JP2594599B2 - ベアリングの嵌装方法 - Google Patents

ベアリングの嵌装方法

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は転動体を焼嵌するベアリングの嵌装方法に係
り、特に共振回路を構成する誘導加熱コイルを備えた誘
導加熱装置を用いて加熱を行うベアリングの嵌装方法に
関する。
B.発明の概要 本発明は誘導加熱を用いてベアリング外輪を加熱昇温
して転動体を焼嵌すると共に、ベアリングの残留磁気を
消去する嵌装方法の提供を図ったもので、共振回路を構
成する誘導加熱回路を備えてベアリングの外輪を所定温
度に昇温し、続けて共振回路の減衰波形によりベアリン
グの在留磁気を消磁すると共に、転動体を外輪の内周面
へ嵌装することにより、ベアリングの消磁と転動体の焼
嵌を同時に行うと共に温度制御を容易にして自動化を可
能とするものである。
C.従来の技術 従来よりベアリングは負担する荷重の大きさ,方向,
回転数等種々の荷重の形態に対応して多様なものが提供
されている。ベアリングには負担する荷重の方向によ
り、大別してラジアルベアリングとスラストベアリング
に分けられるが、ラジアル荷重を負担するベアリングに
キーストンベアリングがある。第1図(a),(b)は
その外形を示したもので、キーストンベアリング1は重
荷重に用いられるラジアルベアリングで、その基本構造
はベアリング外輪2に内接して転動体である円筒状のこ
ろ(以下ローラと記す)3が全周にわたって連設され
る。キーストンベアリング1はローラ3の脱落防止を図
るリテーナを不要として、作動中ローラが抜け落ちるこ
とがないように外輪2のローラを収納する部分の内径は
ローラ3が内径側に脱落する最小径より小に構成されて
いる。
上記のキーストンベアリング1の製造において、ベア
リング外輪2に内接して全周にわたってローラ3を連設
して嵌入する嵌装方法には外輪2を焼嵌する方法が用い
られていた。即ち所定温度に加温した油槽を加熱手段と
して用い、ベアリング外輪を油槽に浸漬して加熱昇温
し、所定温度になった時点でローラを嵌入する方法が行
われていた。
D.発明が解決しようとする課題 この所定温度に加温して油槽に浸漬してベアリング外
輪を昇温する加熱方法には改善すべき問題点が指摘され
ておりその対策が求められていた。第1には油槽のスタ
ートアップの加熱時間に数時間を必要とし、更に所定温
度となった油槽中にベアリング外輪を浸漬して所定温度
に昇温する時間が長く、生産性が低くて、製造ラインで
のネックとなる。第2にはエネルギーロスが多い点で、
加熱媒体の油の加熱のために油槽自体の加熱をする必要
があり、大容積容器に収容された油の放熱と合わせて熱
効率が悪い。第3には大容積容器に収容された加熱媒体
の油の温度を正確に制御することが困難で、応答が遅く
外乱に対して弱く、数値的・定量的管理が困難となる等
の制御面での問題点である。第4には上記の各種問題点
により焼嵌工程を自動製造ライン内に組み込むことが困
難で、マニュアル操作で行う場合には、油槽から取り出
した外輪も数秒後には焼嵌は困難となり、嵌込条件が一
定しないため、製品の品質上のバラツキが大きいという
品質上の問題点である。第5には焼嵌工程以外に消磁の
ための工程が設けられているという点で、外輪の前加工
・検査工程において治具等によって磁化された残留磁気
を消去するために、消磁工程とその設備を必要として製
造ラインの合理化に問題となっていることである。
本発明は上記問題点に鑑み成されたもので、ベアリン
グの外輪の加熱を容易に且つ高精度の制御で実施してロ
ーラの嵌装の自動化を図ると共に焼嵌に際に消磁を実施
する嵌装方法の提供を目的とするものである。
E.課題を解決するための手段と作用 本発明は焼嵌するベアリング外輪を誘導加熱によって
所定の温度範囲に高精度に加熱昇温し、続けて共振回路
による減衰波によって消磁を行うと共に転動体の焼嵌を
行うもので、具体的に用いらられる手段は、誘導加熱コ
イルとコンデンサとの並列接続により共振回路を構成す
る誘導加熱回路を備え、誘導加熱回路の負荷状態におけ
る誘導加熱コイルの抵抗値をR、インダクタンス値を
L、コンデンサの容量をCとしたとき、R2<4L/Cからな
る負荷整合回路常数とした誘導加熱装置により外輪を所
