JP2596853B2 - 圧延ままで母材靱性に優れると共に、溶接部靱性に優れた粒内フエライト系形鋼の製造方法 - Google Patents

圧延ままで母材靱性に優れると共に、溶接部靱性に優れた粒内フエライト系形鋼の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、建造物の構造部材として用いられる圧延ま
まで母材靭性に優れると共に、溶接部靭性に優れた粒内
フェライト系形鋼の製造方法に係わるものである。 〔従来の技術〕 建築物の超高層化、安全基準の厳格化などから、柱用
に用いられる鋼材、例えば特に板厚の大きなサイズのH
形鋼(以下、極厚H形鋼と称す)には、一層の高強度
化、高靭性化、低降伏比化が求められている。このよう
な要求特性を満たすために、従来は圧延終了後に焼準処
理などの熱処理を施すことが行われた。この熱処理方法
では熱処理コストの付加、生産効率の低下など大幅なコ
スト上昇を招き、経済性の観点から問題があった。この
課題を解決するためには圧延ままで高性能の材質特性を
得られるように、新しい合金設計、製造法の開発が必要
となってきた。 一般に、フランジを有する形鋼、例えばH形鋼をユニ
バーサル圧延により製造すると、圧延造形上の制約およ
びその固有の形状からウェブ、フランジ、フィレットの
各部位で圧延仕上げ温度、圧下率、冷却速度に差を生じ
る。その結果、強度、延性、靭性がバラつき、例えば溶
接構造用圧延鋼材(JIS G3106)等の規準に満たない部
位が生じる。特に極厚H形鋼を連続鋳造スラブを素材と
して圧延する場合には連続鋳造設備で製造可能なスラブ
最大厚みに限界があるため、低圧下比圧延となる。さら
に、圧延造形上の制約から厚みの厚いフランジ部は高温
圧延となり、圧延終了後の鋼材は徐冷される。その結
果、ミクロ組織は粗粒化し、厚鋼板分野で行われている
制御圧延法によっても細粒化効果はほとんど期待できな
い。一方、厚鋼板分野ではVNの析出効果を利用して高強
度・高靭性鋼を製造する、例えば特公昭62−50548号公
報、特公昭62−54862号公報記載の技術が提案されてい
るが、この厚板での従来技術では溶鋼をAlキルドにより
強脱酸しているため、粒内フェライト生成核として組織
の微細化に効果を持つ微細なTi酸化物、〔Mn・Si〕酸化
物などが生成せず、高強度、高靭性極厚H形鋼の製造は
困難である。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、適正な予備脱酸処理を行い、溶鋼の高清浄
化と溶存酸素濃度を制御し、多数の微細な酸化物を分散
させることにより、上述したような形鋼特有の圧延条件
下においても、オーステナイト粒内から粒内フェライト
(以下、IGFと称す)を生成させ、ミクロ組織を細粒化
し、降伏強度(YP)が35kgf/mm2以上で引張強度(TS)5
0kgf/mm2以上の高強度で、且つ、母材および溶接部の2m
mVノッチシャルピー値が3.5kgf−m以上の機械特性を有
する母材及び溶接部靭性の優れた形鋼を圧延ままで製造
可能な形鋼の製造方法を提供することを目的とするもの
である。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は、前述の課題を解決するためになされたもの
であり、圧延冷却叙上のオーステナイト相からのフェラ
イト変態時にオーステナイト粒内にIGFを生成させ、ミ
クロ組織を細粒化する方法により、高能率で製造コスト
の安価な形鋼の製造が可能であると言う知見に基づき課
題を解決したもので、その要旨とするところは下記のと
おりである。 (1)溶鉄を真空脱ガス処理および脱酸元素Al、Si、C
a、Mgの純金属単独かそれらの合金併用添加による予備
脱酸処理を行うか、もしくは真空脱ガス処理のみによ
り、溶存酸素を重量%で0.003〜0.015%に溶製後、合金
添加により、重量%でC:0.04〜0.20%、Si:0.05〜0.50
