JP2606994B2 - ペルフルオロカーボン介在ガス交換 - Google Patents

ペルフルオロカーボン介在ガス交換

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ペルフルオロカーボン液充填肺気道での呼
吸ガス交換を維持しようとするための、陽圧下で呼吸用
ガスを吸入するための手段を含む呼吸法および呼吸用装
置を提供するものである。
従来技術 本発明は、主に周知の機械的換気および液体換気技術
に関する。
機械交換器は、肺への空気流を作り出す臨床装置であ
る。集中治療を行う際の呼吸補助用には一般に従量式陽
圧換気器または従圧式陽圧換気器を使用する。この種の
装置は吸息時には強制的に肺へ空気を吸入するが自発的
な呼息時には大気圧に戻る。従量式換気器では深吸息量
を吸入するのに必要な圧力に関係なく予め設定した一回
換気量を患者に吸入する。従圧式換気器では、最大吸息
圧は操作卓によって測定されるため制限されている。ま
た、一般には吸息O2混合物や吸息および呼息時間、換気
周期を選択するために様々な制御を行う。このような従
来の呼吸器を製造販売している企業はいくつかある。
液体換気は、一時的に肺気道に酸素添加(oxygenat
e)した液媒を充填する方法に関わる根本的に異なる技
術である。これは1962年に過酸素化生理食塩水中に沈ん
だ哺乳類が液体を吸い込んでガス呼吸の再開に成功した
ことにより初めて立証された(1;添付の引用文献参
照)。しかしながら、十分な量のO2を生理食塩水に溶解
するのは(高圧であったとしても)実用上困難であり、
生理食塩水は肺胞表面上の界面活性物質の多くを洗い流
してしまうため、液体換気(LV)への道は実質的に閉ざ
されてしまった(2)。この問題は、ペルフルオロカー
ボン液(現在は大気圧で酸素添加させてある)を使用し
てマウスやネコ、仔イヌの呼吸を補助した最初の人であ
る生化学者Leland Clark氏によって1966年に解決された
(3)。
ペルフルオロカーボン(PFC)液は、全ての(すなわ
ち本明細書における目的を達成するためには実質的に全
ての)炭素結合水素原子をフッ素原子で置換することで
通常の有機化合物から誘導できる。この液体は無色透
明、無臭、不燃性であり、基本的に水に不溶である。PF
C液は水および軟細胞より高密度であり、表面張力は小
さく、たいていは低粘度である。ペルフルオロカーボン
液は気体に対する高い親和力を有するという点で独特の
ものであり、水に比べて20倍以上のO2と3倍以上のCO2
を溶解する。他の高不活性フッ化炭素物質と同様に、ペ
ルフルオロカーボン液も全く無毒で生体適合性がある。
概説については(4)参照のこと。
溯ってみると、哺乳類は(全呼吸補助)酸素添加ペル
フルオロカーボン液を長時間(>3時間)呼吸し、長時
間悪影響を受けることなくガス呼吸に戻れるということ
が明確に証明された(5、6)。別の研究によって、ペ
ルフルオロカーボン呼吸後に形態学的、生化学的、組織
学的な副作用は全く認められないということも分かった
(7、8)。ペルフルオロカーボン液を使用した肺洗浄
(清浄)の研究も行われ(9)、ヒトにおける成人呼吸
窮迫症候群(RSD)に関与する鬱血性物質の洗浄に効果
的であることが分かっている(10)。ペルフルオロカー
ボン液による両肺の全呼吸補助による副作用はないとは
いえないが、このような作用は一般にさほど影響のない
一過性(緩徐なアシドーシス、低血中pO2、肺血管抵抗
の増加、肺のコンプライアンス減少)のものである(11
〜14)。ペルフルオロカーボン液呼吸の生物医学的用途
の中には重要な調査結果を伴うものもある(15、16)。
超音波および/またはペルフルオロカーボン液での転化
による肺癌高熱も報告されている(17)。
特に、ペルフルオロカーボン液呼吸は、界面活性物質
の欠乏や機能不全を含む呼吸窮迫症候群の治療に役立つ
と見られる。肺胞表面張力の上昇は、未熟呼吸窮迫症候
群(RDS)の病態生理学において重要な役割を果たし(1
8、19)、成人呼吸窮迫症候群での肺機能障害に寄与す
るものと思われる(20)。ペルフルオロカーボン液呼吸
は、肺の空気/流体界面をなくして肺の表面張力を大幅
に小さくする(11)ため界面活性物質欠乏未熟動物にお
いて行うと効果的である。液体換気は、心拍出量に悪影
響を及ぼすことなく(22)無難な肺胞圧で達成でき(2
1)、極めて未熟な動物でも並外れたガス交換を行うこ
とができる(23)。ペルフルオロカーボン液呼吸のヒト
における臨床試験をRDSに羅患した極めて未熟な乳児に
おいて成功させたとの報告もある(24)。
その他、液体換気の臨床用途となり得るものや液体換
気を臨床試験に応用する際の障害についての文献もある
(25)。液体換気ではペルフルオロカーボン液を体外で
酸素添加して二酸化炭素を除去し、この液体の試験呼吸
では研究用の装置を使用して肺への吸入および肺からの
呼出を機械的に繰り返すということを思い出して頂きた
い。残念なことに、このような体外液体換気器は市販さ
れていない。さらに、現在のところ万一液体換気治療を
急に停止させなければならなくなった場合に患者を保護
する安全なフォールバック補助システムがないため意気
も阻喪している。また、ペルフルオロカーボンは体外で
酸素添加・二酸化炭素除去後に肺に周期的に吸入される
ので、液体換気装置を一杯にするために多量かつ高価な
開始量のペルフルオロカーボンが必要になる。このよう
な操作上の欠点および安全性の問題のため、本来ならば
期待の持てる液体換気技術の広範囲に亘る使用は大幅に
制約されているのである。
発明の開示 本発明は、持続的陽圧呼吸とも液体換気とも機械的に
異なるペルフルオロカーボン介在ガス交換方法を提供す
ることで上述した欠点を解決する。中心になる方法は、
実質的に宿主の肺の機能的残気量に相当する量のペルフ
ルオロカーボン液の哺乳類宿主の肺気道への導入に関す
るものである。その後、周知のガス交換器(ベンチレー
タ)を使用した持続的陽圧呼吸によってペルフルオロカ
ーボン液を充填した肺気道での呼吸ガス交換を維持(例
えば1時間以上)する。この処置を施した後、肺気道か
らペルフルオロカーボン液を気化させる。
以下に示すデータから、ペルフルオロカーボン介在ガ
ス交換は、健康な仔ブタでは実質的に持続的陽圧呼吸と
同程度に効果的な呼吸およびガス交換の方法であること
が分かる。さらに、ペルフルオロカーボン介在ガス交換
は、容量調整持続的陽圧呼吸での気道圧に匹敵する気道
圧での適切なガス交換である。
液体換気と同様にペルフルオロカーボン介在ガス交換
も界面活性物質の欠乏または機能障害の治療に大きな利
益をもたらすものであるが、ペルフルオロカーボン介在
ガス交換では体外酸素添加もペルフルオロカーボン「液
体吸息」の肺への周期的な吸入も必要としない。従っ
て、肺での界面活性物質の欠乏をはじめとする様々な障
害および疾患に対してペルフルオロカーボン液体治療を
行うために研究器械を予め改良しておく必要はない。さ
らに、各呼吸によって周期換気的に移動するのは液体で
はなく主に気体であるので、ペルフルオロカーボン介在
ガス交換を達成するために必要な気道圧は液体呼吸を行
うために必要な気道圧よりもかなり低い。このため肺気
道に対する気圧障害が生じる可能性も少なくなる。ま
た、液体呼吸を行っている時よりもペルフルオロカーボ
ン介在ガス交換を行っている時の方が肺時定数(流体流
動時間コンプライアンスに対する気道抵抗の積)は極め
て小さくなるという結果も出ている。従って、液体呼吸
を行っている時よりもペルフルオロカーボン介在ガス交
換を行っている時の方が患者での換気をより一層迅速に
行うことができ、換気時分も大幅に延ばすことができ
る。最後に、ペルフルオロカーボン介在ガス交換に適し
たバックアップガス交換器は一般の臨床環境で容易に入
手できるので、機械装置の故障などに伴う安全性の問題
も少なくなる。
図面の簡単な説明 図1は、ペルフルオロカーボン介在ガス交換の実施時
に呼吸周期をビデオテープに撮った写真であり、両肺は
呼気終末(図1A)には実質的に無気状態であるが、吸気
終末(図1B)には実質的に気泡酸素添加状態にあること
を示している。
図2は、本ペルフルオロカーボン介在ガス交換方法を
実施するためのシステムの一例を示す図である。
図3は、ペルフルオロカーボン介在ガス交換と持続的
陽圧呼吸との切り換えによって流体流量を調整するため
のPAGEアダプタの一例を示す図である。
図4Aおよび4Bは、ペルフルオロカーボン介在ガス交換
と持続的陽圧呼吸とを繰り返して行うためのアダプタの
他の例を示す図である。
図5は、PAGE治療時に機能的残液量を維持するための
PAGE装置の一例を示す図である。
図6は、空気充填肺(白丸)およびペルフルオロカー
ボン充填肺(黒丸)の圧力/容量特性図である。
図7は、持続的陽圧呼吸時(白丸)とペルフルオロカ
ーボン介在ガス交換時(黒丸)の流量/容量関係の一例
を比較して示した図である。
図8は、持続的陽圧呼吸時(白丸)とペルフルオロカ
ーボン介在ガス交換時(黒丸)の呼息時間および呼出容
量を比較して示した図である。
図9Aおよび9Bは、ペルフルオロカーボン流体充填肺胞
内で起こり得る2種類の気泡成長パターンを示す図であ
る。
発明を実施するための最良の形態 液体を充填した肺に強制的に気体を吸入できるという
ことや、液体も呼出してしまう前に肺からほぼ完全に気
体を呼息できるなどということは従来は殆ど考えもつか
なかった。しかしながら、本明細書ではペルフルオロカ
ーボン介在ガス交換(PAGE)と称してこのような呼吸補
助方法および健康な仔ブタにおけるその有効な利用方法
について説明する。正常時の肺の機能的残気量に相当す
る多量のペルフルオロカーボン液を気管に注入し、ガス
交換時に直接関与する肺内にて数時間の間イン ビボで
「気泡酸素添加」させた。驚くべきことに、これは周知
のガス交換器を使用して行うことができた。
簡単に言えば、本呼吸ガス交換維持方法は、実質的に
宿主の正常時の肺の機能的残気量に相当する(または少
ない)量のペルフルオロカーボン液を哺乳類宿主の肺気
道に導入するステップと;治療時間中(例えば1時間以
内またはこれ以上など)、持続的陽圧呼吸によってペル
フルオロカーボン液体を充填した肺気道での呼吸ガス交
換を維持するステップと;肺気道からペルフルオロカー
ボン液を気化させるステップと;を含む。
このペルフルオロカーボン介在ガス交換方法は、液体
換気と持続的陽圧呼吸の両方の利点を呈するものであ
る。酸素添加したペルフルオロカーボンを使用した液体
換気は肺空気/流体界面による表面張力をなくし、界面
活性物質の欠乏時に肺機能とガス交換を向上させる。液
体換気において、ペルフルオロカーボンを酸素添加して
二酸化炭素を除去し、研究用装置を使用してこの流体の
肺への吸入と肺からの呼出を繰り返し行う。一方、ペル
フルオロカーボン介在ガス交換では持続的陽圧呼吸で用
いられているもののような周知のガス交換器を使用す
る。
後に詳細に説明するように、正常時の機能的残気量
(30ml/kg)に相当する多量のペルフルオロカーボンを1
