JP2603267B2 - 光受容部材 - Google Patents

光受容部材

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JP2603267B2 JP62197829A JP19782987A JP2603267B2 JP 2603267 B2 JP2603267 B2 JP 2603267B2 JP 62197829 A JP62197829 A JP 62197829A JP 19782987 A JP19782987 A JP 19782987A JP 2603267 B2 JP2603267 B2 JP 2603267B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光(ここでは広義の光であって、紫外線、可
視光線、赤外線、X線、γ線などを意味する。)のよう
な電磁波に対して感受性のある光受容部材に関する。
〔従来技術〕
像形成分野において、光受容部材における光受容層を
構成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流
(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペ
クトル特性に適合した吸収スペクトル特性を有するこ
と、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使
用時において人体に対して無公害であること、等の特性
が要求される。殊に、事務機としてオフィスで使用され
る電子写真装置内に組み込まれる電子写真用光受容部材
の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点
である。
このような点に立脚して最近注目されている光導電材
料にアモルフアスシリコン(以後A−Siと表記す)があ
り、たとえば独国公開第2746967号公報、同第2855718号
公報等には電子写真用光受容部材としての応用が記載さ
れている。
第2図は、従来の電子写真用光受容部材の層構成を模
式的に示す断面図であって、201はアルミニウム系支持
体、202はA−Siからなる感光層である。こうした電子
写真用光受容部材は、一般的にはアルミニウム系支持体
201を50℃〜250℃に加熱し、該支持体上に蒸着、熱CVD
法、プラズマCVD法、スパツタリング等の成膜法により
A−Siからなる感光層202を作成する。
しかしながら、この電子写真用光受用部材は、アルミ
ニウムとA−Siの熱膨張係数が一桁程違うために、成膜
後冷却後にA−Si感光層202にクラツクやはがれが発生
する場合があり問題となっている。これらの問題を解決
するために、特開昭59−28162号公報においては、アル
ミニウム系支持体上に、少なくともアルミニウムを含む
中間層と、A−Si感光層からなる電子写真感光体が提案
されており、少なくともアルミニウムを含む中間層によ
って、アルミニウム系支持体とA−Si感光層の熱膨張係
数の違いにより発生する応力を緩和し、A−Si感光層の
クラツクやはがれを低減している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来のA−Siで構成された光受容層を
有する電子写真用光受容部材は、暗抵抗値、光感度、光
応答性などの電気的、光学的、光導電的特性および使用
環境特性の点、さらに経時的安定性および耐久性の点に
おいて、各々個々には特性の向上が計られているが、総
合的な特性向上を計る上でさらに改良される余地が存在
するのが実情である。
たとえば、近年電子写真装置の画像特性向上のために
電子写真装置内の光学露光装置、現像装置、転写装置等
の改良がなされた結果、電子写真用光受容部材において
も従来以上の画像特性の向上が求められるようになっ
た。特に画像の解像力が向上した結果、俗に「ガサツ
キ」と呼ばれる、画像濃度の微細な領域における不均一
性の減少や、俗に「ポチ」と呼ばれる、黒点状または白
点状の画像欠陥の減少、特には従来はあまり問題視され
なかった微小な大きさの「ポチ」の減少が求められるよ
うになった。
さらには、電子写真装置内に混入した異物と電子写真
用光受容部材とが接触したり、電子写真装置のメンテナ
ンス時に電子写真用光受容部材が電子写真装置本体やメ
ンテナンス用工具と接触した際に加わる比較的短時間な
衝撃性の機械的圧力による画像欠陥の発生やA−Si膜の
はがれの発生により電子写真用光受容部材の耐久性が損
なわれる等の問題があった。
さらには、アルミニウム系支持体とA−Si膜の熱膨張
率の違いにより発生する応力のために、A−Si膜にクラ
ックやはがれが生じ、生産性における歩留まりが減少す
る問題点があった。
従ってA−Si材料そのものの特性改良が計られる一方
で、電子写真用光受容部材を設計する際に、上述した問
題のすべてが解決されるように、電子写真用光受容部材
の構成上の総合的な観点からの改良を計ることが必要と
されている。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明の電子写真用光受容部材は、アルミニウム系支
持体と該支持体上に、少なくとも光導電性を有する多層
構造の光受容層を有する電子写真用光受容部材におい
て、前記光受容層が前記支持体側より、構成要素として
少なくともアルミニウム原子(Al)、シリコン原子(S
i)、水素原子(H)、銅原子(Cu)を含む無機材料
(以後「AlSiH」と略記する)で構成され且つ前記アル
ミニウム原子(Al)とシリコン原子(Si)と水素原子
(H)が、層厚方向に不均一な分布状態で含有する部分
を有する下部層と、シリコン原子(Si)を母体とし、水
素原子(H)およびハロゲン原子(X)の中の少なくと
もいずれか一方を含有する非晶質材料(以後「A−Si
(H,X)」と略記する。なお、微結晶質材料と通称され
るものはA−Si(H,X)に分類される)または多結晶質
材料(以後「poly−Si(H,X)」と略記する)あるいは
両者を含むいわゆる非単結晶質材料(以後「Non−Si
(H,X)」と略記する)で構成され、且つ前記下部層と
接する層領域に伝導性を制御する原子(M)を含有する
上部層からなることを特徴としている。
上記したような層構成を取るようにして設計された本
発明の電子写真用光受容部材は、前記諸問題の全てを解
決し得、極めて優れた、電気的特性、光学的特性、光導
電特性、画像特性、耐久性および使用環境特性を示す。
殊に下部層においてアルミニウム原子(Al)、シリコ
ン原子(Si)、特には水素原子(H)を層厚方向に不均
一な分布状態で含有させる事により、アルミニウム系支
持体と上部層との間における電荷(フォトキヤリヤ)の
注入性が改善され、さらには、アルミニウム系支持体と
上部層との構成元素の組織的構造的連続性が改善される
為に、ガサツキやポチ等の画像特性が改善され、ハーフ
トーンが鮮明に出て、且つ解像力の高い、高品質の画像
を安定して繰り返し得る事ができる。
さらには、電子写真用光受容部材に加わる比較的短時
間な衝撃性の機械的圧力による画像欠陥の発生やNon−S
i(H,X)膜のはがれの発生を防止し耐久性を向上させ、
さらには、アルミニウム系支持体とNon−Si(H,X)膜の
熱膨張率の違いにより発生する応力を緩和し、Non−Si
(H,X)膜にクラックやはがれが生じるのを防ぎ、生産
性における歩留まりを向上させることができる。
特に本発明においては、下部層中に銅原子(Cu)を含
有させることによる際立った特徴として、前記したアル
ミニウム系支持体と上部層との間における電荷(フオト
キヤリヤ)の注入性や密着性および下部層における電荷
(フオトキヤリヤ)の走行性が著しく改善されるため
に、画像特性や耐久性において著しい改善が見られると
いう特徴を有する。
さらに本発明においては、上部層において下部層と接
する層領域に伝導性を制御する原子(M)を含有させる
ことにより、上部層と下部層との間における電荷の注入
性もしくは電荷の注入阻止性を選択的に制御又は改善す
ることができ、ガサツキやポチ等の画像特性が改善さ
れ、ハーフトーンが鮮明に出て、且つ解像力の高い、高
品質の画像を安定して繰り返し得ることができ、帯電
能,感度および耐久性も改善される。
なお、前記特開昭59−28162号公報には、アルミニウ
ム原子(Al)とシリコン原子(Si)を層厚方向に不均一
に含有し、さらには水素原子(H)を含有することにつ
いては言及されているものの、水素原子(H)の含有の
され方には言及されておらず、本発明とは明確に区別さ
れるものである。
〔発明の具体的説明〕
以下、図面に従って本発明の電子写真用光受容部材に
ついて具体例を挙げて詳細に説明する。
第1図は、本発明の電子写真用光受容部材の好適な層
構成を説明するために模式的に示した構成図である。
第1図に示す電子写真用光受容部材100は、電子写真
用光受容部材用としてのアルミニウム系支持体101の上
に、AlSiHで構成され且つ前記アルミニウム原子(Al)
とシリコン原子(Si)と水素原子(H)が、層厚方向に
不均一な分布状態で含有する部分を有する下部層103
と、Non−Si(H,X)で構成され、且つ前記下部層と接す
る層領域に伝導性を制御する原子(M)を含有する上部
層104とから成る層構成を有する光受容層102とを有す
る。上部層104は自由表面105を有する。
支持体 本発明において使用されるアルミニウム系支持体101
としては、アルミニウム合金が用いられる。本発明のア
ルミニウム合金における、基質アルミニウムをはじめと
する合金成分については、特に制限はなく、成分の種
類、組成等については任意に選択することができる。従
って、本発明のアルミニウム合金には、日本工業規格
(JIS)、AA規格、BS規格、DIN規格、国際合金登録等に
展伸材、鋳物用、ダイカスト等とし規格化あるいは登録
されている、純アルミニウム系、Al−Cu系、Al−Mn系、
Al−Si系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系、等
の組成の合金、Al−Cu−Mg系(ジュラルミン、超ジュラ
ルミン等)、Al−Cu−Si系(ラウタル等)、Al−Cu−Ni
−Mg系(Y合金、RR合金等)、アルミニウム粉末焼結体
(SAP)等が含有される。
因みに、本発明のアルミニウム合金の具体的組成を以
下に例示するが、これは本発明の一例にすぎず、下記の
例示により本発明が限定されるものではない。
純アルミニウム系としては、例えばJIS1100の、Si及
びFe1.0重量%以下、Cu 0.05〜0.20重量%、Mn 0.05重
量%以下、Zn 0.10重量%以下、Al 99.00重量%以上が
挙げられる。
Al−Cu−Mg系としては、例えばJIS2017の、Si 0.05〜
0.20重量%、Fe 0.7重量%以下、Cu 3.5〜4.5重量%、M
n 0.40〜1.0重量%、Mg 0.40〜0.8重量%、Zn 0.25重量
%以下、Cr 0.10重量%以下、Al 残部が挙げられる。
Al−Mn系としては、例えばJIS3003の、Si 0.6重量%
以下、Fe 0.7重量%以下、Cu 0.05〜0.20重量%、Mn 1.
0〜1.5重量%、Zn 0.10重量%以下、Al 残部が挙げられ
る。
Al−Si系としては、例えばJIS4032の、Si 11.0〜13.5
重量%、Fe 1.0重量%以下、Cu 0.50〜1.3重量%、Mg
0.8〜1.3重量%、Zn 0.25重量%以下、Cr 0.10重量%以
下、Ni 0.5〜1.3重量%、Al 残部が挙げられる。
Al−Mg系としては、例えばJIS5086の、Si 0.40重量%
以下、Fe 0.50重量%以下、Cu 0.10重量%以下、Mn 0.2
0〜0.7重量%、Mg 3.5〜4.5重量%、Zn 0.25重量%以
下、Cr 0.05〜0.25重量%、Ti 0.15重量%以下、Al残部
が挙げられる。
さらには、Si 0.50重量%以下、Fe 0.25重量%以下、
Cu 0.04〜0.20重量%、Mn 0.01〜1.0重量%、Mg 0.5〜1
0重量%、Zn 0.03〜0.25重量%、Cr 0.05〜0.50重量
%、Ti又はZr 0.05〜0.20重量%、H2 Al 100グラムに対
して1.0cc以下、Al 残部が挙げられる。
また更には、Si 0.12重量%以下、Fe 0.15重量%以
下、Mn 0.30重量%以下、Mg 0.5〜5.5重量%、Zn 0.01
〜1.0重量%、Cr 0.20重量%以下、Zr 0.01〜0.25重量
%、Al 残部が挙げられる。
Al−Mg−Si系としては、例えばJIS6063の、Si 0.20〜
0.6重量%以下、Fe 0.35重量%以下、Cu 0.10重量%以
下、Mn 0.10重量%以下、Mg 0.45〜0.9重量%、Zn 0.10
重量%以下、Cr 0.10重量%以下、Ti 0.10重量%以下、
Al 残部が挙げられる。
Al−Zn−Mg系としては、例えばJIS7N01の、Si 0.30重
量%以下、Fe 0.35重量%以下、Cu 0.20重量%以下、Mn
0.20〜0.7重量%、Mg 1.0〜2.0重量%、Zn 4.0〜5.0重
量%、Cr 0.30重量%以下、Ti 0.20重量%以下、Zr 0.2
5重量%以下、V 0.10重量%以下、Al 残部が挙げられ
る。
本発明においてアルミニウム合金の組成を選択するに
は、使用目的に応じた特性として、例えば機械的強度、
耐食性、加工性、耐熱性、寸法制度等を考慮して適宜に
選択すれば良いが、例えば精密加工に際して、鏡面化切
削加工等を伴う場合には、アルミニウム合金中にマグネ
シウム(Mg)及び/又は銅(Cu)を共存させることによ
って、アルミニウム合金の快削性が向上する。
本発明においてアルミニウム系支持体101の形状は、
平滑表面あるいは凸凹表面の円筒状あるいは板状無端ベ
ルト状であることができ、その厚さは、所望通りの電子
写真用光受容部材を形成しうるように適宜決定するが、
電子写真用光受容部材としての可撓性が要求される場合
には、支持体としての機能が充分発揮される範囲内で可
能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体
の製造上及び取扱い上、機械的強度の点から、通常は10
μm以上とされる。
レーザー光などの可干渉光を用いて像記録を行う場合
には、可視画像において現れる、いわゆる干渉縞模様に
よる画像不良を解消する為に、アルミニウム系支持体表
面に凹凸を設けてもよい。
支持体表面に設けられる凹凸は、特開昭60−168156号
公報、特開昭60−178457号公報、特開昭60−225854号公
報等に記載された公知の方法により作成される。
また、レーザー光などの可干渉光を用いた場合の干渉
縞模様による画像不良を解消する別の方法として、支持
体表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形状を設けても
よい。
すなわち支持体の表面が電子写真用光受容部材に要求
される解像力よりも微小な凹凸を有し、しかも該凹凸
は、複数の球状痕跡窪みによるものである。
支持体表面に設けられる複数の窮状痕跡窪みによる凹
凸は、特開昭61−231561号公報に記載された公知の方法
により作成される。
下部層 本発明における下部層は、構成要素として少なくとも
アルミニウム原子(Al)、シリコン原子(Si)、水素原
子(H)、銅原子(Cu)を含む無機材料で構成され、必
要に応じて耐久性を調整する原子(CNOC)、画質を調整
する原子(MC)、ハロゲン原子(X)、ゲルマニウム原
子(Ge)、スズ原子(Sn)、マグネシウム原子(Mg)を
含有してもよい。
該下部層に含有されるアルミニウム原子(Al)、シリ
コン原子(Si)、水素原子(H)は、該下部層の全層領
域に万偏無く含有されてはいるが、層厚方向においてそ
の分布濃度が不均一である部分を有する。しかしなが
ら、支持体の表面と平行な面内方向においては、均一な
分布で万偏無く含有されることが、面内方向における特
性の均一化を図る点からも必要である。
該下部層に含有される銅原子(Cu)と、必要に応じて
含有されるゲルマニウム原子(Ge)およびスズ原子(S
n)および耐久性を調整する原子(CNOC)および画質を
調整する原子(MC)およびハロゲン原子(X)およびマ
グネシウム原子(Mg)は、下部層の全層領域に万偏無く
均一な分布状態で含有されても良いし、あるいは該下部
層の全層領域に万偏無く含有されてはいるが、層厚方向
に対し不均一に分布する状態で含有している部分があっ
ても良い。しかしながら、いずれの場合にも支持体の表
面と平行な面内方向においては、均一な分布で万偏無く
含有されることが、面内方向における特性の均一化を図
る点からも必要である。
また、好ましい実施態様例の1つにおいては、下部層
中におけるアルミニウム原子(Al)、シリコン原子(S
i)、水素原子(H)の分布状態は全層領域にアルミニ
ウム原子(Al)、シリコン原子(Si),水素原子(H)
が連続的に万偏無く分布し、アルミニウム原子(Al)の
層厚方向の分布濃度が支持体側より上部層に向かって減
少する変化が与えられ、シリコン原子(Si)、水素原子
(H)の層厚方向の分布濃度が支持体側より上部層に向
かって増加する変化が与えられているので、アルミニウ
ム系支持体と下部層及び下部層と上部層との親和性に優
れている。
本発明の電子写真用光受容部材においては、前記した
ように下部層中に含有されるアルミニウム原子(Al)、
シリコン原子(Si)、水素原子(H)の分布状態は、層
厚方向においては前記の様な分布状態を取り、支持体の
表面と平行な面内方向には均一な分布状態とされるのが
望ましい。
第3図乃至第8図には、本発明における電子写真用光
受容部材の下部層中に含有されるアルミニウム原子(A
