JP2597604B2 - スケール防止剤 - Google Patents

スケール防止剤

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JP2597604B2 JP62262332A JP26233287A JP2597604B2 JP 2597604 B2 JP2597604 B2 JP 2597604B2 JP 62262332 A JP62262332 A JP 62262332A JP 26233287 A JP26233287 A JP 26233287A JP 2597604 B2 JP2597604 B2 JP 2597604B2
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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、スケール防止剤に関する。さらに詳しく
は、高温水系、非高温水系を問わず種々のスケール、こ
とにカルシウム系やマグネシウム系スケールの発生を防
止又は抑制しうるスケール防止剤に関する。
(ロ)従来の技術 各種工業用水系中でのスケール生成は高温水系、非高
温水系を問わず深刻な問題である。
例えば、水系が加熱されると溶存しているカルシウ
ム、マグネシウムのような金属イオンが不溶性の化合物
に変化し易く、水系と接触している伝熱面等にスケール
として析出する。
この傾向は、ボイラー、海水淡水化装置系、地熱熱水
の利用装置系等の高温水系の場合、顕著であり、熱効率
の低下、水路の閉塞等の障害を引起す。
一方、一般冷却水系において、近年、需要量の多い冷
却水は節約が望まれている。従ってビルや工場などでは
冷却水の循環使用を行ない、排水量を極力抑える高濃縮
運転を行っている水系が増加している。
このような水系では非高温水といえども上記スケール
が生成し易く、中でもケイ酸イオンがカルシウムイオン
やマグネシウムイオンなどと結合したシリカ化合物によ
るスケールは熱伝導度が小さく、少量付着しただけでも
冷却効率が著しく低下するため問題となる。
まだ、地熱を利用するような系においては過飽和シリ
カを含有する地熱熱水が地上に出て送湯管を流れると
き、シリカ化合物コロイドの生成と同時にシリカ化合物
の管壁への付着が起こり閉塞等の問題が発生する。そし
てこの地熱熱水を利用した地熱発電が今日のように盛ん
になるに伴い、シリカの管壁への付着による閉塞や地熱
熱水をもどす還元井内部や地下岩盤内での付着による閉
塞により、送湯管の取り換えや新たに還元井を掘ること
等莫大な費用がかかるという問題がある。このようなシ
リカ化合物のスケールは硬質で、一旦付着すると機械も
しくは塩酸などによる洗浄では容易には除去し難いとい
う問題もある。
従来、前記のごとき高温水系のスケールの発生を防止
するために、無機又は有機のリン化合物、ポリ(メタ)
アクリル酸、ポリ無水マレイン酸等を添加する提案がな
されている(内田老鶴圃新社刊、鈴木静夫著「工業用水
処理」、特公昭54−29,316号公報、特公昭53−20475号
公報、特開昭58−122096号公報)。
また、シリカ化合物スケールによる障害を防止するた
めに従来、第四級アンモニウム塩(特開昭57−110398,5
8−223497号公報)、含窒素ホスホン又はスルホン酸誘
導体(特開昭57−156094号公報)、カチオン性化合物
(特開昭58−74196号公報)、アルキレンオキシド誘導
体とピリジン誘導体(特開昭58−84098号公報)、ノニ
オン系界面活性剤(特開昭59−39397号公報)等からな
るスケール防止剤が種々提案されている。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような各々のスケール防止剤も
工業分野の用途における要望を十分に満足するものとは
なっていない。
すなわち、例えばボイラーで発生するなま蒸気を食品
自体の処理工程に直接又は間接に使用するとき(例えば
酒蒸し工程)や、地熱熱水を温泉に利用するか又は、食
品処理に供する場合、あるいは海水を淡水化して飲用す
る場合など、前記何れのスケール防止剤も本来、化学薬
品であって人体及び動植物に対し衛生上完全に無害であ
るとはいえないため、安心して使用することができな
い。
また、これらの薬品を含んだ使用ずみの水が系外に排
出されたとき、河川水及び海水を汚染し、公害面の問題
が発生するため対策が必要になる。
この発明はかかる状況下においてなされたものであ
り、種々の水系における種々のスケールの発生を有効に
抑制防止するとともに、とくにその際スケール防止剤が
添加された処理水又はそれらから発生する蒸気が直接又
は間接に人体に摂取されるときあるいは、それらが系外
に排出されたときにおいても、全く安全かつ無害である
ようなスケール防止剤を提供しようとするものである。
なお、従来から植物性蛋白質の部分分解物ことにアル
カリ、酸又は酵素による加水分解物の性状等について種
々報告がなされているが、そのスケール防止作用につい
ては本発明者らの知る限り全く知られていない。
(ニ)問題点を解決するための手段 本発明者らは、鋭意研究を行なった結果、生分解性が