定温度に昇温せしめた後、電源を断として外輪の磁化力
を漸減せしめると共に、組付装置によって外輪内周面へ
の転動体の焼嵌を行うことを特徴とするものであり、さ
らに外輪の昇温温度を転動体の自由嵌脱が可能となる温
度以下の焼嵌温度として嵌込治具によって転動体を強制
的に圧入することを特徴とすることにより、外輪の昇温
温度を低く抑えることができると共に、ベアリングに消
磁が施されることにより、前工程迄に外輪に付与された
残留磁気が消去されて、後工程やベアリングの使用中に
生じる虞れのある異物や金属粉の吸着等の原因が取り除
かれる。
F.実施例 以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。第5図(a),(b)は本発明の実施例に用
いられるベアリングの組付装置要部の配設位置関係を示
す図で、第5図(a)は要部の正面図を示し、第5図
(b)は平面図を示している。第6図(a),(b)は
ベアリングの組付装置の組付機構部分を示したもので、
第6図(a)は平面図を示し、第6図(b)はB−B線
の断面図を示している。
本実施例に用いる誘導加熱装置の加熱部4の構成を第
5図(a),(b)により、またベアリング組付装置の
組付機構の構成を第6図(a),(b)を参照して説明
する。
本発明は被加熱物のベアリング外輪を誘導加熱装置に
より加熱昇温することを第1の特徴としたものであり、
第5図(a),(b)に示すようにベアリングの組付装
置は誘導加熱装置の加熱コイルに近接して設けられる。
誘導加熱装置の加熱部4は、誘導加熱装置の加熱部に供
給される三相交流電源を可変電圧可変周波数の交流電源
に交換するインバータ5と、インバータ5の出力を変圧
すると共に、インバータ5と加熱コイル部との回路構成
を分離するトランス6と、後述する消磁作用のために加
熱コイル部の共振回路に必要なインピーダンス整合を図
る整合部7と、ワークであるベアリングの外輪2を誘導
加熱する誘導差熱コイル8(以下誘導コイル8と称す)
とから概ね構成している。
本発明の要部であるベアリング外輪の磁気消去を実施
する共振回路の構成について第4図(a),(b)を参
照して説明する。第4図(b)は本実施例の誘導加熱コ
イル部の電気回路を示したもので、整合部7および整合
部7とトランス6により結合された誘導コイル8で構成
されている。第4図(a)は、第4図(b)の等価回路
を示したものでインバータ5を電源としてコンデンサ4
1、コイル42とそのコイル42の抵抗43とが並列に接続さ
れた並列回路を構成している。第4図(a)において、
電源を断とすると、コンデンサ41、コイル42、抵抗43か
ら成る回路(以下振動回路と称す)において、コンデン
サ41の電荷がコイル41と抵抗43を通じて放電されること
になる。そして、コンデンサ41の電荷がコイル42、抵抗
43を通じて放電されると、振動回路には共振による減衰
振動波が発生する。この振動回路の臨界条件は、コイル
42の抵抗地をR、インダクタンス値をL、コンデンサ41
の容量をCとすると、R2=4L/Cとなり、また、振動条件
はR2<4L/Cで表されることが一般的に知られている。従
って第4図(a)における共振の振動波形を発生する臨
界条件は、振動波形の周波数,回路抵抗,インダクタン
スの値,整合用コンデンサの容量等の負荷整合回路常数
を選定して、誘導コイル8内にベアリング外輪2が存在
する負荷状態で上記 を満足する最適値に構成することにより実現される。
次に本発明の焼嵌方法を実施するベアリングの組付装
置の構成について、第5図(a),(b)と第6図
(a),(b)を参照して説明する。本実施例では第5
図(b)に示すように、誘導コイル8は1度に2個のベ
アリング外輪を同時に加熱するように直列に接続された
コイル8aおよび8bで構成しており、誘導コイル8の下部
を回転するインデックステーブル10には8等分された14
a〜14hの各位置に、ベアリング外輪2を載置する外輪着
座台14が配設される。外輪着座台14は第6図(b)に示
すように中心に円板駆動軸12bの遊挿を可能とする孔を
穿設し、着座するベアリング外輪2の縁部内径と嵌合す
る凸状部を形成すると共に、ベアリング外輪2に嵌装さ
れるローラ3を供給するローラシュータ13と回転自在に