3頭の健康な仔ブタの左側気管に注入し、従量式ガス呼
吸(FIO2=1.0)を施した。1時間かけて、ペルフルオ
ロカーボンをガス交換時に直接関与する肺内で連続的に
気泡酸素添加した。得られた結果から、動脈PaO2および
PaCO2は平均401±51および40±4torr(53.6±6.8および
5.3±0.5kPa)であることが分かった。最大気道圧はペ
ルフルオロカーボン介在ガス交換時(1時間で22±2cm
H2O)および持続的陽圧呼吸時(23±4cm H2O)でほ
ぼ等しかった。静脈酸素飽和度およびpHは正常(1時間
で73±8%および7.43±0.05)であった。ペルフルオロ
カーボン介在ガス交換は一様に十分許容範囲内にあり、
結果的に持続的陽圧呼吸に近いものとなった。これらの
結果から、ペルフルオロカーボン呼吸技術を肺疾患へ適
用する場合にも、もはや現存する機械装置や周期的な液
体の流れに伴う問題のために制約されることはないこと
が分かる。
本明細書では、「呼吸ガス交換の維持方法」は、動脈
pO2およびpCO2をできるだけ正常な値に近付けるための
手段を意味する。これは、体全体の細胞におけるO2とCO
2の適切な交換を意味する。ペルフルオロカーボン介在
ガス交換の第1の目的は、このような適切なガス交換を
確実に行うことである。ガス交換を確実に行うことがで
きれば、余計な羅患率や死亡率を除いて病気に羅患した
患者を決定することもできる。ガス交換を補助する際、
動脈pO2を約80torr以上で維持すると好ましく、動脈pCO
2を約60torr以下で維持すると好ましい。明らかに、達
成した値が正常値(pO2=100、pCO2=40)に近付けば近
付くほど、臨床状態もより満足のいくものとなる。新生
児ではpO2が過剰に高いと水晶体後腺維増殖や盲を引き
起こすので、ペルフルオロカーボン介在ガス交換時には
周知の持続的陽圧呼吸時と同様に酸素分画を小さくして
過剰酸素張力を防止するとよい。
「呼吸気道」は、正常時には空気が充満した気管、左
右の気管支、細気管支および肺胞における呼吸通路、空
間、容量を意味する。
「哺乳類宿主」はヒトを含み、調査および獣医学上の
目的では未熟な仔ヒツジ、仔ブタ、ウサギ、ネコ、イヌ
などの哺乳類を意味する。
ペルフルオロカーボン液は、(a)PAGEサイクルの吸
息相の時の気泡酸素添加(下記参照)と、(b)PAGEサ
イクルの呼息相の時の最小泡沫形成およびこの結果とし
て生じる液体損失を補助するのに適した物理的特性を有
する全てのフッ化炭素化合物を含むものとする。このよ
うな必要条件は主に、低粘度で表面張力が小さく、蒸気
圧の低いペルフルオロカーボンによって満たされる。も
ちろん、O2に対する溶解度が高いことも必要である。
「ペルフルオロカーボン液」は炭素とフッ素の原子のみ
によって構成したものであってもよいし、炭素とフッ素
の他に例えば臭素などの原子を含むフッ素化合物であっ
てもよい。ペルフルオロカーボン介在ガス交換に使用で
きる代表的なペルフルオロカーボン液は、FC-75、FC-7
7、RM-101、Hostinert 130、APF-145、APF-140、APF-12
5、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロオクチルブロ
ミド、ペルフルオロブチルテトラヒドロフラン、ペルフ
ルオロプロピルテトラヒドロピラン、ペルフルオロジメ
チルアダマンタン、ペルフルオロトリメチルビンクロー
ノナン、これらの混合物などである。好ましいペルフル
オロカーボンは、(a)平均分子量約350〜約570;
(b)25℃での粘度約5センチポイズ(cp)未満;
(c)沸点約55℃以上;(d)25℃での蒸気圧約5〜約
75torr、さらに好ましくは約5〜約50torr;(e)密度
約1.6〜約2.0gm/cm3;(f)(空気を含む場合の)表面
張力約12〜20dyne/cmであることを特徴とする。
ペルフルオロカーボン液は、少なくとも純酸素呼吸の
10〜15分後に主に肺気道に導入される。ペルフルオロカ
ーボンは周知のように単に呼吸の合間に気管内挿管に液
体を注入することで気管内挿管を介して導入してもよい
し、液体呼吸時に行うように圧力下でこの液体を吸入し
てもよい。
肺気道に導入するペルフルオロカーボン液の容量は、
好ましくは宿主の正常時の肺の機能的残気量(FRC)と
実質的に等しくする。「肺の機能的残気量」は、呼気終
末の肺気道における空間容量を意味する。このFRC容量
は、ペルフルオロカーボン介在ガス交換を行っている間
も肺の拡張に伴って変化する。機能的残気量をペルフル
オロカーボンで満たすと、(a)呼息中、機能的残気量
を維持して表面張力誘導肺胞閉鎖を防止する;(b)呼
息中、二酸化炭素を除去し、肺胞ペルフルオロカーボン
貯蔵物を「気泡酸素添加」することによって、ガス交換
における肺胞空気関与の必要性を明確にする;(c)呼
息の開始から終末まで気泡形成および気泡膨張を行うた
めに表面張力の小さい媒体を提供する;(d)肺胞内層
にペルフルオロカーボンを被覆した肺胞表面の大部分に
沿って表面張力を減少させることができる。患者のFRC
を越えずに上述した液体呼吸技術に伴う気圧障害を防止
し、気泡酸素添加による適切なガス交換を確実に行う。
1FRC未満(例えば3/4FRCまたは1/2FRC)のペルフルオロ
カーボン液の吸入に基づくPAGE治療についても本明細書
で熟考する。例えば患者の肺気道の特定部分に対するPA
GE薬物添加薬剤注入など、一側性(片肺)または局所的
(葉、分節)PAGE治療を行うことも可能である。
本明細書の記載に従い、好ましくは周知の呼吸器を使
用した持続的陽圧呼吸によってこのようなペルフルオロ
カーボン液充填肺気道での呼吸ガス交換を維持する。
「持続的陽圧呼吸」は、通常は呼気終末陽圧呼吸を使用
して標準的な陽圧呼吸器で行い得る陽圧機械呼吸を意味
する。従量周期性呼吸器かまたは圧力制限周期性呼吸器
が適している。この種の呼吸器は市販されている。代表
的な型および製造業者を挙げておくと、Servo 900C(Si
emens Flema, Shammburg, IL);Infant Star (Star Pr
oducts, San diago, CA);Bear 1,2,3(Bear Medical,
Bowings, CA);Baby Bird 2 (Bird Corp.,CA);Health
dyne Infant Ventilator; Airshieldsなどがある。後述
するように、気泡酸素添加、ペルフルオロカーボンから
肺胞血管へのガス衝動分離、ペルフルオロカーボン介在
ガス交換時の呼吸/潅流整合の組み合わせは、持続的陽
圧呼吸時のガス交換と比べても大きく引けをとることは
ない。「気泡酸素添加」は、気泡と液体とが平衡状態に
なるように気泡によく曝すことを意味する。この状態は
液体を酸素添加し、液体から二酸化炭素を除去する。吸
息時、多量の吸気を強制的に肺に吸入し、気道の途方も
なく大きな分枝(1023)によって小さな分割量に分け、
数百万ある末端肺胞で肺全体に亘って実質的に一様に気
泡が形成されるようにする。図1を参照すると、ペルフ
ルオロカーボン介在ガス交換時の呼吸サイクルの(カラ
ービデオテープから作成した)白黒写真に気泡酸素添加
を示してある。呼気終末(図1A)のペルフルオロカーボ
ン流体充填肺の暗い色調(すなわち色)は、吸息時(図
1B)の気泡が充満した液体充填肺の明るい色調(すなわ
ち色)とはっきりと対比できる。
ペルフルオロカーボン介在ガス交換処置に続いて、ペ
ルフルオロカーボン液を肺気道から除去する。この特定
の目的に適した方法は、単に肺気道からペルフルオロカ
ーボンを気化させるというものである。(機能的残気量
を維持するために)ペルフルオロカーボンを追加注入せ
ずにガス呼吸を継続すると、(ペルフルオロカーボンの
蒸気圧によって決まる)約数時間の時間内に実質低に完
全に肺から気化する。
一定の目的(後述)のために、ペルフルオロカーボン
の液体呼吸を周期的に繰り返し、治療期間中、肺気道へ
の吸入と肺気道からの排出を行う。
より詳細に説明すると、本ペルフルオロカーボン介在
ガス交換(PAGE)法は、連続した周期的な液体の流動と
体外でのガス交換をなくすことで一層簡単な呼吸補助シ
ステムを使用して有効利用することができる。
図2を参照すると、この目的に適った模範的なシステ
ム10は周知のガス交換器12と、ペルフルオロカーボン液
を処理するためのPAGE装置14と、患者の肺気道18との間
で流体の移動を可能にするPAGEアダプタ16とを備える。
PAGE装置14は、基本的に予め定められた量のペルフルオ
ロカーボンをPAGEアダプタ16を介して患者の肺気道18に
注入するためのものである。ガス交換器12は、ペルフル
オロカーボン充填肺気道18の換気を行うためのものであ
る。PAGEアダプタ16は、治療の液体移動相とガス換気相
とを繰り返す手段となるものである。
PAGE装置14は、(a)ペルフルオロカーボンの肺への
吸入(および必要に応じて肺からの排出)を繰り返す;
(b)ペルフルオロカーボン介在ガス交換治療中、例え
ば、各液体循環呼吸の終末に機能的残液量の適切な量を
再構築する;(c)PAGE装置の制御下での液体呼吸とガ
ス交換器による呼吸とを連繋する過程を制御する;
(d)液体を肺気道18に注入する前にペルフルオロカー
ボンを酸素添加し、二酸化炭素を除去する;(e)必要
があれば肺気道18にまずペルフルオロカーボンを吸入す
る過程を実行する;(f)液体を肺気道18に再循環させ
るまえに分解したペルフルオロカーボンを浄化する;
(g)ペルフルオロカーボンの温度を調整する;(h)
PAGE装置14および/またはPAGEアダプタ16のペルフルオ
ロカーボン導管内の圧力と流量を測定する;(i)様々
な生理学的測定値を得る;(j)操作卓からの入力とコ
ンピュータからの出力を適宜処理するよう機能する。
PAGEアダプタ16は、(a)PAGE装置14の制御下で液体
循環(PAGE装置)およびガス交換器(ペルフルオロカー
ボン介在ガス交換)呼吸を連繋する過程を機械的に実行
する;(b)PAGE装置14による肺気道18内での適切な機
能的残液量の回復を機械的に可能にする;(c)2種類
の液体搬送装置(ガス交換器12とPAGE液体搬送装置14)
を物理的に連動させ、本ペルフルオロカーボン介在ガス
交換法を最も効果的に適用するよう機能する。
このようなシステム10(PAGE装置14、PAGEアダプタ16
およびガス交換器12)の使用は以下のような治療プロト
コルによって例示できる。適当な患者において、以下の
実施例において説明するような方法またはPAGE装置14と
PAGEアダプタ16とを使用した方法でペルフルオロカーボ
ンを肺気道18に注入する。ペルフルオロカーボン介在ガ
ス交換は、概して治療期間中に呼吸ガス交換を補助する
ための重要な方法である。ガス交換器12は、ガス交換器
12の操作卓によって決定されるような一回容量の気体を
ペルフルオロカーボン充填肺18に吸入する。この気体は