優れかつ生物に対する阻害性もない穀物蛋白質及びその
部分分解物が、非高温水系、高温水系を問わず、ケイ酸
カルシウムやマグネシウムをも含めた種々のカルシウム
系及びマグネシウム系スケール、さらには亜鉛系スケー
ルの発生を防止又は抑制するよう機能する事実を見出し
た。
かくしてこの発明によれば、穀物蛋白質、又は重量平
均分子量が700以上であるその部分分解物を有効成分と
して含有してなるスケール防止剤が提供される。
この発明の穀物蛋白質とは、穀物に含有される蛋白質
を意味し、ここで穀物としては、麦類(例えば、小
麦)、トウモロコシ類、豆類(例えば、大豆)などが挙
げられる。かかる穀物に含まれる蛋白質のうち、例えば
小麦蛋白質は、グルテニンとグリアジンを主成分として
含み、通常小麦グルテンと称せられる。また、トウモロ
コシ蛋白質は、ゼインを主成分として含み、通常トウモ
ロコシグルテンと称せられる。これらはいずれも公知の
物質であり、穀物から常法によって分離や抽出して得る
ことができる。例えば、小麦蛋白質(小麦グルテン)を
得る場合、小麦粉に少量の水を加えて固く練り、次いで
これを多量の水中で練ると澱粉は水中に懸濁し、グルテ
ン含有分は粘着性のかたまりとなって残る。この操作
を、水を替えて数回行なうと灰褐色、粘稠な塊状物とな
って得ることができる。この発明においては、このよう
な塊状物をそのまま使用することができるが、その乾燥
品を用いてもよく、さらに精製したものを用いてもよ
い。例えば、小麦グルテンは、乾燥品が市販されており
容易に入手することができる。その他市販のトウモロコ
シグルテンや大豆蛋白を簡便に使用することができる。
なお、かかる蛋白質は、粗製品を用いても精製品を用
いてもよいが、蛋白質を70%以上含有するものを用いる
のが好ましい。
この発明に用いる部分分解物は、上記穀物蛋白質を原
料として部分分解処理に付すことにより製造できる。そ
こで部分分解とは、穀物蛋白質分子中の多数の酸アミド
配合および−S−S−結合などの一部分を、酸、アルカ
リ、酵素または酸化剤、還元剤によって分解し、より低
分子のポリペプタイド混合物とすることを示す。
分解度の低い部分分解物は穀物蛋白質の性状に近いた
め、当然穀物蛋白質に類似したスケール防止効果を有す
るが、分解度のより高い部分分解物は穀物蛋白質より高
いスケール防止効果を発揮することが認められ、本発明
においてとくに有効に使用することができる。ただし、
その分解度が極端に高すぎると実質的にアミノ酸やその
オリゴペプタイドが主体となりスケール防止効果が低下
するため適さない。
従って、部分分解物は重量平均分子量Mw700以上のも
のが適しており、700〜110000のものが好ましくは、さ
らに2500〜110000のものが好ましい。なお、これらの分
子量は、標準物質として1600,6500,16000,65000,88,000
の分子量を有するポリスチレンスルホン酸ソーダを用
い、ファルマシア社製のセファデックスG−75又はG−
100を担体として用いてゲル濾過法によって測定した値
である。
部分分解処理は、上記穀物蛋白質を、アルカリ、酸、
あるいは酵素による加水分解処理、または還元剤あるい
は酸化剤を用いた還元的もしくは酸化的分解処理に付す
ことにより行なうことができる。
上記アルカリによる加水分解処理は、希アルカリ水溶
液中で加熱することにより行なうのが適している。通
常、分解対象物の水溶液又は水分散液を水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等のアルカリ剤の存在下、約60〜180
℃下約10〜600分撹拌して行なうのが適している。ここ
で分解対象物の水溶液又は水分散液としては2〜40重量
%のものを用いるのが好ましく、また使用するアルカリ
剤の量は分解対象物20gに対し0.1〜6gとするのが好まし
い。
一方酸による加水分解処理は、希酸水溶液中で加熱し
て行なうのが適している。通常、分解対象物の水溶液や
水分散液を、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸や酢酸等の有
機酸の存在下、約60〜120℃下、約10〜600分撹拌して行
なうのが適している。ここでの量的条件は前述したアル
カリ加水分解の際の条件と同一とするのが好ましい。
同じく、酵素による加水分解処理は、プロテアーゼ活
性を有する酵素の希水溶液中で行なうのが適しており、
通常、分解対象物の水溶液や水分散液に、ペプシン、ア
ルカリプロテアーゼ、パパイン等の酵素を少量存在させ
た状態でこの酵素の至適pH条件下で約10〜60℃下、約60
〜600分行なわれる。ここで量的条件は分解対象物200g
に対し酸素使用量を0.02〜5gとする以外上記と同様とす
るのが好ましい。
還元剤又は酸化剤による分解処理は、還元剤又は酸化
剤の希水溶液中で行なうのが適しており、通常、分解対
象物の水溶液や水分散液に、亜硫酸塩、チオール系化合
物、エルソルビン酸、ヒドラジン等の還元剤又は過酸化
水素、次亜塩素酸塩等の酸化剤を少量存在させた状態
で、約10〜100℃下で、10〜600分行なわれる。この際の
量的条件は、分解対象物200gに対する還元剤又は酸化剤