嵌合する凹状部を形成している。更に外輪着座台14の中
心に回転軸を有し、上記円板駆動軸12bによって回転す
る回転偏心円板12が設けられ、この回転偏心円板12によ
ってローラ3がベアリング外輪2に嵌入される。
ローラシュータ13は外輪着座台14枚に外輪着座台14の
上方に配設されて所定数のローラ3を保持し誘導コイル
8の中央にベアリング外輪2がセットされて所定温度に
誘導加熱された時に、ベアリング外輪2の中へ回転偏心
円板12の回転に伴ってローラ3を順次供給する。
上記のように構成された装置における本実施例のベア
リングの嵌装方法について詳細に説明する。
ベアリング外輪2およびローラ3は夫々前工程より図
示しない移送手段によって搬入され、ベアリング外輪2
はインデックステーブル10に載設している外輪着座台14
に載置される。ベアリング外輪2は14aおよび14bの位置
にある外輪着座台14の凸状部と縁部内径を嵌合して固定
されると共に、各外輪着座台14上に取り付けられている
ローラシュータ13内には嵌装する数のローラが供給され
る。インデックステーブル10は第5図(b)に示す方向
に回動して位置14cおよび14dに外輪着座台14を移動す
る。第5図(a)に示すシリンダ15はインデックステー
ブル10の下方から上昇して、位置14cおよび14dにある外
輪着座台14を誘導コイル8の中に上昇移動して、夫々の
ベアリング外輪2を誘導コイル8の中央に位置して停止
する。
次に着座台駆動軸12aを介して図示省略した駆動源に
よって外輪着座台14および外輪2を回転せしめる(この
際ローラシュータ13は図示省略の保持機構によって保持
されて回転しない)と共に、誘導コイル8に通電を行っ
て、ベアリング外輪2に誘導電流を発生せしめて所定温
度まで加熱を行う。続けてベアリングの組付装置は、加
熱昇温したベアリング外輪2にローラ3の嵌装を行う。
ローラシュータ13内に円筒状に設けられ、最下端がベ
アリング外輪方向に開口して回転偏心円板の回転を可能
としているローラ保持具13a内に必要数だけ収納されて
いるローラ3は、回転偏心円板12の1回転毎に最下端に
位置するローラからベアリング外輪2の内周面に供給さ
れ、自然落下によって順次ローラ保持具13a内の最下端
で待機する。
上記のローラ組付方法について第2図および第3図を
参照して説明する。第3図に示すようにローラ3の外径
をDRとしたとき、ローラ3が互いに密接して円を形成し
た場合のローラ3の中心迄の中心径(ピッチサークル:P
CD)をDPとして、ローラ3の形成する外周径をDo、また
ローラ3の接点径をDCとして示している。またベアリン
グ外輪2のローラ収納部の内径をDiにて示している。そ
してローラ3を転動せしめるためDiはDoより僅かに大に
構成されている。ベアリング外輪2のローラ収納部の内
周円面ヘローラ3を嵌装して連設するためには、第3図
中にて2点鎖線で示すように最後の1個のローラ3を嵌
装するためにローラ3の中心G1とG2間の距離が となることが必要であり、このために必要なベアリング
外輪2の最小内径をDo′で示してある。嵌装されたロー
ラ3が転動し、且つ脱落不能にするためには、ベアリン
グ外輪2のローラ収納部の内径Diは前記のDoより大で且
つDo′より小に保持することが必要である。そこでベア
リング外輪2へのローラ3の嵌め込みを自由に実施する
ためにはベアリング外輪2を熱膨張せしめてローラ収納
部の内径をDiからDo′以上に拡大することが必要であ
る。次にその際の嵌代を算出する。
即ち、最後に嵌入するローラの中心をGo,このローラ
に当接する両側のローラの中心をG1,G2として、ベアリ
ング外輪2が加熱されて膨張し、上記ローラ夫々が嵌入
した時の中心をGo,G1′,G2′とすると、ローラを嵌装す
るための直線上の嵌代(自由嵌め込みを可能とする最小
寸法差)ELは、 である。
第2図および第3図よりローラ3の嵌代の算出方法
は、 で与えられる(但しnは嵌装されるローラ3の数であ
る)。
なおローラ3の回転のための隙間は極めて微少である
ので、Di(外輪のローラ収納部の内径)≒Do(ローラ3
の外周径)とするとDP=DO−DR≒Di−DRからEL≒2DR
(Di−DR)sinγで与えられる。
次にベアリング外輪の熱膨張による周長伸びから焼嵌