ペルフルオロカーボンを酸素添加し、本来の位置すなわ
ちイン ビボである肺気道18内で呼吸1回毎に二酸化炭
素を除去する。この過程を繰り返し実行する。
図3を参照すると、PAGE装置14の操作卓上に間隔をあ
けて備えられているPAGEアダプタ16中の弁20は、左右に
移動して患者の肺気道18に通じている体外管22からガス
交換器12を切り離したり、ガス交換器口24を大気に開放
したりする。同時にバルブ20は、PAGE装置14と患者の肺
気道18との間の液体を連通させる。1回以上のPAGE装置
制御液体呼吸を行って、PAGE装置14の上述した目的のう
ち1つ以上を達成する。続いてPAGEアダプタ16の弁20を
(PAGE装置14から供給される信号によって)移動させ、
PAGE装置16を切り離し、ガス交換器12と再度連通させて
ガス交換を連続的に補助する。この(肺気道18とガス交
換器12とを連通させ、さらにPAGE装置14、ガス交換器12
と順に連通させる)サイクルは、操作卓からの指示に応
答してPAGE装置14のコンピュータによってシーケンシャ
ルに繰り返してもよい。
図示のPAGEアダプタ16は、ペルフルオロカーボン、空
気、呼吸器ガス、呼息気体用のY型導管である。アダプ
タ16は、2つの上部翼(PAGE装置導管26およびガス交換
器導管28)と、低部死腔(デッドスペース)共通チャン
バ30と、ねじれステム32を有する蝶番い弁20と、ねじれ
ステムを回動して弁20の往復動作を行うスイッチ機構
(図示せず)とを備える。
ガス交換器導管28は基本的に(死腔を最小限にするた
めに)短く、呼吸器12と共通チャンバ30との間で気体の
移動を可能にする。このガス導管28は、弁20とガス交換
器12とが係合している時には蝶番い弁20の往復端上で例
えばパッド34などによって可逆的に密閉されるが、弁20
とPAGE装置14とが係合している時には開放される開口す
なわちポート24を含んでもよい。
共通チャンバ30は基本的に低部死腔を有し、患者の体
外管22の遠位ハブ36に係止される。共通チャンバ30は他
に出口を2つ有し、このうち一方の36はガス交換器導管
28に通じており、他方の38はPAGE装置導管26に通じてい
る。共通チャンバ30は、弁20によってガス出口36または
液体出口38の一方と可逆的に連通可能である。この弁20
は、図示のようにねじれステム32の装架された蝶番い弁
20の形をとっている。ステム32を回転させると、弁20は
回動して導管28または26のオリフィス36、38と係合す
る。
PAGE装置導管26は、各々チャンバ30のオリフィス38か
らPAGE装置14のポートに通じる3本のチャネルを含む。
これらのチャネルは、(a)空気をPAGE装置14からチャ
ネル40を介して共通チャンバ30へ;(b)(患者への)
ペルフルオロカーボン流入物をPAGE装置14からチャネル
42を介して共通チャンバ30へ;(c)ペルフルオロカー
ボン流出物を共通チャンバ30からチャネル44を介してPA
GE装置14へ直接供給するためのものである。
上述したPAGE装置16は単に一例にすぎず、例えば流体
制御弁手段20を図4Aに示すような周知の回動可能なチャ
ネル弁20′の形とすることも可能であり、図4Bに示すよ
うな摺動ピストンチャネル弁20″を使用しても良い。
図5を参照すると、模範的なPAGE装置14は、PAGEアダ
プタ導管26からのチャネル40、42、44の遠位端が挿入さ
れた3つのポートと、チャネル40、42、44を介した流体
の流れを調節するためのポンプおよび弁と、クロックを
有するコンピュータと、ペルフルオロカーボンを処理す
るための装置とコネクタとを有する貯蔵室と、酸素(ま
たは混合気)源ポートと、操作卓と、PAGEアダプタ弁20
を動作させるための制御ケーブルと、入力チャネルおよ
び出力チャネルと、コンピュータで使用するデータを収
集し、システム10の各構成要素を駆動するための補助電
子装置とを備える。
ポート46は、PAGE装置14からPAGEアダプタ16の共通チ
ャンバ30にペルフルオロカーボンを移送する流入チャネ
ル42とPAGE装置14とを結合する。このポート46はポンプ
48によってペルフルオロカーボン貯蔵室50と連結されて
いる。ポンプ48は、操作卓56の指示に従って出力リンク
52を介してコンピュータ54によって制御される。この流
入ポンプ48は、予め定められた時間で予め定められた量
のペルフルオロカーボンをポート46に送る。このポート
での圧力は、コンピュータへの入力リンク58によって測
定され、連続的にモニタリングされる。
第2のポート60は、ポンプ62によって共通チャンバ30
からの流出導管44とPAGE装置14のペルフルオロカーボン
貯蔵室50とを結合する。ペルフルオロカーボンはこのポ
ート60を介して貯蔵室に戻る。連動ポンプ62は、操作卓
56の指示に従って出力リンク52を介してコンピュータ54
によって制御され、予め定められた時間で予め定められ
た量のペルフルオロカーボンをポート60に戻す。このポ
ート60における圧力は、コンピュータへの入力リンク58
によって測定され、連続的にモニタリングされる。
第3のポート64は、共通チャンバ30との間でPAGE装置
14と空気チャネル40とを結合する。このポート64を備え
ることで、PAGE装置サイクルの予め定められた時間セグ
メントの間、共通チャンバ30に空気を流入させることが
できるようになる。コンピュータ54は、一方向空気弁66
とポート64とを介してチャネル40に空気を通すことがで
きる最大圧力を設定する。
3つのポート46、60、64と、これらに接続されたポン
プ48、62および弁66とを連繋させることで、PAGE装置14
は液体循環呼吸の終末に機能的残液量を回復することが
できる。空気弁66が閉じている時には、流出ポンプ62は
(操作卓56およびコンピュータ54によって予め設定され
た)陰圧によってペルフルオロカーボン液を肺気道18か
ら除去する。空気がポート64を介して自由にPAGEアダプ
タ16の共通チャンバ30に流入できる状態にある時には、
PAGE装置14は、肺および胸郭の受動的な反動によって共
通チャンバ30から排出されているペルフルオロカーボン
を除去するのみである。例えば、 この代表例において、流入ポート46に接続されたポンプ
48は、ペルフルオロカーボン60mlを肺気道18に吸入す
る。流出ポート60に接続されたポンプ62は、6〜10秒で
肺気道18からペルフルオロカーボン40mlを除去する。肺
の反動によって、クロック時間10秒の時点での(大気圧
での)機能的残気量と肺容量との較差を次の6秒で共通
チャンバ30に送る。ポンプ62で液体をより高速に吸引す
るような「真空」を作ることはできないので、反動によ
って液体を移送し得る速度と同じ速度すなわち空気弁66
を開いてポンプ62について設定した10ml/秒で較差容量
分を流出ポンプ62によって除去する。設定ポンプ流速と
肺の反動によってペルフルオロカーボンを共通チャンバ
30に送り得る速度との較差は、設定(大気)圧での空気
の流入によって生じるものである。
呼吸タコメータ(図示せず)を空気ポート64に配置
し、機能的残気量に達したことを確認するようにしても
よい。空気弁66を開いた状態で、肺の反動が全くないと
すると、ポンプ62について設定した速度は空気ポート64
への流入速度と等しくなる。このように、PAGE装置14は
容易に機能的残気量(FRC)をモニタリングして回復す
ることができる。一方、これは毎分多量の液体を肺に注
入し肺から除去しなければならないため液体呼吸では複
雑な問題となっている。PAGE装置14で扱う流体の量は極
めて少なく、純化する容量も少なく加熱する液体も少な
い上、FRCをモニタリングするために患者に連続的に負
荷をかける必要もない。
PAGE装置14のコンピュータ54は、以下のような入力を
収集する。すなわち、(a)操作卓上で設定された3つ
のポートのポンプと弁に対するタイミングと流速につい
ての設定値;(b)操作卓上で設定されたPAGEアダプタ
弁20の循環タイミング;(c)3つのポートに関連した
圧力センサと流量センサからの入力;(d)食道圧など
の生理学的測定値信号;(e)貯蔵室の動作に関連した
センサからの入力である。
コンピュータの出力は、(a)PAGE装置14内でポンプ
と空気弁とを時間調整して動作させる;(b)PAGEアダ
プタ16の弁20を時間調整して動作させる;(c)すべて
の測定値と算出値とを操作卓のメーターに通知し、さら
に補助的な出力データポート(図示せず)によって装置
14から離れた場所にある外部コンピュータやハードコピ
ー記録装置に通知する機能を果たす。
貯蔵室50は、ペルフルオロカーボンを貯蔵し、これを
気泡酸素添加して予め選択した酸素分画とし、その温度
を生理学上または療法上必要な範囲に調整し、分解した
ペルフルオロカーボンを純化・清浄し、システムからの
液体容量の損失を追跡する機能を果たす。
操作卓56は、(a)PAGE装置14およびPAGEアダプタ16
を動作させるためのパラメータのオペレータによる設定
を可能にする;(b)コンピュータからの有意な出力を
解釈して人間が応答できるように表示する;(c)測定
したパラメータがPAGE装置14の動作用に設定した限界を
越えた場合に警告音を発する機能を果たす。
周知のガス交換機12、PAGEアダプタ16、PAGE装置14を
使用してペルフルオロカーボン介在ガス交換を達成する
ために、以下のようなパラメータの動作範囲を代表例と
する。ガス交換器12は最大で時間の95%、最小でも時間
の75%は患者とやりとりをする。ガス交換器12は、最低
1分あたり5呼吸、最高では1分あたり40呼吸で動作す
る。最大圧力は15cmH2Oから60cmH2Oの範囲にあり、おそ
らく25cmH2O程度が理想的であろう。PAGE装置14または
交換器12の酸素分画は、最低21% 最高では100%とな
る。周知の交換器呼吸の体外管22に送られる一回換気量
は、最低6ml/呼吸、最高18ml/呼吸である。呼吸終末陽
圧呼吸(PEEP)は、周知の交換器12では必要な場合と必
要ない場合とがある。理想的にはPEEP5cmH2O以下とする
必要があるが、ペルフルオロカーボン介在ガス交換治療
を行う場合にはPEEPは最大で20cmH2Oまで可能である。P
AGE装置14は、1回の液体呼吸の間または数回(例えば
3回または4回など)の液体呼吸の間、順次患者とやり
とりする。大気圧または大気圧よりプラスマイナス10〜
20cmH2O程度の圧力でPAGE装置14の空気弁66を開放する
ことも可能である。
ここに記載のシステム10に凝縮手段(図示せず)を備
え、ペルフルオロカーボン蒸気を集めて再循環させるよ
うにしてもよい。ペルフルオロカーボン液は特に肺気道
への直接輸液に適した純粋形では生物学的に不活性かつ
無毒であるが、周囲の環境にペルフルオロカーボン蒸気
が存在していると逆に危険である。この事実は殆どの液
体換気の調査史では無視されているが、ペルフルオロカ
ーボンの気化損失量は極めて多い(1時間あたりの機能