の使用量を0.1〜5gとする以外上記と同様とするのが好
ましい。
上記分解処理は、単独のみならず、二種以上を組合わ
せて行なってもよい。ことに本発明者らの知見によれ
ば、アルカリによる分解処理(A)を必須の条件とし、
これに酸、酵素、酸化剤、還元剤のいずれかの分解処理
(B)を組合せた二工程以上の分解処理により得られる
分解物が、従来の分解物とは異なる新規な分解物であ
り、この発明に用いる部分分解物として一つの好適なも
のであることも見出している。かかる新規な蛋白質部分
分解物は、以下の物性により特性づけられるものであ
る。
(a)重量平均分子量(ゲル濾過法による)が700〜900
00の範囲にある。
(b)紫外吸収λmaxが、260〜280nm付近で、かつ赤外
吸収が1400,1630及び3400cm-1付近である。
(c)等電点が、3.9〜5.0の範囲にある。
(d)pH緩衝性(本品の5重量%水溶液100mlのpHを6
から2まで低下させるのに1N−塩酸を2〜25ml必要とす
る)を有する。
(e)水に可溶であり、メタノール、エタノール、アセ
トン、エーテルに不溶である。
(f)外観は淡黄色ないし赤茶色の粉末である。
(g)キサントプロティン反応、ニンヒドリン反応によ
って呈色する。
(h)強い表面張力低下能(本品を25℃の純水に0.1重
量%添加することによって、純水の表面張力を50dyne/c
m以下(デュヌイの表面張力計で計測)に低下させる)
を有する。
(i)強い乳化能(本品1gの添加使用により少なくと
も、大豆油を30重量%含有する水−大豆油混合物100gを
完全乳化(均一な乳化状態を少なくとも10分、好ましく
は1時間以上維持することを意味する)しうる)を有す
る。
かかる部分分解物は、とくに上記表面張力低下能
(h)及び乳化能(i)の点で、通常の穀物蛋白質部分
分解物とは区別されるものである。
なお、上記多段分解処理の順序はとくに限定されな
い。即ち、小麦グルテン等の原料を最初にアルカリ分解
処理(A)に付した後、上述した酸、酵素、還元剤又は
酸化剤を用いた分解処理(B)(アルカリ以外の分解処
理)又はその二種以上の処理に付してもよく、またこの
逆の順で分解処理を行なってもよい。また、先にアルカ
リ以外の分解処理(B)に付した後、アルカリ分解処理
(A)に付し、再びアルカリ以外の分解処理(B)に付
すことにより得ることも可能である。また、これらの各
処理間では、適宜、中和処理がなされてもよい。
この発明において穀物蛋白質又はその部分分解物は、
ともに粉末かまたは適当濃度の水性媒体とくに、好まし
くは水溶液として対象水系に添加使用することができる
が、加水分解物の場合、それぞれの加水分解反応におけ
る生成液として使用することもできる。なお、水溶液の
製剤とする場合、その液性はとくに制限されないが、蛋
白質やその分解物の腐敗抑制の点でアルカリ性とするの
が一つの好ましい態様である。
この発明のスケール防止剤は、高温水系のカルシウム
/マグネシウム系スケール防止に有用である。ここで高
温水系とは、一般の中・低圧ボイラ、海水淡水化装置、
地熱熱水を利用する装置その他加熱水で運転される工業
用製造及び処理の水系を対象とし、その際80℃以上概ね
250℃迄、とくに好ましくは100〜200℃の高温域の水系
である。この際の穀物蛋白質又は部分分解物の有効添加
量は、対象水系の水質と水温及び防止すべきスケールの
種類などによって相違するための一律に規定し得ない。
例えば、ほぼ60mg/の硬度成分を有する水質の缶水
を用い約183℃で運転ボイラーにおいて炭酸カルシウム
スケールの発生を有効に防止するために要するグルテン
部分分解物の量は5.0mg/以上であり好ましくは20mg/
以上である。また約100℃で運転する海水淡水化装置
において炭酸カルシウム及び/又は水酸化マグネシウム
のスケールの防止にグルテン部分分解物を使用した場合
には0.1mg/以上の濃度が適しており好ましくは0.1mg/
以上の濃度である。ボイラの場合、この有効量は200
〜250℃の高温のとき又塩濃度が高い水質のとき比較的
に添加量を増すことが当然必要になってくる。また、海
水淡水化装置の場合、海水の濃縮率、運転温度などの条
件によって添加量を変化させることも当然必要になる。
しかしながら穀物蛋白質、その分解物のいづれについて
も1000mg/以上添加することにより経済的不利を超え
る効果を期待することはできない。従って、高温水系に
おける適当な添加量は0.1〜1000mg/であり、さらにケ
イ酸カルシウムやケイ酸マグネシウムのごときシリカ系
スケールをも確実に防止又は抑制するためには0.2〜100
0mg/とするのが適しており、2〜1000mg/が好まし
い。
また、この発明のスケール防止剤は上記温度未満の温
度の水が用いられる非高温水系のスケール発生防止に有
用である。かかる非高温水系の対象としては、一般冷却
水系が挙げられる。この際の有効成分の添加量は、0.2
〜200mg/が適しており、1〜100mg/とするのが好ま
しい。
この発明において、穀物蛋白質とその部分分解物の併
用は、一向差支えはなく、さらには必要により他の公知
の薬剤を併用してもよい。かかる併用薬剤としては、無