l)、銅原子(Cu)と、必要に応じて含有されるゲルマ
ニウム原子(Ge)およびスズ原子(Sn)および耐久性を
調整する原子(CNOC)および画質を調整する原子(MC
およびハロゲン原子(X)およびマグネシウム原子(M
g)の層厚方向の分布状態の典型的例が示される。
第3図乃至第8図において、横軸はアルミニウム原子
(以後「原子(Al)」と略記する)、銅原子(Cu)(以
後「原子(Cu)」と略記する)、マグネシウム原子(M
g)(以後「原子(Mg)」と略記する)、ゲルマニウム
原子(Ge)およびスズ原子(Sn)(以後「原子(G
SC)」と略記する)、耐久性を調整する原子(CNOC
(以後「原子(CNOC)」と略記する)、画質を調整する
原子(MC)(以後「原子(MC)」と略記する)、ハロゲ
ン原子(X)(以後「原子(X)」と略記し、原子(A
l)と原子(Cu)と原子(Mg)と原子(GSC)と原子(CN
OC)と原子(MC)と原子(X)を総称して「原子(AC
u)」と略記する。但し原子(Al)と原子(Cu)と原子
(Mg)と原子(GSC)と原子(CNOC)と原子(MC)と原
子(X)の層厚方向の分布状態は同一であってもよいし
異ってもよい)の分布濃度Cを、縦軸は下部層の層厚を
示し、tBは支持体側の下部層の端面の位置を、tTは上部
層側の下部層の端面の位置を示す。すなわち、原子(AC
u)の含有される下部層はtB側よりtT側に向かって層形
成される。
第3図には、下部層中に含有される原子(ACu)の層
厚方向の分布状態の第1の異型例が示される。
第3図に示される例では、含有される原子(ACu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置t31までは濃度C31なる一
定の値を取り、位置t31より位置tTに至るまで濃度C31
ら一次関数的に減少して、位置tTにおいて濃度C32とな
る様な分布状態を形成している。
第4図に示される例では、含有される原子(ACu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C41
ら一次関数的に減少して、位置tTにおいて濃度C42とな
る様な分布状態を形成している。
第5図に示される例では、含有される原子(ACu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C51
ら徐々に連続的に減少して、位置tTにおいて濃度C52
なる様な分布状態を形成している。
第6図に示される例では、含有される原子(ACu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置t61までは濃度C61なる一
定の値を取り、位置t61より位置tTまでは濃度C62から一
次関数的に減少して、位置tTにおいて濃度C63となる様
な分布状態を形成している。
第7図に示される例では、含有される原子(ACu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置t71まで濃度C71なる一定
の値を取り、位置t71より位置tTに至るまで濃度C72から
徐々に連続的に減少して、位置tTにおいて濃度C73とな
る様な分布状態を形成している。
第8図に示される例では、含有される原子(ACu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C81
ら徐々に連続的に減少して、位置tTにおいて濃度C82
なる様な分布状態を形成している。
以上、第3図乃至第8図により下部層中に含有される
原子の層厚方向の分布状態の典型例の幾つかを説明した
ように、本発明においては、支持体側において、シリコ
ン原子(Si)、水素原子(H)を含み、且つ原子(Al)
の分布濃度Cの高い部分を有し、界面tTにおいて、前記
分布濃度Cが支持体側に比べてかなり低くされた部分を
有する場合には、好適な例が形成される。この場合、原
子(Al)の分布濃度の最大値Cmaxは、好ましくは10原子
%以上、より好適には30原子%以上、最適には50原子%
以上とされる様な分布状態となり得るように層形成され
るのが望ましい。
本発明において、下部層中に含有される原子(Al)の
含有量としては、本発明の目的が効果的に達成されるよ
うに所望に従って適宜決められるが、好ましくは5原子
%を越え95原子%以下、より好ましくは10〜90原子%、
最適には20〜80原子%とされるのが望ましい。
第9図乃至第16図には、本発明における電子写真用光
受容部材の下部層中に含有されるシリコン原子(Si)、
水素原子(H)、銅原子(Cu)、必要に応じて含有され
るマグネシウム原子(Mg)、ゲルマニウム原子(Ge)、
スズ原子(Sn)、原子(CNOC)、原子(MC)、ハロゲン
原子(X)の層厚方向の分布状態の典型的例が示され
る。
第9図乃至第16図において、横軸はシリコン原子(S
i)、水素原子(H)、銅原子(Cu)、マグネシウム原
子(Mg)、原子(GSC)、原子(CNOC)、原子(MC)、
原子(X)(以後これらを総称して「原子(SHCu)」と
略記する。但しシリコン原子(Si)と水素原子(H)と
銅原子(Cu)とマグネシウム原子(Mg)と原子(GSC
と原子(CNOC)と原子(MC)と原子(X)の層厚方向の
分布状態は同一であってもよいし異なってもよい)の分
布濃度Cを、縦軸は下部層の層厚を示し、tBは支持体側
の下部層の端面の位置を、tTは上部層側の下部層の端面
の位置を示す。すなわち、原子(SHCu)の含有される下
部層はtB側よりtT側に向かって層形成される。
第9図には、下部層中に含有される原子(SHCu)の層
厚方向の分布状態の第1の典型例が示される。
第9図に示される例では、含有される原子(SHCu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置t91に至るまで濃度C91
ら一時関数的に増加して、位置t91より位置tTまでは濃
度C92なる一定の値を取る様な分布状態を形成してい
る。
第10図に示される例では、含有される原子(SHCu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置tTまでは濃度C101から一
次関数的に増加して、位置tTにおいて濃度C102となる様
な分布状態を形成している。
第11図に示される例では、含有される原子(SHCu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C111
ら徐々に連続的に増加して位置tTにおいて濃度C112とな
る様な分布状態を形成している。
第12図に示される例では、含有される原子(SHCu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置t121に至るまで濃度C121
から一時関数的に増加して、位置t121において濃度C122
となり、位置t121より位置tTまでは濃度C123なる一定の
値を取る様な分布状態を形成している。
第13図に示される例では、含有される原子(SHCu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置t131に至るまで濃度C131
から徐々に連続的に増加して位置t131において濃度C132
となり、位置t131より位置tTまでは濃度C133なる一定の
値を取る様な分布状態を形成している。
第14図に示される例では、含有される原子(SHCu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C141
ら徐々に連続的に増加して位置tTにおいて濃度C142とな
る様な分布状態を形成している。
第15図に示される例では、含有される原子(SHCu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置t151に至るまで実質的に
零(ここで実質的に零とは検出限界量未満の場合であ
る、以後の「実質的に零」の意味も同様である)から徐
々に増加して位置t151において濃度C151となり、位置t
151より位置tTに至るまで濃度C152なる一定の値を取る
様な分布状態を形成している。
第16図に示される例では、含有される原子(SHCu)の
分布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで実質的に零
から徐々に増加して位置tTにおいて濃度C161となる様な
分布状態を形成している。
以上、第9図乃至第16図により下部層中に含有される
シリコン原子(Si)、水素原子(H)の層厚方向の分布
状態の典型例の幾つかを説明したように、本発明におい
ては、支持体側において、アルミニウム原子(Al)を含
み、且つシリコン原子(Si)、水素原子(H)の分布濃
度Cの低い部分を有し、界面tTにおいては、前記分布濃
度Cは支持体側に比べてかなり高くされた部分を有する
シリコン原子(Si)、水素原子(H)の分布状態が下部
層に設けられている場合において、好適な例が形成され
る。この場合、シリコン原子(Si)、水素原子(H)の
和の分布濃度の最大値Cmaxは、好ましくは10原子%以
上、より好適には30原子%以上、最適には50原子%以上
とされる様な分布状態となり得るように層形成されるの
が望ましい。
本発明において、下部層中に含有されるシリコン原子
(Si)の含有量としては、本発明の目的が効果的に達成
されるように所望に従って適宜決められるが、好ましく
は5〜95原子%、より好ましくは10〜90原子%、最適に
は20〜80原子%とされるのが望ましい。
本発明において、下部層中に含有される水素原子
(H)の含有量としては、本発明の目的が効果的に達成
されるように所望に従って適宜決められるが、好ましく
は0.01〜70原子%、より好ましくは0.1〜50原子%、最
適には1〜40原子%とされるのが望ましい。
本発明においては、下部層に銅原子(Cu)を含有させ
ることによって、主としてアルミニウム系支持体と上部
層の間における電荷の注入性を向上させる効果および/
または下部層中での電荷の走行性を改善する効果および
/またはアルミニウム系支持体と上部層の間における密
着性を向上させる効果を得ることができる。下部層中に
含有される銅原子(Cu)の含有量としては、本発明の目
的が効果的に達成されるように所望に従って適宜決めら
れるが、好ましくは1〜2×105原子ppm、より好ましく
は1×102〜1×105原子ppm、最適には5×102〜5×10
4原子ppmとされるのが望ましい。
下部層に、必要に応じてマグネシウム原子(Mg)を含
有させることによって、主としてアルミニウム系支持体
と上部層の間における電荷の注入性を向上させる効果お
よび/または下部層中での電荷の走行性を改善する効果
および/またはアルミニウム系支持体と上部層の間にお
ける密着性を向上させる効果を得ることができる。下部
層中に含有されるマグネシウム原子(Mg)の含有量とし
ては、本発明の目的が効果的に達成されるように所望に
従って適宜決められるが、好ましくは1〜2×105原子p
pm、より好ましくは1×102〜1×105原子ppm、最適に
は5×102〜5×104原子ppmとされるのが望ましい。
下部層に、必要に応じてゲルマニウム原子(Ge)およ
び/またはスズ原子(Sn)を含有させることによって、
主としてアルミニウム系支持体と上部層の間における電
荷の注入性を向上させる効果および/または下部層中で
の電荷の走行性を改善する効果および/またはアルミニ
ウム系支持体と上部層の間における密着性を向上させる
効果を得ることができる。さらに、下部層においてアル
ミニウム原子(Al)の含有量の少ない層領域では禁制帯
幅を狭くする効果があり、電子写真装置の画像露光源に
半導体レーザー等の長波長光を用いる場合に干渉現象の
現出を低減する効果を得ることができる。下部層中に含
有されるゲルマニウム原子(Ge)および/またはスズ原
子(Sn)の含有量としては、本発明の目的が効果的に達
成される様に所望に従って適宜決められるが、好ましく
は1〜9×105原子ppm、より好ましくは1×102〜8×1
05原子ppm、最適には5×102〜7×105原子ppmとされる
のが望ましい。
前記の必要に応じて含有されるハロゲン原子(X)と
しては、フツ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子
(Br)、ヨウ素原子(I)を用いる。本発明において
は、下部層にハロゲン原子(X)としてフツ素原子
(F)および/または塩素原子(Cl)および/または臭
素原子(Br)および/またはヨウ素原子(I)を含有さ
せることによって、主として下部層中に含有されるシリ
コン原子(Si)、アルミニウム原子(Al)等の未結合手
を補償し、組織的構造的に安定となって層品質を向上さ
せることができる。下部層中に含有されるハロゲン原子
(X)の含有量としては、本発明の目的が効果的に達成
されるように所望に従って適宜決められるが、好ましく
は1〜4×105原子ppm、より好ましくは10〜3×105
子ppm、最適には1×102〜2×105原子ppmとされるのが
望ましい。
前記の必要に応じて含有される耐久性を調整する原子
(CNOC)としては、炭素原子(C)、窒素原子(N)、
酸素原子(O)を用いる。本発明においては、下部層に
耐久性を調整する原子(CNOC)として炭素原子(C)お
よび/または窒素原子(N)および/または酸素原子
(O)を含有させることによって、主としてアルミニウ
ム系支持体と上部層との間における電荷の注入性を向上
させる効果および/または下部層中での電荷の走行性を
改善する効果および/またはアルミニウム系支持体と上
部層の密着性を改善する効果を得ることができる。さら
に、下部層においてアルミニウム原子(Al)の含有量の
少ない層領域では禁制帯幅を制御する効果も得ることが
できる。下部層に含有される耐久性を調整する原子(CN
OC)の含有量としては好ましくは10〜5×105原子ppm、
より好ましくは5×101〜4×105原子ppm、最適には1
×102〜3×105原子ppmとされるのが望ましい。
前記の必要に応じて含有される画質を調整する原子
(MC)としてはアルミニウム原子(Al)を除く周期律表
第III族に属する原子(以後「第III族原子」と略記す
る)、窒素原子(N)を除く周期律表第V族に属する原
子(以後「第V族原子」と略記する)、酸素原子(O)
を除く周期律表第VI族に属する原子(以後「第VI族原
子」と略記する)を用いる。第III族原子としては、具
体的には、B(硼素),Ga(ガリウム),In(インジウ
ム),Tl(タリウム)等があり、特にB,Gaが好適であ
る。第V族原子としては、具体的には、P(燐),As
(砒素),Sb(アンチモン),Bi(ビスマス)等があり、
特にP,Asが好適である。第VI族原子としては、具体的に
は、S(硫黄),Se(セレン),Te(テルル),Po(ポロ
ニウム)等があり、特にS,Seが好適である。本発明にお
いては、下部層に画質を調整する原子(MC)として第II
I族原子または第V族原子または第VI族原子を含有させ
ることによって、主としてアルミニウム系支持体と上部
層との間における電荷の注入性を向上させる効果および
/または下部層中での電荷の走行性を改善する効果を得
る事ができる。更に、下部層においてアルミニウム原子
(Al)の含有量の少ない層領域では伝導型および/また
は伝導率を制御する効果も得る事ができる。下部層に含
有される画質を調整する原子(MC)の含有量としては好
ましくは1×10-3〜5×104原子ppm、より好ましくは1
×10-2〜1×104原子ppm、最適には1×10-1〜5×103
原子ppmとされるのが望ましい。
本発明において、AlSiHで構成される下部層は、たと
えば、後述される上部層と同様の真空堆積膜形成法によ
って、所望特性が得られるように適宜成膜パラメータの
数値条件が設定されて作成される。具体的には、たとえ
ばグロー放電性(低周波CVD、高周波CVDまたはマイクロ
波CVD等の交流放電CVD、あるいは直流放電CVD等)、ECR
−CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ
ーテイング法、光CVD法、材料の原料ガスを分解するこ
とにより生成される活性種(A)と、該活性種(A)と
化学的相互作用をする成膜用の化学物質より生成される
活性種(B)とを、各々別々に堆積膜を形成するための
成膜空間内に導入し、これらを化学反応させることによ
って材料を形成する方法(以後「HRCVD法」と略記す
る)、材料の原料ガスと、該原料ガスに酸化作用をする
性質を有するハロゲン系の酸化ガスを各々別々に堆積膜
を形成するための成膜区間内に導入し、これらを化学反
応させることによって材料を形成する方法(以後「FOCV
D法」と略記する)などの数々の薄膜堆積法によって形
成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条
件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される
電子写真用光受容部材に所望される特性等の要因によっ
て適宜選択されて採用されるが、所望の特性を有する電
子写真用光受容部材を製造するに当っての条件の制御が
比較的容易であり、アルミニウム原子(Al)、シリコン
原子(Si)と共に、水素原子(H)の導入を容易に行い
得る等のことからして、グロー放電法、スパッタリング
法、イオンプレーテイング法、HRCVD法、FOCVD法が好適
である。そして、これらの方法を同一装置系内で併用し
て形成してもよい。
たとえば、グロー放電法によって、AlSiHで構成され