代を求めると、EL≒π×DP×θ×α(右辺は周長の伸
び)で求められる。これからエアリング外輪2にローラ
3が自由に嵌装できる熱膨張による焼嵌代は近似的に、 π×(Di−DR)×θ×α≧2DR−(Di−DR)sinγ の場合であり焼嵌温度は、 である。逆に外力、即ち押圧力を用いて強制的に嵌装す
る条件は近似的に、 π(Di−DR)θ・α<2DR−(Di−DR)sinγ であり焼嵌温度は、 である(上記計算式に用いた記号は、Diはベアリング外
輪の内径,DRはローラの外径,θは加熱温度,αは熱膨
張係数を示す)。
またベアリング外輪2には前工程にて熱処理が行われ
ているので、焼嵌の際の加熱温度は一般に低いことが望
ましい。上記のように焼嵌温度をローラの自由嵌め込み
温度以下にとどめてローラを強制的に圧入する焼嵌方法
を用いることは、ベアリング外輪の金属組織の変化や強
度,硬度等の低下を防止して製品の品質を高めるうえで
有効であり、また省エネルギーの点からも好ましい。そ
して上記のようにベアリング外輪2を所定の温度に誘導
加熱後、自動で遅延なくローラの組み込みを行う方法に
より、このような低温加熱での焼嵌の実施が容易となる
のである。
上記の組込条件のもとで、ローラシュータ13内でロー
ラ保持具13aの下端に落下したローラ3は、回転偏心円
板13が円板駆動軸12bによって回転駆動すると共に、外
輪着座台14が着座台駆動軸12aによって回転駆動される
ことにより外輪着座台14上のベアリング外輪2も一緒に
回転することによって、回転しないローラシュータ13と
の相対的回転運動の中で、ベアリング外輪2の内周円面
にローラ3が1個づつ順次嵌め込まれ、最後に嵌入する
ローラ3は、上記θの温度条件のもとで回転偏心円板12
に押されて自由嵌め込み状態か、あるいは強制的に押圧
されて嵌め込まれる。
一方誘導コイル8への通電は、ベアリング外輪2が所
定温度まで昇温した後電源を断とする。この時誘導コイ
ル8には、第7図に一例を示す共振による減衰振動波が
発生し、ベアリング外輪2に対して共振減衰振動波を誘
導して付与されていた残留磁気の消去を行う。
上記の共振振動波を発生する負荷整合回路常数の一例
を算出すると、共振振動数f=10000Hz,cos=0.4,イ
ンダクタンスL=4μHの場合には、 の定式を展開すると、LC=253.3(μH,μF)、コイル
のリアクタンスX=2πfL、X=0.251Ω≒Z、従って
R=0.101Ω,C=63.3μFと算出される。この算出値を
第4図(a)における振動回路の振動条件R2<4L/Cに代
入すると、R2=0.0102Ω、(4L/C)=0.253となって振
動条件を満足することとなる。
第8図(a)はベアリング外輪2が前工程迄に付与さ
れた残留磁気の分布を測定したグラフで、第8図(b)
は本実施例の減衰振動波を与えた後の残留磁気を測定し
たグラフで、同一の被測定物である。図において、縦軸
は磁束密度(GAUSS),横軸はベアリング外輪2の周方
向の測定位置を示している。図に示されたように、ベア
リング外輪2に付与されていた磁気はほとんど零に消去
され、以後の処理工程やベアリングの使用中に鉄粉や金
属異物を吸着する虞れがなくなる。
誘導コイル8の中に外輪着座台14を指示していたシリ
ンダ15は下降して、外輪着座台14をインデックステーブ
ル10の定位置に戻す。続いてインデックステーブル10は
回動して外輪着座台14を位置14eおよび14fに移動し、放
冷,冷却され、組み付けられたベアリング1を図示しな
い移送手段により搬出する。
上記の繰り返しにより、ベアリング1の連続焼嵌が全
自動で行われる。
本発明の実施にあたっては上記実施例に限定されるも
のではなく、例えばインデックステーブル10の位置14c
および14dではベアリング外輪2の誘導加熱による昇温
および残留磁気の消磁のみを行い、その後すばやくイン
デックステーブル10を回転させて位置14eおよび14fにお
いてベアリング外輪2の円周面への転動体(ローラ)3
の組み付けを行うようにしても良い。またはベアリング
外輪2を所定温度まで誘導加熱するのに、インデックス
テーブル10の位置14cにて中間の温度まで1段目の加熱
を行った後、14dに回転移動して2段目の加熱を行って
所定温度とすることで、その間の熱の伝達によりベアリ