的残気量の10〜20%は、成人PAGE治療での約400〜800gm
/時の環境への気化損失量に相当する)ため、PAGE療法
の実施と大いに関係している。
ペルフルオロカーボン蒸気が危険である理由として、
この蒸気は例えば高温光源、火のついた煙草、むきだし
の炎、オーブン、白熱電気素子、電気アーク(例えば一
般的なモータで使用しているものなど)、電気外科装
置、外科用レーザなどの一般的な熱源と接触すると分解
して危険な副産物となるということが挙げられる。最も
典型的な分解産物は、ペルフルオロイソブチレン(PFI
B)およびフッ化水素(HF)である。腐食性が高く有毒
なHFの性質については良く知られているところである。
PFIBは7℃で沸騰するので、臨床環境における大気と混
ざった気体として存在する。たとえ2、3時間であって
も約0.5部/百万という極めて低濃度のPFIBを吸入する
と場合によっては死につながることもある。
適切な室温再循環と換気を行ってPAGE過程前後の毒物
濃度をかなり低くした場合でも、近隣環境において潜在
的な有毒放出物が生成されること自体が一考に値する原
因なのである。さらに、ペルフルオロカーボン液は極め
て高価であるため、長時間(例えば2、3時間以上)に
わたって患者にPAGE治療を施す場合には、気化したペル
フルオロカーボン液を再回収して治療時に同じ患者で再
利用することには正当な理由がある。このように、気体
の一回流量で換気を行いながら肺とPAGE装置の両方から
気化したペルフルオロカーボン損失物を凝縮して回収す
ることは安全かつ経済的な動機である。この凝縮機能
は、凝縮したペルフルオロカーボン蒸気をPAGE装置に再
導入する機能と同様に、流出蒸気凝縮モジュールで実行
することができる。この装置は、PAGE装置から流出され
る流出ガス/蒸気混合物と、患者からの呼息ガス/蒸気
流の両方を(この混合物が大気中に換気される前の時点
で)ガス交換器によって換気しながら取り入れる。呼息
混合物は(a)受動呼出使用時に近位端付近にあるコネ
クタの出口か(b)(呼息気体が実際にガス交換器自体
を通って排出される場合)ガス交換器の呼息流の出口の
いずれか一方からポンプでモジュールに送られる。凝縮
モジュールはPAGE装置14と一体とするか、またはガス交
換器12に取り付ける付属物として使用すればよい。
おそらく、大気圧に近いかまたは若干陽圧にある呼息
流の近位点からの流れを患者の呼息管(受動呼出中)に
接続された凝縮モジュールに取り入れなければならない
だろう。患者はガス/蒸気混合物のポンプ拍出によって
呼息時の重要な気道抵抗を生じさせるという意味で「負
荷をかけられる」べきではない。これだけで、大気圧に
近い(患者のすぐ外側で呼息混合物を収集する)換気高
圧から逆止弁を介して混合物を「排出」する動作をモジ
ュールで行うことも可能である。このような流動物の排
出すなわち吸引は、真空ポンプなどを利用して行えばよ
い。
治療期間が長くなった場合に患者でペルフルオロカー
ボンを再利用する際の必要条件を満たすために、凝縮モ
ジュールは(a)一定時間毎に周期的に、(b)モジュ
ールのペルフルオロカーボン貯蔵室内の検出最小蓄積量
に基づいて、(c)連続拍出のいずれかでペルフルオロ
カーボン液流をPAGE装置貯蔵室50へ拍出する。このよう
なペルフルオロカーボンの戻し拍出はPAGEコンピュータ
54によって制御する。
本PAGE方法は、酸素添加機構および二酸化炭素浄化機
構を簡素化することにより、ペルフルオロカーボン技術
の呼吸への応用に適した好ましいガス交換方法を提供す
るものである。このPAGE方法によって空気運動の1つに
対する「換気」の問題を少なくすることができる。これ
は比較的多量の液体を肺に注入したり肺から排出したり
する必要のある従来の液体呼吸技術では思うようになら
なかった問題である。従来の液体呼吸では、流体を比較
的高い気道圧で殆ど連続的に肺に注入したり肺から排出
したりしなければならないため、毎分このような多量の
液体を移動させる必要がある。従って、従来の液体呼吸
の安全性の限界は狭く、その柔軟性も限られてしまう。
遠位気道および肺胞が極めて低圧状態にあったとしても
近位気道は高吸息圧状態となる。ここに記載のPAGE方法
は、このような近位気道圧の問題に伴う危険を少なく
し、液体呼吸技術の柔軟性を大幅に広げ、肺の機能的残
気量の調整についての問題を簡素化する。
PAGEを利用することで呼吸機序を簡単にして羅患した
肺での呼吸運動を減らせる可能性もあるので、PAGEは上
述した実施例よりもより一層広範囲にわたって柔軟に適
用することができる。これは、PAGEを行っている間、間
欠指令呼吸(IMV)、間欠要求呼吸(IDV)、高周期ジェ
ット呼吸(HFJV)、高周期発振呼吸(HFOV)、圧力支持
呼吸(PSV)、気道圧解放呼吸(APRV)、持続的陽圧呼
吸(CPAP)、その他機械的呼吸補助の臨床上有益な形態
の様々な変形および修正などの機械呼吸モジュールによ
って液体充填肺にガスを吸入したり肺からガスを呼出し
たりする機械的運動の達成に有益である。さらに、肺疾
患に羅患した患者の瞬間呼吸動作を減らすことで、液体
の注入後に患者が瞬間的に呼吸できるようにしてPAGEを
安全かつ効果的に達成することも可能であるのは理解で
きよう。肺の二次障害(肺の気圧障害)の発生率や重篤
度を最小限におさえる意味では本発明によるこの実施例
は特に好ましい。
ペルフルオロカーボン呼吸技術を応用する場合のガス
交換の問題を簡素化することによって、PAGE方法ではペ
ルフルオロカーボンを再循環させ、ペルフルオロカーボ
ンから分解物を除去して温度を調整する過程をより一層
効果的かつ簡素な装置で簡単に行うことができる。
PAGEのプロセスはPAGEアダプタ16およびPAGE装置14を
使用して実行できるが、このプロセスによって液体呼吸
技術に最も適した液体を選択する優先順位も部分的に変
わる。PAGE装置はそれ自体ペルフルオロカーボン以外の
種類の液体の呼吸への応用に適している。従って、表面
張力および気泡の送出時の粘度を主な基準とし、酸素や
二酸化炭素の溶解性は二の次にして流体を選択すること
ができる。周知の液体呼吸にはあまり適していなかった
化学物質は、PAGEでは効果的なベヒクルとなる場合もあ
る。例えば、低含水(例えば数パーセントから約25%H2
O程度まで)ペルフルオロカーボンエマルジョンは周知
の液体呼吸によるガス交換では不適当であるが、分解物
を洗浄して薬剤を運搬するPAGE用のベヒクルとしては極
めて好ましい。このような弱水や生理食塩水エマルジョ
ンを使用する場合、臨界因子はペルフルオロカーボンが
水相の外側に存在することであると思われるが、水相の
外に存在しなければ呼息時に許容範囲外の泡沫および液
体損失が生じやすくなる。
本ペルフルオロカーボン介在ガス交換方法は、肺気道
の様々な障害および疾患を治療する上で有効である。特
に、肺の換気時にはなくしておかなければならない最大
表面張力をペルフルオロカーボン自体の最大表面張力に
制限することで、界面活性物質の欠乏や機能障害に伴う
呼吸窮迫症候群についてはペルフルオロカーボン介在ガ
ス交換を行っている期間を通して機能的に重篤度が小さ
くなる。以下、ペルフルオロカーボン介在ガス交換方法
のその他の臨床用途について述べる。
PAGEは、表面活性物質欠乏状態(未熟児呼吸窮迫症候
群)にある肺や、表面活性物質機能障害および毛細管漏
出症候群(例えば成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、胎便吸
引症候群、その他様々な急性肺疾患など)を伴う肺の換
気に特に有益な方法である。
PAGEを予防の目的で使用することで、例えばARDSや免
疫介在肺障害、肺に対する刺激性障害、サイチオキン介
在障害、エンドトキシン介在障害、その他の肺障害の原
因などによる肺機能障害を防止できると思われる。
液体呼吸中のガス交換を簡素化することで、PAGEはペ
ルフルオロカーボン産物を洗浄媒体として使用して例え
ば胎便吸引症候群、肺胞たんぱく症、生命に脅威を与え
る喘息、膵嚢胞生腺維症、その他の燕下性症候群などに
伴う肺内破片を洗浄除去することができる。
PAGEは、低表面張力ペルフルオロカーボン液を長時間
肺に充満させ、APDSの傾向がある患者における肺疾患や
肺機能障害の重篤度を小さくするためにペルフルオロカ
ーボンを使用できるようにする。毛細管漏出は、肺胞内
層における表面張力の機能であり、ペルフルオロカーボ
ンを常に存在させることで患者において有意に減少させ
得るものである。ペルフルオロカーボン自体の表面張力
は10〜20ダイン/cmであればよいが、肺胞内層/ペルフ
ルオロカーボン界面の表面張力は1ダイン/cmにできる
だけ近くし、表面活性物質がない状態の肺胞内層の正常
表面張力より小さくしてもよい。
PAGEは、心肺停止から蘇生する際に周知のガス呼吸に
比べて多くの利点がある。液体ペルフルオロカーボンは
圧縮性ではないので、CRP時に前胸部圧力の停止心臓へ
の伝達率を高めることができる。
PAGEは、冷水溺水をはじめとして低温症や心停止を特
徴とする様々な状態に陥った後に行う標準的な蘇生法に
比べて多くの利点がある。ペルフルオロカーボンは、PA
GE装置14を使用してPAGE中に温めて中隔膜および中心血
流を温めるために使用できるので、このような場合に体
外膜酸素添加(ECMO)や心臓バイパスが必要になるのを
未然に防ぐことができる。ペルフルオロカーボンの連続
処置、中隔膜および心臓温度はPAGE装置14を使用して達
成することができる。
PAGE方法およびシステム10は、手術による低温症が見
られた場合に冷却および/または再加温用として使用す
ることもできる。これは心臓外科において特に応用し得
るものである。
PAGE方法およびシステム10は、頭部外傷や脳傷害の治
療時に冷却および/または再加温用として使用してもよ
い。
PAGEは深部からの急性減圧後に血液から窒素気泡を除
去するのに効果的な手段を提供するので、「減圧痛」の
治療または防止に適用できる。
PAGEは周知の液体呼吸に代わる安全な方法を提供し、
この技術の(液体呼吸装置故障の可能性に対する)安全
を確保することができる。PAGEアダプタ16を使用するこ
とで、周知の液体呼吸時に万一装置故障が発生した場合
にもPAGEの迅速な点滴注入を確実に行うことで周知の液
体呼吸の安全性を高めることができる。
PAGEは一回流量の液体ではなく気体を優先的に含むた
め、気道閉塞と肺胞表面張力上昇との併発を特徴とする
疾患において効果的である。このような疾患の例として
ARDSが挙げられる。
PAGEアダプタ16を使用すると、周知の液体呼吸とPAGE
によるガス呼吸との間の遷移を安全かつ便宜的に実行で
きるようにすることで、周知の液体呼吸技術を簡単に間
欠的に使用できる。
PAGE装置14およびPAGE装置16は、協働して最適な肺の
機能的残気量を常に同じ値に維持しやすくする。これに
より、ペルフルオロカーボン呼吸の呼吸用途の安全性を
高め、周知の液体呼吸の過程の安全な実行を大幅に簡素