る下部層を形成するには、基本的にはアルミニウム原子
(Al)を供給し得るAl供給用ガスと、シリコン原子(S
i)を供給し得るSi供給用ガスと、水素原子(H)を供
給し得るH供給用ガスと、銅原子(Cu)を供給し得るCu
供給用ガスと、必要に応じてマグネシウム原子(Mg)を
供給し得るMg供給用ガスと、必要に応じてゲルマニウム
原子(Ge)およびスズ原子(Sn)を供給し得るGSC供給
用ガスと、必要に応じてハロゲン原子(X)を供給し得
るX供給用ガスと、必要に応じて耐久性を調整する原子
(CNOC)を供給し得るCNOC供給用ガスと、必要に応じて
画質を調整する原子(MC)を供給し得るMC供給用ガス
を、内部が減圧にし得る堆積室内に所望のガス圧状態で
導入して、該堆積室内にグロー放電を生起させ、あらか
じめ所定の位置に設置されてある所定の支持体表面上に
AlSiHからなる層を形成すればよい。
HRCVD法によってAlSiHで構成される下部層を形成するに
は、基本的には、アルミニウム原子(Al)を供給し得る
Al供給用ガスと、シリコン原子(Si)を供給し得るSi供
給用ガスと、銅原子(Cu)を供給し得るCu供給用ガス
と、必要に応じてマグネシウム原子(Mg)を供給し得る
Mg供給用ガスと、必要に応じてゲルマニウム原子(Ge)
およびスズ原子(Sn)を供給し得るGSC供給用ガスと、
必要に応じてハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用
ガスと、必要に応じて耐久性を調整する原子(CNOC)を
供給し得るCNOC供給用ガスと、必要に応じて画質を調整
する原子(MC)を供給し得るMC供給用ガスを、必要に応
じて別々に、あるいは一緒に、内部が減圧にし得る堆積
室内の前段に設けた活性化空間に所望のガス圧状態で導
入して、該活性化空間内にグロー放電を生起させ、また
は加熱したりすることにより活性種(A)を生成し、水
素原子(H)を供給し得るH供給用ガスを同様に別の活
性化空間に導入して活性種(B)を生成し、活性種
(A)と活性種(B)を各々別々に前記堆積室内に導入
してあらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持
体表面上にAlSiHからなる層を形成すればよい。
FOCVD法によってAlSiHで構成される下部層を形成する
には、基本的にはアルミニウム原子(Al)を供給し得る
Al供給用ガスと、シリコン原子(Si)を供給し得るSi供
給用ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用ガス
と、銅原子(Cu)を供給し得るCu供給用ガスと、必要に
応じてマグネシウム原子(Mg)を供給し得るMg供給用ガ
スと、必要に応じてゲルマニウム原子(Ge)およびスズ
原子(Sn)を供給し得るGSC供給用ガスと、必要に応じ
てハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用ガスと、必
要に応じて耐久性を調整する原子(CNOC)を供給し得る
CNOC供給用ガスと、必要に応じて画質を調整する原子
(MC)を供給し得るMC供給用ガスを、必要に応じて別々
に、あるいは一緒に、内部が減圧にし得る堆積室内に所
望のガス圧状態で導入し、さらにハロゲン(X)ガスを
前記原料ガスとは別に前記堆積室内に所望のガス圧状態
で導入し、堆積室内でこれらのガスを化学反応させて、
あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体表
面上にAlSiHからなる層を形成すればよい。
スパツタリング法で形成する場合には、たとえばAr、
He等の不活性ガスまたはこれ等のガスをベースとした混
合ガスの雰囲気中でAlで構成されたターゲット、Siで構
成されたターゲットを使用して、またはAlとSiの混合さ
れたターゲットを使用して、水素原子(H)を供給し得
るH供給用ガスと、銅原子(Cu)を供給し得るCu供給用
ガスと、必要に応じてマグネシウム原子(Mg)を供給し
得るMg供給用ガスと、必要に応じてゲルマニウム原子
(Ge)およびスズ原子(Sn)を供給し得るGSC供給用ガ
スと、必要に応じてハロゲン原子(X)を供給し得るX
供給用ガスと、必要に応じて耐久性を調整する原子(CN
OC)を供給し得るCNOC供給用ガスと、必要に応じて画質
を調整する原子(MC)を供給し得るMC供給用ガスを、ス
パッタリング用の堆積室に導入し、さらに必要に応じ
て、アルミニウム原子(Al)を供給し得るAl供給用ガス
および/またはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給
用ガスを、スパッタリング用の堆積室に導入し、所望の
ガスのプラズマ雰囲気を形成することによって成され
る。
イオンプレーテイング法の場合には、たとえばアルミ
ニウムと多結晶シリコンまたは単結晶シリコンとを、そ
れぞれ蒸発源として蒸着ボードに収容し、この蒸発源を
抵抗加熱法、あるいはエレクトロンビーム法(EB法)等
によって加熱蒸発させ、飛翔蒸発物を所望のガスプラズ
マ雰囲気中を通過させる以外は、スパッタリング法の場
合と同様にする事で行うことができる。
本発明において下部層の形成の際に、該層に含有され
るアルミニウム原子(Al)、シリコン原子(Si)、水素
原子(H)、銅原子(Cu)、必要に応じて含有されるマ
グネシウム原子(Mg)およびゲルマニウム原子(Ge)お
よびスズ原子(Sn)およびハロゲン原子(X)および耐
久性を調整する原子(CNOC)および画質を調整する原子
(MC)(以後これらを総称して「原子(ASH)」と略記
する)の分布濃度Cを層厚方向に変化させて、所望の層
厚方向の分布状態(depth profile)を有する層を形成
するには、グロー放電法、HRCVD法、FOCVD法の場合には
分布濃度を変化させるべき原子(ASH)供給用ガスを、
そのガス流量を所望の変化率曲線にしたがって適宜変化
させ、堆積室内に導入することによって成される。
たとえば、手動あるいは外部駆動モータ等の通常用い
られている何らかの方法により、ガス流路系の途中に設
けられた所定のニードルバルブの開口を適宜変化させ
る。
また別の方法としては、ガス流量を制御しているマス
フローコントローラーの流量設定を、手動あるいはプロ
グラム可能な制御装置を用いる等の通常用いられている
何らかの方法により適宜変化させる。
スパツタリング法によって形成する場合、原子(AS
H)の分布濃度Cを層厚方向に変化させて、所望の層厚
方向の分布状態(depth profile)を有する層を形成す
るには、第一には、グロー放電法による場合と同様に、
原子(ASH)供給用の原料をガス状態で使用し、そのガ
ス流量を所望の変化率曲線にしたがって適宜変化させ、
堆積室内に導入することによって成される。
第二は、スパツタリング用のターゲットを、例えばAl
とSiとの混合されたターゲットを使用するのであれば、
AlとSiの混合比を、ターゲツトの層厚方向において、あ
らかじめ変化させておくことによって成される。
本発明において使用されるAl供給用ガスと成り得る物
質としては、AlCl3,AlBr3,AlI3,Al(CH3)2Cl,Al(CH3)
3,Al(OCH3)3,Al(C2H5)3,Al(OC2H5)3,Al(i-C4H9)3
Al(i-C3H7)3,Al(C3H7)3,Al(OC4H9)3などが有効に使用
されるものとして挙げられる。また、これらのAl供給用
ガスを必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈し
て使用してもよい。
本発明において使用されるSi供給用ガスと成り得る物
質としては、SiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等のガス状態
の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効
に使用されるものとして挙げられ、更に層作成作業時の
取扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4,Si2H6
好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供給
用ガスを必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈
して使用してもよい。
本発明において使用される水素供給用ガスと成り得る
物質としては、H2あるいはSiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10
等の水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものと
して挙げられる。
本発明において、下層部に含有される水素原子の量を
制御するには、たとえば水素供給用の原料ガスの流量ま
たは/および支持体温度または/および放電電力等を制
御することにより行うことも出来る。
下部層中に、銅原子(Cu)を構造的に導入するには、
層形成の際に、銅原子(Cu)供給用の原料物質をガス状
態で堆積室中に、下部層を形成するための他の原料物質
と共に導入してやれば良い。銅原子(Cu)供給用の原料
物質と成り得るものとしては、常温常圧でガス状のまた
は、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るもの
が採用されるのが望ましい。
Cu供給用ガスと成り得る物質としては、銅原子(Cu)
を含む有機金属が有効に使用されるものとして挙げら
れ、殊に層作成作業時の取り扱い易さ、Cu供給効率の良
さ等の点で、ビスジメチルグリオキシマト銅(II)Cu
(C4H7N2O2)2が好ましいものとして挙げられる。
また、これらのCu供給用ガスを必要に応じてH2,He,A
r,Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
下部層中に、マグネシウム原子(Mg)を構造的に導入
するには、層形成の際に、マグネシウム原子(Mg)供給
用の原料物質をガス状態で堆積室中に、下部層を形成す
るための他の原料物質と共に導入してやれば良い。マグ
ネシウム原子(Mg)供給用の原料物質と成り得るものと
しては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成
条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ま
しい。
Mg供給用ガスと成り得る物質としては、マグネシウム
原子(Mg)を含む有機金属が有効に使用されるものとし
て挙げられ、殊に層作成作業時の取り扱い易さ、Mg供給
効率の良さ等の点で、ビス(シクロオエンタジエニル)
マグネシウム(II)錯塩(Mg(C5H5)2が好ましいものと
して挙げられる。
また、これらのMg供給用ガスを必要に応じてH2,He,A
r,Ne等のガスにより稀釈して使用してもよい。
下部層中に、ゲルマニウム原子(Ge)あるいはスズ原
子(Sn)を構造的に導入するには、層形成の際に、ゲル
マニウム原子(Ge)の供給用の原料物質あるいはスズ原
子(Sn)供給用の原料物質をガス状態で堆積室中に、下
部層を形成するための他の原料物質と共に、導入してや
れば良い。ゲルマニウム原子(Ge)供給用の原料物質あ
るいはスズ原子(Sn)供給用の原料物質と成り得るもの
としては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形
成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望
ましい。
Ge供給用ガスと成り得る物質としては、GeH4,Ge2H6,G
e3H8,Ge4H10などのガス状態のまたはガス化し得る水素
化ゲルマニウムが有効に使用されるものとして挙げら
れ、殊に層作成作業時の取扱い易さ、Ge供給効率の良さ
等の点で、GeH4,Ge2H6,Ge3H8が好ましいものとして挙
げられる。
その他に、GeHF3,GeH2F2,GeH3F,GeHCl3,GeH2C
l2,GeH3Cl,GeHBr3,GeH2Br2,GeH3Br,GeHI3,GeH
2I2,GeH3I等の水素化ハロゲン化ゲルマニウム、GeF4
GeCl4,GeBr4,GeI4,GeF2,GeCl2,GeBr2,GeI2等のハ
ロゲン化ゲルマニウム等々のガス状態のあるいはガス化
し得る物質も有効な下部層形成用の出発物質として挙げ
る事ができる。
Sb供給用ガスと成り得る物質としては、SnH4,Sn2H6,S
n3H8,Sn4H10などのガス状態のまたはガス化し得る水素
化スズが有効に使用されるものとして挙げられ、殊に層
作成作業時の取扱い易さ、Sn供給効率の良さ等の点で、
SnH4,Sn2H6,Sn3H8が好ましいものとして挙げられる。
その他にSnH3F,SnH2F2,SnHBF,SnHCl3,SnH2Cl2,S
nH3Cl,SnHBr3,SnH2Br2,SnH3Br,SnHI3,SnH2I2,SnH
3I等の水素化ハロゲン化スズ、SnF4,SnCl4,SnBr4,Sn
I4,SnF2,SnCl2,SnBr2,SnI2等のハロゲン化スズ等々
のガス状態のあるいはガス化し得る物質も有効な下部層
形成用の出発物質として挙げることができる。
また、これらのGSC供給用ガスを必要に応じてH2,He,A
r,Ne等のガスにより稀釈して使用してもよい。
下部層中に、ハロゲン原子(X)を構造的に導入する
には、層形成の際に、ハロゲン原子(X)供給用の原料
物質をガス状態で堆積室中に、下部層を形成するための
他の原料物質とともに導入してやれば良い。本発明にお
いて使用されるハロゲン供給用ガスとして有効なのは、
多くのハロゲン化合物が挙げられ、例えばハロゲンガ
ス,ハロゲン化物,ハロゲン間化合物,ハロゲンで置換
されたシラン誘導体等のガス状態のまたはガス化し得る
ハロゲン化合物が挙げられる。
また、さらには、シリコン原子とハロゲン原子とを構
成元素とするガス状態のまたはガス化し得る、ハロゲン
原子を含む水素化硅素化合物も有効なものとして本発明
においては挙げることができる。
本発明において好適に使用し得るハロゲン化合物とし
ては、具体的には、フツ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロ
ゲンガス、BrF,ClF,ClF3,BrF5,BrF3,IF3,IF7,ICl,I
Br等のハロゲン間化合物を挙げることができる。
ハロゲン原子を含む硅素化合物、いわゆるハロゲン原
子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には例え
ばSiF4,Si2F6,SiCl4,SiBr4等のハロゲン化硅素が好
ましいものとしてあげることができる。
このようなハロゲン原子を含む硅素化合物を採用して
グロー放電法、HRCVD法によって本発明の特徴的な電子
写真用光受容部材を形成する場合には、Si供給用ガスと
しての水素化硅素ガスを使用しなくても、所望の支持体
上にハロゲン原子を含むAlSiHからなる下部層を形成す
ることができる。
本発明においては、ハロゲン原子供給用ガスとして上
記されたハロゲン化合物、あるいはハロゲンを含む硅素
化合物が有効なものとして使用されるものであるが、そ
の他に、HF,HCl,HBr,Hl等のハロゲン化水素、SiH3F,Si
H2F2,SiHF3,SiH2I2,SiH2Cl2,SiHCl3,SiH2Br2,SiH
Br3等のハロゲン置換水素化硅素、等々のガス状態のあ
るいはガス化し得る物質も有効な下部層形成用の原料物
質として挙げることができる。
下部層中に、画質を調整する原子(MC)、例えば、第
III族原子あるいは第V族原子あるいは第VI族原子を構
造的に導入するには、層形成の際に、第III族原子導入
用の原料物質あるいは第V族原子導入用の原料物質ある
いは第VI族原子導入用の原料物質をガス状態で堆積室中
に、下部層を形成するための他の原料物質と共に導入し
てやれば良い。第III族原子供給用の原料物質あるいは
第V族原子供給用の原料物質あるいは第VI族原子供給用
の原料物質と成り得るものとしては、常温常圧でガス状
のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得
るものが採用されるのが望ましい。そのような第III族
原子供給用の原料物質として具体的には硅素原子供給用
としては、 B2H6,B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B6H12,B6H14等の
水素化硅素、BF3,BCl3,BBr3等のハロゲン化硼素等が
挙げられる。この他、GaCl3,Ga(CH3)3,InCl3,TlCl3
等も挙げることができる。
第V族原子供給用の原料物質として、本発明において
有効に使用されるのは、燐原子供給用としては、PH3,P
2H4等の水素化燐、PH4I,PF3,PF5,PCl3,PCl5,PB
r3,PBr5,PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この
他、AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3,SbF3,Sb
F5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3等も第V族原子
供給用の出発物質の有効なものとして挙げることができ
る。
第VI族原子供給用の原料物質としては、硫化水素(H2
S),SF4,SF6,SO2,SO2F2,COS,CS2,CH3,SH,C2H5SH,