%、Mn:0.8〜1.8%、V:0.05〜0.20%、N:0.006〜0.015
%、Al<0.005%を含み、残部がFeおよび不可避不純物
からなる溶鋼に調整し、さらに最終脱酸により溶鋼の溶
存酸素〔0%〕に対し−0.006≦〔Ti%〕−2〔0%〕
≦0.008の関係を満たす重量%のTiを含有する溶鋼を鋳
造して、鋼中に微細なTi酸化物、Si・Mn酸化物粒子を分
散析出させた鋳片を得、該鋳片を1100〜1300℃の温度域
に再加熱後、熱間圧延を行い、750〜1050℃の圧延仕上
温度の範囲で圧延を終了し、かくして前記圧延条件下に
おいて前記酸化物粒子を核にしたMnS、VNの複合析出に
よるオーステナイト粒内からの粒内フェライトの生成に
よりミクロ組織を細粒化させることを特徴とする圧延ま
まで母材靭性に優れると共に、溶接部靭性に優れた粒内
フェライト系形鋼の製造方法。 (2)溶鉄を真空脱ガス処理および脱酸元素Al、Si、C
a、Mgの純金属単独かそれらの合金併用添加による予備
脱酸処理を行うか、もしくは真空脱ガス処理のみによ
り、溶存酸素を重量%で0.003〜0.015%に溶製後、合金
添加により、重量%でC:0.04〜0.20%、Si:0.05〜0.50
%、Mn:0.8〜1.8%、V:0.05〜0.20%、N:0.006〜0.015
%、Al<0.005%に加えてCr≦0.7%、Mo≦0.3%、Nb≦
0.05%、Ni≦1.0%、Cu≦1.0%の1種または2種以上を
含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる溶鋼に調整
し、さらに最終脱酸により溶鋼の溶存酸素〔0%〕に対
し−0.006≦〔Ti%〕−2〔0%〕≦0.008の関係を満た
す重量%のTiを含有する溶鋼を鋳造して、鋼中に微細な
Ti酸化物、Si・Mn酸化物粒子を分散析出させた鋳片を
得、該鋳片を1100〜1300℃の温度域に再加熱後、熱間圧
延を行い、750〜1050℃の圧延仕上温度の範囲で圧延を
終了し、かくして前記圧延条件下において前記酸化物粒
子を核にしたMnS、VNの複合析出によるオーステナイト
粒内からの粒内フェライトの生成によりミクロ組織を細
粒化させることを特徴とする圧延ままで母材靭性に優れ
ると共に、溶接部靭性に優れた粒内フェライト系形鋼の
製造方法。 〔作 用〕 以下、本発明について詳細に説明する。 鋼の高強度化はフェライト結晶の細粒化、合金元
素による固溶体強化、硬化相による分散強化、微細
析出物による析出強化等によって達成される。また、高
靭性化は結晶の細粒化、母相(フェライト)の固溶
N,Cの低減、破壊の発生起点となる硬化相の高炭素マ
ルテンサイト(以下Mと称す)および粗大な酸化物、
析出物の低減と微細化等により達成される。 一般的には鋼の高強度化により靭性は低下し、高強度
化と高靭性化は相反する対処が必要である。両者を同時
に満たす冶金因子は唯一、結晶の細粒化である。 本発明の特徴は鋼中に微細な酸化物、硫化物、窒化物
などを分散させ、圧延母材および溶接材の溶接熱影響部
において、その析出物を核に粒内フェライトを生成さ
せ、上記の結晶の細粒化を行い、母材の材質特性の向上
と同時に溶接部靭性を向上させたことである。 すなわち、母材に関しては、溶鋼の溶存酸素量の制御
と脱酸元素の選択とその添加手順の規制により、鋼中に
微細なTi酸化物、Si・Mn酸化物粒子を分散析出させ、そ
れを核に析出させたMnS、VNによるオーステナイト粒内
からの粒内フェライト変態の促進効果を活用し、圧延形
鋼の製造時の制約下における低圧下比、高温圧延、徐冷
条件下において結晶の細粒化、即ちフェライトの細粒化
を行い、母材の高強度化と高靭性化を達成するものであ
る。 溶接部の靭性向上に関しては、溶接時に鉄の融点直下
の高温に加熱され粗粒組織を生成し靭性を著しく低下す
る溶接熱影響部においても、本発明による鋼中の微細な
Ti酸化物、Si・Mn酸化物粒子は高温での熱安定性に優
れ、これらを核に針状のIGFを生成し、組織の微細化に
