JP2605003Y2 - プールの床体昇降装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、プールの昇降床を昇
降させる昇降装置に係り、特に、上記床体の水平精度と
高さ精度を維持することができるように構成されてなる
プールの床体昇降装置に関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】プールの昇降床の昇降に利用さ
れる昇降装置としては、従来から圧力シリンダー装置を
用いたものが知られている。

【０００３】しかしながら、上記従来の昇降装置にあっ
ては、上記圧力シリンダーを伸縮させて床体の水平精度
や高さ精度を正確にコントロールするためには、気体や
液体の供給・排出流量を正確に制御しなければならず、
この流量制御を正確に行なうことは、この種の装置が非
常に複雑化し、かつ、大型化するため、事実上は不可能
である、という問題を有していた。

【０００４】この考案は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、上記圧力シリ
ンダー装置でプールの床体を昇降させるときに、この圧
力シリンダー装置に並設されたスクリューロッドを同期
作動させることで、圧力シリンダー機構を主動力とする
昇降装置であっても、床体の水平精度と高さ精度を容易
に維持し装置を小形簡素化することができる昇降装置を
提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための構成】上記目的を達成するため
に、この考案にあっては、プールの平板状の床体と、該
床体の下方に配設された圧力シリンダー装置とから構成
されてなり、該圧力シリンダー装置の伸縮によって上記
床体を昇降させるように構成されてなる昇降装置を技術
的前提とし、上記床体の少なくとも四隅には、上記圧力
シリンダー装置の伸縮動と同期作動して上記床体を昇降
させるスクリューロッド装置を並設し、上記床体には内
部に空気を密封する構成としたことを特徴とするもので
ある。

【０００６】

【実施例】以下、添付図面に示す一実施例に基き、この
考案を詳細に説明する。

【０００７】図１と図２は、プール床の昇降装置を示
し、この昇降装置はプールの昇降床体１０と、プールの
固定床面Ｆに埋設された圧力シリンダー装置２０と、こ
の圧力シリンダー装置２０に並設されたスクリューロッ
ド装置３０と、から構成されている。

【０００８】昇降床体１０は、例えば、合成樹脂材，ア
ルミニウム材またはステンレス材等の耐腐食性に優れ原
材のままでも美観を呈する部材で形成された面板１１
と、例えば、Ｈ型材で額縁状に形成され上記面板１１を
支持する支持枠１２と、から構成されており、図示はし
ないが、上記面板１１および／または支持枠１２には、
水中における重量が「零」となるように、内部に空気が
密封されて構成されている。

【０００９】図２に円形で示すように、上記固定床面Ｆ
に所要間隔毎に配設された各圧力シリンダー装置２０
は、上記固定床面Ｆに所要間隔毎に埋設されたシリンダ
ー２１と、該シリンダー２１に装着されたシリンダーロ
ッド２２と、このシリンダーロッド２１を流体圧で移送
する駆動源（図示せず）と、から構成されており、上記
シリンダーロッド２１の上端部は上記昇降床体１０の下
面に連結されている。

【００１０】そして、上記シリンダーロッド２２は、図
示しない同期駆動制御装置によって同一の流体圧で伸縮
作動されるように構成されている。

【００１１】一方、図２で四角形内に円形で示されてい
るスクリューロッド装置３０は、この実施例では、上記
固定床面Ｆの四隅および両長辺中央部に合計６基が配設
されており、これら各スクリューロッド装置３０は、図
１に示すように、上記固定床面Ｆの所定位置に埋設され
た収納筒体３１と、この収納筒体３１の上部に回転自在
に軸支されたベベルギア３２と、このベベルギア３２と
噛合する駆動ギア３３と、上記ベベルギア３２によって
正逆回転するスクリューロッド３４と、から構成されて
おり、上記各スクリューロッド３４の上端部は、上記昇
降床体１０の下面に連結されている。

【００１２】また、上記駆動ギア３３は、減速機構を介
在して正逆回転自在なモータ３５に作動的に連結されて
おり、これら各モータ３５は、上記シリンダーロッド２
２の同期作動と同期して上記スクリューロッド３４を昇
降させるように駆動制御される。

【００１３】尚、上記各圧力シリンダー装置２０および
各スクリューロッド装置３０は、プールの固定床面Ｆに
配設される関係上、公知の液密手段によって高精度に液
密処理されている。

【００１４】また、上記スクリューロッド装置３０のベ
ベルギア３２に代えてウォームギアなどを用いても同様
の効果が得られること勿論である。

【００１５】それ故、以上のように構成されてなるプー
ルの床体昇降装置にあっては、大荷重の昇降床体１０
を、その水平を保ちつつ各圧力シリンダー装置２０で昇
降させるときに、上記各スクリューロッド装置３０を同
期作動させることで、上記圧力シリンダー装置２０は、
荷重相当分の圧力で作動制御することができるので、圧
力シリンダー装置２０およびその駆動源を大幅に小型化
することができると共に、昇降床体１０の水平精度およ
び高さ精度を正確に維持することが容易となるという効
果が得られる。

【００１６】また、上記プールの床体昇降装置にあって
は、昇降床体１０に気体を封入して水中で重量が「零」
となるように構成したので、スクリューロッド装置３０
のスクリューロッド３４及びシリンダーロッド２２の直
径は、小径とすることができる。

【００１７】

【考案の効果】この考案に係るプールの床体昇降装置
は、以上説明したように、圧力シリンダー装置で床体を
昇降させるときに、この圧力シリンダー装置に並設され
たスクリューロッド装置を同期作動させることで、圧力
シリンダー機構を主動力とする昇降装置であっても、床
体の水平精度と高さ精度を容易に維持して昇降床を昇降
制御することができ、しかも、昇降床体に気体を封入す
る構成の併用によって装置全体を小型簡素化することも
できる等、幾多の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係るプールの床体昇降装
置を一部破断して示す断面図である。

【図２】同昇降装置を構成する圧力シリンダー装置およ
びスクリューロッド装置の配置状態を示す平面説明図で
ある。

【符号の説明】

１０ 昇降床体 ２０ 圧力シリンダー装置 ３０ スクリューロッド装置

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−195665（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−33513（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−107069（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−101600（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−74460（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−36048（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−51798（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−37199（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−45239（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B66F 17/00 B66F 7/14 B66F 7/20 E04B 5/43 E04H 4/06

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プールの平板状の床体と、該床体の下方に
   配設された圧力シリンダー装置とから構成されてなり、
   該圧力シリンダー装置の伸縮によって上記床体を昇降さ
   せるように構成されてなるプールの床体昇降装置におい
   て、上記床体の少なくとも四隅には、上記圧力シリンダ
   ー装置の伸縮動と同期作動して上記床体を昇降させるス
   クリューロッド装置を並設し、上記床体には内部に空気
   が密閉されていることを特徴とするプールの床体昇降装
   置。