機・有機のリン化合物、ポリアクリル酸塩のごときポリ
カルボン酸系ポリマー等の他のスケール防止剤、亜硝
酸、クロム系の酸化性化合物、無機有機のリン系化合
物、グルコン酸、酒石酸等の有機酸又はその塩、多価金
属塩、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸等の防食剤、有
機窒素系、有機イオウ系、有機ブロム系の殺菌剤、防腐
剤、シリコン系、アミド系、ワックス系、高級アルコー
ル系の消泡剤などが挙げられる。
(ニ)実施例 [実施例1] 下記の処方により、小麦グルテン[以下、単にグルテ
ンと記したものは小麦グルテンを示す。]及びグルテン
部分分解物の供試品を調製し、高温ボイラに擬したオー
トクレーブを用いて下記試験方法でカルシウムスケール
の防止効果を試験した。表−2に結果を示す。
製造例 (グルテン供試品の調製) 和光純薬工業(株)製の小麦グルテン(試薬品;蛋白
質純度71.9−79.8%)の所定量を水酸化ナトリウムの2
%純水水溶液に加え充分撹拌混合して溶解させ、グルテ
ン含量10%の水溶液を得た。これを供試品No.1(未分解
物)とした。
製造例〜 (グルテンのアルカリによる部分分解物供試品の調製) 上記により調製したグルテン水溶液、供試品No.1を各
20ml分取し、さらに加水分解促進用の3N−水酸化ナトリ
ウム溶液1mlを添加したものと添加しないものについて
表−1に示す条件で加熱撹拌して加水分解反応を行い、
分解度の異なる供試品No.2〜8を得た。
なお、表−1における供試品No.2〜No.8のグルテン部
分分解物について、充填材としてセファデックスG−75
を、標準物質に分子量64,000,16,000,6,400及び1,600の
種々のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用い、UV検
出器を用いてゲル濾過法で分子量分布を測定した結果、
約4,400と約2500の重量平均分子量を有するものであっ
た。
試験方法 カルシウムイオン24mg/およびMアルカリ度200mg/
となるようにそれぞれ塩化カルシウムおよび重炭酸ソ
ーダを純水に加えて検水を調製した。液のpHは8.2であ
った。この検水2をオートクレーブに入れ、これに各
供試品を所定濃度加え、pHを8.2に再調製した後加熱し
液温を183℃(10Kgf/cm2)に保持して2時間撹拌した。
空冷後、検水中の全カルシウム濃度(T−Ca)および
カルシウムイオン濃度(Caイオン)を測定し次式により
各分散率を算出した。
なお、このスケール防止効果試験においては供試品N
O.1〜8の他、参考例として天然高分子物質であるアル
ギン酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチン、さらに従来、
公知のスケール防止剤であるポリアクリル酸ナトリウム
についても同時に試験を行いその結果を表−2に併記し
た。
考察 供試品No.1〜No.8は各々良好な分散率を示し、他の天
然高分子(アルギン酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチ
ン)に比べ、はるかに効果が優れていた。特に供試品N
o.2は従来公知のスチール防止剤であるポリアクリル酸
ナトリウムに比べても同時のスケール防止効果を示し
た。
[実施例2] 実施例1と同じ検水を用いかつ同じ試験方法でオート
クレーブによって供試品No.1とNo.2のカルシウムスケー
ルの防止効果を試験した。ただし本例ではオートクレー
ブの保持温度を158℃(5Kgf/cm2)と200℃(15Kgf/c
m2)で実施した。
なお本例において参考までにアルギン酸ナトリウム、
カゼイン及びポリアクリル酸ナトリウムについても同時
に試験を行った。
それらの結果を表−3に示す。
考察 温度158℃(5Kgf/cm2)および200℃(15Kgf/cm2)に
おいて、供試品No.1,No.2ともに良好な効果を示し、ア
ルギン酸ナトリウムやカゼイン等の他の天然高分子は効
果がほとんど認められなかった。また供試品No.2は、こ
れらの温度においても従来公知のスケール防止剤と同等
の効果を示した。
[実施例3] 下記の処方によりグルテンの酸及び酵素による部分分
解物及びグルテンをアルカリ分解、酸分解及び酵素分解
の各部分分解方法を夫々組合わせて実施して得た部分分
解物を調整した。各部分分解物水溶液についてカルシウ
ムスケールの防止効果を検水の温度を183℃(10Kgf/c
m2)に保持したオートクレーブ中で試験した。
なお、用いた検水及び試験方法は実施例1と同じであ
る。
結果を表4に示す。
製造例 (グルテンの酸による部分分解物の調製) 和光純薬工業(株)製の小麦グルテン(試薬品)を2
%塩酸水溶液に加えグルテン含量10%溶液を調整し、10
0℃30分間加熱して加水分解反応を行った。冷却後、pH
4.5(等電点)に調整して濾過し、得られた沈澱を純水
に加えpHを7.0に調整して供試品No.9のグルテンの酸部
分分解水溶液とした。
供試品No.9について前記ゲル濾過法によって分子量分
布を測定した結果、約53,000の重量平均分量を有するも
のであった。