化する、 PAGEは心臓性肺水腫が認められる場合の機械呼吸を容
易にする。また、この方法によって心臓性肺水腫がある
間の肺水の蓄積速度を落とすことができる。
PAGEは、上述したシステム10で実行すると好ましく、
鬱血性心疾患に羅患した患者における心臓後負荷を減少
させることで「心臓を増大」する手段を提供する。PAGE
中ペルフルオロカーボンの重量を心窩に伝達すると、心
室後負荷は減少する。
PAGEは無気肺区域の再拡張に有益である。これは特に
体外膜酸素添加(ECMO)の間に潰れた肺区域を再度膨ら
ます際に価値がある。事実、ECMOが認められる時に肺を
長期間にわたって支持する場合には、PAGEは肺治癒時に
気圧障害の進行傾向を抑えて肺胞および気道の開存性を
維持するので周知のガス呼吸よりも優れている。
PAGEを行っている間ペルフルオロカーボンを気道と肺
胞に長期間にわたって存在させると、何等かの疾患を有
する肺や感染している肺の治癒過程も変化し、気道閉塞
の進行を防止できる場合もある。
ペルフルオロカーボンを気道と肺胞に長期間にわたっ
て存在させると、PAGE方法およびシステム10によって炎
症過程を抑制することで、免疫学上の肺障害および過敏
性肺疾患を改善できる。
PAGEは、肺血管収縮に対する刺激を改善することで、
新生児持続性肺高血圧症に羅患した乳児に対する効果的
な補助物理療法となり得る。
PAGEは、比較的動きのないペルフルオロカーボン液用
貯留室を提供することで、界面活性物質、粘液溶解剤お
よび気管支運動の正常状態を変化させる薬剤を含む様々
な医薬品および薬学上の試剤や治療薬などを効果的に分
散させたり本来の位置に残したりすることができる。こ
のような目的で使用できる薬剤は、エピネフリンやノル
エピネフリンなどの血管作動性物質、膵嚢胞性腺維症に
おける阻害を断ち切るために使用されるたんぱく分解酵
素、テルブタリンやアルブテロールなどの気管支拡張
薬、ステロイドやその他の抗炎症剤、クロマリン、化学
療法抗体や治療抗体試薬などを含む。
PAGEは、吸息時に肺での気体の分散をも促進し、本来
高い表面張力で肺を換気するために必要な膨張圧力を減
少させることで、機械呼吸時の肺の気圧障害の発生率を
減少させることができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
実施例 方法および材料 以下の研究は、ピッツバーグのアニマル・ケア・アン
ド・ユース・コミッティ・オブ・ザ・チルドレンズ・ホ
スピタル(Animal Care and Use Committee of the Chi
ldren's Hospital of Pittsuburgh)によって承認され
たものである。動物の世話と取り扱いはNIHガイドライ
ンに従った。
生後3日から21日で体重2.9±0.6kgの13頭の仔ブタに
α−クロラローゼ(50mg/kg)で麻酔をかけ、ヨウ化メ
トクリン(0.3mg/kg)を使用して麻痺させた。気管開口
術に続いて挿管によって気道を確保し、気管を気管開口
管にしっかりと固定した。市販の交換器(Servo 900C;S
iemens Elema, Shaumburg, IL)を使用して従量式持続
的陽圧呼吸を行った。血管圧測定および血液サンプリン
グのために大腿静脈を切開して動脈カテーテルおよび中
心静脈カテーテルを挿入した。これらの測定値を光ファ
イバ記録装置(PPG Biomedical, Pleasantville, NY)
にインターフェースした。動物は背臥位で胸部を閉じて
試験を行った。
安定化時、デキストラン(5%Gentran)を5ml/kg投
与し、5〜8mmHgの右心房圧を達成した。換気量を細か
く調節して18〜25呼吸/分の呼吸速度でPaCO2を30〜45t
orr(4〜6kPa)とした。吸息は呼吸サイクルの25%に
制限し、2〜5cmH2O呼吸終末陽圧を印加した。肺を酸素
(FIO2 1.0)で換気した。
5例の仔ブタにおいて、ペルフルオロカーボン介在ガ
ス交換を行う前に一回換気量に関連した肺容量全体につ
いて肺圧/容量関係を調べた。乾燥変換器を使用して近
位気道圧を連続して測定した。持続的陽圧呼吸を停止し
た。胸部は大気圧で受動的機能的残気量を確保できるよ
うにした。続いて10mlの空気で肺を機能的残気量以上15
〜25ml/kgまで膨らませた。気道圧が大気圧以下に下が
るまで10mlを回収して圧力/容量曲線のガス抜きを同様
に測定した。
これらの同じ仔ブタにおいて、呼吸器と気管開口管と
の間に呼吸タコメータ(Hans Rudolph, Kansas City, M
O)を配置して持続的陽圧呼吸時の呼息流量/容量関係
を調べ、呼吸積算器(Hewlett Packard, Waltham, MA)
にインターフェースした。後に流量−容量曲線および即
時(リアルタイム)容量曲線を構築するために持続式陽
圧呼吸を行っている間流量と容量とを同時に記録した。
試験はいずれも密度1.75g/ml、粘度0.66センチストロ
ーク、表面張力14ダイン/cm、蒸気圧75torr(10kPa)、
1気圧での酸素および二酸化炭素の溶解度56および198m
lガス/100mlペルフルオロカーボン(37℃)であるFC77
(3M, St Paul, MN)を使用して行った。FC77は水と混
和せず、無視しても差支えない肺吸収率を有する他のペ
ルフルオロカーボンに極めてよく似ている。
持続的陽圧呼吸で安定した状態を達成したら、動脈血
と静脈血とをサンプリングし、呼吸測定を行い、血管圧
を記録して以下の表に示すデータを得た。
正常時の機能的残気量に近くなるように選択した容量
30ml/kgのFC77をFIO2 1.0で予酸素添加し、37℃に温め
て30〜60秒かけて気管に点滴注入した。持続的陽圧呼吸
の際に使用したものと同一の呼吸器設定値でペルフルオ
ロカーボン充填肺のガス呼吸を実施(「ペルフルオロカ
ーボン介在ガス交換」)した。
呼吸器の設定値を変えずにペルフルオロカーボン介在
ガス交換を1時間継続した。この時間終了後、気化損失
物を置換して機能的残気量の変化を補償するために必要
な10〜20mlのFC77を肺に添加し、透明の気管開口管の立
位出口におけるペルフルオロカーボンの呼息メニスカス
を大気圧で維持した。ペルフルオロカーボンを肺から排
出した時間はなかった。他の医薬品や流体も全く添加し
なかった。ペルフルオロカーボン介在ガス交換の5、1
5、30、60分後に血液測定、呼気測定および血液流学的
測定を繰り返し行った。
ペルフルオロカーボン介在ガス交換の60分後、ペルフ
ルオロカーボン介在ガス交換前に試験した仔ブタと同一
の仔ブタで圧力/容量と流量/容量とを(上述したよう
に)繰り返し調べ、気体による肺の膨張およびガス抜き
に対するペルフルオロカーボン注入の影響を確認した。
これらの測定を行うまでペルフルオロカーボンは排出せ
ずにおいた。
ペルフルオロカーボン介在ガス交換後に静的圧力/容
量関係を調べるために、換気を中断した。ペルフルオロ
カーボン充填肺は大気圧でその残気量を確保できるよう
にしておいた。この機能的残気量を測定しようとする試
みや、ペルフルオロカーボン充填肺の機能的残気量と持
続的陽圧呼吸時の機能的残気量とを比較しようとする努
力はされなかった。ペルフルオロカーボンのメニスカス
は、気道開口管の透明な立位軸に一様に存在していた。
乾燥変換器を使用して再び近位気道圧を連続的に測定し
た。続いて10mlの空気で肺を機能的残気量以上15〜25ml
/kgまで膨らませた。気道圧が大気圧以下に下がるまで1
0mlを回収して圧力/容量曲線のガス抜きを同様に測定
した。
後で流量−容量曲線および即時容量曲線を構築してペ
ルフルオロカーボン介在ガス交換時の流量−容量関係を
研究するために、ペルフルオロカーボンガス交換を行っ
ている間(上述したように)空気の流量と容量とを同時
に記録した。
続いて塩化カリウムを大丸薬投与して動物を殺した。
死後、数頭の仔ブタを選んで胸骨を切開し、右胸壁を切
除した。死後換気を行ってペルフルオロカーボン介在ガ
ス交換時の肺換気パターンを観察した。
ペルフルオロカーボン介在ガス交換時に1時間かけて
繰り返し得た測定結果と持続性陽圧呼吸時に測定した値
とを分散分析法を使用して比較した。この後、複数の比
較用に試験結果をNeuman-Keuls補正した。
結果 FC77の点滴注入はすべての動物において極めて寛容で
あり、極めて悪い呼吸結果や血液流学的結果は全くなか
った。また、ペルフルオロカーボン介在ガス交換も副作
用なしに開始された。どの動物でもペルフルオロカーボ
ン介在ガス交換時には全く副作用は見られなかった。
ガス交換: ペルフルオロカーボン介在ガス交換の開始
時にPO2の有意な減少が見られたが、試験期間全体を通
して各動物の平均PaCO2は安定して(401±51torr(53.6
±6.8kPa)おり、動脈血は十分飽和していた。結果を以
下に示す。
PAGE時のガス交換は実質的にCPPB時の場合と同程度に
効果的であった。HCO3 -の単位はmeq/1である。すべての
値は平均±SD(標準偏差)であり、*p<0.05および*
*p<0.01は、CPPB時の値に対するものであり、これは
複数比較のためにNewman-Keuls補正を用いたANOVAによ
るものである。
ペルフルオロカーボンガス交換(PAGE)時のPaCO
2は、持続性陽圧呼吸(CPPB)時に測定したPaCO2とさほ
ど違っていなかった。ペルフルオロカーボン介在ガス交
換時の(ペルフルオロカーボン蒸気圧修正後)および持
続性陽圧呼吸時の肺胞気動脈血酸素分圧較差は同等であ
った。ペルフルオロカーボン介在ガス交換は代謝アシド
ーシスを引き起こさなかった。
呼吸パラメータ: 従量式呼吸を使用することで、ペル
フルオロカーボン介在ガス交換時と持続性陽圧呼吸時の
多量の一回換気量を比較できた。持続性陽圧呼吸時とペ
ルフルオロカーボン介在ガス交換時の一定容量の呼吸に
よって発生した最大圧力は同等であった。ペルフルオロ
カーボン介在ガス交換(PAGE)前と交換時の静的吸気終
末圧も同等であり、これらの算出吸気道抵抗および胸郭
コンプライアンスは、持続性陽圧呼吸(CPPB)時に測定
された値と同等であった。結果を以下に示す。
PAGE時とCPPB時の肺機構は実質的に等しかった。Pmax
=最大気道圧、Pei=静的吸気終末陽圧呼吸、Paw=平均
気道圧で単位はすべてcmH2Oである。ETV=動物に送られ
た実効一回換気量(ml)。Ct=ETV/(Pei-PEEP)として
算出した全胸郭コンプライアンスであって、単位はml/c
mH2Oである。Raw=(Pmax-Pei)/流量として算出した
吸気終末気道抵抗であって、単位はcmH2O/1/秒である。
値はすべて平均±SDである。*p<0.05および**p<
0.01は、CPPB時の値に対するものであり、複数比較のた
めにNewman-Keuls補正を用いたANOVAによるものであ
る。
圧−容量関係: 一回換気量の範囲内で、肺内にFC77を
存在させて圧−容量関係を一貫して変化させた。平均9.