より溶接部の靭性を向上させるものである。 次に本発明形鋼の基本成分範囲の限定理由について述
べる。 まず、Cは鋼の強度を向上させる有効な成分として添
加するもので、0.04%未満では構造用鋼として必要な強
度が得られず、また0.20%を超える過剰の添加は、母材
靭性、耐溶接割れ性、溶接熱影響部(以下HAZと称す)
靭性などを著しく低下させるので、下限を0.04%、上限
を0.20%とした。 次に、Siは母材の強度確保、溶鋼の予備脱酸などに必
要であるが、0.50%を超えるとHAZ組織内に硬化組織の
を生成し、溶接継手部靭性を著しく低下させる。ま
た、0.05%未満では必要な微細なSi・Mn酸化物粒子が生
成されないためSi含有量を0.05〜0.50%に限定した。 Mnは母材の強度、靭性の確保には0.8%以上の添加が
必要であるが、溶接部の靭性、耐割れ性などの許容でき
る範囲で上限を1.8%とした。 VはVNとして粒内フェライト組織の生成による細粒
化、析出強化による高強度化のために極めて重要であ
り、0.05%未満ではVNの析出量が不十分であり、0.20%
を超えると析出量が過剰になり母材靭性が低下するため
0.05〜0.20%に限定した。 NはVNの析出には極めて重要な元素であり、0.006%
未満ではVNの析出量が不足し、粒内フェライト組織の十
分な生成量が得られないため0.006%以上とした。含有
量が0.015%を超えると母材靭性を低下させ、連続鋳造
時の鋼片の表面割れを生じさせるため0.015%以下に限
定した。 Alは強力な脱酸元素であり、0.005%以上の添加は粒
内フェライト変態を促進するTi酸化物、Mn・Si酸化物な
どが生成されず、靭性の低下がもたらされることと、過
剰の固溶AlはNと化合してAlNを生成し、本発明鋼の特
徴であるVNの析出量を低減させるため0.005%未満に限
定した。 不可避不純物として含有するP,Sはその量について特
に限定しないが、凝固偏析による溶接割れ、靭性の低下
を生じるので極力低減すべきであり、望ましくはP,S量
はそれぞれ0.02%以下である。 以上が本発明対象鋼の基本成分であるが、母材強度の
上昇および母材の靭性向上の目的で、Cr,Mo、Nb、Ni、C
uの1種または2種以上を含有することができる。 まず、Crは焼き入れ性の向上により、母材の強化に有
効である。しかし0.7%を超える過剰の添加は、靭性お
よび硬化性の観点から有害となるため、上限を0.7%と
した。 Moは母材強度の確保に有効な元素であるが、高価であ
るため0.3%以下に制限した。 Nbは母材の強靭化に有効であるが、0.05%を超える過
剰の添加は靭性および硬化性の観点から有害となるため
0.05%以下とした。 Niは母材の強靭性を高める極めて有効な元素である
が、1.0%を超える添加は合金コストを増加させ経済的
でないので上限を1.0%とした。 Cuは母材の強化、耐候性に有効な元素であるが、応力
除去焼鈍による焼き戻し脆性、耐溶接割れ性、熱間加工
割れなどを考慮して、上限を1.0%とした。 溶鉄の真空脱ガス処理およびAl、Si、Ca、Mgの純金属
またはそれらの合金添加との併用により予備脱酸処理を
行うのは、溶鉄を高清浄化すると同時に、溶存酸素を重
量%で0.003〜0.015%に制御するために極めて重要な処
理である。 溶鉄の高清浄化が不十分で溶鋼中に粗大な酸化物が残
存すると、この酸化物を核生成サイトとして、Ti添加に
より生成する粒内フェライト生成に効果を持つ微細な二
次脱酸酸化物が付着、凝着し粗大酸化物を生成し、微細
な二次脱酸酸化物の個数の減少と粗大酸化物の生成によ
り靭性低下をもたらす。さらに予備脱酸後の
〔0〕濃度
が0.003%未満では、粒内フェライト変態を促進するTi
酸化物、Mn・Si酸化物などの粒内フェライト生成核が減
少し、細粒化できず靭性を向上できない。一方、
〔0〕
濃度が0.015%を超える場合は、他の条件を満たしてい
ても、酸化物が粗粒化し脆性破壊の起点となり、靭性を
低下させるため、予備脱酸後の
〔0〕濃度を重量%で0.