C4H4S,(CH3)2S,(C2H5)2S等のガス状態のまたはガス化
し得る物質が挙げられる。この他、SeH2,SeF6,(CH3)2
Se,(C2H5)2Se,TeH2,TeF6,(CH3)2Te,(C2H5)2Te等の
ガス状態のまたはガス化し得る物質が挙げられる。
また、これらの伝導性を制御する原子(M)供給用の
原料物質を必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより稀
釈して使用してもよい。
下部層中に耐久性を調整する原子(CNOC)、例えば炭
素原子(C)あるいは窒素原子(N)あるいは酸素原子
(O)を構造的に導入するには、層形成の際に、炭素原
子(C)供給用の原料物質あるいは窒素原子(N)供給
用の原料物質あるいは酸素原子(O)供給用の原料物質
をガス状態で堆積室中に、下部層を形成するための他の
原料物質と共に導入してやれば良い。炭素原子(C)供
給用の原料物質あるいは窒素原子(N)供給用の原料物
質あるいは酸素原子(O)供給用の原料物質と成り得る
ものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも
層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるの
が望ましい。炭素原子(C)供給用ガスに成り得るもの
として有効に使用される出発物質は、CとHとを構成原
子とする、例えば炭素数1〜4の飽和炭化水素、炭素数
2〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のアセチレ
ン系炭化水素等が挙げられる。
具体的には、飽和炭化水素としては、メタン(C
H4),エタン(C2H6),プロパン(C3H8),n−ブタン
(n−C4H10),ペンタン(C5H12),エチレン系炭化水
素としては、エチレン(C2H4),プロピレン(C3H6),
ブテン−1(C4H8),ブテン−2(C4H8),イソブチレ
ン(C4H8),ペンテン(C5H10),アセチレン系炭化水
素としては、アセチレン(C2H2),メチルアセチレン
(C3H4),ブチン(C4H6)等が挙げられる。
この他に、炭化水素(C)の供給に加えて、ハロゲン
原子(X)の供給も行えるという点からCF4,CCl4,CH3
CF3等のハロゲン化炭素ガスを挙げることができる。
窒素原子(N)供給用ガスに成り得るものとして有効
に使用される出発物質は、Nを構成原子とする、あるい
はNとHとを構成原子とする例えば窒素(N2),アンモ
ニア(NH3),ヒドラジン(H2NNH2),アジ化水素(H
N3),アンモニウム(NH4N3)等のガス状のまたはガス
化し得る窒素,窒素物及びアジ化物等の窒素化合物を挙
げることができる。この他に、窒素原子(N)の供給に
加えて、ハロゲン原子(X)の供給も行えるという点か
ら、三弗化窒素(F3N),四弗化窒素(F4N2)等のハロ
ゲン化窒素化合物を挙げることができる。
酸素原子(O)供給用ガスに成り得るものとして有効
に使用される出発物質は、例えば酸素(O2),オゾン
(O3),一酸化窒素(NO),二酸化窒素(NO2),一二
酸化窒素(N2O),三二酸化窒素(N2O3),四二酸化窒
素(N2O4),五二酸化窒素(N2O5),三酸化窒素(N
O3),シリコン原子(Si)と酸素原子(O)と水素原子
(H)とを構成原子とする例えば、ジシロキサン(H3Si
OSiH3),トリシロキサン(H3SiOSiH2OSiH3)等の低級
シロキサン等を挙げることができる。
本発明における下部層の層厚は、所望の電子写真特性
が得られること、および経済的効果等の点から0.003〜
5μm、好ましくは0.01〜1μm、最適には0.05〜0.5
μmとするのが望ましい。
なお、本発明において、下部層におけるアルミニウム
系支持体との端面は、下部層のアルミニウム原子(Al)
の含有量がアルミニウム系支持体におけるアルミニウム
原子(Al)の含有量の95%以下となる領域である。これ
は、アルミニウム原子(Al)の含有量がアルミニウム系
支持体におけるアルミニウム原子(Al)の含有量の95%
を越える組成の領域では、その機能はほとんど支持体と
しての機能しか有しないからである。さらに、下部層に
おける上部層との端面は、下部層のアルミニウム原子
(Al)の含有量が5%を越える領域である。これは、ア
ルミニウム原子(Al)の含有量が5%以下となる組成の
領域では、その機能はほとんど上部層としての機能しか
有しないからである。
本発明の目的を達成しうる特性を有するAlSiHからな
る下部層を形成するには、堆積室内のガス圧、支持体の
温度を所望に従って適宜設定する必要がある。
堆積室内のガス圧は層設計に従って適宜最適範囲が選
択されるが、通常の場合1×10-5〜10Torr、好ましくは
1×10-4〜3Torr、最適には1×10-4〜1Torrとするのが
好ましい。
支持体温度(Ts)は、層設計に従って適宜最適範囲が
選択されるが、通常の場合50〜600℃、好適には100〜40
0℃とするのが望ましい。
本発明においてAlSiHからなる下部層をグロー放電法
によって作成する場合には、堆積室内に供給する放電電
力は、層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが通常
の場合5×10-5〜10W/cm3、好ましくは5×10-4W/cm3
最適には1×10-3〜2×10-1W/cm3とするのが望まし
い。
本発明においては、下部層を作成するための堆積室内
のガス圧、支持体温度、堆積室内に供給する放電電力の
望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、
これらの層作成フアクターは、通常は独立的に別々に決
められるものではなく、所望の特性を有する下部層を形
成すべく、相互的且つ有機的関連性に基づいて、下部層
作成フアクターの最適値を決めるのが望ましい。
上部層 本発明における上部層は、Non−Si(H,X)で構成され
所望の光導電特性を有する。
本発明における上部層の少なくとも下部層と接する層
領域中には、伝導性を制御する原子(M)は含有する
が、炭素原子(C)、窒素原子(N)、酸素原子
(O)、ゲルマニウム原子(Ge)、スズ原子(Sn)のい
ずれも実質的には含有されない。しかしながら、上部層
のその他の層領域中には、伝導性を制御する原子
(M)、炭素原子(C)、窒素原子(N)、酸素原子
(O)、ゲルマニウム原子(Ge)、スズ原子(Sn)のう
ちの少なくとも一種を含有してもよい。特に上部層の自
由表面側近傍の層領域においては、炭素原子(C)、窒
素原子(N)、酸素原子(O)のうちの少なくとも一種
を含有するのが好ましい。
上部層の少なくとも下部層と接する層領域中に含有さ
れる伝導性を制御する原子(M)は該層領域中に万遍な
く均一に分布されてもよいし、あるいは該層領域中に万
遍なく含有されてはいるが、層厚方向に対し不均一に分
布する状態で含有している部分があってもよい。しかし
ながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行な面内方
向においては、均一な分布で万遍なく含有されているこ
とが、面内方向における特性の均一化を図る点からも必
要である。
上部層の少なくとも下部層と接する層領域以外の層領
域に伝導性を制御する原子(M)、炭素原子(C)、窒
素原子(N)、酸素原子(O)、ゲルマニウム原子(G
e)、スズ原子(Sn)の少なくとも一種を含有させる場
合には、前記伝導性を制御する原子(M)、炭素原子
(C)、窒素原子(N)、酸素原子(O)、ゲルマニウ
ム原子(Ge)、スズ原子(Sn)は該層領域中に万遍無く
均一に分布されてもよいし、あるいは該層領域中に万遍
無く含有されてはいるが、層厚方向に対し不均一に分布
する状態で含有している部分があってもよい。
しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行
な面内方向においては、均一な分布で万偏無く含有させ
ることが、面内方向における特性の均一化を図る点から
も必要である。
また、本発明における上部層には、銅原子(Cu)を含
有してもよい。銅原子(Cu)を上部層に含有させる場合
には、上部層の全層領域に含有させてもよいし、上部層
の一部の層領域に含有させてもよく、いずれの場合にお
いても、銅原子(Cu)は該層領域中に万遍無く均一に分
布されてもよいし、あるいは該層領域中に万遍無く含有
されてはいるが、層厚方向に対し不均一に分布する状態
で含有している部分があってもよい。
しかしながら、いずれの場合においても支持体の表面
と平行な面内方向においては、均一な分布で万偏無く含
有されることが、面内方向における特性の均一化を図る
点からも必要である。
また、本発明における上部層には、マグネシウム原子
(Mg)を含有してもよい。マグネシウム原子(Mg)を上
部層に含有させる場合には、上部層の全層領域に含有さ
せてもよいし、上部層の一部の層領域に含有させてもよ
く、いずれの場合においても、マグネシウム原子(Mg)
は該層領域名に万遍無く均一に分布されてもよいし、あ
るいは該層領域中に万遍無く含有されてはいるが、層厚
方向に対し不均一に分布する状態で含有している部分が
あってもよい。
しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行
な面内方向においては、均一な分布で万偏無く含有され
ることが、面内方向における特性の均一化を図る点から
も必要である。
また、炭素原子(C)および/または窒素原子(N)
および/または酸素原子(O)(以後「原子(CNO)」
と略記する)を含有する層領域(以後「層領域(CN
O)」と略記する)、ゲルマニウム原子(Ge)および/
またスズ原子(Sn)(以後「以後「原子(GS)」と略記
する)を含有する層領域(以後「層領域(GS)」と略記
する)、マグネシウム(Mg)(以後「原子(Mg)」と略
記する)を含有する層領域(以後「層領域(Mg)」と略
記する)、銅原子(Cu)(以後「原子(Cu)と略記す
る)を含有する層領域(以後「原子(Cu)」と略記す
る)は、伝導性を制御する層領域(M)(以後「原子
(M)」と略記する)を含有する上部層の少なくとも下
部層と接する層領域(以後「層領域(MB)」と略記す
る)の表面側の一部の層領域と共有しても良い。
また、層領域(MB)以外の原子(M)を含有する層領
域(以後「層領域(MT)」と略記し、また層領域(MB
と層領域(MT)を総称して「層領域(M)」と略記す
る)と、層領域(CNO)と、層領域(GS)と、層領域(M
g)、層領域(Cu)は、実質的に同一な層領域であって
もよいし、少なくとも各々の層領域の一部を共有してい
てもよいし、各々の層領域を実質的に共有していなくと
も良い。
第17図乃至第36図には、本発明における電子写真用光
受容部材の上部層において、層領域(M)に含有される
原子(M)の層厚方向の分布状態の典型的例、層領域
(CNO)に含有される原子(CNO)の層厚方向の分布状態
の典型的例、層領域(GS)に含有される原子(GS)の層
厚方向の分布状態の典型的例、層領域(Mg)に含有され
る原子(Mg)の層厚方向の分布状態の典型的例、層領域
(Cu)に含有される原子(Cu)の層厚方向の分布状態の
典型的例を示したものである。(以後、層領域(M)、
層領域(CNO)、層領域(GS)、層領域(Mg)、層領域
(Cu)を代表して「層領域(Y)」と記し、原子
(M)、原子(CNO)、原子(GS)、原子(Mg)、原子
(Cu)を代表して「原子(Y)」と記す。従って、第17
図乃至第36図には、層領域(Y)に含有される原子
(Y)の層厚方向の分布状態の典型的例が示されている
が、前述したように、層領域(M)、層領域(CNO)、
層領域(GS)、層領域(Mg)、層領域(Cu)が実質的に
同一な層領域である場合には層領域(Y)は上部層内に
単数含まれ、実質的に同一な層領域で無い場合には層領
域(Y)は上部層内に複数含まれている)。
第17図乃至第36図において、横軸は原子(Y)の分布
濃度Cを、縦軸は層領域(Y)の層厚を示し、tBは下部
層側の層領域(Y)の端面の位置を、tTは自由表面側の
層領域(Y)の端面の位置を示す。すなわち、原子
(Y)の含有される層領域(Y)はtB側よりtT側に向か
って層形成される。
第17図には、層領域(Y)中に含有される原子(Y)
の層厚方向の分布状態の第1の典型例が示される。
第17図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C171から
徐々に連続的に増加して位置tTにおいて濃度C172となる
様な分布状態を形成している。
第18図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t181に至るまで濃度C181
ら一時関数的に増加して位置t181において濃度C182とな
り、位置t181より位置tTまでは濃度C183なる一定の値を
取る様な分布状態を形成している。
第19図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t191に至るまで濃度C191
る一定の値となり、位置t191より位置t192に至るまで濃
度C191から徐々に連続的に増加して位置t192において濃
度C192となり、位置t192より位置tTまでは濃度C193なる
一定の値を取る様な分布状態を形成している。
第20図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t201に至るまで濃度C201
る一定の値となり、位置t201より位置t202に至るまで濃
度C202なる一定の値となり、位置t202より位置tTまでは
濃度C203なる一定の値を取る様な分布状態を形成してい
る。
第21図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTまでは濃度C211なる一定
の値を取る様な分布状態を形成している。
第22図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t221迄は濃度C221なる一定
の値を取り、位置t221より位置tTに至るまでは濃度C222
から徐々に連続的に減少して、位置tTにおいて濃度C223
となる様な分布状態を形成している。
第23図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C231から
徐々に連続的に減少して、位置tTにおいて濃度C232とな
る様な分布状態を形成している。
第24図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t241迄は濃度C241なる一定
の値となり、位置t241より位置tTに至るまでは濃度C242
から徐々に連続的に減少して、位置tTにおいて分布濃度
Cは実質的に零(ここで実質的に零とは検出限界量未満
の場合である、以後の「実質的に零」の意味も同様であ
る)となる様な分布状態を形成している。
第25図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C251から
徐々に連続的に減少して、位置tTにおいて分布濃度Cは
実質的に零となる様な分布状態を形成している。
第26図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t261迄は濃度C261なる一定
の値となり、位置t261より位置tTに至るまで濃度C261
ら一次関数的に減少して、位置tTにおいて濃度C262とな
る様な分布状態を形成している。
第27図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C271から
一次関数的に減少して、位置tTにおいて分布濃度Cは実
質的に零となる様な分布状態を形成している。
第28図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t281迄は濃度C281なる一定
の値となり、位置t281より位置tTに至るまで濃度C281
ら一次関数的に減少して、位置tTにおいて濃度C282とな
る様な分布状態を形成している。
第29図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C291から
徐々に連続的に減少して、位置tTにおいて濃度C292とな
る様な分布状態を形成している。
第30図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t301迄は濃度C301なる一定
の値を取り、位置t301より位置tTまでは濃度C302から一
次関数的に減少して、位置tTにおいて濃度C303となる様
な分布状態を形成している。
第31図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t311に至るまで濃度C311
ら徐々に連続的に増加して位置t311において濃度C312
なり、位置t311より位置tTまでは濃度C313なる一定の値
を取る様な分布状態を形成している。
第32図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで濃度C321から
徐々に連続的に増加して位置tTにおいて濃度C322となる
様な分布状態を形成している。
第33図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t331に至るまで実質的に零
から徐々に増加して位置t331において濃度C331となり、