3±0.8cmである全胸郭前後方向径とは無関係に、ペルフ
ルオロカーボン充填肺によって生成された圧力は、機能
的残気量以上で添加したガス容量のために空気を充填し
た肺(図6)と比べてわずか4cmH2O程度しか高くなかっ
た。
図6をより詳細に参照すると、FRC(ml)以上のガス
容量をy軸上にプロットし、静的気道圧(cmH2O)をx
軸上にプロットしてある。空気充填肺を白丸で示し、PF
C充填肺を黒丸で示す。機能的残気量(FRC)以上の容量
まで肺をガスで膨らますのに必要な静的気道圧は、一回
換気量の範囲内で、ペルフルオロカーボン(PFC)充填
肺の方が高かった。空気充填肺およびPFC充填肺はおそ
らくFRCでの容量に差があると思われるので、2つの曲
線の起点はFRC以上の0容量を示すものであって同一の
肺容量を示すものではない。ペルフルオロカーボン充填
正常肺の圧−容量関係は、空気充填肺の場合と同様にヒ
ステリシスを示す。空気充填肺およびペルフルオロカー
ボン充填肺の圧−容量曲線は、約4cmH2O程度(各肺膨脹
レベル毎にANOVAでp<0.01)相違している。データは
平均±semである。
呼気流量: ペルフルオロカーボンの点滴注入によって
呼気流量−容量関係は変化した。このことから、呼気道
抵抗に緩徐な増加が見られることが分かった(図7)。
最大呼気流量は減少したが、最大流量に達するまでの時
間は変化しなかった。さらに、肺時定数はわずかに増加
した(0.19秒から0.23秒になった)のみであった。呼気
は呼息の最初の0.5秒で事実上完了した(図8)。
図7をより詳細に参照すると、流量−容量関係はy軸
上に呼気流量(ml/秒)をとり、x軸上に呼気容量(m
l)をとって示されている。白丸はCPPBのデータであ
り、黒丸はPAGEについてのデータである。ペルフルオロ
カーボン介在ガス交換(PAGE)と持続性陽圧呼吸(CPP
B)の呼気流量−容量関係は、ペルフルオロカーボン介
在ガス交換時に発生する気道抵抗の緩徐な増強によって
最大流量が減少するという点で異なっている。データは
平均±semである。
図8を参照すると、呼気容量(ml)をy軸上にとり、
x軸上にとった呼気時間(秒)と比較する。白丸はCPPB
であり、黒丸はPAGEである。2〜5cmH2Oの呼気終末陽圧
呼吸に対する瞬間呼気はペルフルオロカーボン介在ガス
交換時にペルフルオロカーボンが存在することで最小限
に遅延した。肺時定数(Tc)は、ペルフルオロカーボン
介在ガス交換時に0.19秒から0.23秒まで延びた。ETV=
動物に送られる実効一回換気量である。データは平均±
semである。較差は統計的に有意ではない。
肺膨張の直接観察: 死後動物の開胸におけるペルフル
オロカーボン介在ガス交換時の肺を直接観察すること
で、肺胞の空気によるシーケンシャルな膨脹傾向がある
ことが分かった。上肺区域はその他従属部分よりも前に
ガスによって膨脹した。呼気はより一様であるように思
われた。殆ど呼気全体を通して肺は事実上無気状態(図
1)にあり、呼気終末の肺の切断面は、ペルフルオロカ
ーボンで湿ってはいるがそこには気泡は全くなかった。
呼気肺の切断面を圧縮すると流体が排出されたが、空気
は全く排出されなかった。
図1をより詳細に参照すると、ペルフルオロカーボン
介在ガス交換時にビデオテープに撮影した呼吸サイクル
の呼気終末(A)および吸気終末(B)写真が示されて
いる。右胸壁を切除し、ペルフルオロカーボン介在ガス
交換時に肺胞に空気が流入して起こる色彩の特徴変化
(ここでは暗い色で示す)と肺の組織構造を明らかにし
ている。3秒間の呼吸サイクルのうち1.5〜2秒分の呼
気時には肺は事実上無気状態であった。
血流学的変数: ペルフルオロカーボン介在ガス交換に
よって心拍数や全身動脈圧、右心房圧の有意な変化は起
こらなかった。ペルフルオロカーボン介在ガス交換時に
おける組織への酸素運搬は代謝アシドーシスを防止する
のに十分であったが、静脈酸素飽和度は持続性陽圧呼吸
時に比べてわずかに低かった。結果を以下に示す。
血流学的測定値から心拍出量が適度に減少しているこ
とが分かる。Pao=大動脈平均圧、Pra=右心房平均圧で
あり、いずれも単位はmmHgである。Sat V=右心房酸素
飽和度である。値はいずれも平均±SDである。**p<
0.01は、CPPB時の値に対するものであり、複数比較のた
めにNewman Keuls補正したANOVAによるものである。
簡単に言って、本記載は健康な仔ブタにおけるペルフ
ルオロカーボン介在ガス交換の効能を詳細に説明し、健
康な動物での換気および酸素添加はペルフルオロカーボ
ン介在ガス交換によって持続性陽圧呼吸を使用した場合
とほぼ同程度に効果的に補助し得るということを示すも
のである。以下、健康な動物における酸素添加と換気と
を補助するペルフルオロカーボン介在ガス交換の原理、
肺の表面張力が増大することによって生じる結果、界面
活性物質の欠乏や機能障害のある肺へのペルフルオロカ
ーボン介在ガス交換の代表的な適用例について述べる。
ペルフルオロカーボン介在ガス交換時のガス交換: 本
研究において仔ブタに送るガスの一回換気量は気道の推
定(2ml/kg)死腔を大幅に超過した。当然、終末気道お
よび肺胞に各15ml/kg呼吸気の殆どが分散することにな
る。高世代気道および肺胞に吸気が分散することで気体
とペルフルオロカーボンとが相互に接触し、イン ビボ
での「気泡酸素添加」に適した環境となったことが分か
る。そうでなければ、ペルフルオロカーボンによって15
ml/kg以下で溶解した酸素をペルフルオロカーボン介在
ガス交換を開始した時点で点滴注入することができたた
めに試験過程全般にわたって優れた酸素添加状態が持続
したことに対する説明のつけようがない。
ペルフルオロカーボン介在ガス交換時の空気による肺
胞の膨脹は非同期的であり、これはおそらく肺の異なっ
た立位高でのガスによるペルフルオロカーボン変位の気
道圧依存性を反映しているだろうことが開胸動物の直接
試験で明らかになった。さらに、ほぼ呼気全般を通して
全肺は無気状態であった。呼吸タコメータによる測定値
から、呼気開始後0.32秒で呼気は86%完了することが明
らかになった。従って肺は3秒間の呼吸サイクルのうち
最後の1.5〜2秒は事実上無気状態となった。このよう
な無気状態ではペルフルオロカーボンは唯一の明白な肺
胞酸素貯蔵所であった。無気状態が延びたにも関わらず
ペルフルオロカーボン介在ガス交換時の酸素添加は極め
て良好であったという観察結果から、肺のガス交換にペ
ルフルオロカーボンが直接関与していることがはっきり
と分かる。仮にそうでないとすると、肺血流の殆どは肺
内シャントを示すはずである。
しかしながら、呼気終了時に閉胸仔ブタの肺には残気
が残っていると思われ、さらにこのガス残気量は呼気交
換を補助する本研究で観察された極めて良好な酸素添加
を招いた唯一の原因であると思われる。図9は、ペルフ
ルオロカーボン介在ガス交換時における大きな1つの気
泡と肺胞表面との間で考え得る関係を2つ示したもので
ある。流体内での気泡成長(図9A)は、2つの界面すな
わちガス/ペルフルオロカーボン(X)および肺胞内層
/ペルフルオロカーボン(Y)において認められる。肺
胞内層に対する気泡成長(図9B)は、別の界面すなわち
肺胞/ガス(Z)において認められる。吸気(Insp)
は、これら考えられる界面のいずれにおいても発生する
界面力の総上昇量を最小限に抑えるよう表面を膨脹させ
るものと思われる。赤血球(RBC)は肺胞間内の毛細管
に見られる。赤血球のペルフルオロカーボンから酸素を
取り入れる能力は、ペルフルオロカーボン介在ガス交換
時のPaO2の重要な決定因子であろう。
最大吸気の時点で、肺胞には一回換気量のガスと残気
の他に30ml/kgのペルフルオロカーボンが蓄積されてい
る。仮にペルフルオロカーボンによるガス交換の補助が
できないとすれば、ペルフルオロカーボンに隣接した肺
胞表面領域を潅流する毛細管での血液流は吸気中であっ
ても肺内右左シャントを示す。ペルフルオロカーボン介
在ガス交換時のPaO2の値と15%を越える肺内シャントと
が同時に得れることはない。さらに、ペルフルオロカー
ボンを点滴注入して(ペルフルオロカーボン蒸気圧の修
正後)ペルフルオロカーボン介在ガス交換を開始した時
に見られるPO2の減少は、肺内シャントで3%〜4%を
越える上昇は示さなかった。この上昇は、ガス交換に関
与しなかった流体が肺胞内に存在することによる最大肺
内シャントを示す。
FIO21.0での持続性陽圧呼吸時よりもペルフルオロカ
ーボン介在ガス交換時の方がPaO2は低かった。理想的な
ガス交換を行うことで、動脈PaO2はPAO2=FIO2×(pB−
pH2O−pPFC)−pCO2/RQ(ここで、pは圧力、Bは気
圧、PFCはペルフルオロカーボン、RQは呼吸商)である
理論上の肺胞値(PaO2)に近くなる。測定気圧は平均74
8±5torr(78.1kPa)であった。このため、ペルフルオ
ロカーボン介在ガス交換時の平均肺胞酸素−動脈血酸素
分圧較差(185±50torr(24.7±6.7kPa))は持続性陽
圧呼吸時に測定したもの(159±61torr(21.2±8.2kP
a))と実質的に大差なかった。さらに、ペルフルオロ
カーボン介在ガス交換時のPaCO2は持続性陽圧呼吸時のP
aCO2と同等(40±4 vs. 38±6torr(すなわち5.3±0.5
vs. 5.1±0.8kPa))であった。このように、ペルフル
オロカーボン介在ガス交換時の気泡酸素添加と、ペルフ
ルオロカーボンから肺胞血管へのガス流出と、換気/潅
流整合との組み合わせは、持続性陽圧呼吸時のガス交換
と比べて大きくひけをとるものではなかった。
ペルフルオロカーボン充填肺の機械的特性: 周知の
従量式律動呼吸器を使用してペルフルオロカーボン介在
ガス交換を開始した。ペルフルオロカーボン介在ガス交
換を達成するために瞬間換気や呼吸速度、吸気時間、呼
気終末陽圧呼吸を変えはしなかった。機械的肺機能の臨
床測定値はペルフルオロカーボン介在ガス交換の場合も
持続性陽圧呼吸の場合も大差なかった。FC77の点滴注入