003〜0.015%に限定した。 なお、予備脱酸処理に真空脱ガス、Al、Si、Ca、Mg脱
酸などを選択したのは、真空脱ガス処理は直接溶鋼中の
酸素をガスおよびCOガスとして除去し、またAl、Si、C
a、Mgなどの強脱酸により生成する酸化物系介在物は浮
上、除去しやすいため溶鋼の清浄化に極めて効果的であ
ることから採用した。 Tiは溶鋼の最終脱酸に際して添加するものであり、か
くして得られた溶鋼が、溶鋼の溶存酸素〔0%〕に対
し、−0.006≦〔Ti%〕−2〔0%〕≦0.008の関係を満
たす重量%のTiを含有するように調整すると限定したの
は、この関係式において重量%でTiが
〔0〕濃度に対し
過剰である場合は過剰なTiが必要以上のTiNを生成し、
本発明対象鋼の特徴であるVNの析出量を低減させ、重量
%でTiが
〔0〕濃度に対し過小である場合は粒内フェラ
イト核となるTi酸化物およびSi・Mn酸化物個数の総計が
必要数を満たさなくなるためである。 再加熱温度を1100〜1300℃の温度域に限定したのは、
熱間加工による形鋼の製造には塑性変形を容易にするた
め1100℃以上の加熱が必要であり、且つV,Nbなどの元素
を十分に固溶させる必要があるため、再加熱温度の下限
を1100℃とし、上限は加熱炉の性能、経済性から1300℃
とした。 熱間加工終了温度を750〜1050℃としたのは、低温圧
延ほど靭性は向上するが、形鋼の造形上750℃未満の加
工は困難であり、また1050℃を超えての加工は粗粒組織
を形成し靭性が低下するためである。 以下に実施例によりさらに本発明の効果を示す。 (実施例) 試作形鋼は転炉溶製し、脱ガス処理後、連続鋳造によ
り250〜300mm厚鋳片に鋳造した後、圧延造形によりフラ
ンジ厚み毎に第1表に示す種々の寸法のH形鋼を製造し
た。母材の機械特性は第1図に示す、H形鋼の断面の1/
4F部の圧延方向に試験片を採集し求めた。溶接継手シャ
ルピー試験片は第2図に示す、フランジの板厚中心部
(1/2t2)で幅全長の1/4幅(1/4B)から採集した。な
お、フランジ1/4F部を選択し特性を求めたのは、この箇
所がH継鋼のほぼ平均的な機械特性を示し、H形鋼の機
械試験特性を代表できると判断したためである。 溶接部の靭性はレ型開先およびK型開先による多層潜
弧溶接を行い、2mmVノッチシャルピー試験により評価し
た。溶接は電流700A、電圧32V、溶接速度30cm/min、入
熱量45kJ/cmの1電極潜弧溶接である。 第2表は、試作鋼の化学成分、第3表は圧延条件およ
び機械試験特性を示す。なお、圧延加熱温度を1280℃に
揃えたのは、一般的に加熱温度の低下は機械特性を向上
させることは周知であり、高温加熱条件は機械特性の最
低値を示すと推定され、この値がそれ以下の加熱温度で
の特性を代表できると判断したためである。 第3表に示すように、本発明による鋼1〜9の形鋼は
圧延仕上げ温度、圧下率、フランジ板厚(冷却速度)の
変化に対して、目標の母材強度(前記JISG 3106)と0
℃でのシャルピー値3.5kgf−m以上を十分に満たしてい
る。さらに、溶接継手・HAZ部の0℃でのシャルピー値
も3.5kgf−m以上を十分に満たしている。一方、比較鋼
の形鋼10〜15は強度特性は満たすものの、溶接継手・HA
Z部の0℃でのシャルピー値が著しく低下し、目標の3.5
kgf−m以上を達成できない。その原因は、鋼11を除く
他の鋼はAl脱酸により溶鋼の溶存酸素量が著しく低減
し、本発明の構成要件の溶存
〔0〕濃度の下限値0.003
%を外れるためであり、これに対し鋼11は溶存
〔0〕濃
度が上限値0.015%を超えるため、〔Ti〕−2×
〔0〕
が大きく下回り、その結果IGF核生成サイトとして働く
微細酸化物+MnS+VNの個数が不足し、HAZ部においてIG
Fが生成せず、細粒化により靭性改善ができないためで
ある。 即ち、本発明の要件が総て満たされた時に、第3表に
示される形鋼1〜9のように、圧延形鋼の機械試験特性
を代表するフランジ1/4F部においても十分な常温強度、
靭性を有し、溶接部靭性の優れた圧延形鋼の製造が可能
になる。なお、本発明が対象とする圧延形鋼は上記実施
例のH形鋼に限らず、I形鋼、山形鋼、溝形鋼、不等辺
不等厚山形鋼等のフランジを有する形鋼にも適用できる
ことは勿論である。 (発明の効果) 本発明により製造された圧延形鋼は機械試験特性を代
表するフランジ1/4部においても十分な常温強度、靭性
を有し、溶接部靭性の優れた圧延形鋼の製造が可能にな
り、大型建造物の信頼性向上、安全性の確保、経済性等
の産業上の効果は極めて顕著なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はH形鋼の断面形状を示し、各部位の名称と機械