位置t331より位置tTまでは濃度C332なる一定の値を取る
様な分布状態を形成している。
第34図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTに至るまで実質的に零か
ら徐々に増加して位置tTにおいて濃度C341となる様な分
布状態を形成している。
第35図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置t351に至るまで濃度C351
ら一次関数的に増加して、位置t351より位置tTまでは濃
度C352なる一定の値を取る様な分布状態を形成してい
る。
第36図に示される例では、含有される原子(Y)の分
布濃度Cは、位置tBより位置tTまでは濃度C361から一次
関数的に増加して、位置tTにおいて濃度C362となる様な
分布状態形成している。
前記の伝導性を制御する原子(M)としては、半導体
分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、本
発明においては、p型伝導特性を与える周期律表第III
族に属する原子(以後「第III族原子」と略記する)ま
たはn型伝導特性を与える窒素原子(N)を除く周期律
表第V族に属する原子(以後「第V族原子」と略記す
る)および酸素原子(O)を除く周期律表第VI族に属す
る原子(以後「第VI族原子」と略記する)を用いる。第
III族原子としては、具体的には、B(硼素),Al(アル
ミニウム),Ga(ガリウム),In(インジウム),Tl(タ
リウム)等があり、特にB,Al,Gaが好適である。第V族
原子としては、具体的には、P(燐),As(砒素),Sb
(アンチモン),Bi(ビスマス)等があり、特にP,Asが
好適である。第VI族原子としては、具体的には、S(硫
黄),Se(セレン),Te(テルル),Po(ポロニウム)等
があり、特にS,Seが好適である。本発明においては、層
領域(M)に伝導性を制御する原子(M)として第III
族原子または第V族原子または第VI族原子を含有させる
ことによって、主として伝導型および/または伝導率を
制御する効果および/または層領域(MB)と下部層との
間の電荷の注入性もしくは電荷の注入阻止性を選択的に
制御または向上させる効果および/または層領域(M)
と上部層の層領域(M)以外の層領域との間の電荷注入
性を向上させる効果を得ることができる。層領域(M)
に含有される伝導性を制御する原子(M)の含有量とし
ては、好ましくは1×10-3〜5×104原子ppm、より好ま
しくは1×10-2〜1×104原子ppm、最適には1×10-1
5×103原子ppmとされるのが望ましい。特に層領域
(M)において後述する炭素原子(C)および/または
窒素原子(N)および/または酸素原子(O)の含有量
が1×103原子ppm以下の場合は、層領域(M)に含有さ
れる伝導性を制御する原子(M)の含有量としては好ま
しくは1×10-3〜1×103原子ppmとされるのが望まし
く、炭素原子(C)および/または窒素原子(N)およ
び/または酸素原子(O)の含有量が1×103原子ppmを
越える場合は、伝導性を制御する原子(M)の含有量と
しては好ましくは1×10-1〜5×104原子ppmとされるの
が望ましい。
本発明においては、層領域(CNO)に炭素原子(C)
および/または窒素原子(N)および/または酸素原子
(O)を含有させることによって、主として高暗抵抗化
および/または高硬度化および/または分光感度の制御
および/または層領域(CNO)と上部層の層領域(CNO)
以外の層領域との間の密着性を向上させる効果を得るこ
とができる。層領域(CNO)に含有される炭素原子
(C)および/または窒素原子(N)および/または酸
素原子(O)の含有量としては好ましくは1〜9×105
原子ppm、より好ましくは1×101〜5×105原子ppm、最
適には1×102〜3×105原子ppmとされるのが望まし
い。特に高暗抵抗化および/または高硬度化を計る場合
には好ましくは1×103〜9×105原子ppmとされるのが
望ましく、分光感度の制御を計る場合には好ましくは1
×102〜5×105原子ppmとされるのが望ましい。
本発明においては層領域(GS)にゲルマニウム原子
(Ge)および/またはスズ原子(Sn)を含有させること
によって、主として分光感度の制御、特には電子写真装
置の画像露光源に半導体レーザー等の長波長光を用いる
場合の長波長光感度を向上させる効果を得ることができ
る。層領域(GS)に含有されるゲルマニウム原子(Ge)
および/またはスズ原子(Sn)の含有量としては好まし
くは1〜9.5×105原子ppm、より好ましくは1×102〜8
×105原子ppm、最適には5×102〜7×105原子ppmとさ
れるのが望ましい。
また、本発明における上部層に含有する水素原子
(H)および/またはハロゲン原子(X)はシリコン原
子(Si)の未結合手を補償し層品質の向上を図ることが
できる。上部層中に含有される水素原子(H)、あるい
は水素原子(H)とハロゲン原子(X)の和の含有量
は、好適には1×103〜7×105原子ppmとされるのが望
ましく、ハロゲン原子(X)の含有量は、好適には1〜
4×105原子ppmとされるのが望ましい。特に、上部層中
において前記した炭素原子(C)および/または窒素原
子(N)および/または酸素原子(O)の含有量が3×
105原子ppm以下の場合には水素原子(H)、あるいは水
素原子(H)とハロゲン原子(X)の和の含有量は、1
×103〜4×105原子ppmとされるのが望ましい。さら
に、上部層がpoly−Si(H,X)で構成される場合には、
上部層中に含有される水素原子(H)、あるいは水素原
子(H)とハロゲン原子(X)の和の含有量は、好適に
は1×103〜2×105原子ppmとされるのが望ましく、A
−Si(H,X)で構成される場合には、好適には1×104
7×105原子ppmとされるのが望ましい。
本発明においては、上部層中に含有されるマグネシウ
ム原子(Mg)の含有量としては、好ましくは1×10-3
1×104原子ppm、より好ましくは1×10-2〜1×103
子ppm、最適には5×10-2〜5×102原子ppmとされるの
が望ましい。
本発明においては、上部層中に含有される銅原子(C
u)の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1×104
子ppm、より好ましくは1×10-2〜1×103原子ppm、最
適には5×10-2〜5×102原子ppmとされるのが望まし
い。
本発明において、Non−Si(H,X)で構成される上部層
は、前述した下部層と同様の真空堆積膜形成法によって
作成することができ、特にグロー放電法、スパッタリン
グ法、イオンプレーテイング法、HRCVD法、FOCVD法が好
適である。そして、これらの方法を同一装置系内で併用
して形成してもよい。
たとえば、グロー放電法によって、Non−Si(H,X)で
構成される上部層を形成するには、基本的にはシリコン
原子(Si)を供給し得るSi供給用ガスと、水素原子
(H)を供給し得るH供給用ガスおよび/またはハロゲ
ン原子(X)を供給し得るX供給用ガスと、必要に応じ
て伝導性を制御する原子(M)を供給し得るM供給用ガ
スおよび/または炭素原子(C)を供給し得るC供給用
ガスおよび/または窒素原子(N)を供給し得るN供給
用ガスおよび/または酸素原子(O)を供給し得るO供
給用ガスおよび/またはゲルマニウム原子(Ge)を供給
し得るGe供給用ガスおよび/またはスズ原子(Sn)を供
給し得るSn供給用ガス、マグネシウム原子(Mg)を供給
し得るMg供給用ガス銅原子(Cu)を供給し得るCu供給用
ガスを、内部が減圧にし得る堆積室内に所望のガス圧状
態で導入して、該堆積室内にグロー放電を生起させ、あ
らかじめ所定の位置に設置されてある所定のあらかじめ
下部層を形成した支持体表面上にNon−Si(H,X)からな
る層を形成すればよい。
HRCVD法によってNon−Si(H,X)で構成される上部層
を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給
し得るSi供給用ガスと、ハロゲン原子(X)を供給し得
るX供給用ガスと、必要に応じて伝導性を制御する原子
(M)を供給し得るM供給用ガスおよび/または炭素原
子(C)を供給し得るC供給用ガスおよび/または窒素
原子(N)を供給し得るN供給用ガスおよび/または酸
素原子(O)を供給し得るO供給用ガスおよび/または
ゲルマニウム原子(Ge)を供給し得るGe供給用ガスおよ
び/またはスズ原子(Sn)を供給し得るSn供給用ガス、
マグネシウム(Mg)を供給し得るMg供給用ガス、銅原子
(Cu)を供給し得るCu供給用ガスを、必要に応じて別々
に、あるいは一緒に、内部が減圧にし得る堆積室内の前
段に設けた活性化空間に所望のガス圧状態で導入して、
該活性化空間内にグロー放電を生起させ、または加熱し
たりすることにより活性種(A)を生成し、水素原子
(H)を供給し得るH供給用ガスを同様に別の活性化空
間に導入して活性種(B)を生成し、活性種(A)と活
性種(B)を各々別々に前記堆積室内に導入してあらか
じめ所定の位置に設置されてある所定のあらかじめ下部
層を形成した支持体表面上にNon−Si(H,X)からなる層
を形成すればよい。
FOCVD法によってNon−Si(H,X)で構成される上部層
を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給
し得るSi供給用ガスと、水素原子(H)を供給し得るH
供給用ガスと、必要に応じて伝導性を制御する原子
(M)を供給し得るM供給用ガスおよび/または炭素原
子(C)を供給し得るC供給用ガスおよび/または窒素
原子(N)を供給し得るN供給用ガスおよび/または酸
素原子(O)を供給し得るO供給用ガスおよび/または
ゲルマニウム原子(Ge)を供給し得るGe供給用ガスおよ
び/またはスズ原子(Sn)を供給し得るSn供給用ガス、
マグネシウム原子(Mg)を供給し得るMg供給用ガス、銅
原子(Cu)を供給し得るCu供給用ガスを、必要に応じて
別々に、あるいは一緒に、内部が減圧にし得る堆積室内
に所望のガス圧状態で導入し、さらにハロゲン(X)ガ
スを前記供給用ガスとは別に前記堆積室内に所望のガス
圧状態で導入し、堆積室内でこれらのガスを化学反応さ
せて、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定のあ
らかじめ下部層を形成した支持体表面上にNon−Si(H,
X)からなる層を形成すればよい。
スパツタリング法あるいはイオンプレーティン法によ
ってNon−Si(H,X)で構成される上部層を形成するに
は、基本的には例えば特開昭61−59342公報等に記載さ
れている公知の方法にて形成すれば良い。
本発明において、上部層の形成の際に、該層に含有さ
れる伝導性を制御する原子(M)、炭素原子(C)、窒
素原子(N)、酸素原子(O)、ゲルマニウム原子(G
e)、スズ原子(Sn)、マグネシウム原子(Mg)、銅原
子(Cu)(以後これらを総称して「原子(Z)」と略記
する)の分布濃度Cを層厚方向に変化させて、所望の層
厚方向の分布状態(depth profile)を有する層を形成
するには、グロー放電法、HRCVD法、FOCVD法の場合に
は、分布濃度を変化させるべき原子(Z)供給用ガス
を、そのガス流量を所望の変化率曲線にしたがって適宜
変化させ、堆積室内に導入することによって成される。
たとえば、手動あるいは外部駆動モータ等の通常用い
られている何らかの方法により、ガス流路系の途中に設
けられた所定のニードバルブの開口を適宜変化させる。
また別の方法としては、ガス流量を制御しているマス
フローコントローラーの流量設定を、手動あるいはプロ
グラム可能な制御装置を用いる等の通常用いられている
何らかの方法により、適宜変化させる。
本発明において使用されるSi供給用ガスと成り得る物
質としては、SiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等のガス状態
の、またはガス化し得る水素化硅素(シラン類)が有効
に使用されるものとして挙げられ、更に層作成作業時の
取扱い易さ、Si供給効率のよさ等の点でSiH4,Si2H6
好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供給
用ガスを必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈
して使用してもよい。
本発明において使用されるハロゲン供給用ガスとして
有効なのは、多くのハロゲン化合物が挙げられ、例えば
ハロゲンガス,ハロゲン化物,ハロゲン間化合物,ハロ
ゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状態の又はガス
化し得るハロゲン化合物が挙げられる。
また、さらには、シリコン原子(Si)とハロゲン原子
(X)とを構成元素とするガス状態のまたはガス化し得
る、ハロゲン原子(X)を含む水素化硅素化合物も有効
なものとして本発明においては挙げることができる。
本発明において好適に使用し得るハロゲン化合物とし
ては具体的にはフツ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロゲン
ガス、BrF,ClF,ClF3,BrF5,BrF3,IF3,IF7,ICl,IBr等
のハロゲン間化合物を挙げることができる。
ハロゲン原子(X)を含む硅素化合物、いわゆるハロ
ゲン原子(X)で置換されたシラン誘導体としては、具
体的には例えばSiF4,Si2F6,SiCl4,SiBr4等のハロゲ
ン化硅素が好ましいものとして挙げることができる。
このようなハロゲン原子(X)を含む硅素化合物を採
用してグロー放電法,HRCVD法によって本発明の特徴的な
電子写真用光受容部材を形成する場合には、Si供給用ガ
スとしての水素化硅素ガスを使用しなくても、所望の下
部層上にハロゲン原子(X)を含むNon−Si(H,X)から
成る上部層を形成することができる。
グロー放電法,HRCVD法に従って、ハロゲン原子(X)
を含む上部層を形成する場合には、基本的には例えばSi
供給用ガスとなるハロゲン化硅素を用いることによっ
て、所望の支持体上に上部層を形成し得るものである
が、水素原子(H)の導入割合を一層容易になるように
図るために、これ等のガスにさらに水素ガスまたは水素
原子(H)を含む硅素化合物のガスも所望量混合して層
形成してもよい。
また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数
種混合して使用しても差し支えないものである。
本発明においては、ハロゲン原子供給用ガスとして上
記されたハロゲン化合物、あるいはハロゲン原子(X)
を含む硅素化合物が有効なものとして使用されるもので
あるが、その他に、HF,HCl,HBr,HI等のハロゲン化水
素、SiH3,SiH2F2,SiHF3,SiH2I2,SiH2Cl2,SiHCl3
SiH2Br2,SiHBr2等のハロゲン置換水素化硅素、等々の
ガス状態のあるいはガス化し得る物質も有効な上部層形
成用の原料物質として挙げることができる。これ等の物
質の中、水素原子(H)を含むハロゲン化物は、上部層
形成の際に層中にハロゲン原子(X)の導入と同時に電
気的あるいは光電的特性の制御に極めて有効な水素原子
(H)も導入されるので、本発明においては好適なハロ
ゲン供給用ガスとして使用される。
水素原子(H)を上部層中に構造的に導入するには、
上記の他にH2、あるいはSiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10
の水素化硅素と前記のSi供給用ガスを堆積室中に共存さ
せて放電を生起させる事でも行うことができる。
上部層中に含有され得る水素原子(H)および/また
はハロゲン原子(X)の量を制御するには、例えば支持
体温度および/または水素原子(H)、あるいはハロゲ
ン原子(X)を含有させるために使用される原料物質の
堆積装置系内へ導入する量、放電電力等を制御してやれ
ば良い。
上部層中に、伝導性を制御する原子(M)、例えば、
第III族原子あるいは第V族原子あるいは第VI族原子を
構造的に導入するには、層形成の際に、第III族原子供
給用の原料物質あるいは第V族供給導入用の原料物質あ
るいは第VI族原子供給用の原料物質をガス状態で堆積室
中に、上部層を形成するための他の原料物質と共に供給
してやれば良い。第III族原子供給用の原料物質あるい
は第V族原子供給用の原料物質あるいは第VI族原子供給
用の原料物質と成り得るものとしては、常温常圧でガス
状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し
得るものが採用されるのが望ましい。そのような第III
族原子供給用の原料物質として具体的には硼素原子供給
用としては、B2H6,B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B
6H12,B6H14等の水素化硼素、BF3,BCl3,BBr3等のハロ
ゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3,GaCl3,Ga
(CH3)3,InCl3,TlCl3等も挙げることができる。
第V族原子供給用の原料物質として、本発明において
有効に使用されるのは、燐原子供給用としては、PH3,P
2H4等の水素化燐、PH4I,PF3,PF5,PCl3,PCl5,PB
r3,PBr5,PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この