また、No.9供試品の加水分解の程度を知るため、供試
品No.1(未分解物)とNo.9について、これを強酸性に調
整した後苛性ソーダで滴定した。その結果第1図及び第
2図に示す滴定曲線を得た。
両曲線は明らかに相違し供試品No.9の曲線では等電点
が供試品No.1の場合の7附近から4.5附近に変化し、解
離基(カルボキシル基及びアミノ基)の増加が認められ
た。
製造例 (グルテンの酵素による部分分解物の調製) 和光純薬工業(株)製の小麦グルテン(試薬品)の所
定量を0.1N−塩酸水溶液に加えて溶解することにより、
グルテン10%含有、pH1.5の水溶液(未分解物)を得
た。フラスコ容器中で、この溶液に対し0.1%量のペプ
シンを加えて37℃で1.5時間撹拌下、加水分解反応さ
せ、その後pHを中性に調整してグルテンの酵素部分分解
物の水溶液を得た。これを供試品No.10とした。平均分
子量は60000であった。
製造例 (グルテンの酸による部分分解と酵素による部分分解の
併用) 供試品No.9の水溶液(酸加水分解物)に濃塩酸を加え
てpH1.5に調整し、これに溶解し対し0.1%量のプペシン
を添加し37℃で1.5時間撹拌下、加水分解反応を行っ
た。その後pHを中性に調整してグルテンの酸一酵素加水
分解物水溶液を得た。
これを供試品No.11とした。平均分子量は33000であっ
た。
製造例 (グルテンの酸による部分分解とアルカリによる部分分
解の併用) 供試品No.9の水溶液(酸分解物)に1.5%の苛性ソー
ダを加え100℃、30分間撹拌下加水分解反応を行い、グ
ルテンの酸一アルカリ部分分解物水溶液を得た。平均分
子量は、10500であった。
これを供試品No.12とした。
製造例 (グルテンの酵素による部分分解とアルカリによる部分
分解の併用) 供試品No.10(酵素分解物)の水溶液に1.5%の苛性ソ
ーダを加え100℃、30分間、撹拌下加水分解反応を行
い、グルテンの酵素一アルカリ部分分解物水溶液を得
た。
これを供試品No.13とした。平均分子量は18000であっ
た。
考察 表4よりグルテンを酸あるいは酵素によって部分分解
したもの、また酸、アルカリ、酵素による部分分解を組
み合わせて部分分解したもの(供試品No.11,12,13)も
良好なカルシウム分散率を示した。
[実施例4] 供試品No.1(グルテン10%水溶液;未分解物)と供試
品No.2(グルテンの100℃,0.5時間のアルカリ部分分解
物)について海水淡水化装置に擬した第3図に示す試験
装置に使用して下記、試験方法及び条件で炭酸カルシウ
ム及び水酸化マグネシウムスケールの付着防止効果を試
験した。図中1は補給水ピット、2は撹拌器、3はヒー
タ、4は保温容器、5は合成海水を各々示す。
表−6に結果を示す。
試験方法 八州薬品(株)製の人口海水調製剤(商品名アクアマ
リン)を純水に溶解し表−5に示す組成、性状を有する
合成海水を調製し検水とした。この検水を補給水ピット
及びガラス製保温容器に各2入れ保温容器の検水を20
0rpmの速度で撹拌下加温した。
ヒータはステンレス製の表目積57cm2、容量350Wのも
のを使用した。
保温容器内合成海水が沸騰しはじめたところで保温容
器内の液量を一定に保つように補給水ピットから合成海
水を連続添加した。5時間を要して加熱濃縮を完了し
た。添加終了時の検水の濃縮率は約2倍である。
運転を止め放冷後、ヒータを取り出し、ヒータの全表
面積の80%に相当する下方部分に付着しているスケール
を酸洗し、洗液中に溶出したカルシウム、マグネシウム
イオン量を分析定量してスケールとして付着していた炭
酸カルシウム、水酸化マグネシウム量及び次式による付
着抑制率を算出した。
但しA;薬剤無添加時の炭酸カルシウム又は水酸化マグ
ネシウムの付着量(mg) B;薬剤添加時の付着量(mg) 考察 実施例4の条件においては、アルカリスケールと呼ば
れる炭酸カルシウムおよび水酸化マグネシウムのスケー
ルが付着する。
表6に示すように、供試品No.1,No.2ともにスケール
防止効果が認められ、従来公知のヘキサメタリン酸ナト
リウムと比べても同等あるいはそれ以上の効果を有して
いた。
またポリマレイン酸ナトリウムは良好な効果を示して
いるが、当薬品は非食品であり、なおわが国において食
品添加物としては許可されていない。
[実施例5] 前例と同じ試験装置及び試験方法によって供試品No.2
のスケール防止効果の試験を行った。
但し本発明者らが実施した予備試験(記載せず)によ
れば合成海水の濃縮倍率が2倍程度のときは炭酸カルシ
ウムと水酸化マグネシウムのスケールが発生することに
止まったが、当該倍率が高くなると、更に硫酸カルシウ
ムのスケールも発生することが確認されたので本例にお
いては、前例に記載した試験方法において濃縮倍率を4
倍に変更し炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム及び硫
酸カルシウムのスケール防止効果を試験した。その結果
を表−7に示す。
[実施例6] 製造例で調製したグルテン供試品No.1と下記の処方
により調製したグルテン部分分解物の供試品を用いて、
第4図に示すごとき装置をセットしてケイ酸マグネシウ
