JP2596719Y2 - 軽車輌用ポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔０００１〕 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自転車あるいはオートバイ向に使用されてい
る空気入れ（手押し式スタンド型フロアポンプ）に関す
るものである。 〔０００２〕 〔従来の技術〕 使用経過した（手押し式スタンド型フロア）ポンプのシ
ャフト（ピストンロッド）をシリンダーから引き抜いて
みると、外観が未だ美麗な物にかかわらず、シャフト部
分（１）→（図６参照）やその末端のパッキン及びナッ
ト部（２）あるいはシリンダー（３）内壁部などに錆の
発生しているものが多い。この原因は、ポンプが、その
使用場所や収納スペース等の関係から、軒下等の屋外に
置かれている場合が多く、雨に濡れる確率が高いからで
ある。雨は壁等に立てかけられたポンプのハンドル部分
（４）やシャフト（１）上部の露出部分を濡らし、それ
が水滴となってハンドル（４）からシャフト（１）を伝
ってシリンダー（３）内部に入り込み、通風性の乏しい
シリンダー（３）内部ではこの水滴の滞留により、一回
の水濡れでも確実に錆の発生する原因となりうる（図
６、図中の矢印は雨水の進入経路）。錆の発生はシャフ
ト（１）の円滑なピストン作動を妨げるだけでなく、皮
革性パッキン（２）を硬化させ、さらにノズル先端や圧
縮タンク内部の逆流防止弁の隙間に錆片を入り込ませて
故障の原因にもなる。 〔０００３〕 〔考案が解決しようとする課題〕 従来、錆の発生を防ぐためには使用者の管理が求められ
てきたが、本考案では前述のような屋外での設置状況に
も耐えられる程度の防水機能を持ったポンプを提供する
ことを目的としたものである。 〔０００４〕 〔課題を解決するための手段〕 本考案の基本的構造はハンドル（４）下部のシャフト
（１）との結合部分にシャフト（１）を取り囲むような
スカート状のカバー（５）を設けたものである。 〔０００５〕 〔作用〕 このカバー（５）により、シャフト（１）上部にかかる
雨を防ぐと共に、ハンドル（４）から伝ってくる水滴が
カバー（５）の水切り効果によってシャフト（１）から
離れた所に落下し、水滴がシャフト（１）から伝ってシ
リンダー（３）内部に入ることを防ぐことができる。 〔０００６〕 〔実施例〕 以下、図面に基づいて実施例を解説する。図１と図２は
本考案の一番目の実施例である。図１はポンプ上部の立
面図で、ハンドル（４）とそれに続くカバー（５）の部
分は断面図にしてある。図２はその斜視図である。この
実施例は、ハンドル（４）の下にハンドル（４）と一体
型の小さめのカバー（５）を付けたものである。防水能
力はカバー（５）の大小やキャップ（６）の形状（図１
のように山型状が良い）によっても多少の差があり、
又、強い風雨の時には非力であるが、デザイン、コス
ト、技術的には従来のものとの差異が僅かで実施しやす
い。 〔０００７〕 図３と図４は本考案の二番目の実施例である。図３はポ
ンプ上部の立面図で、ハンドル（１）とそれに続くカバ
ー（５）の部分は断面図にしてある。図４はその斜視図
である。この実施例は、ハンドル（４）の下に付けるカ
バー部分（５）をより大きくしてシリンダー（３）上部
を被ってしまったものである。カバー（５）の内径はシ
リンダー（３）の外径より数ミリメートル大きくとり、
カバー（５）の下端もキャップ（６）が十分に隠れるく
らいにする。又、美観の点から、カバー（５）の径が大
きくなり過ぎないように、キャップ（６）のネジ込み方
式を、従来のシリンダー（３）の外側から被せる方式
（図１のもの）に対して、キャップ（６）の下部をシリ
ンダー（３）の内側にネジ込む方式にして、キャップ
（６）がシリンダー（３）の外径から大きくはみ出さな
いようにしてある。この実施例は、デザイン的に従来の
ものと差が大きく、コスト的にもやや多くかかるが、防
水性能が非常に高く、外観的にもすっきりとしたものに
なる。 〔０００８〕 又、以上の実施例を基本型として、機能をそのままにデ
ザインに変化を持たし、カバー（５）の部分あるいはハ
ンドル（４）とカバー（５）を一体化した部分を様々な
具像物等に模して成型すると（例、傘、花、鐘、ロケッ
ト、人形、動物等、図５参照）、夢のある製品を提供で
き、いわゆるファンシー商品としての性格も与えること
ができる。

〔０００９〕 〔考案の効果〕 以上の考案により、軒下等に置かれたポンプは、降雨時
にもシャフトが水濡れから守られ、シリンダー内部は乾
燥状態が保たれ、錆を追放することができる。最近、図
６のような従来型の金属性ポンプの他に、オールプラス
ティック製の新型ポンプも販売されている。この新型ポ
ンプは、素材が耐蝕性であり、又緩衝性もあるのでクッ
ション用のバネを省略して密閉性の高いデザインを採用
する等、従来型ポンプに比べて防水性能が高いと思われ
る。金属性ポンプは、これらの点で不利であるが、一
方、堅牢性やコストの点で長所があり、本考案によって
その短所を補い、利用価値を高めることができる。本考
案は、構造的には少しの付加を与えるだけで防水性能が
向上し、又、ゴミやホコリの侵入防止にもなり、収納範
囲及び製品寿命の拡大になり、費やすコストや技術に比
べて得るものは大きい。又、デザイン的にも、従来の道
具としての画一性から脱皮して、よりバラエティーに富
んだ遊び心のある商品となる可能性もある。

【図面の簡単な説明】

〔図１〕本考案の一番目の実施例の立面図で部分断面図
である。 〔図２〕本考案の一番目の実施例の斜視図である。 〔図３〕本考案の二番目の実施例の立面図で部分断面図
である。 〔図４〕本考案の二番目の実施例の斜視図である。 〔図５〕本考案の、デザインに様々な変化を持たした実
施例の斜視図である。 〔図６〕従来のポンプの立面図及び内部解説図である。 〔符号の説明〕 １ シャフト ２ パッキン及びナット部 ３ シリンダー ４ ハンドル ５ カバー ６ キャップ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハンドル（４）の下部に、シャフト
   （１）の上部、あるいはシャフト（１）とシリンダー
   （３）の上部を取り囲む形状で、上部は閉塞し、下側に
   向って開口部を有するカバー（５）を持った。手押し式
   スタンド型フロアポンプ。