後も最大気道圧の上昇は認められなかった。ペルフルオ
ロカーボン介在ガス交換中、静的吸気終末呼吸も全く上
昇しなかった。ペルフルオロカーボンが存在しても肺の
機械的機能に重大な悪影響は及ばなかった。
呼気初期、最大流量は持続性陽圧呼吸の場合よりもペ
ルフルオロカーボン介在ガス交換の場合の方が少なかっ
た。ペルフルオロカーボン介在ガス交換および持続性陽
圧呼吸の吸気道抵抗は、それぞれ68および57cmH2O/1/秒
であった。ペルフルオロカーボン介在ガス交換時には気
道抵抗は明らかに高かったが、液体呼吸時に1.66kgのヒ
ツジ新生仔で報告された値(3600cmH2O/1/秒)(26)に
は近付かなかった。このことから、ペルフルオロカーボ
ン介在ガス交換時には気道に沿ったペルフルオロカーボ
ンのわずかなバルク運動があることが分かる。ペルフル
オロカーボン介在ガス交換時に起こるバルク流動の殆ど
はガスの律動運動を示すものでなければならず、ガスの
流れに対する抵抗はペルフルオロカーボン介在ガス交換
の場合と持続性陽圧呼吸の場合とでは若干異なってい
る。
空気充填肺およびペルフルオロカーボン充填肺の圧−
容量曲線は、各気体膨脹インクリメント時にわずか4cmH
2Oしか違わなかった。これは予想外の結果であり、平均
肺高は(胸部および背中の厚さ3cmを考慮に入れて)約6
cmであり、最も依存性の高い肺区域での呼気終了時にペ
ルフルオロカーボン単独の密度では10.5cmH2Oの圧力を
生じた。実際、単にペルフルオロカーボンを体外管の垂
直部分から気道の外に移動させるだけでも3〜4cmH2Oの
気道圧が必要であった。従って、気泡形成中にペルフル
オロカーボンを肺区域から移動させるために必要な圧力
は、肺内の呼気終末流体柱の高さから分かる圧力未満で
あってもよい。この驚くべき所見は、おそらく肺の不規
則な形状と肺膨脹時のガスによる気道流体柱の阻害とい
う2つの要因を反映しているものと思われる。
ガスを含有しないペルフルオロカーボン充填肺では、
圧力(P)(すなわちP=FC77密度×流体柱高)が、こ
れより高い流体によって依存性肺胞において発生した。
このことから、気道内のペルフルオロカーボンは空気に
よって移動するため、ガスで肺が膨らむにつれて立位関
連肺区域間での液体の連続性は失われると考えられる。
区域内に必ずある肺胞圧を推定して肺をこの肺胞圧以上
に保つために、肺の重量と区域上側のペルフルオロカー
ボンを近似し、この重量を肺の立位高断面積で除算す
る。肺の形状は不規則的であり、腹側(上側)よりも背
側(下側)の方が断面積が大きい。従って、その容量は
立位高と肺底断面積との積未満となる。当然、気道にガ
スが充満して流体の連続性が失われると、ペルフルオロ
カーボン重量の肺胞圧への影響度は肺の立位高から示唆
したよりも少なくなるということになる。
さらに、ガスによる膨脹時にペルフルオロカーボン充
填肺の圧−容量関係が右側に移動する原因は少なくとも
他に2つ考えられる。第1に、ペルフルオロカーボン介
在ガス交換時、気管開口管内のメニスカスが降下した時
にペルフルオロカーボンを肺に添加するためである。気
管開口流体濃度の低下の中には、ペルフルオロカーボン
介在ガス交換時の機能的残気量の緩徐な増加が原因とな
っているものもある。ペルフルオロカーボンの重量およ
び呼気終末の肺の反動圧力への影響が原因で試験を行っ
ている間機能的残気量が増加し、ペルフルオロカーボン
介在ガス交換前後の圧−容量曲線を得た時の機能的残気
量はいくらか異なっている可能性がある。第2に、ペル
フルオロカーボン介在ガス交換を開始する際に肺に点滴
注入したペルフルオロカーボン30ml/kgの他に、気管開
口管内の可視メニスカスを維持するためにペルフルオロ
カーボン介在ガス交換時の機能的残気量に加えられたペ
ルフルオロカーボンの容量の最高値で、呼気終末に大気
圧で閉胸仔ブタの肺に残気が残っていたとも考えられ
る。これが原因で機能的残気量が増加し、ペルフルオロ
カーボン介在ガス交換後には増加した機能的残気量に基
づいて圧−容量曲線を決定した可能性もある。これらの
現象のいずれか一方でもペルフルオロカーボン介在ガス
交換後の圧−容量曲線の右側への移動に実際に関与して
いるとすれば、ペルフルオロカーボン中でのガスの浮力
の圧−容量関係に対する明らかな有意度はさらに小さく
なりかねない。
持続性陽圧呼吸の間、胸郭コンプライアンスは呼気終
末陽圧呼吸から静的終末吸気呼吸までの呼吸1回毎に圧
力可動域で除算した膨脹の実効一回換気量として規定で
きる。このように規定することで、胸郭コンプライアン
スはペルフルオロカーボン介在ガス交換の開始時に3.0m
l/cmH2Oから3.1ml/cmH2Oに増加し、その後3.3ml/cmH2O
まで増加した。しかしながら、ペルフルオロカーボン介
在ガス交換の間、圧−容量関係は持続性陽圧呼吸の間に
は対応するものが全くない力を含んでいる。ペルフルオ
ロカーボン介在ガス交換の間の静的圧−容量関係は、単
一の定量コンプライアンス計算ではうまく説明すること
はできない。また、算出したコンプライアンスはペルフ
ルオロカーボン介在ガス交換の間の「堅苦しさ」だけを
反映したものでもない。肺が膨らむと、気道内の流体は
ガスによって移動し、気泡はペルフルオロカーボン充填
肺胞内に「吹き込まれ」る。これらの気泡は流体を移動
させるので、ペルフルオロカーボン介在ガス交換の間に
測定した気道圧の中には液体ペルフルオロカーボン内で
のガスの浮力を相殺するものもある。また、気道圧は気
泡の表面張力や気泡の臨床開圧、肺胞内層のペルフルオ
ロカーボンまたはガスと界面における表面張力、肺胞間
の弾性、胸郭の弾性特性などと相対する。これらの力の
相対的な寄与率は本研究では明らかにすることはできな
いが、以下のコメントを正当なものとして延べておく。
第1に、健康な仔ブタでは、ペルフルオロカーボン介
在ガス交換の間のガス呼吸は、空気呼吸や液体換気の場
合と同様に圧−容量ヒステリシスを特徴とする(27)。
しかしながら、ペルフルオロカーボン介在ガス交換の
間、適切なガス交換を行うためにヒステリシスが必要で
あるか否かははっきりしない。ペルフルオロカーボン介
在ガス交換の間、適切なガス交換を行うために呼気時に
ガスで肺胞を膨脹させておく必要はない。ペルフルオロ
カーボン中に溶解した酸素の貯蔵所がある。
第2に、Avery他(28)は、生理食塩水を予め肺胞に
点滴注入することで気体の開圧を下げることができるこ
とを示した。生理食塩水で肺を部分的に膨脹させると、
興奮状態にあるイヌの肺の気体開圧は、気体の存在しな
い潰れた肺の開圧よりも5cmH2O低くなった。多分、流体
が存在することで肺胞の曲率半径が大きくなり、肺の膨
脹前に功を奏するのであろう。ペルフルオロカーボン介
在ガス交換時には明らかにこれと同様の作用が見られ
る。呼気終末に肺胞は液体膨脹の場合のようにペルフル
オロカーボンで膨脹するからである。
さらに、ペルフルオロカーボン介在ガス交換の間、呼
気終末に肺が(見た感じのように)事実上無気状態にな
るのであれば、気体膨脹と相反する開圧は気泡形成の開
圧にしておくべきである。気泡の形成はペルフルオロカ
ーボン充填遠位気道で開始し、初期段階ではペルフルオ
ロカーボン/ガス界面が存在するようにすべきである。
肺胞内層に沿った表面張力は、ペルフルオロカーボン充
填肺胞では、気泡形成に関係する開力には殆ど関与しな
いようにすべきである。本研究で測定された適度な気道
圧は、肺胞の表面張力に関係なくこの界面に固有の開力
を相殺するには十分であろう。
第3に、正常な肺では肺胞表面張力は極めて小さいの
で、気泡は(初期形成後)吸気中に肺胞内層の表面張力
に抗してペルフルオロカーボン内以外の場所で成長する
ものと思われる(図9B)。これは界面活性物質の欠乏や
機能障害が見られる場合は例外である。界面活性物質が
欠乏した肺での気泡の成長は別の機序によってペルフル
オロカーボン内で起こる(図9A)。従って、ペルフルオ
ロカーボン介在ガス交換時に健康な肺のコンプライアン
スは界面活性物質が欠乏した肺のコンプライアンスを越
え、本研究で測定されたような低い気道圧では界面活性
物質が欠乏した肺で適切な換気が起こるとは思えない。
ペルフルオロカーボン介在ガス交換の間、持続性陽圧
呼吸時も瞬間呼吸時も同様に肺胞内層に沿って作用する
表面力を利用して吸気肺胞拡張を妨害しなければならな
い。肺胞内層/ペルフルオロカーボン界面では界面活性
物質が欠乏している場合でもこれらの力を小さくしてお
くべきである。これは表面活性物質が欠乏した動物で液
体呼吸を行っている間の肺コンプライアンスの改善を説
明し得るものである。
しかしながら、界面活性物質欠乏肺についてペルフル
オロカーボン介在ガス交換を行ったと仮定し、肺が膨ら
む時にペルフルオロカーボンによって気泡が肺胞内層か
ら離れないとすると、肺胞内層/ガス界面に沿ってより
大きな力が発生する(図9のZ参照)。このとから、気
泡は少なくとも表面力に抗し得る程度にペルフルオロカ
ーボン充填肺胞内で膨張すると推測できる。肺胞内層/
ガス界面での表面力がガス/ペルフルオロカーボン界面
での表面力(図9のX参照)を越えたとすると、気泡は
表面張力の小さいペルフルオロカーボンの方で膨張する
と思われる。ガス/ペルフルオロカーボン界面の表面張
力(14ダイン/cm)は、界面活性作用が全くない状態(7
0ダインcm)において空気/水界面で確認した表面張力
よりも実質的に小さい。また、この値は未熟期に呼吸窮
迫症候群で死亡した乳児の肺で測定した表面張力の範囲
よりもかなり小さい。このような乳児の肺から誘導され
た流体の表面張力は、一般に最小膜領域で20〜30ダイン
/cm、最大膜領域で50〜60ダイン/cmである(29)。
圧−容量関係へのさらに他の影響が議論を正当なもの
とする。ペルフルオロカーボン介在ガス交換の間、気泡
成長は肺胞の曲率半径が大きいため肺胞の表面張力に関
係なく肺胞内層に隣接して起こる。これが正しいとする
と、表面活性物質が欠乏した肺においても肺胞内層での
気泡成長によって大きな表面張力の小さい肺胞内層/ペ
ルフルオロカーボン界面(図9のY)が肺胞内層/ガス
界面とともに膨張する。これが正しければ、適切なガス