ムスケール防止試験を行った。図において、11は試験用
蛇管、12は恒温槽、13は循環ポンプ、14は撹拌器、15は
検水、16はヒータ、17は温度センサ、18は検水ピット、
19は温度調節器を各々示す。
試験は、上記ピット18に検水15を入れポンプ13は蛇管
11内を循環させ、検水温度を一定に保ち、所定時間後、
蛇管11を取り出して乾燥して重量W2(g)を測定して行
った。そしてあらかじめ測定しておいた蛇管の試験前重
量W1(g)との差(W2−W1)によりスケール付着量を調
べた。
ここで検水は、純粋4にケイ酸ナトリウム(9水
塩)、硫酸マグネシウム(7水塩)、炭酸水素ナトリウ
ム及び硫酸を加えることによりMg2+=250ppm、SiO2=50
0ppm、pH=8.5になるように調製した。この検水を用
い、循環水水温40℃、恒温槽水温25℃、試験時間5時間
の条件で試験を行った。
各供試品は、上記検水に添加して行った。結果を比較
例と共に表11に示す。
製造例〜 (グルテンのアルカリによる部分分解物供試品の調製) 和光純薬工業(株)製のグルテン(試薬品)20gを、
水酸化ナトリウム1〜4gを純水に溶解させて総量を100g
にした溶液に加え、充分混合して溶解させた後、フラス
コ又はオートクレーブ中80〜120℃で30〜360分間加熱撹
拌して加水分解した。その後塩酸にて中和し純水を加え
て総量を200gにすることにより供試品のNo.14〜18を得
た。供試品No.14〜18の部分分解条件及びGPC法による重
量平均分子量を表8に示す。
製造例 (グルテンの酸による部分分解物供試品の調製) 和光純薬工業(株)製のグルテン(試薬品)20gを、
試薬特級塩酸を純水に塩化水素として04〜4gとなるよう
に溶解させて総量を100gにした溶液に加えて溶解し、フ
ラスコ中、80または100℃で30または60分間加熱撹拌
し、その後水酸化ナトリウムにて中和し、更に純水を加
えて総量を200gにすることにより供試品No.19〜23を得
た。供試品No.19〜23の部分分解条件及び平均分子量を
表9に示す。
製造例 (グルテンの酵素による部分分解物供試品の調製) 和光純薬工業(株)製のグルテン(試薬品)20gを0.1
N−塩酸液に150gに加え、pH1.5の水溶液を得た。この水
溶液をフラスコに移し、該フラスコ中で0.2gのペプシン
を加え37℃で90分反応後、水酸化ナトリウムで中和し、
更に純水を加えて総量を200gにすることにより供試品N
o.24を得た。この部分分解物の平均分子量は60000であ
った。
製造例 (グルテンの還元剤による部分分解物供試品の調製) 亜硫酸ナトリウム4gを100gの純粋に溶解した溶液に和
光純薬工業(株)製のグルテン(試薬品)20gを加え、3
0℃にて60分、撹拌して分解した後、純水を加えて総量
を200gにすることにより供試品No.25を得た。この分解
物の平均分子量は、79000であった。
製造例〜 (グルテンの酸による部分分解とアルカリによる部分分
解との併用) 供試品No.20〜23の水溶液(酸分解物)100gに苛性ソ
ーダ1または2gを加え、充分混合した後フラスコ又はオ
ートクレーブ中で100または120℃にて30〜360分間撹拌
して加水分解した。その後塩酸にて中和し純水を加えて
総量を200gにすることにより供試品No.26〜33を得た。
供試品No.26〜33の部分分解条件及び平均分子量を表10
に示す。
製造例, (グルテンの酸による部分分解と酵素による部分分解の
併用) 供試品No.21又は23の水溶液100gに塩酸水溶液50gを加
えpHを1.5に調製してフラスコに移し、該フラスコ中で
0.1gのペプシンを加え37℃で90分反応後水酸化ナトリウ
ムで中和し更に純水を加えて総量を200gした供試品を得
た。
供試品No.21を原料として用いたものを供試品No.34、
供試品No.23を原料として用いたものを供試品No.35とし
た。各々の平均分子量は、40500及び32500であった。
製造例 (グルテンの酸による部分分解と還元剤による部分分解
との併用) 亜硫酸ナトリウム4gを純水に溶解して総量を50gとし
た溶液に、供試品No.21の水溶液(酸分解物)100gを加
え、30℃で60分間撹拌し、更に純水を加えて総量を200g
にすることにより、供試品No.36を得た。平均分子量
は、56000であった。
製造例 (グルテンの酸素による部分分解とアルカリによる部分
分解との併用) 苛性ソーダ0.5gを純水に溶解して総量を50gとした溶
液に、供試品No.24の水溶液(酸素分解物)100gを加
え、100℃にて60分間加熱撹拌した。その後塩酸で中和
し、純水を加えて総量を200gにすることにより供試品N
o.37を得た。平均分子量は38000であった。
このように、この実施例によればケイ酸マグネシウム
スケールの生成が著しく抑制又は防止されていることが
判る。
[実施例27] (ケイ酸カルシウムスケール防止試験(I)) 検水として、大阪市水3にケイ酸ナトリウム(9水
塩)、塩化カルシウム(2水塩)及び塩酸を加えること
により、Ca2+=67ppm、SiO2=267ppm、pH=10.0に調整
した水を用いた。
検水を補給水ピットに1、ガラス製トールビーカー