ング外輪2の外周と内周の温度差を少なくする加熱方法
としてもよい。また被加工物はキーストンベアリングに
限定されず他のベアリングに応用して用いられることは
当然である。
G.発明の効果 以上説明したように本発明は、誘導加熱コイルとコン
デンサとの並列接続により共振回路を構成する誘導加熱
回路を備え、誘導加熱回路の負荷状態における誘導加熱
コイルの抵抗値をR、インダクタンス値をL、コンデン
サの容量をCとしたとき、R2<4L/Cからなる負荷整合回
路常数とした誘導加熱装置により外輪を所定温度に昇温
せしめた後、電源を段としてベアリング外輪の磁化力を
漸減せしめて消磁すると共に、ベアリング外輪の内周面
へ転動体を焼嵌する方法なので、第1には焼嵌する温度
の温度監視制御が電気制御となり、温度管理の精度が向
上すると共に作業の自動化が可能となり、また自動化に
よって組付上の作業条件が安定し、さらに材質の変化等
の生じにくい低い加熱温度での焼嵌めも容易となり、品
質の均一化が実現すると共に生産性が向上して、従来の
製造ラインのネックが解決する。
第2にはベアリング外輪に付与されていた残留磁気の
消磁を焼嵌工程の中で実施するので、残留磁気が除去さ
れて製品の寿命,耐久性を増大すると共に、特性のバラ
ツキを小さくする。また別工程で消磁工程を設ける必要
がない。
第3には従来の油槽浸漬とは異なり、加熱エネルギー
の節約が図られ省エネルギーが達成される。
第4には加熱に油槽を用いないので、油の蒸気による
作業環境の悪化,火災の虞れ,始業前の油槽の予備加熱
等は全て改善される。
以上の大きな効果を奏して、その経済的効果は多大な
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明の実施例に用いられたキ
ーストンベアリングの外観図、第2図と第3図は本実施
例の焼嵌の嵌代算出説明図、第4図(a),(b)は本
実施例に用いた共振回路の回路図、第5図(a),
(b)はベアリング組付装置要部の配設位置関係を示す
図、第6図(a),(b)はベアリング組付装置の組付
機構部分の構成を示した図、第7図は共振回路の減衰振
動波形を示す図、第8図(a),(b)は共振回路の減
衰振動波による消磁効果を説明する図である。 1……キーストンベアリング、2……ベアリング外輪、
3……ローラ(転動体)、4……誘導加熱部(誘導加熱
装置)、5……インバータ、6……トランス、7……接
合部、8……誘導コイル、10……インデックステーブ
ル、12……回転偏心円板、14……外輪着坐台。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 信行 愛知県春日井市気噴町1番地 中部精機 株式会社内 (72)発明者 石坂 雄二 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式 会社明電舎内 (72)発明者 増田 修 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式 会社明電舎内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外輪の内周に連設する転動体の嵌装に外輪
    を加熱して焼嵌するベアリングの嵌装方法において、誘
    導加熱コイルとコンデンサとの並列接続により共振回路
    を構成する誘導加熱回路を備え、誘導加熱回路の負荷状
    態における誘導加熱コイルの抵抗値をR、インダクタン
    ス値をL、コンデンサの容量をCとしたとき、R2<4L/C
    からなる負荷整合回路常数とした誘導加熱装置により外
    輪を所定温度に昇温せしめた後、電源を断として外輪の
    磁化力を漸減せしめると共に、組付装置によって外輪内
    周面への転動体の焼嵌を行うことを特徴としたベアリン
    グの嵌装方法。
  2. 【請求項2】外輪の昇温温度を転動体の自由嵌脱が可能
    となる温度以下の焼嵌温度として嵌入治具によって転動
    体を強制的に圧入することを特徴とした請求項1記載の
    ベアリングの嵌装方法。
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