体２をそ
の水平軸線（h:第3A図参照）の周りに回転駆動すること
ができる。包囲体２は、プーリー／ベルト組立体に吊り
下げても良い。

包囲体２内の下部には適切な量の粒状の敷設材５を収
容する。また包囲体２の内部には、内壁に固着されたく
ま手６、および２つの位置、すなわち、第１図の休止位
置と第２図に示す動作位置との間で移動可能である受容
器７が設けられる。

本発明に従った汚物箱１の各構成要素を以下に個別的
に詳述する。

第3A図に示すように包囲体２は出入口９、10を有す
る。これら出入口９、10には換気手段を設けて出入口
９、10間に空気の循環を生じさせることが可能である。
所望の場合には、生じうる悪臭を除去するために、活性
炭フィルターその他をこれら出入口９、10に配しても良
い。

包囲体２は、支持体11（第3D図参照）上に配する。支
持体11は、包囲体２を水平軸線ｈの周りで回転させるた
めの４個のローラー３、４、12、13を備えている。これ
らローラー３、４、12、13は、既知の機構手段で同期的
に回転駆動される。

支持体11は旋回可能なように一端において２本の軸1
4、15に連結される。支持体11の他端は、２つのスプリ
ングブロック16、17によって支持されている。スプリン
グブロック16、17の間には、包囲体２内への動物の入退
室を感知するための接触センサー18を設けてある。動物
が包囲体２から退室するとすぐに、接触センサー18がト
リガー（起動）されて、包囲体２が回転駆動され、受容
器７が第２図に示す位置７′に向かって移動するように
なっている。

包囲体２が吊り下げられている場合には、接触センサ
ーに代えて動物の入退室を同様に検出する重量センサー
を用いるとよい。

本実施例装置の動作の態様は、以下の通りである。

上述のように汚物箱１の包囲体２が始動すると、受容
器７が位置７′、すなわち包囲体２内で鉛直状態へと移
動する。その状態で、くま手６が敷設材５中を通過した
ときに回収した固状排泄物８をくま手６から重力によっ
て落下させることにより受容器７が受け取ることができ
るようになる。

即ち、包囲体２の回転とともに包囲体２の内壁に固着
されたくま手６も回転する。くま手６は包囲体２の径方
向に伸びるように設けた複数の歯19を有し、歯19は敷設
材５中を通過する際に固状排泄物８をすくい取る。従っ
て、くま手６の歯19の間隔は、敷設材５の粒度に応じて
決定する。

この受容器７は、２本の軸21、22に連結されたフレー
ム20と容器23とからなる。容器23は単純な容器であって
良い。容器23には、取り出し時に容器23上を閉鎖するプ
ラスティックス板からなるカバー24を備え、容器23を密
閉して臭いを遮断するようにしてある。

包囲体２内に対称的に２つの受容器７を配置しても良
い。

包囲体２の回転は360゜以上とするとよい。具体的に
は、包囲体２を最初に一方向に360゜＋αだけ回転さ
せ、次に逆の方向にαだけ戻す。それにより、回転で変
位した敷設材５（第２図の状態参照）の表面の平面状態
が水平に戻る。包囲体２を２回転させるようにしてもよ
い。包囲体２およびそれに一体的に設けたくま手６を36
0゜回転させることによって、敷設材５の均一化および
曝気が可能になり、また包囲体２内は動物の入退室のた
びに自動的に清浄される。

また猫等が引っ掻き回したときに敷設材５の粒子が外
部へ放出されることを防ぐために、受容器７の一端に包
囲体２の出入口10を遮蔽するプレート25を設けても良
い。但し出入口10を動物の出入りには用いることはでき
なくなる。

本発明の範囲を外れることなく、たとえば、本装置を
利用する動物の数に従い使用者により調節されうるタイ
マーの手段によって、たとえば毎６時間または毎24時間
に一回、包囲体２が回転するように設定すること、１つ
の家具を形成するキャビネット内に汚物箱１を配置し、
全ての周辺機器（モータードライブ、種々の供給体、飼
料および種々の受容器、動物のための飼料を与えるコー
ナー）をコンパクトに装備すること、あるいは包囲体２
を水平または好適にはわずかに傾斜させた位置に置くた
めの装置を備えること、さらには包囲体２の下に位置し
た容器内へ尿を漏出させるため、包囲体２の下部に孔を
穿つこと等の多くの追加的な構成も可能である。

また包囲体２は、図示の例では中空円筒のドラム状で
あるが、その機能および回転設定に適合した如何なる構
造を有することもでき、例えば円錐形、卵形、多角筒形
などであっても良い。

汚物箱１は、動物の存在を検出することか可能な既知
の電気的または電子的システムを含んでも良い。この目
的のために、汚物箱１にたとえばスイングドアまたは自
在戸を有するようにしても良い。

包囲体２は、全体を取り外し可能とするか、あるい
は、たとえば毎週敷設材５を除去し補充するため一部を
取り外し可能としても良い。

また出入口に、公知の猫用はねあげ戸を設けても良
い。このはねあげ戸は、動物の入退室の検出に利用でき
る。

くま手６に関しては、包囲体２の径方向の配置は固定
的でも包囲体２内から後退可能でも良い。

くま手６は完全に取り外し可能であって良く、種々の
敷設材５の粒径に対応させて装備することができる。

くま手６に一体的にバッグを取り付け、あるいは、く
ま手６の歯19の間を塞ぐことにより、くま手６が包囲体
２から全敷設材５をすくい取って空にすることができる
ように構成することも可能である。