2入れ、ビーカー内の検水中にステンレス製ヒータ
(定格出力350W,表面積57cm2)を浸漬すると共に、検水
を撹拌翼により回転速度200rpmで撹拌しながら加熱沸騰
させた。検水が沸騰したら、ビーカー内の検水量を一定
に保つように、補給水ピットから検水を連続補充しなが
ら、沸騰を続けさせた。補給水ピットから検水を全量、
ビーカーに添加し終わった時を試験の終了とした(試験
時間約3.5時間,終了時の検水の濃縮倍率は1.5倍)。
試験終了後、直ちにヒータを取外して乾燥した後、そ
の重量W2(g)を測定した。そして予め測定しておいた
ヒータの試験前重量W1(g)との差(W2−W1)によりス
ケール付着量を算出した。
各供試品No.16,27,29及び31を上記検水に添加して行
った結果を、比較例と共に表12に示す。
[実施例8] (ケイ酸カルシウムスケール防止試験(II)) 検水2をオートクレーブに入れ、保護管付きのヒー
タを検水中に浸漬して加熱した。オートクレーブの外側
は保温しておいた。
液温が158℃(5Kgf/cm2)になった時点でオートクレ
ーブ外側を空冷して液温を158±2℃に保った(昇温時
間50分、温度維持時間70分、計120分)。
その後ヒータを切り、液温が常温まで戻った時点で保
護管をヒータから取りはずして乾燥した後、保護管の重
量W2(g)を測定した。そしてあらかじめ測定しておい
た保護管の試験前重量W1(g)との差(W2−W1)により
スケール付着量を調べた。
検水としては、純粋にケイ酸ナトリウム(9水塩)、
塩化カルシウム(2水塩)及び塩酸を加えることにより
Ca2+=100ppm、SiO2=400ppm、pH=10.0に調整した水を
用い、これに供試品No.16,27及び37を各々添加して行っ
た。試験結果を比較例と共に表13に示す。
このようにこの発明によれば、ケイ酸カルシウムスケ
ールの生成が著しく抑制又は防止されていることが判
る。
[実施例9](シリカスケール防止試験) 検水2をオートクレーブに入れ、183℃(10Kgf/c
m2)まで加熱した。加熱後、検水をフラッシングし、ガ
ラスビーカーに移した。ガラスビーカー内で検水温度を
98〜100℃に保ちながら次いでポンプを用いて、その検
水を内径11mm・長さ20cmのガラス管を直列に10本つない
だテスト装置に通して循環させた。その後ガラス管を取
りはずし、乾燥後重量W2(g)を測定した。そして予め
測定しておいた試験前重量W1(g)との差(W2−W1)を
算出することによりスケール付着量を調べ、ガラス管10
本について(W2−W1)の平均値を算出し、その値によっ
て評価を行った。
なお、検水としては、純粋にケイ酸ナトリウム(9水
塩)、塩化ナトリウム及び硫酸を加えることにより、Si
O2=1000ppm、Cl=1500ppm、pH8.0に調整した検水を用
い、試験時間は8時間とした。
この結果を表14に示す。
[実施例10] (炭酸カルシウム系スケール防止試験I) 実施例1の製造例で調整したグルテンの供試品と実
施例6の各種製造例で調製したグルテン部分分解物の供
試品及び下記の処方により調製したとうもろこしグルテ
ン、大豆タンパクの部分分解物の供試品を用いて下記方
法により炭酸カルシウム系スケールを防止効果を試験し
た。試験結果を表15に示す。
製造例 (とうもろこしグルテンのアルカリによる部分分解物供
試品の調製) 日本食品化工株式会社製のとうもろこしグルテン20g
を、苛性ソーダ4gを純水に溶解させて総量を100gにした
溶液に加え、充分混合した後100℃で60分間加熱撹拌
し、その後塩酸にて中和し純水を加えて総量を200gにす
ることにより供試品NO.38を得た。平均分子量は、11800
であった。
製造例 (とうもろこしグルテンの酸による部分分解物とアルカ
リによる部分分解との併用) 製造例と同じとうもろこしグルテン20gを、試薬特
級塩酸を純水に塩化水素として4gとなるように溶解させ
て総量を100gにした溶液に加え、100℃で60分間加熱撹
拌し、その後苛性ソーダで中和し更に純水を加えて総量
を200gにする。この水溶液100gに苛性ソーダ2gを加え、
充分混合した後100℃で360分間加熱撹拌した。その後塩
酸にて中和し純水を加えて総量を200gにすることにより
供試品NO.39を得た。平均分子量は、9600であった。
製造例 (大豆タンパクの酸による部分分解とアルカリによる部
分分解との併用) 市販の湯葉をアセトンで脱脂して得た大豆タンパクを
原料として製造例と同じ条件で酸およびアルカリを用
いて部分分解し、供試品NO.40を得た。平均分子量は980
0であった。
試験方法 塩化カルシウム(2水塩)をカルシウムイオンとして
100ppmおよび重炭酸ナトリウムをMアルカリ度として60
0ppmとなるように純水中に添加し試験液とした。試験液
1に供試品をそれぞれ所定濃度となるように添加し、
60℃の恒温に保ちつつマグネチツクスターラーを用いて
200ppmで2時間撹拌を続けた。次に試験液を濾紙(東洋
口紙NO.6)で濾別し、濾液のカルシウムイオン濃度を測
定した。
試験前後の試験液中のカルシウムイオン濃度の差よ
り、試験中に析出したカルシウムイオン量を求め、これ