交換は、表面活性物質が欠乏していたとしても本研究で
測定したような低い膨張圧で起こる。
ペルフルオロカーボン介在ガス交換の思いがけない特
性:今までのところ宿主の疾病とされた特性は、健康な
仔ブタでのペルフルオロカーボン介在ガス交換の効能の
一因となっている。ペルフルオロカーボン介在ガス交換
を行っている間のガス交換の妥当性は、基本的にペルフ
ルオロカーボンの「一様な」気泡酸素添加と、この過程
での「一様ではないもの」と整合して肺潅流の「一様で
ないもの」を伴うこととに左右される。例えば、肺の上
側区域の方が気泡形成に有利であった場合、潅流を比較
できる程度に悪分布させなければならなかったり、依存
性肺への血液の流れが肺胞間右左シャントとして作用し
て重篤な動脈低酸素症が生じたりする。気泡の深刻な非
一様性は、潅流を再分布させることで完全に反映させた
としても、肺での血流に関与し得る肺血管の断面積を大
きく制約し、肺の循環作用に悪影響を及ぼす。ペルフル
オロカーボン介在ガス交換は肺の血流を大きく阻害する
ということは上述した限られた血流学的データからは分
からなかった。従って、換気/潅流整合の効果やペルフ
ルオロカーボン介在ガス交換時のガス交換の効率は、む
しろ驚くべきものである。
液体呼吸、ペルフルオロカーボン介在ガス交換、表面張
力障害: 液体呼吸後、容易に空気呼吸を続行すること
ができる。一般に、液体呼吸の終了時点で、動物はペル
フルオロカーボンを排出し、持続性陽圧呼吸を続行する
前に気体の機能的残気量を回復する。しかしながら、液
体呼吸後にペルフルオロカーボンを排出する過程は不完
全である。Calderwood他(30)は、完全な排出を試みた
にもかかわらず200〜400mlのペルフルオロカーボンが10
〜19kgのイヌの肺に残ったとしている。Shaffer他(3
1)は、測定した機能的残気量に相当する量を点滴注入
した後未熟な仔ヒツジでの5ml/kgの保有量を報告した。
この状態はペルフルオロカーボン介在ガス交換を行って
いる際の30ml/kgのペルフルオロカーボンを気管と左側
の本来の位置に点滴注入する環境とは異なるが、液体呼
吸(後述)後に持続性陽圧呼吸を続行した際の経験から
得たデータから、ペルフルオロカーボン介在ガス交換に
ついては界面活性物質の欠乏や機能障害時に特定の臨床
用途があることが分かる。
正常な肺の機能は液体呼吸でペルフルオロカーボンに
晒しても増強されないが、肺領域の完全な放射線写真不
透明にもかかわらず排出後の肺機能は事実上正常である
(32)。しかしながら、未熟な動物ではペルフルオロカ
ーボンを保有させることで肺機能は高まる。小さなブタ
(懐胎95日)では、液体呼吸の20分後に空気呼吸に戻っ
た際に肺コンプライアンスの2〜3倍の増加が見られた
(9)。Shaffer他(34)は、懐胎135〜138日の仔ヒツ
ジでの液体呼吸を臨床RDSで研究し、液体呼吸の前に持
続性陽圧呼吸を行った場合よりも後に行った場合の方が
最大気管間圧は低い(36±6 vs. 24±8cmH2O)ことを観
察した。懐胎はほぼ同じである仔ヒツジにおいて、Shaf
fer他(12)は、液体呼吸の後に持続性陽圧呼吸に戻る
と肺のコンプライアンスと最大気管圧は有意に改善さ
れ、気道抵抗には変化がないことを見出だした。液体呼
吸の後に持続性陽圧呼吸を継続した場合、液体呼吸の前
または液体呼吸中に継続した場合よりもPaO2は大きく、
PaCO2は低かった。懐胎はほぼ同じであり、胎便吸引の
ため誕生時は複雑になった未熟な仔ヒツジ(35)では、
液体呼吸の後に持続性陽圧呼吸を継続すると、液体呼吸
の前または途中での値と比較して動脈のPaO2およびPaCO
2が改善された。
このような、未熟な動物におけるガス交換および機械
的肺機能に対するペルフルオロカーボンが保有する好ま
しい影響から、ペルフルオロカーボン介在ガス交換によ
って界面活性物質の欠乏や機能障害を効果的に改善し得
ることが分かる。
液体呼吸を臨床応用する場合の障害: 液体呼吸技術を
臨床上応用する場合の重要な障害の1つに、体外ガス処
理およびペルフルオロカーボンの肺への出入りの律動に
必要な機械装置の複雑かつ実験的な性質がある。これら
の点に鑑みて、ペルフルオロカーボン介在ガス交換は、
液体呼吸にくらべて複雑ではなく劇的とも言えない革新
である。本方法では肺内でのペルフルオロカーボンの処
理に周知の交換器を使用しているからである。
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cts on pulmonary function in distressed meconium-s
tained lambs,Pediat Res 18(1):47,1984. 以上、本発明の好ましい実施例について述べてきた
が、当業者らは上述の明細書を読むだけでここに記載し
た主題を効果的に変化させ、等価なものを構築するなど
様々な変形を加えることができよう。従って、この特許
証を付与された保護内容は添付の請求の範囲およびこれ
と等価の物に含まれる内容によってのみ制限されるもの
とする。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペルフルオロカーボン液が肺中で気泡酸素
    添加されるペルフルオロカーボン介在ガス交換用のペル
    フルオロカーボン液含有薬剤であって、該薬剤は哺乳類
    宿主の肺気道内に導入されたときに、該宿主の呼吸によ
    る酸素含有呼吸気により肺気道内で気泡を形成し得る物
    性を有し、かつ該肺気道内で気泡が形成され酸素添加さ
    れたときにガス交換し得るガス交換能を有することを特
    徴とする前記薬剤。
  2. 【請求項2】前記呼吸がガス交換器により促進されるも
    のである請求の範囲第1項に記載の薬剤。
  3. 【請求項3】薬学上の試剤または治療用試剤をさらに含
    む請求の範囲第1項に記載の薬剤。
  4. 【請求項4】肺界面活性物質の欠乏している宿主の治療
    用である請求の範囲第1項に記載の薬剤。
  5. 【請求項5】呼吸窮迫症候群治療用である請求の範囲第
    1項に記載の薬剤。
  6. 【請求項6】蘇生の必要のある宿主の治療用である請求
    の範囲第1項に記載の薬剤。
  7. 【請求項7】心肺蘇生の必要のある宿主の治療用である
    請求の範囲第6項に記載の薬剤。
  8. 【請求項8】前記ペルフルオロカーボン液がペルフルオ
    ロオクチルブロミドである請求の範囲第1項に記載の薬
    剤。
  9. 【請求項9】ペルフルオロカーボン液を供給するペルフ
    ルオロカーボン供給手段と、呼吸気を供給および除去す
    る呼吸気供給除去手段と、 3つの開口を有し、第1の開口と第3の開口とを、また
    は、第2の開口と第3の開口とを連通させる流路スイッ
    チチャンバーと、 遠位端および近位端を有し、該遠位端は前記ペルフルオ
    ロカーボン供給手段に接続され、該近位端は前記流路ス
    イッチチャンバーの第1の開口に接続された第1の導管
    と、 遠位端と近位端を有し、該遠位端は前記呼吸気供給除去
    手段に接続され、該近位端は前記流路スイッチチャンバ
    ーの第2の開口に接続された第2の導管と、 肺気道と前記流路スイッチチャンバーとを連通させ、2
    つの末端を有し、その一端は前記流路スイッチチャンバ
    ーの第3の開口と接続され、他端は前記肺気道に接続さ
    れる体外管と、 を含むことを特徴とする、ペルフルオロカーボン液を肺
    気道に導入し、呼吸気によりペルフルオロカーボン液に
    酸素添加するための装置。
  10. 【請求項10】前記第1の導管が、空気を前記チャンバ
    ーに供給するための第1のチャネル、ペルフルオロカー
    ボン液を供給するための第2のチャネル、および、前記
    チャンバーからペルフルオロカーボン液を除去するため
    の第3のチャネルを備える請求の範囲第9項記載の装
    置。
  11. 【請求項11】前記第2の導管が大気環境に通じる開口
    を有する単一のチャネルを備える請求の範囲第9項記載
    の装置。
  12. 【請求項12】弁手段が、前記チャンバと第2ではなく
    第1の導管との間で流体の移動が構築された時に開口を
    大気環境に解放し、前記チャンバと第1ではなく第2の
    導管との間で流体の移動が構築された時に開口を閉じる
    請求の範囲第11項記載の装置。
  13. 【請求項13】ペルフルオロカーボン液を哺乳類宿主の
    肺気道に導入するための装置と、前記気道に対して酸素
    含有呼吸気を導入、除去するガス交換器と、 を含むことを特徴とする、前記肺気道中の前記ペルフル
    オロカーボン液をインビボで導入された呼吸気により酸
    素添加し、その酸素添加されたペルフルオロカーボン液
    に前記哺乳類宿主の酸素取り込みを促進させるためのシ
    ステム。
  14. 【請求項14】前記導入装置と前記ガス交換器の両方に
    作用的に接続された、ペルフルオロカーボン液および呼
    吸気の流れを調整するための装置をさらに含む請求の範
    囲第13項に記載のシステム。
  15. 【請求項15】前記ペルフルオロカーボン液がペルフル
    オロオクチルブロミドである請求の範囲第13項に記載の
    システム。
  16. 【請求項16】酸素含有呼吸気が哺乳類宿主により吸気
    された後の肺による酸素の取り込み促進用ペルフルオロ
    カーボン液含有薬剤であって、該薬剤は、吸気された呼
    吸気に接触した際にインビボで酸素を溶解し、その溶解
    した酸素を前記哺乳類宿主の肺に搬送できる物性を有す
    ることを特徴とする前記薬剤。
  17. 【請求項17】前記ペルフルオロカーボン液がペルフル
    オロオクチルブロミドである請求の範囲第16項記載の薬
    剤。
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