また受容器７は、くま手６を防護する。何故ならば、
第１図に示すような状態においてくま手６を隠蔽するか
らである。

最後に、本発明に従った汚物箱１は家具の一部をなす
ように構成すること、あるいは家具や家庭内のいろいろ
な隙間に配設することが可能である。

その家具の一部をなすについては多様な構成が可能で
あり、例えば単純なモデルとしては、出入口ドア、新鮮
な敷設材５の供給手段、自動的な水供給手段、受容器の
充填などの正確な動作のための、警報付き信号ランプ、
万一の停電の際に本装置をバックアップするための手動
制御のためのクランクを有するものを挙げられる。もち
ろん、本発明に従った汚物箱は組み立てキットで提供す
ることもできる。

また本発明の汚物箱は、排泄物および尿によって固状
ブロックを形成する超吸収性敷設材を用いたり、尿の排
出を可能にするため包囲体の側面に沿って孔等の排出手
段を設けるとともに、非吸収性敷設材を用いたりするこ
ともできる。

本発明の汚物箱で用い得る敷設材は、３〜7cmの厚さ
で、乾燥物質を除去し、粒径を均一化したものがよい。
また新しい敷設材を供給するためのホッパーを備えても
よい。

なお本発明に従った汚物箱は、使用条件に適合するい
かなる材料からでも製造することができるが、全体的に
プラスティックで製造するのが好適である。

［発明の効果］ 本発明に従った汚物箱は、上述のとおり構成されてい
るので、完璧に自動的にかつ完全に安全に動作可能であ
る。動物の入退室のたびに敷設材を清浄して廃棄をしな
いので、低コストで動作させることができ、また屋内お
よび屋外で用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例である汚物箱の概略的横断
面図であり、動物による使用状態を示す。 第２図は、固状排泄物を除去する状態を示す汚物箱の概
略的横断面図である。 第3A−Ｄ図は、本発明に従った汚物箱の各機能的成分の
拡大斜視図であり、第3A図は包囲体の斜視図である。 第3B図は、受容器の斜視図である。 第3C図は、くま手の斜視図である。 第3D図は、包囲体の支持ドラムの斜視図である。 ［符号の説明］ １……汚物箱 ２……包囲体 ３、４、12、13……ローラー ５……敷設材 ６……くま手 ７……受容器 ８……固状排泄物 ９、10……出入口 11……支持体 14、15……軸 16、17……スプリングブロック 18……接触センサー 19……歯 21、22……軸 23……容器 ｈ……包囲体の軸線

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】猫などの飼育動物のための汚物箱であっ
   て、動物のための少なくとも１つの出入口を備えた中空
   筒状の包囲体と、該包囲体をその軸線方向が略水平ある
   いは水平から少し傾いた状態となるようにして回転駆動
   可能に支持する支持体とからなり、 前記包囲体が、内部に動物の排泄物を受ける吸収性の敷
   設材を収納するとともに、内壁に該敷設材から固状排泄
   物を分離するためのくま手を固設してなり、前記包囲体
   が回転したときに前記くま手もともに回転し、前記敷設
   材中を通過して該敷設材が受けた動物の排泄物をすくい
   取り可能とするとともに、 前記支持体が、前記包囲体をその軸線の周りで回転駆動
   する手段を備えるとともに、前記包囲体内で鉛直状態と
   鉛直より少し上方へ回転した状態との間で回転可能な排
   泄物を受け取るための受容器を有し、 上記くま手の配設位置を、前記受容器が鉛直より少し上
   方へ回転した状態で前記受容器により覆われる位置とし
   てなることを特徴とする汚物箱。
2. 【請求項２】前記包囲体が前記出入口を二つ備え、前記
   受容器が該出入口の一つを遮蔽可能なプレートを有する
   ことを特徴とする請求項１の汚物箱。
3. 【請求項３】前記支持体が、前記包囲体を回転可能に支
   持するローラーを含むことを特徴とする請求項１または
   ２のいずれかに記載の汚物箱。
4. 【請求項４】前記支持体が、前記包囲体を吊り下げるプ
   ーリー／ベルト組立体を含むことを特徴とする請求項１
   または２のいずれかに記載の汚物箱。
5. 【請求項５】前記包囲体内への動物の入退を感知する接
   触センサーを有することを特徴とする請求項１ないし４
   のいずれかに記載の汚物箱。
6. 【請求項６】前記包囲体の回転および停止の設定を制御
   する重量センサーを有することを特徴とする請求項４に
   記載の汚物箱。
7. 【請求項７】前記受容器が、２本の軸に連結されたフレ
   ームと該フレームに取り付けた排泄物を受けるための容
   器とからなることを特徴とする請求項１ないし６のいず
   れかに記載の汚物箱。
8. 【請求項８】前記容器に、該容器上を閉鎖するプラステ
   ィック板からなるカバーを備えたことを特徴とする請求
   項７に記載の汚物箱。
9. 【請求項９】前記包囲体内から尿を排出するための孔
   を、前記包囲体の下方部分に有することを特徴とする請
   求項１ないし８のいずれかに記載の汚物箱。