JP2599592B2 - びん入りケースの積重ね展示筒体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、上端が開口したケース内に、３本以上の
びんを、その少なくとも首の高さの中間よりも上方の部
分が上方に突出した状態で入れ、このケースを複数積重
ねて展示するのに用いられる積重ね展示用筒体に関す
る。

従来技術とその問題点 たとえば、スーパーマーケットや小売店において、し
ょう油、油等が封入されているびんが、上端が開口した
ケース内に、胴の高さの中間よりも上部が上方に突出し
た状態で入れられ、このびん入りケースが積重ね展示さ
れることがある。この場合、従来は、下位のケース内の
びんの上端で、上位のケースの底を支えるように積重ね
ていた。ところが、買物客等がびんを抜き取る場合、最
上位のケースからではなく、手の届き易い中位のケース
から抜き取ることが多く見られる。すると、荷重を受け
ているびんを抜き取ることになり、抜き取りが困難であ
るとともに、抜き取り後の各ケースの支持状態が不安定
となって、ケースにぶつかる等した場合に全ケースが崩
れるという問題があった。

この発明の目的は、上記問題を解決したびん入りケー
スの積重ね展示筒体を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この発明によるびん入りケースの積重ね展示用筒体
は、上端が開口したケース内に、３本以上のびんを、少
なくともその首の高さの中間よりも上方の部分が上方に
突出した状態で入れ、このケースを複数積重ね展示する
のに用いられるびん入りケースの積重ね展示用筒体であ
って、紙、プラスチックまたは紙を主体とする複合材で
筒状に形成され、内径がびんの首の外径よりも大でかつ
胴の外径よりも小となされ、長さがびんの首よりも長く
なされたものである。

上記において、ケースに入れられるびんには、ガラス
製およびプラスチック製のいずれのものも含まれる。

また、上記において、紙製筒体としては、強度のある
単層の厚紙からなるもの、２層以上の厚紙からなるも
の、およびこれらの外面に採色紙を張り合わせたものな
どが用いられる。プラスチック製筒体としては単層のプ
ラスチックからなるものおよび２層以上のプラスチック
からなるものが用いられる。紙を主体とする複合材製筒
体としては、一般に強度のある厚紙を芯層として、ポリ
エチレンなどの合成樹脂被覆紙、同アルミニウム（アル
ミニウム合金を含む。以下同じ）箔などを内層とし、採
色紙、同アルミニウム箔、プラスチックフィルムの紙と
の積層品などを外層としたもの、厚紙の内面または内外
両面が合成樹脂層で被覆されたものなどが用いられる
が、このようなものに限定されない。

また、上記において、筒体の下端開口の周縁の補強お
よびびんの傷付き防止のために、筒体の下端開口の周縁
に縁巻きを設けておくことが好ましい。また、縁巻きを
設ける変わりにプラスチック製補強兼傷付き防止リング
を取付けておいてもよい。

実 施 例 以下、この発明の実施例を、図面を参照しながら説明
する。

上端が開口したケース（１）内に、３本以上のびん
（２）を、その胴（３）の高さの中間よりも上方の部分
が上方に突出した状態で入れ、このケース（１）を複数
積重ねて展示するのに使用する筒体（10）は、３枚の帯
状板紙を順々にスパイラル状に巻くことにより形成され
たものであり、その外周面が色付き紙で被覆されたもの
である。筒体（10）の上下両端開口の周縁には、それぞ
れ補強用縁巻き（11）が内方突出状に設けられている。
下端の縁巻き（11）はびん（２）の傷付き防止の働きも
する。筒体（10）の内径は、びん（２）の首（４）の外
径よりも大で、かつ胴（３）の外径よりも小となされて
いる。また筒体（10）の長さは、びん（２）の首（４）
の長さよりも長くなされている。

このような筒体（10）を使ってびん（２）入りケース
（１）を積重ね状に展示する方法は次の通りである。

積重ね展示するに先だって、まずケース（１）を用意
する。このケース（１）は、びん（２）を包装していた
直方体状の紙製包装箱を、その周壁の高さの中間部で切
断することにより形成される。しかしながら、これに限
定されるものではない。そして、最上位に載せるべきケ
ース（１）を除いた残りの各ケース（１）内の４角部に
位置する４本のびん（２）の首（４）に、それぞれ筒体
（10）を嵌め被せる。筒体（10）の下端は、びん（２）
の肩（５）に載っている。また筒体（10）の上端はびん
（２）の上端よりも上方に突出している。その後、台
（12）上に各ケース（１）を積み重ね、筒体（10）によ
り上位のケース（１）の底を支える。

このようにして展示されたケース（１）からびん
（２）を抜き取る場合には、筒体（10）が嵌め被せられ
ていないびん（２）を抜き取れば、大きな力を必要とし
ない。また、最上位以外のケース（１）内からびん
（２）を抜き取っても、その上位のケース（１）の支持
状態が不安定になることはない。

発明の効果 この発明のびん入りケースの積重ね展示用筒体によれ
ば、筒体の内径がびんの首の外径よりも大でかつ胴の外
径よりも小となされ、長さがびんの首よりも長くなされ
たものであるから、下端がびんの肩に載り、かつ上端が
びんの上端よりも上方に突出するようにびんの首に嵌め
被せることができる。したがって、最上位に載せるべき
ケースを除いた残りの各ケース内の少なくとも３本のび
んの首にそれぞれ筒体を嵌め被せて各ケースを積み重ね
ることにより、筒体によって上位のケースの底を支える
ことができるとともに、筒体の嵌め被せられていないび
んの上端は上位のケースに当接しなくなる。その結果、
すべてのケースから筒体の嵌め被せられていないびんを
簡単に抜き取ることができる。しかも、このようなびん
を抜き取ったとしても、ケースの支持状態が不安定にな
ることはない。

また、筒体は、紙、プラスチックまたは紙を主体とす
る複合材で形成されたものであるから、これを嵌め被せ
たびんに傷が付くことはなく、しかも金属等他の材料か
らなるものに比べてコストが安くなるとともに廃棄処理
を容易に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による筒体を用いて積重ね展示した複
数のびん入りケースの正面図、第２図は第１図の一部を
切欠いた部分拡大図である。 （１）……ケース、（２）……びん、（３）……胴、
（４）……首、（10）……積重ね展示用筒体。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上端が開口したケース内に、３本以上のび
   んを、少なくともその首の高さの中間よりも上方の部分
   が上方に突出した状態で入れ、このケースを複数積重ね
   展示するのに用いられるびん入りケースの積重ね展示用
   筒体であって、 紙、プラスチックまたは紙を主体とする複合材で筒状に
   形成され、内径がびんの首の外径よりも大でかつ胴の外
   径よりも小となされ、長さがびんの首よりも長くなされ
   たびん入りケースの積重ね展示用筒体。