試験片の採取位置を示す図である。 1……H形鋼、2……フランジ、3……ウェブ。 第2図は溶接継手部の開先形状および溶接形状の概略説
明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 直樹 大阪府堺市築港八幡町1番地 新日本製 鐵株式會社堺製鐵所内 (72)発明者 西村 誠二 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本 製鐵株式會社大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 平4−83821(JP,A) 特開 昭61−79745(JP,A) 特開 平2−77523(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶鉄を真空脱ガス処理および脱酸元素Al、
    Si、Ca、Mgの純金属単独かそれらの合金併用添加による
    予備脱酸処理を行うか、もしくは真空脱ガス処理のみに
    より、溶存酸素を重量%で0.003〜0.015%に溶製後、合
    金添加により、重量%でC:0.04〜0.20%、Si:0.05〜0.5
    0%、Mn:0.8〜1.8%、V:0.05〜0.20%、N:0.006〜0.015
    %、Al<0.005%を含み、残部がFeおよび不可避不純物
    からなる溶鋼に調整し、さらに最終脱酸により溶鋼の溶
    存酸素〔0%〕に対し−0.006≦〔Ti%〕−2〔0%〕
    ≦0.008の関係を満たす重量%のTiを含有する溶鋼を鋳
    造して、鋼中に微細なTi酸化物、Si・Mn酸化物粒子を分
    散析出させた鋳片を得、該鋳片を1100〜1300℃の温度域
    に再加熱後、熱間圧延を行い、750〜1050℃の圧延仕上
    温度の範囲で圧延を終了し、かくして前記圧延条件下に
    おいて前記酸化物粒子を核にしたMnS、VNの複合析出に
    よるオーステナイト粒内からの粒内フェライトの生成に
    よりミクロ組織を細粒化させることを特徴とする圧延ま
    まで母材靭性に優れると共に、溶接部靭性に優れた粒内
    フェライト系形鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】溶鉄を真空脱ガス処理および脱酸元素Al、
    Si、Ca、Mgの純金属単独かそれらの合金併用添加による
    予備脱酸処理を行うか、もしくは真空脱ガス処理のみに
    より、溶存酸素を重量%で0.003〜0.015%に溶製後、合
    金添加により、重量%でC:0.04〜0.20%、Si:0.05〜0.5
    0%、Mn:0.8〜1.8%、V:0.05〜0.20%、N:0.006〜0.015
    %、Al<0.005%に加えてCr≦0.7%、Mo≦0.3%、Nb≦
    0.05%、Ni≦1.0%、Cu≦1.0%の1種または2種以上を
    含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる溶鋼に調整
    し、さらに最終脱酸により溶鋼の溶存酸素〔0%〕に対
    し−0.006≦〔Ti%〕−2〔0%〕≦0.008の関係を満た
    す重量%のTiを含有する溶鋼を鋳造して、鋼中に微細な
    Ti酸化物、Si・Mn酸化物粒子を分散析出させた鋳片を
    得、該鋳片を1100〜1300℃の温度域に再加熱後、熱間圧
    延を行い、750〜1050℃の圧延仕上温度の範囲で圧延を
    終了し、かくして前記圧延条件下において前記酸化物粒
    子を核にしたMnS、VNの複合析出によるオーステナイト
    粒内からの粒内フェライトの生成によりミクロ組織を細
    粒化させることを特徴とする圧延ままで母材靭性に優れ
    ると共に、溶接部靭性に優れた粒内フェライト系形鋼の
    製造方法。
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JPS6179745A (ja) * 1984-09-28 1986-04-23 Nippon Steel Corp 溶接継手熱影響部靭性のすぐれた鋼材の製造法
JPH0277523A (ja) * 1988-06-13 1990-03-16 Nippon Steel Corp 耐火性の優れた建築用低降伏比鋼材の製造方法およびその鋼材を用いた建築用鋼材料

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