他、AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3,SbF3,Sb
F5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3等も第V族原子
供給用の原料物質の有効なものとして挙げることができ
る。
第VI族原子供給用の原料物質としては、硫化水素(H2
S),SF4,SF6,SO2,SO2F2,COS,CS2,CH3SH,C2H5SH,
C4H4S,(CH3)2S,(C2H5)2S等のガス状態のまたはガス化
し得る物質が挙げられる。この他、SeH2,SeF6,(CH3)2
Se,(C2H5)2Se,TeH2,TeF6,(CH3)2Te,(C2H5)2Te等の
ガス状態のまたはガス化し得る物質が挙げられる。
また、これらの伝導性を制御する原子(M)供給用の
原料物質を必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希
釈して使用してもよい。
上部層中に、炭素原子(C)あるいは窒素原子(N)
あるいは酸素原子(O)を構造的に導入するには、層形
成の際に、炭素原子(C)供給用の原料物質あるいは窒
素原子(N)供給用の原料物質あるいは酸素原子(O)
供給用の原料物質をガス状態で堆積室中に、上部層を形
成するための他の原料物質と共に供給してやれば良い。
炭素原子(C)供給用の原料物質あるいは窒素原子
(N)供給用の原料物質あるいは酸素原子(O)供給用
の原料物質と成り得るものとしては、常温常圧でガス状
のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得
るものが採用されるのが望ましい。
炭素原子(C)供給用の原料ガスに成り得るものとし
て有効に使用される出発物質は、CとHとを構成原子と
する、例えば炭素数1〜4の飽和炭素水素,炭素数2〜
4のエチレン系炭化水素,炭素数2〜3のアセチレン系
炭化水素等が挙げられる。
具体的には、飽和炭化水素としては、メタン(C
H4),エタン(C2H6),プロパン(C3H8),n−ブタン
(n−C4H10),ペンタン(C5H12),エチレン系炭化水
素としては、エチレン(C2H4),プロピレン(C3H6),
ブテン−1(C4H8),ブテン−2(C4H8),イソブチレ
ン(C4H8),ペンテン(C5H10),アセチレン系炭化水
素としてはアセチレン(C2H2),メチルアセチレン(C3
H4),ブチン(C4H6)等が挙げられる。
この他に、炭化水素(C)の供給に加えて、ハロゲン
原子(X)の供給も行えるという点からCF4,CCl4,CH3
CF3等のハロゲン化炭素ガスを挙げることができる。
窒素原子(N)供給用の原料ガスに成り得るものとし
て有効に使用される出発物質は、Nを構成原子とする、
あるいはNとHとを構成原子とする例えば窒素(N2),
アンモニア(NH3),ヒドラジン(H2NNH2),アジ化水
素(HN3),アンモニウム(NH4N3)等のガス状のまたは
ガス化し得る窒素,窒素物およびアジ化物等の窒素化合
物を挙げることができる。この他に、窒素原子(N)の
供給に加えて、ハロゲン原子(X)の供給も行えるとい
う点から、三弗化窒素(F3N),四弗化窒素(F4N2)等
のハロゲン化窒素化合物を挙げることができる。
酸素原子(O)供給用の原料ガスに成り得るものとし
て有効に使用される出発物質は、例えば酸素(O2),オ
ゾン(O3),一酸化窒素(NO),二酸化窒素(NO2),
一二酸化窒素(N2O),三二酸化窒素(N2O3),四二酸
化窒素(N2O4),五二酸化窒素(N2O5,三酸化窒素(NO
3),シリコン原子(Si)と酸素原子(O)と水素原子
(H)とを構成原子とする例えば、ジシロキサン(H3Si
OSiH3),トリシロキサン(H3SiOSiH3OSiH3)等の低級
シロキサン等を挙げることができる。
上部層中に、ゲルマニウム(Ge)あるいはスズ原子
(Sn)を構造的に導入するには、層形成の際に、ゲルマ
ニウム(Ge)供給用の原料物質あるいはスズ原子(Sn)
供給用の原料物質をガス状態で堆積室中に、上部層を形
成するための他の原料物質と共に供給してやれば良い。
ゲルマニウム(Ge)供給用の原料物質あるいはスズ原子
(Sn)供給用の原料物質と成り得るものとしては、常温
常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易
にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
Ge供給用ガスと成り得る物質としては、GeH4,Ge
2H6,Ge3H8,Ge4H10などのガス状態のまたはガス化し得
る水素化ゲルマニウムが有効に使用されるものとして挙
げられ、殊に層作成作業時の取扱い易さ、Ge供給効率の
良さ等の点で、GeH4,Ge2H6,Ge3H8が好ましいものとし
て挙げられる。
その他にGeHF3,GeH2F2,GeH3F,GeHCl3,GeH2Cl2,G
eH3Cl,GeHBr3,GeH2Br2,GeH3Br,GeHI3,GeH2I2,GeH
3I等の水素化ハロゲン化ゲルマニウムGeF4,GeCl4,GeB
r4,GeI4,GeF2,GeCl2,GeBr2,GeI2等のハロゲン化ゲ
ルマニウム等々のガス状態のあるいは、ガス化し得る物
質も有効な上部層形成用の原料物質として挙げる事がで
きる。
Sn供給用ガスと成り得る物質としては、SnH4,Sn
2H6,Sn3H8,Sn4H10などのガス状態のまたはガス化し得
る水素化スズが有効に使用されるものとしてあげられ、
殊に、層作成作業時の取り扱い易さ、Sn供給効率の良さ
等の点でSnH4,Sn2H6,Sn3H8が好ましいものとして挙げ
られる。
その他に、SnHF3,SnH2F2,SnH3F,SnHCl3,SnH2C
l2,SnH3Cl,SnHBr3,SnH2Br2,SnH3Br,SnHI3,SnH
2I2,SnH3I等の水素化ハロゲン化スズ、SnF4,SnCl4,S
nBr4,SnI4,SnF2,SnCl2,SnBr2,SnI2等のハロゲン化
スズ等々のガス状態のあるいはガス化し得る物質も有効
な上部層形成用の原料物質として挙げる事ができる。
上部層中に、銅原子(Cu)を構造的に導入するには、
層形成の際に、銅原子(Cu)供給用の原料物質をガス状
態で堆積室中に、上部層を形成するための他の原料物質
と共に導入してやれば良い。銅原子(Cu)供給用の原料
物質と成り得るものとしては、常温常圧でガス状のまた
は、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るもの
が採用されるのが望ましい。
Cu供給用ガスと成り得る物質としては、銅原子(Cu)
を含む有機金属が有効に使用されるものとして挙げら
れ、殊に層作成作業時の取扱い易さ、Cu供給効率の良さ
等の点で、ビスジメチルグリオキシマト銅(II)Cu(C4H
7N2O2)2が好ましいものとして挙げられる。
また、これらのCu供給用ガスを必要に応じてH2,He,A
r,Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
上部層中に、マグネシウム原子(Mg)を構造的に導入
するには、層形成の際に、マグネシウム原子(Mg)供給
用の原料物質をガス状態で堆積室中に、上部層を形成す
るための他の原料物質と共に導入してやれば良い。マグ
ネシウム原子(Mg)供給用の原料物質と成り得るものと
しては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成
条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ま
しい。
Mg供給用ガスと成り得る物質としては、マグネシウム
原子(Mg)を含む有機金属が有効に使用されるものとし
て挙げられ、殊に層作成作業時の取扱い易さ、Mg供給効
率の良さ等の点で、ビス(シクロペンタジエニル)マグ
ネシウム(II)錯塩(Mg(C5H5)2)が好ましいものとし
て挙げられる。
また、これらのMg供給用ガスを必要に応じてH2,He,A
r,Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
本発明における上部層の層厚は、所望の電子写真特性
が得られること、および経済的効果等の点から1〜130
μm、好ましくは3〜100μm、最適には5〜60μmと
するのが望ましい。
本発明の目的を達成しうる特性を有するNon−Si(H,
X)からなる上部層を形成するには、堆積室内のガス
圧、支持体の温度を所望に従って適宜設定する必要があ
る。
堆積室内のガス圧は層設計に従って適宜最適範囲が選
択されるが、通常の場合1×10-5〜10Torr、好ましくは
1×10-4〜3Torr、最適には1×10-4〜1Torrとするのが
好ましい。
上部層をNon−Si(H,X)としてA−Si(H,X)を選択
して構成する場合には、支持体温度(Ts)は、層設計に
従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、50〜
400℃、好適には100〜300℃とするのが望ましい。上部
層をNon−Si(H,X)としてpoly−Si(H,X)を選択して
構成する場合には、その層を形成するついては種々の方
法があり、例えば次のような方法が挙げられる。
その一つの方法は、支持体温度を高温、具体的には40
0〜600℃に設定し、該支持体上にプラズマCVD法により
膜を堆積せしめる方法である。
他の方法は、支持体表面に先ずアモルフアス状の膜を
形成、すなわち、支持体温度をたとえば約250℃にした
支持体上にプラズマCVD法により膜を形成し、該アモル
フアス状の膜をアニーリング処理することによりpoly化
する方法である。該アニーリング処理は、支持体を400
〜600℃に約5〜30分間加熱するか、あるいは、レーザ
ー光を約5〜30分間照射することにより行われる。
本発明において、Non−Si(H,X)からなる上部層をグ
ロー放電法によって作成する場合には、堆積室内に供給
する放電電力は、層設計に従って適宜最適範囲が選択さ
れるが通常の場合5×10-5〜10W/cm3、好ましくは5×1
0-4〜5W/cm3、最適には1×10-3〜2×10-1W/cm3とする
のが望ましい。
本発明においては、上部層を作成するための堆積室内
のガス圧、支持体温度、堆積室内に供給する放電電力の
望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、
これらの層作成フアクターは、通常は独立的に別々に決
められるものではなく、所望の特性を有する上部層を形
成すべく、相互的且つ有機的関連性に基づいて、上部層
作成フアクターの最適値を決めるのが望ましい。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1> 高周波(以下「RF」と略記する)グロー放電分解法に
よって本発明の電子写真用光受容部材を形成した。
第37図に原料ガス供給装置1020と堆積装置1000からな
る、RFグロー放電分解法による電子写真用光受容部材の
製造装置を示す。
図中の1071,1072,1073,1074,1075,1076,1077,1079の
ガスボンベ、1078,1080の密閉容器には、本発明の各々
の層を形成するための原料ガスが密封されており、1071
はSiH4ガス(純度99.99%)ボンベ、1072はH2ガス(純
度99.9999%)ボンベ、1073はCH4ガス(純度99.999%)
ボンベ、1074はGeH4ガス(純度99.999%)ボンベ、1075
はH2ガスで希釈されたB2H6ガス(純度99.999%、以下
「B2H6/H2」と略記する)、1076はNOガス(純度99.999
9%)ボンベ、1077,1079はHeガス(純度99.999%)ボン
ベ、1078はAlCl3(純度99.99%)を詰めた密閉容器であ
り、1080はCu(C4H7N2O2)2(純度99.99%)を詰めた密閉
容器である。
図中1005は円筒状アルミニウム系支持体であり、外直
径は108mmで、表面に鏡面加工を施してある。
まずガスボンベ1071〜1077,1079のバルブ1051〜105
8、流入バルブ1031〜1038、堆積室1001のリークバルブ1
015が閉じられていることを確認し、また、流出バルブ1
041〜1048、補助バルブ1018が開かれていることを確認
して先ずメインバルブ1016を開いて不図示の真空ポンプ
により堆積室1001およびガス配管内を排気した。
次に、真空計1017の読みが約1×10-3Torrになった時
点で補助バルブ1018、流出バルブ1041〜1048を閉じた。
その後、ガスボンベ1071よりSiH4ガス、ガスボンベ10
72よりH2ガス、ガスボンベ1073よりCH4ガス、ガスボン
ベ1074よりGeH4ガス、ガスボンベ1075よりB2H6/H2
ス、ガスボンベ1076よりNOガス、ガスボンベ1077及び10
79よりHeガスを、バルブ1051〜1058を開けて導入し、圧
力調整器1061〜1068により各ガス圧力を2Kg/cm2に調整
した。
次に、流入バルブ1031〜1038を徐々に開けて、以上の
各ガスをマスフローコントローラー1021〜1028内に導入
した。この際にマスフローコントローラー1027には、ガ
スボンベ1077からのHeガスがAlCl3の詰まった密閉容器1
078を通ってくるので、Heガスで希釈されたAlCl3ガス
(以下「AlCl3/He」と略記する)が導入され、マスフロ
ーコントローラー1028には、ガスボンベ1079からのHeガ
スがCu(C4H7N2O2)2の詰まった密閉容器1080を通ってく
るので、Heガスで希釈されたCu(C4H7N2O2)2ガス(以下
「Cu(C4H7N2O2)2/He」と略記する)が導入される。
また、堆積室1001内に設置された円筒状アルミニウム
系支持体1005の温度は加熱ヒーター1014により250℃に
加熱した。
以上のようにした成膜の準備が完了した後、円筒状ア
ルミニウム系支持体1005上に、下部層、上部層の各層の
成膜を行った。
下部層を形成するには、流出バルブ1041,1042,1047,1
048および補助バルブ1018を徐々に開いて、SiH4ガス、H
2ガス、AlCl3/Heガス、Cu(C4H7N2O2)2/Heガスを導入管1
008のガス放出孔1009を通じて堆積室1001内に流入させ
た。この時SiH4ガス流量が50SCCM、H2ガス流量が10SCC
M、AlCl3/Heガス流量が120SCCM、Cu(C4H7N2O2)2/Heガス
流量が5SCCMとなるように各々のマスフローコントロラ
ー1021,1022,1027,1028で調整した。堆積室1001内の圧
力は、0.4Torrとなるように真空計1017を見ながらメイ
ンバルブ1016の開口を調整した。その後、不図示のRF電
源の電力を5mW/cm3に設定し、高周波マツチングボック
ス1012を通じて堆積室1001内にRF電力を導入し、RFグロ
ー放電を生起させ、円筒状アルミニウム系支持体上に下
部層の形成を開始した。下部層の形成中、SiH4ガス流量
は50SCCMの一定流量となるように、H2ガス流量は10SCCM
から200SCCMに一定の割合で増加するように、AlCl3/He
ガス流量は120ACCMから40SCCMに一定の割合で減少する
ように、Cu(C4H7N2O2)2/Heガスは5SCCMの一定流量とな
るようにマスフローコントローラー1021,1022,1027,102
8を調整し、層厚0.05μmの下部層を形成したところでR
Fグロー放電を止め、また、流出バルブ1041,1042,1047,
1048および補助バルブ1018を閉じて、堆積室1001内への
ガスの流入を止め、下部層の形成を終えた。
次に、上部層の第一の層領域を形成するには、流出バ
ルブ1041,1042,1045および補助バルブ1018を徐々に開い
てSiH4ガス、H2ガス、B2H6/H2ガスを導入管1008のガス
放出孔1009を通じて堆積室1001内に流入させた。この時
SiH4ガス流量が100SCCM、H2ガス流量が500SCCM、B2H6
H2ガス流量がSiH4ガス流量に対して200ppmとなるように
各々のマスフローコントロラー1021,1022,1025で調整し
た。堆積室1001内の圧力は、0.4Torrとなるように真空
計1017を見ながらメインバルブ1016の開口を調整した。
その後、不図示のRF電源の電力を8mW/cm3に設定し高周
波マッチングボックス1012を通じて堆積室1001内にRF電
力を導入し、RFグロー放電を生起させ、下部層上に上部
層第一の層領域の形成を開始た。上部層の第一の層領域
の形成中、SiH4ガス流量は100SCCM、H2ガス流量は500SC
CM、B2H6/H2ガス流量はSiH4ガス流量に対して200ppmの
一定となるようにマスフローコントローラー1021,1022,
1025を調整し、層厚3μmの上部層の第一の層領域を形
成したところでRFグロー放電を止め、また、流出バルブ
1041,1042,1045および補助バルブ1018を閉じて、堆積室
1001内へのガスの流入を止め、上部層の第一の層領域の
形成を終えた。
次に、上部層の第二の層領域を形成するには、流出バ
ルブ1041,1042および補助バルブ1018を徐々に開いてSiH
4ガス、H2ガスをを導入管1008のガス放出孔1009を通じ
て堆積室1001内に流入させた。この時SiH4ガス流量が30
0SCCM、H2ガス流量が300SCCMとなるように各々のマスフ
ローコントロラー1021,1022で調整した。堆積室1001内