により試験液1当りから生じた炭酸カルシウム(CaCO
3)スケールの析出量を算出した。
[実施例11] (炭酸カルシウム系スケール防止試験II) 各種製造例で調製した供試品を用いて下記試験方法に
より炭酸カルシウム系スケールの防止効果を試験した。
試験結果を表16に示す。
試験方法 炭酸カルシウム(2水塩)をカルシウム硬度として25
0ppmおよび重炭酸ナトリウムをMアルカリ度として600p
pmとなるように大阪市水道水に添加し、試験液とした。
2容トールビーカーに試験水2と供試品の所定濃度
を添加し、ヒータ[材質SUS304,直径12mm,長さ250mm,ヒ
ーター部分160mm,100V−350W]による加熱及び羽根によ
る撹拌を行う。60℃±2℃で3時間試験を行った後ヒー
ターを取り出し、付着している炭酸カルシウムスケール
を酸洗する。酸洗中のカルシウム分析結果より附着して
いた炭酸カルシウムを算出した。
[実施例12] (リン酸亜鉛系スケール防止試験) 各種製造例で調製した供試品を用いて下記試験方法に
よりリン酸亜鉛系スケール防止効果を試験した。試験結
果を表18に示す。
試験方法 この発明の供試品のスケール防止剤と防食剤とを併用
した場合のスケール防止効果を試験した。
試験水として大阪市の3倍濃縮水1を用い、各供試
品をそれぞれ所定濃度となるように添加した。ステンレ
ス製撹拌棒に軟鋼板(SPCC;30×50×1mm)を懸吊させ
て、該軟鋼板を溶液中に浸漬し、50℃の恒温に保ちつ
つ、軟鋼板100rpmで5日間撹拌を続けた。
その後、実施例10と同様に析出した亜鉛と全リン酸の
量を求め、その合計をリン酸亜鉛系スケールと定義し算
出した。
試験水の水質を表17に示す。
(ホ)発明の効果 この発明のスケール防止剤によれば、高温・非高温水
系を問わず、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、
硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム等のカルシウム及び/またはマ
グネシウム系スケールの発生を防止又は抑制することが
できる。さらに、これ以外のスケール、例えばリン酸亜
鉛、水酸化亜鉛、酸化ケイ素等の発生の防止や抑制にも
有効である。そして、有効成分である穀物蛋白質及びそ
の部分分解物は食品又は食品に類するものゆえ、衛生
上、公害上の点で極めて有利であり、スケール防止剤と
しての適用範囲の拡大が期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は実施例に用いたグルテン加水分解物
の滴定曲線を示すグラフ図、第3図及び第4図は各々実
施例に用いた試験装置の構成説明図である。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】穀物蛋白質、又は重量平均分子量が700以
    上であるその部分分解物を有効成分として含有してなる
    スケール防止剤。
  2. 【請求項2】穀物蛋白質が、小麦グルテン、トウモロコ
    シグルテン又は大豆蛋白質である特許請求の範囲第1項
    記載のスケール防止剤。
  3. 【請求項3】部分分解物が、穀物蛋白質を、アルカリ、
    酸、酸素、還元剤又は酸化剤による分解処理に付して得
    られるものである特許請求の範囲第1項記載のスケール
    防止剤。
  4. 【請求項4】部分分解物が、穀物蛋白質を、アルカリに
    よる分解処理(A)と、酸、酵素、酸化剤又は還元剤に
    よる分解処理の1種又は2種以上(B)との組合せによ
    る部分分解処理に付して得られるものである特許請求の
    範囲第1項記載のスケール防止剤。
  5. 【請求項5】部分分解物の重量平均分子量が700〜11000
    0である特許請求の範囲第1項記載のスケール防止剤。
  6. 【請求項6】高温水系でのスケール防止に用いられる特
    許請求の範囲第1項記載のスケール防止剤。
  7. 【請求項7】高温水系の温度が80〜250℃である特許請
    求の範囲第6項記載のスケール防止剤。
  8. 【請求項8】高温水系の温度が100〜200℃である特許請
    求の範囲第6項記載のスケール防止剤。
  9. 【請求項9】高温水系がボイラー水系である特許請求の
    範囲第6項記載のスケール防止剤。
  10. 【請求項10】高温水系が海水淡水化装置系である特許
    請求の範囲第6項記載のスケール防止剤。
  11. 【請求項11】高温水系が地熱熱水系である特許請求の
    範囲第6項記載のスケール防止剤。
  12. 【請求項12】非高温水系でのスケール防止に用いられ
    る特許請求の範囲第1項記載のスケール防止剤。
  13. 【請求項13】非高温水系が一般冷却水系である特許請
    求の範囲第12項記載のスケール防止剤。
  14. 【請求項14】防止されるスケールがカルシウムおよび
    /またはマグネシウム系スケールである特許請求の範囲
    第1項記載のスケール防止剤。
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