の圧力は、0.5Torrとなる様に真空計1017を見ながらメ
インバルブ1016の開口を調整した。その後、不図示のRF
電源の電力を15mW/cm3に設定し高周波マッチングボック
ス1012を通じて堆積室1001内にRF電力を導入し、RFグロ
ー放電を生起させ、上部層の第一の層領域上に上部層の
第二の層領域の形成を開始し、層圧20μmの上部層の第
二の層領域を形成したところでRFグロー放電を止め、ま
た、流出バルブ1041,1042及び補助バルブ1018を閉じ
て、堆積室1001内へのガスの流入を止め、上部層の第二
の層領域の形成を終えた。
次に、上部層の第三の層領域を形成するには、流出バ
ルブ1041,1043および補助バルブ1018を徐々に開いてSiH
4ガス、CH4ガスをガス導入管1008のガス放出孔1009を通
じて堆積室1001内に流入させた。この時SiH4ガス流量が
50SCCM、CH4ガス流量が500SCCMとなるように各々のマス
フローコントローラー1021,1023で調整した。堆積室100
1内の圧力は0.4Torrとなるように真空計1017を見ながら
メインバルブ1016の開口を調整した。その後、不図示の
RF電源の電力を10mW/cm3に設定し高周波マッチングボッ
クス1012を通じて堆積室1001内にRF電力を導入し、RFグ
ロー放電を生起させ、上部層の第二の層領域上に第三の
層領域の形成を開始し、層厚0.5μmの上部層の第三の
層領域を形成したところでRFグロー放電を止め、又、流
出バルブ1041,1043および補助バルブ1018を閉じて、堆
積室1001内へのガスの流入を止め、上部層の第三の層領
域の形成を終えた。
以上の、電子写真用光受容部材の作成条件を第1表に
示す。
夫々の層を形成する際に必要なガス以外の流出バルブ
は完全に閉じられていることは云うまでもなく、また、
それぞれのガスが堆積室1001内、流出バルブ1041〜1048
から堆積室1001に至る配管内に残留することを避けるた
めに、流出バルブ1041〜1048を閉じ、補助バルブ1018を
開き、さらにメインバルブを全開にして系内を一旦高真
空に排気する操作を必要に応じて行う。
また、層形成を行っている間は層形成の均一化を図る
ため、円筒状アルミニウム系支持体1005を、不図示の駆
動装置によって所望される速度で回転させる。
<比較例> 下部層を形成する際に、H2ガス,Cu(C4H7N2O2)Heガス
を用いない以外は、実施例1と同じ作成条件で電子写真
用光受容部材を作成した。この、電子写真用光受容部材
の作成条件を第2表に示す。
作成された実施例1および比較例の電子写真用光受容
部材をキヤノン製の複写機NP−7550を実験用に改造した
電子写真装置に夫々セットして、種々の条件のもとに幾
つかの電子写真特性をチェックしたところ、これらの電
子写真用光受容部材は共に極めて良好な帯電能を示すと
いう特徴を有することがわかった。
次に画像特性としてポチの数を比較したところ、特に
直径0.1mm以下のポチの数につき実施例1の電子写真用
光受容部材のほうが比較例の電子写真用光受容部材の1/
4以下のポチ数となっていることがわかった。さらに、
ガサツキの度合いを比較するために、直径0.05mmの円形
の領域を1単位として100点の画像濃度を測定し、その
画像濃度のバラツキを評価したところ、実施例1の電子
写真用光受容部材のほうが比較例の電子写真用光受容部
材の1/5以下のバラツキとなり、目視においても実施例
1の電子写真用光受容部材のほうが比較例の電子写真用
光受容部材より優れていることがわがった。
また、電子写真用光受容部材に加わる比較的短時間な
衝撃性の機械的圧力による画像欠如の発生や光受容層の
層はがれの発生の度合いを比較するために、直径3.5mm
のステンレス製ボールを電子写真用光受容部材の表面の
鉛直上30cmから自由落下させて電子写真用光受容部材表
面に当て、光受容層に亀裂が生じる確率を測定したとこ
ろ、実施例1の電子写真用光受容部材のほうが比較例の
電子写真用光受容部材の1/5以下の発生確率となってい
ることがわかった。
また実施例1の電子写真用光受容部材の下部層をSIMS
で分析したところ、シリコン原子、水素原子およびアル
ミニウム原子の膜厚方向の含有量は所望どおりに変化し
ていることがわかった。
以上に見られるように、実施例1の電子写真用光受容
部材のほうが比較例の電子写真用光受容部材より総合的
優位性が認められた。
<実施例2> 下部層においてB2H6/H2ガスを使用し、AlCl3/Heガス
流量の変化の仕方を変え、第3表に示す作成条件によ
り、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作成し、
同様な評価を行ったところ、実施例1と同様にポチ、ガ
サツキ、層はがれに対して改善される良好な効果が得ら
れた。
<実施例3> 下部層において不図示の密閉容器よりMg(C5H5)2ガス
をHeガスで希釈したガス(以下「Mg(C5H5)2/He」と略記
する)を用い、上部層において不図示のボンベよりHeガ
スを使用し、又CH4ガスを使用せず、第4表に示す作成
条件により、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を
作成し、同様な評価を行ったところ、実施例1と同様に
ポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な効
果が得られた。
<実施例4> 不図示の密閉容器よりMg(C5H5)2/Heガス、CH4ガス、B
2H6/H2ガス、NOガス不図示のボンベよりSiF4ガス(純
度99.999%)、不図示のボンベよりN2ガスをさらに使用
し、第5表に示す作成条件により、実施例1と同様に電
子写真用光受容部材を作成し、同様な評価を行ったとこ
ろ、実施例1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対し
て改善される良好な効果が得られた。
<実施例5> 上部層においてH2ガスボンベをArガスボンベ(純度9
9.9999%)に変え、CH4ガスボンベをNH3ガスボンベ(純
度99.999%)に変え、SiF4ガスをさらに使用し、第6表
に示す作成条件により、実施例1と同様に電子写真用光
受容部材を作成し、同様な評価を行ったところ、実施例
1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善され
る良好な効果が得られた。
<実施例6> 下部層においてCH4ガス、B2H6/H2ガスをさらに使用
し、上部層において不図示のボンベよりPH3/H2ガス
(純度99.999%)をさらに使用し、第7表に示す作成条
件により、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作
成し、同様な評価を行ったところ、実施例1と同様にポ
チ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な効果
が得られた。
<実施例7> 実施例1においてNOガスボンベをSiF4ガスボンベに変
えて、不図示の密閉容器よりMg(C5H5)2/Heガスを使用
し、上部層において不図示のボンベよりPF5/H2をさら
に使用し、第8表に示す作成条件により、実施例1と同
様に電子写真用光受容部材を作成し、同様な評価を行っ
たところ、実施例1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれ
に対して改善される良好な効果が得られた。
<実施例8> 下部層において不図示の密閉容器よりMg(C5H5)2/Heガ
スを使用し、上部層において不図示のボンベよりPH3/H
2ガス、N2ガスをさらに使用し、第9表に示す作成条件
により、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作成
し、同様な評価を行ったところ、実施例1と同様にポ
チ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な効果
が得られた。
<実施例9> 下部層においてGeH4ガスボンベをGeF4ガス(純度99.9
99%)ボンベに変え、CH4ガス、B2H6/H2ガスをさらに
使用し、上部層においてCH4ガスボンベをC2H2ガス(純
度99.9999%)ボンベに変えて、第10表に示す作成条件
により、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作成
し、同様な評価を行ったところ、実施例1と同様にポ
チ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な効果
が得られた。
<実施例10> 不図示の密閉容器よりMg(C5H5)2/Heガスを用いB2H6
スボンベをPH3/H2ガスボンベに変え、不図示のボンベ
よりSiF4ガスをさらに使用し、第11表に示す作成条件に
より、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作成
し、同様な評価を行ったところ、実施例1と同様にポ
チ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な効果
が得られた。
<実施例11> 実施例1においてCH4ガスボンベをNH3ガス(純度99.9
99%)ボンベに変えて、第12表に示す作成条件により、
実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作成し、同様
な評価を行ったところ、実施例1と同様にポチ、ガサツ
キ、層はがれに対して改善される良好な効果が得られ
た。
<実施例12> 下部層においてCH4ガス、GeH4ガスを使用し、上部層
においてSiF4ガスをさらに使用し、第13表に示す作成条
件により、実施例6と同様に電子写真用光受容部材を作
成し、同様な評価を行ったところ、実施例6と同様にポ
チ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な効果
が得られた。
<実施例13> CH4ガスをC2H2ガスに変え、不図示のボンベよりPH3
H2ガスを使用し、上部層において不図示のボンベよりSi
2H6ガス(純度99.99%)、Si2F6ガス(純度99.99%)を
さらに使用し、第14表に示す作成条件により、実施例9
と同様に電子写真用光受容部材を作成し、同様な評価を
行ったところ、実施例9と同様にポチ、ガサツキ、層は
がれに対して改善される良好な効果が得られた。
<実施例14> 不図示のボンベよりSi2F6ガスPH3,NH3ガスをさらに
使用し、第15表に示す作成条件により、実施例1と同様
に電子写真用光受容部材を作成し、同様な評価を行った
ところ、実施例1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに
対して改善される良好な効果が得られた。
<実施例15> 上部層においてGeH4ガスをさらに使用し、第16表に示
す作成条件により、実施例1と同様に電子写真用光受容
部材を作成し、同様な評価を行ったところ、実施例1と
同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良
好な効果が得られた。
<実施例16> 実施例1において、円筒状アルミニウム系支持体の外
直径を80mmにし、第17表に示す作成条件により、実施例
1と同様に電子写真用光受容部材を作成し、キヤノン製
の複写機NP−9030を実験用に改造した電子写真装置を用
いた以外は実施例1と同様な評価を行ったところ、実施
例1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善さ
れる良好な効果が得られた。
<実施例17> 実施例1において、円筒状アルミニウム系支持体の外
直径を60mmにし、第18表に示す作成条件により、実施例
1と同様に電子写真用光受容部材を作成し、キヤノン製
の複写機NP−150Zを実験用に改造した電子写真装置を用
いた以外は実施例1と同様な評価を行ったところ、実施
例1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善さ
れる良好な効果が得られた。
<実施例18> 実施例1において、円筒状アルミニウム系支持体の外
直径を30mmにし、第19表に示す作成条件により、実施例
1と同様に電子写真用光受容部材を作成し、キヤノン製
の複写機FC−5を実験用に改造した電子写真装置を用い
た以外は実施例1と同様な評価を行ったところ、実施例
1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善され
る良好な効果が得られた。
<実施例19> 実施例1において、円筒状アルミニウム系支持体の外
直径を15mmにし、第20表に示す作成条件により、実施例
1と同様に電子写真用光受容部材を作成し、実験用に試
作した電子写真装置を用いた以外は実施例1と同様な評
価を行ったところ、実施例1と同様にポチ、ガサツキ、
層はがれに対して改善される良好な効果が得られた。
<実施例20> 実施例16において、鏡面加工を施した円筒状アルミニ
ウム系支持体に、更に剣バイトによる旋盤加工により、
第38図のような断面形状でa=25μm、b=0.8μmと
なる円筒状アルミニウム系支持体を用い、実施例16と同
様な作成条件で電子写真用光受容部材を作成し、実施例
16と同様な評価を行ったところ、実施例16と同様にポ
チ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な効果
が得られた。
<実施例21> 実施例16において、鏡面加工を施した円筒状アルミニ
ウム系支持体を、引き続き多数のベアリング用球の落下
のもとにさらして、円筒状アルミニウム系支持体表面に
無数の打痕を生じしめるいわゆる表面ディンプル化処理
を施し、第39図のような断面形状でc=50μm、d=1
μmとなる円筒状アルミニウム系支持体を用い、実施例
16と同様な作成条件で電子写真用光受容部材を作成し、
実施例16と同様な評価を行ったところ、実施例16と同様
にポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な
効果が得られた。
<実施例22> 実施例9において、CH4ガスをC2H2ガスに変え、円筒
状アルミニウム系支持体の温度を500℃とし、第21表に
示す作成条件により、上部層がpoly−Si(H,X)からな
る電子写真用光受容部材を実施例9と同様に作成し、同
様な評価を行ったところ、実施例9と同様にポチ、ガサ
ツキ、層はがれに対して改善される良好な効果が得られ
た。
<実施例23> マイクロ波(以下「μW」と略記する)グロー放電分
解法によって本発明の電子写真用光受容部材を形成し
た。
第37図に示したRFグロー放電分解法の製造装置の堆積
装置1000を第40図に示すμWグロー放電分解法用の堆積
装置1100に交換して原料してガス供給装置1020と接続し
た、第41図に示すμWグロー放電分解法による電子写真
用光受容部材の製造装置を用いた。
図中1107は円筒状アルミニウム系支持体であり、外直
径は108mmで、表面に鏡面加工を施してある。
まず実施例1と同様に、堆積室1101およびガス配管内
を、堆積室1101の圧力が5×10-6Torrになるまで排気し
た。
その後実施例1と同様に、各ガスをマスフローコント
ローラー1021〜1028内に導入した。但し、CH4ガスボン
ベに変えてSiF4ガスボンベを使用した。
また、堆積室1101内に設置された円筒状アルミニウム
系支持体1107の温度は不図示の加熱ヒーターにより250
℃に加熱した。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、円筒状ア
ルミニウム系支持体1107上に、下部層、上部層の各層の
成膜を行った。下部層を形成するには、流出バルブ104
1,1042,1043,1044,1045,1046,1047,1048および補助バル
ブ1018を徐々に開いて、SiH4ガス,H2ガス,SiF4ガス,
GeH4ガス,B2H6/H2ガス,NOガス,AlCl3/Heガス,Cu(C4H
7N2O2)2/Heガスをガス導入管1110の不図示のガス放出孔
を通じてプラズマ発生領域1109内に流入させた。この時
SiH4ガス流量が150SCCM、H2ガス流量が20SCCM、SiF4
ス流量が10SCCM、GeH4ガス流量が20SCCM、NOガス流量が
10SCCM、B2H6/H2ガス流量がSiH4に対して100ppmになる
ように、AlCl3/Heガス流量が400SCCM、Cu(C4H7N2O2)2/H
eガス流量が10SCCMとなるようの各々のマスフローコン
トロラー1021,1022,1023,1024,1025,1026,1027,1028で
調整した。堆積室1101内の圧力は、0.6mTorrとなるよう
に不図示の真空計を見ながら不図示のメインバルブの開
口を調整した。その後、不図示のμW電源の電力を0.5W
/cm3に設定し導波部1103および誘導体窓1102を通じてプ
ラズマ発生領域1109内にμW電力を導入し、μWグロー
放電を生起させ、円筒状アルミニウム系支持体1107上に
下部層の形成を開始した。下部層の形成中、SiH4ガス流
量は150SCCMSiF4ガス流量は10SCCM、GeH4ガス流量は20S
CCM,B2H6ガス流量はSiH4に対して100ppm、NOガス流量は
10SCCM、Cu(C4H7N2O2)2/Heガス流量は10SCCMの一定流量
になるようにH2ガス流量は20SCCMから500SCCMに一定の
割合で増加するように、AlCl3/Heガス流量は支持体側0.
01μmでは400SCCMから80SCCMに一定の割合で減少する
ように、上部層側0.01μmでは80SCCMから50SCCMに一定
の割合で減少するようにマスフローコントローラー102
1,1022,1023,1024,1025,1026,1027,1028を調整し、層厚
0.02μmの下部層を形成したところでμWグロー放電を
止め、また、流出バルブ1041,1042,1023,1044,1045,104
6,1047,1048および補助バルブ1018を閉じて、プラズマ
発生領域1109内へのガスの流入を止め、下部層の形成を
終えた。
次に、上部層の第一の層領域を形成するには、流出バ
ルブ1041,1042,1043,1045および補助バルブ1018を徐々
に開いてSiH4ガス、H2ガス、SiF4ガス、B2H6/H2ガスを
導入管1110の不図示のガス放出孔を通じてプラズマ発生
空間1109内に流入させた。この時SiH4ガス流量が500SCC
M、H2ガス流量が500SCCM、B2H6/H2ガス流量がSiH4ガス
流量に対して200ppm、SiF4ガス流量が20SCCMとなるよう
に各々のマスフローコントロラー1021,1022,1023,1025
で調整した。堆積室1101内の圧力は、0.4mTorrとなるよ
うに調整した。その後、不図示のμW電源の電力を0.5W
/cm3に設定し下部層と同様に、プラズマ発生室1109内に
μWグロー放電を生起させ、下部層上に上部層の第一の
層領域の形成を開始し、層厚1μmの上部層の第一の層
領域を形成した。
次に、上部層の第二の層領域を形成するには、流出バ
ルブ1041,1042,1043及び補助バルブ1018を徐々に開いて
SiH4ガス,H2ガス,SiF4をガス導入管1110の不図示のガ
ス放出孔を通じてプラズマ発生空間1109内に流入させ
た。この時、SiH4ガス流量が700SCCM,H2ガス流量が500S
CCM,SiF4ガス流量が30SCCMとなるように、各々のマスフ
ローコントローラー1021,1022,1023で調整した。堆積室
1101内の圧力は、0.5mTorrとなるように調整した。その
後、不図示のμW電源の電力を0.5W/cm3に設定し、下部
層と同様にプラズマ発生室1109内にμWグロー放電を生
起させ、上部層の第一の層領域上に上部層の第二の層領
域の形成を開始し、層厚20μmの上部層の第二の層領域
を形成した。
次に、上部層の第三の層領域を形成するにはSiF4ガス
ボンベをCH4ガスボンベに変え、流出バルブ1041,1043お
よび補助バルブ1018を徐々に開いてSiH4ガス、CH4ガス
をガス導入管1110の不図示のガス放出孔を通じてプラズ
マ発生空間1109内に流入させた。この時SiH4ガス流量が
150SCCM、CH4ガス流量が500SCCMとなるように各々のマ
スフローコントローラー1021,1023で調整した。堆積室1
101内の圧力は、0.3mTorrとした。その後、不図示のμ
W電源の電力を0.5W/cm3に設定しプラズマ発生領域1109
内に、μWグロー放電を生起させ、上部層の第二の層領
域上に層厚1μmの上部層の第三の層領域を形成した。
以上の、電子写真用光受容部材の作成条件を第22表に
示す。
この電子写真用光受容部材を実施例1と同様な評価を
行ったところ、実施例1と同様にポチ、ガサツキ、層は
がれに対して改善される良好な効果が得られた。
また実施例23の電子写真用光受容部材の下部層をSIMS
で分析したところ、シリコン原子、水素原子およびアル
ミニウム原子の膜厚方向の含有量は所望どおりに変化し
ていることがわかった。
<実施例24> 実施例1においてCH4ガスボンベをC2H2ガスボンベに
変え、GeH4ガスボンベをGeF4ガスボンベに変えて、第23
表に示す作成条件により、実施例1と同様に電子写真用
光受容部材を作成し、同様な評価を行ったところ、実施
例1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善さ
れる良好な効果が得られた。
<実施例25> 実施例1においてB2H6/H2ガスボンベをPH3/H2ガス
ボンベに変え、下部層においてCH4ガスをさらに使用
し、全層にSiF4ガスを使用して、第24表に示す作成条件
により、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作成
し、同様な評価を行ったところ、実施例1と同様にポ
チ、ガサツキ、層はがれに対して改善される良好な効果
が得られた。
<実施例26> 実施例1においてCH4ガスボンベをNH3ガスボンベに変
え、不図示のボンベよりSnH4ガス、BF3ガスを使用し、
不図示の密閉容器よりMg(C5H5)2/Heガスを使用し、第25
表に示す作成条件により実施例1と同様に電子写真用光
受容部材を作成し、同様な評価を行ったところ、実施例
1と同様にポチ,ガサツキ,層はがれに対して改善され
る良好な効果が得られた。
<実施例27> B2H6/H2ガスボンベをPF3/H2ガスボンベに変え、SiF
4ガスを使用し、第26表に示す作成条件により、実施例
6と同様に電子写真用光受容部材を作成し、同様な評価
をおこなったところ、実施例6と同様にポチ,ガサツ
キ,層はがれに対して改善される良好な効果が得られ
た。
<実施例28> CH4ガスボンベをC2H2ボンベに変え、上部層におい
て、Si2H6ガスをさらに使用し、第27表に示す作成条件
により、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作成
し、同様な評価をおこなったところ、実施例1と同様に
ポチ,ガサツキ,層はがれに対して改善される良好な効
果が得られた。
<実施例29> 実施例1においてCH4ガスボンベをNH3ガスボンベに変
え、GeH4ガスボンベをGeF4ガスボンベに変え、上部層に
おいて不図示のボンベより、PH3/H2ガスをさらに使用
し、第28表に示す作成条件により、実施例1と同様に電
子写真用光受容部材を作成し、同様な評価をおこなった
ところ、実施例1と同様にポチ,ガサツキ,層はがれに
対して改善される良好な効果が得られた。
<実施例30> 実施例1において鏡面加工を施した円筒状アルミニウ
ム系支持体を、引き続き多数のベアリング用球の落下の
もとにさらして、円筒状アルミニウム系支持体表面に無
数の打痕を生じしめるいわゆる表面ディンプル化処理を
施し、第39図のような断面形状でc=50μm、d=1μ
mとなる円筒状アルニウム系支持体を用い、第29表に示
す作成条件により、実施例1と同様に電子写真用光受容
部材を作成し、同様な評価をおこなったところ、実施例
1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対して改善され
る良好な効果が得られた。
<実施例31> 第30表に示す作成条件により、実施例1と同様に電子
写真用光受容部材を作成し、同様な評価をおこなったと
ころ、実施例1と同様にポチ、ガサツキ、層はがれに対
して改善される良好な効果が得られた。
<実施例32> RFスパツタリング法によって本発明の電子写真用光受
容部材の下部層を形成し、RFグロー放電分解法によって
上部層を形成した。
第42図に原料ガス供給装置1500と堆積装置1501からな
る、RFスパツタリング法による電子写真用光受容部材の
製造装置を示す。
図中1405は下部層を形成するための原料となるSi,Al,
Cuから成るターゲツトであり各々の原子が所望の分布状
態となるよう厚さ方向の混合比を変えてある。
図中の1408,1409,1410のガスボンベには下部層を形成
するための原料ガスが密封されており、1408はSiH4ガス
(純度99.99%)ボンベ、1409はH2ガス(純度99.9999
%)ボンベ、1410はArガス(純度99.999%)ボンベであ
る。
図中1402は円筒状アルミニウム系支持体であり、外直
径は108mmで、表面に鏡面加工を施してある。
まず実施例1と同様に、堆積室1401およびガス配管内
を、堆積室1401の圧力が1×10-6Torrになるまで排気し
た。
その後実施例1と同様に、各ガスをマスフローコント
ローラー1412〜1414内に導入した。
また、堆積室1401内に設置された円筒状アルミニウム
系支持体1402の温度は不図示の加熱ヒーターにより330
℃に加熱した。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、円筒状ア
ルミニウム系支持体1402上に、下部層の成膜を行った。
下部層を形成するには、流出バルブ1420,1421,1422お
よび補助バルブ1432を徐々に開いてSiH4ガス、H2ガス、
Arガスを堆積室1401内に流入させる。この時、SiH4ガス
流量が30SCCM、H2ガス流量が5SCCM、Arガス流量が100SC
CMとなるように各々のマスフローコントローラー1412,1
413,1414で調整した。堆積室1401内の圧力は、0.01Torr
となるように真空計1435を見ながらメインバルブ1407の
開口を調整した。この後、不図示のRF電源の電力を1mW/
cm3に設定し高周波マツチングボツクス1433を通じてタ
ーゲツト1405およびアルミニウム計支持体1402間にRF電
力を導入し、RFグロー放電を生起させ、円筒状アルミニ
ウム系支持体上に下部層の形成を開始した。下部層の形
成中、SiH4ガス流量は30SCCMの一定流量となるように、
H2ガス流量は5SCCMから100SCCMに一定の割合で増加する
ように、Arガス流量は100SCCMの一定流量となるように
マスフローコントローラー1412,1413,1414を調整し、層
厚0.05μmの下部層を形成したところでRFグロー放電を
止め、また、流出バルブ1420,1421,1422および補助バル
ブ1432を閉じて、堆積室1401内へのガスの流入を止め、
下部層の形成を終えた。
下部層形成を行っている間は層形成の均一化を図るた
め、円筒状アルミニウム系支持体1402を不図示の駆動装
置によって所望される速度で回転させる。
次に、上部層を形成するには第37図に示す装置を用い
て、グロー放電分解法により形成する。第31表に示す作
成条件により、実施例1と同様に電子写真用光受容部材
を作成し、同様な評価を行ったところ、実施例1と同様
にポチ、ガサツキ、層はがしに対して改善される良好な
効果が得られた。
また実施例32の電子写真用光受容部材の下部層をSIMS
で分析したところ、シリコン原子、水素原子およびアル
ミニウム原子の膜厚方向の含有量は所望どおりに変化し
ていることがわかった。
〔発明の効果〕 本発明の電子写真用光受容部材を前述のごとき特定の
層構成としたことにより、A−Siで構成された従来の電
子写真用光受容部材における諸問題を全て解決すること
ができ、特に極めて優れた、電気的特性、光学的特性、
光導電特性、画像特性、耐久性および使用環境特性を示
す。
特に本発明においては、下部層において、アルミニウ
ム原子(Al)、シリコン原子(Si)、特には水素原子
(H)を層厚方向に不均一な分布状態で含有させること
により、アルミニウム系支持体と上部層との間における
電荷(フォトキヤリヤ)の注入性が改善され、さらに
は、アルミニウム系支持体と上部層との構成元素の組織
的構造的連続性が改善されるために、ガサツキやポチ等
の画像特性が改善され、ハーフトーンが鮮明に出て、且
つ解像力の高い高品質の画像を安定して繰り返し得るこ
とができる。
さらには、電子写真用光受容部材に加わる比較的短時
間な衝撃性の機械的圧力による画像欠陥の発生やNon−S
i(H,X)膜のはがれの発生を防止し耐久性を向上させ、
さらには、アルミニウム系支持体とNon−Si(H,X)膜の
熱膨張率の違いにより発生する応力を緩和し、Non−Si
(H,X)膜にクラックやはがれが生じるのを防ぎ、生産
性における歩留まりを向上させることができる。
特に本発明においては、下部層中に銅原子(Cu)を含
有させることによる際立った特徴として、前記したアル
ミニウム系支持体と上部層との間における電荷(フオト
キヤリヤ)の注入性や密着性および下部層における電荷
(フオトキヤリヤ)の走行性が著しく改善されるため
に、画像特性や耐久性において著しい改善が見られると
いう特徴を有する。
さらに本発明においては、上部層において下部層と接
する層領域に伝導性を制御する原子(M)を含有させる
ことにより、上部層と下部層との間における電荷の注入
性もしくは電荷の注入阻止性を選択的に制御又は改善す
ることができ、ガサツキやポチ等の画像特性が改善さ
れ、ハーフトーンが鮮明に出て、且つ解像力の高い、高
品質の画像を安定して繰り返し得ることができ、帯電
能,感度および耐久性も改善される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電子写真用光受容部材の層構成を説明
するための模式的構成図、 第2図は従来の電子写真用光受容部材の層構成を説明す
るための模式的構成図、 第3図乃至第8図はそれぞれ下部層に含有されるアルミ
ニウム原子(Al)、銅原子(Cu)必要により含有される
マグネシウム原子(Mg)、ゲルマニウム原子(Ge)及び
スズ原子(Sn)及びハロゲン原子(X)及び耐久性を制
御する原子(CNOC)及び画質を調整する原子(Mc)の分
布状態の説明図、 第9図乃至第16図はそれぞれ、下部層に含有されるシリ
コン原子(Si)、水素原子(H)、銅原子(Cu)、必要
により含有されるマグネシウム原子(Mg)、ゲルマニウ
ム原子(Ge)およびスズ原子(Sn)及びハロゲン原子
(Xc)および耐久性を制御する原子(CNOC)及び画質を
調整する原子(Mc)の分布状態の説明図、 第17図乃至第36図はそれぞれ、上部層に含有される伝導
性を制御する原子(M)、炭素原子(C)および/また
は窒素原子(N)および/または酸素原子(O)、ゲル
マニウム原子(Ge)および/またはスズ原子(Sn)、マ
グネシウム原子(Mg)、銅原子(Cu)の分布状態の説明
図、 第37図は本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を形
成するための装置の一例でRFを用いたグロー放電法によ
る製造装置の模式的説明図、 第38図は本発明の電子写真用光受容部材を形成する際の
アルミニウム系支持体の断面形状がV字形である場合の
支持体断面の拡大図、 第39図は本発明の電子写真用光受容部材を形成する際の
アルミニウム系支持体の表面がいわゆるディンプル化処
理された場合の支持体断面の拡大図、 第40図は本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を形
成するためにマイクロ波グロー放電法をもちいる際の堆
積装置の模式的説明図、 第41図は本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を形
成するための装置の一例でマイクロ波を用いたグロー放
電法による製造装置の模式的説明図、 第42図は本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を形
成するための装置の一例でRFスパツタリング法による製
造装置の模式的説明図、 第1図について、 100……本発明の電子写真用光受容部材 101……アルミニウム系支持体 102……光受容層 103……下部層 104……上部層 105……自由表面 第2図について、 200……従来の電子写真用光受容部材 201……アルミニウム系支持体 202……A−Siからなる感光層 203……自由表面 第37図において、 1000……RFグロー放電分解法による堆積装置 1001……堆積室 1005……円筒状アルミニウム系支持体 1008……ガス導入管 1009……ガス放出孔 1012……高周波マッチングボックス 1014……加熱ヒーター 1015……リークバルブ 1016……メインバルブ 1017……真空計 1018……補助バルブ 1020……原料ガス供給装置 1021〜1027……マスフローコントローラー 1031〜1037……ガス流入バルブ 1041〜1047……ガス流出バルブ 1051〜1057……原料ガスボンベのバルブ 1061〜1067……圧力調整器 1071〜1077……原料ガスボンベ 1078……原料の密閉容器 第40図、第41図において、 1100……マイクロ波グロー放電法による堆積装置 1101……堆積室 1102……誘電体窓 1103……導波部 1107……円筒状アルミニウム系支持体 1109……プラズマ発生領域 1010……ガス導入管 第42図において、 1401……堆積室 1402……円筒状アルミニウム系支持体 1405……ターゲツト 1407……メインバルブ 1408〜1410……原料ガスボンベ 1412〜1414……マスフローコントローラー 1416〜1418……ガス流入バルブ 1420〜1422……ガス流出バルブ 1432……補助バルブ 1433……高周波マツチングボツクス 1435……真空計 1500……原料ガス供給装置 1501……RFスパツタリング法による堆積装置
フロントページの続き (72)発明者 狩谷 俊光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 新納 博明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−111046(JP,A) 特開 昭62−15554(JP,A) 特開 昭59−212845(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム系支持体と該支持体上に、少
    なくとも光導電性を有する多層構造の光受容層を有する
    光受容部材において、前記光受容層が前記支持体側よ
    り、構成要素として少なくともアルミニウム原子、シリ
    コン原子、水素原子、銅原子を含む無機材料で構成され
    且つ前記アルミニウム原子とシリコン原子と水素原子が
    層厚方向に不均一な分布状態で含有する部分を有する下
    部層と、シリコン原子を母体とし、水素原子およびハロ
    ゲン原子の中の少なくともいずれか一方を含有する非単
    結晶質材料で構成され、且つ前記下部層と接する層領域
    に伝導性を制御する原子を含有する上部層からなる事を
    特徴とする光受容部材。
  2. 【請求項2】伝導性を制御する原子が周期律表第III族
    に属する原子であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載の光受容部材。
  3. 【請求項3】伝導性を制御する原子が窒素原子を除く周
    期律表第V族に属する原子であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載の光受容部材。
  4. 【請求項4】伝導性を制御する原子が酸素原子を除く周
    期律表第VI族に属する原子であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載の光受容部材。
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